JPH0776819B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0776819B2
JPH0776819B2 JP61078100A JP7810086A JPH0776819B2 JP H0776819 B2 JPH0776819 B2 JP H0776819B2 JP 61078100 A JP61078100 A JP 61078100A JP 7810086 A JP7810086 A JP 7810086A JP H0776819 B2 JPH0776819 B2 JP H0776819B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液晶素子などの光学変調素子の駆動法に係
り、詳しくは表示素子やシャッターアレイ等の光学変調
素子に用いる液晶素子に関する。
背景技術 従来より、走査電極群と信号電極群をマトリクス状に構
成し、その電極間に液晶化合物を充填し、多数の画素を
形成して画像或いは情報の表示を行う液晶表示素子は、
よく知られている。この表示素子の駆動法としては、走
査電極群に、順次、周期的にアドレス信号を選択印加
し、信号電極群には所定の情報信号をアドレス信号と同
期させて並列的に選択印加する時分割駆動が採用されて
いるが、この表示素子及びその駆動法は、以下に述べる
如き致命的とも言える大きな欠点を有していた。
即ち、画素密度を高く、或いは画面を大きくするのが難
しいことである。従来の液晶の中で応答速度が比較的高
く、しかも消費電力が小さいことから、表示素子として
実用に供されているのは殆んどが、例えば、エム.シャ
ット(M.Schadt)とダブリュー.ヘルフリヒ(W.Helfri
ch)著、“アプライド、フィズィクス、レターズ"18巻
4号(“Applied Physics Letters"、Vol.18,No.4)(1
971.2.15)、P.127〜128の「捩れネマチック液晶の電圧
依存光学挙動」(“Voltage−Dependend Optical Activ
ity of a Twisted Nematic Liquid Crystal")に示され
たTN(twisted nematic)型の液晶を用いたものであ
り、この型の液晶は、無電界状態で正の誘電異方性をも
つ、ネマチック液晶の分子が、液晶層厚方向で捩れた構
造(ヘリカル構造)を形成し、両電極面でこの液晶の分
子が互いに並行に配列した構造を形成している。一方、
電界印加状態では、正の誘電異方性をもつネマチック液
晶が電界方向に配列し、この結果光調変調を起すことが
できる。この型の液晶を用いてマトリクス電極構造によ
って表示素子を構成した場合、走査電極と信号電極が共
に選択される領域(選択点)には、液晶分子を電極面に
垂直に配列させるに要する閾値以上の電圧が印加され、
走査電極と信号電極が共に選択されない領域(非選択
点)には電圧は印加されず、したがって液晶分子は電極
面に対して並行な安定配列を保っている。このような液
晶セルの上下に、互いにクロスニコル関係にある直線偏
光子を配置することにより、選択点では光が透過せず、
非選択点では光が透過するため、画像素子とすることが
可能となる。然し乍ら、マトリクス電極構造を構成した
場合には、走査電極が選択され、信号電極が選択されな
い領域或いは、走査電極が選択されず、信号電極が選択
される領域(所調“半選択点”)にも有限の電界がかか
ってしまう。選択点にかかる電圧と、半選択点にかかる
電圧の差が充分に大きく、液晶分子を電界に垂直に配列
させるに要する電圧閾値がこの中間の電圧値に設定され
るならば、表示素子は正常に動作するわけである。しか
し、この方式において、走査線数(N)を増やして行っ
た場合、画面全体(1フレーム)を走査する間に一つの
選択点に有効な電界がかかっている時間(duty比)は、
1/Nの割合で減少してしまう。このために、くり返し走
査を行った場合の選択点と比選択点にかかる実効値とし
ての電圧差は、走査線数が増えれば増える程小さくな
り、結果的には画像コントラストの低下やクロストーク
が避け難い欠点となっている。このような現象は、双安
定性を有さない液晶(電極面に対し、液晶分子が水平に
配向しているのが安定状態であり、電界が有効に印加さ
れている間のみ垂直に配向する)を、時間的蓄積効果を
利用して駆動する(即ち、繰り返し走査する)ときに生
じる本質的には避け難い問題点である。この点を改良す
るために、電圧平均化法、2周波駆動法や多重マトリク
ス法等が既に提案されているが、いずれの方法でも不充
分であり、表示素子の大画面化や高密度化は、走査線数
が充分に増やせないことによって頭打ちになっているの
が現状である。
この様な、液晶素子の欠点を改善するものとして、双安
定性を有する液晶素子の使用が、クラーク(Clark)及
びラガウエル(Lagerwall)により提案されている(特
