JPH0776222B2 - 6’−アルキルスペクチノマイシン用中間体の製法 - Google Patents

6’−アルキルスペクチノマイシン用中間体の製法

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JPH0776222B2
JPH0776222B2 JP5051986A JP5198693A JPH0776222B2 JP H0776222 B2 JPH0776222 B2 JP H0776222B2 JP 5051986 A JP5051986 A JP 5051986A JP 5198693 A JP5198693 A JP 5198693A JP H0776222 B2 JPH0776222 B2 JP H0776222B2
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    • A61P31/04Antibacterial agents
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は6'−アルキルスペクチ
ノマイシンの合成に使用する中間体の合成方法に関する
ものである。本発明の中間体から得られる6'−アルキ
ルスペクチノマイシン化合物は、特に優れた抗菌活性を
示す。
【0002】
【従来の技術】スペクチノマイシンは既知の抗生物質で
あり、まず最初に微生物学的方法で製造された。Bergy
等による米国特許第3234092号明細書を参照され
たい。
【0003】スペクチノマイシン類似体はローゼンブル
ック・ジュニアー(Rosenbrook Jr.)等によるジャー
ナル・オブ・アンティバイオティックス(J.Antibio
tics),28,953および960ページ(1975)およ
びジャーナル・オブ・アンティバイオティックス(J.
Antibiotics),31,451ページ(1978)に記載さ
れている。さらに、Garney等はジャーナル・オブ・ア
ンティバイオティックス(J.Antibiotics),30,9
60ページ(1977)の中でスペクチノマイシンのクロ
ロデオキシ誘導体について述べている。また、9−エピ
−4(R)−ジヒドロスペクチノマイシンはフォレイ(F
oley)等によるジャーナル・オブ・オーガニック・ケミ
ストリー(J.Org.Chem.),43,22 4355〜4
359ページ(1978)に報告されている。しかしなが
ら、上記引用文献に記載されたスペクチノマイシン類似
体および誘導体はどれもその生物学的活性を報告してい
ない。
【0004】レミエ(Lemieux)によるカナディアン・
ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.),
51,53ページ(1973)には、2−デオキシストレ
プタミン(1)の5−水酸基にトリ−o−アセチル−2−
デオキシ−2−ニトロソ−α−D−グリコピラノシルク
ロリド(2)を優先的に反応させて、α−プソイドジサッ
カライド(ここでCBzはカルボベンジルオキシである)
を製造する方法が記載されている。マラムズ(Mallam
s)等によるジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイェテ
ィ(J.Chem.,Soc.)パーキン(Perkin)I,111
8ページ(1976)には、上記レミエ(Lemieux)の反
応を延長させてジ−およびトリ−サッカライドを合成す
る方法が記載されている。
【0005】オキシムの除去はレミエ(Lemieux)等に
よるカナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー
(Can.J.Chem.),51,19ページ(1973)および
マラムズ(Mallams)等によるジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサイェティ(J.Chem.,Soc.)パーキン(Pe
rkin)I,1097ページ(1976)に示されている。
【0006】ハネッシァン(Hannessian)等による(1
979)にはスペクチノマイシンの化学合成が記載され
ている。
【0007】ホワイト(White)等によるテトラヘドロ
ン・レターズ(Tetrahedron Letters),7月,197
9年にはスペクチノマイシンとその類似体の化学合成が
開示されている。これと同じ合成法が1980年5月2
6日に提出された米国特許出願第150530号に載っ
ており、これは現在放棄されている1979年3月3日
提出の同第020172号の続きである。米国特許出願
第285164号および同第285165号(両方とも
1981年7月20日提出)には6'−メチルスペクチノ
マイシン類似体とその合成に使用する中間体の製造方法
が開示されている。
【0008】1981年10月16日に提出された米国
特許出願第312035号には、スペクチノマイシンま
たはその類似体の脱メチル化法とその中間体の再アルキ
ル化法が示されており、そして1981年10月23日
に提出された米国特許出願第314261号にはスペク
チノマイシンの3'−位置が変換されたスペクチノマイ
シン類似体が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は優れた
6'−アルキルスペクチノマイシンの合成に使用する中
間体の合成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明を要約すると、銅
触媒によるグリニヤール付加反応によりジエノンが多く
の種類の6'−アルキルスペクチノマイシンに変換され
る。その一連の方法ではいくつかの多目的な中間体が使
用されている。本発明はエノンアシレートを用いてC−
6'位を変換することを含むものである。
【0011】さらに詳細には、本発明は出発物質として
エノンアシレートVIIを使用することを含む式IIの化合
物の製造方法に関するものである。その方法ならびに式
IIの化合物からさらに式Iのスペクチノマイシン類似体
に至る経路は図式Iの反応順序で表わされ説明される。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】上記図式中、Rは水素またはアルキルであ
り;R1〜R9は水素、低級アルキル、低級アルケニルお
よび低級アルキニルからなる群から選ばれ;R'2
R'3、R'5およびR'7は低級アルキル、低級アルケニ
ル、低級アルキニルおよび保護基からなる群から選ば
れ、前記保護基はアラルコキシカルボニル、ハロゲン化
アルコキシカルボニルおよびアルコキシカルボニルから
なる群から選ばれ;ただしR2およびR3のうちの一方は
常に水素であってR6およびR7のうちの一方も常に水素
であり、そしてR'2およびR'3のうちの一方は常に保護
基であってR'6およびR'7のうちの一方も常に保護基で
あり;R10はアシルであり;Aは酸素および硫黄から選ば
れ;そしてBおよびB1は同一かまたは異なって水素、ヒ
ドロキシ、アルコキシ、o−低級アルケニル、チオー
ル、チオ−低級アルキルおよびチオ−低級アルケニルか
らなる群から選ばれる。VIおよびIの間のいくつかの
中間体とその製造方法は1979年3月13日提出の米
国特許出願第020073号および1981年7月20
日提出の同第285164号に記載されている。
【0015】化合物Iに示されている炭素の番号づけは
本明細書全般にわたりその説明において使用されてい
る。
【0016】本発明の方法で製造される化合物IIから得
られる化合物は式Iの化合物の水和した形体を包含して
