JPH0785711B2

JPH0785711B2 - 喫煙用パイプ

Info

Publication number: JPH0785711B2
Application number: JP2334208A
Authority: JP
Inventors: 昇田中; 和明斉藤
Original assignee: ティーピーエフインダストリー株式会社
Priority date: 1990-11-30
Filing date: 1990-11-30
Publication date: 1995-09-20
Anticipated expiration: 2010-09-20
Also published as: JPH04200377A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、主として紙巻きタバコの喫煙時において使用
される喫煙用パイプに関する。

〔従来の技術〕

一般に、タバコの煙中には人体に好ましくない影響・臭
気を与える成分、主にニコチン，タール等が含まれてお
り、この中、発癌性物質としては、主流煙（吸引して口
の中に入る煙）中のタールに含まれている有害物質であ
る3,4ベンツピレン,3,クロロエチレンや、副流煙（タバ
コの立ち煙）中のN,ニトロジメチルアミン,N,ニトロア
ミンなどがある。

したがって、従来より主流煙に対しては、これらの成分
を除去するために、喫煙用パイプの内部に各種の物質、
具体的にはシリカゲル，ビタミンC,乳糖，酵素などを付
着させた天然または合成繊維の集束体を設置し、喫煙時
において、吸引したタバコの煙が集束体を通過する際に
前記した物質と反応することにより、タバコ本来の香味
を損なうことなく有害な成分を除去するようにしたもの
がある（例えば、特公昭61−32953号公報）。

また、健康を増進させるような成分を煙中に積極的に含
ませるようにしたものも開示されている（実願昭62−86
452号のマイクロフィルムや、特開昭60−203179号公
報、実公昭30−18992公報）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、実願昭62−86452号のマイクロフィルム
に記載のものは、直径2mm以下の小径の貫通孔を軸方向
に設けたプラスチッキ柱状焼結体に、薬効、保健効、栄
養効などを有する成分（例えば朝鮮人参エキス等）を担
持させたフィルターであり、単にこのフィルターを煙が
通過するにすぎないものであるため、煙中に含まれるタ
ールの影響（例えば被覆作用）を受けるため、薬効成分
等が煙中に混入することができず、所期の効果を発揮で
きない場合があるといった問題点を有している。

また、特開昭60−203179号公報に記載のものは、薬効剤
や香料のカプセルを入れた各種のカードリッジを使用者
が選択的に喫煙用パイプに用い、さらに、タバコの煙を
薬効剤等に達する前に一旦凹溝にぶつけて、タールやニ
コチン類を減少させるようにしたものであるが、凹溝一
箇所で煙中のタームの減少を図るため、この減少効果も
それほど期待できるものではなく、上記と同様の問題点
を有している。

次に、実公昭30−18992号公報に記憶のものは、吸口基
体内の消毒脱脂綿中に香料や医薬等を含浸したものであ
り、上記と同様に、消毒脱脂綿を煙が通過するにすぎ
ず、タールの影響を受けて医薬等が煙中に混入しずらく
なるといった問題点を有している。

そこで、本発明では、吸引された煙中に薬効成分として
葉酸が確実に混入されるようにして、葉酸の作用で健康
の増進を図ることができる喫煙用パイプを提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、タバコ挿入口と吸口部とを備えた筒状の喫煙
用パイプにおいて、タバコ挿入口と吸口部との間の後者
側に、葉酸を付着させたセラミックボールを複数個入れ
るとともに、タバコ挿入口とセラミックボールとの間
に、シリカゲルおよびビタミンＣを付けた繊維集束体を
入れ、繊維集束体でセラミックボールの移動を抑止する
ようにしたものである。

〔作用〕

吸引されたタバコの煙は、繊維集束体を通った後に複数
のセラミックボールが入っている部分を通過して喫煙者
に達する。なお、この煙はタールと水（蒸気）との混合
物であり、それぞれの割合はおよそ前者が40重量％、後
者が60重量％となっている。

そして、煙が繊維集束体を通過することにより、その中
のタール分は、繊維集束体のビタミンＣの作用によって
その酸度を下げるとともに、水分は、シリカゲルにその
約半分ほどが吸着される。このとき、水と混合している
タールもシリカゲルに吸着され、タールの量の低減が図
られる。

