JPH0781953B2 - 分析試料の原子化方法 - Google Patents
分析試料の原子化方法Info
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- JPH0781953B2 JPH0781953B2 JP2025969A JP2596990A JPH0781953B2 JP H0781953 B2 JPH0781953 B2 JP H0781953B2 JP 2025969 A JP2025969 A JP 2025969A JP 2596990 A JP2596990 A JP 2596990A JP H0781953 B2 JPH0781953 B2 JP H0781953B2
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- Japan
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- gas
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、分析試料の原子化方法に係り、とくに、固体
あるいは液状の分析試料をプラズマ分析法や電熱気化原
子吸光法によって分析する際に、試料の加熱,気化過程
で効果的に原子化する方法に関する。
あるいは液状の分析試料をプラズマ分析法や電熱気化原
子吸光法によって分析する際に、試料の加熱,気化過程
で効果的に原子化する方法に関する。
〈従来の技術〉 従来、プラズマを励起源あるいはイオン化源とする分析
法としては、高周波誘導結合プラズマやマイクロ波誘導
プラズマ,直流プラズマなどがあり、中でも高周波誘導
結合プラズマ(以下、ICPと略称する)を励起源とする
発光分析法は、高感度,高精度の分析法として鉄鋼ある
いは環境などの広い分野で実用化されている。
法としては、高周波誘導結合プラズマやマイクロ波誘導
プラズマ,直流プラズマなどがあり、中でも高周波誘導
結合プラズマ(以下、ICPと略称する)を励起源とする
発光分析法は、高感度,高精度の分析法として鉄鋼ある
いは環境などの広い分野で実用化されている。
また、近年、プラズマをイオン化源として、検出器に質
量分析計を備えたICP質量分析装置が開発され、さらに
高感度の分析法として注目を集めている。
量分析計を備えたICP質量分析装置が開発され、さらに
高感度の分析法として注目を集めている。
しかし、これら上記した従来のICP発光分光分析法を用
いてプラズマ中に導入して分析し得る試料は、溶液,気
体あるいはエアロゾルに限られており、また例えば5cm
3以下と絶対量の少ない試料の分析も通常の装置では困
難とされている。
いてプラズマ中に導入して分析し得る試料は、溶液,気
体あるいはエアロゾルに限られており、また例えば5cm
3以下と絶対量の少ない試料の分析も通常の装置では困
難とされている。
そこで、このような固体や微小量溶液などの分析法とし
ては、いわゆる電熱気化法として、例えば試料を黒鉛炉
中に入れて電気的に気化してその気体をプラズマ中に導
入する方法(例えば、C.J.Park,J.C.V.Loon,P.Arrowsmi
th,J.B.Frennch;Journal of American Chemical Societ
y 2191(1987)など参照)や、黒鉛炉ごと直接プラズマ
中に挿入する方法(例えば、E.D.Salin,G.Horlick;Anal
ytical Chemistry,51,13(1979)など参照)などが開発
され、半導体,生体,環境試料などへの適用例(例え
ば、M.Abdullah,K.Fuwa,H.Haraguti;Spectrochimica Ac
ta,39B,1129(1984)など参照)も見られる。
ては、いわゆる電熱気化法として、例えば試料を黒鉛炉
中に入れて電気的に気化してその気体をプラズマ中に導
入する方法(例えば、C.J.Park,J.C.V.Loon,P.Arrowsmi
th,J.B.Frennch;Journal of American Chemical Societ
y 2191(1987)など参照)や、黒鉛炉ごと直接プラズマ
中に挿入する方法(例えば、E.D.Salin,G.Horlick;Anal
ytical Chemistry,51,13(1979)など参照)などが開発
され、半導体,生体,環境試料などへの適用例(例え
ば、M.Abdullah,K.Fuwa,H.Haraguti;Spectrochimica Ac
ta,39B,1129(1984)など参照)も見られる。
