JPH0783100B2 - 共鳴トンネルトランジスタ - Google Patents

共鳴トンネルトランジスタ

Info

Publication number
JPH0783100B2
JPH0783100B2 JP61139102A JP13910286A JPH0783100B2 JP H0783100 B2 JPH0783100 B2 JP H0783100B2 JP 61139102 A JP61139102 A JP 61139102A JP 13910286 A JP13910286 A JP 13910286A JP H0783100 B2 JPH0783100 B2 JP H0783100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
base
emitter
collector
transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61139102A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61290759A (ja
Inventor
キャパソ フェデリコ
タプレイ フレンチ ハリー
アーサー キール リチャード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AT&T Corp
Original Assignee
AT&T Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AT&T Corp filed Critical AT&T Corp
Publication of JPS61290759A publication Critical patent/JPS61290759A/ja
Publication of JPH0783100B2 publication Critical patent/JPH0783100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bipolar Transistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は広くはトランジスタの分野に関し、特に、所望
のデバイス動作特性を得るのに共鳴トンネル効果を用い
るトランジスタに関する。
先行技術の説明 高速ソリッドステートデバイスの研究において、より高
速のデバイスまたはより望ましい特性を持つデバイスを
もたらすであろうとの期待をもって多くの種類の物理的
効果が研究されている。研究された物理的現象のなかで
より関心を持たれる例はエネルギ障壁を突抜ける粒子ト
ンネル効果である。
この効果を用いた最初のデバイスは恐らく、シー.エ
イ.ミード(C.A.Mead)により、1960年に提唱された
「トンネル放出増幅器」(“Tunnel Emission Amplifie
r")であろう。例えば、プロシーディングス オブ ア
イアールイー(Proceedings of the IRE)359−361ペー
ジ、1960年3月を参照のこと。提唱されたデバイスは金
属−絶縁物−金属−絶縁物−金属構造を持ち、最初の金
属−絶縁物−金属構造を流れる電流は主としてトンネル
効果によって発生する。他のトンネルデバイスはキサキ
(Kisaki)によりプロシーディングス オブ アイイー
イーイー(Proceeding of the IEEE)1053−1054ペー
ジ、1973年7月で提唱されている。トンネルトランジス
タと言うのは金属−絶縁物−半導体構造を持ち、キャリ
アは絶縁物を通って金属エミッタ電極からベースへ流れ
る構造を指す。更に複雑な構造におけるトンネル効果も
研究されている。例えば、有限超格子におけるキャリア
の輸送特性がトンネル効果の見地から理論的に研究され
ている。アプライド フィジックス レターズ(Applie
d Phisics Letters)第22巻、562−564ページ、1973年
6月1日号を参照のこと。この構造におけるトンネル効
果は負の差伝導を得られる可能性があるために関心が持
たれている。
より関心を持たれるトンネル現象は「共鳴トンネル効
