JPH078343B2 - コーテイング材のスプレイ塗布方法 - Google Patents

コーテイング材のスプレイ塗布方法

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JPH078343B2
JPH078343B2 JP60265839A JP26583985A JPH078343B2 JP H078343 B2 JPH078343 B2 JP H078343B2 JP 60265839 A JP60265839 A JP 60265839A JP 26583985 A JP26583985 A JP 26583985A JP H078343 B2 JPH078343 B2 JP H078343B2
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coating material
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正文 松永
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ノードソン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液状コーティング材のスプレイ塗布方法に係
る。なお、液状コーティング材とは塗料その他の接着
剤、シーリング材、コーキング材を指す。
〔従来の技術〕
元来、コーティング材即ち塗料等のスプレイによる塗布
作業において、その取り扱われる塗料は、天然または合
成樹脂等の不揮発成分またはそれらの固形成分等に対
し、溶媒等によって必要とされる程度希釈されたものが
使用されてきた。このように塗料の希釈される主たる原
因は、塗工性を良くすることになり、粘度を下げて、レ
ベリング作用を促進させ、該面上に均一に塗布せしめる
ためである。
しかし、過度にそれらの粘度を下げると、塗布膜の厚さ
を大にすることが難しく塗布塗料の流下等によって、返
って塗布ムラを生ずることになり、自ずとこれら塗料の
粘度には、それ自体の特性及び被塗物の形状は、種類、
塗装時の環境条件等により必然的にそれぞれの適正粘
度、適正塗膜厚というものが決められていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
元来、塗料というものは溶媒の少ない高粘度或いは高固
形分塗料というものが望ましい。その理由は塗布時の
「垂れ」が少ないこと、塗布膜を厚くすることができる
こと、そしてまた有機溶剤の少ないことから低公害につ
ながりまたその省資源にもつながるということなどか
ら、業界では高粘度塗料の必要性は潜在的に望まれてき
たものである。ところがこれら高粘度或いは高固形分塗
料のスプレイ塗布作業に当たっては、ミキシングエアの
巻き込み、乾燥後のドライ塗膜面の気泡残存、更にオレ
ンジピール的なレベリング不良、その他バブリング、ブ
リスター等が発生し、これらは何れも致命的な欠陥とし
て取り扱われるため、業界では敬遠されあまり使用され
てこなかったのである。
本発明の目的は高粘度、高固形分コーティング材を使用
するも、バブル、ブリスター、凹凸等が生じることのな
い、より均一な塗布膜を得ることができる液状コーティ
ング材のスプレイ塗布方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、主スプレイノズルの先端より吐出され、塗布
物に向かう塗料のスプレイパターンに対し、別置の副ス
プレイノズルより相溶性の溶媒のスプレイを所定交差角
をもって吹き付けつつ被塗物面を塗布する方法である。
〔作用〕
高粘度または高固形分を含有する液状コーティング材
の、主スプレイノズルからのスプレイパターンに対し、
副スプレイノズルから溶媒スプレイを所定角度で吹き付
けることにより、比較的短時間で均一な塗布膜が得られ
る。
この理由を説明する。元来、溶媒により希釈された不揮
発成分または固形成分より成る塗料は、これらが混合均
一化して溶液となっている。この溶液体はスプレイによ
り引きちぎられ更に微粒化して被塗物面上に塗布されて
レベリングしつつウエット状態の塗布膜が形成されてい
るのである。しかるに、上述の如く、塗料のスプレイパ
ターンの側方より溶媒のスプレイを吹き付けると、塗料
粒子に溶媒が付着するか(第3A図、aまたはb)、また
