JPH078156B2 - 発電装置 - Google Patents

発電装置

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JPH078156B2
JPH078156B2 JP30158790A JP30158790A JPH078156B2 JP H078156 B2 JPH078156 B2 JP H078156B2 JP 30158790 A JP30158790 A JP 30158790A JP 30158790 A JP30158790 A JP 30158790A JP H078156 B2 JPH078156 B2 JP H078156B2
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耕太郎 田中
俊久 増田
武夫 本多
明 根岸
健 野崎
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱エネルギを直接に電気エネルギに変換する
熱電変換型発電装置における改良に関する。
[従来の技術] 従来のこの種のタイプの発電装置は、代表的にはアルカ
リ金属熱電変換方式を採用するものと熱電子発電方式を
採用するものとに分かたれる。
それらはいずれも、その原理動作共々、すでに極めて周
知であるが、簡単に説明すると、第4図にその概略構成
が示されているアルカリ金属熱電変換発電装置の場合に
は、図中、固体電解質1の含まれる上半分側が900Kから
1300Kの高温領域とされ、対して下半分の側は400Kから7
00Kの低温領域とされる。そして、相対的な高温領域中
にある固体電解質1の左側には、液相ないし気相の作動
媒体が循環用ポンプ4により加圧された状態で供給され
る。
作動媒体としては、用いる固体電解質1に関してイオン
導電率の高いものが選択され、例えば固体電解質1にβ
アルミナあるいはβ″アルミナを使用した場合にはナト
リウム、カリウム、セシウム等が適当とされる。以下の
説明ではナトリウムで代表させるが、他のアルカリ金属
を用いた場合や、固体電解質1として他のものを採用し
た場合にも、原理は全く同様である。
しかるに、固体電解質1の左側に加圧状態で供給された
作動媒体が固体電解質1の中をイオンとして通過し、当
該固体電解質1の他面側(右側)の表面にまで到達する
と、そこには電極膜2が形成されているのでこれから電
子を受けとり、中性化する。同時にまた、電極膜2を出
るときには対応する蒸気圧にて蒸発するが、その後、低
温領域中に位置するコンデンサ3によって凝縮され、再
度液相化する。液相化させるのは循環使用するためであ
って、液相化したナトリウムは循環用ポンプ4により、
再び高温領域側に加圧状態で送られる。
このような動作原理であるため、電極膜2に一方のリー
ドを、固体電解質1の左側領域に他方のリードを付し、
それらの間に外部回路ないし電気的負荷L(単なる抵抗
で例示)を接続すれば、当該負荷Lに電力を取出すこと
ができる。
これに対し、もう一つの熱電変換発電方式である熱電子
発電装置の原理構成はもっと簡単になり、第5図に示す
ようになる。
すなわち、適当なる導電材料により構成されたエミッタ
(ないしカソード)5を高温領域に晒し、1000Kから250
0K程度にまで加熱すると、このエミッタ5からは熱電子
放出原理により熱電子が放出されるので、この放出電子
をエミッタ5に対向配置したコレクタ(ないしアノー
ド)6にて捕えれば、エミッタ5とコレクタ6間に接続
された外部負荷Lに直流電力を取出すことができる。も
ちろん、エミッタ5とコレクタ6間の間隙は真空でも良
いが、一般には電子の移動を促進するために正のイオン
を入れ、電子移動に起因する負の空間電荷を打ち消すよ
うにされる。
このような動作原理からして明らかなように、このよう
な従来の熱電変換型発電装置は、両タイプに共通する特
徴として、 装置を小型化、軽量化し易い, 発電規模を自由に選択できる, あらゆる熱源に対応できる, 機械的な動きを伴う動作構造がないため、信頼性も高
く、保守も容易である, 騒音,振動等も生じない, 等、客観的にもかなり優れた種々の利点を有しており、
将来的にも是非実用化したい発電装置である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、現実的に見ると、これら従来の熱電変換型発電