果」と呼ばれる。共鳴トンネル効果を呈する構造は1つ
または複数のポテンシャル井戸層を囲む1つまたは複数
のエネルギ障壁層を有する。共鳴トンネル効果はキャリ
アが井戸のエネルギ状態を突抜ける時に生じる。負性差
動抵抗等の特性と同様向上したトンネル効果確立を得る
こともできる。共鳴トンネル構造は二重障壁に関してチ
ャン(Chang)、エサキ(Esaki)、ツ(Tsu)により研
究されている。アプライド フィジックス レターズ
(Applied Phisics Letters)第24巻、593−595ペー
ジ、1974年6月15日号を参照のこと。障壁層に対する付
加電圧が、電極におけるフェルミ(Fermi)エネルギが
ポテンシャル井戸の状態の1つにおけるエネルギに等し
くなる時に共鳴と電流が最大になる。
デービス(Davis)等による以前の研究では金属−絶縁
物−金属−絶縁物−金属構造を持つ共鳴トンネル・トリ
オードが論じられている。ジャーナル オブ アプライ
ド フィジックス(Journal of Applied Physics)第34
巻864−865ページ、1963年8月号を参照のこと。このデ
バイスはユニポラー多数キャリアデバイスであり、ミー
ト(Mead)がジャーナル オブ アプライド フィジッ
クス(Journal of Applied Physics)第32巻646−652ペ
ージ、1961年4月号に提唱したデバイスと同じである。
「トンネル・トリオード」というデバイスはアプライド
フイジックス レターズ(Applied Phisics Letter
s)第31巻、687−689ページ、1977年11月15日号で提唱
された。この文献は以前に提唱された多くのトンネル・
デバイスに付随する問題点を明らかにしている。即ち、
キャリアがトンネル効果で突抜ける領域は絶縁物であ
り、そのためにこの領域に電極を取付けることが困難な
ことである。このために、当然のことながら3極デバイ
スの製作は困難になる。トンネル・トリオードはスタガ
配置されたヘテロ接合を用いることによりこの問題を解
決している。ここではエネルギ・バンドギャップ構造
は、1つの型のキャリアがベース領域によって形成され
た障壁を突抜けてトンネルし、そのベース領域には他の
型のキャリアが閉じこめられる。このことは、選択され
た材料が同じ方向における価電子帯とエネルギ帯の不連
続性移動を有しなければならないことを意味する。ベー
スに電子が存在するとベースは確実に伝導性を帯びる。
種々の努力が払われたにも拘らず、議論したデバイスを
検討すると、トンネルデバイスはまだその理論上の期待
感を実際に満足させるには至っていないことが分る。デ
バイス動作を最適化する必要がある場合にはより慎重に
検討すべき物理的効果を共鳴トンネル効果の物理が含ん
でいることが次第に分ってきた。これらの効果をより良
く理解するためにはファブリーペロ(Fabry−Perot)共
鳴器との類似を検討するのが便利である。もしファブリ
ーペロ(Fabry−Perot)共鳴器における鏡の反射率が互
いに著しく異なるのであれば共鳴周波数における空洞を
介しての透過は単位以下にまで著しく減少する。高さと
厚さが同じ2つの障壁をを突抜けて共鳴トンネルする場
合は、電解を付加することによりこの2つの障壁の透過
係数に差が生じる時は似たような状況が生れる。これよ
り2つの障壁の固有の対称性が壊れ、共鳴のトンネル電
流が数桁減少する。1つの障壁の透過確率が他の障壁の
透過確率より著しく大きくなるからである。例えば負性
差抵抗の場合のピーク−バレー率(peak−to−valley r
atio)は期待値よりかなり低い。これらの効果は例え
ば、フィジカル レビュー(Physical Review)B、第2
9巻1970−1981ページ、1984年2月15日号に詳細に論じ
られている。
この問題は障壁の片方を他方より厚くまたは高くするこ
とにより解決できる.しかしこれは全体的に満足できる
解決法ではない。というのは、透過係数と全体の単位透
過の均等性が井戸共鳴のうちのただ1つに対してのみし
か得られないからである。他の共鳴に対する透過は依然
として単位よりはるかに小さい。いくつかの応用例では
全透過がいくつかの共鳴に対して単位の大きさであるこ