は塗料粒子を溶媒が包み込んだ状態となっている(第3A
図、c)。また溶媒のスプレイ時の衝突エネルギにより
塗料粒子の再微粒化が促進されることもある。このよう
にして塗料粒子は被塗物面上に到達付着するが、この塗
着状態は通常の塗料のみのスプレイの場合には、ウエッ
トの粘性をもった塗料粒子同士が結合し、それらの中に
巻き込まれているミキシングエアは、粒子の粘度が高い
ほど、また凝集力が大であるほど、粒子の大きいほど、
多量のミキシングエアは外部に出にくく、そして塗着層
の表面が硬化して表皮ができると、気泡となって塗着層
内部に封じ込められて残ることになる。またその表面部
がレベリングする前に硬化してしまうので表面に凹凸が
できるのである。しかるに、本発明による塗料のスプレ
イパターンに対して側方より溶媒のスプレイを吹き付け
ることによって、上記の問題は解決されるのである。
第3B図は本発明による塗布着後の塗着層断面のイラスト
図であるが、上述の如く、塗料粒子の表面の一部または
全面には、溶媒が膜状になって付着しているか若しくは
塗料粒子の表面が膨潤している。これら塗料粒子はその
スプレイによる衝突力及び自重、付着力などにより被塗
布物面上に圧迫される。すると上述した塗料粒子の中に
巻き込まれているミキシングエアAは、塗料粒子間に存
在しているより粘度の低い溶媒を押し分け若しくは塗料
粒子表面を膨潤部を押し分け、塗料粒子の間を縫い伝わ
って塗着層の表面部に達する。表面部には比重の軽い溶
媒が漂っているので、エアは容易に大気中に放出
(A′)されるのである。
なお、上述の如く副スルレイノズルによりスプレイされ
た溶媒の微粒子は、主スプレイノズルによりスプレイン
された液状コーティング材の微粒子の表面上を被覆する
ように付着するが、スプレイノズルの交差角によって副
スプレイノズルによりスプレイされた空中の残余の溶媒
の微粒子は被塗物面上に達し、上記液状コーティング材
の微粒子が塗着して形成された塗布膜面上に堆積する。
これがまた、新しい効果をもたらすのである。その理由
を説明する。従来、溶媒の含まれた液状コーティング材
の塗布された直後の塗布膜の皮張り現象が発生した。こ
の皮張りの固い皮は、その塗布膜の内部に巻き込まれた
エアの、外気への逃げ道を塞ぐため、エアはそのまま閉
じ込められ、そして乾燥してしまうので、塗装の完了し
た塗装面にはオレンジピール様の肌や、バブリングやブ
リスター等が発生するのであった。しかるに上述の如
く、液状コーティング材の塗膜面上に堆積した溶媒の微
粒子は、液状となり、該塗膜面を潤し、従来の如き皮張
り現象を防ぎ、従って塗膜内部のエア粒の外気へのパー
ジを容易にするのである。そして平滑な塗膜を形成する
ことができるのである。
上述のように、塗料のスプレイパターンに対して側方か
ら溶媒のスプレイを吹き付けることは、塗布された塗料
の粒子の衝突力及び自重、付着力等によって、それら粒
子の間に存在するミキシングエアの気泡を圧迫すると共
に外部への逃げ道を与えて容易に出やすくしてやるの
で、塗布後短時間に脱泡とレベリング作用を行わしめる
のである。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
第1において、被塗物Tに対し上方にかつ下向きに配置
された主スプレイノズルN1の先端より塗料またはコーテ
ィング材がスプレイパターンSP1を形成して吹き付け塗
布されている。塗料またはコーティング材は高粘度、か
つ高固形分の液状のものが使用され、不揮発成分または
固形成分の含有量が重量比10%ないし75%の範囲のもの
が好適である。塗料またはコーティング材のスプレイ方
式自体は公知のもので良く、エアスプレイまたはエアレ
ススプレイのいずれであっても良い。
塗料吹き付け用の主スプレイノズルN1の側方には副スプ
レイノズルN2が第1図図示の如く斜め下向きに列置され
ている。この副スプレイノズルN2は、第1図図示の如
く、主スプレイノズルN1から吐出されるスプレイパター
ンSP1に対し、斜め側方から所定交差角をもって溶媒の
スプレイを吹き付ける。主スプレイに対する副スプレイ
の吹付け位置は、主スプレイ用ノズル(N1)のスプレイ
中心線上主スプレイノズル(N1)の下方0.5mmないし80m
mの範囲内とすることが望ましい。副スプレイノズルN2
より吹き付けられる溶媒としては水をはじめ、溶媒また
