JPH0777579A - 電気冷却式半導体放射線検出器 - Google Patents
電気冷却式半導体放射線検出器Info
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- JPH0777579A JPH0777579A JP5224636A JP22463693A JPH0777579A JP H0777579 A JPH0777579 A JP H0777579A JP 5224636 A JP5224636 A JP 5224636A JP 22463693 A JP22463693 A JP 22463693A JP H0777579 A JPH0777579 A JP H0777579A
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Abstract
射線検出器とほぼ同等のエネルギー分解能を有し簡便で
かつ簡単に持ち運びできる小型の半導体放射線検出器を
提供する。 【構成】 半導体放射線検出素子7を液体窒素温度近辺
まで冷却するためスターリング式電気冷却器1が設けら
れ、検出された放射線信号を増幅する前置信号増幅器1
0の初段増幅回路10a及び信号線および回路用配線1
1が電気冷却器1に起因して発生するマイクロフォニッ
ク雑音を低減するため通気性で電気絶縁性のある繊維物
質12で覆われかつモールド化され、また電気冷却器1
の圧縮ポンプ2がその振動を吸収する振動吸収材16を
介して支持台15に固定され、さらに、主信号増幅器1
4の入力段に上記雑音を低減化する回路が設けられる。
Description
K)近辺まで冷却してX線やガンマ線の放射線を検出す
るために使用される半導体放射線検出器に関するもので
あり、従来液体窒素を用いて冷却していた代わりに電気
を用いた半導体放射線検出器に関するものである。本発
明の半導体放射線検出器は、原子炉関連施設のガンマ
線、X線等の放射線の測定のみならず、核物理、宇宙物
理、核化学等の放射線計測分野に幅広く利用されるもの
である。
窒素冷却型半導体放射線検出器を示す図である。図16
において、101は半導体放射線検出素子を、102は
冷却槽を、103は液体窒素を、104は冷却棒を、1
05は半導体放射線検出器容器を、106は前置信号増
幅器をそれぞれ示す。図16に示されるように、従来か
ら使用されてきた半導体放射線検出器では、液体窒素1
03を入れた冷却槽102によって半導体放射線検出素
子101(Ge検出素子あるいはSi検出素子等)を冷
却してきた。液体窒素を用いることから使用の際に入手
する必要があり、簡便に検出器を使用することが困難で
あり、使用場所も限られていた。また、冷却槽102を
用いることから、小型化することが困難であった。
器を半導体放射線検出素子の冷却に使用した電気冷却式
半導体放射線検出器が開発されてきた。図17は、かか
るクローズドサイクルHe冷却器を用いた電気冷却式半
導体放射線検出器を示す図である。図17において、図
16と同一参照番号のものは図16の対応する参照番号
と同一のものを示し、また、107はクローズドサイク
ル冷却器の圧縮器を、108はパイプを、109はクロ
ーズドサイクル冷却器の断熱圧縮部を、110は冷却部
を、111は緩衝材をそれぞれ示す。図17に示される
ような電気冷却式半導体放射線検出器では、クローズド
サイクルHe冷却の小型化が困難であり重量も重く半導
体放射線検出器として可搬化することは困難であった。
また、クローズドサイクルHe冷却器の場合、冷却部1
10において発生する振動雑音によるマイクロフォニッ
ク雑音がその冷却方式が原因となって放射線信号近辺ま
での周波数帯域まで広がるため、信号処理技術のみでは
放射線検出器の重要な性能であるエネルギー分解能の劣
化の原因となるマイクロフォニック雑音を取り除くこと
が困難であった。このため、半導体放射線検出素子10
1と冷却部110との間に振動雑音を吸収する振動吸収
材等の緩衝材111を挿入することによりマイクロフォ
ニック雑音の影響を取り除いて使用されてきた。従っ
て、吸収材等の緩衝材111を使用することから冷却器
の冷却能力は半導体放射線検出素子101の冷却のみな
らず吸収材等の緩衝材111による損失分を含めて確保
する必要があるため、大きな冷却能力を必要とし、かつ
小型化が困難であった。
た冷却方式及びマイクロフォニック雑音に関する欠点を
改善し、液体窒素を使用することなく従来の半導体放射
線検出器とほぼ同等のエネルギー分解能を有し簡便でか
つ簡単に持ち運びできる小型の半導体放射線検出器を提
供することを目的をする。
に、第1の発明の電気冷却式半導体放射線検出器は、真
空容器と、前記真空容器内に配設された半導体放射線検
出手段と、前記半導体放射線検出手段と機械的に結合さ
れた電気冷却手段とを備え、前記電気冷却手段がサイク
リックな動作により冷却を行うスターリング式電気冷却
器であり、前記スターリング式電気冷却器に起因して前
記半導体放射線検出手段から発生するマイクロフォニッ
ク雑音がエネルギー分解能に影響を与えないよう検出さ
れた放射線に対応する信号を通し且つ前記マイクロフォ
ニック雑音を低減化をするマイクロフォニック雑音低減
化手段を設けることを特徴とする。
電気冷却式半導体放射線検出器は、真空容器と、前記真
空容器内に配設された半導体放射線検出手段と、前記半