とが望ましい。
発明の概略 対称性を持つ障壁を突抜ける共鳴トンネル効果は高エネ
ルギの少数キャリアを注入することにより得られること
が判明した。トランジスタはベース領域の伝導帯と価電
子帯が、エミッタ領域とコレクタ領域の伝導帯と価電子
帯及びベース領域の少なくとも1つの量子井戸領域の、
それぞれ下および上にある2つのヘテロ接合を有するバ
イポラトランジスタである。井戸を形成する障壁は対称
である。エミッタ領域とコレクタ領域は第1の伝導型で
あり、ベース領域は第2の伝導型である。ベース−エミ
ッタ接合及びベース−コレクタ接合はそれぞれ順方向及
び逆方向にバイアスされている。ベース−エミッタ電圧
が零から増加して行くと最終的に、エミッタにおけるフ
ェルミレベルと量子井戸における第1共鳴状態が整合す
る点に到達する。エミッタからトンネル効果で突抜けた
電子は井戸の第1状態に注入され、対称障壁を突抜ける
共鳴トンネル効果は単位透過確率の近傍で発生する。共
鳴から外れると透過確率は典型的には単位よりはるかに
小さくなり、デバイスを突抜ける透過確率は量子井戸を
持たない2つの障壁の透過係数の積に等しくなる。
1つの実施例においてはエミッタは縮退するようにドー
プされる。他の実施例においては急峻なエミッタが用い
られ電子は井戸の量子状態に弾道を描いて射出される。
対称障壁は方形または放物線場量子井戸を有する二重障
壁であっても良い。障壁パラメータが適切に選ばれてお
り、信号処理と論理処理の種々の応用に使えるようにし
てあれば、トランジスタは複数の共鳴を持つこともでき
る。例えばいくつかの応用例では多値電圧転送特性を利
用する。
実施例の説明 説明を明瞭にするためにいくつかの図面中でデバイスの
要素は非等尺で描いてある。
デバイスはエミッタ領域1、ベース領域3及びコレクタ
領域5を含む。エミッタ領域、ベース領域及びコレクタ
領域に対し、それぞれ電気接点7、9、及び11が設けら
れている。これら接点の品質は、エミッタ領域、ベース
領域及びコレクタ領域にそれぞれ接触する強くドープし
た領域13、15及び17を用いると向上する。全ての層は基
板2の上に成長される。エミッタ及びコレクタは第1の
伝導型であり、ベースは第2の伝導型である。ベース−
エミッタ接合及びベース−コレクタ接合はデバイスの動
作時にはそれぞれ順方向及び逆方向にバイアスされる。
デバイスは二重ヘテロ接合構造であって、エミッタは自
己に近接するベース領域の部分を有する広いバンドギャ
ップを持ち、コレクタは自己に近接するベースのバンド
ギャップより広いバンドギャップを持つ。両ヘテロ接合
ともI型である。即ち、狭バンドギャップ領域の伝導帯
及び価電子帯はそれぞれ広バンドギャップ領域の伝導帯
及び価電子帯の下及び上にある。
1実施例ではエミッタは縮退してドープされている。即
ちフェルミレベルは伝導帯にある。少なくとも1つのポ
テンシャル量子井戸を含むベース領域は、例えばベース
領域における対称二重障壁を用いて形成することのでき
るポテンシャル井戸である。もちろん他の実施例も考え
られ、後に議論される。量子井戸は離散的なエネルギ状
態を持つポテンシャル井戸である。即ち、許容されるエ
ネルギレベルは連続ではない. ある特定例ではエミッタはAlxGa1-xAs、x≦0.4であ
る。ドーパント濃度は1017/cm3より大きい。第1及び第
2の伝導型はそれぞれn及びp型である。二重障壁はベ
ース領域の中心にあるのが望ましく、GaAs井戸層と、井
戸の両側に存在して等しい厚さを有するAlxGa1-xAsの方
形障壁層とを持つ。井戸層の厚さは典型的には3ないし
6nmであり、障壁層の厚さは典型的には1.5ないし5nmで
ある。障壁層及び井戸層は協同して障壁領域を形成す
る。組織とドーピング濃度により、ベース領域には確実
に適当な正孔が閉じこめられ、また、確実に高注入効率
が得られる。二重障壁層及び井戸層は望ましくは非ドー
プであるか、または、名目的に非ドープであり、散乱と
再結合とを最少化するためにキャリア濃度を極めて低く
することが望ましい。これらの事項は、高透過性が波動
関数コヒーレンスを維持することに依存するから非常に
重要である。障壁層における合金の不秩序性は注入電子
の散乱に寄与するであろう。しかし、今記述した実施例
