JPH0782640A - 伸縮性多層水分処理布 - Google Patents

伸縮性多層水分処理布

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JPH0782640A
JPH0782640A JP5319171A JP31917193A JPH0782640A JP H0782640 A JPH0782640 A JP H0782640A JP 5319171 A JP5319171 A JP 5319171A JP 31917193 A JP31917193 A JP 31917193A JP H0782640 A JPH0782640 A JP H0782640A
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cloth
layer
moisture
stretchable
yarn
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Herbert L Moretz
リン モレツ ハーバート
Daniel L Brier
エル. ブライアー ダニエル
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、疎水性と親水性の布の隣接
層を有する一体化多層布で構成された伸縮性水分処理布
を提供することである。 【構成】 本発明の伸縮性多層水分処理布20は、疎水
性糸からなる水分移動布層21であって着用時に皮膚と
触れる位置にあり皮膚から水分を吸収する第1布面と、
親水性糸からなる水分分散布層22であって着用時に皮
膚から離れた位置にあり水分移動布層21から水分を受
領する第2布面と、水分移動布層21の構成糸と水分分
散布層22の構成糸とを伸縮糸で一体化してなる単一の
伸縮性水分処理布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分処理(moisture
management)特性を有する伸縮性多層布に関するもので
ある。特に、伸縮性多層水分処理布で衣料品の全体又は
その一部を形成した伸縮性多層水分処理布使用の衣料品
に関するものである。本明細書中にて使用する「水分処
理」とは、軽度から中程度の失禁者による着衣内への尿
失禁処理、又は作業、運動又は他の活動によって着衣に
排出される汗の処理を指す。そのような衣料品の例とし
ては、ボクサーのトランクスやパンツ、スエットずぼん
等の運動服、ランニングパンツ、運動用サポータ、ユニ
フォーム、パジャマ、水着、女性用パンティ、ブラジャ
ー等、並びに包帯及び医療用サポート帯、ヘッドバン
ド、リストバンド、並びにアームバンド等がある。
【0002】
【従来の技術】前記の衣料品に加工する従来の布地は着
用者の皮膚から素早く水分を取り除き、水分の外側への
移動速度を抑え、皮膚に接していない布の繊維に水分を
吸収分散させることを目的としている。またそのような
布は水蒸気として水分を徐々に外部に放出することを目
的としている。布地のこのような機能の結果、下着を通
過する尿又は汗で外側の着衣が濡れることを防止しなが
ら、皮膚をできるだけ乾燥した状態に保つことを目的と
している。この機能によって、ある一定時間、尿又は汗
に濡れた着衣が皮膚に接触することを防止する。しか
し、このような状態が長く継続すると悪臭、皮膚のかぶ
れ及び不快感の原因となり、さらには、細菌やかびの発
生原因ともなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】身体からの水分を真に
効率的で衛生的に処理する布地を提供し、その布地を適
当な衣料品に採用するには数多くの問題を解決しなけれ
ばならない。そのような布地は、水分を分散及び発散に
最適な箇所に移動させることを可能とするように特定衣
料品の形状に適合させなければならない。さらに、外側
の着衣への水分の移動を最小限に抑えることが必要であ
る。一般的にこの問題の解決は、失禁を例にとれば、水
分を腰の辺りまで移動し、陰部から水分を遠避けること
である。腰の周辺は陰部周辺よりもずっと面積が広く、
よって、水分を広い範囲に拡散することができるからで
ある。この場合に解決しなければならない問題は重力に
逆らっていかに効率よく水分を腰の辺りにまで引き上げ
るかである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情に鑑みなされたものであり、その目的は、水分処理特
