JPH0782296A - 牛乳由来セリンプロテア−ゼインヒビタ−及びその製造法 - Google Patents

牛乳由来セリンプロテア−ゼインヒビタ−及びその製造法

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JPH0782296A
JPH0782296A JP5249692A JP24969293A JPH0782296A JP H0782296 A JPH0782296 A JP H0782296A JP 5249692 A JP5249692 A JP 5249692A JP 24969293 A JP24969293 A JP 24969293A JP H0782296 A JPH0782296 A JP H0782296A
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JP
Japan
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milk
serine protease
activity
substance
whey
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Pending
Application number
JP5249692A
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English (en)
Inventor
Tomoko Uchida
智子 内田
Osamu Kirihara
修 桐原
Hisanori Tani
久典 谷
Hifumi Oishi
一二三 大石
Masatoshi Watanabe
正利 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYODO MILK IND
KYODO NYUGYO KK
Original Assignee
KYODO MILK IND
KYODO NYUGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にトリプシンに対して強い阻害活性を有す
る物質とその製造法に関する。 【構成】 牛乳及びホエ−に含有される分子量が60,000
〜70,000の範囲である酸性タンパク質でセリンプロテア
−ゼ活性を特異的に阻害することを特徴とする物質並び
にこの物質を得るべく、ウシ初乳、常乳及び末期乳から
得たホエ−を5.5又はそれ以上のpH環境下において陰イ
オン交換樹脂に吸着させることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は特にトリプシンに対し
て強い阻害活性を有する物質とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】セリンプロテア−ゼインヒビタ−につい
ては、1930〜1940年代にKunitzがウシ膵臓塩基性トリプ
シンインヒビタ−(M.Kunitz,J.H.Northrop,J.Gen.Physi
ol,19.991(1936))及び大豆トリプシンインヒビタ−(M.K
unitz,J.Gen.Physiol,29.149(1946))を結晶化して以
来、多くの研究がなされてきた。ウシ初乳中のトリプシ
ンインヒビタ−についても、1951年にラスコフスキ−ら
によつて報告されている(Laskowski,M.,Jr.,and Laskow
ski,M.,Federation Proc.,9,194(1950))。分子量10,500
の低分子量のものと高分子量のものの2種類が存在する
とされているが、その後このトリプシンインヒビタ−に
ついては、ほとんど検討されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、ウシ初乳
から高分子量のセリンプロテア−ゼインヒビタ−(SPI)
を精製することにより、特にトリプシンに対して強い阻
害物質とその製造法を得ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、牛
乳及びホエ−に含有される分子量が60,000〜70,000の範
囲である酸性タンパク質でセリンプロテア−ゼ活性を特
異的に阻害することを特徴とする物質と、ウシ初乳、常
乳及び末期乳から得たホエ−を5.5又はそれ以上のpH環
境下において陰イオン交換樹脂に吸着させることを特徴
とする物質の製造法を提案するものである。
【0005】
【作用】ウシ初乳、常乳及び末期乳から得られるホエ−
から5.5又はそれ以上のpH環境下で陰イオン交換樹脂に
吸着させて分子量60,000〜70,000の範囲の酸性タンパク
質でセリンプロテア−ゼ活性を特異的に阻害する物質を
得る。
【0006】
【実施例】SPIの精製に当つては、ウシ初乳から常乳に
よつてホエ−を得、DEAE(ジエチルアミノエチル基)-
セルロ−スに吸着させ、1MのNaClで溶出させた画分を凍
結乾燥したものをスタ−テイングマテリアルとして以下
の精製に用いた。
【0007】最初に、0.1MのTris-HClバツフア−(pH7.
2)で平衡化したセフアロ−スCL-4Bカラムを用いたゲル
濾過を行なつた。各フラクシヨンのSPI活性はトリプシ
ンに基質となるカゼインを37℃で反応させ、TCA(トリ
クロロ酢酸)で反応を停止させたのち、遠心分離で沈殿
を除いた上清のO.D 275nmを測定することによつて表し
た。
【0008】
【表1】
【0009】その結果、SPI活性はフラクシヨンNo.122
〜126に強く認められたので、この部分を集め、トヨパ
−ルHW-55によりリクロマトを行なつた。前記の方法でS
PI活性を測定したところ、メインピ−クの前半にかかつ
たシヨルダ−部分に活性が認められた。さらに、この画
分をHPLCで分析し、図1に示した結果を得た。この2つ
のピ−クのうち前の1のピ−クのみ強いSPI活性を有し
ており、2のピ−クに活性は認められなかつた。したが
つて、1のピ−クのみを分取し、ウシ初乳SPIとして、
種々の実験に用いた。
【0010】また前述のスタ−テイングマテリアルから
トリプシン−セフアロ−スカラムを用いたアフイニテイ
−クロマトグラフイ−によつて同様なSPIが得られた。C
NBr-activated Sepharose4Bにトリプシンをカツプリン
