JPH0783671B2 - 釣糸及びその製造方法 - Google Patents

釣糸及びその製造方法

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JPH0783671B2
JPH0783671B2 JP11558192A JP11558192A JPH0783671B2 JP H0783671 B2 JPH0783671 B2 JP H0783671B2 JP 11558192 A JP11558192 A JP 11558192A JP 11558192 A JP11558192 A JP 11558192A JP H0783671 B2 JPH0783671 B2 JP H0783671B2
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wax
fishing line
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仁志 岸本
衛 山本
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚釣り用の高強度釣糸
に関するものである。さらに詳しくは構成繊維の収束一
体性に優れた釣糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、釣糸としてはポリアミド繊維、ポ
リフッ化ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、などが主
に使用されてきた。
【0003】最近になって、超高分子量ポリエチレン繊
維が上記繊維に比べ引張り強度が2〜3倍あることか
ら、これらに替わって盛んに使用され出してきた。しか
るに、この繊維の分子中には活性な極性基を有しないこ
とからどのような種類の接着剤を使用しても満足できる
性能を有する接着性は得られていない。また耐熱性もそ
れ程高くないことから、接着剤を固化させるための熱処
理も十分な温度に上げることができないことも、十分な
接着性を得られない要因であった。
【0004】例えば、実公平3−27430号公報で、
超高分子量ポリエチレン繊維に撚りをかけ、接着剤でか
ためてなる釣糸が提案されている。ここで接着剤として
フェノール樹脂やエポキシ樹脂など常用のものを用いれ
ばよいとしている。しかしながら、これらの釣糸は、数
回の使用で収束性が破壊し、単糸切れが起こり耐久性が
不十分である。また、風合いが硬くなり、特に鮎や岩魚
用などのの比較的小さい号数には不向きであった。
【0005】このため、本発明者らは超高分子量ポリエ
チレン繊維を組紐状に編組してなる釣糸を提案した(例
えば、特開平2−63533号公報など)。この釣糸の
耐久性は、すこぶる良好で何回使用してもばらけること
がなく、その外高強力なことも相まって好評で広く使用
され出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、組紐状に編
組することは生産性が非常に低く、組機1台で1日24
時間で200〜300m程度しか生産できない。このた
めコストが高くなる問題点を有している。また、組紐状
に編組すると、見かけの太さが、デニールから計算した
号数に比べ大きくなる問題点も有する。本発明は、前記
従来技術の課題を解決するため、製造コストが低く、か
つ見掛の太さが細く、かつ構成繊維の収束一体性に優れ
た釣糸及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の釣糸は、複数本の超高分子量ポリエチレン
繊維とワックスからなるマトリックス材料を少なくとも
含む釣糸であって、前記繊維とマトリックスの比率が
1:1〜1:0.05(ただし、繊維:マトリックス)
の範囲であることを特徴とする。
【0008】次に本発明の第1番目の製造方法は、複数
本の超高分子量ポリエチレン繊維を、90℃以下に加熱
溶融されているワックス中に浸漬し、前記ワックスを含
浸させた後、必要により絞った後で、冷却、固化し、ワ
ックスの付着量を5〜100重量%に調節することを特
徴とする。
【0009】次に本発明の第2番目の製造方法は、複数
本の超高分子量ポリエチレン繊維を、溶媒中に溶解した
ワックス溶液中に浸漬・含浸させた後、必要により絞っ
た後で、冷却、固化し、ワックスの付着量を5〜100
重量%に調節することを特徴とする。
【0010】
【作用】前記本発明の構成によれば、超高分子量ポリエ
チレン繊維を組紐状に編組することなく、柔軟で風合い
が良く、収束性の耐久性が良好で、見掛けの繊度が小さ
くしかもコストが安価な釣糸とすることができる。また