このような作用を受けた後タールや水からなる煙は、セ
ラミックボール相互間の狭い隙間を通過して広い空間に
進んだ際の膨張作用によって冷却され、これによりター
ルは気体から液体となってセラミックボールの表面に付
着することになり、タール量の一層の低減を図るように
している。

また、葉酸は、多孔質のセラミックボールの孔部に入っ
た状態や表面に付着した状態となっている。そして、セ
ラミックボール間を通過する煙中の水に溶けた状態で喫
煙者に取り入れられることになる。

上述のようにセラミックボールの表面はタールによって
被覆されるため、葉酸が煙中の水に混入するのを遮るか
たちとなっているが、セラミックボール間の狭い隙間に
続く比較的広い空間での膨張作用にともなって煙の圧力
は葉酸が付着している孔部の圧力（常圧）よりも低くな
り、かかる減圧作用によって葉酸は孔部から前記空間の
方へ引き出されて、ここを通過中の水に溶けることによ
り吸口部への運ばれていく。

なお、葉酸とは、別名プテロイルグルタミン酸，ビタミ
ンM,フォラシン，ビタミンBeといい、性状としては、C
₁₉H₁₉N₇O₆,分子量441.41で、黄から橙黄色の結晶性粉末
で無臭、ビタミンＢ複合体の一つで抗貧血性、水に微
溶、有機溶剤に不溶、酸で分解し、アルカリに安定であ
る。

また、用途としては、強化剤、医薬（抗貧血性ビタミB
₁₂,ビタミンＣと併用すると効果的である）として用い
られ、貧血に著しい効果のあるほか、発育を促進し、胃
腸粘膜の機能を正常にし、ビタミンＡの吸収をよくし、
赤血球の形成に関係があり、生態細胞は葉酸がないと分
裂できず、欠乏すると貧血、白血球が減少し、下痢、腹
痛などを起こす、という特徴がある。この中、生態細胞
が分裂できないことは癌につながるものである。したが
って、葉酸は、癌の予防，抑制、特に肺癌に対して効果
を有する。

〔実施例〕

本発明の実施例を第１図ないし第５図を参照して説明す
る。図において、１は、筒状のパイプ本体であり、透明
または不透明のプラスチックで形成されている。

２は、パイプ本体１のタバコ挿入口であり、タバコを差
し込んだ状態を保持するために内方を小径にしている。

３は、パイプ本体１に形成した吸口部である。

４は、空間部であり、パイプ本体１内部のタバコ挿入口
２と吸口３との間に形成している。

５は、吸口部３に形成した煙道であり、空間部４と外部
とを連通させている。ただし、径の大きさは後述するセ
ラミックボール６の直径より小さく角形とする。

６は、スラミックボール（ファインセラミック）であ
り、多孔質で球状になっており、空間部４に複数個設置
されている。

７は、繊維集束体であり、合成または天然繊維を集束し
て外周を固めたもので、タバコ挿入口２とセラミックボ
ール６との間に設置されている。

ここで、各セラミックボール６の表面や多数の孔部には
葉酸が付着している。その手法としては、粉末を水に溶
かしたものをセラミックボール６に付けて自然乾燥させ
る方法，水に溶かした葉酸とセラミックボール６とを入
れた容器を回転させるといった遠心分離による方法，お
よびセラミックボール６を葉酸の水溶液の入っている容
器に入れ、この容器内を真空に引くか又はこの容器内を
加圧する方法などがある。

また、繊維集束体７には、ミリミクロ単位のシリカゲル
およびビタミンＣを混和させた状態で繊維集束体７に吸
着させたり、各繊維の間に混入させている。したがっ
て、タバコ挿入口２にタバコ（主に紙巻きタバコ）を入
れて吸口部３より吸引すると、タバコの煙は第２図に示
す繊維集束体７を通過してここのシリカゲルにより水を
吸着してその重量を約半分にするとともに、ビタミンＣ
の作用によりタールの酸度を下げた状態となる。

続いて、煙がセラミックボール６間の狭い隙間を通過し
て広い範囲に進んだ際の膨張作用によって冷却されるこ
とによりタールはセラミックボール６の表面に付着す
る。また、セラミックボール６の孔部に入っている葉酸
は、前記減圧作用よって孔部から引き出され、セラミッ
クボール６間を通過する煙中の水に溶けた状態となって
煙道５から喫煙者に取り入れられる。