性を備えた一体型多層布から構成した例えばウエストバ
ンドのような部分を有する、例えば下着のごとき水分処
理用衣料品を提供することにある。本発明の他の目的
は、織物機械にてワンステップで布地を製造することに
より作業の軽減を計り、容易に製造可能な水分処理布を
提供することにある。本発明の他の目的は、ウエストバ
ンド又は下着、パジャマ、運動着等の股の部分に採用可
能な水分処理布を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、隣接する身体表面から水分を排出させるウ
エストバンドを提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は疎水性(hydrophobi
c)層と親水性(hydrophilic)層とが隣接しており、水
分を一方の層から他方の層に移動させるプッシュプル作
用を促す一体型多層布から構成された水分処理布を提供
することにある。本発明のさらに他の目的は高度に伸縮
性を有する1層の布地又は多層の布地を一体化した一体
型多層布から構成される水分処理布を提供することにあ
る。本発明の他の目的は本発明による水分処理布から構
成される部材を含むブラジャーを提供することにある。
【0006】上記目的を達成するために以下のごとき手
段を採用した。請求項1記載の発明は、「疎水性糸から
なり、着用時に皮膚と触れる位置にあり、皮膚からの水
分を吸引する第1布面を構成する水分移動布層と、親水
性糸からなり、着用時に皮膚に触れない位置にあり、前
記水分移動層からの水分を受領する第2布面を構成する
水分分散布層と、前記水分移動布層の構成糸と前記水分
分散布層の構成糸とを一体化し、単一の一体型伸縮性布
を形成する伸縮性糸とを有することに特徴を有する伸縮
性多層水分処理布」をその内容としている。
【0007】請求項2記載の発明は、「伸縮性布の疎水
性糸と親水性糸がたてメリヤス編み(warp knitting)
されており、伸縮性糸がこのたてメリヤス編み構造体中
に編み込まれている請求項1記載の伸縮性多層水分処理
布」である。請求項3記載の発明は、「水分移動布層の
疎水性糸がポリエステルとポリプロピレンからなる群か
ら選択されることを特徴とする請求項1記載の伸縮性多
層水分処理布」をその内容としている。
【0008】又、請求項4記載の発明は、「水分分散布
層の親水性糸が親水性ナイロン、綿及びレ−ヨンからな
る群から選択されることを特徴とする請求項1記載の伸
縮性多層水分処理布」をその内容としている。請求項5
記載の発明は、「伸縮性糸はゴム、ラテックス及び長鎖
ポリウレタンの弾性体からなる群から選択されることを
特徴とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布」をそ
の内容としている。請求項6記載の発明は、「たてメリ
ヤス編み構造がラッシェル構造(Raschelstructure )
である請求項2記載の伸縮性多層水分処理布」である。
【0009】請求項7記載の発明は、「長手方向に10
0パーセント以上伸張し、幅方向にはほとんど伸張しな
い細幅(narrow-width)の伸縮性布を有することを特徴
とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布」をその内
容としている。請求項8記載の発明は、「伸縮性布は衣
料品のウエストバンドに加工されることを特徴とする請
求項7記載の伸縮性多層水分処理布」である。請求項9
記載の発明は、「伸縮性布は身体の一部用のサポータに
加工されることを特徴とする請求項7記載の伸縮性多層
水分処理布」である。請求項10記載の発明は、「伸縮
性糸は水分移動布層と水分分散布層との仲介布に編み込
まれることを特徴とする請求項2記載の伸縮性多層水分
処理布」をその内容としている。
【0010】請求項11記載の発明は、「疎水性糸から
なり、着用時に皮膚と接触する位置にあり、皮膚から水
分を吸収する第1布面を構成する水分移動布層と、水分
移動布層との編み合わせによって一体化され、前記第1
布面の外側に配置される第2布面を構成する親水性糸か
らなる水分分散布層とを有しており、該水分分散布層は
着用時に皮膚から離れた位置にあり、疎水性水分移動布
層から水分を受領するものであり、さらに、水分移動布
層の構成糸と水分分散布層の構成糸とに編み込まれて一
体化され、高度に伸縮性を有する単一の一体型布地を形
成する伸縮性糸とを有しており、該伸縮性布は長手方向
には100パーセント以上伸張し、幅方向にはほとんど