導体放射線検出手段と機械的に結合された電気冷却手段
とを備え、前記電気冷却手段がサイクリックな動作によ
り冷却を行うスターリング式電気冷却器であり、前記半
導体放射線検出手段は、半導体放射線検出器と、前記半
導体放射線検出器により発生された信号を増幅する増幅
手段と、前記増幅手段により増幅された信号を前記真空
容器から外部に引き出す信号引き出し手段及び前記半導
体放射線検出手段を給電/制御するための回路用配線手
段とを含み、前記増幅手段、前記信号引き出し手段及び
前記回路用配線手段が通気性で電気絶縁性のある繊維物
質で覆われかつモールドされていることを特徴とする。
却器が液体窒素温度近辺の温度まで半導体放射線検出手
段を冷却するため、サイクリックな動作により冷却を行
うことから、半導体放射線検出手段から発生する主なマ
イクロフォニック雑音は検出すべき放射線に対応する信
号の周波数発生成分(例えばMHzのオーダ)に比較し
て十分低い10kHz以下の周波数成分となり、そのた
めマイクロフォニック雑音低減化手段により発生したマ
イクロフォニック雑音が低減され、一方放射線信号は低
減されないことから、半導体放射線検出器のエネルギー
分解能の劣化が防止される。
冷却器が液体窒素温度近辺の温度まで半導体放射線検出
手段を冷却するため、サイクリックな動作により冷却を
行うことから、半導体放射線検出手段から発生する主な
マイクロフォニック雑音の周波数成分は検出すべき放射
線に対応する信号の周波数発生成分(例えばMHzのオ
ーダ)に比較して十分低い10kHz以下であり、かつ
増幅手段、信号引き出し手段及び回路用配線手段が通気
性で電気絶縁性のある繊維物質で覆われかつモールドさ
れていることから、前記増幅手段の入力段の振動が押さ
えられ、マイクロフォニック雑音の主原因となる入力段
の浮遊容量の微少な変化が除去され、マイクロフォニッ
ク雑音を低減させうる。
検出器の一実施例を示す構造図である。図1において、
1は電気冷却器を、2は冷却圧縮ポンプを、3は断熱圧
縮冷却部を、4は接続管を、5は駆動電源を、6は冷却
部を、7は半導体放射線検出素子を、8は真空容器を、
9は真空バルブを、10は前置信号増幅器を、10aは
その初段増幅回路を、10bはその後段回路を、11は
信号線及び半導体放射線検出素子7等の給電/制御のた
めの回路用配線を、12は通気性で電気絶縁性のある繊
維物質を、13はハーメチックを、14は主信号増幅器
を、15は支持台を、16および16′は振動吸収材
を、17は固定治具をそれぞれ示す。本検出器は、液体
窒素温度まで冷却するために従来の液体窒素冷却の替わ
りにスターリング方式の電気冷却器1を用いる。電気冷
却器1は、圧縮ポンプ2、接続管4、断熱圧縮冷却部3
及び電源電圧可変型又は周波数可変型あるいはこれら両
方の型である駆動電源5から構成される。駆動電源5か
ら送られたAC電圧により駆動された圧縮ポンプ2で発
生するガスを接続管4を通して断熱圧縮冷却部3に送
り、ここでこのガスにより断熱圧縮弁が振動し冷却部6
を液体窒素温度以下まで冷却する。冷却部6には直接半
導体放射線検出素子7を装着する。装着した半導体放射
線検出素子7の近辺に前置信号増幅器10の初段増幅回
路10aが設置され、信号線及び回路用配線11はハー
メチック13を通して真空容器8の外部に置かれた前置
信号増幅器10の後段回路10bに導かれている。従っ
て、半導体放射線検出素子7により検出された放射線信
号は、前置信号増幅器10の初段増幅回路10aで増幅
され、信号線および回路用配線11を介して前置信号増
幅器10の後段回路10bに送られ、後段回路10bで
さらに増幅される。断熱圧縮冷却部3及び半導体放射線
検出素子7を真空中に置くために使用する真空容器8を
高真空に引いた後、真空バルブ9により封じ切る。ま
た、圧縮ポンプ2は振動吸収材16を介して間接的に支
持台15に固定され、一方断熱圧縮冷却部3を含めた真
空容器8は直接支持台15に固定される。真空を封じ切
った後、駆動電源5よりAC電源を供給するとスターリ
ング式電気冷却器1は冷却を開始し、冷却能力、半導体
検出素子の重量及び冷却部分への熱の侵入割合とでほぼ
決まる冷却時間後に液体窒素温度の近辺の半導体放射線
検出素子7の動作温度まで到達する。
イアス電圧を印加し放射線が入射した時発生する放射線
信号を前置信号増幅器10により取り出し主信号増幅器
14により1μ秒前後の時定数(タイムコンスタント)
のフィルタをかけると共にさらに信号を増幅し放射線パ
ルス信号とする。
器1を冷却に用いた半導体放射線検出器の前置増幅器1
0の出力信号波形を示す図である。本発明の電気冷却式
半導体放射線検出器は、スターリング方式電気冷却器1
の断熱圧縮冷却部3で発生する振動による放射線信号へ
の影響(マイクロフォニック雑音)がその駆動方式がサ
イクリックであるためにその振動が図2に示されるよう
に定常波となることに着目し、電気冷却器1先端にある
低温冷却部6に装着した半導体放射線検出素子7から発
生する主なマイクロフォニック雑音が放射線信号の周波
数成分に比較して十分低い10kHz以下の周波数成分
となるようにすることが可能であることを利用してい
る。図2は、スターリング方式電気冷却器1を冷却に用
いた半導体放射線検出器の前置増幅器10の出力信号波
形を示す。主なマイクロフォニック雑音が10kHz以
下の周波数成分であれば後段の主信号増幅器14内の後