いる。これらの化合物は3'−位で水和され次式I'を有
している。
【0017】
【化7】
【0018】(式中、A、B、B1、R、R'およびR1
9は先に定義した通りである。)また式IおよびI'の
化合物の医薬として適当な塩を含むものである。
【0019】“低級アルキル"はメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ルおよびその異性体を意味している。
【0020】“低級アルケニル"はエテニル、プロペニ
ル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、
オクテニルおよびその異性体を意味している。
【0021】“低級アルキニル"はエチニル、プロピニ
ル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、
オクチニルおよびその異性体を意味している。
【0022】“アシル"はホルミル、アセチル、プロピ
オニル、ブチリルおよびペンタノイルを意味している。
【0023】“ハロゲン化アルコキシカルボニル"はモ
ノ−、ジ−、トリ−ハロメトキシカルボニル;モノ−、
ジ−、トリ−ハロエトキシカルボニル;モノ−、ジ−、
トリ−ハロプロポキシカルボニル;モノ−、ジ−、トリ
−ハロブトキシカルボニル;モノ−、ジ−、トリ−ハロ
ペントキシカルボニルおよびその異性体を意味してい
る。
【0024】“ハロ"はフルオロ、クロロ、ブロモおよ
びヨードを意味している。
【0025】“アラルコキシカルボニル"はベンジルオ
キシカルボニル、フェニルチオキシカルボニル、フェニ
ルプロポキシカルボニル、ジフェニルオクトキシカルボ
ニルおよびその異性体およびフルオロエニルメトキシカ
ルボニルを意味している。
【0026】“アルコキシカルボニル"はイソプロピル
オキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニルおよ
びtert−ペンチルオキシカルボニルを意味している。
【0027】アルキルは1〜20個の炭素原子を有する
アルキル基であって直鎖および分枝鎖の両方を意味して
いる。
【0028】1個以上のヒドロキシまたはアルコキシが
糖部分の存在する場合にそれらは同じであっても異なっ
ていてもよいということは、この詳細な説明および特許
請求の範囲において使用されている通りのものを意味し
ている。
【0029】本明細書中には、また新規な中間体II'、I
IIおよびIVも記載する。
【0030】
【化8】
【0031】ジエノンIVは非常に多目的なミカエル
(Micael)受容体であり、変換方法のための優れた中間
体である。
【0032】“α−アノマー"という語句は環系の平面
下にある1'−置換基を意味しており、“β−アノマー"
という語句はスペクチノマイシンに対応するC−1'位
の立体配置を有しているアノマーを意味している。
【0033】本発明方法で製造される化合物から得られ
る化合物のうちで望ましい生物学的活性を示すものは化
合物Iのβ−アノマーである。このグリコシド立体配置
は上記図式Iに示されるスペクチノマイシンにおいて見
られるものである。
【0034】工程1において、エノンアシレートVIIは
溶媒中ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応
してエナミンVIを生ずる。その反応温度は一般に25
℃から還流温度までの範囲であるが、40℃〜80℃が
有利である。反応時間は1〜48時間好ましくは2〜1
0時間である。ジメチルホルムアミドジメチルアセター
ルは過剰量使用される。有利な反応時間は7時間であ
り、有利な溶媒はジメチルホルムアミドである。ジ−t
−ブチルのようなジメチルホルムアミドの他のアセター
ル類も使用可能である。
【0035】出発エノンアセテートとその製造方法は1
980年5月16日提出の米国特許出願第150530
号に記載されている。
【0036】エナミンは抽出、クロマトグラフィーおよ
びその組合せのような通常の方法を使用して混合物から
単離することができる。
【0037】工程2におけるエナミンVIの側鎖還元は
標準的なシアノ水素化ホウ素ナトリウム条件下に行なわ
れてアミンVを生ずる。そのアミンは抽出、クロマトグ
ラフィーおよびその組合せのような慣用手段を使用して
反応混合物から単離することができる。
【0038】工程3はアミンVを溶媒の存在下にハロゲ
ン化アルキルと反応させてジエノンIVを生成すること
を包含している。この反応は過剰のヨウ化メチルを使用
して約0°〜約100℃の温度で約1〜約30時間実施
される。好ましい反応温度および時間は20°〜40
℃、1〜20時間である。使用することができる溶媒に
は塩化メチレン、CHCl3、THFおよびエーテルがあ
る。有利な溶媒は塩化メチレンである。
【0039】工程3を実施するためのもう一つの便利な
方法はアミンVを溶媒中でm−クロロ過安息香酸と反応
させてジエノンIVを生ずる方法である。この反応は約
−20°〜約50℃の温度で約1〜60分間実施され
る。好ましい反応温度および時間は20°〜30℃、5
〜20分である。使用可能な溶媒は酢酸エチル/スケリ
ソルブB、THF、ジオキサンおよびCH2Cl2であ
る。有利な溶媒は酢酸エチル/スケリソルブBである。
【0040】工程4において、ジエノンIVは銅触媒の
存在下にグリニャール試薬と反応してIIIを生成する
(図式Iにおいて、R'MgXはハロゲン化アルキルマ
グネシウムを意味し、Xはハロゲンである)。この反応
は溶媒を用いて約−130゜〜0℃の温度で約1分〜2
時間の間実施される。好ましい反応温度および時間は−
78゜〜−50℃、1分〜10分である。使用できる溶
媒にはジエチルエーテル、1,2−ジメチルエタン、T
HFおよびイソプロピルエーテルがある。有利な溶媒は
THFである。
【0041】工程5において、エノンIIIは還元されて
保護6'−アルキルスペクチノマイシンIIを生ずる。こ
の工程はいくつかの理由のために図式Iの方法中で非常
に危険な工程である。それは3'−カルボニルを還元す
ることなく4',5'二重結合を還元することが非常に難
しいからである。パラジウム触媒、すなわち硫酸バリウ
ムに担持された10%パラジウム(イオン性パラジウ
ム、褐色の触媒)は幾分かの成功率でもって使用するこ
とができるが、保護基(特にカルボベンジルオキシ基)は
除去されてしまい、そうすると生成物の分離問題がより
困難なものとなる。さらにパラジウム触媒はもっと高度
に置換された糖側鎖を有する類似体に対してあまりよく
作用しない。それ故、溶媒および塩基の存在下に酸化白
金を使用することが有利である。
【0042】二番目の主な利点はいくつかの保護基脱離
法のうちの一つを使用する前に生成物をクロマトグラフ
ィーで精製することができるようにその保護基を残して
おけるということである。その反応はエノンIIIを溶媒
に溶解し、塩基と酸化白金を加え、その混合物を水素と
接触させることにより実施される。還元は約20〜40
℃で約1〜4時間行なわれる。好ましい温度および反応
時間は20〜40℃、2〜3時間である。
【0043】工程5を実施するためのもう一つの便利な
方法は、ジデヒドロスペクチノマイシンIIIをLi−セレ
クトライド(トリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウムの
溶液)と反応させることにより、IIIを保護6'−スペク
チノマイシンIIに還元することである。この反応はジデ
ヒドロスペクチノマイシンIIIを溶媒に溶解し、リチウ
ム溶液を加え、次いで塩基と水を加えることにより実施
される。還元は約−100°〜10℃で5〜60分間行