伸張しない細幅伸縮性布からなるたてメリヤス編み伸縮
性多層水分処理布」をその内容としている。請求項12
記載の発明は、「伸縮性布は幅が1インチ以上で2イン
チ以下である請求項11記載のたてメリヤス編み伸縮性
多層水分処理布」である。
【0011】請求項13記載の発明は、「伸縮性布の疎
水性糸と親水性糸とはたてメリヤス編みされており、伸
縮性糸が該たてメリヤス編み糸の構造体中に編み込まれ
ている請求項12記載の伸縮性多層水分処理布」をその
内容としている。請求項14記載の発明は、「水分移動
布層の疎水性糸がポリエステルとポリプロピレンからな
る群から選択されることを特徴とする請求項12記載の
たてメリヤス編み伸縮性多層水分処理布」をその内容と
している。請求項15記載の発明は、「水分分散布層の
親水性糸が親水性ナイロン、綿及びレ−ヨンからなる群
から選択されることを特徴とする請求項12記載の伸縮
性多層水分処理布」をその内容としている。
【0012】請求項16記載の発明は、「伸縮性糸はゴ
ム、ラテックス及び長鎖ポリウレタンの弾性体からなる
群から選択されることを特徴とする請求項12記載の伸
縮性多層水分処理布」をその内容としている。請求項1
7記載の発明は、「たてメリヤス編み構造がラッシェル
構造であることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多
層水分処理布」である。請求項18記載の発明は、「衣
料品に加工されることを特徴とする請求項12記載の伸
縮性多層水分処理布」をその内容としている。
【0013】請求項19記載の発明は、「伸縮性布は身
体一部のサポータに加工されることを特徴とする請求項
12記載の伸縮性多層水分処理布」である。請求項20
記載の発明は、「伸縮性布がブラジャーの紐部材に加工
されることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水
分処理布」である。
【0014】以下、本発明の概要について説明する。本
発明の好適実施例によれば、伸縮性布地の疎水性糸と親
水性糸はたてメリヤス編みされ、伸縮性糸がそのたてメ
リヤス編み構造体中に編み込まれている。本発明の他の
実施例によれば、水分移動布層の疎水性糸はポリエステ
ル及びポリプロピレンでなる群から選択されるものであ
る。本発明の他の実施例によれば水分分散布層の親水性
糸は親水性ナイロン、綿及びレーヨンでなる群から選択
されるものである。本発明のさらに他の実施例によれば
伸縮性糸はゴム、ラテックス及び長鎖ポリウレタンの弾
性体でなる群から選択されるものである。
【0015】本発明の他の実施例では、たてメリヤス編
み構造はラッシェル構造である。本発明の他の実施例に
よれば布地は細幅の伸縮性布であり、長手方向には10
0パーセント以上伸張し、幅方向にはほとんど伸張しな
いものである。本発明の他の実施例では伸縮性布は衣料
品のウエストバンドに使用される。本発明のさらに他の
実施例によれば伸縮性布は身体の一部のサポータに使用
される。本発明の他の実施例によれば伸縮性糸は水分移
動布層と水分分散布層との仲介(intermediate)布地に
編み込まれるものである。
【0016】本発明の他の実施例によればたてメリヤス
編み伸縮性多層水分処理布は、疎水性糸により構成さ
れ、着用時に皮膚と接触する位置に配置される第1布面
を構成し、皮膚から水分を排出させる水分移動布を有し
ている。水分分散布層は水分移動布層と編み合わされ
る。水分分散布層は親水性糸により構成され、着用時に
は皮膚から離れて配置され、第1布面に接した第2布面
を構成し、疎水性水分移動布層から水分を受領する。伸
縮性糸は水分移動布層の糸と、水分分散布層の糸と共に
編み込まれて一体化し、高度に伸縮性に富んだ単一の一
体化した布地を形成する。伸縮性布は細幅の伸縮性布か
ら成り、長手方向には100パーセント以上伸張し、幅
方向にはほとんど伸張しないものである。
【0017】本発明の他の実施例によれば布地は1イン
チ(2.54cm)以上で2インチ(5.08cm)以
下の幅を有するものである。本発明の他の実施例によれ
ば、伸縮性布の疎水性糸と親水性糸とはたてメリヤス編
みされ、伸縮性糸はこのたてメリヤス編み糸の構造体に
編み込まれる。本発明の他の実施例によれば水分移動布
層の疎水性糸はポリエステル及びポリプロピレンでなる
群から選択されるものである。
【0018】本発明の他の実施例によれば水分分散布布
層の親水性糸は親水性ナイロン、綿及びレーヨンでなる
群から選択されるものである。本発明のさらに他の実施