超高分子量ポリエチレン繊維とワックスとは、いずれも
炭化水素を化学ユニット成分とするもので、化学的に親
和性が高く、これにより構成繊維の収束一体性に優れた
釣糸とすることができる。
【0011】また前記本発明の第1〜2番目の製造方法
によれば、前記構成繊維の収束一体性に優れた釣糸を効
率よく合理的に製造することができる。
【0012】
【実施例】本発明者らは、超高分子量ポリエチレン繊維
を、耐久性のある収束性を高めるため手段について種々
検討した。いわゆる、有機接着剤としての酢酸ビニル
系、ポリビニルアルコ−ル系などの熱硬化性接着剤、エ
ポキシ系、ポリエテル系などの熱硬化性接着剤など広範
にわたって検討したが、いずれも満足できるものは無か
った。そして、従来の接着剤の概念から外れた範囲まで
検討を広げ、本発明に到達した。
【0013】ここで用いる超高分子量ポリエチレン繊維
は、重量平均分子量が50万以上、望ましくは100万
以上の超高分子量ポリエチレンからなるフィラメントを
使用することが好ましい。
【0014】このフィラメントの繊度は、0.5〜20
デニールが望ましい。また、引っ張り強度は20グラム
/デニール以上が望ましい。これらのフィラメントは、
単に引き揃えるか撚りを掛けて使用する。
【0015】収束性を高めて使用するために撚りを掛け
て使用するのが望ましいし、また見掛け繊度を小さくす
る観点からも有利である。単に引き揃えて片撚りを掛け
る場合、50〜500回/メートル程度が望ましい。こ
れより少ないと収束性が十分で無く、多過ぎると強度が
低下したり、ワックスの浸透を阻害する傾向にある。
【0016】また下撚りを掛けてから、上撚りを掛ける
ことも可能である。10デニールを3子に撚る場合は、
下撚り500回/メートル、上撚り300回/メートル
がバランス良くトルクの発生は認められなかった。
【0017】撚を掛けるとき、他の繊維、例えば金属繊
維と混合して使用することができる。これの利点とし
て、比重の小さい超高分子量ポリエチレン繊維からなる
釣糸の比重を種々変更できることが挙げられる。
【0018】本発明に用いるワックスとは、常温で固体
で加熱すると低粘度の液体とからなる有機物であり、天
然ワックスと、合成ワックスとがある。天然ワックスに
は、動・植物ワックス、鉱物ワックス、石油ワックスが
あり、合成ワックスには、ポリエチレンワックス、フィ
シャ−トロプシュワックス、その他合成ワックスがあ
る。本発明は前記のものに限定されないが、とくに石油
ワックス、ポリエチレンワックスが有利である。
【0019】石油ワックスのうち、減圧蒸留留出油から
分離精製したパラフィンワックス、減圧蒸留残渣油又は
重質留出湯から分離精製したマイクロクリスタリンワッ
クス、減圧蒸留残渣油から分離精製したペトロラタムが
あるが、前2者が特に有利である。
【0020】これらの石油ワックスの成分は炭水化物
で、直鎖上炭水化物のノルマルパラフィン、分枝上炭水
化物のイソパラフィン、環状炭水化物のシクロパラフィ
ンなどがある。
【0021】パラフィンワックスは、炭素数20〜40
程度、分子量300〜550程度のノルマルパラフィン
から成っており、融点はおよそ45〜70℃であり、特
に本発明のうちワックス単独で加熱溶融して用いる方法
に適している。
【0022】また、マイクロクリスタリンワックスは、
炭素数30〜60程度、分子量500〜800程度のイ
ソパラフィンやシクロパラフィンが多く、一般に融点が
高めである。
【0023】これらワックスは、加熱により液体の状態
にして、この中に複数の超高分子量ポリエチレン繊維を
浸漬、必要によっては適当な倍率で絞った後で冷却固化
して付着させる。
【0024】また、適当な溶媒に溶解して使用すること
もできる。溶媒としてはアセトン、エタノール、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、1−プロパノール、2−プロ
パノールが挙げられる。
【0025】これら溶液の中に複数の超高分子量ポリエ
チレン繊維を浸漬、必要によっては適当な倍率で絞った
後に乾燥して付着させる。これら溶剤は、高温にしなく
ても除去できるが、超高分子量ポリエチレン繊維の強力
を低下させないためには、100℃以下で行うことが望
ましい。
【0026】これら処理する液体中には、染料、顔料、
フィラーなど種々の配合物を混ぜることが出来る。特
に、種々の金属化合物の粉末を添加し、処理すると釣糸
の比重を種々変更できる。このことは、特に比重の小さ
い超高分子量ポリエチレン繊維を、種々の釣り方に加工
するのに、非常に有用である。
【0027】実施例1 100デニール、10フィラメントの超高分子量ポリエ
