JPH078766U - Ｎｏｘ 検知紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】煩雑な操作を必要とせず、簡便にＮＯ_X の有無
を検知することができる、ＮＯ_X 検知紙を提供するこ
と。 【構成】少なくとも、芳香族第一級アミン、ジアゾニウ
ム塩と反応してアゾ色素を形成することができる化合
物、及び結着剤とを含有する塗布液を支持体に塗布・乾
燥してなることを特徴とするＮＯ_X 検知紙。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＮＯ_X 検知紙に関し、特に、煩雑な操作を必要とせず、簡便にＮＯ _X の有無を検知することができる、ＮＯ_X 検知紙に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、大気汚染の原因物質の一つであるＮＯ_X を検知する方法として、ザルツ マン法、ヤコブス法、検知管法などが知られており、実用に供されている。 しかしながら、これらの方法は、大きな装置を必要としたり、操作が煩雑であ るため、戸外で簡単に調べるには不便な方法であった。また、これらの装置はい ずれも高価であるため、簡便に用いるには不都合であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案の目的は、持ち運びが容易であると共に、ＮＯ_X を簡便に検知 することができるＮＯ_X 検知紙を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記の目的は、少なくとも、芳香族第一級アミン、ジアゾニウム塩と 反応してアゾ色素を形成することができる化合物、及び結着剤とを含有する塗布 液を支持体に塗布・乾燥してなることを特徴とするＮＯ_X 検知紙により達成され た。

【０００５】 本考案で使用する芳香族一級アミンとしては、アニリン、アニシジン、４−ジ メチルアミノアニリン及びそれらの塩類、アントラニル酸、スルファニル酸など の比較的水溶性の高い化合物のみならず、４−モルホリノ−２，５−ジブトキシ アニリン、４−トリルチオ−２，５−ジブトキシアニリン等の親水性の低い化合 物も用いることができる。 これらの芳香族第一級アミンは、０．０１〜５ｇ／ｍ² の範囲、特に０．０５ 〜３ｇ／ｍ² の範囲で使用されることが好ましい。

【０００６】 次に、ジアゾニウム塩と反応してアゾ色素を形成することができる化合物（以 下、カップラーという）は、公知の化合物の中から適宜選択して使用することが できるが、特に、Ｎ，Ｎ−ジエチルアニリンやＮ−エチル−Ｎ−ヒドロキシエチ ルアニリン等のアルキル置換アニリン、フェノール類、２−ヒドロキシナフトエ 酸アニリド等のナフトール類、１−（４−スルホフェニル）−３−メチル−５− ピラゾロンや１−フェニル−３−エトキシカルボニル−５−ピラゾロン等のピラ ゾロン類、及びベンゾイル酢酸アニリドやジメドン等の、鎖状又は環状の１，３ −ジケトン誘導体等を使用することが好ましい。

【０００７】 これらのカップラーは、０．０５〜２０ｇ／ｍ² の範囲、特に０．１〜５ｇ／ ｍ² の範囲であることが好ましい。 本考案で使用する、上記芳香族一級アミン及びカップラーを結着させるための 結着剤としては、水溶性高分子結着剤が好ましく用いられる。その具体例として は、ポリビニルアルコールなどの合成高分子の他、ゼラチン、カゼイン等の天然 物も使用することができる。 結着剤の使用量は、０．０５〜１０ｇ／ｍ² の範囲、特に０．１〜５ｇ／ｍ² の範囲であることが好ましい。

【０００８】 本考案においては、少なくとも、上記芳香族一級アミン、カップラー及び結着 剤を水に加え、ボールミル、サンドミル、アトライター等を用いて、微粉砕した 分散液を調製し、又は、ホモジナザー等によって微粒子状に乳化した乳化分散液 を調製し、これらを塗布液としてバー塗布、浸漬塗布、エアナイフ塗布、カーテ ン塗布、スプレー塗布等の公知の塗布方法によって支持体上に塗布した後、乾燥 して本考案のＮＯ_X 検知紙を得ることができる（図１参照）。

【０００９】 また、塗布液中には、塗布液の安定性や、塗布を容易にする目的で適宜界面活 性剤を添加したり、塗布層の白色度の向上やＮＯ_X の吸収能を改良する目的で顔 料を添加することもできる。 本考案で使用することのできる支持体は、特に限定されず、紙、プラスチック シート、陶片、金属板等の中から適宜選択することができる。

【００１０】

【作用】

本考案のＮＯ_X 検知紙をＮＯ_X と接触させると、検知紙中の芳香族第一級アミ ンが酸化された後カップラーと反応してアゾ色素を生じ、使用した芳香族第一級 アミンとカップラーの組み合わせに応じた色が、ＮＯ_X の量と暴露された時間に 応じた濃度で現れるので、この濃度を測定することによってほぼ１〜５０ｐｐｍ の範囲にわたってＮＯ_X の存在量を推定することができる。

【００１１】 上記の作用機構から明らか如く、本考案の検知紙は、ＮＯ_X と接触しなくとも 、保存中に空気中の酸素によって酸化されると変質する。 そこで、保存中の変質を防止するために、本考案の検知紙又は検知紙の束を酸 素不透過性シートで包み、密閉することが好ましい（図２参照）。 酸素不透過性シートは、酸素不透過性の高分子フィルムや、アルミ箔ラミネー トフィルム等の公知の材料の中から適宜選択して使用することができる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案のＮＯ_X 検知紙は、ＮＯ_X の濃度を判定するために煩雑な操作を必要と しないばかりか、高価な装置も必要がとしない上、任意の環境下で、著しく簡便 にＮＯ_X を検知することができる。 以下、本考案を実施例に基づいて更に説明するが、本考案はこれによって限定 されるものではない。

【００１３】

【実施例】

アニリン１部及び２−ヒドロキシナフトエ酸アニリド２０部を１０％のポリビ ニルアルコール水溶液１００部に加え、ボールミルで１６時間分散し、得られた 分散液に４０％の炭酸カルシウムの分散液２５０部を加えて塗布液を調製した。 得られた塗布液を、上質紙に、固形分で５ｇ／ｍ² となるようにバー塗布し、 乾燥して本考案のＮＯ_X 検知紙を得た。

【００１４】 得られた本考案のＮＯ_X 検知紙を、ＮＯ_X を１０ｐｐｍ含む空気中に５時間暴 露したところ、検知紙は白色から赤色に変色した。この変色をマクベス濃度計で 測定した濃度は約０．２であった。更に１５時間暴露させたところ、赤色は濃く なり、その濃度は約０．４であった。

【００１５】 ＮＯ_X が含まれない場合には、１５時間暴露しても着色は認められなかった。 従って、この着色濃度と、反応したＮＯ_X の関係を予め測定しておくことによ り、本考案のＮＯ_X 検知紙を、ＮＯ_X を含む環境に曝しておくだけの簡便な操作 で、ＮＯ_X の有無を判断することができ、また色の変化を測定することによって その存在量を容易に推定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＮＯ_X 検知紙の断面図である。

【図２】本考案のＮＯ_X 検知紙を酸素不透過性シートで
包み、密閉した状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 支持体 ２ 塗布層 ３ 密閉シート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｎ 31/00 Ｈ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも、芳香族第一級アミン、ジアゾ
   ニウム塩と反応してアゾ色素を形成することができる化
   合物、及び結着剤とを含有する塗布液を支持体に塗布・
   乾燥してなることを特徴とするＮＯ_X 検知紙。
2. 【請求項２】使用前に空気中の酸素と接触しないよう
   に、密封・包装されている、請求項１に記載のＮＯ_X 検
   知紙。