JPH0774747B2 - コンポーネントのネットワーク特に電子回路を試験する装置 - Google Patents

コンポーネントのネットワーク特に電子回路を試験する装置

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JPH0774747B2
JPH0774747B2 JP2186963A JP18696390A JPH0774747B2 JP H0774747 B2 JPH0774747 B2 JP H0774747B2 JP 2186963 A JP2186963 A JP 2186963A JP 18696390 A JP18696390 A JP 18696390A JP H0774747 B2 JPH0774747 B2 JP H0774747B2
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ピエール・ルシャンニ
パトリック・テリベール
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    • G01R31/2846Fault-finding or characterising using hard- or software simulation or using knowledge-based systems, e.g. expert systems, artificial intelligence or interactive algorithms
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    • G06F11/22Detection or location of defective computer hardware by testing during standby operation or during idle time, e.g. start-up testing
    • G06F11/2257Detection or location of defective computer hardware by testing during standby operation or during idle time, e.g. start-up testing using expert systems

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は構成要素(以下においてコンポーネントと称す
る)のネットワーク、そして限定はされないが、特に電
子回路の試験に関するものである。
本発明は、電子回路の誤動作の発生箇所を確認する診断
装置としてとりわけ有用であるが、本明細書において
「試験」という用語は障害を修理するという概念にだけ
関係するものではなく、特に、正しく機能すると想定さ
れるネットワークにおいて実行されるいかなる制御操作
をも包含するものである。
〔従来の技術〕
誤動作の発生箇所を診断すること、つまり不正に機能す
る電子回路において一個あるいは複数個の欠陥コンポー
ネントの位置を確認することは、一般的に困難な作業で
あり、通常資格ある作業者を必要とする。
各種の電子回路に直面する保守スタッフは、回路の機能
の目的やモードが常に分かるわけではないし、時にはこ
の仕事を行なうために保守マニュアルを携帯することが
あるとしても、通常は電子回路図だけしか持ち合わせて
いないことが多い。
その場合、この作業者は、「手作業で」測定と演算を実
行し、診断を確定するため、あるコンポーネントの正常
なまたは誤った動作に関して自分で仮説を立てることが
できる。しかし、この作業全体は一般的に退屈で、慎重
な扱いとかなりの時間を要し、しかも産業的に受け入れ
られないほどの誤りを犯すリスクを伴うものである。こ
れに代わるものの一つは、「エキスパートシステム」で
用いられるタイプのソフトウェアプログラムを使用する
ことである。しかし、この方法は調査される誤動作が予
想し得るものか、あるいは既に知られ事前に索引に載せ
られたものであることが前提とされている。しかし、こ
の条件は必ずしもすべての誤動作に当てはまる訳ではな
い。更に、このソフトウェアプログラムの中には回路の
公称の正常動作について事前の記述を要求するものがあ
り、ある場合にはその記述が必須であることが分かるも
のもある。更に、この種のソフトウェアプログラムはす
べてのタイプの回路に対して必ずしも用意されている訳
ではなく、また一般的にその設定や使用が難しい。
用いられる方法のいかんに拘らず、一般的に、保守作業
員が常に直面する主要な問題は、実行することができる
測定と観察を、解釈し、分析し、そして適切に利用する
ことである。
ドゥベ他(DEVES et al)による「DEDALE:アナログ回路
の故障発見のためのエキスパートシステム(DEDALE:an
expert system for troubleshooting analogue circui
t)」国際試験会議 1987、IEEEカタログNo.87CH2437−
2,586−594頁は、電子回路の試験が可能なエキスパート
システムについて説明している。しかしながら、このシ
ステムは、本発明によって解決される課題にこたえるも
のではない。即ち、工業製品として妥当な価格で、操作
が簡単であり、しかも、できるだけ迅速、的確に予想さ
れた誤動作の位置を確認する仕事に携わる保守作業員の
ための効果的な助けとなる試験装置を提供するという課
題である。
本発明はこの課題の解決を提供する。
すなわち本発明は、保守作業員による誤動作の調査を援
助するため、仮説の計算や取扱いを自動化する装置を提
供することを目的とする。
本発明の1つの目的は、必ずしも試験対象のネットワー
クの完全な記述を必要としないで、またこのネットワー
クの公称の機能の記述をも必要としないで使用できる装
置を提供することである。
本発明の別の目的は、修理されるネットワークの機能の
モードについて、また誤動作の症状に関して特別な知識
を必要としないで使用できる装置を提供することであ
る。
本発明のもう1つの目的は、スタテックモードまたはダ
イナミックモードで作動するコンポーネントのネットワ
ークのアナログ誤動作の診断ができるようにすることで
ある。
本発明の更にもう1つの目的は、誤動作の箇所を見つけ
るための特別な所定手続きを必要とすることなく、診断
に対する高度な信頼性を提供することである。
本発明はまた、市場で入手し得る部品をかなりの割合で
使用した装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の一般的な特徴によれば、コンポーネントのネッ
トワークを試験する電子装置は: ・ −選択された時間間隔においてサンプリング時点を
定義する手段、 −ネットワークのコンポーネントの少なくとも1つを指
定する手段、 −該コンポーネントの動作状態に関する物理量、例えば
電位差、を得るためのプローブ、および −前記選択された時間間隔内で前記物理量の一連のサン
プルを提供するためプローブと協働する手段、 を有するインタフェース手段; ・ 少なくとも1つの特定種類のコンポーネントに関す
る物理量に関するコンポーネント式を含む機能モデル記
憶装置; ・ 前記ネットワークの異なるコンポーネントに関す
る、しかし同じ時間間隔に対応した、物理量の複数のサ
ンプル系列を記憶できる数値記憶装置;そして、 ・ 前記モデルに含まれる前記式と獲得サンプルを考慮
して、上記時間間隔にわたる物理量、例えば電流の強さ
の値、の推定、および該物理量の前記数値記憶装置への
格納、および該数値記憶装置に含まれた数値の試験、か
らなる処理手続を実行することができる、前記記憶装置
および前記インタフェース手段に接続された処理手段、 を組み合わせて有している。
この試験装置が、対象ネットワーク内における各種物理
量の検出の詳細、そして、特にコンポーネントの機能特
性に関する不確実性(アンサーティンティ)、を考慮に
入れることができれば特に有利である。
それで、本発明の1実施例においては、次のものが含ま
れる: ・ 物理量間の一般的関係を表す法則式をも含む機能モ
デル; ・ プレシジョン(精度)・ブラケット(precision br
acket)と共に記憶装置に格納される、少なくとも一部
の検出サンプル; ・ 少なくとも一部アンサーティンティ・ブラケット
(uncertainty bracket)を伴う機能モデル;そして、 ・ 前記アンサーティンティ・ブラケットと前記プレシ
ジョン・ブラケットの少なくとも一部から導かれる推定
アンサーティンティ・ブラケットと共に記憶装置に格納
される推定値。
それによって、前記記憶装置が、コンポーネントの初期
集合の寄与に基づいて確定された、同一物理量に対する
出所の異なる第一および第二ブラケットを、少なくとも
幾つかのサンプリング時点にわたって格納している場
合、この2つのブラケットを比較してこの初期集合のコ
ンポーネントの機能に関する第一情報を導くことができ
る。
詳細は後述するが、本発明による試験の原理は、前記第
一および第二ブラケットが前記時間間隔の少なくとも有
意の部分において互いに素である(共通元を持たない)
場合には、前記第一情報はこの2つのブラケットの確定
に寄与したコンポーネントの前記初期集合の少なくとも
1つのコンポーネントの誤動作を表しているという事実
に基づいている。
比較対照される2つのブラケットの組み合わせとして
は、プレシジョン・ブラケットと推定アンサーティンテ
ィ・ブラケット、又は2つの推定アンサーティンティ・
ブラケット、又はプレシジョン・ブラケットとコンポー
ネントモデルから取られた参照ブラケット、又は推定ア
ンサーティンティ・ブラケットと参照ブラケットが考え
られる。
本発明のもう1つの目的は、最少回数のデータ獲得で1
つあるいは複数の故障コンポーネントを診断するため
に、物理量を得る有効な方針(ストラテジー)、またそ
の他の物理量を推定する有効な方針(ストラテジー)を
装置の利用者に提示できる処理手段を有する電子試験装
置を提供することにある。
それで、故障コンポーネントを高速に識別できるように
するためには、処理過程を構成する意思決定メカニズム
のオペレーションが、ネットワーク構造に結び付いたも
のであれば有利であり、それは次のものからなる: ・ 各種物理量を得るコンポーネントの選択ならびに順
番の決定に関する第一メカニズム;そして、 ・ 物理量の推定に関する第二のメカニズム。
もう1つの実施例(コンポーネントのネットワークは電
子回路である)においては、プローブによって、その回
路における選択された2つのターミナル間の電位差を得
ることができ、指定手段により、前記ターミナル間に接
続された少なくとも1つのコンポーネントを指定するこ
とができる。数値記憶装置は、同じ時間間隔に対して第
一の共通ターミナルとそれに隣接した他の複数のターミ
ナルとの間で得られた電位差(複数)を格納できる。デ
ータ処理は、各電位差に関して、関連するコンポーネン
トの機能モデルから得られる電流式を前記時間間隔にわ
たり推定することからなる。次いで、処理手段は、電流
式のセットについて前記時間間隔内の各サンプリング時
点で条件を試験することができる。その条件は、上記第
一の共通ターミナルにおける合計電流はゼロと想定され
ることを考慮したものであり、この試験により前記第一
の共通ターミナルに接続されているコンポーネントの機
能に関する第一の指標が提供される。
発明のその他の利点と特徴は、下記の詳細な説明と添付
図面から明らかになるであろう。
〔実施例〕
第1図に示された装置は、記憶装置MMとインタフェース
手段MINとに接続された処理手段MTを有しているが、そ
のインタフェース手段は、一方では修理を要するコンポ
ーネントのネットワークCIと、そして他方では利用者と
連絡するためのものである。
利用者とのインタフェースは、キーボード手段CLと表示
手段(例えばスクリーンMAF)によって構成されてい
る。特に、キーボードを用いることにより、(もしネッ
トワークの構造がまだ記憶されていないならば)ネット
ワークの少なくとも1つのコンポーネントを指定するこ
とができ、また選択された時間間隔におけるサンプリン
グ時点を決定することができる。
特に、スクリーンは試験中に本装置により判明した1つ
あるいは複数の故障コンポーネントを表示することがで
きる。
コンポーネントのネットワークとのインタフェースは、
コンポーネントの機能状態に関して選択されたタイプの