装置の発電効率はまだまだ低く、少しは効率の良いアル
カリ金属熱電変換方式の場合にも15%から30%程度でし
かないし、熱電子発電方式の場合には10%からせいぜい
20%程度止まりである。
しかも、相対的に効率の低い熱電子発電方式の方が、そ
れでも火力発電のトッピング・サイクル用とか原子力発
電と組合せた宇宙用として、相当程度、実用レベルに近
い所まで来ているが、アルカリ金属熱電変換方式では未
だ実験室段階である。この理由の一つには、この方式に
必須とされる電極膜2(第4図)に関する問題がある。
つまり、このアルカリ金属熱変換方式により発生する電
力は低電圧高電流傾向となるため、電極膜2や外部負荷
Lへの電流経路は相当に低抵抗化せねばならないが、そ
の一方で、イオン化した作動媒体が当該電極膜2を通過
することを考えると、この移動を阻害する要因は小さく
なければならない。これが結果として不可避の相反要因
となるのである。
具体的に言うと、例えばナトリウム等、作動媒体の効率
的な通過のためには、電極膜2は粗で荒く、多孔性の高
い膜構造を持っていなければならない。ところが、固体
電解質1を通過してきた作動媒体イオンに効率的に電子
を与え、かつ電流取出し方向(第4図中では縦方向)の
低抵抗化を考えるならば、用いる電極膜2は密度が高い
方が遥かに有利である。
明らかなように、こうした相反要因は、理論上からして
も解決するに極めて困難、ないし不能と言っても良い課
題である。
確かに従来からも、この点に鑑み、この方式のための電
極膜構造として種々の改良案が提示され、本出願人にお
いてもその一つを提案(特願平1−198852号)している
が、やはりそれらは、如何にして都合の良い妥協構造を
探し出すか、という事実に留まり、上記した相反要因そ
のものを解消するものでは決してない。
本発明はこのような実情に鑑み、上記した従来の熱電変
換方式の持つ利点はそのままに、それらの欠点の緩和な
いし解消を計ったもので、既存のアルカリ金属熱電変換
方式や熱電子発電方式のいずれと比べても、その原理
上、発電効率の向上が見込める構成を有し、かつ、厳し
い相反要因を高度な次元で共に満たさねばならないよう
な電極膜構造は原則として不要とし得る熱電変換型発電
装置を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するため、上記したアルカリ金
属熱電変換方式と熱電子発電方式の両者の動作原理を併
せ持った、新たなる動作原理に従う熱電変換型発電装置
を提案する。
すなわち、熱電子放出可能な材料製のエミッタと、これ
に対して所定の距離を置いて離間したコレクタとを使用
するが、当該コレクタには、その一面側から他面側に向
けてイオン化したアルカリ金属作動媒体を通過させるこ
とができる固体電解質を用いる。
その上で、エミッタを加熱したときに当該エミッタから
の熱電子放出を許すことのできる閉鎖空間内にこれらエ
ミッタとコレクタを収容し、かつ、コレクタにあってエ
ミッタに向いている面とは反対側の一面側に対し、その
他面側(エミッタに向いている面側)から上記の閉鎖空
間内に放出された作動媒体を再度供給する作動媒体循環
機構を設ける。
これが本発明の最も基本的な態様であるが、これより下
位の概念による本発明のまた別な態様によれば、作動媒
体循環機構が、閉鎖空間内にあってコレクタの上記他面
から気相で放出された作動媒体を閉鎖空間の相対的な低
温領域中にて凝縮する凝縮手段と、このようにして凝縮
した液相作動媒体を再びコレクタの一面側に加圧送給す
る送給手段とから成っている構成も提案される。
さらに、本発明の他の態様においては、コレクタの上記
他面上にアルカリ金属作動媒体の通過を許す電極膜を設
ける構成も提案される。
ただし、本発明において選択的に採用可能なこの電極膜
は、従来のアルカリ金属熱電変換方式において必須であ
った電極膜とは異なり、電力の取出しには関与せず、し
たがって外部引き出しリードを持つ必要がない。
また本発明は、原理動作上は熱電変換型ではあるが、結
果としてみると一種の光電変換型発電装置としても一部
機能している発電装置として、閉鎖空間内のエミッタに
は、この閉鎖空間の外部から光電効果による電子放出促
進用の光を照射できるようにする構成も提案される。
そして、こうした場合には特に、当該エミッタを照射す
る光は集光された太陽光であって、その一部の波長範囲
がエミッタからの電子放出の促進用として作用し、他の
