JPH0788365A - 微粉砕セルロース及びその製造方法 - Google Patents

微粉砕セルロース及びその製造方法

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JPH0788365A
JPH0788365A JP26167493A JP26167493A JPH0788365A JP H0788365 A JPH0788365 A JP H0788365A JP 26167493 A JP26167493 A JP 26167493A JP 26167493 A JP26167493 A JP 26167493A JP H0788365 A JPH0788365 A JP H0788365A
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JP
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pulp
bleaching
cellulose
chlorine
bleached
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JP26167493A
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Takeshi Iimori
武志 飯森
Makoto Machida
誠 町田
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害な塩素化芳香族化合物を含まない微粉末
セルロース及びその製造方法を提供すること。 【構成】 非塩素系薬品を用いて漂白したパルプ原料か
ら調製されてなることを特徴とする微粉砕セルロース及
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微粉砕セルロース及び
その製造方法に関し、特に食品組成物や工業用ろ過助剤
として用いられる微粉砕セルロース及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、食品組成物や工業用ろ過助剤とし
て用いられている微粉砕セルロースは、針葉樹漂白パル
プ(以下、N材と略す。)や広葉樹漂白パルプ(以下、
L材と略す。)等のバージンパルプを原料とし、これら
を機械的又は化学的に微粉砕することにより製造されて
いる。この原料として用いられているN材やL材は、蒸
解後の未晒しパルプを塩素や二酸化塩素といった塩素系
薬品により漂白したパルプである。この塩素系薬品によ
るパルプ漂白工程を経て得られる漂白パルプは、発ガン
性を示すダイオキシン等の塩素化芳香族化合物を生成す
ることが近年明らかにされた。
【0003】そこで、我が国においてもダイオキシン等
の有害塩素化芳香族化合物の生成について環境庁が調査
を実施しているが、その対象は、排水や排ガスなどの周
辺環境に対するものであり、製品中のダイオキシンにつ
いては未だ検討されていない。しかしながら、製品中に
もダイオキシンが含まれていることは、これまでの調査
の結果から明かである。
【0004】例えば、マグヌソン(Magnusson)は、針葉
樹材を原料としたクラフトパルプ中には10〜50ng
/Kg、広葉樹材を原料としたクラフトパルプでは1〜
5ng/Kg、更にサルファイトパルプでも0.5ng
/Kg程度のダイオキシンが含まれていると報告してい
る〔APITA 第90年会 第2分冊、第27−28頁
(1990年、3月)〕。
【0005】微粉砕セルロースは公知であり、食品組成
物として食品中に添加される他、ビールや清酒等の飲料
を対象としたろ過助剤として用いられる場合が多い。従
って、用いられた微粉砕セルロースからダイオキシン等
が溶出され、製品中に混入する危険性が大きいと考えら
れる。このようにして飲食物にダイオキシン類が混入さ
れた場合には、それらのダイオキシン類はそのまま直接
体内に取り込まれることになるので、人体への影響が極
めて高いと言わざるを得ない。
【0006】例えば、前述のマグヌソンの報告を基に、