なわれる。好ましい温度と反応時間は−78°〜−10
℃、5〜40分である。使用することができる溶媒には
THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンおよび
ジエチルエーテルがある。有利な溶媒はTHFである。
【0044】工程6において式IIの化合物は保護基を脱
離されて式Iの化合物を生ずる。保護基脱離のための条
件は個々の基、すなわちアクチナミン環のアミンを保護
する基R'2またはR'3およびR'6またはR'7により決定
される。その基がベンジルオキシカルボニルまたはアラ
ルコキシカルボニルである場合には、保護基脱離反応は
溶媒(たとえばイソプロパノール、無水エタノール、無
水メタノール、酢酸エチル、トルエンまたはテトラヒド
ロフラン)に懸濁して、パラジウムブラック、パラジウ
ム−炭素、パラジウム−硫酸バリウムまたはパラジウム
−炭酸バリウムのような通常の触媒で−10psi〜+2
00psiの水素下に実施される。メタノール中の蟻酸か
らその場で水素を発生させることは時によると便利であ
る。
【0045】別の方法として、R'2またはR'3および
R'6またはR'7がアルコキシカルボニルまたはアリール
オキシカルボニルである化合物の保護基離はニトロメタ
ンや塩化メチレンのような溶媒中酸の存在下に行なわれ
る。
【0046】R'2またはR'3およびR'6またはR'7がハ
ロアルコキシカルボニルである場合には、その保護基脱
離は亜鉛の存在下で有利に実施される。
【0047】式VIの化合物を製造するための特に便利
な方法は図式IIにより示される。
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】工程IはN,N'−ジベンジルオキシカル
ボニルスペクチノマイシン(JACS,85,2652ペ
ージ、1963年参照)を無水酢酸、酢酸エチルおよび
ピリジンの存在下に蟻酸と反応させることを包含してい
る。この反応は約−70°〜10℃で約1/2〜30時
間溶媒の存在下に行なわれる。好ましい温度範囲は約−
40°〜0℃であり、好ましい反応時間は約10〜18
時間である。使用可能な溶媒には酢酸エチル、テトラヒ
ドロフラン、塩化メチレン、クロロホルムおよび1,2
−ジメチルエタンがある。有利な溶媒は酢酸エチルであ
る。工程1は式IXの化合物を生成する。
【0051】工程2において、式IXの化合物は無水酢
酸および塩基と反応して式VIIIの化合物を生ずる。こ
の反応は溶媒の存在または不存在下に約20°〜90℃
(好ましくは50°〜70℃)で約2〜30時間(好まし
くは10〜20時間)実施される。使用可能な溶媒には
酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメチルオ
キシエタンおよびクロロホルムがある。有利な溶媒は酢
酸エチルである。
【0052】工程3において、化合物VIIIはジブロモ
ジメチルヒダントインの存在下に光での処理をうけて式
VIIの化合物の形でC3−カルボニルを生ずる。この反
応は約10°〜100℃(好ましくは40°〜80℃)で
約2〜60分(好ましくは10〜20分)の間実施され
る。この工程ではまた4',5'−位置に不飽和結合を生
ずる。
【0053】工程4において、式VIIの化合物はジメチ
ルホルムアミドの存在下にジメチルホルムアミドアセタ
ールと反応し、その反応生成物はメタノールまたは水と
反応して式VIの化合物を生ずる。この反応は約30°
〜90℃(好ましくは40°〜70℃)で約2〜6時間
(好ましくは3〜5時間)実施される。上記工程で製造さ
れる各生成物は慣用手段によりその反応混合物から単離
することができる。
【0054】当該技術の範囲内のいかなる方法も式Iで
示される化合物の類似体を単離するのに使用することが
でき、ここで述べられる方法のみに限定されるものでは
ない。単離が無水条件下に行なわれる場合には3'−位
にカルボニル基を有する化合物(式I)が得られる。水性
条件下に行なわれる場合には、化合物VIIおよびVIを
除外して(これらの化合物は水和されない)3'−位で水
和された化合物(式I')が得られる。
【0055】粗生成物はアンバーライト(Amberlite)I
RC−50またはCG−50のような弱酸性イオン交換
樹脂のカラムに吸着させ、続いて塩酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸および硫酸を含有する水、メタノール、エタ
ノール、エーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタンまたはp−ジオキサンのような溶媒を用い
て溶離することにより精製することができる。
【0056】酸塩は式Iの化合物を適当な酸を用いて約
pH7.0以下、有利には約pH2〜pH3に中和すること
により生成することができる。この目的に適する酸には
塩酸、硫酸、燐酸、スルファミド酸、臭化水素酸および
同様の酸がある。その化合物の酸塩および塩基塩はその
母体化合物と同じ生物学的目的のために使用することが
できる。
【0057】式Iの化合物はいろいろな環境における微
生物の生長を抑制するものである。たとえば、β−立体
配置を有する式Iの化合物は大腸菌(Escherichia col
i)に対して活性であり、製紙工場でのスライムの形成を
大腸菌に対するその抗菌作用を利用して減少させ、阻止
しそして根絶するのに使用することができる。これらの
β−アノマーはまたトリコモナス ホエツス(Trichomo
nas foetus),トリコモナス ホミニス(Trichomonas
hominis),トリコモナス バギナリス(Trichomonas va
ginalis)を大腸菌汚染から解放することによりこれらの
培養生命を長びかせるのに使用することが可能である。
さらにまたβ−アノマーは枯草菌(Bacillus Subtili
s)に対して活性であり、こうしてこの菌が原因でおこる
魚や魚運搬用の竹かごの悪臭を最小にするか防ぐことが
できる。また、β−アノマーは微生物実験室の仕事台や
装置を拭きそうじするのに使用される。β−アノマーは
また肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)にも有効であ
る。
【0058】式Iの化合物はまたヒトを含む哺乳動物の
りん病のような細菌感染を治療するのに有効である。
【0059】良好な抗菌活性を示す化合物は式Iの化合
物においてR'が直鎖、環状鎖または分枝鎖のアルキル
基(ここで分枝鎖または環状鎖の最長延長部分は1〜4
個の炭素原子を含む)であるものである。R'の例として
はエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチ
ルおよびシクロヘキシルがある。6'−n−プロピルスペ
クチノマイシン、6'−n−ブチルスペクチノマイシンお
よび6'−ペンチルスペクチノマイシンが特に強力な抗
菌剤である。
【0060】本発明の製法による化合物から得られる化
合物Iを含有する組成物は式Iの化合物を適量含有する
無菌の非経口液剤または懸濁剤、点眼剤および油中水型
乳剤のような単位剤形でヒトや動物に投与される。
【0061】非経口投与用に、式Iの化合物と無菌のビ
ヒクル(水が好ましい)とを使用して液状の単位剤形が製
造される。その化合物は使用するビヒクルおよび濃度の
影響を受けてそのビヒクル中に懸濁されるかあるいは溶
解されるかのいずれかである。液剤を製造するために
は、その化合物を注射用蒸留水に溶解して、それを適当
なバイアルやアンプルに充填し密封する前に濾過滅菌す
る。有利には局所麻酔剤、防腐剤および緩衝剤のような