波長範囲がエミッタの加熱用として作用する構成も提案
する。
[作用] 本発明によれば、少なくともエミッタを加熱することで
放出された熱電子がコレクタに至るため、熱電子発電原
理による発電電力を得ることができる。
もちろん、エミッタを加熱したときに当該エミッタから
の熱電子放出を許すことのできる閉鎖空間とは、この熱
電子放出原理に関して周知の通り、文字通りに熱電子放
出現象が生じ得る空間環境を持てば良く、したがって真
空環境であっても良いし、往年のいわゆるガス入り真空
管等に認められるように、電子の負の空間電荷を緩和す
るため、電離し易い気体等が適当量混入された環境であ
っても良い。
本発明の発電装置では、このような熱電子発電原理に加
え、上記の閉鎖空間内に収容されているコレクタは固体
電解質により構成されており、ここをイオン化したアル
カリ金属作動媒体が通過し、エミッタから放出されてき
た電子により中性化されるので、アルカリ金属熱電変換
原理による発電電力をも得ることができる。
さらに、外部負荷に発電電力を与えるため、本発電装置
に外部引き出しリードを付すにも、上記装置原理からし
て明らかなように、コレクタの一面側における作動媒体
の部分とエミッタとに付せば良いから、従来のアルカリ
金属熱電変換方式では大いなる障害となっていたコレク
タ表面のリード付き電極膜構造は原則として不要とな
る。
換言すれば、後の実施例中にも示されているように、エ
ミッタから放出されてくる電子とコレクタを通過してく
るイオン化した作動媒体との量的な問題により、本発明
に従った発電装置でもエミッタに向いたコレクタ面に電
極膜を設けた方が良い場合にあってさえ、ここから発電
電力を取出す必要はない(これに外部引き出しリードを
付す必要はない)ので、従来のアルカリ金属熱電変換型
発電装置に認められたように、この電極膜に関して高い
次元で低抵抗性と高多孔性という相反要因の調整を計ら
ねばならない必要はなく、実用化への大きな阻害要因が
一つ解消される。
また、熱電子放出を起こす程に高温加熱されたエミッタ
からは電子と共に輻射熱が与えられるので、コレクタと
しての固体電解質自体は特に加熱環境に置く必要がない
こともある。
以上からして、本発明の発電装置によれば、既存の二つ
の熱電変換発電原理を合理的な装置構成によって重畳的
に利用でき、当然のことながらその発電効率は大いに高
まるが、特に熱力学的に考えると、例えばトッピング・
サイクルとして熱電子発電が、ボトミング・サイクルと
してアルカリ金属熱電変換発電が行なわれるような発電
装置も提供できる。
そしてまた、本発明の別な態様により、エミッタを光照
射可能なように構成した場合には、エミッタ加熱によっ
て放出される電子に加え、光電効果によっての電子放出
も期待でき、より一層の効率向上を望むことができる
し、逆に言えば光照射量によって発電量を調整すること
もできる。
さらに、集光した太陽光でエミッタを照射する場合に
は、その一部の波長領域にて上記の促進効果を、他の波
長領域にてエミッタの加熱効果を得ることができ、この
場合には結果として見ると、本発明の発電装置はあくま
で熱電変換方式に従う発電装置であるにもかかわらず、
一部光電変換装置としても機能する発電装置が得られ
る。
もちろん、光による加熱は他のエミッタ加熱源に対する
補助的手段として利用されても良く、したがってまた、
そのままでは熱電子放出を起こし得ないが放出するに近
いある程度以上の高温にエミッタを加熱して置き、こう
したバイアス温度環境下にあるエミッタに対して光を照
射したときにのみ、熱電子放出をトリガして発電を開始
させるような特殊な機能を持つ発電装置をも提供するこ
とができる。
[実 施 例] 以下、添付の図面に即し本発明の実施例につき説明す
る。
第1図は本発明による発電装置10の比較的基本的な一実
施例を示しており、先に説明した従来例との比較対象を
容易にするため、装置構成の全体形状は第4図に即して
既述のアルカリ金属熱電変換型発電装置と似たものとな
っている。
すなわち、適当なるチャンバ16によって形成された断面
環状の閉鎖空間15中、その上半分の部分には、例えばβ
アルミナないしはβ″アルミナ等、イオン導電性の高い
ことが望ましい固体電解質11が収められ、その一面側
(図中、左手側)には液相状態を表す図記号で示された
アルカリ金属作動媒体が供給されている。
アルカリ金属作動媒体としては、これも先に述べたよう