物理量を検出できるプローブ手段(以下、より簡単にプ
ローブと称する)、および選択された時間間隔内でこの
物理量の一連のサンプルを獲得するために該プローブと
協働する手段AM、MNCによって提供される。検出される
物理量が電位差である場合には、このプローブは一般に
更に個別プローブA0とA1から構成され、これら個別プロ
ーブはアナログ増幅器AMを経由して、測定値をディジタ
ル化する操作可能な手段MNCに接続されている。
本装置の記憶装置は機能的に次のものに分類できる: ・ 機能モデル記憶装置MM2、これは少なくとも1つの
特定コンポーネントに関する物理量に適用されるコンポ
ーネント式、そして物理量間の一般的関係を記述した法
則式からなる; ・ 数値憶装置MM1、これは同一時間間隔に対応する、
しかしこのネットワークにおける異なるコンポーネント
に関する、多くのサンプル系列を格納できる; ・ コンポーネントのネットワークの構造(配置config
uration)を格納できる記憶装置、これは必要に応じて
設けられる;そして、 ・ 特に本装置の作業アルゴリズム、及び本装置の使用
に関する各種データ又は指示を格納している記憶装置MM
3。
ハードウェアとしては、これらの機能的記憶装置セット
を単一の記憶装置としてまとめるか、または少なくとも
その一部を別個の記憶装置に割り当てることもできる。
実際的には、第2図に説明するように、電子分野におい
て、約100の電子コンポーネントを対象として意図した
場合、本装置の処理手段として、キーボードと英数字ス
クリーンとに接続される従来のマイクロコンピュータUC
を用いることができる。このマイクロコンピュータに、
特に本装置の作業アルゴリズムと各種モデルを格納する
1.44メガバイトの容量の大容量記憶装置、例えばディス
ク装置DISと、約4メガバイトの作業用中央記憶装置を
備えることは有利である。
別個に設けられた数値オシロスコープOSCは、この場合
ネットワークの2つのターミナル間の電位差を検出する
ために用いられる、プローブを備えることができる。こ
のオシロスコープを用いて、選択された時間間隔とサン
プリング時点を定義することができ、検出された物理量
のサンプル系列を、例えばデジタルバスLIを通して、装
置の中央ユニットに供給するために用いることができ
る。
この構成において、修理対象回路CIは試験スタンドBAN
に接続される。この試験スタンドは、回路の誤動作が明
らかになる特別な状況で回路を作動させるように、一次
入力を起動することができる。しかし、本発明の装置に
より直接にその回路を起動するようにすることもでき
る。
一般的に、これらの記憶装置とインタフェース手段とに
接続された処理手段は次の処理作業を実行できる: ・ 選択された時間間隔にわたる物理量の推定、これは
モデルの記憶装置に含まれた式と検出サンプルを考慮し
てなされる、;そして、 ・ それらの数値記憶装置への格納、およびこの数値記
憶装置に格納された数値に基づく試験。
前記の実際的な例では、作業用中央記憶装置はこの数値
記憶装置を組み込んでいる。
本発明による一実施例では、装置は、各種コンポーネン
トの特性に関する不確実性(アンサーティンティ)とプ
ローブの精度(プレシジョン)を考慮に入れることがで
きる。
それで、検出サンプルの少なくとも一部、そして実際的
には全部がプレシジョン・ブラケットとともに記憶装置
に格納される。この情報は利用者により装置に入力して
も良いし、プローブの特性を考慮して直接に自動的に組
み込まれるようにすることもできる。具体的には、もし
選択時間間隔が0から40マイクロセカンドの範囲であっ
て、0.1マイクロセカンドの間隔をおいて400サンプリン
グ時点でサンプリングがなされ、0から0.2マイクロセ
カンドにおいて、プローブが4ボルトの電位差Vを検出
するとすれば、この電位差に関する最初の2つの検出サ
ンプルには、プレシジョン・ブラケット(Vm;VM)=
(3.99;4.01)が割り当てられるであろう。同様に、機
能モデルの少なくとも一部にはアンサーティンティ・ブ
ラケットが割り当てられる。
次に第3図ないし第6図には4つの特定の種類のコンポ
ーネントに関するモデルが説明されている。これらのモ
デルは、特定の対応する種類のコンポーネントに関する
物理量に適用される、そして好ましくはこれらのコンポ
ーネントの正常動作に関するコンポーネント式を含んで
いる。
それで、抵抗(レジスタ)(第3図)については、モデ
ルMODR10はこの抵抗の値Rに関するアンサーティンティ
・ブラケット(Rm;RM)を考慮に入れたものである。更
にこのモデルは、この抵抗のターミナルaとbの間で検
出される電位差V(R,a,b)と、この抵抗のターミナル
aに入力される電流I(R,a)との間に存在する関係も
定義している(オームの法則)。この機能モデルは逆関
係も定義しており、それによりターミナルaとb間で検
知された電位差に基づいてターミナルaにおける電流を
得ることが可能になっている。
検出される物理量が電位差である場合、電流Iの測定は
この抵抗のモデルに基づいて推定された物理量として得
られる。もちろん、ターミナルaにおける電流を直接測
定するように定めることもできるが、その場合には、電
位差Vの推定値が得られることになろう。
電位差Vがプレシジョン・ブラケットと共に記憶装置に
格納され、抵抗値にアンサーティンティ・ブラケット
(Rm;RM)が割り当てられるならば、それから電流Iの
推定アンサーティンティ・ブラケット(Im;IM)が導か
れる。
一般的に、いかなる推定値に関しても、対応する推定ア
ンサーティンティ・ブラケットは最悪の場合に対して決
められる。言い換えると、推定値を決定する公式に用い
られている物理量に結び付けられたブラケットから最大
の推定アンサーティンティ・ブラケットを得ることが意
図される。
具体的に言うと、この場合、Imの値はVm/RMにより得ら
れ、IMの値はVM/Rmにより得られる。
しかし、一般的に、複数の異なる物理量を含む公式から
得られる推定物理量の推定アンサーティンティ・ブラケ
ットが過度に拡張するのを避けるために、その公式は相
異なる各物理量を1回だけ含むように定式化される。
コンデンサCのモデルMODC10(第4図)に関しては、コ
ンデンサCの値にアンサーティンティ・ブラケット(C
m;CM)が割り当てられ、ターミナルaの電流Iは、Cの
値とターミナルaとb間で検出された電位差の時間導関
数に基づいて推定される。
コンポーネントモデルの中にはそのコンポーネントに関
する特定物理量に関する参照ブラケットを含むものもあ
り得る。これは例えばダイオードとトランジスタに当て
はまる。
トランジスタQ(第5図)に関しては、複雑さの程度の
異なる機能モデルを提供することができる。それで、ラ
ンク1と呼ぶことにする第一の簡単なモデルMODQ10で
は、この図の約束として、エミッタ電流がマイナスであ
る時にコレクタ電流はプラスであると規定する。ただ
し、ここではNPN型トランジスタを扱っているものとす
る。これらの電流がプラスであるという条件は、それぞ
れがインタバル [−10-4A,+∞[ に属するものとして表され、ここで+∞の記号は+無限
大を示している。他方、電流がマイナスであるという条
件を表す参照ブラケットは ]−∞,+10-4A] である。
インタバル [−10-4A,+∞[ および ]−∞,+10-4A] のそれぞれのサブインタバル [−10-4A,0] および [0,10-4A] は、より複雑な機能モデルを必要とすること無しに、ト
ランジスタの偶然のキャパシタンスを考慮に入れる働き
をするためものである。
トランジスタのベース−エミッタ電流V(T,b,e)は所
定限界値、例えば3ボルト、未満になるものと規定する
ことにより、別の簡単なモデルが得られる。以下におい
て更に詳細に説明するように、必要な場合に、このアン
サーティンティ・ブラケットと検出された電位差V(T,
b,e)のプレシジョン・ブラケットとを比較してトラン
ジスタに関する情報を直接に推論することができるの
で、このモデルは特に有利なものとなる。
ランク2と呼ぶことにする更に複雑なモデルMODQ20を用
いることもできる。このモデルでは例えば、トランジス
タを[伝導している時は、分かっているベータ利得を持
つ電流増幅器にすぎない」と解釈することができる。こ
れは、電流利得の値BETAに関するアンサーティンティ・
ブラケット(BETAm,BETAM)に関して第5図に定義され
た数学的条件に反映されている。
ダイオードDに関しては(第6図)、簡単な機能モデル
MODD10は、ダイオードの陽極aと陰極kの間の電位差が
0.6ボルト以上である時、陽極の電流Iは参照ブラケッ
ト[−10-4A;+∞[内に含まれるべきであることを示す
ものであり、これは、やはり、この電流がプラスでなけ
ればならないことを意味している。
モデル記憶装置は、コンポーネント式の他に、物理量間
の一般的関係を記述する法則式をも含む。
それで、電子装置の場合について第7図に示されている
ように、電子回路の節点(ノード)Nでの合計電流の値
はゼロであるという法則を用いることにより、これらの
式から、この節点に接続されたコンポーネントCP1のタ
ーミナルaにおける電流の強さの値I(CP1,a)を、こ
の節点に接続された他のコンポーネントCP2とCP3のそれ
ぞれのターミナルaにおける電流の強さの既知の値I
(CP2,a)とI(CP3,a)に基づいて推定することができ
る。
同様に、別の法則式は次の事実、すなわち、コンポーネ
ントCP4のターミナルaとbの間の電位差V(CP4,a,b)
は、この同じコンポーネントのターミナルbとaの間の
電位差V(CP4,b,a)の逆に等しい、という事実を反映
する法則を用いるものである。
最後に、グリッドMを巡る電位差の総和はゼロになると
いう法則により、このグリッドのコンポーネントCP5の
ターミナルにおける電位差V(CP5,a,b)は、この同じ
グリッドの他のコンポーネントCP6とCP7のそれぞれのタ
ーミナルにおける電位差V(CP6,a,b)と(CP7,a,b)を
得ることにより、推定することができる。
説明のこの段階で、発明の重要な概念を詳細に述べなけ
ればならない。それは、各種物理量、ここでは電位差、
の検出のために選択される時間間隔ITの定義に関するも
のである。
すなわち、各種物理量の検出は、回路の誤動作が発見さ
れる同じ時間間隔において行なわれる必要がある。
この時間間隔ITの定義は、特に、検出開始時点および検
出の継続時間を定義することを含む。
スタティック動作モードの回路の場合、例えば電位差は
時間に関して安定している。そのため、各種検出値はい
つでも得られ、検出継続時間の概念は検出開始デート
(時点)のそれよりも重要である。
同じことは、周波数領域が調査の対象とされるダイナミ
ック動作モードの回路にも当てはまる。実際、特定周波
数について各種信号の振幅と位相は時間に関して安定し
ている。それで、電位差の各種検出値はいつでも得られ
る。
これに対し、時間的領域で調査されるダイナミック動作
モードの回路については、コンポーネントのターミナル
における電位差の波形が時間に関して再生可能であるこ
とが必要である。例えば、もしコンポーネントの1つに
過渡期がある場合(特に電圧が印加される場合)、他の
コンポーネントの各種電位差は先のコンポーネントが過
渡期にある時に獲得されなければならない。それで、こ
の特別な場合には、修理対象回路は各検出と検出の間に
おいては動作させられない。時間間隔の開始時点は電圧
の印加の開始時点である。それで、この場合には、開始
時点の概念が継続時間の概念と同じほど重要であること
が当業者には理解されるであろう。
厳密に1時点だけでの検出ではなく、選択された時間間
隔にわたって検出すれば、スタティックとダイナミック
両動作モードにおいて電子回路のアナログ誤動作の検出
が可能であるが、選択時間間隔の全体にわたる操作の数
が多くなるため、また信号の形状の多様性のために、利
用者が「手操作で」それを実行することは不可能であ
る、ということも注意すべきである。
「観察可能な(observable)」ターミナルという概念を
定義することも必要であり、特に電子回路の場合にはそ
うである。観察可能なターミナルとは、物理量、例えば
電位差、の検出のために、それに接続されたすべてのコ
ンポーネントにアクセスできるターミナルである、と定
義することができる。例えば、単層プリント回路の場
合、その回路の全ターミナルは観察可能である。他方、