ここで、電熱気化法を用いたICP発光分光分析法の構成
について簡単に説明すると、第4図に示すように、プラ
ズマトーチ部1,原子化部2,高周波電源部3,同調結合部4,
分光器5,計測部6,表示部7よりなっている。
について簡単に説明すると、第4図に示すように、プラ
ズマトーチ部1,原子化部2,高周波電源部3,同調結合部4,
分光器5,計測部6,表示部7よりなっている。
そして、プラズマトーチ部1は例えば石英製で三重管構
造をしており、外側管1aにはプラズマトーチを冷却する
とともに高電圧により一部が電離されてプラズマを形成
する冷却ガスとして、また中間管1bにはプラズマをトー
チよりわずかに浮かせて中間管1bを保護する補助ガスと
して、さらに内側管1cには原子化部2で気化した試料を
プラズマトーチ部1に送給するキャリアガスとして、そ
れぞれガス供給装置8から例えばアルゴンガスなどが供
給管P1,P2,P3を介して供給される。
造をしており、外側管1aにはプラズマトーチを冷却する
とともに高電圧により一部が電離されてプラズマを形成
する冷却ガスとして、また中間管1bにはプラズマをトー
チよりわずかに浮かせて中間管1bを保護する補助ガスと
して、さらに内側管1cには原子化部2で気化した試料を
プラズマトーチ部1に送給するキャリアガスとして、そ
れぞれガス供給装置8から例えばアルゴンガスなどが供
給管P1,P2,P3を介して供給される。
原子化部2は例えば炭素材で成形された原子化炉(ある
いはフィラメント)9とこれを抵抗加熱するための電気
制御部10からなり、原子化炉9の周囲および内部は例え
ばアルゴンなどの不活性ガスでパージされている。原子
化炉9内に入れられた試料は、例えば溶液試料の場合に
は低温で加熱乾燥(場合によっては灰化過程を経て)処
理された後、さらに高温に加熱・原子化されて原子蒸気
となる。この原子蒸気状の試料は、キャリアガスによっ
て内側管1cを介してプラズマトーチ11の中心に導入され
る。
いはフィラメント)9とこれを抵抗加熱するための電気
制御部10からなり、原子化炉9の周囲および内部は例え
ばアルゴンなどの不活性ガスでパージされている。原子
化炉9内に入れられた試料は、例えば溶液試料の場合に
は低温で加熱乾燥(場合によっては灰化過程を経て)処
理された後、さらに高温に加熱・原子化されて原子蒸気
となる。この原子蒸気状の試料は、キャリアガスによっ
て内側管1cを介してプラズマトーチ11の中心に導入され
る。
高周波コイル12は、高周波電源部3から供給される高周
波電力を同調結合部4を介してプラズマトーチ部1に供
給するもので、ここに発生した交番磁界により電離され
た一部の冷却ガスが誘導電流によって加速され、結合と
電離を繰り返すことによってプラズマを生成することに
なる。
波電力を同調結合部4を介してプラズマトーチ部1に供
給するもので、ここに発生した交番磁界により電離され
た一部の冷却ガスが誘導電流によって加速され、結合と
電離を繰り返すことによってプラズマを生成することに
なる。
プラズマトーチ11の中心に導入された原子状試料は、プ
ラズマ中で励起原子,励起イオンの状態となり、それら
が定常状態に戻る時に余分なエネルギーを元素固有の波
長をもつスペクトルとして発する。そこで、これを分光
器5を介して計測部6で分析して表示部7で表示する。
ラズマ中で励起原子,励起イオンの状態となり、それら
が定常状態に戻る時に余分なエネルギーを元素固有の波
長をもつスペクトルとして発する。そこで、これを分光
器5を介して計測部6で分析して表示部7で表示する。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、これらの方法ではTi,Vなどの元素は炉材
である黒鉛と反応して難揮発性の炭化物を生成し、また
Zr,Mo,Wなどの高沸点金属の原子化も難しい。
である黒鉛と反応して難揮発性の炭化物を生成し、また
Zr,Mo,Wなどの高沸点金属の原子化も難しい。
そのため、試料に塩化銀(AgCl)やポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE,商品名;テフロン)などの担体を添加
して低沸点のハロゲン化物を生成し、これら難揮発性元
素の効率的な原子化を行おうとする試みもなされている
(例えば、G.Zang,J.B.C.Broekaert,F.Leis;Spectrochi
mca Acta,43B,241(1988)など参照)。
エチレン(PTFE,商品名;テフロン)などの担体を添加
して低沸点のハロゲン化物を生成し、これら難揮発性元
素の効率的な原子化を行おうとする試みもなされている
