JPH07738Y2 - ユニバーサルジョイントのカバー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、例えば、トラクターのPTO軸と作業機側の
入力軸とを連動連結するユニバーサルジョイントのカバ
ー構造に関するものである。

［従来技術］ 従来、この種の装置としては、例えば、実開昭55-14422
7号公報等に記載されたものがある。この公報に記載さ
れたものは、伸縮自在なユニバーサルジョイントの外周
を前後一対のカバーで覆うように構成したものであり、
雄雌のスプライン軸を相対的に摺動自在、且つ回転方向
には回転不能な状態で嵌合すると共に、これらのスプラ
イン軸部の外周を前側のカバーと後側のカバーとで覆う
ようにしたものである。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、前記した従来装置は、ユニバーサルジョイン
トをトラクターと作業機との間に介装する際に、雄雌の
スプライン軸が外れて抜け落ちたりする恐れがあり、重
いユニバーサルジョイントが作業者の足の上に落下した
ときには、怪我をするという危険性があった。

また、トラクター側のPTO軸と作業機側の入力軸との間
にユニバーサルジョイントを介装連結するときには、ス
プライン軸部を相対的に短縮させた後、これを引き出す
ようにして自在継手部をPTO軸と入力軸とに連結させな
ければならず、スプライン軸部を引き出す際に労力を要
するといった不具合があった。

［課題を解決するための手段］ この考案は、前記した従来技術の欠点を解消するために
提案するものであって、次のような技術的手段を講じ
た。

即ち、トラクターの機体後部に突設されたPTO軸とトラ
クターに連結される作業機側の入力軸とを連結する伸縮
自在なユニバーサルジョイントのカバー構造において、
前記カバーを、PTO軸側の自在継手部外周を覆う第１カ
バーと、入力軸側の自在継手部外周を覆う第２カバーと
で構成すると共に、これらの第１カバーと第２カバーと
の間に、ユニバーサルジョイントのスプライン軸部を離
間させる方向に付勢するスプリングを設け、また、第１
カバーと第２カバーとの間に、このスプリングの弾性力
に抗しながら両カバーを短縮させた状態に係止する係止
手段を設けたことを特徴とするユニバーサルジョイント
のカバー構造の構成とする。

［実施例］ 以下、図面に基づいてこの考案の実施例を説明する。ま
ず、構成から説明すると、１はトラクター（図示省略）
の機体下部に突設されたPTO軸、４はトラクター後部に
連結される作業機側の入力軸で、これらのPTO軸１と入
力軸４とは伸縮自在なユニバーサルジョイント20で連動
連結されている。ユニバーサルジョイント20は、内周に
軸長手方向に沿うスプライン溝を有するパイプ状の雌ス
プライン軸３と、外周にスプライン溝を有し、前記スプ
ライン軸３に摺動自在に嵌合される雄スプライン軸６と
からなり、両スプライン軸３、６は摺動のみ自在で、回
転方向は回転不能な状態で嵌合されている。そして、各
スプライン軸３、６の端部には、首振り自在な自在継手
部２、５が設けられ、前側の自在継手部２をPTO軸１に
対して後方から嵌合できるように構成すると共に、後側
の自在継手部５を作業機側の入力軸４に前方から嵌合装
着できるようにしている。

12、13はこれらの自在継手部２、５をPTO軸１と入力軸
４とに嵌合装着したときに、抜けを防止するためのロッ
クピンである。

７、８は両スプライン軸３、６の自在継手部２、５外周
を覆う蛇腹状の第１カバーと第２カバーであって、これ
らのカバー７、８は共に弾性材で形成されており、スプ
ライン軸３、６に対して相対的に回転自在に嵌合されて
いる。

９は第１カバー７と第２カバー８の間に介装されたスプ
リングであり、このスプリング９により両カバー７、８
は離間する方向に付勢されている。

従って、スプライン軸３、６は互いに離れる方向に付勢
されることになる。

そして、第１カバー７の上部にはＵ字状に切欠かれた切
欠部14を有する係止具10が固着され、一方、後側の第２
カバー８の前端部には、先端部に鈎部15を有する係止金
具11を取り付けている。このような構成であるから、前
記スプリング９の弾性力に抗しながら第１カバー７と第
２カバー８間の間隔を狭め、係止金具11の鈎部15を第１
カバー７の係止具10の切欠部14に引っ掛けると、ユニバ
ーサルジョイント20は短縮された状態に保持される。

次に上記作用を説明すると、トラクターのPTO軸１と作
業機側の入力軸４との間にユニバーサルジョイント20を
介装連結する場合には、前述のようにユニバーサルジョ
イント20を短縮させておき、更に前側の自在継手部２を
PTO軸１に対向させ、後側の自在継手部５を作業機側の
入力軸４に対向させる。そして、前側の自在継手部２を
PTO軸１に嵌合させ、ロックピン12でユニバーサルジョ
イント20の抜け止めをなし、ついで、係止金具11を切欠
部14から外す。

すると、スプリング９の弾性力で後側の第２カバー８は
後方へ押圧移動され、後側の自在継手部５が入力軸４に
嵌合する。ここでロックピン13を操作して後側の自在継
手部５を入力軸４に固定する。自在継手部５が入力軸４
に嵌入した後は、スプリング９の弾性力が後向きに作用
するため、ユニバーサルジョイント20は入力軸４から外
れることがない。

なお、第２図は別実施例を示すものであり、前述の第１
実施例と構成が同じ部分については同一符号を付し、構
成が異なる箇所だけ別符号を付した。この第２実施例で
は、スプライン軸３、６の外周に夫々溝16、17を設け、
この溝16、17に係止用のねじ18、19を嵌入係止させてカ
バー７、８のみがスプライン軸３、６に対して相対的に
回動できるように構成している。

［考案の効果］ この考案は前記の如く、トラクターの機体後部に突設さ
れたPTO軸とトラクターに連結される作業機側の入力軸
とを連結する伸縮自在なユニバーサルジョイントのカバ
ー構造において、前記カバーを、PTO軸側の自在継手部
外周を覆う第１カバーと、入力軸側の自在継手部外周を
覆う第２カバーとで構成すると共に、これらの第１カバ
ーと第２カバーとの間に、ユニバーサルジョイントのス
プライン軸部を離間させる方向に付勢するスプリングを
設け、また、第１カバーと第２カバーとの間に、このス
プリングの弾性力に抗しながら両カバーを短縮させた状
態に係止する係止手段を設けたものであるから、ユニバ
ーサルジョイントの一方のスプライン軸部がカバーと共
に抜け、これが作業者の足元に落ちて怪我をさせるとい
った不具合はない。

また、従来は、トラクター側のPTO軸と作業機側の入力
軸との間にユニバーサルジョイントを介装連結するとき
には、前後のスプライン軸部を相対的に短縮させた後、
自在継手部を引き出すようにしてPTO軸あるいは入力軸
に連結させなければならなかったが、この考案では、ス
プリングの弾性力を利用して自在継手部を引き出すこと
ができるので、労力を要することなく簡単にユニバーサ
ルジョイントの軸の連結ができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すもので、第１図は一部を断
面にした要部の側面図、第２図は別実施例の側断面図で
ある。 符号の説明 １……PTO軸 ２……自在継手部 ３……スプライン軸部 ４……入力軸 ５……自在継手部 ６……スプライン軸 ７……第１カバー ８……第２カバー ９……スプリング 20……ユニバーサルジョイント

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−143504（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−144227（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−30583（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−74312（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクターの機体後部に突設されたPTO軸
   とトラクターに連結される作業機側の入力軸とを連結す
   る伸縮自在なユニバーサルジョイントのカバー構造にお
   いて、前記カバーを、PTO軸側の自在継手部外周を覆う
   第１カバーと、入力軸側の自在継手部外周を覆う第２カ
   バーとで構成すると共に、これらの第１カバーと第２カ
   バーとの間に、ユニバーサルジョイントのスプライン軸
   部を離間させる方向に付勢するスプリングを設け、ま
   た、第１カバーと第２カバーとの間に、このスプリング
   の弾性力に抗しながら両カバーを短縮させた状態に係止
   する係止手段を設けたことを特徴とするユニバーサルジ
   ョイントのカバー構造。