述するフィルター回路であるマイクロフォニック雑音低
減化回路によりエネルギー分解能の劣化を防ぐことが可
能となる。
式半導体放射線検出器の内部の半導体放射線検出素子7
の近辺に設置される信号増幅器の初段増幅回路10a及
び信号線および回路用配線11を通気性で電気絶縁性の
ある繊維物質で覆いモールド化した状態を示す内部構造
図である。図3において、図1と同一参照番号のものは
図1の対応する参照番号と同一のものを示す。図3に示
されるように、半導体放射線検出素子7の近辺に設置さ
れる前置信号増幅器10の初段増幅回路10a及び信号
線および回路用配線11は通気性で電気絶縁性のある繊
維物質12により覆われかつモールドされている。この
ような構造を採用することにより、前置信号増幅器10
の入力段の振動が押さえられ、これによりマイクロフォ
ニック雑音の主原因となる前置信号増幅器10の入力回
路の浮遊容量の微少な変化が除去され、マイクロフォニ
ック雑音を低減させることができる。なお、初段増幅回
路10aはFET、フィードバック抵抗及びフィードバ
ック・キャパシタから構成されている。
式半導体放射線検出器の圧縮ポンプ2を振動吸収材16
を介して支持台15に固定する圧縮ポンプ固定機構の一
つをより詳細に示す構造図である。図4において、2は
圧縮ポンプを、15は支持台を、16および16′は振
動吸収材を、17は固定治具をそれぞれ示す。振動吸収
材16および16′としては板状のゴム等が使用されう
る。図4に示されるように、圧縮ポンプ2を支持台15
に載置された状態において圧縮ポンプ2の底部と支持台
15との間に振動吸収材16を配置し、圧縮ポンプ2の
頂部にも振動吸収材16′を配置し、バンド状の固定治
具17の一端を支持台15に固定し、固定治具17の中
央部が圧縮ポンプ2の頂部の振動吸収材16′を押さ
え、固定治具17の他端が支持台15に固定されること
により、圧縮ポンプ2が支持台15に固定されている。
出器の動作を説明する。半導体放射線検出素子7の動作
温度までスターリング方式電気冷却器1で冷却後、半導
体放射線検出素子7の動作可能温度を確保できる範囲で
スターリング方式電気冷却器1の駆動電源5の駆動用電
圧又は周波数あるいはこれら双方を調節し、発生するマ
イクロフォニック雑音によるエネルギー分解能による影
響の最も少ない駆動電圧又は周波数あるいはこれら双方
を選択し放射線検出に使用する。駆動電源5の駆動電源
電圧又は周波数あるいはこれら双方を変更することによ
りスターリング方式電気冷却器1の振動動作が変わるた
め、マイクロフォニック雑音の周波数スペクトルも変わ
る。従って、半導体放射線検出器のエネルギー分解能が
良くなるマイクロフォニック雑音の周波数スペクトルの
最良の動作電圧又は電源周波数あるいはこれら双方を選
択し放射線の検出に使用する。
リング式電気冷却器の圧縮ポンプ2が断熱圧縮冷却部3
を支持する支持台15に板状のゴム等の振動吸収材16
および16′を介して固定治具17により間接的に固定
されていることにより、前記振動吸収材16および1
6′が当該圧縮ポンプ2から発生する振動を吸収し、そ
のため当該振動が支持台15に伝わらず、また断熱圧縮
冷却部3にも伝わらず、さらに断熱圧縮冷却部3から半
導体放射線検出素子7にも伝わらない。従って、圧縮ポ
ンプ2から発生する振動に起因するマイクロフォニック
雑音が低減される。
0kHz以下の周波数であることに着目し信号処理技術
を利用することによりマイクロフォニック雑音による半
導体放射線検出器のエネルギー分解能の劣化を防止す
る。図5は本発明のマイクロフォニック雑音の除去回路
を含んだ半導体放射線検出器用の信号増幅系を示す図で
ある。図5において、7は半導体放射線検出素子を、1
0は前置信号増幅器を、20は主信号増幅器14に組み
入れられる雑音低減化回路を、21は主信号増幅器14
の主信号増幅段をそれぞれ示す。なお、理解を容易にす
るため、前置信号増幅器10と主信号増幅器14との間
に設けられている図1に示す信号線および回路用配線1
1は省略してある。雑音低減化回路20は前置信号増幅
器10の出力と主信号増幅段21の入力との間に直列に
接続される抵抗22と当該抵抗22と主信号増幅段21
の入力との接続点と接地との間に信号伝送系に対して並
列に接続されるコイル23とにより構成される。
射線信号は前置信号増幅器10により増幅された後、1
0kHz以下の周波数に対する雑音低減化回路20に入
力されスターリング方式電気冷却器特有の振動によるマ
イクロフォニック雑音を低減化し主信号増幅器14の主
信号増幅段21に含まれる1ないし数μ秒の時定数のフ
ィルターを通された後増幅され波高分析用の信号として
出力される。
ることなく10kHz以下の雑音信号を低減化する必要
があるため、上述のように抵抗22とコイル23各1個
から構成されたものを使用することが好ましい。
計算することができる。
2/L)2)1/2/(1+f2/(R1+R2/L)2)1/2 ここで、Yは減衰率、R1は抵抗22の抵抗値、Lはコ
イル23のインダクタンス値、R2はコイル23に含ま
れる抵抗分の直流抵抗値及びfは周波数である。例え
ば、R1を100Ω、Lを1mH、R2を2.2Ωとする
と、周波数が0から100kHzまで変化した際の減衰
率Yの変化は図6の如くなる。放射線信号の領域(1M
Hz)からなだらかに減衰しスターリング方式半導体放