に、ナトリウム、カリウム、セシウム等、適当なるもの
を選ぶことができるが、ここではナトリウムNaが例示さ
れている。
ナトリウムは固体電解質11中を図示の場合、左手から右
手に向かって通過するが、固体電解質11を抜け切った部
分ではその高温環境により、一般に気相化する。
そこで、閉鎖空間15の下半分にはコンデンサ13が設けら
れ、ここでナトリウムは再度液相化され、また、液相化
された作動媒体は循環用ポンプ14により、再び固体電解
質11の一面側に加圧、送給される。したがって、作動媒
体の流れはクローズド・ループとなり、原理的には補給
は不要であるし、現実的にも長期に亙ってその必要がな
い。ただし、固体電解質11の一面側に供給される作動媒
体が、当該固体電解質11の近傍では少なくともすでに気
相化している場合もあり、その場合にも、既述したアル
カリ金属熱電変換原理は全うされる。
以上までの構成に関しては、上述の通り、第4図示の従
来構造に類似している。しかし、本発明に従う場合に
は、この種のアルカリ金属熱電変換型発電装置において
従来問題となっていた固体電解質11の表面に付すべき電
極膜2(第4図)は不要である。
何故ならば、固体電解質11に対向してエミッタ12が備え
られ、これにより、固体電解質11は第5図示従来例の熱
電子発電原理に従う発電装置におけるコレクタの機能を
も兼ねているからである。外部負荷Lに対し発電電力を
供給するためのリードも、当該エミッタ12と、コレクタ
としての固体電解質11の一面側の作動媒体中に(または
当該一面側に接触させて)設ければ良い。
このような構成による本発明発電装置10の動作につき説
明すると、適当なる加熱源により高温に加熱されたエミ
ッタ12から閉鎖空間15内に熱電子が放出され、これが固
体電解質により構成されたコレクタ11の右側面に達する
と、この電子は当該固体電解質11中を厚味方向に通過し
て来たイオン化アルカリ金属(この場合イオン化ナトリ
ウム)を中性化する。
中性となって蒸発したナトリウムは、閉鎖空間15にあっ
ても相対的に低温領域に位置する部分に備えられたコン
デンサ13により凝縮され、再度、液相化する。これに関
し、コンデンサ13の部分を含む閉鎖空間15ないしチャン
バ16の下半分を相対的に低温領域とするための放熱手段
ないし冷却手段については図示していないが、任意適当
なる公知手段を援用することができ、特に従来のアルカ
リ金属熱電変換型発電装置において採用されていたと同
様の手段を用いて差支えない。
また、具体的な各部の温度関係は、用いる作動媒体等に
よっても変わり、結局は設計的な事項であるが、例えば
図示のようにナトリウムを選択した場合には、エミッタ
12の加熱温度は1000Kから2000K程度、固体電解質ないし
コレクタ11の部分は900Kから1400K程度、そしてコンデ
ンサ13の部分は400Kから800K程度の範囲内にそれぞれ適
当なる温度を見付けることができる。
ただし、本発明の発電装置ではその原理上、高温に加熱
されたエミッタ12からの輻射熱により、一般にかなり近
接して配置されるコレクタないし固体電解質11は必然的
に適当なる温度範囲まで加熱され得るので、これらコレ
クタないし固体電解質11を加熱するための熱源は特に別
途に設ける必要のないことも多い。
また、蒸発してコンデンサ13に向かうナトリウムの中、
一部は例えば真空度の高い閉鎖空間15内で電離し、電子
の負の空間負荷を緩和することにより発電効率の向上に
寄与し得るが、この効果が不足する場合には、適当なる
真空度の閉鎖空間15内に電離し易い気体を適当量、意図
的に混入しても良い。
以上のようにして、本発明の発電装置では、エミッタ12
とコレクタ11の存在による熱電子発電と、コレクタであ
る固体電解質11を通過するイオン化作動媒体の中性化に
伴うアルカリ金属熱電変換発電の双方が合理的に共存し
得、従来のそれら各発電方式単体に従った発電装置に比
し、その発電効率を大いに向上することができる。
また、熱力学的に考えると、熱電子発電によってトッピ
ング・サイクルを、アルカリ金属熱電変換発電によって
ボトミング・サイクルを行なうような発電装置も提供す
ることができる。
第2,3図はそれぞれ本発明のまた別な実施例を示してい
るが、これら実施例は、上記した第一実施例に対し、さ
らに有意の構成要件を追加したものであるので、第1図
示装置におけると同様ないし同一で良い構成要素にはこ