アイスクリーム、マヨネーズ又は練り製品中に食品組成
物として含まれる漂白パルプを1日10g摂取する場合
を考えると、それだけでも10〜100pgのダイオキ
シンを摂取することになる。下記表1に各国の塩素化ダ
イオキシンの摂取基準(CA.RooK:PIMA,第31頁(19
90年3月)〕を示したが、これらの値と比較すると、
上記10〜100pgという量がいかに大量であるかが
判る。
【0007】
【表1】
【0008】また、ろ過助材として用いられた場合には
使用後に消却処分されるが、その際、高温にさらされる
ことによって多量のダイオキシン類が新たに生成するこ
とは、これまでの知見から明らかである。しかしなが
ら、これまで人体への影響や環境汚染の観点から、ダイ
オキシンフリーのパルプを微粉砕セルロースの原料とし
て用いることに関する検討は、未だ全くなされていな
い。
【0009】一方、従来から、一般的な製紙用原料とし
てのパルプの製造においては、排水処理や環境への負荷
の問題から、ダイオキシン等の有害物質を低減させよう
とする試みが種々行われている。その中でも最も有効な
方法は、非塩素系薬品を用いてパルプの漂白を行うこと
である。
【0010】この非塩素系薬品による漂白法としては、
まず、酸素/アルカリによる漂白が挙げられ、この方法
は既に数多くの工場で実施されている。しかしながら、
この漂白における反応は、遊離のフェノール性水酸基を
持つ芳香環にしか反応しないため、パルプ中の着色物質
の本体であるリグニンを半分程度しか除去できないた
め、完全漂白は、塩素系薬品を利用することに頼ってい
るのが現状である。
【0011】次に有効な方法としては、オゾンや過酸化
水素による漂白が挙げられる。これらの方法はかなり以
前から検討されているが、リグニンに対する選択性が低
く、セルロースも同時に分解されるため、パルプ粘度を
低下させるという品質低下を引き起すので、未だ実用化
には至っていない。また、アルカリ抽出は、リグニンを
抽出する工程として、塩素系薬品による漂白工程を終了
した後に行われているが、その漂白効果は十分でない。
そこで、このアルカリ抽出をより厳しい条件で行うと、
その漂白効果は上昇するが、同時にセルロースがアルカ
リによって加水分解されるため、パルプ粘度が低下す
る。
【0012】一方、細谷等は未晒しパルプ中に残存する
リグニンの化学構造を考慮した、酸処理による新たな漂
白法を提案している(第6回I.S.W.P.C.講演要旨集 P56
3,第37回リグニン討論会講演要旨集 P145 )。しかしな
がら、この方法は酸素/アルカリ処理と同程度の漂白効
果は得られるものの、より効果的に脱リグニンを行おう
とした場合には反応条件を厳しくしなければならないた
め、セルロースが酸によって加水分解され、この場合に
もパルプ粘度が低下する。
【0013】また、最近、キシラナーゼなどのヘミセル
ロースを分解する酵素によりある程度脱リグニンが行え
ることが明らかになり、その研究が盛んに行われている
が、この方法は漂白に対して補助的な効果しか持たず、
塩素系薬品による漂白工程が不可欠である。更に、多糖
類を分解する酵素を用いるため、あまり反応を厳しく行
わせた場合には、パルプ粘度が低下したり、収率の低下
を招く。
【0014】同様に、リグニン分解菌を用いたパルプ漂
白についても検討されているが、これらの菌はセルラー
ゼなどの多糖類を分解する酵素も生産しているので、セ
ルロースが分解されるという欠点があった。これは、こ
れらの菌により、リグニンだけでなく、共存するセルロ
ースをはじめとする多糖類も分解されることに起因す
る。
【0015】次に、微粉砕セルロースの製造工程につい
て考察してみると、前述したように、微粉砕セルロース
の原料としてはN材、L材といった完全晒しパルプが用
いられているが、これらの晒しパルプを製造するには、
まず木材チップを蒸解工程で未晒しパルプとし、次いで
前述したように塩素系薬品で残存リグニンを除く漂白を
行い、晒しパルプを製造している。
【0016】このようにして製造した晒しパルプを、別
工程で、あらためて機械的又は化学的に粉砕することに