補佐剤をそのビヒクルに溶解する。安定性を高めるため
に、組成物をバイアルに充填した後凍結して水を真空下
に除去する。その後凍結乾燥した粉末をバイアルに密封
し、注射用蒸留水の付随バイアルを用意して使用前に液
体に再び戻す。非経口懸濁剤は化合物がビヒクルに溶解
する代わりに懸濁するということを除いて実質的に同じ
方法で製造することができるが、濾過により滅菌するこ
とはできない。その化合物は無菌のビヒクルに懸濁する
前にエチレンオキシドにさらすことによって滅菌され
る。有利にはその組成物に界面活性剤や湿潤剤を加えて
化合物が均質に分布するようにする。
【0062】本明細書において使用される“単位剤形"
という語句はヒト患者や動物のための単一の薬剤として
適当な物理的に別個の単位を表わし、各単位は製薬上の
希釈剤、担体またはビヒクルと共同して所望の治療効果
を生ずるように計算された予め決められた量の活性物質
を含有している。本明細書に記載する新規な単位剤形に
ついての明細は(a) 活性物質の独特な物質および達成
されるべき特別の効果、および(b) ヒトや動物に使用
するためにそのような活性物質を配合する技術に本来そ
なわっている限界に直接依存しており、このことは特色
である。適当な単位剤形の例はアンプル剤、バイアル
剤、排出分を測れるエアゾール剤、前述のもののいずれ
かを多数個に分離したもの、およびここに記載の他の剤
形がある。
【0063】有効量の化合物が治療に使われる。治療用
化合物の投与量は当該技術に熟練した者にはよく知られ
ている多くの要因により定められる。それらの要因には
たとえば投与経路や特定の化合物のその効力が含まれ
る。本明細書に記載する組成物をヒトに非経口的に投与
する場合、一回の用量で約2〜4000mgの化合物を投
与することが細菌感染にとっては有効である。さらに特
定すると一回の用量は化合物約5〜200mgである。
【0064】次に述べるスペクチノマイシン類似体およ
びその製造に使用する中間体の製造例は本発明の範囲を
さし示すものではあるが、限定するものと解釈されるこ
とはない。当業者は本発明方法の反応条件やその操作法
ばかりでなく、ここに述べた新規化合物のスペクチノマ
イシン類似体およびその前駆体の両方法からの変法をも
容易に認識するだろう。
【0065】
【実施例】たとえば次に述べる製造例および実施例にお
いて、指定された化合物の各々の立体異性体は本発明の
製法による化合物の範囲内のものであることが予期され
る。製造例1 N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2,
6−ジ−o−ホルミル−スペクチノマイシン 撹拌機と温度計とを備え付けた5リットルのフラスコに
酢酸エチル(1.33リットル)および97%蟻酸(255
ml)を入れた。無水酢酸(618ml)を加え、ドライアイ
ス/アセトンで冷却して温度を−40℃以下に保った。
ピリジン(1.09リットル)を温度が約−40℃である
ようにゆっくり加えた。N,N'−ジベンジルオキシカル
ボニルスペクチノマイシン(100g)を添加して、夜通
し撹拌を続け、冷却浴は放置して室温に達するようにし
た。その溶液を酢酸エチル(1.65リットル)で希釈
し、0.5Nの塩酸(5×675ml)、水(2×675m
l)、10%重炭酸ナトリウム水溶液(2×675ml)およ
びブライン(2×175ml)で洗った。有機層を乾燥して
濃縮し、N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2,6
−ジ−o−ホルミルスペクチノマイシン105gを得た。
【0066】CMR(d6−アセトン):210.6、16
1.4、161.0、157.1、13.6、129.1、
128.4、128.1、97.1、92.1、73.7、
71.7、68.3、67.7、67.6、65.9、56.
1、ppm。
【0067】N,N'−ジベンジルオキシカルボニルスペ
クチノマイシンの代わりに適当に置換されたN,N'−ジ
ベンジルオキシカルボニルスペクチノマイシンを使用し
て製造例1と同様の方法により表1および表2のジ−o
−ホルミルスペクチノマイシン類を得た。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】製造例2 N,N'−ジベンジルオキシカル
ボニル−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチルス
ペクチノマイシンエノールアセテート N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2,6−ジ−o−
ホルミルスペクチノマイシン(7.0g)、無水酢酸(15.
0ml)、ピリジン(30.0ml)およびジメチルアミノピリ
ジン(0.5g)を250mlのフラスコ中の酢酸エチル(5
0ml)に添加し、夜通し55℃に加熱した。その反応混
合物を酢酸エチル(500ml)とヘキサン(500ml)で希
釈し、0.6Nの塩酸(3×1リットル)、(1×0.5リ
ットル)その後重炭酸ナトリウム飽和溶液(2×500m
l)およびブライン(2×500ml)で洗った。有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥し濃縮してN,N'−ジベンジルオキ
シカルボニル−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセ
チルスペクチノマイシンエノールアセテート7.0gを得
た。
【0071】CMR(d6−アセトン):168.9、16
7.7、161.4、161.0、157.1、139.
9、137.8、129.1、128.4、128.2、1
28.1、122.8、94.7、92.2、74.1、7
1.3、69.1、67.6、67.2、56.3、55.
5、31.4、30.7、21.1、21.0、20.7pp
m。
【0072】N,N'−ジカルボベンジルオキシカルボニ
ル−2,6−ジ−o−ホルミルスペクチノマイシンの代わ
りに適当に置換された2,6−ジ−o−ホルミルスペクチ
ノマイシンを使用して製造例2と同様の方法により表3
〜6のエナミン類を得た。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】製造例3 N,N'−ジベンジルオキシカル
ボニル−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチル−
4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2,6−ジ−o−
ホルミル−2'−o−アセチルスペクチノマイシンエノー
ルアセテート(5.26g)を四塩化炭素(75ml)に溶解
し、ジブロモジメチルヒダントイン(1.05g)を加え
た。その溶液を開始剤としての可視光線の下で還流し
た。20分後溶液を冷却し、クロロホルム(200ml)と
水(100ml)とで希釈した。相を分離して有機相を塩化
ナトリウム水溶液(60ml)で洗った。その有機相を硫酸
ナトリウムで乾燥して濃縮し、N,N'−ジベンジルオキ
シカルボニル−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセ
チル−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン5.65
gを得た。
【0078】CMR(d6−アセトン):182.4、17
3.4、170.0、161.6、161.0、157.
0、137.6、129.2、128.6、128.2、1
03.4、95.7、93.1、73.7、72.1、67.