の場合、AlAs障壁を用いればこれは最少化することがで
きる。
障壁領域の外のベース層は強くドープされており、必要
な低ベース抵抗を与えるような厚さを持たなければなら
ない。これらの領域のドープ濃度は典型的には1018/cm3
ないし5×1018/cm3であり、厚さは典型的には80乃至10
0nmである。より一般にはベース領域は障壁領域とエミ
ッタとの間で、エミッタから注入された電子の散乱平均
自由行程より小さく、p側の零バイアス欠乏層幅より大
きい幅を持たなければならない。好適範囲は50乃至100n
mであり、この範囲もまた量子サイズ高価を最少化する
効果を有する。
デバイスは周知のエピタキシャル成長技術、例えば分子
ビームエピタキシまたは金属−有機化学蒸着など、所望
の厚さの層を成長させることができる技術を用いてうま
く製造することができる。層成長が完了した後、接点な
どを形成するために従来のリソグラフ及びメタライゼー
ション技術が用いられ、層13及び17がエピタキシャル成
長の間にドープされ領域15がマスクおよび拡散により容
易にドープされる。示したデバイスはベース領域に対し
て円形の接点9を有している。
共鳴において高電流を得るためには共鳴ピークの幅はエ
ミッタにおける電子のエネルギ分布幅にほぼ一致してい
なくてはならない。
もしコレクタ電流対エミッタ−ベース電圧特性曲線にい
くつかのピークが存在することが望まれるのであれば、
井戸は比較的厚く障壁は高くなくてはならない。即ちも
しAlGaAs系を用いるのであれば障壁はAl濃度を高くしな
ければならない。障壁の低い狭い井戸はただ1つの状態
のみをもつであろうから特性曲線中に複数のピークは得
られないであろう。望ましい井戸の厚さ典型的には10乃
至20nmである。
デバイス動作は以下のような検討をするとより深く理解
できるであろう。第2図は平衡状態にあるトンネルエミ
ッタを有する本発明によるトランジスタのエネルギ帯域
図である。第2図乃至第7図においてエミッタ、ベー
ス、コレクタ領域はそれぞれE、B及びCで表されてい
る。ポテンシャル井戸はベース領域において二重障壁で
形成されている。エミッタのフェルミレベルは障壁領域
の第1共鳴状態のレベルより低い。説明を明瞭にするた
めに共鳴状態は2個だけ示す。典型的にはさらに多い。
ベース−エミッタ電圧が増加するとエミッタのフェルミ
レベルと量子井戸の第1共鳴状態とのエネルギ差は減少
する。この2つのレベルが等しくなるとエミッタ領域か
らトンネルする電子は井戸の第1状態に注入され、単位
透過確率に近い確率で二重障壁を共鳴トンネルする。共
鳴を外れると透過確率は1よりはるかに小さくなり、量
子井戸なしの2つの障壁の透過係数の積に等しくなる。
第3図及び第4図においてベース−エミッタ電圧は共鳴
トンネル効果がそれぞれ第1及び第2共鳴状態で起きる
ように調整されている。ベース−エミッタ電圧の関数と
してのコレクタ電流は一連のピークを呈しておりこれは
井戸の種々の準安定状態に対応している。こうして、コ
レクタ回路の複数負性伝導特性が得られる。
2つの障壁の透過係数が単位(1)である必要はないこ
とに注意されたい。ただ等しければ良いのである。係数
が1よりはるかに小さい場合は、このような確率密度が
生じるまでの時間が長くなり、より多くの電荷が必要と
なる。
別の実施例では高モーメントコヒーレンスの共鳴状態に
弾道を描いて電子を射出するためにほぼ急峻なエミッタ
が用いられる。ベース−エミッタ電圧が増加すると射出
ランプ(ramp)の頂部は最終的に共鳴状態のエネルギと
同じになり、電子はその共鳴状態に弾道を描いて射出さ
れる。この実施例のエネルギ帯域図を第5図に示す。
周知のように方形井戸のエネルギレベルは等間隔ではな
く共鳴も等間隔ではない。しかしもしコレクタ電流にお
いて等間隔レベルを望むのであれば、前述のベースにお
ける方形量子井戸を第6図に示すような放物線状井戸で
置換えることもできる。放物線状量子井戸は当業者によ
く知られた技術を用いて、他の系と同様にAlGaAs材料系
で実現できる。例えば、アール.シー.ミラー(R.C.Mi
ller)、エイ.シー.ゴッサルド(A.C.Gossard)、デ
ィー.エイ.クラインマン(D.A.Kleinman)及びオー.