より微粉砕セルロースを製造している。従って、原料パ
ルプの製造とパルプの粉砕工程とが別々の工程で行われ
るため、微粉砕セルロースの製造が極めて非効率的であ
った。以上説明したように、パルプの漂白に非塩素系薬
品を用いようとする試みが種々検討されているが、全
て、実用化に至っていないのが現状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
非塩素系薬品を用いたパルプの漂白について検討するう
ち、非塩素系薬品で漂白したパルプを原料として用いた
場合には、ダイオキシンを全く含まない微粉砕セルロー
スが得られることを確認すると共に、その製造工程が短
縮され、かつセルロースの粉砕性が改善されることを見
出し、本発明に到達した。
【0018】従って、本発明の第1の目的は、塩素化芳
香族化合物を含まない安全な微粉砕セルロースを提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、その製造工程が
短縮され、かつセルロースの粉砕性が改善される微粉砕
セルロースの製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、非塩素系薬品を用いて漂白したパルプ原料から調製
されてなることを特徴とする微粉砕セルロース及びその
製造方法により達成された。以下、本発明を更に詳細に
説明する。
【0020】本発明で用いられるパルプとしては、公知
のパルプの中から適宜選択して使用することができる
が、特にN材やL材を蒸解して得られる未晒しパルプ使
用することが好ましい。また、パルプの漂白に使用する
非塩素系薬品としては、パルプ中のリグニン等の着色物
質を分解除去又は脱色できるものである限り、特に限定
されるものではないが、酸素/アルカリ、オゾン、過酸
化水素、酵素、微生物、酸及びアルカリの群から選択さ
れる少なくとも1種を使用することが好ましい。
【0021】本発明における非塩素系薬品によるパルプ
の漂白方法は、公知の方法の中から適宜選択して使用す
ることができる。例えば、酸素漂白による場合には、ア
ルカリ条件下で、パルプ濃度が20〜30重量%という
いわゆる高濃度あるいは中濃度で漂白することが好まし
い。漂白条件は、通常、反応温度が100℃前後、反応
圧力が2〜10Kg/cm2 、パルプ濃度が10〜20
重量%、反応時間が1〜5時間、アルカリ添加量が1〜
3重量%(対パルプ)程度である。
【0022】本発明においては、後述する如く、セルロ
ースの分解が適度に起こることは好ましいので、セルロ
ース保護剤として従来添加されるマグネシウム塩等は添
加しないことが好ましい。また、本発明においては、酸
素よりも強い酸化剤であるオゾンを使用することが好ま
しい。これは、酸素は遊離のフェノール性水酸基を有す
る構造のものしか分解できないのに対して、オゾンは非
フェノール性の芳香環も開裂させることができる上、セ
ルロースの解重合をも行わせることができるからであ
る。オゾンを用いる場合のパルプ濃度は、高濃度、中濃
度及び低濃度漂白のいづれであっても良い。
【0023】本発明において、酸を用いて漂白する場合
には、リグニン中の、又はリグニン及び糖の間のエーテ
ル結合を開裂させるために、通常、パルプ濃度が10重
量%程度で、95%の酢酸やpH1.2〜1.4に調製
された硫酸を用い、100℃で、45分程度漂白処理す
ることが好ましい。このようにした場合には、セルロー
ス中のグリコシド結合が酸により開裂し易いので、漂白
と共にセルロースの分解が同時に進行する。
【0024】本発明で使用することのできる酵素又は微
生物としては、2種類のものが挙げられる。一つは、脱
リグニンを促進する機能を有するものであり、例えばパ
ルプザイム(パルプ漂白用酵素:Novo Nordisk社製の商
品名)やエコパルプ(パルプ漂白用酵素:Alko社製の商
品名)などが挙げられる。他の一つは、リグニンそのも
のに作用してそれを分解するものであり、例えば担子菌
であるファネロケーテクリソスポリウム(Phanerochaet
e chrysosporium )やカワラタケ、又はこれらの菌が生