(例えば、G.Zang,J.B.C.Broekaert,F.Leis;Spectrochi
mca Acta,43B,241(1988)など参照)。
しかし、このような方法は操作が煩雑なうえ、担体自体
によるバックグラウンドやコンタミネーションの影響が
大きく、また担体の蒸発速度が早いため、試料全量が完
全に原子化しきれないという問題もある。
によるバックグラウンドやコンタミネーションの影響が
大きく、また担体の蒸発速度が早いため、試料全量が完
全に原子化しきれないという問題もある。
一方、キャリアガス中に0.1%程度のフレオンガスを混
入させて炭化物の生成を抑制したという報告(例えば、
G.F.Kirkbright,Z.Li-Xing;Analyst,107,617(1982)参
照)もあるが、混合ガスの調製が煩雑で、試料乾燥時の
ハロゲン化物生成による目的元素の揮散、あるいは長時
間のフッ素などの連続注入による原子化部や励起部の損
傷を防ぐために、混合ガスの割合を変化させたりハロゲ
ン化試薬の混入を停止したりするのも容易ではない。ま
た、ガス混合装置などの設置は大掛かりで汎用には適さ
ない。
入させて炭化物の生成を抑制したという報告(例えば、
G.F.Kirkbright,Z.Li-Xing;Analyst,107,617(1982)参
照)もあるが、混合ガスの調製が煩雑で、試料乾燥時の
ハロゲン化物生成による目的元素の揮散、あるいは長時
間のフッ素などの連続注入による原子化部や励起部の損
傷を防ぐために、混合ガスの割合を変化させたりハロゲ
ン化試薬の混入を停止したりするのも容易ではない。ま
た、ガス混合装置などの設置は大掛かりで汎用には適さ
ない。
なお、上記したようなプラズマ分析法の課題は、高感度
分析法として用いられている電熱気化−原子吸光法にお
いても分析可能元素が限定されるというという点で同様
に問題である。
分析法として用いられている電熱気化−原子吸光法にお
いても分析可能元素が限定されるというという点で同様
に問題である。
本発明は、上記したような課題を解決すべくしてなされ
たものであって、上記した電熱気化法や試料直接挿入を
用いても、高感度でしかも同一の処理で多元素の分析が
可能な分析試料の原子化方法を提供することを目的とす
る。
たものであって、上記した電熱気化法や試料直接挿入を
用いても、高感度でしかも同一の処理で多元素の分析が
可能な分析試料の原子化方法を提供することを目的とす
る。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、送給されるキャリアガスの雰囲気中で、分析
試料を電気的にあるいは励起源中に直接挿入して乾燥、
加熱・気化させる過程で、試料乾燥時は前記キャリアガ
スのみを送給し、引き続き加熱・気化させる過程では前
記キャリアガスをハロゲンを含む化合物中にてバブリン
グさせたのち送給することを特徴とする分析試料の原子
化方法である。
試料を電気的にあるいは励起源中に直接挿入して乾燥、
加熱・気化させる過程で、試料乾燥時は前記キャリアガ
スのみを送給し、引き続き加熱・気化させる過程では前
記キャリアガスをハロゲンを含む化合物中にてバブリン
グさせたのち送給することを特徴とする分析試料の原子
化方法である。
〈作用〉 本発明によれば、試料乾燥時にはキャリアガスのみを送
給し、引き続き加熱・気化時にはキャリアガスをハロゲ
ン化炭化水素あるいは無機ハロゲン化物などのハロゲン
を含む化合物中にてバブリングさせたのち送給するよう
にしたので、目的元素の揮散を防止しながら、炭化物を
生成し易いあるいは高沸点の元素などの難揮発性元素を
ハロゲン化物の形にして効率的に原子化できる。
給し、引き続き加熱・気化時にはキャリアガスをハロゲ
ン化炭化水素あるいは無機ハロゲン化物などのハロゲン
を含む化合物中にてバブリングさせたのち送給するよう
にしたので、目的元素の揮散を防止しながら、炭化物を
生成し易いあるいは高沸点の元素などの難揮発性元素を
ハロゲン化物の形にして効率的に原子化できる。
これにより、プラズマ分析法や電熱気化原子吸光法を用
いても、同一の処理で簡便に多元素の分析ができる。
いても、同一の処理で簡便に多元素の分析ができる。
また、ガス混合装置のような大掛かりな装置を必要とせ
ず、バブリング用の簡単な系を取付けるだけなので、従
来装置に容易に取付けすることができ、しかも流路バル
ブの簡単な操作でハロゲンを含む化合物の混入や停止を
調節することができる。
ず、バブリング用の簡単な系を取付けるだけなので、従
来装置に容易に取付けすることができ、しかも流路バル
ブの簡単な操作でハロゲンを含む化合物の混入や停止を