次に、複数のセラミックボール６の孔部に付着させた葉
酸の煙中への混入の程度を示す測定例を説明する。

第４図は、このとき測定に用いた装置の概要を示すもの
で、テスト用のパイプ８にセラミックボール６および繊
維集束体７を入れるとともに、その端部にはタバコ９を
差し込み、このパイプ８からフィルタ10−フローメータ
11−チャンバ12−ポンプ13の順番に配置し、また、タバ
コ９には日本たばこ産業株式会社製のハイライトを使用
し、フィルタ10にはガラス繊維からなるものを用いてい
る。

ここで、ポンプ13を駆動することによりタバコ９は吸引
され、タバコの煙は、フィルタ10−フローメータ11−チ
ャンバ12−ポンプ13を介して外部に放出されるようにし
たものである。なお、煙の流量は1.0/minにセットさ
れている。

パイプ８としては、葉酸を付着させていない15個の各セ
ラミックボール６をそれぞれに入れた葉酸なしのパイプ
A1〜A20の20本と、葉酸を付着させた15個の各セラミッ
クボール６をそれぞれに入れた葉酸ありのパイプB1〜B2
0の20本との計40本を使用した。

そして、各パイプ８ごとに、タバコ９を付けないときと
Ｎ本目（Ｎ＝１〜５）のタバコを吸った後でのパイプ自
体の重さとそれぞれのときのフィルタ10の重さを測定し
た。

第５図は、葉酸なしのパイプA1と葉酸ありのパイプB1と
についての測定データを示すもので、例えばパイプA1の
場合、タバコを吸っていない初期状態でのパイプの重さ
（初期重量）は2.2670gであって、１本目のタバコを吸
うことによりこれが31.0mg増加して2.2986gとなり、ま
た、このパイプA1の測定のときに用いたフィルタの初期
重量は0.1814gであって、１本目のタバコを吸うことに
よりこれが36.5mg増加して0.2179gとなったことを示し
ている。なお測定対象はパイプ８およびフィルタ10の重
さ（絶対値）である。

この測定結果によれば、葉酸なしのパイプA1では、吸っ
たタバコの本数の増加にしたがってパイプの重さは順次
重くなり、５本目のタバコを吸った後では初期重量より
も141.7mgだけ増加している。また、フィルタ10の重さ
も吸ったタバコの本数の増加にしたがって順次重くな
り、５本目のタバコを吸った後では初期重量よりも165.
3mgだけ増加している。

葉酸ありのパイプB1でも、喫煙本数の増加にしたがって
パイプおよびフィルタ10の重さは順次重くなっていき、
５本目のタバコを吸った後の重量増加分は前者で136.2m
g、後者で171.5mgとなっている。

第６図は、その外の、葉酸なしのパイプA2〜A20および
葉酸ありのパイプB2〜B20のそれぞれについて第５図と
同様なデータを求めたときの、パイプおよびフィルタの
初期重量と、５本目のタバコを吸った後のそれぞれの重
量増加とを抽出してまとめたものである。

これによれば、パイプA1〜A20の葉酸なしグレープと、
パイプB1〜B20の葉酸ありグループごとに、それぞれ延
べ100本（５本×20）のタバコを吸ったときの重量増加
の平均値は、（１）葉酸なしのパイプ１本につき、・パイプの重量増加分・・・・141.4mg ・フィルタの重量増加分・・・165.8mg （２）葉酸ありのパイプ１本につき、・パイプの重量増加分・・・・136.3mg ・フィルタの重量増加分・・・172.3mg であることがわかる。

このように、パイプの中に入れるセラミックボールに葉
酸を付着させたときは、これを付着させない場合より
も、タバコを５本吸った後のパイプの重量増加分が平均
で5.1（136.3−141.4）mgほど減り、またこのときのフ
ィルタの重量増加分が平均で6.5（172.3−165.8）mgほ
ど増えている。

前者の5.1mgだけの減少の主要因は、パイプ中のセラミ
ックボールの孔部に付着していた葉酸が、前記減圧化に
よって孔部から飛び出し、煙流中の水分に溶けて吸口部
の方に流れていくためである。