は可塑剤等及びこれらに界面活性剤を混入したものが好
ましいが、主スプレイノズルN1より吐出される塗料また
はコーティング材中の不揮発成分または固形成分と相溶
性のものである。副スプレイノズルN2より吹き付けられ
る溶媒と、主スプレイノズルN1より吹き付けられる塗料
またはコーティング材との重量比は1:10以下である。副
スプレイノズルN2からの溶媒のスプレイ方式も公知のエ
アスプレイまたはエアレススプレイのいずれでも良く、
エアレススプレイ方式を採用する場合、圧縮エアの力を
借りてエアスプレイを微粒化させるいわゆるエアミック
ススプレイも好適であり、またエアスプレイ方式を採用
する場合、エアの中に溶媒を含有させるようにしても良
い。
また、上記塗料若しくはコーティング材及び溶媒はいず
れかまたは双方が加熱されたものであっても良い。
本発明を実施するに当たり、主スプレイノズルからの塗
料またはコーティング材スプレイパターンに対し、副ス
プレイノズルからの溶媒スプレイの吹き付ける交差角
度、それぞれのスプレイパターンの形状、交差位置及び
それらの投影形状、両ノズル間の位置等の相関関係、及
びそれぞれのスプレイ量は変更可能である。
第2B図は上述した第1図に示した如き本発明の方法によ
れば、第2B図に示すような厚さ均一の塗布膜が得られ
る。これに対し、副スプレイノズルN2よりの溶媒スプレ
イを吐出させることなく主スプレイノズルSP1のみを用
いて同じ塗料を吐出させた場合第2A図に模式的に示す如
き多くのバブルを含み、凹凸が見られた。
なお上述の説明では溶液タイプの塗料の例を挙げたが、
他のエマルジョン、オルガノゾル、ディスパージョン、
パウダースラリー等も同様の現象が得られた。
〔発明の効果〕
以上の如く本発明によるコーティング材のスプレイパタ
ーンに対して側方から溶媒のスプレイを吹き付けること
によって、高粘度または高固形分の液状コーティング材
を用いても塗着層の均一化を図ることができる。更に本
発明によれば、バブリング、ブリスター等を未然に防止
することができ、従って必要に応じてより厚くまたはよ
り薄く塗布膜を形成することができ、更にまた有機性溶
剤の節減による公害防止、資源節約等にも寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による塗料スプレイと溶媒スプレイとの
関係を示す側面説明図、第2A図は溶媒スプレイを行わな
い即ち従来の塗料スプレイのみによる塗布膜の側断面説
明図、第2B図は本発明の方法により塗布された塗布膜の
側断面説明図、第3A図はスプレイされた塗料粒子の表面
上に溶媒の付着している三様の状態のイラスト図、第3B
図は本発明の方法によって塗着された直後の溶媒の付着
した塗料粒子の積み重なっている塗着層の側断面のイラ
スト説明図、第3C図は同上において脱泡とレベリング作
用の行われた後の状態の側断面のイラスト説明図 主要な符号の説明 N1……コーティング材の主スプレイノズル N2……溶媒の副スプレイノズル SP1……コーティング材のスプレイパターン SP2……溶媒のスプレイパターン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不揮発成分または固形成分を含有する液状
    コーティング材を被塗物面に塗布するために、主スプレ
    イノズルより被塗物面に向かって前記液状コーティング
    材を吐出して形成されるスプレイパターンに対し、該主
    スプレイノズルとは別の副スプレイノズルより前記不揮
    発成分または固形成分に相溶性でありかつ前記コーディ
    ング材に対して重量比10%以下の溶媒のスプレイを所定
    交差角をもって吹き付けることを特徴とする液状コーテ
    ィング材のスプレイ塗布方法。
JP60265839A 1985-11-26 1985-11-26 コーテイング材のスプレイ塗布方法 Expired - Lifetime JPH078343B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5838729A (ja) * 1981-09-01 1983-03-07 Nippon Fueroo Kk 重合発泡硬化物とその製造方法

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