調節することができる。
〈実施例〉 以下に、本発明の実施例について説明すると、本発明方
法に係る原子化装置の構成は、第1図にその要部を示す
ように、原子化部2に供給されるキャリアガスの流路で
あるガス供給管P3内にバブリング装置13を設け、その内
部にはハロゲン化炭化水素あるいは無機ハロゲン化物な
どのハロゲンを含む化合物(以下、単にハロゲン化合物
という)を注入して、そこをキャリアガスを通過させ
る。また、バブリング装置13の前後に流路切換バルブ1
4,15を取付けて、その間をバイパス管16で接続してお
く。
法に係る原子化装置の構成は、第1図にその要部を示す
ように、原子化部2に供給されるキャリアガスの流路で
あるガス供給管P3内にバブリング装置13を設け、その内
部にはハロゲン化炭化水素あるいは無機ハロゲン化物な
どのハロゲンを含む化合物(以下、単にハロゲン化合物
という)を注入して、そこをキャリアガスを通過させ
る。また、バブリング装置13の前後に流路切換バルブ1
4,15を取付けて、その間をバイパス管16で接続してお
く。
このように構成することにより、まず、分析待機時およ
び低温での試料の乾燥や灰化の過程では、流路切換バル
ブ14,15をバイパス管16側に切り換えてバイパス管16を
通じてハロゲン化合物を含まない純アルゴンガスのみを
原子化炉9に送給するようにする。
び低温での試料の乾燥や灰化の過程では、流路切換バル
ブ14,15をバイパス管16側に切り換えてバイパス管16を
通じてハロゲン化合物を含まない純アルゴンガスのみを
原子化炉9に送給するようにする。
つぎに分析時においては、流路切換バルブ14,15をバブ
リング装置13側に切り換え、沸点の低いハロゲン化合物
を含んだキャリアガスを原子化炉9に送給して炉内を置
換する。そして、原子化炉9を高温に加熱すると、難揮
発性の炭化物を生成することなく、またZr,Mo,Wなどの
高沸点金属の試料であっても容易に原子化するから、こ
の原子蒸気の試料をキャリアガスによって内側管1cを介
してプラズマトーチ11に送給する。
リング装置13側に切り換え、沸点の低いハロゲン化合物
を含んだキャリアガスを原子化炉9に送給して炉内を置
換する。そして、原子化炉9を高温に加熱すると、難揮
発性の炭化物を生成することなく、またZr,Mo,Wなどの
高沸点金属の試料であっても容易に原子化するから、こ
の原子蒸気の試料をキャリアガスによって内側管1cを介
してプラズマトーチ11に送給する。
このように原子化時のみに、ハロゲン化合物を含んだキ
ャリアガスを原子化炉9に送給することにより、試料の
乾燥,灰化時における目的元素の揮散およびフッ素など
の連続注入による原子化部や励起部の損傷が抑制される
ことになり、またハロゲン化合物の消費を削減すること
ができる。
ャリアガスを原子化炉9に送給することにより、試料の
乾燥,灰化時における目的元素の揮散およびフッ素など
の連続注入による原子化部や励起部の損傷が抑制される
ことになり、またハロゲン化合物の消費を削減すること
ができる。
なお、バブリング装置13のバブリング管の孔径やハロゲ
ン化合物の種類を種々変えることによって、原子化炉9
に送給するハロゲンの量および種類も容易に変更するこ
とが可能である。
ン化合物の種類を種々変えることによって、原子化炉9
に送給するハロゲンの量および種類も容易に変更するこ
とが可能である。
一方、本発明を試料直接挿入法に適用する場合には、試
料を入れた原子化炉が通過できるように拡張したプラズ
マトーチ部の内側管に、前記した電熱気化法の場合と同
様のハロゲン化合物を含んだキャリアガスを挿入してや
ればよい。
料を入れた原子化炉が通過できるように拡張したプラズ
マトーチ部の内側管に、前記した電熱気化法の場合と同
様のハロゲン化合物を含んだキャリアガスを挿入してや
ればよい。
また、誘導加熱によりプラズマトーチ部内で試料の乾
燥,灰化処理を行う場合には、やはり電熱気化法と同様
に目的元素の揮散を防ぐために、ハロゲン化合物を含ま
ないキャリアガスを挿入してやればよい。
燥,灰化処理を行う場合には、やはり電熱気化法と同様
に目的元素の揮散を防ぐために、ハロゲン化合物を含ま
ないキャリアガスを挿入してやればよい。
試料直接挿入法を用いたICP発光分光分析法に本発明法
を適用して、微小のMoおよびCrの試料を含有した溶液を
それぞれ分析した結果を、第2図(a),(b)に示し
た。このとき、キャリアガスとしてはArガスを、ハロゲ
ン化合物としてはトリクロロトリフルオロエタン(CCl3
F-CClF3;沸点47.6℃)を用い、このハロゲン化合物の