開昭56−107216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。双安定性を有する液晶としては、一般にカイラル
スメクチックC相(SmC)又はH相(SmH)を有する
強誘電性液晶が用いられる。この液晶は電界に対して第
1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双
安定状態を有し、従って前述のTN型の液晶素子とは異な
り、例えば一方の電界ベクトルに対して第1の光学的安
定状態に液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対しては
第2の光学的安定状態に液晶が配向される。またこの型
の液晶は、加えられる電界に応答して、極めて速やかに
上記2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加
のないときはその状態を維持する性質を有する。このよ
うな性質を利用することにより、上述した従来のTN型素
子の問題点の多くに対して、かなり本質的な改善が得ら
れる。
本発明者らの研究によれば、上述した強誘電性液晶素子
の双安定性を実現し、且つ良好な閾値特性、スイッチン
グを含む動作特性を実現するためには、一対の基板間に
らせん構造が解除されたカイラルスメクチック相を有す
る強誘電性液晶層を配置し、且つ該一対の基板の少なく
とも一方に配向処理、特にラビング、斜方蒸着等の一軸
性配向処理を施すことが好ましいことが見出されてい
る。しかしながら、この型の液晶素子においても、明暗
状態間のコントラストを含む表示特性が未だ充分とは云
えないという問題点があり、実用化の一つの障害となっ
ている。
発明の目的 本発明の主要な目的は、上記問題点について改善し、コ
ントラストを含む表示状態の一層良好な強誘電性液晶素
子を提供することにある。
発明の概要 本発明者らは、上述の目的で研究した結果、上述した表
示特性の不良の主要な原因は、らせん構造の解除された
カイラルスメクチック液晶においても、なお且つ一対の
基板間での層厚方向において液晶分子のダイレクタの基
板への射影がねじれ構造をとっていることによることを
見出した。更に、一対の基板に施した特定の配向処理と
の関連で液晶材料を選択して組合わせることにより、上
記した液晶分子の層厚方向でのねじれ構造を実質的に解
消することが可能であり、これにより一層の表示状態の
改善が得られることを見出した。
本発明の液晶素子は、このような知見に基づくものであ
り、より詳しくは、対向電極を有し、少なくとも一方に
配向処理が施された一対の基板間に、らせん構造が解除
されたカイラルスメクチック相を有する強誘電性液晶層
が形成された液晶素子において;上記強誘電性液晶層
が、それぞれ単独では上記基板間に層形成した際に液晶
分子のダイレクタの上下基板への射影が液晶層の厚さ方
向で右ねじれと左ねじれとの互いに逆方向のねじれ構造
を与える二種の液晶材料を少なくとも含有することによ
り、上記配向処理と相埃って、厚さ方向のねじれ構造が
実質的に除かれていることを特徴とするものである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に詳細
に説明する。
発明の具体的説明 本発明の主要な特徴の説明の前に、強誘電性液晶素子の
概要を説明することが適当であろう。
本発明で用いる強誘電性液晶としては、加えられる電界
に応じて第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態
とのいずれかを取る、すなわち電界に対する双安定状態
を有する液晶が用いられる。
本発明で用いることができる双安定性を有する液晶とし
ては、強誘電性を有するカイラルスメクティック液晶が
最も好ましく、そのうちカイラルスメクテイックC相
(SmC)又はH相(SmH)の液晶が適している。この
強誘電性液晶については、“ル.ジュルナル.ド.フィ
ズィク.レトルズ“36(L−69)1975,「強誘電性液
晶」(“LE JOURNAL DE PHYSIQUE LETTERS"36(L−6
9)1975,「Ferroelectric Liquid Crystals」);“ア
プライド.フィズィクス.レターズ”36(11)1980,
「液晶のサブ・マイクロ秒双安定スイッチング」(“Ap
plied Physics Letters"36(11)1980、「Submicro Sec
ond Bi−stable Electrooptic Switching in Liquid Cr
ystals」);“固体物理”16(141)1981「液晶」等に
記載されており、本発明ではこれらに開示された強誘電
性液晶を用いることができる。
より具体的には、本発明法に用いられる強誘電性液晶化
合物の例としては、デシロキシベンジリデン−p′−ア
ミノ−2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)、ヘ
キシルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−クロロ
プロピルシンナメート(HOBACPC)および4−o−(2
−メチル)−ブチルレゾルシリデン−4′−オクチルア
ニリン(MBRA8)等が挙げられる。
これらの材料を用いて、素子を構成する場合、液晶化合
物が、SmC相又はSmH相となるような温度状態に保持
する為、必要に応じて素子をヒーターが埋め込まれた銅
ブロック等により支持することができる。
第1図は、強誘電性液晶セルの例を模式的に描いたもの
である。11aと11bは、In2O3、SnO2やITO(Indium−Tin
Oxide)等の透明電極がコートされた基板(ガラス板)
であり、その間に液晶分子層12がラス面に垂直になるよ
う配向したSmC相の液晶が封入されている。太線で示
した線13が液晶分子を表わしており、この液晶分子13
は、その分子に直交した方向に双極子モーメント
(P)14を有している。基板11aと11b上の電極間に一
定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子13のらせん
構造がほどけ、双極子モーメント(P)14はすべて電
界方向に向くよう、液晶分子13の配向方向を変えること
ができる。液晶分子13は細長い形状を有しており、その
長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例え
ばガラス面の上下に互いにクロスニコルの位置関係に配
置した偏光子を置けば、電圧印加極性によって光学特性
が変わる液晶光学変調素子となることは、容易に理解さ
れる。さらに液晶セルの厚さを充分に薄くした場合(例
えば1μ)には、第2図に示すように電界を印加してい
ない状態でも液晶分子のらせん構造は、ほどけ、その双
極子モーメントPa又はPbは上向き(24a)又は下向(24
b)のどちらかの状態をとる。このようなセルに第2図
に示す如く一定の閾値以上の極性の異る電界Ea又はEbを
付与すると、双極子モーメントは電界Ea又はEbの電界ベ
クトルに対応して上向き24a又は、下向き24bと向きを変
え、それに応じて液晶分子は第1の安定状態23aかある
いは第2の安定状態23bの何れか1方に配向する。
このような強誘電性液晶を光学変調素子として用いるこ
との利点は2つある。第1に、応答速度が極めて速いこ
と、第2に液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を例えば、第2図によって説明すると、電
界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態23aに配向
するが、この状態は電界を切っても安定である。又、逆
向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状23
bに配向して、その分子の向きを変えるが、やはり電界
を切ってもこの状態に留っている。このような応答速度
の速さと、双安定性が有効に実現されるには、セルとし
ては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的には、0.5μ
〜20μ、特に1μ〜5μが適している。この種の強誘電
性液晶を用いたマトリクス電極構造を有する液晶−電気
光学装置は、例えばクラークとラガバルにより、米国特
許第4367924号明細書で提案されている。
以上において、双安定性強誘電性液晶素子の概略を理想
的なモデルで説明した。ここにおいて、先にも述べたよ
うに良好な双安定性を実現し、且つ良好な閾値特性、ス
イッチング特性を含む動作特性を与えるためには、一対
の基板の少なくとも一方に、配向処理、特にラビング、
斜方蒸着等の一軸性配向処理を施すことが好ましい。し
かしながら現実には、採用した特定の配向処理方向と液
晶材料の組合せによっては、明暗状態間でのコントラス
トをはじめとする特性に差異が生ずる。例えばコントラ
ストの差は、液晶セルをクロスニコルで挾んだ場合の
“暗状態”の完全性、ならびに同じく“明状態”の透過
率(明るさ)の差の結果として生ずる。このような特性
差を生ずる主たる原因は先にも述べたように液晶セルの
厚さ方向で液晶分子のダイレクタの基板への射影かねじ
れ構造をとっていることである。
ここで、先に述べたねじれ構造について実験例に基づい
て若干の説明を行う。
例えば液晶分子が第2図のような配列状態で均一に並ぶ
と、液晶セルの両側に配置する偏光板(透過型で特性を
調べるときを仮定し、光の入射側に設置するものを偏光
子、出射側に設置するものを検光子と呼ぶ)が直交し、
且つ一方の偏光板の偏光軸が第1安定状態の分子のダイ
レクタと平行のとき、第1の安定状態では透過光は零と
なり完全「暗」状態が得られる。しかしダイレクタが均
一に第1の方向を向くことなく液晶セルの厚さ方向で少