8、66.9、56.1、55.7、31.8、30.6、
21.0ppm。
【0079】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチルスペクチノ
マイシンエノールアセテートの代わりに適当に置換され
たエノールアセテートを使用して製造例3と同様の方法
により表7〜9の4',5'−ジデヒドロスペクチノマイ
シン類を得た。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】
【0083】製造例4 N,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2'−o−アセチル−6'−[(ジメチルアミノ)メチレ
ン]−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン ジメチルホルムアミド(100ml)中N,N'−ジカルボベ
ンジルオキシ−2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒド
ロスペクチノマイシン(22.00g、34.4ミリモル)
およびジメチルホルムアミドジメチルアセタール(10
0ml)含有溶液を乾燥保護して50〜55℃で7時間撹
拌した。その褐色の溶液を真空下に濃縮して残留物をシ
リカゲル(250g、2リットルのガラス濾過器に湿式充
填したもの)でクロマトグラフを行なった。混合物はク
ロロホルム中5%アセトニトリル(2リットル)、7%
(3リットル)、33%(3リットル)、50%(6リット
ル)の混合溶媒を用いて1・1/2時間にわたって溶離
した。1/2リットルづつのフラクションを集めた。フ
ラクションはTLC(アセトニトリル:クロロホルム1:
1の混合溶媒)で評価し、合わせて純粋なN,N'−ジカ
ルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−6'−[(ジメ
チルアミノ)メチレン]−4',5'−ジデヒドロスペクチ
ノマイシン19.78gおよびいくらかのDMF(ジメチ
ルホルムアミド)を含むN,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2'−o−アセチル−6'−[(ジメチルアミノ)メチレ
ン]−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン3.30g
を得た。後者のフラクションを前述のように(しかしシ
リカゲル60gを使用して)再度クロマトグラフを行なっ
て純粋なN,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−ア
セチル−6'−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',5'−
ジデヒドロスペクチノマイシン2.75gを得た。全収量
は22.53g(収率94%)であった。
【0084】CD(CH3OH)[θ]311nm−10,400
±1,200、[θ]285−2,500±1,200、[θ]
246−1,200±1,200。 IR(マル):3380、1750、1695、1675s
h、1600、1555、1500、1385、135
0、1280、1240、1195、1185、114
5、1110、1085、1065、1025、100
0、960、770、740、645cm-1。 PMR(CDCl3):2.13(3H,s)、2.82(3H,
s)、2.89(6H,巾広s)、2.91(3H,s)、5.10
(4H,巾広s)、5.16(1H,s)、5.97(1H,s)、
7.30δ(10H,s)。 CMR(CD3COCD3):20.9、31.2、31.5、
30−44巾広、36.3、59.6、66.2、67.
3、74.6、75.4、88.7、94.9、95.0、
95.1、95.5、128.3、129.1、137.
9、138.0、150.3、157.2、157.7、1
63.3、169.8、171.2、180.3ppm。 質量スペクトル、m/c(ジTMS):839(M+)、82
4、797、779、730、688。ピークに合った
計算値:839.3480;実測値:839.3466。
【0085】N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o
−アセチル−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン
の代わりに適当に置換されたエノンアセテートを使用し
て製造例と同様の方法により表10〜13のエナミン類
を得た。
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】製造例5 N,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチル−6'
−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',5'−ジデヒドロ
スペクチノマイシン N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2,6−ジ−o−
ホルミル−2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロス
ペクチノマイシン(5.50g)をジメチルホルムアミド
(39.0ml)に溶解し、ジメチルホルムアミドジメチル
アセタール(36.0ml)を加えた。55〜60℃で4時
間加熱後メタノール(36ml)を加え、55〜60℃での
加熱を3時間続けた。残留物をクロロホルム(15ml)に
取り上げて濾過器中のシリカゲル(200ml)でクロマト
グラフを行なった。クロロホルム(1/2リットル)、ク
ロロホルム中5%アセトニトリル(0.8リットル)、ク
ロロホルム中30%アセトニトリル(150ml)およびア
セトニトリル(1リットル)を用いて溶離することによ
り残存しているDMFの後に生成物が溶離してきた。そ
のフラクションを合わせてN,N'−ジカルボベンジルオ
キシ−2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチル−
6'−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',5'−ジデヒド
ロスペクチノマイシン2.71gを得た。
【0091】CMR(d6−アセトン):180.3、17
1.2、169.8、157.0、150.3、137.
9、129.0、128.2、95.5、95.2、95.
1、94.8、88.7、75.3、67.3、66.2、
59.9、56.7、41.0、31.4、30.7、21.
2ppm。
【0092】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2,6−ジ−o−ホルミル−2'−o−アセチル4',5'−
ジデヒドロスペクチノマイシンの代わりに適当に置換さ
れた4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシンを使用し
て製造例5と同様の方法により表14〜17のエナミン
類を得た。
【0093】
【表14】
【0094】
【表15】
【0095】
【表16】
【0096】
【表17】
【0097】製造例6 N,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2'−o−アセチル−6'−(ジメチルアミノメチル)
−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
6'−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',5'−ジデヒド
ロスペクチノマイシン(20.00g、28.78ミリモ
ル)およびメチルオレンジ(5mg)をメタノール(200m
l)に溶解した。pHを2Nのメタノール性HClで4に調
整し、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを2Nのメタノー
ル性HClを使ってpHをしばしば再調整しながら20分
間にわたって少量づつ加えた。全部で2.00g(31.8
3ミリモル)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し
た後、その溶液をTLC(メタノール/クロロホルム1:
9の混合溶媒)が出発物質の存在を示さなくなるまでさ
らに室温で撹拌した。その溶液を濃縮し酢酸エチル(5
00ml)、0.1N NaOH(250ml)、1.0NNaO
H(25ml)および飽和ブライン(250ml)で希釈した。
有機相をブライン(200ml+100ml)で洗浄した。三
つの水相を酢酸エチル(2×200ml)で順次洗浄した。
有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮して、泡状の
N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
6'−(ジメチルアミノメチル)−4',5'−ジデヒドロス
ペクチノマイシン17.93g(収率89%)を得た。
【0098】CD(CH3OH):[θ]321−12,000±
1,100、[θ]270±1,100。 UV(C25OH):273nm(8,800)、377nm(肩)
(63)。 PMR(CDCl3):2.13(3H,s)、2.17(6H,
s)、2.46(3H,s)、3.05(3H,s)、3.06(3
H,s)、5.05(4H,d)、5.34(1H,s)、5.89
(1H,s)、7.26(10H,d)。 CMR(CD3COCD3):20.9、31.3、45.、5
6.1、57.1、61.3、66.1、67.3、74.
0、75.4、93.7、96.0、103.1、128.