中にArガスを10ml/minでバブリングした。
を適用して、微小のMoおよびCrの試料を含有した溶液を
それぞれ分析した結果を、第2図(a),(b)に示し
た。このとき、キャリアガスとしてはArガスを、ハロゲ
ン化合物としてはトリクロロトリフルオロエタン(CCl3
F-CClF3;沸点47.6℃)を用い、このハロゲン化合物の
中にArガスを10ml/minでバブリングした。
なお、比較のために、ハロゲン化合物を含有しないArガ
スをキャリアガスを用いた従来法による微小のMoおよび
Crの試料を分析した結果を、第3図(a),(b)にそ
れぞれ示した。
スをキャリアガスを用いた従来法による微小のMoおよび
Crの試料を分析した結果を、第3図(a),(b)にそ
れぞれ示した。
Moについては、沸点が4800Kと高いことから、従来法で
は第3図(a)からわかるように発光シグナル強度は殆
ど得られないが、本発明法では第2図(a)に示したよ
うにシャープな発光シグナル強度が得られ、これによっ
て溶液試料を50μlと極微小な量の場合で、0.02ppmの
検出下限を得ることができた。
は第3図(a)からわかるように発光シグナル強度は殆
ど得られないが、本発明法では第2図(a)に示したよ
うにシャープな発光シグナル強度が得られ、これによっ
て溶液試料を50μlと極微小な量の場合で、0.02ppmの
検出下限を得ることができた。
一方、Crについては、従来法では第3図(b)に示すよ
うに発光シグナル強度が低いものしか得られないが、こ
れはCrが溶液中では3000〜4000Kの高沸点のCr2O3などの
酸化物を形成し易く、また加熱時には炉材である黒鉛と
反応して、沸点が3800Kの炭化物Cr3C2を形成し易いため
十分な感度の得られない元素であるからである。しか
し、本発明法を用いた場合は、第2図(b)から明らか
なように発光シグナル強度のピークがシャープになり、
感度も10倍近くに向上することがわかる。
うに発光シグナル強度が低いものしか得られないが、こ
れはCrが溶液中では3000〜4000Kの高沸点のCr2O3などの
酸化物を形成し易く、また加熱時には炉材である黒鉛と
反応して、沸点が3800Kの炭化物Cr3C2を形成し易いため
十分な感度の得られない元素であるからである。しか
し、本発明法を用いた場合は、第2図(b)から明らか
なように発光シグナル強度のピークがシャープになり、
感度も10倍近くに向上することがわかる。
なお、上記実施例においては、試料にMoとCrを用いた場
合について説明したが、本発明法はこれに限定されるも
のではなく、Ti,V,Nb,Zr,Y,Wなどの元素についても同様
の効果が得られることは言うまでもない。
合について説明したが、本発明法はこれに限定されるも
のではなく、Ti,V,Nb,Zr,Y,Wなどの元素についても同様
の効果が得られることは言うまでもない。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば、キャリアガスを
ハロゲンを含む化合物中にてバブリングさせるようにし
たので、従来の電熱気化法や試料直接挿入法では高沸点
の酸化物や炭化物を形成し易いために分析困難とされて
いたMoやCr,Ti,V,Nb,Zr,Y,Wなどの元素を、目的元素の
揮散を防止しながら低沸点のハロゲン化物として効率的
に原子化することができ、これによって他の元素と同様
に高感度の分析を行うことができるから、その寄与する
ところ大である。
ハロゲンを含む化合物中にてバブリングさせるようにし
たので、従来の電熱気化法や試料直接挿入法では高沸点
の酸化物や炭化物を形成し易いために分析困難とされて
いたMoやCr,Ti,V,Nb,Zr,Y,Wなどの元素を、目的元素の
揮散を防止しながら低沸点のハロゲン化物として効率的
に原子化することができ、これによって他の元素と同様
に高感度の分析を行うことができるから、その寄与する
ところ大である。
また、本発明は、バブリング用の簡単な系を従来装置に
容易に取付けるだけでよいので、ガス混合装置のような
大掛かりな装置を必要とせず、設備費の低減などに貢献
する。
容易に取付けるだけでよいので、ガス混合装置のような
大掛かりな装置を必要とせず、設備費の低減などに貢献
する。
第1図は、本発明に係る実施例の要部構成の概要説明
図、第2図(a),(b)は、本発明法の適用時におけ
る発光シグナル強度の時間的推移の一例を示す特性図、
第3図(a),(b)は、従来法での発光シグナル強度
の時間的推移の一例を示す特性図、第4図は、従来法に
よる測定装置の構成の概要説明図である。 1……プラズマトーチ部,1a……外側管,1b……中間管,1