例によれば、伸縮性糸はゴム、ラテックス及び長鎖ポリ
ウレタンの弾性体でなる群から選択されるものである。
本発明の他の実施例では、たてメリヤス編み構造はラッ
シェル構造である。本発明の他の実施例によれば本布地
は衣料品と組み合わされるウエストバンドを形成するも
のである。又、他の実施例によれば本布地は身体の一部
のサポータとして利用される。さらに、他の実施例によ
れば本布地はブラジャーの部材として使用される。
【0019】
【作用】疎水性糸で構成された第1布層は衣料着用時に
皮膚と触れる位置にあり、疎水性糸はその表面から汗や
失禁尿等の水分を排出させ、第1布層を通過させて皮膚
の水分を移動させる。一方、親水性糸で構成された第2
布面は、衣服着用時には皮膚に触れない位置にあり、プ
ッシュプル(push-pull)効果により、水分移動布層か
らの水分を効率良く受領する。前記プッシュプル効果と
は、体温により皮膚から「プッシュ」されて排出された
水分が、疎水性布層の表面に沿って水分分散布層によっ
て吸収されるまで疎水性水分移動布層から押し出され、
水分分散布層の水分発散作用によって「プル」されて、
効率良く水分分散布層に水分を移動させる効果をいう。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例につ
いて説明する。本発明の一好適実施例による伸縮性水分
処理布を採用した水分処理衣料品10の例が図1(正
面)と図2(背面)に示されている。衣料品10は、男
性用のパンツとして例示されているが、パジャマ、下
着、運動着、幼児着等の伸縮性のウエスト部を有する着
衣、あるいは伸縮性の股部分又は紐を有する他のあらゆ
る着衣にもこの伸縮性水分処理布が使用可能である。衣
料品の種類が何であろうと、本発明のウエストバンド2
0は、例えば、通常の手段にて衣料品10の上部に縫付
けることが可能である。図3、図4及び図5は本願の他
の実施例を示している。本願の開示によれば、運動に適
したヘッドバンド30が図3に示されている。ヘツドバ
ンド30は、本願の開示に従って比較的幅が細い伸縮性
水分処理布で構成されている。内側の疎水性糸31と外
側の親水性糸32が、後述する水分の処理機能を提供す
る。
【0021】運動に適したリストバンド40は図4に示
されている。リストバンド40は本願で開示した比較的
幅が広い伸縮性水分処理布で構成されている。内側の疎
水性糸41と外側の親水性糸42は、後述する水分の処
理機能を提供する。ヘッドバンド30とリストバンド4
0は、水分の追加的吸収のために、テリー綿糸(cotton
terry yarns)のような水分吸収性糸を含んでもよい。
通常これらの追加糸は、布の外側表面に配され、吸収さ
れた水分をより急速に蒸発させる。伸縮性糸は、特定製
品の要求に見合う糸数(number)と、糸の間隔(spacin
g )と、糸の伸縮度から適宜選択される。
【0022】図5は医療用に適する肘又は膝のサポータ
50を示す。肘又は膝用サポータ50は有効なサポート
機能を提供するため、比較的多数で比較的高い強度の糸
を使用した本願による伸縮性水分処理布にて比較的幅広
く形成される。図14は本発明に従った伸縮性水分処理
布を使用したブラジャー60を示している。ブラジャー
60は幅が細い布地20からなる肩紐61及び62を含
む。背紐63もまた本願の比較的幅が広い水分処理布か
ら構成することが可能である。加えて、伸縮性アンダー
カップパネル部64も同様に本水分処理布から構成する
ことが可能である。
【0023】伸縮性水分処理布20は、これらの物品の
各々を作成する布地の代表として記載されている。水分
処理布20は、例えば、スイス国フリック所在のマシン
ファブリツク ヤコブ ミューラー AG社(Maschine
nfabrik Jacob Muller AG )製 ラッシェリナ RD3
(Raschelina RD3 )型たてメリヤス編み機のようなよ
こ糸挿入式(weft insertion)の編み機によって製造可
能である。よこ糸挿入式の他型式のたてメリヤス編み機
も使用が可能である。要は伸縮性を有し、かつ異なる糸
で対向する表面(obverse faces)を有する布を構成す
ることができれば、どんな型式の布地形成機を使用して
も構わない。伸縮性水分処理布の実際の物理的構造は一
般的なものである。本発明の新規性は、皮膚に触れる面
には疎水性の布が配され、その外側には親水性の布が配
されている伸縮性水分処理布を提供することにある。
【0024】図6から図9にて示すように、内側水分移