産する酵素リグニンペルオキシダーゼやラッカーゼなど
が挙げられる。
【0025】前記した如く、非塩素系薬品による漂白は
塩素系薬品による漂白に比較してその選択性が低く、共
存する多糖類も同時に分解するためパルプ粘度が低下す
るということは、従来においては欠点であったが、本発
明の微粉砕セルロースの製造方法においては、下記の如
きエネルギーコストの観点からも、ある程度のセルロー
スの分解は、むしろ好ましいと言える。
【0026】即ち、本発明においては未晒しパルプその
ものを原料としているので、漂白微粉砕セルロース製造
の場合にも、現在知られている非塩素系薬品を用いる漂
白法を使用することができる上、漂白終了時に原料セル
ロースがある程度分解されているので、粉砕工程でのエ
ネルギーを削減することができる。
【0027】上記の粉砕工程は、従来から行われている
化学的、機械的、生物的方法であれば特に限定されな
い。本発明においては、通常の粉砕条件で粉砕しても、
既に原料セルロースがある程度分解されているのでより
良好なセルロース微粉末を得ることができる。機械的粉
砕方法としては、ロールクラッシャー、ボールミル、蒸
煮爆碎等が、また生物学的方法としては、セルラーゼ、
ヘミセルラーゼ等の多糖類を分解する酵素による加水分
解による方法等が挙げられる。また、化学的方法として
は、塩酸や硫酸等の鉱酸又はアルカリによる加水分解に
よる方法が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0029】実施例1.無塩素漂白パルプの調製 酸素漂白パルプ(日本製紙株式会社製:白色度50.5
%、カッパー価11.2)を、リーベルゴットの条件
〔N.Liebergott,Tappi.J.,75(1)p145(1992)〕に従って
オゾン漂白をした後アルカリ抽出した。次いで、下記の
如く過酸化水素漂白を行い、白色度85.6%の無塩素
漂白パルプを得た。
【0030】過酸化水素漂白条件 NaOHを2重量%及びH2 2 を2重量%用い、パル
プ濃度10重量%、60℃で60分間漂白を行った。セルロース粉末の調製 得られた無塩素漂白パルプを、パルプ濃度3重量%及び
硫酸濃度12%として、98℃で撹拌しながら1時間反
応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和
し、充分に水洗した後乾燥した。次いで、ワーリングブ
レンダーを用いて機械的に粉砕を行い、セルロース粉末
を得た。このセルロース粉末の特性を常法に従い測定し
た結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】ダイオキシンの分析 所定量の風乾パルプをソックスレー抽出器に投入し、内
部標準物質としてトルエン100μlをパルプに添加し
た後、エタノールで48時間抽出を行った。得られた抽
出液にダイオキシンの保持剤であるn−テトラデカンを
4滴加え、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧
下、35℃で1mlまで濃縮した。
【0033】この濃縮液をn−ヘキサンに溶解し、順
次、硫酸シリカゲルカラム、アルミナカラム、活性炭カ
ラムにかけた。溶出液にn−テトラデカン10μlを加
え、ドラフト内で風乾させて分析用試料を調製した。こ
の様にして調製した試料を、高分解能ガスクロマトグラ
フ質量分析計により分析したところ、ダイオキシンは検
出されなかった。
【0034】比較例1.通常塩素漂白パルプの調製 実施例1に用いた酸素漂白パルプを用いて、下記表3の
条件で塩素系薬品による漂白を行い、白色度87.2%
のパルプを得た。
【0035】
【表3】塩素系薬品による漂白条件 塩素段 塩素添加量 2.5重量%(対パルプ) パルプ濃度 3.5重量%(50℃・30分) ハイポ/アルカリ段 ハイポ添加量 0.8重量%(対パルプ) カセイソーダ 1.5重量%(対パルプ) パルプ濃度 10.0重量%(50℃・120 分) 二酸化塩素段 二酸化塩素 0.8重量%(対パルプ) パルプ濃度 10.0重量%(75℃・150 分)