このときの葉酸の量は例えばB1においては、・１本目のタバコを吸ったときには2.0（29.6−31.6）m
g ・２本目のタバコを吸ったときには1.8（29.1〜30.9）m
g と推定される（第５図参照）。

また、後者の6.5mgだけの増加の主要因は、煙流中に混
入したと葉酸がフィルタに付着するためと考えられる。

前者の減少の要因としては、外にもセラミックボールの
孔部の開口部分に付着していたタールなどが葉酸の孔部
からの前記飛び出しによってはがされることなどがある
が、量的には当該葉酸に比べれば微々たるものと考えら
れる。

また、セラミックボール表面には前記の膨張冷却作用に
より煙中のタールなどが順次付着していき、また孔部に
体する前記減圧化のような作用もないため、当該表面に
付着されている葉酸が煙流中に混入するといったこと
は、１本目のタバコを吸うときのごく初期の段階のつま
り当該葉酸がタールで最初に覆われるまでのごく短い間
を除いては、発生しない。

なお、葉酸とタールなどが反応することなく、セラミッ
クボールに葉酸を付けることによってこの表面へのター
ルなどの付着の程度に変化は生じないものと考えられ
る。このことは、葉酸なしのパイプと葉酸ありのパイプ
のそれぞれの表面へのタールの着色状況に差異がないこ
とからもうかがえる。

以上のことからすれば、・セラミックボール表面には、葉酸なしのパイプおよび
葉酸ありのパイプのいずれにおいても同程度のタールな
どが付着し、・葉酸ありのパイプの場合にも、もともとセラミッボー
ルの孔部に付着していた葉酸が煙流の方に移動してその
中の水分に溶けて吸口部へと流れていき、・喫煙の前後でのパイプ重量の増加分は、葉酸のこの移
動分に応じて葉酸ありのパイプのほうが少なくなり、・また、いわば喫煙者の口内に相当するフィルタの重量
増加分は、この減少分に応じて葉酸ありのパイプのほう
が多くなっているものであり、本発明の葉酸ありのパイプの使用によって喫煙者の体内
にはこの葉酸が確実に取り込まれるものと推定される。

〔発明の効果〕

本発明は、タバコ挿入口と吸口部との間に、葉酸を付着
させたセラミックボール、並びにシリカゲルおよびビタ
ミンＣを付けた繊維集束体を入れているため、タバコの
煙は、繊維集束体においてビタミンＣおよびシリカゲル
の作用によりタールの酸度を下げられかつ水の約半分が
吸着された後に、セラミックボール間を通過してこのセ
ラミックボールの表面にタールおよび水を付着させるこ
とにより、タバコの煙中のタールの除去を効果的に行う
ことができる。

また、葉酸をセラミックボールの孔部に付着させている
ため、セラミックボール間を通過した煙の膨張に基づく
減圧作用でこの孔部の葉酸が引き出されて煙中の水に溶
けることにより、当該葉酸は吸口部の方に運ばれ、喫煙
者に薬効成分を付与して健康増進を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の喫煙用パイプの実施例を示す断面図、
第２図は第１図のII−II線に沿った断面図、第３図は第
１図のIII−III線に沿った断面図、第４図は測定装置の
概略を示す説明図、第５図はパイプA1およびパイプB1の
測定データ、第６図はパイプA1〜A20およびパイプB1〜B
20の測定データである。１……パイプ本体２……タバコ挿入口３……吸口部４……空間部５……煙道６……セラミックボール７……繊維集束体８……パイプ９……タバコ 10……フィルタ 11……フローメータ 12……チャンバ 13……ポンプ

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ６１Ｋ 31/375 (56)参考文献特開昭60−203179（ＪＰ，Ａ) 実開昭63−193499（ＪＰ，Ｕ) 実公昭30−18992（ＪＰ，Ｙ１)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】タバコ挿入口（２）と吸口部（３）とを備
えた筒状の喫煙用パイプにおいて、前記タバコ挿入口（２）と吸口部（３）との間の後者側
に、葉酸を付着させたセラミックボール（６）を複数個
入れ、前記タバコ挿入口（２）と前記セラミックボール（６）
との間に、シリカゲルおよびビタミンＣを付けた繊維集
束体（７）を入れ、前記繊維集束体（７）で前記セラミックボール（６）の
移動を抑止するようにしたことを特徴とする喫煙用パイ
プ。