しねじれている場合、偏光子と検光子が直交している状
態では完全「暗」状態は得られず、例えば偏光子と検光
子を右方向にねじる配置か左方向にねじる配置に設定す
ると、より暗い状態が得られる。このようなねじれ構造
のモデルを推定すると例えば第3図に示すようになる。
第3図はらせん構造が解除され、双安定状態を有する液
晶セルのスメクチック層の面内で切断したときの、ダイ
レクト即ちCダイレクタ31および対応する自発分極32の
配列の様子を示したものであり、一番上の円(液晶コー
ンのスメクチック層面への射影に相当)は上基板近傍の
状況を、一番下の円は下基板近傍の状況を示す。第3図
(a)は平均的自発分極33bの向きは下向き、(b)の
平均的自発分極33aは下向きである。従って電界によっ
て(a)と(b)の間でスイッチングがおこる。第3図
(a)(b)の状態はいずれも、ダイレクタの基板面へ
の射影は厚さ方向で左ねじれ方向となっている。またダ
イレクタの基板面への射影が厚さ方向で右ねじれの場合
の構造モデルを第4図(a)、(b)に示す。第3図お
よび第4図を見てわかるように、左ねじれか、右ねじれ
かはダイレクタの射影が層厚方向で連続的に、あるいは
不連続的に変って行く方向を云い、これは最暗状態を得
るために上基板側の偏光板の偏光軸に対して下基板側の
偏光板の偏光軸を、互いに直交する状態から回転すべき
方向(左ねじまたは右ねじ方向)と一致し、またこれに
より確認される。
一方、第5図は液晶セルの厚さ方向にねじれ構造が無
い、即ち理想的な場合のCダイレクタの配列を示したも
のである。一般化のため図では液晶分子が基板面に対し
少しチルトしているケースが示してある。それぞれ自発
分極の向きは(a)で上向き(b)で下向きである。さ
て、一般に第3図および第4図に示したねじれ構造のそ
れぞれの状態は非常に安定であり、メモリー性を生かし
た時分割駆動(例えば特開昭59−193426号、特開昭60−
33535号各公報等に記載の方法)を行い画像表示を行う
に適している。しかしこれを第5図に示したねじれ構造
の無い場合と比較すると、光学的な特性の面から特に、
コントラストと透過率の点に於て劣っていることが判っ
た。また本発明者らによれば、より良い液晶光学素子を
得るために、特定の配向処理を施した基板との組合せに
おいて上述した右ねじれ構造を示す液晶材料と、左ねじ
れ構造を示す液晶材料とを組合せることにより、実質的
にねじれ構造を示さない液晶組成物が得られることが見
出されたのである。本発明に従い一対の偏光板の直交ニ
コル配置からの上述した右ねじあるいは左ねじ回転によ
る最暗状態を得るための回転角度を、単独で最大の回転
角度を与える液晶材料のそれに対して30%以下、特に5
%以下に押えることが好ましい。これにより、閾値特
性、動作温度特性などの諸特性と調和し、なお且つコン
トラスト等の表示特性の優れた液晶組成物が与えられ
る。
特定の液晶材料が、上述した右ねじれ、左ねじれのいず
れを取り、また、どの程度のねじれを起すかは、基板に
施す特定の配向処理ならびに液晶層厚との関係により変
化するものであり、一概には決定されない。従って、本
発明の適用に当っては、使用すべきセルについての上述
の要因、特に特定の基板配向処理方法との関係で予め確
認の上、液晶材料を選択して組合せ使用することが好ま
しい。
配向処理方法としては、電極上に設けたポリイミド、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール、シラン変性ポリビニ
ルアルコール、ポリエステル等の有機絶縁膜、SiO2、Si
O、Al2O3等の無機絶縁膜のラビングあるいは斜方蒸着等
による一軸性配向処理が好ましく、中でもポリビニルア
ルコール、シラン変性ポリビニルアルコール膜等を一軸
性配向処理したものの特性が優れる。一軸性配向処理
は、一対の基板のみに施す方が良い場合と、一対の基板
の双方に施すことが好ましい場合とがある。特に、降温
過程において、等方相−コレステリック相−スメクチッ
クA相→スメクチックC相と相変化する液晶に対しては
両基板に処理を施すのが、またコレステリック相を示さ
ない液晶に対しては、片側基板にのみ処理を施すのが、
より好ましい。両基板の配向処理は、同一でも異種でも
よく、特に一軸性配向処理方向は両基板についてほぼ平
行とすることが好ましい。
発明の効果 上述したように本発明によれば、らせん構造の解除され
た強誘電性液晶を挟持する一対の基板に施した特定の配
向処理との関係で、単独では上述した層厚方向のディレ
クターの右ねじれ構造および左ねじれ構造を示す液晶材
料を組合せて配向することにより得られた液晶組成物を
強誘電性液晶として用いることにより、コントラストを
はじめとする表示特性の改善された液晶素子が提供され
る。
実施例 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 ITO電極を有するガラス基板にSiOを62゜の入射角で斜方