多層回路の場合、内層の接続点はプローブによってアク
セスすることが物理的に不可能であることが容易に分か
る。それでこのプローブでは観察不可能である。この考
察から導かれる次の点に注目していただきたい。すなわ
ち、本明細書における意味としては、コンポーネントの
概念は、例えば通常抵抗やトランジスタに適用される概
念に限定されず、プローブによりアクセスできない接点
や回路の接続もコンポーネントと呼ぶことができる。
以下に述べるように、物理量を検出すべきコンポーネン
トのレベルを利用者が決定できるという意味で、本発明
の装置を手操作で使用することもできるが、本発明は故
障したコンポーネントの位置にできるだけ迅速にたどり
つくために各種の物理量の検出方針(ストラテジー)を
定める際に、利用者に対する補助を提供するものとな
る。この補助の機能は、各種物理量を検出するコンポー
ネントに関して、その選択と順番の決定に関する第一の
メカニズム11、および物理量の推定に関する第二のメカ
ニズム12、からなる自動意思決定メカニズム1を操作す
る形式を取る(第8図および第9図)。ネットワーク構
造に接続されたこの自動意思決定メカニズムを操作する
には、ネットワーク構造の配置(configuration)に関
する知識が配置記憶装置内に記憶されていることが必要
である。
一般的に、自動化システムの第一のメカニズム12による
指定コンポーネント例えばスクリーンに関する物理量の
検出後、推定メカニズム13により物理量が推定される。
その物理量は次のものであり得る: ・ 対応するコンポーネントに関して既に検出されたも
のとは異なる種類の物理量;又は、 ・ このコンポーネントに関して既に検出された物理
量、これは例えば他のコンポーネントに対して検出され
た他の物理量および/又は他の推定物理量から得られ
る。
この推定を実行するために、処理手段は、数値記憶装置
に格納されているデータを使用する。このように、検出
値とは種類の異なる推定値を、検出サンプルと機能モデ
ルに基づいて、あるいは、既に数値記憶装置に存在し、
他の推定値に関する推定アンサーティンティ・ブラケッ
トによって決定することができる。たまたま既に検出さ
れていた物理量の推定値も、他の検出物理量をもとに得
られた他の推定物理量の組合せから得られることもあり
得る。
さらに詳説すると、コンポーネントのネットワークが、
例えば電子回路の場合がそうであるように、複数のグリ
ッドから構成されている時、推定メカニズムは次のもの
からなる: * グリッドのコンポーネントであって、選択された種
類の物理量、例えば電位差、を検出したコンポーネント
に関しては、選択された種類とは異なる種類の少なくと
も1つの物理量、例えば電流の強さの値、の推定、これ
は上記コンポーネントの機能モデルおよび上記検出物理
量のサンプルから得られる;および、 * 上記グリッドに属しているか上記グリッドのコンポ
ーネントに直接接続されたコンポーネントであって、そ
れからは選択された種類の物理量を検出していないコン
ポーネントに関しては、少なくとも1つの、選択種類と
同じ種類の物理量、例えば電位差、又は異なる種類の物
理量、例えば電流の強さ、の推定、これは数値記憶装置
に既に格納されている数値で上記グリッドの少なくとも
1つのコンポーネントに関係する数値に基づいて得られ
る。
具体的には、電子回路の場合、推定処理過程は次のもの
からなる: * 回路のコンポーネントの少なくとも一部に関して
は、これらコンポーネントの1つの第一と第二のターミ
ナル間の電位差の検出に基づく、2つのターミナルの各
々における電流の強さの推定、および更には(もし必要
とされるならば)このコンポーネントの第二と第一のタ
ーミナル間の電位差の推定; * あるグリッドに属するコンポーネントで、そのグリ
ッドの他のコンポーネントのターミナルでの電位差が分
かっており、そのコンポーネント自体はそのターミナル
での電位差を検出していないコンポーネントに関して
は、他のコンポーネントに関する電位差に基づくこのコ
ンポーネントの電位差の推定; * コンポーネントの1つのターミナルが回路節点に接
続され、その回路節点には他のコンポーネントのターミ
ナルがそれぞれ接続され、それら他のコンポーネントの
そのターミナルにおける各電流の強さが分かっている
時、最初のコンポーネントのそのターミナルでの電流の
強さの推定。
それで、この自動意思決定メカニズム1が作動した後、
検出および/又は推定の対象となった物理量にはプレシ
ジョン・ブラケットおよび/又は推定アンサーティンテ
ィ・ブラケットが割り当てられることが当業者には理解
できるであろう。このように、本発明の装置の一般原理
は、数値記憶装置が、少なくとも幾つかのサンプリング
時点について、同一物理量に関して出所の異なる第一と
第二のブラケットを格納している時、この2つのブラケ
ットを比較して、その獲得に寄与したコンポーネントの
集合の機能に関する第一の情報を推論する、ということ
である。このコンポーネントの集合は、以下、「初期集
合」EPRiと呼ぶことにする。
第一のブラケットは、例えば、アンサーティンティ・ブ
ラケットであり得るが、それは例えば次のものによって
得られる: ・ 第一のコンポーネントに関連した検出物理量に関す
るプレシジョン・ブラケット; ・ この第一のコンポーネントの機能モデル;そして、 ・ 第二のコンポーネントに関する推定物理量に関連す
る推定アンサーティンティ・ブラケット。
この場合、この第一と第二のコンポーネントはこの第一
のブラケットを確立するのに寄与した第一のグループを
構成する。
第二のブラケットも、第一のブラケットに関する物理量
と同じ物理量に対する推定アンサーティンティ・ブラケ
ットであるが、コンポーネントの第二グループから異な
る方法で得られたものでありうる。
この2つのブラケットの形成に寄与したコンポーネント
の第一集合は、第一と第二のコンポーネントグループの
結合(combination)によって構成される。
その他のケースも考えられる。
それで、異なる出所の2つのブラケットは、プレシジョ
ン・ブラケットと推定アンサーティンティ・ブラケッ
ト、又は推定アンサーティンティ・ブラケットとコンポ
ーネントの機能モデルに含まれる参照ブラケット、又は
プレシジョン・ブラケットと参照ブラケットであり得
る。
この第一と第二のブラケットが少なくとも有意な長さの
時間間隔にわたって共通元を持たない場合、コンポーネ
ントのこの第一の初期集合EPRiには少なくとも1つの誤
動作コンポーネントが含まれているという意味で、疑わ
しい。それを、「コンフリクト」と呼ぶことにする。
疑わしいコンポーネントの初期集合が得られた時、それ
が直ちに一個のコンポーネント、すなわち故障コンポー
ネントCDだけからなることはまれである。そのため、共
通元のない、つまり互いに素である、2つのブラケット
の検出に至る他の異なる疑わしい初期集合が少なくとも
1つ得られるようにその処理過程を繰り返す必要があ
る。この互いに素な他の2つのブラケットは先行の互い
に素な2つのブラケットと同じ物理量に関係する場合も
あり、そうでない場合もある。そして、誤動作の疑いの
ある1つ又は複数のコンポーネントは2つの初期集合の
論理積に属することになる。
それで、論理積が単一のコンポーネントとなる少なくと
も2つの初期集合が得られるまでその処理過程が実行さ
れる。単一の誤動作を仮定した場合はこの段階で停止す
る。
この操作アルゴリズムは第10図にかなり詳細に概説され
ており、この図にはコンポーネントの疑わしい初期集合
に関する追加の分析段階14も示されている。この分析
は、コンポーネントのこの初期集合が所定条件を満たす
時には、この初期集合の一部コンポーネントに関する物
理量を選択的に検出することを含むものである。この分
析は、後で詳論する。
上に述べたように、2つのブラケットが有意な時間間隔
にわたって共通元を持たない時、その2つのブラケット
の比較から引き出される情報は、初期集合の少なくとも
1つのコンポーネントの誤動作を表すものである。時間
間隔が有意であるとは、それが所定の数、例えば2以上
の数の連続するサンプリング時点からなっていることで
ある。このように用心するのは、特に、推定アンサーテ
ィンティ・ブラケットが時間に関する導関数演算の結果
である時、不正にコンフリクトの診断を下すことを防止
するためである。実際、得られる導関数は前もって分か
らないので(考慮されているコンポーネントのネットワ
ークが誤動作しているので、なおさらそうである)、導
関数の値が誤って推定されたり、そのため不正なコンフ
リクトが導かれる危険があるということを認めるべきで
ある。他方、実際のコンフリクトは一般にいくつかの一
連のサンプリング時点にわたって明らかとなるだけであ
ろう。もちろん、もし例えば時間間隔の最初の定義によ
り、有意な時間間隔が単一のサンプリング時点に帰する
なら、時間間隔を定義する手段は制御することができる
ので、利用者はサンプリング時点が互いに接近するよう
に時間間隔の定義を修正して、幾つかの連続サンプリン
グ時点にわたってコンフリクトが示されるようにするこ
とができるであろうし、その場合、真に有意な時間間隔
を明らかにすることができる。
同一の物理量に対し、出所の異なる第一と第二のブラケ
ットの論理積ブラケットが空でないとき、この論理積ブ
ラケットは優先的に上記物理量に割り当てられる。言い
換えると、共通元のある、すなわち互いに素でない、2
つのブラケットが得られる場合、疑わしいコンポーネン
トの初期集合は明らかにされず、せいぜい、この2つの
ブラケットの確立に導いた仮説が整合していることを確
認できるだけである。処理手段は、この論理積ブラケッ
トをその物理量に割り当てることにより、続いてこの論
理積ブラケットと、この物理量に対して別のグループの
コンポーネントから得た異なる出所の別のブラケットを
比較することにより、別のコンフリクトを明らかにでき
るかもしれない。さらに、必要ならば、推定メカニズム
をこの論理積ブラケットに基づいて続けることができ
る。
第11図では、物理量を検出するコンポーネントの選択と
順番のメカニズムが更に詳細に説明されている。ここで
は、コンポーネントのネットワークは複数のメッシュ、
すなわちグリッドから構成されると仮定されている。
この第一のメカニズムは、まず、選択した種類の物理量
の少なくとも1つを検出するグリッドを選択するための
意思決定基準からなるものである。この第一の基準は、
各グリッド内で既に分かっている(すなわち、検出され
ているか推定されている)物理量、例えば電位差、の数
の分析に関する第一の下位基準110を含んでいる。
第一の下位基準に従って少なくとも2つのグリッドが選
択可能な場合111、選択可能な各グリッド112のコンポー
ネント数に関する第二の下位基準113が提供される。こ
の第二の下位基準により、処理手段はグリッドのコンポ
ーネント数に従い、3、4、2の順番で優先的にグリッ
ドを選択する。
第二の下位基準に従って少なくとも2つのグリッドが選
択可能な場合(ステップ114)、これらの選択可能なグ
リッド115のコンポーネントの種類に関する第三の下位
基準116が提供される。
それで、電子回路の場合、第三の下位基準は、最大数の
受動コンポーネント(抵抗、コンデンサ、誘導子、およ
び他の受動多極子)を有するグリッドを選択するという
ものである。
もし第三の下位基準によって幾つかのグリッドがなお選
択できるならば(117、118)、グリッドの1つを任意に
選択して、選択グリッドMSEを得る(ステップ119−
1)。
一旦、選択グリッドMSEが得られれば、次に、第一のメ
カニズムは、このグリッドのコンポーネントの種類に関
係する第二の意思決定基準119−2からなる。すなわ
ち、電子回路の場合、受動コンポーネントのターミナル
での電位差の検出が優先的に行なわれ、更に双極子(di
pole)のターミナルで優先的に行なわれる。
この意思決定メカニズムによりスクリーン上に選択コン
ポーネントCPSを表示することができ、それに関して利
用者は物理量の検出12を実行しなければならない(第12
図)。
この時点から、処理手段は、第12図に説明されたよう
に、装置の記憶装置MM、更に詳しくは数値記憶装置およ
びモデル記憶装置、にあるモデル、法則、および他の物
理量に基づいて、上に述べた各種の物理量の選択13へと
進む。
この第二の推定メカニズムにより、ネットワークの構造
と数値記憶装置に含まれたデータに基づいて可能な全物
理量が推定される。この選択処理中、処理手段は、共通