れまでと同一の符号を付し、また、それらに関しての既
述の各説明もそのままに援用する。
まず、第2図に示されている本発明発電装置の第二の実
施例は、コレクタないし固体電解質11のエミッタ側を向
いた面上に電極膜17を追加したもので、他の構成は第一
実施例におけるそれと同様である。
すなわち、本発明の発電装置では、エミッタ12からの電
子の移動密度と、固体電解質11を移動するイオンが中性
となるための電子の量とが釣り合うことが望ましいが、
エミッタ面から固体電解質に移動する輻射熱量は両者の
形態係数に依存するので、両者の面積的関係から、入射
する電子とイオンとを効率良く反応させるためにこのよ
うな電極膜17を設けることが有利な場合がある。
しかし、あくまでこの電極膜17を選択的に使用されるも
のであり、イオンの透過を可能とするため構造を有して
いる必要はあるものの、従来のアルカリ金属熱電変換型
発電原理に従う場合と異なり、これに外部引き出しリー
ドを付して電力を取出す必要はない浮遊電極であるの
で、面内方向(第2図中での縦方向)を大電流が流れる
ことはなく、したがって低抵抗性と高多孔性とを共に高
い次元で調和させねばならない必要もない。
なお、第1図と比べて第2図示実施例の場合にはエミッ
タ12の数をわざと多く示しているが、これはもちろん、
当該エミッタ数やそれら自身の間隔配置等は任意に取り
得ることを示すものである。
第3図に示されるさらに他の本発明実施例の場合には、
矢印18ないし光子18で示されているように、少なくとも
チャンバ16の一部の壁面が窓となっている等して、当該
チャンバ16内のエミッタ12に対しては外部から光を照射
できるようになっている。この実施例でも第2図に示さ
れたコレクタ表面の電極膜17は併用できるが、簡単のた
め、第3図中には図示していない。
しかるに、エミッタ12に対し、このようにしてチャンバ
16の外部から光18を照射できるようにすると、当該照射
光18の波長にもよるが、光電効果によってエミッタ12か
らの電子放出を促進することもできる。
そして、エミッタ12の加熱によって放出される電子に加
え、このような光電効果によっての電子放出も期待でき
るならば、当然のことながら、発電装置としてのより一
層の効率向上を望むことができるし、また、光照射量に
よって発電量を調整することもできる。
ただ、光電効果を生ずる波長範囲はエミッタの表面材質
の如何によって影響され、一般的には比較的狭い波長範
囲となる。そこで、この事実を逆に利用し、例えば集光
した太陽光を第3図中の照射光18とし、これでエミッタ
12を照射すると、当該太陽光18の一部の波長領域にて上
記の光電効果による電子放出促進効果を得、残りの波長
領域にてエミッタ12の加熱効果を得ることができる。こ
のようにした場合には、結果として見ると、あくまで熱
電変換方式に従う発電装置であるにもかかわらず、一部
光電変換装置としても機能する発電装置が得られる。
もちろん、光による加熱は他のエミッタ加熱源に対する
補助的手段として利用されても良く、したがってまた、
そのままでは熱電子放出を起こし得ないが、放出を開始
する臨界温度に近いある程度以上の高温にまでエミッタ
を加熱して置き、こうしたバイアス温度環境下にあるエ
ミッタに対して光18を照射したときにのみ、熱電子放出
をトリガして発電を開始させるような特殊な機能を持つ
発電装置をも提供することができる。
以上、本発明の幾つかの実施例に即し詳説したが、いず
れの実施例においても、エミッタ12の材質については、
高温に耐え得ることはもちろん、アルカリ金属作動媒体
により腐食しないこと、仕事関数が大きいこと等を選択
の一般的な条件として選べば良く、例えばモリブデン、
タングステン、ニオブ、レニウム、タンタル等の高融点
金属が望ましい。また、エミッタの幾何的な形状は普通
の面状であって良いが、作動媒体の蒸発を阻害しないよ
うに格子状(グリッド状)等、適当なる粗構造になって
いると望ましい。
もっとも、エミッタ12、コレクタないし固体電解質11、
そして作動媒体の循環系等は、閉鎖空間内において本発
明要旨構成を満たす関係にあれば、その全体的な幾何的
形状は任意設計的な問題である。
例えば、チューブ状のコレクタないし固体電解質11の周
囲を断面同心円状に同様なチューブ状(網目チューブ状
であって良い)のエミッタ12が取り巻き、作動媒体はチ
ューブ状コレクタの内部管状空間にその軸方向一端側か