グさせ、初乳SPIを吸着させる。2MのNaClを含むTris-HC
lバツフア−(pH7.2)でゲルを洗い、pH12のバツフア−に
より溶出してくる画分にSPI活性が確認された。
【0011】SPIの性状に関しては、精製したSPIは、Na
tive PAGEとSDS-PAGEで共にシングルバンドとなり、SDS
-PAGEの結果から、分子量は60,000〜70,000の範囲であ
つた。また2次元電気泳動の結果、等電点は酸性側とな
つた。
【0012】次に、SPIのpH安定性と熱安定性について
検討した。活性測定には、メチルクマリルアミドペプタ
イドを基質として用い、遊離してくるアミノメチルクマ
リンを、蛍光光度計で測定し、コントロ−ルに対する阻
害率(%)で示した。
【0013】
【表2】
【0014】SPIはそれぞれのpHのバツフア−に溶か
し、37℃で1時間、各pH状態に保つたのち測定した。そ
の結果、SPIはpH5の弱酸性から中性域で安定であつた
(図2)。 熱安定性は65℃と80℃で0〜60分間の加熱を
行ない、5分ごとにサンプリングして、阻害活性を測定
した。80℃では、5分間の加熱でほぼ100%失活したのに
対し、65℃の加熱では、活性はゆるやかに失なわれた
が、60分間加熱後も7割程度は残していた(図3)。
【0015】次にトリプシン以外のセリンプロテア−ゼ
として、エラスタ−ゼ、プラスミン、MIP(戻り誘導酵
素)について検討した。ここで、MIPとは、木下らによ
つて報告されているように、魚体の筋肉中に存在するセ
リンプロテア−ゼである。このプロテア−ゼは、加熱に
より活性化してミオシンを分解するため、カマボコ等の
魚肉練り製品の「戻り」の原因とされている。今回用い
たMIPはメルル−サ科パシフイツクヘイクのすり身より
木下らの方法に準じて調製した。
【0016】活性測定は前記のように各プロテア−ゼに
対し特異性の高いメチルクマリルアミドペプタイドを基
質に用い、トリプシン、エラスタ−ゼ、プラスミンは37
℃で、MIPについては、至適温度である60℃で反応さ
せ、SPI活性を測定した。
【0017】*使用した合成基質(ペプチド研) トリプシン :Boc-Phe-Ser-Arg-MCA MIP :Boc-Phe-Ser-Arg-MCA エラスタ−ゼ:Suc-Ala-Ala-Ala-MCA プラスミン :Boc-Val-Leu-Lys-MCA 0.1Mリン酸バツフア−pH7.5(MIPのみpH7.0)に溶解して
用いた。
【0018】その結果、トリプシンに対し最も強い阻害
活性を有し、次いでMIP、エラスタ−ゼ、プラスミンの
順に活性は低下した(図4)。トリプシン活性は0.175
μMのSPIで、MIP活性は1.4μMのSPIで完全に阻害され
た。また1.4μMのSPIでエラスタ−ゼは約40%、プラスミ
ンは約20%阻害された(プラスミンにはほとんど作用し
ないと考えられた)。
【0019】
【発明の効果】上述のようにしてこの発明によれば、セ
リンプロテア−ゼ活性を特異的に阻害する物質が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】SPI活性のHPLCパタ−ンを示すグラフである。
【図2】SPIのpH安定性を示すグラフである。
【図3】SPIの温度安定性を示すグラフである。
【図4】各セリンプロテア−ゼに対するSPIの阻害効果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 35/20 7431−4C B01D 15/08 61/14 500 8014−4D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牛乳及びホエ−に含有される分子量が6
    0,000〜70,000の範囲である酸性タンパク質でセリンプ
    ロテア−ゼ活性を特異的に阻害することを特徴とする物
    質。
  2. 【請求項2】 トリプシン活性を顕著に阻害し、その他
    のセリンプロテア−ゼ活性も阻害することを特徴とする
    請求項1記載の物質。
  3. 【請求項3】 pH5−7の範囲で安定であり、80℃、10
    分間の加熱で完全に失活することを特徴とする請求項1
    又は2記載の物質。
  4. 【請求項4】 ウシ初乳、常乳及び末期乳から得たホエ
    −を5.5又はそれ以上のpH環境下において陰イオン交換
    樹脂に吸着させることを特徴とする請求項1,2,3の
    いずれかに記載の物質の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載したホエ−を分画分子量
    50,000のモジユ−ルを用いて限外濾過処理をしたリテン
    テイト又はそのリテンテイトをトリプシン又はその他の
    セリンプロテア−ゼを固定化した樹脂に特異的に吸着さ
    せることを特徴とした請求項1,2,3のいずれかに記
    載の物質の製造法。
JP5249692A 1993-09-13 1993-09-13 牛乳由来セリンプロテア−ゼインヒビタ−及びその製造法 Pending JPH0782296A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9055752B2 (en) 2008-11-06 2015-06-16 Intercontinental Great Brands Llc Shelf-stable concentrated dairy liquids and methods of forming thereof
US11490629B2 (en) 2010-09-08 2022-11-08 Koninklijke Douwe Egberts B.V. High solids concentrated dairy liquids

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9055752B2 (en) 2008-11-06 2015-06-16 Intercontinental Great Brands Llc Shelf-stable concentrated dairy liquids and methods of forming thereof
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