元をもたない2つのブラケットFDを得ることにより疑わ
しい初期集合EPRiを導き出すことができる。もし他の物
理量の推定がなお可能であれば、疑わしい初期集合を得
ても必ずしも推定処理が中断されるわけではないことに
注意すべきである。
それで、共通元を有する(互いに素でない)2つのブラ
ケットの論理積ブラケットに基づいて更たな推定に進む
ことができたのと同じように、互いに素な2つのブラケ
ットの少なくとも1つに基づいて、別のコンフリクトが
得られるかもしれないと考えて、推定処理を進めること
ができる。
疑わしい初期集合が存在する場合、上に述べたように、
その集合の分析に進む(第13図)。処理手段は、まずコ
ンポーネントの初期集合が「ミニマム」と呼ばれる集合
の所定条件に適合するかどうかを決定する(ステップ14
0)。具体的には、例えば電子回路の場合、コンポーネ
ントのミニマム集合とは、コンポーネントがすべて同じ
共通ターミナルに接続されているものとして特徴づけら
れる。もしこの条件が満たされるなら、この集合に対し
ては何の補足的処理も行なわれない。
逆の場合には、電位差の検出がまだ行われていない疑わ
しい初期集合EPRiのコンポーネントのターミナルでの電
位差の検出に進む(ステップ141−142)。可能なこれら
の検出に基づいて、新しい推定が行われ(ステップ14
3)、多分、別の疑わしい初期集合のコンポーネントが
導かれる。
本発明の装置の正確な使用例を、第14図ないし第17図に
言及しながら、電子回路という特定の場合についてより
詳しく説明する。
第14図に示された修理対象の電子回路CIは、複数のコン
ポーネントから構成されているが、それらのコンポーネ
ントの特性は付記1に定義されている。抵抗とコンデン
サに関しては、それらのコンポーネントの数値が示され
ている。ダイオードとトランジスタに関しては、会社名
と、その会社により市場に出される際の型番が示されて
いる。
回路CIで電位差を検出するために選択された時間間隔は
0ないし40マイクロセカンド間であり、0.1マイクロセ
カンド毎にサンプリングされる。故障コンポーネントは
コンデンサC1である。
この回路を起動することができる試験スタンドBANは50
オームの抵抗RIに接続されたパルス発生器EPを有してお
り、前記時間間隔にわたり矩形波形を供給する。
簡略化のため、ここでは作動アルゴリズムの進行を主に
説明し、各種プレシジョン・ブラケット、アンサーティ
ンティ・ブラケットおよび推定アンサーティンティ・ブ
ラケットの数値については、あるものについてだけ述べ
る。
ここでの検出物理量は電位差であるが、それにはもちろ
ん、電流の強さを検出できるプローブを備えることでき
るという条件がついている。そこで、推定される数値は
電流の強さおよび電位差である 試験の開始にあたっては、それまでいかなる電位差も検
出されていないので電位差は分かっていない。それで、
検出グリッドMSEの選択は第二と第三の下位基準に従っ
て行なわれ、3つの受動コンポーネントR2、C1およびR3
からなるグリッドM1の選択に到達する。
選択コンポーネントCPSは抵抗R2であり、そのターミナ
ルaとbの間の電位差V(R2,a,b)が検出される(ステ
ップ12)。
このようにして検出された電位差、抵抗のモデル、そし
てモデル記憶装置に格納されている一般法則に基づい
て、この抵抗の2つのターミナルにおける電流I(R2,
a)およびI(R2,b)、およびこの同じ抵抗のターミナ
ルbとa間の電位差V(R2,b,a)が推定される。
処理過程のこの段階では、数値記憶装置に格納されたデ
ータによって物理量を推定することはそれ以上不可能な
ため、もう1つのグリッドを選択して電位差を検出する
必要がある。既に分かっている電位差の数はグリッドM1
において最大であるので、そのグリッドが再び選択され
る。
今度は、選択コンポーネントCPSはコンデンサC1であ
り、そのターミナルbとaとの間で電位差が検出され
る。ここで、この電位差の検出は以前の検出の際と同じ
回路動作条件、すなわち、回路を始動させた瞬間(0マ
イクロセカンド)から40マイクロセカンド後の間に行な
われることに注意されたい。
この電位差に基づいて、次のものが順次推定される: ・ ターミナルaとb間の電位差V(C1,a,b)、次い
で、 ・ ターミナルaの電流I(C1,a);次いで、 ・ ターミナルbの電流I(C1,b);次いで、 ・ トランジスタQ1のベース電流I(Q1,b)、これは、
抵抗R2のターミナルbでの推定電流およびコンデンサC1
のターミナルaでの推定電流に基づき、節点N2における
合計電流ゼロの条件を重ねて、推定される;次いで、 ・ 抵抗R3のターミナルaとb間の電位差V(R3,a,
b)、この推定は、先に検出された2つの電位差に基づ
いてなされるが、10.2μsの時点で推定されるそのアン
サーティンティ・ブラケットはおよそ(4.848;4.969)
となる;次いで、 ・ 抵抗R3のターミナルaでの電流I(R3,a);次い
で、 ・ 抵抗R3のターミナルbでの電流I(R3,b);そし
て、次いで、 ・ 回路の節点Nrにおけるゼロ電流の仮定に基づいて推
定されるトランジスタQ2のコレクタの電流I(Q2,c)で
ある。
推定のこの段階で、トランジスタQ2のコレクタの電流に
関し、4つの連続サンプリング時点、すなわち16.4μ
s、16.5μs、16.6μs、16.7μsにわたって互いに素
な2つのブラケットが現れる(FD1)。
共通元のないこれらブラケットのうち第一のものは推定
アンサーティンティ・ブラケットであり、その確立に寄
与したコンポーネントグループは、トランジスタQ2、抵
抗R3、抵抗R2およびコンデンサC1からなる。例として、
16.4μsの時点で推定されたアンサーティンティ・ブラ
ケットはおよそ(−0.03A;−0.006A)の値である。
ブラケットの第二のものはトランジスタQ2のモデルに含
まれる参照ブラケットであり、そのコレクタ電流がプラ
スでなければならないことを記述している。即ち、ブラ
ケット[−10-4A,−∞[である。もちろん、この参照ブ
ラケットの起源はトランジスタQ2だけであり、この参照
ブラケットの確立に寄与したコンポーネントの第二グル
ープを構成すると言えるのは、トランジスタQ2だけであ
る。
それゆえ、上記コンポーネントの二つのグループの組み
合せから導かれる疑わしいコンポーネントの初期集合EP
R1はトランジスタQ2、抵抗R3、抵抗R2およびコンデンサ
C1からなっている。
ここで処理手段はこのコンポーネントの初期集合EPR1を
分析しなければならないが(ステップ14)、その前に、
推定メカニズムにより抵抗R3のターミナルbとa間の電
位差V(R3,b,a)の推定13も可能である。
このコンポーネントの初期集合EPR1を分析すれば、この
集合の4つのコンポーネントのすべてが同じターミナル
に接続されてはおらず、ここではミニマムコンフリクト
を扱っているわけではないことが明らかになる。それ
で、この集合のコンポーネントのうちどれがそのターミ
ナルの電位差がまだ検出されていないのか調べなければ
ならない。関係するコンポーネントはコンポーネントR3
とQ2である。抵抗R3が受動コンポーネントであるため、
そのターミナルでの電位差が優先的に検出され、それは
ステップ142においてターミナルbとa間で実施され
る。
これ以降、次のものが順次、推定される。すなわち: ・ 抵抗R3のターミナルaとb間の電位差V(R3,a,
b); ・ その抵抗のターミナルaでの電流I(R3,a)、この
推定は抵抗のモデルを使用してなされる;次いで、 ・ ターミナルbでの電流I(R3,b);そして最後に、 ・ トランジスタQ2のコレクタ電流I(Q2,c)、この推
定は、やはり、コンデンサC1のターミナルbでの電流、
抵抗R3のターミナルbでの電流、および電流は節点N4で
ゼロであるという事実、を用いてなされる。
ここで、抵抗R3のターミナルにおける電位差V(R3,a,
b)に関して、10.2μsの時点で、ほぼ(4.870;4.962)
となる第二の推定アンサーティンティ・ブラケットが得
られることが当業者には理解されるであろう。実際、こ
の値はコンデンサC1のターミナルでの電位差の検出に基
づいて以前に既に推定されている。しかし、これら2つ
は互に素ではないので、処理手段は疑わしいコンポーネ
ントの初期集合が存在するという結論を出さない。10.2
μsの時点における2つのブラケットの論理積ブラケッ
ト(4.870;4.962)は、次いで、数値記憶装置に格納さ
れ、後に比較がなされる際にこの物理量に優先的に割り
当てられ、また、他の推定のために推定メカニズムによ
り用いられる。
他方、トランジスタQ2のコレクタ電流に関する限り、別
の推定アンサーティンティ・ブラケットが得られ(FD
2)、それを再びモデルの参照ブラケットと比較する
と、2つのサンプリング時点にわたって論理積が空であ
ることが明らかになる。
それで、処理手段は、トランジスタQ2、コンデンサC1お
よび抵抗R3から構成される、コンポーネントの第二の初
期集合EPR2が存在するという結論を出す。
2つの初期集合EPR1とEPR2の論理積は初期集合EPR2に帰
する。それで、この段階では3つのコンポーネントQ2、
C1、R3のどれが誤動作しているか見分けることができな
いので、処理は続けられなければならない。
初期集合EPR2を分析するステップ14が実行され、この初
期集合の3つのコンポーネントはすべて節点N4に接続さ
れており、この初期集合はミニマムコンフリクトを反映
していることが示される。それで、この初期集合につい
ては、これ以上、電位差は検出されない。
第一のメカニズムにより選択される次のグリッドはコン
ポーネントR1、Q1およびR2により構成されるグリッドM2
である。なぜなら、グリッドM1を別として、既に判明し
ている電位差の数が最大なのはグリッドM2だからであ
る。
選択コンポーネントCPSは抵抗R1であり、そのターミナ
ルbとaの間で電位差の検出12が実施される。
検出されたこの物理量に基づいて、続いて次のものが推
定される、すなわち: ・ ターミナルbとa間におけるこの抵抗のターミナル
電圧V(R1,b,a); ・ ターミナルaでの電流I(R1,a)およびターミナル
bでの電流I(R1,b)、これらの推定には抵抗モデルを
使用する; ・ この電源ALIMのプラスのターミナルでの電源電流I
(ALIM+)、この推定は回路の節点N3でのゼロ電流の法
則、および抵抗R1、R2およびR3のそれぞれのターミナル
aでの推定電流I(R1,a)、I(R2,a)、I(R3,a)を
用いる; ・ 電源のマイナスターミナルでの電流I(ALIM−);
そして、 ・ トランジスタQ1のベース/コレクタ電圧V(Q1,b,
c)、この推定は、抵抗R1とR2のターミナルで検出され
た電位差を知り、また、グリッドM2に沿う電位差の和が
ゼロとなる法則を用いてなされる。
その他の推定は不可能なので、電位差が検出されるター
ミナルを有する別のコンポーネントを選択する必要があ
る。
それで、選択されるグリッドはグリッドM3であり、それ
はトランジスタQ1、抵抗R4、トランジスタQ2およびコン
デンサC1から構成されている。
選択コンポーネントは抵抗R4であり、そのターミナルa
とbの間で電位差が検出される(ステップ12)。
この後、次にものが順次推定される、すなわち: ・ この抵抗のターミナルbとaの間の電位差V(R4,
b,a);次いで、 ・ この抵抗の2つのターミナルにおける電流; ・ トランジスタQ1のコレクタ電流I(Q1,c)、この推
定は、抵抗R4とR1のターミナルaとbでの電流、および
節点N1でのゼロ電流の法則を用いることによりなされ
る;そして、 ・ トランジスタQ1のエミッタ電流I(Q1,e)、この推
定は、このトランジスタのコレクタ電流、このトランジ
スタのベース電流およびこのトランジスタの3つのター
ミナルの接合点のレベルでのゼロ電流を規定する法則に
基づいてなされるが、そのために、トランジスタQ1のベ
ース電流が、抵抗R2のターミナルbでの電流、コンデン
サC1のターミナルaでの電流、および節点N2でのゼロ電
流を規定する法則に基づいて推定されるという点に注意
すべきである。
次いで、トランジスタQ1のこのエミッタ電流に関して第
一の推定アンサーティンティ・ブラケットが得られ、こ
れを、この電流がマイナスでなければならないこと規定
するモデルの参照ブラケットと比較することにより、論
理積が空であることが示される。従って、トランジスタ