射線検出器の雑音発生領域である10kHz付近から減
衰が急になる特性を有しており雑音レベルを従来の液体
窒素冷却方式とほぼ同等レベルまで低減化することがで
きる。
明する。半導体放射線検出素子7としては直径32m
m、長さ20mmで容積が15cm3のクローズドエン
ド型Geガンマ線検出素子が用いられ、前置信号増幅器
10としてはORTEC−120型のものが用いられ
た。
器1は、AC11V6.5Aの最大動作定格で動作する
冷却能力1.5W(液体窒素での)のものが使用され
た。
出素子7の近辺に設置される前置信号増幅器10の初段
増幅回路10a及び信号線および回路用配線11を覆い
モールド化するために使用される通気性で電気絶縁性の
ある繊維物質12としてはベンコットという商品名のも
のが用いられた。かかる雑音低減化措置を行うことによ
り、半導体放射線検出器内部を真空にする際多少時間を
要するようになるが到達真空度はかかる低減化措置を行
わない場合とほぼ同等まで引くことができた。本発明の
モールド化を行う前と後の場合に発生したマイクロフォ
ニック雑音をスペクトルアナライザで分析した例を図7
に示す。図7で、(1)は上記モールド化による低減を
行う前であり10kHz以下の周波数領域で特に1kH
zから2kHz付近の周波数成分が非常に高いマイクロ
フォニック雑音信号となっているのに対して、モールド
化後を示す(2)は10kHz付近までモールド化前に
比較してかなり低いレベルのマイクロフォニック雑音信
号となっていることがわかる。
のAC11V6.5Aを駆動電源5より供給し半導体放
射線検出素子7の動作温度まで冷却した。その後、半導
体放射線検出素子7の動作可能温度を確保できる範囲で
スターリング方式電気冷却器1の駆動用電圧を変更し、
発生するマイクロフォニック雑音によるエネルギー分解
能による影響の最も少ない駆動電圧を求めた。駆動用電
圧を11.5Vから8Vまで変更した場合のエネルギー
分解能特性を図8に示す。図8において、(1)は60C
o標準ガンマ線源より放出される1.33MeVガンマ
線に対する半値幅エネルギー分解能の特性であり、
(2)は増幅系のみの性能を示すパルサーに対する半値
幅エネルギー分解能特性である。図8から、電圧を低く
するに従い両者のエネルギー分解能が向上することが確
認された。この特性と冷却温度があまり低下しないとい
う条件により本半導体放射線検出器の場合、スターリン
グ方式電気冷却器1の駆動用電圧を9Vに選択した。
場合のマイクロフォニック雑音スペクトルの比較例を図
9に示す。図9において、(1)は駆動用電圧が9Vの
場合を、(2)は駆動用電圧が11Vの場合を示す。図
9から、駆動用電圧が11Vの場合のマイクロフォニッ
ク雑音のスペクトルに対して、9Vの場合のマイクロフ
ォニック雑音のスペクトルはさらに低い周波数成分とな
っており、この理由により駆動用電圧を低下させるとエ
ネルギー分解能が向上することが確認された。
導体放射線検出器の冷却動作例を図10に示す。図10
において、(1)は駆動電圧を、(2)は冷却温度を示
す。
定しかつ電源周波数を調整して発生するマイクロフォニ
ック雑音によるエネルギー分解能への影響の最も少ない
電源周波数を測定した結果を図11に示す。図11にお
いて、(1)は60Co標準ガンマ線源より放出される
1.33MeVガンマ線に対する半値幅エネルギー分解
能の特性であり、(2)は増幅系のみの性能を示すパル
サーに対する半値幅エネルギー分解能特性である。図1
1から電源周波数を下げてゆくのに伴い両者ともエネル
ギー分解能が向上した。図11に示す結果から、本実施
例における半導体放射線検出器の場合は42Hz前後の
周波数が最適であることが確認できた。
フォニック雑音を低減化する方法と駆動電源周波数を変
更してマイクロフォニック雑音を低減化する方法による
マイクロフォニック雑音周波数スペクトルを示す。図1
2において、(1)は駆動用電圧を変更した場合を、
(2)は駆動電圧を変更した場合を示す。駆動用電圧を
変更してマイクロフォニック雑音を低減化する方法と駆
動電源周波数を変更してマイクロフォニック雑音を低減
化する方法を比較した結果、ほぼ同等の結果が得られ
た。これは、図12に示されるように両者のマイクロフ
ォニック雑音周波数スペクトルがほとんど同じであるこ
とに起因している。
ポンプ2を直接支持台15に固定した場合、図13の
(1)に示されるように周波数成分として12kHz周
辺に発生することが確認された。このため、この振動雑
音による影響を低減化するため、図4に示されるよう
に、板状のゴムを振動を吸収する振動吸収材16および
16′として圧縮ポンプ2を間接的に支持台15に固定
した。この結果、圧縮ポンプ2から発生する振動に起因
するマイクロフォニックを図13の(2)に示されるよ
うに低減化することができた。この低減化により半値幅
分解能が0.2keV改善した。
の雑音低減化回路を含んだ半導体放射線検出器用の信号
増幅系のより詳細な構成の一実施例を図14に示す。図
14において、図5と同一参照番号のものは図5の対応
する参照番号と同一のものを示す。また、図14におい
て、30はFETを、31はフィードバック抵抗を、3
2はフィードバック・キャパシタンスを、33は位相反
転増幅器をそれぞれ示し、これらにより電荷増幅式増幅
回路である前置信号増幅器10を構成している。図14
に示されるようなフィードバック形式を採用したのは前