動布層21は、デュポン社製で商標名クールマックス
(Coolmax)又はサーマックス(Thermax)のごとき繊維
でなるポリエステル繊維又は市販のポリエステル繊維で
作成された疎水性糸で構成されるものである。水分移動
布層21を構成する糸は、着用中に皮膚と触れるところ
に存在するので、柔軟であって快適な感触面を提供する
ために、比較的低いデニールの3本又は4本の別々の糸
で厚め(bulky )に編んだ布が用意される。内側皮膚接
触層21を形成するこれら疎水性の糸は、糸の表面で急
速に水分を捕捉して皮膚の水分を移動布層21内にて通
過移動させる。
【0025】図10から図13にかけて示すように、水
分分散布層22は親水性糸で作成され、移動布層21に
面する第2布面を構成する。分散布層22は着用中は皮
膚に触れない位置に存在し、疎水性の水分移動層21か
ら水分を吸収受領する。水分分散布層22は、例えば、
アライドファイバーズ(Allied Fibers)社から販売さ
れている商標名ハイドロフィル(r)(Hydrofil (r))
繊維、又は綿、またはポリエステルと綿の混合糸でなる
親水性糸にて形成される。
【0026】内側の水分移動層21から水分分散布層2
2に移動した水分を受領して分散させるため、分散布層
22は、移動布層21と各々対応する境界線で結合され
ている。移動布層21と分散布層22はそれぞれ独立し
ているが、相互に接触して結合されており、疎水性移動
布層21から移動した水分は、隣接する親水性分散布層
22に吸収されるように移動する。その結果、いわゆる
プッシュプル効果が作用し、体温によって疎水性布層2
1の表面に沿って皮膚から移動布層21を介して分散布
層22により水分が吸収される所まで水分をプッシュ
し、分散布層22は押し出された水分を吸引する。そし
て、水分は分散布層22の外側表面から蒸発し、さらに
水分の吸引作用を誘発するようにプルする。すなわち、
水分が蒸発することで分散布層22の内側部から水分が
より少なく含まれている外側部に向け、水分移動が引き
起こされる。
【0027】編み構造にて形成される横断対角ループ
(transverse diagonal loops )は布のたて(warp)方
向(長手方向)に走り、布20のよこ(weft)方向(幅
方向)に走る糸は、本質的には直線である。このため、
布20の伸びは、ほとんどが布の長手方向となる。ゴ
ム、ラテックス又はリクラ(Lycra )の商標名であるス
パンデックス樹脂糸(elastic)のような長鎖ポリウレ
タンの弾性体(long chainpolyurethane elastomer)等
の伸縮性糸23は布20の構造体に編み込まれる。伸縮
糸23は布20のたて方向に沿って走り、布20の伸張
力に対し制御された抵抗を示し、その伸張力が排除され
ると布20は急速に元の長さに復帰する。
【0028】図1と図2のウエストバンド30の実施例
における水分処理布は約1から1.5インチ(約2.5
から4cm)の幅を有し、たて方向(長手方向)に約1
00パーセント伸張する。図3の実施例のヘッドバンド
の水分処理布も約1から1.5インチ(約2.5から4
cm)の幅を有し、長手方向に約50から100パーセ
ント伸張する。図4の実施例のリストバンド40にされ
る水分処理布は約2から3インチ(約5から8cm)の
幅を有し長手方向に約50から100パーセント伸張す
る。図5の実施例におけるサポータ(brace)50のよ
うな医療品に加工されるときには、水分処理布は約8か
ら10インチ(12から25cm)の幅を有し、長手方
向に約40から80パーセント伸張する。前記各場合に
おいて、製品30、40及び50は本発明の布地を適当
な長さに裁断してからエンドレス形状にするため、縫合
部33、43及び53によって2つの裁断部が縫合され
ている。
【0029】以上開示した全実施例において、バクテリ
ア防止剤にて多様な布地を処理し、悪臭防止及びバクテ
リアの発生防止をすることができる。クロス染め(cros
s-dyeing)を施したり、異なる色や異なる製法の糸を使
用して本布地に通常の編みデザイン技術によって多様な
模様やデザインを施すことも可能である。以上、水分処
理布及びいくつかの水分処理衣料品を紹介してきた。本
発明は本発明の範囲を逸脱せずに適宜変更することが可
能である。さらに、前述の本発明の実施例及び本発明の
最良の実施態様はあくまで本発明の説明に供するための
ものであり、請求の範囲によって定義される本発明を限
定するものではない。
【0030】