Q1、抵抗R1、抵抗R4、抵抗R2およびコンデンサC1から構
成される、疑わしいコンポーネントの第三の初期集合EP
R3が得られる。
指針として述べれば、コンフリクトは10μsと10.1μs
の時点で現れ、第一の推定アンサーティンティ・ブラケ
ットはこの最後の時点ではおよそ(0.02A;0.05A)とな
る。
得られた3つの初期集合を比較すると(ステップ2)、
論理積は単一のコンポーネント、即ち、故障コンポーネ
ント(ここではコンデンサC1)に帰着することが分か
り、誤動作は一つしかないという仮定に基づけば、診断
プログラムは終了する。
このように、電位差の2つの検出を行なうだけで第一の
疑わしいコンポーネトの初期集合を得ることができ、コ
ンデンサC1が故障コンポーネントであることを示す診断
を提出するためには全部で5つの電位差を検出する必要
があるだけであることが当業者には理解されるであろ
う。
自動化された意思決定メカニズムを用いることは特に有
利ではあるが、ここに述べられた試験装置では、例え
ば、容易なケースの場合、又は調査対象の誤動作に関し
て既に予め見解を有している場合、物理量を検出するコ
ンポーネントを利用者自身で選択することもまた可能で
ある。その場合、一連の処理は、特に推定メカニズムお
よびブラケットの比較に関しては、上に説明したものと
類似したものとなる。
利用者は特別な基準、例えば、試験対象のコンポーネン
ト・ネットワークに特に関連する基準、又はグリッドを
任意に選択することに代わる基準を付加することにより
自動意思決定メカニズムを修正することもできる。
2つのブラケットの比較が可能な物理量の1つとして、
ダイオードのような半導体の接合点を通過する電流の強
さや、又は抵抗のようなターミナルでの電位差を挙げる
こともできることに注目すべきである。
更に、本装置は、コンポーネントの誤動作に関するコン
ポーネント式(故障モデル)を用いることと両立しない
わけではない。そのような故障モデルは、例えば、コン
ポーネントの正常動作に関するモデルに基づいて得られ
る診断を確認し、改善するため用いることができる。
次に、本発明の装置の別の実施例を説明するが、それは
装置によって推定される電流式のセットに関して、電子
回路の共通ターミナルでの合計電流の推定ゼロ値を考慮
に入れた条件の試験に基づく作業アルゴリズムを用いる
ものである。
プレシジョン・ブラケット、推定アンサーティンティ・
ブラケットおよび参照ブラケットの使用は、この条件の
試験と両立しないわけではないが、ここではこれらのブ
ラケットを使用しない簡略な手続き説明するにとどめ
る。それにより、以下に示されるように、モデルのコン
ポーネント式が単純化される。
この実施例において、約100個のコンポーネントに適用
するためには、1.44メガバイトの大容量記憶装置と約1
メガバイトの中央作業記憶装置で十分である。
本装置の作用を、特に第18図と第19図を用いて、一般的
に説明する。
この実施例において用いられる基本原理の一つは、共通
の観察節点に接続されたコンポーネントの集合の各コン
ポーネントのターミナル間で検出される電位差に基づい
て、またそれぞれの動作を記述する機能モデルに基づい
て、電流式を決定するという点にある。ただし、以下に
示されるように、モデルは誤動作を表す場合もあり、正
常動作を表す場合もある。
ステップ30で、利用者はコンポーネントの1つの集合に
共通なターミナルBCを選択する。このターミナルの選択
は利用者の任意である。もし利用者が修理対象回路を熟
知しているか、又は動作モードを知っていれば、疑わし
いと考えられるコンポーネントが接続されている第一の
共通ターミナルを選択するのが賢明である。しかし、も
し誤動作の出所に関して何の予備概念もないか、回路の
動作モードを知らない場合、第一の共通ターミナルを無
作意に選択し、次いで、必要な場合には装置により案内
されながら、一歩ずつ進んで、診断を確立することがで
きる。
第一のプローブA0を共通ターミナルBCの領域に置き(ス
テップ31)、第二のプローブA1をこの共通ターミナルに
隣接するターミナルBCViに置く(ステップ32)。
ステップ33において、利用者は、例えば測定の時間基点
と幅を定める、検出パラメータを設定する。言い換える
と、ターミナルBCとターミナルBCVi間の電位差の検出の
ための時間間隔ITを定義する。これら各種パラメータは
数値オシロスコープのような検出エレメントにおいて直
接設定されるか、又はプローブ手段とディジタル化手段
が例えば装置に一体化されている場合には、キーボード
によってシステムに入力できる。
次のステップ34で、利用者は、ターミナルBCとターミナ
ルBCVi間に接続されたコンポーネントをキーボードを用
いて指定する。利用者はキーボードのこの目的のための
専用キーを用いるようにすることもできるが、それら専
用キーには、例えば抵抗はR、トランジスタはQのよう
に表示することができる。また、電子回路図におけるコ
ンポーネントの参照番号を数値キーを用いて指定するこ
ともできる。
次にステップ35で、利用者は電位差の検出そのものを開
始し、これが処理手段によって実行される一連のオペレ
ーションの開始となる。
既に説明した実施例と類似の方法により、各電位差に対
応するアナログデータが、操作可能なディジタル化手段
MNCによりディジタル化され、処理手段に渡される。処
理手段は、記憶装置MM1にこれらの情報を記憶すること
ができ、回路の描写を考慮しつつ、その後の処理のため
にそれを特徴付けることができる。この目的のため、例
えば一時的ウィンドウ(temporal window)、立上り時
間(temporal rising front)、周波数、そして、これ
らの特徴を回路の対応するコンポーネントに指定するこ
とができる(電子回路図に記入されるような)マーク、
を定義することができる。
処理手段がそのような検出の有効性(バリディティー)
を確証することができれば有利である。この目的のため
に、特に指定コンポーネントの機能モデル37を使用す
る。それで、そのコンポーネントのモデルによれば、電
流式を確立するためには電位差の時間導関数を考慮に入
れることが必要であり、同時に検出のために選択された
サンプリング時間ではこの導関数を十分な精度で得られ
ないということが示されれば、処理手段は、正確な電流
式を導き出すことができないので、その検出は無効であ
る(ノン・バリッド)と判断することができる。この場
合、ディジタル化手段MNCは制御可能であるため、利用
者がサンプリング率を修正すべきである旨の指示を装置
のスクリーンMAF上に表示し、利用者の注意を喚起する
ことができる。
ここで、検出は処理手段により有効と判断されていると
仮定する。
次に、ステップ36で、処理手段は、検出された電位差に
対応する電流式を、関連するコンポーネントの上記時間
間隔ITにわたる機能モデルから決定する。一般的に、こ
のモデルはコンポーネントの正常動作を表すものでも良
いし、または誤動作を表すものでも良い。モデルが記憶
装置に格納されている限り、いずれのモデルを用いるか
は利用者の評価に委ねられる。
双極型のコンポーネント(例えば抵抗、コンデンサ)に
関する限り、正常動作モデルは、電流−電圧パラメータ
の成立を規定する物理法則の転用である。
その他のタイプのコンポーネントについては、モデル
は、むしろ、満たすべき制約式の集合に対応するもので
ある。
機能モデルの詳細な例は以下に述べられる。しかし、こ
の場合も、所定の電子コンポーネントに対し複雑さの異
なる複数の機能モデルの割り当てが可能であることをこ
こで述べておくことができる。それで、装置は、例えば
まず簡単な機能モデルを使用することができ、次にもし
診断が明らかに予期されない結果を導くか、又はいかな
る結果をも導かないならば、より複雑なモデルを使用す
ることができる。
処理手段により電流式が推定されると、それは診断の目
的のために記憶装置に格納される。
引き続いて、次のステップ38において、利用者は共通タ
ーミナルBCに接続された別の隣接ターミナルにプローブ
A1を置き、装置はステップ34と36を順次再実行する。
処理手段が調査対象回路内の共通ターミナルを記憶し、
また、それに接続されたコンポーネントを識別できるの
は有利であることに注目されたい。そうすれば、手続き
の進行とともに、だんだんとその回路の描写を作り上げ
て行くことができる。更に、これにより、既に計測され
ているコンポーネント又はターミナルに関する限り、利
用者が手順毎に同じデータを再入力する必要がなくな
る。
すべての隣接ターミナルが処理されると、装置は診断ス
テップ39に進む。その一般的原則は、共通ターミナルで
の合計電流がゼロ値であるという仮定を考慮する条件を
試験することであり、この試験は時間間隔ITの各時点に
ついて電流式の集合に対し処理手段により実行される。
これにより、この共通ターミナルに接続されたコンポー
ネントの機能に関する第一の指標を得ることができる。
一般的に、上記条件の試験は代数値と参照値とを比較す
ることである。より正確には、少なくとも電流式の一部
がいわゆる代数的電流値である場合には、電流式の集合
の試験はこれら電流値の代数和からなり、次いでそれが
参照値と比較される。例えば、この代数和がプラスかマ
イナスかを試験することができる。
電流式のすべてがいわゆる代数値の場合には、すべての
電流値の代数和が許容誤差の範囲内でゼロに等しいか異
なるか試験される。
幾つかの場合が生じ得る。
共通ターミナルに接続された各コンポーネントに関する
各電流式がコンポーネントの正常動作を表す機能モデル
から得られる場合、そして共通ターミナルでの合計電流
がゼロ値と仮定されることを考慮する条件が満たされる
場合(例えば、全電流値の代数和がゼロである場合)、
第一の指標は、共通ターミナルに接続された複数のコン
ポーネントが個別に誤動作するにもかかわらず、この共
通ターミナルに接続された全コンポーネントの集合が総
体的には正常動作モードであることを表しているのかも
しれない。
他方、合計電流がゼロ値であると仮定されていることを
考慮する条件の試験の結果が否定的であるならば(例え
ば、全電流値の代数和がゼロでない場合)、上記第一の
指標は共通ターミナルに接続された少なくとも1つのコ
ンポーネントが誤動作し、これらコンポーネントの集合
も総体的に誤動作モードであることを示しているかもし
れない。
コンポーネントの誤動作を表す機能モデルを使用するこ
とが可能であることを先に考慮した。この場合、一つの
電流式が共通ターミナルに接続されたコンポーネントの
誤動作を表す機能モデルから得られ、他のコンポーネン
トに関する他の電流式はそれぞれ正常動作を表す機能モ
デルから得られ、そして共通ターミナルでの合計電流が
ゼロ値となると仮定した条件が満たされる場合には、上
記第一の指標は、誤動作モデルを用いたコンポーネント
が実際に不良であることを意味している。
他方、もし上記条件の試験の結果が否定的であるならば
(ゼロ値条件が満たされない場合)、誤動作モデルが用
いられたコンポーネントは(この共通ターミナルに接続
された他のコンポーネントが良品であるという条件のも
とで)、この誤動作について「無罪宣告」される。そし
て、その他のコンポーネントの誤動作モデルを1つずつ
順次に採用して調査が続けられなければならない。
ここで、「コンフリクト」、「アリバイ」および「キャ
ンディデート」の概念を再定義し、また導入することが
有益である。これらの概念を定義するために、共通ター
ミナルに接続された全コンポーネントに関して正常動作
機能モデルが用いられるという仮説を採用する。
共通ターミナルにおいて合計電流がゼロ値であると仮定
する条件が選択された共通ターミナルでは満たされない
場合、この共通ターミナルにおいて検出値と正常動作の
仮説との間にコンフリクトが存在する。言い換えると、
使用されたモデルのうち少なくとも1つは証明されない
ことになる。
この条件の試験結果がそれと異なる場合、全コンポーネ
ントは良品であるか、その内の少なくとも2つが補償し
合う誤動作モードであることを意味していることを上で
考慮した。言い換えると、選択された共通ターミナルに
関し、あるコンポーネントは、もし他のすべてのコンポ
ーネントからなるグループが良品と仮定され(又は立証
され)るならば、「無罪宣告」されることになる。同様
に、あるコンポーネントについて、もし共通ターミナル
に接続された他のコンポーネントのグループのうち少な
くとも1つのグループにおいて欠陥があると考えられる