置信号増幅器10の出力インピーダンスを低くするため
である。雑音低減化回路20の抵抗22の抵抗値R1、
コイル23のインダクタンス値L及び直流抵抗値R
2は、前述した定数、即ちR1=100Ω、R2=2.2
Ω、L=1mHが用いられた。
信号はCANBERRA−2021型で1μ秒の時定数
のフィルター(図示せず)をかけた後、主信号増幅段2
1により増幅され出力される。増幅され出力された信号
はマルチチャネル波高分析装置(図示せず)によって解
析することによりガンマ線スペクトルが得られる。
器を用いて60Co標準ガンマ線源を測定して得られたガ
ンマ線スペクトルを図15に示す。Geガンマ線検出器
の性能として重要なエネルギー分解能は、本発明の上述
のマイクロフォニック雑音の低減化措置を取らなかった
場合1.3MeVガンマ線に対して3.4keVそして
パルサーに対して2.8keVであるのに対して、本発
明の上述の低減化措置を取った場合1.3MeVガンマ
線に対して2.5keVそしてパルサーに対して1.7
keVと改善された。なお、スターリング方式電気冷却
器を短時間止めて同じ測定条件で測定したエネルギー分
解能は、1.3MeVに対して2.3keVで、パルサ
ーに対しては1.6keVであった。従って、本発明の
低減化方法を用いることによりエネルギー分解能が、従
来から使用されてきた液体窒素方式のGeガンマ線検出
器とほとんど変わらない電気冷却式Ge半導体放射線検
出器を実現することができた。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
気冷却器が液体窒素温度近辺の温度まで半導体放射線検
出手段を冷却するため、サイクリックな動作により冷却
を行うことから、半導体放射線検出手段から発生する主
なマイクロフォニック雑音は検出すべき放射線に対応す
る信号の周波数発生成分(例えばMHzのオーダ)に比
較して十分低い10kHz以下の周波数成分となり、そ
のためマイクロフォニック雑音低減化手段により発生し
たマイクロフォニック雑音が低減され、一方放射線信号
は低減されないことから、半導体放射線検出器のエネル
ギー分解能の劣化が防止され、従来の半導体放射線検出
器と同等のエネルギー分解能のものが得られる。
冷却器が液体窒素温度近辺の温度まで半導体放射線検出
手段を冷却するため、サイクリックな動作により冷却を
行うことから、半導体放射線検出手段から発生する主な
マイクロフォニック雑音の周波数成分は検出すべき放射
線に対応する信号の周波数発生成分(例えばMHzのオ
ーダ)に比較して十分低い10kHz以下であり、かつ
増幅手段、信号引き出し手段及び回路用配線手段が通気
性で電気絶縁性のある繊維物質で覆われかつモールドさ
れていることから、前記増幅手段の入力段の振動が押さ
えられ、マイクロフォニック雑音の主原因となる入力段
の浮遊容量の微少な変化が除去され、マイクロフォニッ
ク雑音を低減させることができ、従来の半導体放射線検
出器と同等のエネルギー分解能のものが得られる。
の電気冷却式半導体放射線検出器はこれまで液体窒素に
より冷却し使用されてきた半導体放射線検出器を電気に
よって性能を劣化させることなく冷却・使用することを
可能としたものであり、液体窒素の入手が困難な場所に
おいても使用可能にすると共に、定期的に液体窒素を入
れる必要があるため装置の維持が大変であったものを容
易に維持することができるようにした。また、半導体放
射線検出器が小型化されインバータを用いることにより
電池駆動化も可能なことから建物外部での放射線測定、
これまで半導体放射線検出器が大きいためアッセンブル
の問題から放射線測定が困難であった測定試験、維持が
容易なことから原子炉施設での放射線計装等への使用を
可能とした。
一実施例を示す構造図である。
用いた半導体放射線検出器の前置増幅器の出力信号波形
を示す図である。
線検出器の内部の半導体放射線検出素子7の近辺に設置
される信号増幅器の初段増幅回路10a及び信号線およ
び回路用配線11を通気性で電気絶縁性のある繊維物質
で覆いモールド化した状態を示す内部構造図である。
線検出器の圧縮ポンプ2を振動吸収材16を介して支持
台15に固定する圧縮ポンプ固定機構の一つをより詳細
に示す構造図である。
含んだ半導体放射線検出器用の信号増幅系を示す図であ
る。
す図である。
する前後における、図1の半導体放射線検出素子7で発
生したマイクロフォニック雑音をスペクトルアナライザ
で分析した例を示す図である。
動用電圧を11.5Vから8Vまで変更した場合のエネ
ルギー分解能特性を示す図である。
動用電圧が11Vの場合と9Vの場合のマイクロフォニ
ック雑音スペクトルの比較例を示す図である。
動作例を示す図である。
の駆動電源5の電圧を11.0Vに固定し電源周波数を
調整して発生するマイクロフォニック雑音によるエネル
ギー分解能による影響の最も少ない電源周波数を測定し
た結果を示す図である。
音を低減化する方法と駆動電源周波数を変更してマイク
ロフォニック雑音を低減化する方法によるマイクロフォ
ニック雑音周波数スペクトルを示す図である。
した場合と板状のゴムを振動を吸収する振動吸収材16
として圧縮ポンプ2を支持台15に間接的に固定した場
合のそれぞれにおいて得られたマイクロフォニック雑音
周波数スペクトルを示す図である。
音低減化回路を含んだ半導体放射線検出器用の信号増幅