蒸着した。SiOの膜厚は370Åであった。このような基板
2枚を蒸着方向を一致させて貼り合わせた。セル厚は4
μであった。このセルにエステル系の強誘電性液晶であ
るチッソ社製CS−S3にその3%のアゾキシ系化合物 を添加してなる液晶材料を等方相にて注入し徐冷した。
室温(25℃)にて偏光顕微鏡で観察したところ、電界無
印加で安定な状態が2つあることが判った。そしてその
一つの状態の最暗状態を得るには、偏光子と検光子の偏
光軸の相対的位置関係を向かって右ねじ方向に約5゜回
転させる必要があった。そして、この第1の状態を最暗
にする偏光子検光子の組合せで第2の状態に電界によっ
てスイッチングを行った。第1と第2の状態間での光学
的コントラスト(測定は電界無印加時)は3であった。
次に液晶材料のチッソ社製CS−1011(材料B)に変える
以外は全く先と同様な条件のもと液晶セルを作製した。
やはり先と同様に室温(25℃)にて偏光顕微鏡で観察し
たところ、今度は偏光子と検光子の相対的位置関係を向
って左ねじ方向に約15゜回転させたときに一つの配向状
態が最暗となる条件が見つかった。この配置での光学的
コントラストは2であった。
次に材料Aと材料Bのブレンド液晶の特性を調べた。
混合比をどのように変えても、2以上のコントラストが
得られた。又、材料Aと材料Bを4対1で混合したとき
ねじれ構造は殆ど観測されず(補償され)、直交クロス
ニコルの偏光子−検光子と組合せたときコントラストは
7と最大値が得られた。
実施例2 ITOの電極を有するガラス基板にポリイミド樹脂(SP51
0)を約200Å塗布して、ビロードでラビングした。この
基板と実施例1で用いた基板とを配向軸方向が一致する
ように組合せて実施例1と同様な実験を行った。材料A
と材料Bの混合比7対1のとき最大コントラスト8が得
られた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、強誘電性液晶素子の動作原理を
説明するための素子の模式図であり、第1図はらせん状
態を、第2図はらせん解除状態を示す。第3図および第
4図は、それぞれ液晶分子ダイレクタの左ねじれ構造お
よび右ねじれ構造を示すカイラルスメクチック層面のダ
イレクタの模式射影図、第5図は本発明によりねじれ構
造の除かれた状態におけるカイラルスメクチック層面へ
のダイレクトの模式射影図である。第3図〜第5図にお
いて、(a)、(b)はそれぞれ双安定状態の一を示
す。 11a、11b……基板、 12……カイラルスメクチック層面、 13、23a、23b、31……液晶分子ダイレクタ、 14、24a、24b、32……自発分極(双極子モーメント)、 33a、33b……平均的自発分極。 代表図:第3図
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−231082(JP,A) 特開 昭62−143030(JP,A) 特開 昭62−205189(JP,A) 特開 昭62−205190(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向電極を有し、少なくとも一方に配向処
    理が施された一対の基板間に、らせん構造が解除された
    カイラルスメクチック相を有する強誘電性液晶層が形成
    された液晶素子において;上記強誘電性液晶層が、それ
    ぞれ単独では上記基板間に層形成した際に液晶分子のダ
    イレクトの上下基板への射影が液晶層の厚さ方向で右ね
    じれと左ねじれとの互いに逆方向のねじれ構造を与える
    二種の液晶材料を少なくとも含有することにより、上記
    配向処理と相埃って、厚さ方向のねじれ構造が実質的に
    除かれていることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】上記配向処理が一軸性配向処理である特許
    請求の範囲第1項に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】一対の基板に互いに異なる配向処理が施さ
    れている特許請求の範囲第1項に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】強誘電性液晶が、降温過程において、等方
    相−コレステリック相−スメクチックA相−スメクチッ
    クC相と相変化する液晶であって、両方の基板に一軸配
    向処理がなされている特許請求の範囲第1項に記載の液
    晶素子。
  5. 【請求項5】強誘電性液晶が、降温過程において、コレ
    ステリック相を示さない液晶であって、片側の基板にの
    み一軸配向処理がなされている特許請求の範囲第1項に
    記載の液晶素子。
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