場合にのみ、そのコンポーネントは故障していると考え
られる。こうして前記コンポーネントグループは、考慮
の対象となっているコンポーネントに対して「アリバ
イ」を形成することが容易に理解される。
言い換えると、ここでも、「コンフリクト」とは、コン
ポーネントの集合であって、それに属する少なくとも1
つのコンポーネントが誤動作モードである集合として構
成される。
「キャンディデート」とは全コンフリクトの論理積であ
る集合を言う。アリバイを有するコンポーネントは、そ
のアリバイの要素の少なくとも1つがキャンディデート
に含まれている場合にのみキャンディデート集合に属す
るので、アリバイにより多分、可能なキャンディデート
を制限できることになるであろう。
こうして、合計電流がゼロ値であると仮定する条件の試
験が行なわれると(ステップ391)、処理手段はコンフ
リクトとアリバイを処理して(ステップ392)、キャン
ディデートを決定する(ステップ393)。
全ターミナルが(上記に定義された意味で)「観察可能
な」場合、最大多数のコンフリクトが検出可能であり、
可能なキャンディデートの数が最少となる。
そうでない場合、可能なキャンディデートの数の増加が
起こり得、診断範囲が修理対象回路の一部だけに減少し
得る。
診断作業が実行された時、利用者はそれを表示するか表
示しないかを要求することができる(ステップ40)。例
えば、もし、共通のアースターミナルにプローブA0を接
続しているので診断表示は役に立たないと利用者が考え
るならば、表示を必要としない立場にあることになる。
他方、この第一の一連の検出作業中に記憶されたデータ
は調査を続ける際に装置にとって有用となるであろう。
次いで、利用者は別の共通ターミナルを選択し(ステッ
プ42)、一連の作業が上記のように続けられる。
もし診断の表示が要求され、利用者がそれを満足すべき
ものと判断すると(ステップ41)(診断の表示は、例え
ば、ただ一つのキャンディデートのコンポーネントを有
効に表示するかもしれない)、調査は終了する。
表示された診断によりキャンディデートの集合が明らか
にされる場合、利用者は別の共通ターミナルを選択して
(ステップ42)、キャンディデートの数が減少するまで
一連の作業を繰り返すことができる。この別の共通ター
ミナルを最初の共通ターミナルに隣接するターミナルか
ら選択するのは有利である。この第二の検出の集合によ
り第二の共通ターミナルに接続されたコンポーネントの
集合に関して第二の指標が与えられる。第一の指標と第
二の指標を組み合わせることにより、例えば第一と第二
の共通ターミナル間に接続されたコンポーネントの機能
に関する指標を提供することによって、診断を表示する
ことができるだろう。
もしその回路が明らかに誤動作しており、診断の表示が
いかなるキャンディデートをも明らかにしないなら、そ
の結果は不満足なものと考えられる。これは、例えば、
使用したモデルが十分正確なものではなかったことを意
味するかもしれない。それで、利用者は利用可能な、よ
り複雑なモデルを用いることを主張し、新たな調査を命
じることができる。
もしその結果が依然として不満足であるならば、利用者
は回路設計を問題にするか、又はモデル化されない、純
粋に電気的なもの以外の側面(例えば、熱的な側面や漂
遊結合など)を考えることになるかもしれない。これは
専門家の特権である。
これに関して、本発明の装置は利用者に別の可能性を提
供する。実際、装置の会話的手段により、利用者は自分
自身でコンポーネントの正常動作と誤動作のモデルを作
り出して、モデルライブラリを増加させることができ
る。
それで、この装置にはかなり使用上の融通性があること
にも当業者は注目できるであろう。修理対象回路につい
て事前の記述を必要としないし、利用者はその詳細を知
らなくてもよいし、その誤動作の症状をさえ知らなくて
も良い。更に、検出されるコンフリクトは議論の余地の
ないものである。即ち、コンフリクトに属するコンポー
ネントの少なくとも1つは故障していることが確かなの
である。
次に、本装置の正確な使用例を、特に第20図ないし第43
図に言及しながら、特定の場合について説明する。
第20図の回路CIは第14図のものに類似している。第14図
の回路では簡略化のために取り除かれていたダイオード
D2が、ダイオードD1の陽極とトランジスタQ2のコレクタ
の間に挿入されている。このダイオードD2はダイオード
D1と同じものである。他方、電源ALIMは表示されていな
い。
回路はすべて観察可能な7つのターミナルN1ないしN7か
ら構成されている。選択される時間間隔は0と20マイク
ロセカンドの間として構成されている。試験スタンドBA
Nにより発生された鋸歯形状の波形DPEIが第21図に描か
れている。故障コンポーネントはこの場合もコンデンサ
C1であり、それは切断されている。
回路CIの2つのトランジスタQ1とQ2は、ベースから見た
(第22図)入力電流Ib、コレクタから見た入力電流Icお
よびエミッタから見た出力電流Ieを伴うNPNトランジス
タである。ベースとエミッタ間の電圧Vbe=Vb−Veが0.6
ボルト以上である時、コレクタ電流Icはプラスであり、
βが電流利得を表すとすれば、ベース電流Ibのβ倍であ
る。電圧Vbeが0.6ボルト未満である時、トランジスタは
遮断されてベース電流Ibはゼロとなる。それで、「ラン
ク1モデル」MODQ1と呼ばれる、第一の単純なモデルを
関係式、Ib>0;Ic>0として定義することができる。
ランク1モデルにより満足のゆく結果が得られない場合
には、「ランク2モデル」と呼ばれる、より複雑なモデ
ルMODQ2を使用することができる。このランク2モデル
では、トランジスタの異なる状態に応じて様々なβの値
を定義する。本明細書の意味としては、「電流式」とい
う用語が電流利得をも含み得ることに注意されたい。
回路のダイオードD1とD2のランク1モデルMODD1も、満
たすべき制約式を有するモデルでもある。実際、もし、
ダイオードの陽極Anと陰極K間の電位差VAnKが0.6ボル
ト以上であれば、このダイオードを通過する電流Idは厳
密にプラスである。逆の場合、この電流はゼロである。
回路のコンデンサと抵抗Rのそれぞれに対応するランク
1モデルMODC1およびMODR1(第24図および第25図)は電
流−電圧パラメータの成立を支配する物理法則を単に再
転用しただけである。
ここで、特に第26図Aないし第26図Eに言及して、誤動
作の調査のために利用者により行なわれる様々なステッ
プを説明する。第27図ないし第43図に各ターミナルiと
ターミナルj間の電位差DPijおよび処理手段により決定
された様々な電流式が描かれている。
ステップ61で、利用者はターミナルN1を第一の共通ター
ミナルとして選択し、プローブA0をこのターミナルにあ
てる。プローブA1はターミナルN2にあてられ、キーボー
ドによってトランジスタQ2を指定する。こうして、電位
差DP12が検出される(ステップ62、第27図)。このコン
ポーネントはトランジスタなので、処理が進むにつれ
て、本装置の処理手段は必然的にこのトランジスタのコ
レクタとエミッタ間の電位差を知らなければならない。
それで、利用者にプローブA1をN3にあてるように(ステ
ップ64)との指示が装置のスクリーン上に表示される
(ステップ63)。
ステップ65で、Q2のコレクタとエミッタ間の電位差DP13
が検出され(第28図)、処理手段は、必要に従いモデル
MODQ2を考慮に入れて、Q2に関する電流式を決定するこ
とができる(ステップ66)。ここで、この電流式は実
際、制約式に対応していることを思い出すことができ
る。利用者は共通ターミナルN1に隣接する別のターミナ
ル、例えばN4、にプローブA1をあてることにより作業を
継続し(ステップ67)、トランジスタQ1を指定する。ス
テップ68で電位差DP14が検出され、第29図に描かれてい
る。やはりトランジスタが関係しているので、先の指示
と同じような利用者への指示がステップ69で再び出され
ることになる。この指示に応じて、利用者はターミナル
N5にプローブA1をあて(ステップ70)、電位差DP15を検
出し(ステップ71、第30図)、それにより、処理手段は
やはりモデルMODQ1を考慮して、Q1に関係する電流式を
決定することができる(ステップ72)。
共通ターミナルN1に関する各種の観察がなされる。しか
し、この当該ターミナルがアースターミナルであるた
め、利用者が診断の表示を要求することはない。しか
し、この各種検出により得られたデータは装置に記憶さ
れる。
次にステップ73で、利用者は第一共通ターミナルN1に隣
接するターミナルの集合の中から第2の共通ターミナル
N4を選択する。利用者は第二のプローブA1をターミナル
N6にあて、抵抗R2を指定する。電位差DP46がステップ74
で検出され(第31図)、抵抗R2を通過する電流がステッ
プ75においてモデルMODR1を用いて決定され、第32図に
描かれている。
次に、プローブA1がターミナルN3にあてられ(ステップ
76)、コンデンサC1が指定される。電位差DP43がステッ
プ77で検出され、第33図に描かれている。しかし、コン
デンサモデルには導関数の演算が含まれている。第33図
のカーブDP43は、約10μsにおいて著しい落下を示して
いる。それで、処理手段は、処理に必要とされる精度を
得るには検出ピッチが不十分であると推定する。それ
で、約10μsの前後で検出を拡張するようにとの指示が
ステップ78で利用者に与えられる。それで、利用者は、
ターミナルN3にプローブA1を置いておき(ステップ7
9)、サンプリング時点間の間隔を減少して電位差DP43
を再検出する(ステップ80、第34図)。次いで、処理手
段は、モデルMODC1を用いてコンデンサC1を通過する電
流を決定することができる(ステップ81、第35図および
第36図)。
第二の共通ターミナルN4に関する1セットの測定が行な
われた時、利用者はステップ82で診断の表示を要求す
る。これは処理手段により行なわれ(ステップ83)、よ
り詳細には付記2に説明されている。
この付記では、ランク2モデルを使用することにより得
られ、将来あり得る使用のために装置に記憶されていた
トランジスタQ1とQ2の電流式が呼び出されている
((I)および(II)。共通ターミナルN4での診断(II
I)は、このターミナルに入って来るか、又は出て行く
電流のゼロ代数和(III.1)に反映されている。
事実、トランジスタに使用される正常動作モデルは、こ
こでは、ランク1モデルであり、式(III.2)に反映さ
れている。この式では、トランジスタQ1のベース電流が
マイナスかゼロであることに注目れたい。これは、この
電流の方向がターミナルN4から見たものであって、トラ
ンジスタQ1から見たものではないためである。それで、
式(III.1)は不等式(III.3)に帰する。
次いで、処理手段は、ベース電流IbQ1(III.4)の一連
の数値を決定する。これから次にトランジスタQ1のベー
ス電流が10μsと10.02μs間で厳密にプラスとなるこ
とが分かる(III.5)。それゆえ、コンポーネントQ1、R
2およびC1間でコンフリクトが発生し、これはステップ8
4で装置によって表示される。
トランジスタQ1に関してランク2モデルが使われるとす
れば、このトランジスタのコレクタ電流IcQ1は次の式に
よって決めなければならないであろう: IcQ1=IR1+IR4 また、ベース電流IbQ1は、次式により電流利得を用いて
決めなければならないであろう: IbQ1=IcQ/β 誤動作の調査を続けるために、利用者は第三の共通ター
ミナルとして、第二の共通ターミナルN4に隣接するター
ミナルの1つであるターミナルN3を選択する。ステップ
85ないし96で、利用者はこの第三の共通ターミナルに隣
接するターミナルの集合を調査する。各種電位差DP3jお
よびそれに対応する電流式が第37図ないし第43図で説明
される。ダイオードD2に関する電流式は関係式(IV)と
して付記3に示されている。
次に、利用者はステップ93でこの共通ターミナルN3に関
連する診断表示を要求する。この診断において(ステッ
プ98および付記3の関係式(V))、ターミナルN3での
合計電流がゼロ値であるという仮定条件の試験は、この
ターミナルに入って来る電流とターミナルから出て行く
電流の代数和がゼロであることに反映されている。しか
し、トランジスタQ2のコレクタ電流はターミナルN3から
見てマイナスでなければならないので、これは式(V.