3、129.1、137.9、157.2、170.0、1
74.9、183.1ppm。
【0099】製造例6a N,N'−ジカルボベンジルオ
キシ−2'−o−アセチル−6'−(ジメチルアミノメチ
ル)−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
6'−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',5'−ジデヒド
ロスペクチノマイシン(57.0g、78.7ミリモル)。
酢酸エチル(450ml)およびメタノール(105ml)を混
合した。pHを2Nの塩酸で4に調整し、シアノ水素化
ホウ素ナトリウム(7.3g)を2Nの塩酸でpHを4に調
整しながら5分間にわたって5回に分けて加えた。シア
ノ水素化ホウ素ナトリウムの添加が完了した後さらに1
5分間pHを4に維持した。TLC(メタノール/クロロ
ホルム1:9の混合溶媒)は出発物質が消費されたことを
示した。その後、溶液をNaOHと混合し、相を分離し
た。上部相をブライン(250ml)と共に排出し、スケリ
スルブB(150ml)を加えて懸濁液をこわした。二つの
水相を酢酸エチル(300ml)とスケリスルブB(75ml)
の混合溶媒で順次逆洗し、全部の有機相を硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過してN,N'−ジカ
ルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−6'−(ジメチ
ルアミノメチル)−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイ
シンを含有する濾液を得た。
【0100】N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o
−アセチル−6'−[(ジメチルアミノ)メチレン]−4',
5'−ジデヒドロスペクチノマイシンの代わりに表7お
よび8からの適当に置換された前駆体エナミン類を使用
して製造例6および6aと同様の方法により表18〜2
1の保護スペクチノマイシン類似体を得た。
【0101】
【表18】
【0102】
【表19】
【0103】
【表20】
【0104】
【表21】
【0105】製造例7 N,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2'−o−アセチル−6'−メチレン4',5'−ジデヒ
ドロスペクチノマイシン N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
6'−(ジメチルアミノメチル)−4',5'−ジデヒドロス
ペクチノマイシン(17.43g、25.00ミリモル)を
塩化メチレン(200ml)およびヨウ化メチル(18.0m
l、41.04g、289ミリモル)に溶解し、室温で6時
間撹拌した。10℃でさらに16時間放置した後その溶
液を濃縮し、残留物をアセトニトリル/クロロホルム
1:9の混合溶媒に溶解した。その混合物をシリカゲル
(300g)で上と同じ溶媒(4リットル)ついでアセトニ
トリル/クロロホルム1:3の混合溶媒(4リットル)を
使用してクロマトグラフを行なった。溶離した最初の純
粋な物質のフラクションを合わせて濃縮し、N,N'−ジ
カルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−6'−メチ
レン−4',5'−ジデヒドロスペクチノマイシン10.0
3g(収率61%)を得た。
【0106】CD(CH3OH):[θ]334−26,100±
2,300、[θ]240−44,800±2,300、[θ]
224nm−10,800±2,300。 UV(C25OH):204肩(22,500)、241(6,
750) 250肩(5,900)、256肩(4,90
0)、293nm(14,650)。 PMR(CDCl3):2.13(3H,s)、3.03(3H,
s)、3.06(3H,s)、5.05(4H,d)、5.44(1
H,s)、5.61(1H,q)、5.95(1H,s)、6.11
(1H,s)、6.19(1H,s)、7.29pp(10H,s)。 CMR(CD3COCD3):20.9、31.4、57.2、
60.1、66.2、67.4、74.1、74.7、75.
6、94.0、96.1、104.3、125.3、12
8.4、129.2、131.1、138.0、138.
1、157.6、166.6、170.2、184.0pp
m。
【0107】製造例7a N,N'−ジカルボベンジルオ
キシ−2'−o−アセチル−6'−メチレン−4',5'−ジ
デヒドロスペクチノマイシン 製造例6aで製造した酢酸エチル/スケリスルブB中の
N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
6'−(ジメチルアミノメチル)−4',5'−ジデヒドロス
ペクチノマイシンにm−クロロ過安息香酸(15g)を加え
た。その溶液を10分間撹拌した後、重炭酸ナトリウム
飽和溶液(300ml)を混合しながら加え、相を分離し
た。有機相をブライン(250ml)で洗浄し、ついでメタ
ノールを加えて乳濁液をこわした。二つの水性フラクシ
ョンを酢酸エチル(250ml)とスケリスルブB(75ml)
の混合溶媒で順次洗浄した。有機相を合わせて硫酸ナト
リウムで乾燥して固体に濃縮した。その固体をクロロホ
ルムに溶解し、その溶液をシリカ(1リットルのガラス
濾過器中に湿式充填したもの1リットル)でクロロホル
ム(4リットル)、2%アセトニトリル/クロロホルム
(2リットル)、5%アセトニトリル/クロロホルム(2
リットル)、10%アセトニトリル(4リットル)および
15%アセトニトリル(4リットル)を使用してクロマト
グラフを行なった。フラクション10〜14を合わせて
濃縮し、N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−ア
セチル−6'−メチレン−4',5'−ジデヒドロスペクチ
ノマイシンを含有する混合物15.7gを得た。
【0108】N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o
−アセチル−6'−(ジメチルアミノメチル)−4',5'−
ジデヒドロスペクチノマイシンの代わりに適当に置換さ
れたジデヒドロスペクチノマイシンを使用して製造例7
および7aと同様の方法により、表22〜25の保護ス
ペクチノマイシン類似体を得た。
【0109】
【表22】
【0110】
【表23】
【0111】
【表24】
【0112】
【表25】
【0113】製造例8 N,N'−ジベンジルオキシカル
ボニル−2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロ−6'
−n−オクチルスペクチノマイシン 乾燥した15mlの三つ口フラスコに電磁撹拌棒と血清キ
ャップとを備え付けた。N,N'−ジカルボベンジルオキ
シ−2'−o−アセチル−6'−メチレン−4',5'−ジデ
ヒドロスペクチノマイシン(332mg、0.5ミリモル)
をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し臭化第二銅(2
5mg)を加えた。そのスラリーを窒素雰囲気下に−78
℃に冷却した後、臭化ヘプチルマグネシウム(1.2ml、
2.1モル)をしょう液キャップを介して注入により加え
た。TLC(CH3OH:CHCl31:4の混合溶媒)は出
発物質がわずかに極性の劣った主生成物に変換されたこ
とを示した。その反応混合物を酢酸エチル(20ml)と酢
酸(0.3ml)の混合溶液に注いだ。水(10ml)で希釈し
て混合した後、有機相を分離し重素酸ナトリウム飽和溶
液(15ml)および飽和ブライン(10ml)で洗浄した。水
性抽出物を順番に酢酸エチル(20ml)で洗浄した。有機
抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥して泡状物になるまで濃
縮した。アセトニトリル−クロロホルム1:9の混合溶
媒中のシリカ6.0gでクロマトグラフを行ない、精製さ
れたN,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2'−o−ア
セチル−4',5'−ジデヒドロ−6'−n−オクチルスペ
クチノマイシン0.32gを得た。
【0114】CMR(CD3COCD3):183.1、17
8.4、170.0、157.7、138.0、124.
1、128.3、102.5、96.0、93.8、75.
6、73.4、67.3、66.1、59.7、57.2、
35.0、32.4、31.4、30.0、29.8、29.
6、26.7、23.2、20.4、14.3ppm。 質量スペクトル(シリル化したもの):m/e 856(M
+)、841、769、671、600、484、35
6、313、284、243、217、199、17
1、145、73。
【0115】臭化ヘプチルマグネシウムの代わりに適当
に置換された臭化アルキルマグネシウムを使用して製造
例8と同様の方法により次の6'−アルキルスペクチノ
マイシン類を得た。
【0116】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロ−6'−エチル
スペクチノマイシン;CMR 183.1、176.2、
170.0、151.3、137.81、129.0、12
8.1、102.6、95.9、93.6、75.3、74.
