JPH0773585A - データ圧縮符号化方式及びその符号化装置及び復号化装置 - Google Patents

データ圧縮符号化方式及びその符号化装置及び復号化装置

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JPH0773585A
JPH0773585A JP5216688A JP21668893A JPH0773585A JP H0773585 A JPH0773585 A JP H0773585A JP 5216688 A JP5216688 A JP 5216688A JP 21668893 A JP21668893 A JP 21668893A JP H0773585 A JPH0773585 A JP H0773585A
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JP5216688A
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Shinichi Nakamura
伸一 中村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレーム毎に柔軟にビット配分することで,
遅延を最小とする再生方法と、品位を重視する再生方法
とを選択し得るデータ圧縮符号化方式及びその符号化装
置及び復号化装置を提供する。 【構成】 本発明のデータ圧縮符号化方式は、所定の区
間毎に区切ってフレーム構成とする際に圧縮後のデータ
がフレーム内に納まるビット数を与える第1の基準と、
この第1の基準より多いビット数を与える第2の基準と
を設け、第1の基準で得られた圧縮データはビットスト
リームの第1のフレームに入れ、第2の基準で得られた
圧縮データと第1の基準で得られた圧縮データと重複し
ない部分のデータを当該第1のフレームと異なる第2の
フレームに入れてビットストリーム列を構成するように
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ伝送に関し、特
にデータ量を圧縮して符号化するデータ圧縮符号化方式
及びその符号化装置及び復号化装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】音声信号及び映像信号はそのデータ量が
多いことから、これらをディジタル化して伝送あるいは
記録するためには、多くの伝送容量あるいは記録容量が
必要とされる。このため、資源及びコストの面からデー
タ量を圧縮することが強く求められている。
【0003】近年、ディジタル技術の進展により音声信
号及び映像信号等の品位を余り落とすことなく効率良く
圧縮する方法が開発され提供されるにいたっている。そ
の圧縮方法として直交変換を行い、これにより時間サン
プル列を周波数サンプル列に変換し、この周波数サンプ
ル列に対してデータ圧縮を施すものがある。
【0004】すなわち、一般に人間の知覚は全ての刺激
を平等に受け取るのではなく、その刺激を受けた時点に
おける該刺激の中の一部を重点的に受け取り、残りの刺
激は受け取らないことが知られ、この知覚される成分と
知覚されない成分との区分けは周波数領域で効率良くで
きることが見いだされたことに拠り圧縮のアルゴリズム
が開発されている。
【0005】また、時間/周波数変換としてはフーリエ
変換(FFT;Fast Fouriet Trans
forn)の一種であるDCT(Discrete C
osine Transform)や、多数のバンドパ
スフィルタを並べたサブバンドフィルタ方式等が知られ
ている。
【0006】音声圧縮符号化方式としてISO(Int
ernational Standard Organ
ization)で最近まとめられたMPEG(Mov
ing Picture Expert Group)
方式と呼ばれている方式がある(DIS−11172−
3)。
【0007】図8は従来の音声圧縮符号化方式を示すブ
ロック図であり、このMPEG符号化方式によるもので
ある。図8を参照するに、入力信号はサンプリング周波
数48kHz、又は44.1kHz、あるいは32kH
zを用い、16ビットの音声ディジタル信号にしたもの
である。出力は32kbpsから448kbpsまでの
ビットストリームが選択できる。信号処理のアルゴリズ
ムはその圧縮効率の違いからレイヤIからレイヤIII ま
で規定されている。ここでは主に基本的なアルゴリズム
が共通なレイヤIとレイヤIIを中心に述べる。
【0008】まず、送出側について説明する。入力音響
信号はマッピング部101に入力され、同マッピング部