3)に帰着する。時間間隔0;20μsの範囲に対する関係
式(V.4)のセットから、トランジスタQ2のコレクタ電
流は14μsと14.3μs間で厳密にプラスとなることが分
かる(V.5)。それゆえ、コンポーネントQ2、R3、C1お
よびD2間のコンフリクトが生じ、これはステップ99でス
クリーン上に表示される。処理手段は、2つのコンフリ
クト84および99の論理積を得ることにより、故障キャン
ディデートはコンデンサであることを導き、それをステ
ップ100で表示する。
このように、本装置は誤動作の位置を融通性のあるすば
やい方法で確認することができた。しかも利用者が回路
の機能モードを全く知らないのにである。
本発明のこの装置の利点は、既に述べたものの他に、次
の通りである。
・ 回路の診断は継続的に観察できる誤動作に限定され
ることなく、例えば長さの調製が可能な時間間隔にわた
って診断することにより、例えば過渡的な状態の時に誤
動作が現われるのを示すことができる; ・ コンポーネントのネットワークの公称の動作の記述
や機能モードの記述を必要とせず、誤動作の症状の記述
さえ必要でない; ・ 発生し得るネットワークの誤動作について、事前の
記述を用意しておく必要がない; ・ ディジタルモデルを用いることにより検出可能な誤
動作の探索範囲が改善され、誤動作はネットワークの動
作にかなりの変動をもたらすに違いないという仮説を取
り除くことができる; ・ 構造の変化(例えば回路の短絡)に起因する誤動作
や、製造上の欠陥(例えばコンポーネントの間違い)を
他の誤動作と同様に扱うことができる; ・ もちろん、本装置は複数の誤動作を識別することが
できる; ・ コンポーネントモデルならびに一般法則式は、測定
不可能な値であっても推定できるものは含むことができ
る。
一般的に、電子回路の場合、アクセスできるのは電位差
の測定だけである。今まではこの制約のために、観察さ
れる現象を分析することは非常に困難であるとされ、
又、誤動作の位置の確認やそのための調査の継続を可能
にする理論仮説を統合することの困難さが強調されてき
た。それが、驚くべきことに、本発明によれば、適切な
手順に従うことによって電位差を測定するだけで問題が
解決されることが示された。
最後に指摘したい点は、上に説明された本発明の装置は
電子の分野に適用するのは有利であるが、その他の分野
にも適用できることである。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請
求の範囲内でのすべての変形が含まれるものである。
例えば、実施例では電流値が推定されたが、電流利得の
ような電流式を推定することもできる。あるいは、別の
適切なモデルと法則式を用いて他の物理量を推定するこ
ともできる。
もちろん、変形例において上記に記載された手段のある
ものが必要無い場合には、それを省くことができる。
付記1 抵抗 R1:1キロオーム 抵抗 R2:10キロオーム 抵抗 R3:1キロオーム 抵抗 R4:10キロオーム 抵抗 R5:10キロオーム コンデンサ C1:2ナノファラッド ダイオード D1:参照型番 1N4148テキサス・インスツ
ルメント社製 トランジスタQ1:参照型番 2N2222Aテキサス・インスツ
ルメント社製 トランジスタQ2:参照型番 2N2222Aテキサス・インスツ
ルメント社製 付記2 μs:マイクロセカンド、μA:マイクロアンペア、A:アン
ペア (I)Q2の電流式 Ib=0 0ないし10μs 30<β<300 10ないし14μs Ib=0 14ないし20μs (II)Q1の電流式 0<β<30 0ないし20μs (III)N4での診断 (III.1):IbQ1+IR2+IC1=0 (III.2):IbQ1=<0 (III.3):−IR2−IC1=<0 (III.4): IbQ1=−(434.45μA+0) 0ないし10μs IbQ1=−(434.43μA−1.2A) 10ないし10.02μs IbQ1=−(434.43μA+0) 10.02ないし(14−ε)μ
s IbQ1=−(434.30μA+15000μA) (14+ε)μsま
で IbQ1=−(434.24μA+27000μA) 14.03μsまで IbQ1=−(434.43μA+0) 16ないし20μs (III.5):IbQ1>0 10μsないし10.02μs間 付記3 μs:マイクロセカンド、mA:ミリアンペア (IV)D2の電流式 ID2=0 0ないし10μs ID2>0 10ないし14μs ID2=0 14ないし20μs (V)N3での診断 (V.1):IcQ2+IR3+IC1+ID2=0 (V.2):IcQ2<0 (V.3):−IR3−IC1−ID1=<0 (V.4): IcQ2=−(0+0+0) 0ないし(10−ε)μs IcQ2=−(4.5mA+0+ID2)かつID2>0 10μsまで IcQ2=−(4.5mA+1.2+ID2)かつID2>0 10.02μsま
で IcQ2=−(4.5mA+0+ID2)かつID2>010.03ないし14
μs IcQ2=−(0−27mA+0) 14.3μsまで IcQ2=−(0+0+0) 14.5ないし20μs (V.5):IcQ2>0 14μsないし14.3μs間
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の装置のブロック図、 第2図は、本発明の装置の特別な一実施例の略図、 第3図ないし第7図は、異なる機能モデルを説明した
図、 第8図は、本発明の装置の概略的フローチャート、 第9図は、第8図のフローチャートの一部の概略的作業
フローチャート、 第10図は、第8図のフローチャートを更に詳細に示した
もの、 第11図ないし第13図は、第10図のフローチャートの部分
を更に詳細に説明したもの、 第14図は、試験対象の電子回路の一例を示した図、 第15図ないし第17図は、第14図の回路という特定の場合
の装置の作業フローチャート、 第18図は、本発明の装置の他の実施例の一般的作業フロ
ーチャート、 第19図は、第18図のフローチャートの一部を詳細に示し
た図、 第20図は、第18図のフローチャートに従って修理される
電子回路の一例を示す図、 第21図は、第20図の回路の駆動に関する曲線を示す図、 第22図ないし第25図は、第20図の回路のコンポーネント
の機能モデルを説明する図、 第26図Aないし第26図Eは、第26図の回路という特定の
場合における装置の使用を示した図、そして、 第27図ないし第43図は、第20図の回路の試験に関する曲
線を示す図、 である。 CI……コンポーネントのネットワーク、 MM……記憶装置、 MIN……インタフェース手段、 MT……処理手段、 CL……キーボード、 MAF……スクリーン、 A0、A1……プローブ、 MM1……数値記憶装置、 MM2……モデル記憶装置、 MM3……データ/命令記憶装置、 UC……マイクロコンピュータ、 DIS……ディスク装置、 OSC……オシロスコープ、 LI……ディジタルバス、 C……コンデンサ、 Q……トランジスタ、 D……ダイオード、 R……抵抗、 N……節点(ノード)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−120485(JP,A) 特開 平3−24483(JP,A) 特開 平1−211935(JP,A) 特開 昭63−231279(JP,A) 特公 平5−21168(JP,B2)

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンポーネントのネットワークを試験する
    ための電子装置であって、 選択された時間間隔においてサンプリング時点を定義す
    る手段、該ネットワークの該コンポーネントの少なくと
    も1つを指定する手段、該コンポーネントの機能状態に
    関する物理量を検出するプローブ、そして選択時間間隔
    内で該物理量のサンプル系列を与えるために該プローブ
    と協働する手段、を有するインタフェース手段; 少なくとも1つの特定の種類のコンポーネントに関する
    物理量に関するコンポーネント式からなる機能モデル記
    憶装置; 同一時間間隔に対応しているがネットワークの異なるコ
    ンポーネントに関連したいくつかのサンプル系列の物理
    量を格納できる数値記憶装置;および、 前記機能モデル記憶装置および前記数値記憶装置と前記
    インタフェース手段とに接続され、また、前記モデルに
    含まれた式、検出サンプル、および前記数値記憶装置に
    格納された数値を考慮して、前記時間間隔にわたる物理
    量の推定からなる処理手続きを実行できる処理手段、 を組み合わせて有する、コンポーネントのネットワーク
    を試験するための電子装置。
  2. 【請求項2】前記機能モデル記憶装置が、更に前記物理
    量間の一般的関係を表す法則式を含み; 前記検出サンプルの少なくとも一部がプレシジョン・ブ
    ラケットとともに前記記憶装置に格納され; 前記機能モデル(MODR10、MODC10、MODQ10)は、少なく
    とも一部はアンサーティンティ・ブラケットを含み; いかなる推定値も前記アンサーティンティ・ブラケット
    と前記プレシジョン・ブラケットの少なくとも一部から
    導かれる推定アンサーティンティブラケットとともに記
    憶装置に格納され;そして、 該記憶装置が、少なくとも一部の前記サンプリング時点
    について、前記コンポーネントの初期集合(EPRi)の寄
    与に基づいて得られた、同一物理量に対する出所の異な
    る第一および第二のブラケットを含む時は、この2つの
    ブラケットを比較して、この初期集合のコンポーネント
    の機能に関する第一情報をそれから引き出す、 ことを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】前記第一および第二のブラケットのそれぞ
    れが推定プレシジョン・ブラケットと推定アンサーティ
    ンティ・ブラケットからなるブラケットのグループに属
    することを特徴とする、請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】前記コンポーネントモデル(MODQ10)の少
    なくとも一部がこれらのコンポーネントに関連する特定
    の物理量に関する少なくとも1つの参照ブラケットを含
    み、また更にブラケットの前記グループが1つあるいは
    複数の該参照ブラケットを含むことを特徴とする、請求
    項3記載の装置。
  5. 【請求項5】サンプリング時点を定義する前記手段が制
    御可能であることを特徴とする、請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】前記モデル記憶装置に含まれた前記コンポ
    ーネント式が、コンポーネントの正常動作を示すもので
    あることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1
    項に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記第一および第二のブラケット(FDi)
    が前記時間間隔の少なくとも有意な部分にわたり互いに
    素である時、前記第一情報がコンポーネントの前記初期
    集合に属する少なくとも1つのコンポーネントの誤動作
    を表していることを特徴とする、請求項2ないし6のい
    ずれか1項に記載の装置。
  8. 【請求項8】2つの互いに素であるブラケットの取得を
    導きしかも所定条件を満足させるコンポーネントの初期
    集合が存在するとき、前記処理が該初期集合の所定コン
    ポーネントに関する物理量の選択的な検出(14)を含む
    ことを特徴とする、請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】2つの互いに素なブラケットの取得につな
    がる2つの異なる前記初期集合が存在するとき、誤動作
    の疑いのある1つあるいは複数のコンポーネント(CD)
    が前記2つの初期集合の論理積に属することを特徴とす
    る、請求項7および8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 【請求項10】論理積が単一のコンポーネント(CD)か
    らなる少なくとも2つの前記初期集合が得られるまで前
    記処理が続けられることを特徴とする、請求項9記載の
    装置。
  11. 【請求項11】前記時間間隔の前記有意部分が所定数の
    連続するサンプリング時点からなることを特徴とする、
    請求項7ないし10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 【請求項12】前記所定数が2以上であることを特徴と
    する、請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】前記第一と第二のブラケットが空でない
    論理積ブラケットを有する時、この論理積ブラケットが
    優先的に前記物理量に割り当てられることを特徴とす
    る、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の装置。
  14. 【請求項14】前記処理手段が、前記コンポーネントの
    少なくとも一部に対し、該コンポーネントに関してそれ
    ぞれ既に検出された物理量と異なる種類の物理量と該コ
    ンポーネントに関してそれぞれ既に検出された物理量と
    からなるグループに属する少なくとも1つの物理量を推
    定することができ、 更に、この推定値が前記数値記憶装置の少なくとも1つ
    の数値に基づいて得られることを特徴とする、請求項1
    ないし13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 【請求項15】複数の異なる物理量の介在する公式に基
    づいて得られる推定物理量に関して、該公式が異なる各
    物理量を一回だけ含むように定式化されていることを特
    徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の装
    置。
  16. 【請求項16】ネットワーク構造を記憶することができ
    る記憶装置を更に有することを特徴とする、請求項1な
    いし15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 【請求項17】前記処理がネットワークの構造に結び付
    いた意思決定メカニズム(1)のオペレーションからな
    り、該意思決定メカニズムが、各種物理量が検出される
    コンポーネントの選択と順番の決定に関する第一メカニ
    ズム(11)、および該物理量の推定に関する第二メカニ
    ズム(13)からなることを特徴とする、請求項16記載の
    装置。
  18. 【請求項18】前記コンポーネントのネットワークが複
    数のグリッドを有し、前記第二メカニズムが、 選択された種類の物理量を検出したグリッドのコンポー
    ネントに関しては、該コンポーネントの機能モデルおよ
    び該検出物理量のサンプルに基づく、該選択種類とは異
    なる種類の少なくとも1つの物理量の推定;そして 該選択された種類の物理量を検出していないコンポーネ
    ントで、前記グリッドに属するか又は前記グリッドのコ
    ンポーネントに直接接続されたコンポーネントに関して
    は、数値記憶装置に既に記憶され、前記グリッドの少な
    くとも1つのコンポーネントに結び付けられる数値に基
    づいて得られる、選択した種類と同じ種類、又は異なる
    種類の少なくとも1つの種類の物理量の推定; を含むことを特徴とする、請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】前記第二メカニズムが、物理量の他の推
    定のために前記論理積ブラケットを使用できることを特
    徴とする、請求項12と請求項17又は18との組み合わせに
    記載の装置。
  20. 【請求項20】前記コンポーネントのネットワークが複
    数のグリッドからなり、前記第一メカニズムが、少なく
    とも1つの物理量を検出するグリッドの選択に関する第
    一の意思決定基準(110)からなることを特徴とする、
    請求項17ないし19のいずれか1項に記載の装置。
  21. 【請求項21】前記第一の意思決定基準が、各グリッド
    内で既に分かっている物理量の数に関連する第一の下位
    基準からなることを特徴とする、請求項20に記載の装
    置。
  22. 【請求項22】前記第一の下位基準(113)に従って少
    なくとも2つのグリッド(112)の選択が可能な場合、
    前記第一の基準が、このグリッド(112)のコンポーネ
    ント数に関連した第二の下位基準からなることを特徴と
    する、請求項21記載の装置。
  23. 【請求項23】前記第二の下位基準は、コンポーネント
    数が3、4、2の順番に従ってグリッドを優先的に選択
    することからなることを特徴とする、請求項22記載の装
    置。
  24. 【請求項24】前記第二の下位基準に従って少なくとも
    2つのグリッド(115)の選択が可能な場合、前記第一
    の基準が該グリッド(115)のコンポーネントの種類に
    関連する第三の下位基準(116)からなることを特徴と
    する、請求項22および23のいずれか1項に記載の装置。
  25. 【請求項25】選択グリッド(MSE)内では、前記第一
    メカニズムが、このグリッド(MSE)のコンポーネント
    の種類に関連する第二の意思決定基準(119−2)から
    なることを特徴とする、請求項18ないし24のいずれか1
    項に記載の装置。
  26. 【請求項26】前記コンポーネントのネットワークが電
    子回路(CI)であることを特徴とする、請求項1ないし
    25のいずれか1項に記載の装置。
  27. 【請求項27】前記検出物理量が電流式と電位差からな
    るグループに属することを特徴とする、請求項26記載の
    装置。
  28. 【請求項28】前記推定物理量が電流式と電位差からな
    るグループに属することを特徴とする、請求項27記載の
    装置。
  29. 【請求項29】前記第三の下位基準にしたがって選択さ
    れるグリッドは受動コンポーネントの数が最大のグリッ
    ドであることを特徴とする、請求項24と請求項26または
    27との組み合わせに記載された装置。
  30. 【請求項30】前記第二の意思決定基準が、電位差の検
    出を受動コンポーネントのターミナルで優先的に行うこ
    とからなることを特徴とする、請求項25と請求項26また
    は27との組み合わせに記載の装置。
  31. 【請求項31】多数の受動コンポーネントがある場合
    は、電位差が双極子のターミナルで優先的に検出される
    ことを特徴とする、請求項30記載の装置。
  32. 【請求項32】前記初期集合(140)が共通ターミナル
    に接続されたコンポーネントだけから構成されていない
    時、電位差の検出(142)が、該初期集合のまだ検出が
    が行われていないコンポーネントのターミナルで行なわ
    れることを特徴とする、請求項7と請求項26または27と
    の組み合わせに記載の装置。
  33. 【請求項33】前記処理が、 前記回路のコンポーネントの少なくとも一部に関して
    は、そのコンポーネントの1つの第一と第二のターミナ
    ル間の電位差の検出に基づいて、該第二と第一のターミ
    ナル間の電位差の推定、およびこの2つのターミナルの
    各々における電流の推定; 前記ネットワークの節点に1つのターミナルが接続され
    ているコンポーネントであって、該節点にターミナルが
    接続された他のコンポーネントについてはそのターミナ
    ルにおけるそれぞれの電流が既知である、コンポーネン
    トに関しては、該コンポーネントの該ターミナルでの電
    流の推定、そして グリッドに属するコンポーネントであって、該グリッド
    の他のコンポーネントのターミナルにおける電位差が既
    知である、コンポーネントに関しては、該コンポーネン
    トのターミナルにおける電位差の推定、 を含むことを特徴とする、請求項26ないし32のいずれか
    1項に記載の装置。
  34. 【請求項34】前記法則式が、 前記回路の節点における電流の合計がゼロ値であるこ
    と;および、 1つのグリッド上の電位差の和がゼロ値であること、 に基づく少なくとも1つの法則を考慮に入れたものであ
    ることを特徴とする、請求項26ないし33のいずれか1項
    に記載の装置。
  35. 【請求項35】前記2つのブラケットの比較がなされる
    物理量の1つが、トランジスタのエミッタ電流、ベース
    電流およびコレクタ電流、そしてトランジスタの3つの
    ターミナルのうちの2つの間の電位差、のいずれかであ
    ることを特徴とする、請求項26ないし34のいずれか1項
    に記載の装置。
  36. 【請求項36】前記2つのブラケットの比較がなされる
    物理量の1つが、半導体接合点、特にダイオード、を通
    過する電流の強さであることを特徴とする、請求項26な
    いし35のいずれか1項に記載の装置。
  37. 【請求項37】前記2つのブラケットの比較がなされる
    物理量の1つが受動コンポーネント、特に抵抗、のター
    ミナルでの電位差であることを特徴とする、請求項26な
    いし36のいずれか1項に記載の装置。
  38. 【請求項38】前記プローブは前記回路の選択された2
    つのターミナル間の電位差を検出することができ、前記
    指定手段は該ターミナル間に接続されたコンポーネント
    のうち少なくとも1つを指定し; 前記数値記憶装置は、第一の共通ターミナルと該ターミ
    ナルに隣接した各種ターミナル間で検出された、同じ時
    間間隔に対応する数多くの電位差を格納することがで
    き; 前記処理は、該電位差の各々に関する、それに関連する
    コンポーネントの機能モデルから得られる、該時間間隔
    にわたる電流式の推定からなり;そして、 前記処理手段は、該時間間隔の各瞬間における電流式の
    集合について、該第一の共通ターミナルにおける電流の
    合計がゼロ値であるとの仮定を考慮した条件を試験する
    ことができ、この試験により該第一の共通ターミナルに
    接続されたコンポーネントの機能に関する第一の指標を
    与える、 ことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項と
    請求項26との組み合わせに記載の装置。
  39. 【請求項39】電流式の少なくとも一部が電流値であ
    り、前記電流式の集合の試験がこれら電流値の代数和か
    らなることを特徴とする、請求項38記載の装置。
  40. 【請求項40】前記第一の指標が、前記第一の共通ター
    ミナルに接続されたコンポーネントの集合が総体的に誤
    動作モードであり、該コンポーネントの少なくとも1つ
    が誤動作していることを表すことを特徴とする、請求項
    38および39のいずれか1項に記載の装置。
  41. 【請求項41】前記第一の指標が、前記第一の共通ター
    ミナルに接続されたコンポーネントが総体的に正常動作
    モードであり、該第一の共通ターミナルに接続された該
    コンポーネントの複数のもののそれぞれ個別の誤動作を
    表すことを特徴とする、請求項38および39のいずれか1
    項に記載の装置。
  42. 【請求項42】前記機能モデル記憶装置(MM2)が、前
    記第一の共通ターミナルに接続されたコンポーネントの
    少なくとも一部に関し、正常動作を表す機能モデルを格
    納していることを特徴とする、請求項38ないし41のいず
    れか1項に記載の装置。
  43. 【請求項43】前記機能モデル記憶装置が、前記第一の
    共通ターミナルに接続されたコンポーネントの少なくと
    も一部に関し、誤動作を表す機能モデルを格納している
    ことを特徴とする、請求項38ないし42のいずれか1項に
    記載の装置。
  44. 【請求項44】前記第一の共通ターミナルに接続された
    各コンポーネントに関する各電流式は正常動作を表す機
    能モデルから得られたものであり、該第一の共通ターミ
    ナルにおける電流の合計がゼロ値となるという仮定を考
    慮する条件が満たされることを特徴とする、請求項41と
    42との組み合わせに記載の装置。
  45. 【請求項45】単一の電流式が、前記第一の共通ターミ
    ナルに接続された対応するコンポーネントの誤動作を表
    す機能モデルから得られ、他方、その他のコンポーネン
    トに関するその他の電流式は正常動作モードを表す機能
    モデルからそれぞれ得られ、更に該第一の共通ターミナ
    ルにおいて電流の合計がゼロ値であるとの仮定が満たさ
    れることを特徴とする、請求項40と42と43とのすべての
    組み合わせに記載の装置。
  46. 【請求項46】前記第一の共通ターミナルに接続された
    各コンポーネントに関する各電流式が正常動作モードを
    表す機能モデルから得られ、電流の合計がゼロ値である
    との仮定を考慮する条件の試験結果が否定的であること
    を特徴とする、請求項40と42との組み合わせに記載の装
    置。
  47. 【請求項47】前記処理手段(MT)が、前記第一の共通
    ターミナルに隣接するターミナルの中から選択された第
    二の共通ターミナルにおいて電流の合計がゼロ値である
    との仮定を考慮する第二の条件を試験することができ、
    この試験により該第二の共通ターミナルに接続されたコ
    ンポーネントの機能に関する第二の指標が与えられ、前
    記第一の指標と該第二の指標を組み合わせることにより
    該第一と第二の共通ターミナル間に接続されたコンポー
    ネントの機能に関する第三の指標を与えることができる
    ことを特徴とする、請求項46に記載の装置。
  48. 【請求項48】前記機能モデル記憶装置(MM2)が、複
    雑さの異なるコンポーネント式(MODQ1、MODQ2)を格納
    していることを特徴とする、請求項38ないし請求項47の
    いずれか1項に記載の装置。
  49. 【請求項49】前記共通ターミナルにおける電流の合計
    がゼロ値であるとの仮定を考慮する前記条件の試験が、
    代数値と参照値とを比較することからなることを特徴と
    する、請求項38ないし49のいずれか1項に記載の装置。
  50. 【請求項50】前記プローブ手段が、前記回路の2つの
    ターミナルにそれぞれあてることができる2つの個別の
    プローブ(A0、A1)からなることを特徴とする、請求項
    38ないし49のいずれか1項に記載の装置。
  51. 【請求項51】前記処理手段が、前記検出に使用された
    共通ターミナルの特性およびそれに接続されたコンポー
    ネントの特性を記憶することができ、それにより、回路
    を漸次描写することができることを特徴とする、請求項
    38ないし50のいずれか1項に記載の装置。
  52. 【請求項52】前記インタフェース手段が、潜在的利用
    者と会話する手段(CL、MAF)からなることを特徴とす
    る、請求項1ないし51のいずれか1項に記載の装置。
  53. 【請求項53】前記処理手段が、使用のための詳しい指
    示を用意し、前記会話手段によって該指示を伝達するこ
    とができることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
  54. 【請求項54】前記機能モデル記憶装置(MM2)は、前
    記会話手段により前記処理手段に伝達することができる
    特定の機能モデルを受け入れることができることを特徴
    とする、請求項52および53のいずれか1項に記載の装
    置。
  55. 【請求項55】前記プローブ手段を組み込んでおりまた
    ディジタル結合手段(LI)により前記処理手段に接続す
    ることができる別個の検出装置(OSC)を有しているこ
    とを特徴とする、請求項1ないし54のいずれか1項に記
    載の装置。
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