【0036】得られたパルプを用い、実施例1と全く同
様の方法によりセルロース粉末を調製した。このセルロ
ース粉末に含まれるダイオキシン量を実施例1と同様に
分析した。その結果、1.8ng/Kg(2,3,7,
8−TCCD換算)のダイオキシンが検出された。この
結果は、実施例1で得られたパルプが、比較例で得られ
た通常の塩素漂白パルプより安全性が高いことを示して
いる。また、得られたセルロース粉末の特性を測定・評
価した。その結果を表2に示す。
【0037】実施例2.実施例1で用いた酸素漂白パル
プを、パルプ濃度3重量%、硫酸濃度12%として、9
8℃で撹拌しながら1時間反応させた。反応が終了した
後中和水洗し、次いでパルプ濃度10重量%、水酸化ナ
トリウム2重量%、過酸化水素2重量%として、60℃
で1時間反応させた。反応が終了した後、中和・水洗し
て乾燥した。得られたセルロース粉末に含有されるダイ
オキシンの量、及びその性質を実施例1と全く同様に測
定した。その結果を表2に示す。
【0038】実施例3.未晒しクラフトパルプ(日本製
紙株式会社製)を、パルプ濃度50%、オゾン濃度3%
(O2 W/O2 W)の条件下でオゾン漂白(30℃で2
0分間)を行った。次いで、得られたオゾン漂白パルプ
を、水酸化ナトリウム1.5重量%、過酸化水素1.5
重量%、パルプ濃度10重量%の条件下で過酸化水素漂
白(60℃で60分間)を行った。得られた過酸化水素
漂白パルプを水洗し、乾燥した。次いで、ワーリングブ
レンダーを用いて機械的に粉砕を行い、白色度87.2
%の白色粉末を得た。得られたセルロース粉末に含有さ
れるダイオキシンの量、及びその特性を実施例1と同様
に測定した。その結果を表2に示す。
【0039】比較例2.実施例3で用いた未晒しクラフ
トパルプを下記表4の条件下で通常の多段漂白を行い、
白色度86.0のパルプを得た。
【0040】
【表4】塩素系薬品による漂白条件 酸素段 反応圧力4Kg/cm2 ・温度100℃ パルプ濃度12重量%・60分 アルカリ添加量2重量%(対パルプ) 塩素段 塩素添加量2.5重量%(対パルプ) パルプ濃度3.5重量%(50℃・30分)ハイポ/アルカリ段 ハイポ添加量0.8重量%(対パルプ) アルカリ 1.5重量%(対パルプ) パルプ濃度 10.0重量%(50℃・120 分) 二酸化塩素段 二酸化塩素 0.8重量%(対パルプ) パルプ濃度 10.0重量%(75℃・150 分)
【0041】得られたパルプを実施例1と同様の条件で
加水分解した後、粉末セルロースに含有されるダイオキ
シンの量、及びその性質を同様に測定した。その結果を
表2に示す。表2の結果から、実施例1〜3で得られた
無塩素漂白パルプを原料として得られたセルロース粉末
と、比較例1及び2で得られた塩素系薬品で漂白したパ
ルプを原料として得られたセルロース粉末との間には、
品質的な差異がないことが確認された。
【0042】また、表5からも明らかなように、実施例
で得られたセルロース粉末が比較例で得られたセルロー
ス粉末に比べ、より微粉砕されていること及び反応段数
が減少し、且つ反応時間が大幅に短縮されていることが
実証された。
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非塩素系薬品を用いて漂白したパルプ原料
    から調製されてなることを特徴とする微粉砕セルロー
    ス。
  2. 【請求項2】非塩素系薬品が、酸素/アルカリ、オゾ
    ン、過酸化水素、酵素、微生物、酸及びアルカリの群か
    ら選択される少なくとも1種である請求項1に記載の微
    粉砕セルロース。
  3. 【請求項3】パルプを非塩素系薬品により処理した後、
    粉砕することを特徴とする微粉砕セルロースの製造方
    法。
  4. 【請求項4】非塩素系薬品が、酸素/アルカリ、オゾ
    ン、過酸化水素、酵素、微生物、酸及びアルカリの群か
    ら選択される少なくとも1種である請求項3に記載の微
    粉砕セルロースの製造方法。
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