2、67.3、66.1、60.0、57.1、36.8、
31.3、20.8、20.0、13.6ppm。
【0117】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロ−6'−n−プ
ロピルスペクチノマイシン;CMR 183.3、17
6.5、170.1、157.2、138.2、129.
2、128.4、102.6、96.1、93.8、75.
6、74.6、67.4、66.2、60.1、57.3、
34.8、32.2、28.8、22.7、20.9、13.
9ppm。
【0118】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロ−6'−n−ブ
チルスペクチノマイシン;CMR 183.1、176.
4、170.0、157.9、138.2、129.1、1
28.7、102.5、96.0、93.8、75.6、7
4.6、67.3、66.1、60.0、57.2、35.
0、31.7、31.4、26.3、22.8、20.9、
14.1ppm。
【0119】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒドロ−6'−n−ペ
ンチルスペクチノマイシン;およびCMR 183.1、
176.5、170.0、157.8、138.4、12
9.1、128.3、102.6、96.0、93.7、7
5.6、74.8、67.3、66.0、60.2、57.
1、35.0、32.0、31.4、29.2、26.6、
23.0、20.9、14.2ppm。
【0120】表26および27のN,N'−ジベンジルオ
キシカルボニル−2'−o−アセチル−4',5'−ジデヒ
ドロ−6'−n−オクチルスペクチノマイシン類似体。
【0121】
【表26】
【0122】
【表27】
【0123】製造例9 N,N'−ジベンジルオキシカル
ボニル−6'−オクチルスペクチノマイシン N,N'−ジカルボベンジルオキシ−2'−o−アセチル−
4',5'−ジデヒドロ−6'−n−オクチルスペクチノマ
イシン(0.32g)を2−プロパノール(12.0ml)に溶
解し、トリエチルアミン(0.12ml)を加えた。その溶
液を4等分して酸化白金30mgを各々含有する試験管の
中に入れた。その試験管を注意してパールびんの中に置
いて20psiの水素で2時間振とうさせた。触媒を濾過
して、合わせた濾液に水(0.7ml)を加えた。16時間
放置した後、その濾液を65℃でさらに3/4時間加熱
し、濃縮してシリカ(6g)でクロマトグラフを行なっ
た。N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−6'−n−オ
クチルスペクチノマイシンを0.5%メタノール/クロ
ロホルム(200ml)、1%(100ml)、1.5%(150
ml)、2%(200ml)および3%(100ml)で溶離し
た。所望のフラクションをTLC分析(生成物はDNP
スプレーついで硫酸スプレーを噴霧して加熱した時紫色
のスポットを生じた)により見つけた。生成物の収量は
0.09gであった。
【0124】CMR(CD3COCD3):201.5、15
7、138.1、129.1、128.3、97.5、9
2.3、75.1、74.7、74.6、71.8、67.
2、66.4、65.6、61.1、60.1、57.5、
44.1、36.1、32.4、31.7、31.4、30.
7、30.1、29.8、25.7、23.1、14.3pp
m。 質量スペクトル(シリル化したもの):m/e=928(M
+)、913、901、837、823、793、74
5、624、611、539、493、449、35
9、91。
【0125】製造例9a N,N'−ジベンジルオキシカ
ルボニル−6'−プロピルスペクチノマイシン N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−2'−o−アセチ
ル−4',5'−ジデヒドロ−6'−プロピルスペクチノマ
イシン(0.70g)の溶液をテトラヒドロフラン(10ml)
に溶解して−78℃に冷却した。テトラヒドロフラン
(3.0ml)中のトリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウム
の1モル溶液を加えた。窒素下に−78℃で25分間撹
拌した後、その溶液を酢酸エチル(10ml)と酢酸(0.2
ml)との混合溶媒に注ぎ入れた。さらに酢酸エチル(10
ml)、水(10ml)およびトリエチルアミン(1.0ml)を加
えた。2時間後追加のトリエチルアミン(1.0ml)を加
え、その溶液を室温で16時間撹拌した。スケリスルブ
B(20ml)および重炭酸ナトリウム飽和水溶液(15ml)
を加えて相を分離した。上部相をNaCl飽和水溶液(1
5ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して
オイルになるまで濃縮した。これを塩化メチレンで充填
したシリカゲル(40ml)でクロマトグラフを行なった。
生成物は塩化メチレン(50ml)、塩化メチレン/クロロ
ホルム1:1(60ml)、クロロホルム(50ml)、0.5%
メタノール/クロロホルム(100ml)、1%メタノール
/クロロホルム(100ml)、2.5%メタノール/クロ
ロホルム(100ml)および5%メタノール/クロロホル
ム(200ml)で溶離した。適当なフラクションを濃縮し
てN,N'−ジベンジルオキシカルボニル−6'−プロピ
ルスペクチノマイシン0.45g(68.3%)を得た。
【0126】N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−
オクチルスペクチノマイシンの代わりに適当に置換され
たN,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−アルキルス
ペクチノマイシンを使用して製造例9または9aと同様
の方法により次の6'−アルキルスペクチノマイシン類
を得た。
【0127】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−エチルスペクチノマイシン;CMR 201.0、
158.2、138.2、129.1、128.4、97.
6、92.3、75.2、74.7、74.6、71.5、
67.2、66.2、65.6、61.1、60.2、57.
6、57.3、44.1、38.2、31.7、31.4、
18.2、14.1ppm。
【0128】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−n−プロピルスペクチノマイシン;CMR 201.
8、156.7、138.1、129.1、128.3、9
7.5、92.3、75.1、74.7、74.6、71.
8、67.2、66.4、65.6、60.9、59.9、
57.5、44.1、35.7、31.4、30.8、27.
7、23.0、14.2ppm。
【0129】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−n−ブチルスペクチノマイシン;CMR 201.
5、156.2、138.2、129.4、128.6、9
7.7、92.6、75.3、75.1、74.8、72.
1、67.6、66.7、66.0、61.0、60.0、
57.8、44.3、35.3、31.6、32.5、32.
1、31.8、31.2、30.2、29.2、25.6、
23.3、14.6ppm。
【0130】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−イソブチルスペクチノマイシン;N,N'−ジベンジ
ルオキシカルボニル−6'−n−ペンチルスペクチノマイ
シン;CMR 202.0、158.1、138.2、12
9.1、128.4、97.6、92.4、75.2、74.
6、74.0、71.8、67.2、66.4、65.7、
61.1、60.1、57.5、57.3、44.1、36.
1、32.3、31.7、31.4、29.7、25.6、
23.2、14.3ppm。
【0131】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−(3,3−ジメチル)−n−ブチルスペクチノマイシ
ン;N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−6'−シクロ
ペンテニルスペクチノマイシン;N,N'−ジベンジルオ
キシカルボニル−6'−シクロヘキシルメチルスペクチ
ノマイシン;CMR 202.0、157.5、138.
0、129.1、178.3、97.5、92.3、75.
1、74.7、72.1、67.2、66.4、65.6、
60.9、60.7、57.5、57.3、44.1、38.