c……内側管,2……原子化部,3……高周波電源部,4……
同調結合部,5……分光器,6……計測部,7……表示部,8…
…ガス供給装置,9……原子化炉,10……電気制御部,11…
…プラズマトーチ,12……高周波コイル,13……バブリン
グ装置,14,15……流路切換バルブ,16……バイパス管,P
1,P2,P3……ガス供給管。
図、第2図(a),(b)は、本発明法の適用時におけ
る発光シグナル強度の時間的推移の一例を示す特性図、
第3図(a),(b)は、従来法での発光シグナル強度
の時間的推移の一例を示す特性図、第4図は、従来法に
よる測定装置の構成の概要説明図である。 1……プラズマトーチ部,1a……外側管,1b……中間管,1
c……内側管,2……原子化部,3……高周波電源部,4……
同調結合部,5……分光器,6……計測部,7……表示部,8…
…ガス供給装置,9……原子化炉,10……電気制御部,11…
…プラズマトーチ,12……高周波コイル,13……バブリン
グ装置,14,15……流路切換バルブ,16……バイパス管,P
1,P2,P3……ガス供給管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−10797(JP,A) Analyst,107(1982)P.617− 622
Claims (1)
- 【請求項1】送給されるキャリアガスの雰囲気中で、分
析試料を電気的にあるいは励起源中に直接挿入して乾
燥、加熱・気化させる過程で、試料乾燥時は前記キャリ
アガスのみを送給し、引き続き加熱・気化させる過程で
は前記キャリアガスをハロゲンを含む化合物中にてバブ
リングさせたのち送給することを特徴とする分析試料の
原子化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2025969A JPH0781953B2 (ja) | 1990-02-07 | 1990-02-07 | 分析試料の原子化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2025969A JPH0781953B2 (ja) | 1990-02-07 | 1990-02-07 | 分析試料の原子化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03231141A JPH03231141A (ja) | 1991-10-15 |
JPH0781953B2 true JPH0781953B2 (ja) | 1995-09-06 |
Family
ID=12180563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2025969A Expired - Lifetime JPH0781953B2 (ja) | 1990-02-07 | 1990-02-07 | 分析試料の原子化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0781953B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008544454A (ja) * | 2005-06-17 | 2008-12-04 | パーキンエルマー・インコーポレイテッド | 増強装置及びその使用方法 |
US7742167B2 (en) | 2005-06-17 | 2010-06-22 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Optical emission device with boost device |
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Family Cites Families (1)
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-
1990
- 1990-02-07 JP JP2025969A patent/JPH0781953B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Analyst,107(1982)P.617−622 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03231141A (ja) | 1991-10-15 |
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