系のより詳細な構成の一実施例を示す図である。
器を用いて60Co標準ガンマ線源を測定して得られたガ
ンマ線スペクトルを示す図である。
体放射線検出器を示す図である。
の電気冷却式半導体放射線検出器を示す図である。
器を半導体放射線検出素子の冷却に使用した電気冷却式
半導体放射線検出器が開発されてきた。図17は、かか
るクローズドサイクルHe冷却器を用いた電気冷却式半
導体放射線検出器を示す図である。図17において、図
16と同一参照番号のものは図16の対応する参照番号
と同一のものを示し、また、107はクローズドサイク
ル冷却器の圧縮器を、108はパイプを、109はクロ
ーズドサイクル冷却器の冷却機構(例えばソルベイサイ
クル冷却機構)を、110は冷却部を、111は緩衝機
構をそれぞれ示す。図17に示されるような電気冷却式
半導体放射線検出器では、クローズドサイクルHe冷却
の小型化が困難であり重量も重く半導体放射線検出器と
して可搬化することは困難であった。また、クローズド
サイクルHe冷却器の場合、冷却部110において発生
する振動雑音によるマイクロフォニック雑音がその冷却
方式が原因となって放射線信号近辺までの周波数帯域ま
で広がるため、信号処理技術のみでは放射線検出器の重
要な性能であるエネルギー分解能の劣化の原因となるマ
イクロフォニック雑音を取り除くことが困難であった。
このため、半導体放射線検出素子101と冷却部110
との間に振動雑音を吸収する振動吸収材等の緩衝機構1
11を挿入することによりマイクロフォニック雑音の影
響を取り除いて使用されてきた。従って、吸収材等の緩
衝機構111を使用することから冷却器の冷却能力は半
導体放射線検出素子101の冷却のみならず吸収材等の
緩衝機構111による損失分を含めて確保する必要があ
るため、大きな冷却能力を必要とし、かつ小型化が困難
であった。
た冷却方式及びマイクロフォニック雑音に関する欠点を
改善し、液体窒素を使用することなく従来の半導体放射
線検出器とほぼ同等のエネルギー分解能を有し簡便でか
つ簡単に持ち運びできる小型の半導体放射線検出器を提
供することを目的とする。
に、第1の発明の電気冷却式半導体放射線検出器は、真
空容器と、前記真空容器内に配設された半導体放射線検
出手段と、前記半導体放射線検出手段と機械的に結合さ
れた電気冷却手段とを備え、前記電気冷却手段がサイク
リックな動作により冷却を行うスターリング式電気冷却
器を含み、前記スターリング式電気冷却器に起因して前
記半導体放射線検出手段から発生するマイクロフォニッ
ク雑音がエネルギー分解能に影響を与えないよう検出さ
れた放射線に対応する信号を通し且つ前記マイクロフォ
ニック雑音を低減化するマイクロフォニック雑音低減化
手段を設けることを特徴とする。
電気冷却式半導体放射線検出器は、真空容器と、前記真
空容器内に配設された半導体放射線検出手段と、前記半
導体放射線検出手段と機械的に結合された電気冷却手段
とを備え、前記電気冷却手段がサイクリックな動作によ
り冷却を行うスターリング式電気冷却器を含み、前記半
導体放射線検出手段は、半導体放射線検出器と、前記半
導体放射線検出器により発生された信号を増幅する増幅
手段と、前記増幅手段により増幅された信号を前記真空
容器から外部に引き出す信号引き出し手段及び前記半導
体放射線検出手段を給電/制御するための回路用配線手
段とを含み、前記増幅手段、前記信号引き出し手段及び
前記回路用配線手段が通気性で電気絶縁性のある繊維物
質で覆われかつモールドされていることを特徴とする。
検出器の一実施例を示す構造図である。図1において、
1は電気冷却器を、2は冷却圧縮ポンプを、3はスター
リングサイクル冷却機構を、4は接続管を、5は駆動電
源を、6は冷却部を、7は半導体放射線検出素子を、8
は真空容器を、9は真空バルブを、10は前置信号増幅
器を、10aはその初段増幅回路を、10bはその後段
回路を、11は信号線及び半導体放射線検出素子7等の
給電/制御のための回路用配線を、12は通気性で電気
絶縁性のある繊維物質を、13はハーメチックを、14
は主信号増幅器を、15は支持台を、16および16′
は振動吸収材を、17は固定治具をそれぞれ示す。本検
出器は、液体窒素温度まで冷却するために従来の液体窒
素冷却の替わりにスターリング方式の電気冷却器1を用
いる。電気冷却器1は、圧縮ポンプ2、接続管4、スタ
ーリングサイクル冷却機構3及び電源電圧可変型又は周
波数可変型あるいはこれら両方の型である駆動電源5か
ら構成される。駆動電源5から送られたAC電圧により
駆動された圧縮ポンプ2で発生する例えばヘリウムガス
のようなガスを接続管4を通してスターリングサイクル
冷却機構3に送り、ここでこのガスによりディスプレー
サが振動し冷却部6を液体窒素温度以下まで冷却する。
スターリングサイクル冷却機構3に冷却部6が直接機械
的に接続されている。冷却部6には直接半導体放射線検
出素子7を装着する。装着した半導体放射線検出素子7
の近辺に前置信号増幅器10の初段増幅回路10aが設
置され、信号線及び回路用配線11はハーメチック13
を通して真空容器8の外部に置かれた前置信号増幅器1
0の後段回路10bに導かれている。従って、半導体放
射線検出素子7により検出された放射線信号は、前置信
号増幅器10の初段増幅回路10aで増幅され、信号線
および回路用配線11を介して前置信号増幅器10の後