【発明の効果】本発明は、身体からの水分を効率よく処
理発散させる伸縮性水分処理布を提供することができ
る。本発明の布を利用した衣料類は着衣者の皮膚から急
速に水分を吸収除去することができ、更に外側への水分
の移動速度が大きく、皮膚を常時乾燥状態に保ち、通過
する水分による着衣の濡れを最小限に抑えることができ
るという優れた効果を奏する。更に、悪臭、細菌、カビ
又はイースト菌の増殖を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 伸縮性水分処理ウエストバンドを含む衣料品
の例を示す正面図。
【図2】 図1に示した衣料品の背面図。
【図3】 伸縮性水分処理布を用いたヘッドバンドの例
を示す斜視図。
【図4】 伸縮性水分処理布を用いたウエストバンドの
例を示す斜視図。
【図5】 伸縮性水分処理布を用いた肘又は膝用サポー
タを示す斜視図。
【図6】 伸縮性水分処理布の内側の疎水性布の繊維の
形状を表す写真。
【図7】 伸縮性水分処理布の内側の疎水性布の伸縮性
布の編み構造をさらに明瞭に示すために伸縮性布が伸び
た状態における繊維の形状を表す写真。
【図8】 伸縮性水分処理布の内側の疎水性布の緩めら
れた状態における繊維の形状を表す写真。
【図9】 伸縮性水分処理布の内側の疎水性布の伸びた
状態における繊維の形状を表す写真。
【図10】 伸縮性水分処理布の外側の親水性布の繊維
の形状を表す写真。
【図11】 伸縮性水分処理布の編み構造をさらに明示
するため、伸縮性水分処理布の外側の親水性布の伸びた
状態における繊維の形状を表す写真。
【図12】 伸縮性水分処理布の外側の親水性布の緩め
られた状態における繊維の形状を表す写真。
【図13】 伸縮性水分処理布の外側の親水性布の伸び
た状態における繊維の形状を表す写真。
【図14】 伸縮性水分処理布を用いた肩紐、背紐及び
アンダーカツプ部材を含むブラジャーの例を示す斜視
図。
【符号の説明】
10 水分処理衣料品 20 ウエストバンド(布) 21 水分移動布層 22 水分分散布層 23 伸縮性糸 30 ヘッドバンド 31 疎水性糸 32 親水性糸 40 リストバンド 41 疎水性糸 42 親水性糸 50 サポータ 51 疎水性糸 52 親水性糸 60 ブラジャー 61 肩紐 62 肩紐 63 背紐
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A41C 3/00 B A41D 31/00 501 2119−3B A61F 13/00 351 Z (72)発明者 ハーバート リン モレツ アメリカ合衆国 ノース カロライナ州 28036 デビッドソン ローラ サークル 20205番地 (72)発明者 ダニエル エル. ブライアー アメリカ合衆国 フロリダ州 33037 キ ー ラーゴ エンジェルフィッシュ ケイ ドライブ 33番地

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伸縮性多層水分処理布であって、 (i)疎水性糸からなり、着用時に皮膚と接触する位置
    にあり、皮膚からの水分を吸収する第1布面を構成する
    水分移動布層と、 (ii)親水性糸からなり、着用時に皮膚と接触しない
    位置にあり、前記水分移動布層から水分を受領する第2
    布面を構成する水分分散布層と、 (iii)前記水分移動布層の構成糸と前記水分分散布
    層の構成糸と一体化されて単一で一体の高度に伸縮性を
    有する布地を形成する伸縮性糸と、を有していることを
    特徴とする伸縮性多層水分処理布。
  2. 【請求項2】前記伸縮性布の疎水性糸と親水性糸とはた
    てメリヤスに編まれており、前記伸縮性糸は該たてメリ
    ヤスに編まれた糸の構造体中に編み込まれていることを
    特徴とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布。
  3. 【請求項3】前記水分移動布層の前記疎水性糸はポリエ
    ステルとポリプロピレンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布。
  4. 【請求項4】前記水分分散布層の前記親水糸は親水性ナ
    イロン、綿及びレ−ヨンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布。
  5. 【請求項5】前記伸縮性糸はゴム、ラテックス及び長鎖
    ポリウレタンの弾性体からなる群から選択されることを