モンテーヌ(O.Munteanu)のフィジカル・レビュー(Ph
ysical Review)B第29巻3740−3743ページ、1984年3
月15日号を参照のこと。放物線状井戸ではエネルギレベ
ルはほぼ等間隔である。もし、放物線状井戸の深さがほ
ぼ0.43eVで幅が40nmであると仮定すると、第1状態は井
戸の底部から11meVのエネルギの地点に存在し共鳴状態
はほぼ33.4meVで分割されることになる。その結果井戸
には12の状態が存在する。
複数の井戸を含む超格子を、超格子の小帯における高エ
ネルギ輸送のための弾道射出を行うために、第7図に示
すようにこの領域で用いることができる。小帯(miniba
nd)は障壁が充分に薄く井戸の準エネルギ状態が強く結
合される場合に形成される。
他の実施例も可能である。例えばベース領域が井戸を形
成しても良い。つまり井戸の端部は2つのヘテロ接合に
よって形成される。コレクタのドープ濃度は、零バイア
ス(即ち平衡)においてコレクタ障壁がエミッタ障壁よ
りも透過性が悪くなるように、エミッタのドープ濃度よ
り低くしなくてはならない。VBEとVBCがかけられると透
過性が等しくなる。しかし障壁を突抜ける等しい透過性
はただ1つの共鳴に対してしか得られない。エミッタと
コレクタの双方は、固有伝導度を有するベースに近い部
分を除いて、縮退するようにドープされる。
デバイス動作を正確に説明するには共鳴トンネル効果の
時間依存性も考慮しなくてはならない。
共鳴トンネル効果を得るためには電子の確率密度が井戸
内でピークに達しなくてはならない。従って、もし二重
双璧間に初めには電子が存在せず、正のベース−エミッ
タ電圧をかけることによってキャリアがトンネルするよ
うにするのであれば、増倍反射により、井戸内で所望の
確率密度が正起する前にある時間が経過するはずであ
り、求められる高い透過性と共鳴が得られる。類似した
状況は光学ファブリーペロ空洞でも起きる。必要な時定
数は、ΔEを共鳴状態の幅としてほぼ/ΔEである。
時定数は障壁厚と共に指数関数敵に増加することに注意
されたい。いくつかの時定数が経過すると本質的に安定
な状態に到達し、そこで電子は連続的に井戸に出入りし
て井戸の電子密度を一定に保つ。電子が障壁を突抜ける
走行時間は記述した障壁の高さと厚さの範囲に対する該
時定数よりもはるかに短い。本デバイスの、この本質的
に短い時定数は当然ながら論理処理での超高速信号処理
において関心を持たれる。
ヘテロ接合デバイスに対する他の興味ある材料組合せは
AlInAs/GaInAsである。それは他のIII−V及びII−VI化
合物半導体と同様にGaInAsにおいて伝導帯の不連続性が
大きいためと電子の有効質量が小さいためである。
複数共鳴特性を有するために本デバイスは多くの応用例
で興味を持たれる。多値電圧転送特性は第8図に示され
る。ここで入力電圧は水平に出力電圧は垂直に表してあ
る。両軸に任意単位を用いている。出力電圧は入力電圧
の値に応じて2つのうちの1つの値をとる。従って、本
デバイスはアナログ入力または多値デジタル入力に対し
て2進デジタル出力を与える。この機能は閾値論理ゲー
ト同じであり種々の信号処理関係応用例に有用である。
例えばこの種のデバイスは第9図に示すような誤り検出
回路に用いられるようなパリティ発生器を形成するのに
利用される。共鳴トンネルトランジスタはRTTと示され
ベースは二重線で表はされている。この例ではデジタル
ワードの2進ビット、例えばVi1、Vi2及びVi3が抵抗Ro
から成る抵抗回路の入力に加えられる。抵抗R1は接地さ
れ抵抗Rはエミッタに接続されている。出力電圧はVoと
示されている。この回路は入力ワードの総数が偶数か奇
数かに依存する値を持つ2進出力を発生する。この試み
は、実行するのに僅か1個のデバイスしか必要としない
から便利である。
本発明によるデバイスは第10図に示すように並列アレイ
を成すように組合わせてアナログ−デジタル変換器を形
成することもできる。この場合アナログ入力Viは複数の
電圧調整回路を介して共鳴トンネルトランジスタの並列
アレイに同時に与えられる。即ち、RTT1、RTT2及びRTT3
に対してそれぞれR0とR1、R0とR2、及びR0とR3を介して
与えられる。こうして調和するように関連した転送特性
の組合わせパターンが得られる。アレイの出力は量子化
されたアナログ入力レベルを表す2進コードを形成す
る。
多値負性抵抗特性は11図のように得られる。この型の特
性はもしベース−コレクタ接合電圧が固定バイアスに保
持されるのであれば、即ち回路が接合を固定バイアスに
保持する手段を持っておれば、エミッタ−コレクタ端子
で得られる。そのような手段はよく知られている。バイ
アスを固定すると、トンネル共鳴が交わる時に、VEB
変動によりコレクタ電流がピークになる。抵抗負荷に接
続すると、共鳴ピークの数をNとしてN個の安定状態を
もつデバイスが形成される。適切な1例を第12図に示
す。該状態は回路に瞬間的に電圧をかけ、動作点を開回
路の1つの動作点にすることで得ることができる。こう
して本デバイスはN状態記憶素子として機能し、2状態
デバイスよりデータ記憶密度を高くする可能性を生みだ
す。
他の実施例も可能で当業者には容易に考えられるであろ
う。例えば、電子ではなく正孔がトンネル効果をもたら
すp−n−pトランジスタを形成することもできる。
さらに、ベースに近いエミッタ及びコレクタ領域をアク
セプタでドープしても良い。ベースが前述のような量子
井戸であればベースに2次元正孔が形成される。さらに
トランジスタは浮動エースをもつ光トランジスタとして