101でサブバンドフィルタ群により周波数領域を32
サブバンドに分割して周波数サンプル列を得る。また同
時に、入力音響信号は音響心理モデル部107に入力さ
れ、音響心理モデル部107で入力サンプル列を一定の
フレームに区切り、フレーム単位で音響心理モデルに基
づき計算した各サブバンドの信号レベル(S)と、マス
キング効果により音響的に知覚されないマスクレベル
(M)との比(SMR,Signal to Mask
Ratio)を出力する。
【0009】量子化とコーディング部103では、マッ
ピング部101からの周波数サンプル列を信号レベル
(S)×サンプル値(D(i))の形に分解する。ここ
で信号レベル(S)はフレーム内の各サブバンドにおい
て最大値を持つサンプルの属するレベルを示す値でスケ
ールファクタと呼ぶ。周波数サンプル列は、音響心理モ
デル部107から入力されるSMRから導かれる必要な
ビット数で再量子化されDa(i)となる。このビット
数を割り当てることをビットアロケーションと呼ぶ。
【0010】図9は従来例を説明するための周波数スペ
クトル図であり、同図に示すように、再量子化により発
生する量子化ノイズ(N)がマスキングレベル(M)よ
り小さい場合は、量子化ビット数を削ってもそのノイズ
は知覚されないことになり、従って、データを圧縮する
ことが可能となる。
【0011】図10に示す信号のフォーマット図を参照
するに、フレームパッキング部105では、ビットアロ
ケーションとスケールファクタ及びサンプルデータを、
図10に示すようなフレーム構造を持つビットストリー
ム列の信号にフォーマットして伝送する。
【0012】受信側においては、伝送されてきた前記ビ
ットストリーム列を受け、フレームアンパック部109
によりフレーム同期とビットアロケーション、スケール
ファクタ、サンプルデータが分離され取り出され、再生
ブロック111では周波数サンプル列が再生され、逆マ
ッピング部113で時間サンプル列が再合成され再生音
響信号が得られる。
【0013】ところで、音響心理モデル部107からの
情報に基づいてデータ圧縮を行うと、入力音響信号の内
容に応じて、その圧縮率は常に変化するため、量子化と
コーディング部103の出力のデータ速度は一定しない
ことになる。フレームパッキング部105において、一
定速度のビットストリームを生成しようとすると、フレ
ーム毎にビット数の過不足が発生することになる。
【0014】このため、量子化とコーディング部103
においては、量子化ノイズレベルとマスクレベルを比較
しながら、各サブバンドへのビット数の割当てを変え
て、一定のビット数になるようにしている。このため、
ある種の厳しい音響信号の場合には量子化ノイズがマス
クレベルを大きく越えて知覚されるようになり、音質の
劣化を招くことは避けられない。特に圧縮率が高い場合
は顕著である。
【0015】それ故、ビットストリームのフレーム構成
をもっと柔軟にし、マスクレベルを大きく越えて量子化
ノイズが発生するような厳しい音響信号の場合、サンプ
ルデータをフレームの壁を乗り越えて配分できるような
システムが望まれる。そのような例に対応するものがレ
イヤIII で示されている。
【0016】図11は従来例の説明に供する信号のその
他のフォーマットを示す説明図であり、同図に示すよう
に、スケールファクタとサンプルデータ関連情報と付加
情報を含む補助情報は、メインデータとしてその始まり
と終りはフレーム構造にとらわれずフォーマットされて
いる。これにより、必要なときには多くのビットを割り
当てることができ、圧縮による音質の劣化を減少させる
ことができる。
【0017】ところで、このようにフレームを跨いでビ
ット配分すると、符号−復号の処理遅延が増大する。
【0018】図12(a)及び(b)は従来例の説明に
供するタイミング図であり、図12(a)に示すよう
に、サンプルデータをフレーム内に固定化した場合、符
号化、復号化の処理に1フレームかかると仮定すると、
符号化復号化処理遅延は4フレームとなる。
【0019】図12(b)に示すように、サンプルデー
タにフレームを越えることを許す場合、フレーム復号化
において全てのデータが揃うのを待って処理を始めるた
めに遅延量が増加し、例えば0.5フレーム越えていた
とすると、符号−復号遅延は4.5フレームとなる。復
号においては最も遅れることを想定して処理しなければ
ならず、フレームを跨がない場合も、これだけの遅延量
は常に与えなければならない。
【0020】ところで、フレームの長さは、サンプリン
グ周波数48kHz、レイヤIIの場合24msecであ
るから、図12(a)の場合96msec、図12