ら供給され、この作動媒体が半径方向外方に当該コレク
タとしての固体電解質を通過した後、さらにチューブ状
のエミッタをも半径方向外方に通過し、その後軸方向に
下るか上るかして凝縮され、再度、チューブ状コレクタ
の内部管状空間の軸方向一端側に導かれるような構造等
であっても良い。
[効果] 本発明によると、従来提案されていた熱電子発電方式や
アルカリ金属熱電変換方式の各々が有する長所はそのま
まに、その欠点をのみ、解消ないし軽減することができ
る。
すなわち、それら従来の発電装置の個々により得られて
いた発電効率よりも高い効率を持ち、単位重量、単位体
積当たりの出力密度が高い熱電変換型発電装置を得るこ
とができる。
また、従来のアルカリ金属熱電変換型発電装置に必須と
されていた電力取出しのための電極膜構造は不要とな
り、より一層の構造の簡素化、信頼性の向上を招くこと
ができるので、実用化に向けての大きな前進となる。
さらに、本発明のある態様によって光をも利用する発電
装置を構成する場合には、さらなる効率の向上に加え、
応用範囲、使途の拡大効果も期待することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従って構成された熱電変換型発電装置
の第一の実施例の概略構成図, 第2図は第二の実施例の概略構成図, 第3図は第三の実施例の概略構成図, 第4図は従来のアルカリ金属熱電変換型発電装置の概略
構成図, 第5図は従来の熱電子発電装置の概略構成図, である。 図中、10は全体としての本発明発電装置、11は固体電解
質によって構成されたコレクタ、12はエミッタ、13はコ
ンデンサ、14は循環用ポンプ、15は閉鎖空間、16はチャ
ンバ、17は電極膜、18は照射光ないし光子、Naはアルカ
リ金属作動媒体の一例としてのナトリウム、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根岸 明 茨城県つくば市梅園1丁目1番4号 工業 技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 野崎 健 茨城県つくば市梅園1丁目1番4号 工業 技術院電子技術総合研究所内 (56)参考文献 特公 昭44−3066(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱電子放出可能な材料製のエミッタと; 一面側から他面側に向けてイオン化したアルカリ金属作
    動媒体を通過させることができ、該他面が上記エミッタ
    に対し、所定の距離が置いて対向している固体電解質製
    のコレクタと; 該エミッタ及び該コレクタを収容し、該エミッタの加熱
    時に該エミッタからの熱電子放出を許す閉鎖空間と; 上記コレクタの上記他面側から上記閉鎖空間内に放出さ
    れた上記作動媒体を、再度、上記一面側に供給する作動
    媒体循環機構と; を有して成る発電装置。
  2. 【請求項2】上記作動媒体循環機構は、上記閉鎖空間内
    にあって上記コレクタの上記他面から気相で放出された
    上記作動媒体を該閉鎖空間の相対的な低温領域中にて凝
    縮する凝縮手段と、該凝縮した液相作動媒体を再び上記
    コレクタの上記一面側に加圧送給する送給手段とを有す
    ること; を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
  3. 【請求項3】上記コレクタの上記他面上には、外部引き
    出しリードを持たず、かつ、上記作動媒体の通過を許す
    電極膜が設けられていること; を特徴とする請求項1または2に記載の発電装置。
  4. 【請求項4】上記閉鎖空間内のエミッタには、該閉鎖空
    間の外部から光電効果による電子放出促進用の光を照射
    できるようになっていること; を特徴とする請求項1,2または3に記載の発電装置。
  5. 【請求項5】上記エミッタを照射する光は集光された太
    陽光であって、該集光された太陽光の一部の波長範囲が
    上記エミッタからの上記電子放出促進用として作用し、
    他の波長範囲が該エミッタの加熱用として作用するこ
    と; を特徴とする請求項4に記載の発電装置。
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