動作させることもできる。ある種の光レベルでは該2つ
の透過確率は等しくなりデバイスは伝導性を有する。そ
の結果として、光強度の関数として極めて強くピークす
るコレクタ電流をもつ光スイッチができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるトランジスタの断面図、 第2乃至7図は本発明のいくつかの実施例のエネルギ帯
域を示す図、 第8図は本発明によるデバイスの多値転送特性を示す
図、 第9図は本発明によるパリティ発生回路を示す図、 第10図は本発明によるアナログ−デジタル変換器の回路
図、 第11図は本発明によるデバイスの電流−電圧特性を示す
図、そして 第12図は複数の安定状態をもつデバイスの回路図であ
る。 [主要部分の符号の説明] エミッタ領域……1、ベース領域……3 コレクタ領域……5、第1電気接点……7 第2電気接点……11
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハリー タプレイ フレンチ アメリカ合衆国 10003 ニューヨーク, ニューヨーク,アパートメント 12ユー, イースト エイティーンス ストリート 130 (72)発明者 リチャード アーサー キール アメリカ合衆国 10003 ニューヨーク, ニューヨーク,アパートメント 406イー スト ツエルヴス ストリート 39 (56)参考文献 特開 昭58−114455(JP,A) 特開 昭60−52055(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の伝導形と第1のバンドギャップを有
    するエミッタ領域、 第2の伝導形と第2のバンドギャップを有するベース領
    域、 第1の伝導形と第3のバンドギャップを有するコレクタ
    領域、及び 該エミッタ領域及び該コレクタ領域にそれぞれ接続され
    た第1及び第2の電気接点とを含む共鳴トンネルトラン
    ジスタにおいて、 該ベース領域は、該コレクタ領域と、該エミッタ領域へ
    の電気接点との間にただ1つのポテンシャル量子井戸を
    含み、 該ポテンシャル量子井戸は対称の障壁を有し、そして 該エミッタ領域及び該ベース領域は第1のI型ヘテロ接
    合を形成し、該ベース領域及び該コレクタ領域は第2の
    I型ヘテロ接合を形成することを特徴とする共鳴トンネ
    ルトランジスタ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載のトランジス
    タにおいて、 第1の伝導形はn型であることを特徴とする共鳴トンネ
    ルトランジスタ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項に記載のトランジス
    タにおいて、 該ポテンシャル量子井戸は方形井戸であることを特徴と
    する共鳴トンネルトランジスタ。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項に記載のトランジス
    タにおいて、 該ポテンシャル量子井戸は放物線状井戸であることを特
    徴とする共鳴トンネルトランジスタ。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項のいずれか1項に記載のトランジスタにおいて、 該ベース領域は複数のポテンシャル量子井戸を含むこと
    を特徴とする共鳴トンネルトランジスタ。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項のいずれか1項に記載のトランジスタに
    おいて、 該ベース領域への第3の電気接点を含むことを特徴とす
    る共鳴トンネルトランジスタ。
  7. 【請求項7】共鳴トンネルトランジスタと抵抗回路から
    なるトランジスタ回路において、 該共鳴トンネルトランジスタは、第1の導電形と第1の
    バンドギャップを持つエミッタ領域と、第2の導電形と
    第2のバンドギャップを持つベース領域と、第1の導電
    形と第3のバンドギャップを持つコレクタ領域からな
    り、 該エミッタ領域及びコレクタ領域へそれぞれ接続する第
    1及び第2の電気接点であって、該ベース領域はただ一
    のポテンシャル量子井戸を有し、該エミッタ及びベース
    領域は第1のI型ヘテロ接合を形成し、該ベース及びコ
    レクタ領域は第2のI型ヘテロ接合を形成し、そして 該ベース領域への第3の電気接点と、該抵抗回路は複数
    の入力を有することを特徴とするトランジスタ回路。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項に記載のトランジス
    タ回路において、 並列に接続された複数のトランジスタと、該第3の電気
    接点に接続された電圧調整回路とを含むことを特徴とす
    る回路。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第7項に記載のトランジス
    タ回路において、 該ベース−コレクタ接合を固定バイアスに維持するトラ
    ンジスタと該第2の電気接点へ接続された抵抗とを含む
    ことを特徴とする回路。
JP61139102A 1985-06-14 1986-06-14 共鳴トンネルトランジスタ Expired - Fee Related JPH0783100B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US74527885A 1985-06-14 1985-06-14