チレン繊維[商標テクミロン、三井石油化学工業株式会
社製]を分繊し、10デニールの超高分子量ポリエチレ
ン繊維(単繊維)をえた。これの引張強度は、34g/
d、伸度は5.2%であった。
【0028】このものを下撚500T/m、上撚300
T/mで撚糸し、3子糸を作製した。この3子糸を、融
点50℃のパラフィンワックス[品名、120、日本精
蝋株式会社製]を60℃で加熱溶融した中に浸漬し、金
属ノズルで絞った後で冷却し、固化させた。得られた釣
糸は、繊維:マトリックス=1:0.45であった。
【0029】これを水中釣糸として、鮎の友釣りに実際
に使用してみた。数日にわたって使用しても単糸がばら
けることなく、収束性が良好で、しかもその耐久性も組
み上げしたものに比べても同程度であった。
【0030】実施例2 上記10デニールの超高分子量ポリエチレン繊維、2本
と直径22ミクロンのタングステンフィラメント繊維、
1本の計3本を80T/mの撚数で片撚りし、実施例1
と同じ方法でワックス処理を行った。繊維:マトリック
ス=1:0.15であった。
【0031】これを水中釣糸として、鮎の友釣りに実際
に使用してみた。数日にわたって使用しても単糸がばら
けることなく、収束性が良好で、しかもその耐久性も組
み上げしたものに比べても遜色はなかった。
【0032】実施例3 100デニール、10フィラメントの超高分子量ポリエ
チレン繊維[商標テクミロン、三井石油化学工業株式会
社製]を分繊し、10デニールの超高分子量ポリエチレ
ン繊維(単繊維)をえた。これの引張強度は、34g/
d、伸度は5.2%であった。
【0033】このものを下撚500T/m、上撚300
T/mで撚糸し、3子糸を作製した。この3子糸を、ト
ルエン溶媒100g中に、融点50℃のパラフィンワッ
クス[品名:120、日本精蝋株式会社製]を3.0g
溶解させた調整溶液(25℃)中に浸漬し、金属ノズル
で絞った。その後脱溶媒し、固化させた。得られた釣糸
は、繊維:マトリックス=1:0.15であった。
【0034】これを水中釣糸として、鮎の友釣りに実際
に使用してみた。数日にわたって使用しても単糸がばら
けることなく、収束性が良好で、しかもその耐久性も組
み上げしたものに比べても同程度であった。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、超高分子
量ポリエチレン繊維を組紐状に編組することなく、柔軟
で風合いが良く、収束性の耐久性が良好で、見掛けの繊
度が小さくしかもコストが安価な釣糸とすることができ
る。また超高分子量ポリエチレン繊維とワックスとは、
いずれも炭化水素を化学ユニット成分とするもので、化
学的に親和性が高く、これにより構成繊維の収束一体性
に優れた釣糸とすることができる。
【0036】また前記本発明の第1〜2番目の製造方法
によれば、前記構成繊維の収束一体性に優れた釣糸を効
率よく合理的に製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/44 D06M 13/02 D06M 13/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の超高分子量ポリエチレン繊維と
    ワックスからなるマトリックス材料を少なくとも含む釣
    糸であって、前記繊維とマトリックスの比率が1:1〜
    1:0.05(ただし、繊維:マトリックス)の範囲で
    あることを特徴とする釣糸。
  2. 【請求項2】 複数本の超高分子量ポリエチレン繊維
    を、90℃以下に加熱溶融されているワックス中に浸漬
    し、前記ワックスを含浸させた後、必要により絞った後
    で、冷却、固化し、ワックスの付着量を5〜100重量
    %に調節することを特徴とする釣糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 複数本の超高分子量ポリエチレン繊維
    を、溶媒中に溶解したワックス溶液中に浸漬・含浸させ
    た後、必要により絞った後で、冷却、固化し、ワックス
    の付着量を5〜100重量%に調節することを特徴とす
    る釣糸の製造方法。
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US5573850A (en) * 1995-03-24 1996-11-12 Alliedsignal Inc. Abrasion resistant quasi monofilament and sheathing composition
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