2、33.8、33.5、31.7、31.4、27.2、
26.9ppm。
【0132】N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−
6'−ウンデシルスペクチノマイシン;および表28〜3
0の6'−n−ブチルスペクチノマイシン類似体。
【0133】
【表28】
【0134】
【表29】
【0135】
【表30】
【0136】参考例1 6'−n−オクチルスペクチノマ
イシン N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−6'−n−オクチ
ルスペクチノマイシン(0.09g)をメタノール(7.0m
l)に溶解して窒素雰囲気下に撹拌した。パラジウムブラ
ック(60mg)ついで97%蟻酸(0.45ml)を加えた。
40分間十分に撹拌した後触媒を濾過し、濾液を真空濃
縮した。残留物をH2O(8ml)に取り上げて0.1NのH
Cl(0.35ml)でpH1.5に酸性化した。その試料を凍
結乾燥してCMR用試料を作製した。CMRの後、試料
をH2Oで希釈して凍結乾燥し6'−n−オクチルスペク
チノマイシン二塩酸塩0.05gを得た。
【0137】CMR(D2O、内部CH3CNに対して):
92.9、92.6、91.1、70.9、68.8、65.
1、64.7、60.6、58.7、57.5、38.2、
33.4、30.8、30.1、29.5、28.5、28.
2、24.2、21.5、12.8ppm。
【0138】N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−n
−オクチルスペクチノマイシンの代わりに適当に置換さ
れた保護6'−アルキルスペクチノマイシンを使用して
参考例1と同様の方法により二塩酸塩として次の6'−
アルキルスペクチノマイシン類を得た。
【0139】6'−エチルスペクチノマイシン;CMR
29.8、29.4、60.6、58.6、57.6、64.
6、70.7、65.0、92.7、92.7、91.0、
58.5、68.8、35.0、16.6、12.4ppm。
【0140】6'−n−プロピルスペクチノマイシン;C
MR 29.8、29.4、60.6、58.6、57.
6、64.6、70.9、64.9、92.6、92.6、
91.0、38.5、68.7、32.5、25.4、21.
0、12.3ppm。
【0141】6'−n−ブチルスペクチノマイシン;CM
R 29.9、24.4、60.4、58.5、57.4、
64.5、70.7、64.9、92.5、92.5、90.
9、38.7、68.7、32.9、30.1、23.1、
20.4、12.5ppm。
【0142】6'−イソブチルスペクチノマイシン;6'
−n−ペンチルスペクチノマイシン;CMR 29.8、
29.3、60.6、58.6、57.7、64.7、71.
0、65.0、92.7、92.7、91.1、38.6、
68.8、32.9、30.1、23.2、21.0、20.
8、12.5ppm。
【0143】6'−(3,3−ジメチル)−n−ブチルスペ
クチノマイシン;6'−シクロペンチルメチルスペクチノ
マイシン;6'−シクロヘキシルメチルスペクチノマイシ
ン;CMR 30.1、29.5、60.6、58.6、5
7.5、64.7、70.9、65.1、92.6、92.
6、91.1、38.2、68.8、33.4、30.7、
28.5、28.5、28.2、28.2、24.2、21.
5、12.8ppm。
【0144】6'−n−ウンデシルスペクチノマイシン;
およびCMR 60.5、58.6、57.5、64.9、
70.9、65.2、97.7、92.8、91.2、38.
8、68.8、33.4、30.9、28.4、28.8、
28.8、28.8、28.8、28.8、28.8、24.
4、21.5、12.8、30.2、24.6ppm。
【0145】表31および32の6'−n−オクチルスペ
クチノマイシン類似体。
【0146】
【表31】
【0147】
【表32】
【0148】参考例2 6'−n−プロピルスペクチノマ
イシン硫酸塩 N,N'−ジベンジルオキシカルボニル−6'−n−プロピ
ルスペクチノマイシン(2.20g)をメタノール(100m
l)に溶解して窒素雰囲気下に撹拌した。パラジウムブラ
ック(1.39g)続いて97%蟻酸(4.3ml)を加えた。
十分撹拌した後触媒を濾過して濾液を真空濃縮した。残
留物をH2O(10ml)に取り上げて1モルの硫酸水溶液
(3.5ml)で酸性化した。その試料を凍結乾燥し、その
後アセトン:水から再結晶して6'−n−プロピルスペク
チノマイシン硫酸塩五水和物0.87gを得た。
【0149】CMR(D2O.内部CH3CNに対して):
118.07、92.67、91.24、91.06、7
0.73、68.94、65.01、64.74、60.7
8、59.15、57.69、38.77、32.83、3
0.35、29.77、25.78、21.18および1
2.45ppm。
【0150】
【発明の効果】本発明により6'−アルキルスペクチノ
マイシン用中間体の優れた製法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)式IV: 【化1】 の化合物を、式R'MgX(Xはハロゲンである)を有
    するハロゲン化アルキルマグネシウムと反応させて式II
    I: 【化2】 の化合物を生成し、 (b)工程(a)で製造した化合物を還元剤と反応させ
    て式II: 【化3】 の化合物を生成することからなる上記式IIの化合物の製
    造方法。(上記各式中、Rは水素または低級アルキルで
    あり;R'は炭素数1〜18のアルキルまたは環系の最
    長延長部分が1〜4個の炭素原子を含むシクロアルキル
    基であり;R1、R4、R5、R8およびR9は水素、低級
    アルキル、低級アルケニルおよび低級アルキニルからな
    る群から選ばれ;R'2、R'3、R'6およびR'7は低級ア
    ルキル、低級アルケニル、低級アルキニルおよび保護基
    からなる群から選ばれ、前記保護基はアラルコキシカル
    ボニル、ハロゲン化アルコキシカルボニルおよびアルコ
    キシカルボニルからなる群から選ばれ;ただしR2'およ
    びR3'のうちの一方は常に保護基であってR6'およびR
    7'のうちの一方も常に保護基であり;R10はアシルであ
    り;Aは酸素および硫黄から選ばれ;そしてBおよびB
    1は同一かまたは異なって水素、ヒドロキシ、アルコキ
    シ、o−低級アルケニル、チオール、チオ−低級アルキ
    ルおよびチオ−低級アルケニルからなる群から選ばれ
    る。)
  2. 【請求項2】 製造される化合物は次式を有する、請求
    項1記載の方法。 【化4】 (式中、R、R'、R'2、R'3、R4、R5、R'6
    R'7、R8、R9、BおよびB1は請求項1に定義した通
    りである。)
  3. 【請求項3】 製造される化合物は次の化合物群から選
    ばれる請求項2記載の方法。 N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−エチルスペク
    チノマイシン、 N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−n−プロピル
    スペクチノマイシン、 N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−n−ペンチル
    スペクチノマイシン、 N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−n−オクチル
    スペクチノマイシン、 N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−n−ウンデシ
    ルスペクチノマイシンおよび N,N'−ジカルボベンジルオキシ−6'−シクロヘキシ
    ルメチルスペクチノマイシン。
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