US745278 1985-06-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61290759A JPS61290759A (ja) 1986-12-20
JPH0783100B2 true JPH0783100B2 (ja) 1995-09-06

Family

ID=24996016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61139102A Expired - Fee Related JPH0783100B2 (ja) 1985-06-14 1986-06-14 共鳴トンネルトランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0783100B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0612816B2 (ja) * 1987-01-14 1994-02-16 工業技術院長 ホツトエレクトロントランジスタ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0665216B2 (ja) * 1981-12-28 1994-08-22 日本電気株式会社 半導体装置
JPS6052055A (ja) * 1983-08-31 1985-03-23 Nec Corp 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61290759A (ja) 1986-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4849799A (en) Resonant tunneling transistor
US4503447A (en) Multi-dimensional quantum well device
Capasso et al. Resonant tunneling transistor with quantum well base and high‐energy injection: A new negative differential resistance device
Capasso Band-gap engineering: from physics and materials to new semiconductor devices
US5021841A (en) Semiconductor device with controlled negative differential resistance characteristic
US4575924A (en) Process for fabricating quantum-well devices utilizing etch and refill techniques
US5151618A (en) Resonant-tunneling heterojunction bipolar transistor device
US4581621A (en) Quantum device output switch
US4829343A (en) Hot electron transistor
JPH02231777A (ja) 共鳴トンネル光電素子
US4959696A (en) Three terminal tunneling device and method
US4902912A (en) Apparatus including resonant-tunneling device having multiple-peak current-voltage characteristics
US4783427A (en) Process for fabricating quantum-well devices
US4853753A (en) Resonant-tunneling device, and mode of device operation
Capasso Graded-gap and superlattice devices by bandgap engineering
US5059545A (en) Three terminal tunneling device and method
KR920006434B1 (ko) 공진 터널링 장벽구조장치
US5278427A (en) Quantum collector hot-electron transistor
EP0216155A2 (en) Three-terminal tunnelling device
US4969018A (en) Quantum-well logic using self-generated potentials
JPH0783100B2 (ja) 共鳴トンネルトランジスタ
EP0186301A1 (en) High-speed semiconductor device
EP0322773B1 (en) Semiconductor device with semimetal
US4972246A (en) Effective narrow band gap base transistor
US4994882A (en) Semiconductor device and method

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees