JPH077595Y2 - タ−ボブロワ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は通気路に臨む軸受部で回転軸を支持したター
ボブロワにおいて、軸受部を簡易な構造で通気路から隔
離して通気中に含まれる水分、じんあい等による軸受お
よび潤滑性能の劣化を防止することができるように改良
したものに関する。

〔従来技術とその問題点〕

ターボブロワの従来例を第３図にもとづいて説明する。
この図は多段ブロワを示し、吐出路１を形成する箱形ケ
ーシング２の両側板3,4で軸受５を介して回転軸６が支
持され、一方の側板３を貫通して突出する回転軸６の端
部に中心部から吸気して外周部から径方向に排出するタ
ーボ形羽根車７が複数固着されている。この羽根車７は
それぞれ個別のカバー8,9,10で包囲され、第１段のカバ
ー８は端面中心部に吸込み口8aが設けられている。第２
段および第３段のカバー9,10はそれぞれ外側端面に整流
ガイド11が複数放射状に設けられ、端面中心部に吸込み
口9a,10aが設けられている。隣接する前記カバー8,9,10
は外周端部を相互にはめ込んで結合され、最終段のカバ
ー９は前記側板３の外周に取付けられる。前記羽根車７
は回転軸６の端面に押えボルト12をねじ込むことにより
環状押え板13および間隔管14,15を介して軸受５の内輪
端面に押しつけ固定され、前記整流ガイド11の軸方向先
端部には環状の側板16がその内周と間隔管14の外周との
間に細隙ｇをおいて一体形成されている。

前記ブロワは回転軸６の回転に伴う羽根車７の作用で吸
込み口8aから空気を吸入し、第１段の羽根車７で加圧し
て外周部から排出した空気は隣接する整流ガイド11によ
り中心部に向かって送り込まれる。この空気は第２段の
カバー９の吸込み口9aから羽根車７の作用で吸入してさ
らに加圧され、この加圧を繰り返し最終的に高圧空気と
なって前記吐出路１を通りケーシング２の外周部に設け
た吐出口17から送り出される。前記軸受５の吐出路１に
臨む内側端面は軸貫通部幅の大きい軸受カバー18,19で
包囲されている。

このような構造では通気中に水分、じんあい等が含まれ
るとこれらが高圧空気とともに軸受カバー18,19の軸貫
通部のすきまを通り軸受５部に侵入して軸受５および潤
滑グリースの性能を劣化させることがあるという欠点が
あった。軸受５および潤滑性能の劣化を防止するために
接触形ゴムシールまたはパッキン等の軸封部材を使用し
て前記軸受カバー18,19の軸貫通部を封止しようとする
と回転軸６と軸封部材の接触摩擦損失が発生するのみで
なく摩擦に伴う発生熱、じんあい等により接触面が摩耗
し、この摩耗した軸封部材の取り替え作業に多くの手数
を要するという欠点があった。

〔考案の目的〕

この考案は前記の欠点を除去するために、吐出路に臨む
軸受部を簡易な構造で吐出路から隔離して軸受および潤
滑性能の劣化を防止することができるようにしたターボ
ブロワを提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

このような目的を達成するために、ケーシングの一方の
側板の内面側に回転軸を包囲するように設けられた円筒
状延設部と、ケーシングの他方の側板の内面側に回転軸
を包囲するように設けられた円筒状延設部と、前記両円
筒状延設部に跨がって前記回転軸を包囲するように気密
に嵌め込み取付けられたゴム製筒状体とを備えたもので
ある。

〔考案の実施例〕

第１図はこの考案の実施例を示すもので、第３図と同一
符号で示すものは同一部品である。この図において、吐
出路１を形成する箱形ケーシング２の両側板3,4で軸受
５を介して回転軸６が支持され、軸受５の吐出路１に臨
む内側端面は環状の軸受カバー28,29で包囲されてい
る。この軸受カバー28,29の内周部から内向きに延びる
円筒状延設部28a,29aの外周にはゴム等の弾性材からな
る筒状体21が回転軸６を包囲しかつ両端面を軸受カバー
28と29に押しつけて気密にはめ込み取付けされている。
前記延設部28a,29aは第２図に示すようにケーシング２
の両側板3,4に直接円筒状延設部22,23を内向きに設けて
実施することもでき、これによれば軸受カバー28,29を
省略して構造が簡単になる。円筒状延設部28a,29a,22,2
3の外周面を前下りのテーパ状に形成すれば筒状体21を
径方向に固くはめ込んでより気密に取付けることができ
る。

前記実施例によればケーシング２の両側板3,4の内面に
またがり回転軸６と接触することなく筒状体21を気密取
付けして軸受５部を吐出路１から隔離するようにしたの
で、通気中に水分、じんあい等が含まれていてもこれに
よる軸受５および潤滑性能の劣化を防止できるのみでな
く軸受５部を通る高圧空気の漏れも防止することができ
る。また筒状体21にゴム等の弾性材を使用すれば関連部
品の加工精度を格別出すことなく簡単な組付けで気密取
付けすることができる。即ち、ゴム製筒状体を使用する
ので、側板３と側板４との間隔に多少とも製造誤差が有
る場合、特に設計間隔値よりも実際に製造された製品の
実際間隔値が小さい場合、ゴム製筒状体が収縮してその
製造誤差を吸収するという利点がある。それゆえ、製造
公差を厳密にする必要がなくなるので、製造が簡単にな
る。

また、円筒状延設部に跨がってゴム製筒状体を装着する
場合、一方の円筒状延設部にゴム製筒状体を装着した状
態で他方の円筒状延設部を嵌め込むことにより、円筒状
延設部が一種のガイドの機能を果たし、円筒状延設部へ
のゴム製筒状体の装着が簡単となる。

〔考案の効果〕

この考案によれば吐出路に臨む軸受部で回転軸を支持し
たターボブロワにおいて、吐出路を形成する箱形ケーシ
ングの両側板内面にまたがり回転軸を包囲する筒状体を
気密取付けして軸受部を吐出路から隔離するようにした
ので、通気の影響による軸受と潤滑性能の劣化および軸
受部を通る高圧空気の漏れを簡易な構造で防止すること
ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の要部縦断面図、第２図はこ
の考案の他の実施例の要部縦断面図、第３図は従来例の
縦断面図である。 １……吐出路、２……ケーシング、3,4……側板、５…
…軸受、６……回転軸、７……羽根車、8,9,10……カバ
ー、8a,9a,10a……吸込み口、21……筒状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吐出路を形成する箱形ケーシングの両側板
   で軸受を介して回転軸を支持すると共に、ケーシングを
   貫通して突出する回転軸の端部に羽根車を取付け、この
   羽根車を包囲してケーシングに取付けたカバーの中心部
   に吸込み口を設けたターボブロワにおいて、前記ケーシ
   ング（４）の一方の側板（３）の内面側に前記回転軸を
   包囲するように設けられた円筒状延設部（28a;22）と、
   前記ケーシング（４）の他方の側板（３）の内面側に前
   記回転軸を包囲するように設けられた円筒状延設部（29
   a;23）と、前記両円筒状延設部に跨がって前記回転軸を
   包囲するように気密に嵌め込み取付けられたゴム製筒状
   体（21）とを備えたことを特徴とするターボブロワ。