段回路10bに送られ、後段回路10bでさらに増幅さ
れる。スターリングサイクル冷却機構3及び半導体放射
線検出素子7を真空中に置くために使用する真空容器8
を高真空に引いた後、真空バルブ9により封じ切る。ま
た、圧縮ポンプ2は振動吸収材16を介して間接的に支
持台15に固定され、一方スターリングサイクル冷却機
構3を含めた真空容器8は直接支持台15に固定され
る。真空を封じ切った後、駆動電源5よりAC電源を供
給するとスターリング式電気冷却器1は冷却を開始し、
冷却能力、半導体検出素子の重量及び冷却部分への熱の
侵入割合とでほぼ決まる冷却時間後に液体窒素温度の近
辺の半導体放射線検出素子7の動作温度まで到達する。
器1を冷却に用いた半導体放射線検出器の前置増幅器1
0の出力信号波形を示す図である。本発明の電気冷却式
半導体放射線検出器は、スターリング方式電気冷却器1
のスターリングサイクル冷却機構3で発生する振動によ
る放射線信号への影響(マイクロフォニック雑音)がそ
の駆動方式がサイクリックであるためにその振動が図2
に示されるように定常波となることに着目し、電気冷却
器1先端にある低温冷却部6に装着した半導体放射線検
出素子7から発生する主なマイクロフォニック雑音が放
射線信号の周波数成分に比較して十分低い10kHz以
下の周波数成分となるようにすることが可能であること
を利用している。図2は、スターリング方式電気冷却器
1を冷却に用いた半導体放射線検出器の前置増幅器10
の出力信号波形を示す。主なマイクロフォニック雑音が
10kHz以下の周波数成分であれば後段の主信号増幅
器14内の後述するフィルター回路であるマイクロフォ
ニック雑音低減化回路によりエネルギー分解能の劣化を
防ぐことが可能となる。
リング式電気冷却器の圧縮ポンプ2がスターリングサイ
クル冷却機構3を支持する支持台15に板状のゴム等の
振動吸収材16および16′を介して固定治具17によ
り間接的に固定されていることにより、前記振動吸収材
16および16′が当該圧縮ポンプ2から発生する振動
を吸収し、そのため当該振動が支持台15に伝わらず、
またスターリングサイクル冷却機構3にも伝わらず、さ
らにスターリングサイクル冷却機構3から半導体放射線
検出素子7にも伝わらない。従って、圧縮ポンプ2から
発生する振動に起因するマイクロフォニック雑音が低減
される。
2/L)2)1/2/(1+f2/((R1+R2 )/L)2)
1/2 ここで、Yは減衰率、R1は抵抗22の抵抗値、Lはコ
イル23のインダクタンス値、R2はコイル23に含ま
れる抵抗分の直流抵抗値及びfは周波数である。例え
ば、R1を100Ω、Lを1mH、R2を2.2Ωとする
と、周波数が0から100kHzまで変化した際の減衰
率Yの変化は図6の如くなる。放射線信号の領域(1M
Hz)からなだらかに減衰しスターリング方式半導体放
射線検出器の雑音発生領域である10kHz付近から減
衰が急になる特性を有しており雑音レベルを従来の液体
窒素冷却方式とほぼ同等レベルまで低減化することがで
きる。
場合のマイクロフォニック雑音スペクトルの比較例を図
9に示す。図9において、(1)は駆動用電圧が9Vの
場合を、(2)は駆動用電圧が11Vの場合を示す。図
9から、駆動用電圧が11Vの場合のマイクロフォニッ
ク雑音のスペクトルに対して、9Vの場合のマイクロフ
ォニック雑音のスペクトルはさらに低い周波数成分とな
りかつ雑音レベルも低くなっており、この理由により駆
動用電圧を低下させるとエネルギー分解能が向上するこ
とが確認された。
ポンプ2を直接支持台15に固定した場合、図13の
(1)に示されるように周波数成分として12kHz周
辺に発生することが確認された。このため、この振動雑
音による影響を低減化するため、図4に示されるよう
に、板状のゴムを振動を吸収する振動吸収材16および
16′として圧縮ポンプ2を間接的に支持台15に固定
した。この結果、圧縮ポンプ2から発生する振動に起因
するマイクロフォニック雑音を図13の(2)に示され
るように低減化することができた。この低減化により半
値幅分解能が0.2keV改善した。
の雑音低減化回路を含んだ半導体放射線検出器用の信号
増幅系のより詳細な構成の一実施例を図14に示す。図
14において、図5と同一参照番号のものは図5の対応
する参照番号と同一のものを示す。また、図14におい
て、30はFETを、31はフィードバック抵抗を、3
2はフィードバック・キャパシタを、33は位相反転増
幅器をそれぞれ示し、これらにより電荷増幅式増幅回路
である前置信号増幅器10を構成している。図14に示
されるようなフィードバック形式を採用したのは前置信
号増幅器10の出力インピーダンスを低くするためであ
る。雑音低減化回路20の抵抗22の抵抗値R1、コイ
ル23のインダクタンス値L及び直流抵抗値R2は、前
述した定数、即ちR1=100Ω、R2=2.2Ω、L=
1mHが用いられた。
す図である。
路20により低減する前後における、図1の半導体放射
線検出素子7で発生したマイクロフォニック雑音をスペ
クトルアナライザで分析した例を示す図である。
の駆動電源5の電圧を11.0Vに固定し電源周波数を
調整して発生するマイクロフォニック雑音によるエネル
ギー分解能の影響の最も少ない電源周波数を測定した結
果を示す図である。
フォニック雑音を低減化する方法と駆動電源周波数を変
更してマイクロフォニック雑音を低減化する方法による
マイクロフォニック雑音周波数スペクトルを示す。図1
2において、(1)は駆動用電圧を変更した場合を、
(2)は駆動電源周波数を変更した場合を示す。駆動用
電圧を変更してマイクロフォニック雑音を低減化する方
法と駆動電源周波数を変更してマイクロフォニック雑音
を低減化する方法を比較した結果、ほぼ同等の結果が得
られた。これは、図12に示されるように両者のマイク
ロフォニック雑音周波数スペクトルがほとんど同じであ
ることに起因している。
したマイクロフォニック雑音をスペクトルアナライザで
分析した例を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 真空容器と、前記真空容器内に配設され
た半導体放射線検出手段と、前記半導体放射線検出手段
と機械的に結合された電気冷却手段とを備える電気冷却
式半導体放射線検出器において、 前記電気冷却手段がサイクリックな動作により冷却を行
うスターリング式電気冷却器であり、 前記スターリング式電気冷却器に起因して前記半導体放
射線検出手段から発生するマイクロフォニック雑音がエ
ネルギー分解能に影響を与えないよう検出された放射線
に対応する信号を通し且つ前記マイクロフォニック雑音
を低減化をするマイクロフォニック雑音低減化手段を設
けることを特徴とする電気冷却式半導体放射線検出器。 - 【請求項2】 真空容器と、前記真空容器内に配設され
た半導体放射線検出手段と、前記半導体放射線検出手段
と機械的に結合された電気冷却手段とを備える電気冷却
式半導体放射線検出器において、 前記電気冷却手段がサイクリックな動作により冷却を行
うスターリング式電気冷却器であり、 前記半導体放射線検出手段は、半導体放射線検出器と、
前記半導体放射線検出器により発生された信号を増幅す
る増幅手段と、前記増幅手段により増幅された信号を前
記真空容器から外部に引き出す信号引き出し手段及び前
記半導体放射線検出手段を給電/制御するための回路用
配線手段とを含み、 前記増幅手段、前記信号引き出し手段及び前記回路用配
線手段が通気性で電気絶縁性のある繊維物質で覆われか
つモールドされていることを特徴とする電気冷却式半導
体放射線検出器。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の電気冷却式半導体
放射線検出器において、前記電気冷却手段が、発生する
マイクロフォニック雑音によるエネルギー分解能に対す
る影響が最小となる前記電圧可変電源の周波数を選択し
うる周波数可変電源を含むことを特徴とする電気冷却式
半導体放射線検出器。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の電気冷却式半導体
放射線検出器において、前記電気冷却手段が、発生する
マイクロフォニック雑音によるエネルギー分解能に対す
る影響が最小となる前記電気冷却手段を駆動する駆動電
圧を選択しうる電圧可変電源を含むことを特徴とする電
気冷却式半導体放射線検出器。 - 【請求項5】 請求項4記載の電気冷却式半導体放射線
検出器において、前記電圧可変電源が、発生するマイク
ロフォニック雑音によるエネルギー分解能に対する影響
が最小となる前記電圧可変電源の周波数を選択しうる周
波数可変電源であることを特徴とする電気冷却式半導体
放射線検出器。 - 【請求項6】 請求項1又は2記載の電気冷却式半導体
放射線検出器において、 前記スターリング式電気冷却器は、駆動電源と、当該駆
動電源の電力により駆動される圧縮ポンプ手段と、当該
圧縮ポンプ手段により発生するガスにより前記半導体放
射線検出手段を冷却する断熱圧縮冷却部とを含み、 前記圧縮ポンプ手段が前記断熱圧縮冷却部を支持する支
持台に振動吸収部材を介して間接的に固定されているこ
とを特徴とする電気冷却式半導体放射線検出器。 - 【請求項7】 請求項1記載の電気冷却式半導体放射線
検出器において、前記マイクロフォニック雑音低減化手
段は、その信号入力端と出力端間に接続された少なくと
も1つの抵抗と、前記出力端と前記マイクロフォニック
雑音低減化手段の共通ライン間に接続された少なくとも
1つのコイルとを有することを特徴とする電気冷却式半
導体放射線検出器。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5224636A JP2739920B2 (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 電気冷却式半導体放射線検出器 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5224636A JP2739920B2 (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 電気冷却式半導体放射線検出器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0777579A true JPH0777579A (ja) | 1995-03-20 |
JP2739920B2 JP2739920B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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