    特徴とする請求項1記載の伸縮性多層水分処理布。
  6. 【請求項6】前記たてメリヤス編み構造はラッシェル構
    造であることを特徴とする請求項2記載の伸縮性多層水
    分処理布。
  7. 【請求項7】前記伸縮性布は長手方向に100パーセン
    ト以上伸張し、幅方向には実質的に伸張しない細幅伸縮
    性布からなることを特徴とする請求項1記載の伸縮性多
    層水分処理布。
  8. 【請求項8】前記伸縮性布は衣料品のウエストバンドで
    あることを特徴とする請求項7記載の伸縮性多層水分処
    理布。
  9. 【請求項9】前記伸縮性布は身体の一部に使用するサポ
    ータであることを特徴とする請求項7記載の伸縮性多層
    水分処理布。
  10. 【請求項10】前記伸縮性糸は前記水分移動布層と前記
    水分分散布層を仲介する布中に織り込まれることを特徴
    とする請求項2記載の伸縮性多層水分処理布。
  11. 【請求項11】たてメリヤス編み伸縮性多層水分処理布
    であって、 (i)疎水性糸からなり、着用時に皮膚と接触する位置
    にあり、皮膚からの水分を吸収する第1布面を構成する
    水分移動布層と、 (ii)前記水分移動布層との編み合わせによって一体
    化された水分分散布層と、を有しており、 前記水分分散布層は親水性糸からなり、前記第1布面の
    外側の着用時に皮膚から離れた位置に配置される第2布
    面を構成しており、前記疎水性水分移動布層から水分を
    受領するものであって、さらに、 (iii)前記水分移動布層の構成糸と前記水分分散布
    層の構成糸とに編み込まれて一体化され、高度に伸縮性
    を有する単一の一体化された布を形成する伸縮性糸と、
    を有しており、 (iv)前記伸縮性布は長手方向に100パーセント以
    上伸張し、幅方向にはほとんど伸張しない細幅伸縮性布
    を有していることを特徴とするたてメリヤス編み伸縮性
    多層水分処理布。
  12. 【請求項12】前記伸縮性布は幅が1インチ以上で2イ
    ンチ以下であることを特徴とする請求項11記載の伸縮
    性多層水分処理布。
  13. 【請求項13】前記伸縮性布の前記疎水性糸と前記親水
    性糸はたてメリヤス編みされており、前記伸縮性糸は該
    たてメリヤス編み糸の構造体中に編み込まれていること
    を特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水分処理布。
  14. 【請求項14】前記水分移動布層の前記疎水性糸はポリ
    エステルとポリプロピレンからなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水分処理
    布。
  15. 【請求項15】前記水分分散布層の前記親水性糸は親水
    性ナイロン、綿、及びレ−ヨンからなる群から選択され
    ることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水分処
    理布。
  16. 【請求項16】前記伸縮性糸はゴム、ラテックス及び長
    鎖ポリウレタンの弾性体からなる群から選択されること
    を特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水分処理布。
  17. 【請求項17】前記たてメリヤス編み構造はラッシェル
    構造であることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多
    層水分処理布。
  18. 【請求項18】衣料品との組合せにて使用されることを
    特徴とする請求項12記載の伸縮性多層水分処理布。
  19. 【請求項19】前記伸縮性布は身体の一部のサポータに
    加工されることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多
    層水分処理布。
  20. 【請求項20】前記伸縮性布はブラジャーの紐部材に加
    工されることを特徴とする請求項12記載の伸縮性多層
    水分処理布。
JP5319171A 1992-12-17 1993-11-24 伸縮性多層水分処理布 Pending JPH0782640A (ja)

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