(b)の場合108msecである。遅延をできるだけ
抑えるためには符号化と復号化の処理速度を上げること
が考えられるが、例えばそれぞれ半フレームで可能とな
った場合、図12(a)の場合72msec、図12
(b)の場合84msecとなり、両者の比はさらに拡
大する。
【0021】このような100msec前後の遅延は大
きな問題がある。例えば、伝送系での相互通信に適用し
た場合には、かなりの違和感が生じることになる。ま
た、記録時、あるいは送信時のモニタの場合には、でき
るだけ遅延を抑える必要がある。また、映像と同時に圧
縮−再生を行う場合には、両者の遅延を合わせる必要が
あるが、そのためには100msecの遅延というのは
かなり大きく、できるだけ遅延は小さい方が好ましい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フレ
ーム毎に柔軟にビット配分しデータを圧縮符号化して伝
送するようにすれば、高品位のデータ伝送が可能となる
が、再生段階において遅延量が大きくなるといった問題
があった。
【0023】本発明は、送出側においてはフレーム毎に
柔軟にビット配分してデータを圧縮符号化して伝送でき
るようにし、受信側においては遅延を最小とする再生方
法と、再生データの品位を重視する再生方法とを選択で
きるようにするデータ圧縮符号化方式及びその装置を提
供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願第1の発明のデータ圧縮符号化方式は、入力される
サンプルデータの所定部分を削除することによってデー
タを圧縮し、フレーム構成を有するビットストリームを
生成し、伝送するデータ圧縮符号化方式であって、所定
の区間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮後の
データが前記フレーム内に納まるビット数を与える第1
の基準と、この第1の基準より多いビット数を与える第
2の基準とを設け、前記第1の基準で得られた圧縮デー
タはビットストリームの当該第1のフレームに入れ、前
記第2の基準で得られた圧縮データと、前記第1の基準
で得られた圧縮データとの重複しない部分のデータを当
該第1のフレームと異なるフレームに入れてビットスト
リーム列を構成することを要旨とする。
【0025】本願第2の発明は、入力されるサンプルデ
ータの所定部分を削除することによってデータを圧縮
し、フレーム構成を有するビットストリームを生成する
データ圧縮符号化装置であって、前記圧縮後のデータを
所定のフレーム内に納まるビット数を与える第1の基準
で区切って得られた圧縮データをビットストリームの当
該第1のフレームに入れフレーム構成とする第1の処理
手段と、前記第1の基準より多いビット数を与える第2
の基準で区切って得られた圧縮データと、前記第1の基
準で得られた圧縮データとの重複しない部分のデータを
当該第1のフレームと異なるフレームに入れフレーム構
成とする第2の処理手段とを有することを要旨とする。
【0026】本願第3の発明は、複数のフレームに跨が
るサンプルデータに係る圧縮データによるフレームが含
まれるビットストリーム列を入力して元のサンプルデー
タを再生する圧縮符号化データ再生装置であって、入力
されるビットストリーム列のフレームから圧縮データを
抽出する抽出手段と、サンプルデータに係る圧縮データ
が複数のフレームに跨がっているときに当該フレームに
挿入される所定データを検出する検出手段と、この検出
手段で所定データが検出されたときには抽出手段で抽出
された所定の第1のフレームの圧縮データとこの第1の
フレームと異なるフレームの圧縮データとからサンプル
データを再生する再生手段とを有することを要旨とす
る。
【0027】本願第4の発明は、複数のフレームに跨が
るサンプルデータに係る圧縮データによるフレームが含
まれるビットストリーム列を入力して元のサンプルデー
タを再生する圧縮符号化データ再生装置であって、入力
されるビットストリーム列のフレームから圧縮データを
抽出する抽出手段と、この抽出手段で抽出された所定の
フレームの圧縮データのみからサンプルデータを再生す
る第1の再生手段と、前記抽出手段で抽出された所定の
第1のフレームの圧縮データと当該第1のフレームと異
なるフレームの圧縮データとからサンプルデータを再生
する第2の再生手段と、前記第1の再生手段と第2の再
生手段のいずれかを選択する選択手段とを有することを
要旨とする。
【0028】本願第5の発明は、入力されるサンプルデ
ータの所定部分を削除することによって、データを圧縮
し、フレーム構成を有するビットストリーム列を生成
し、伝送するデータ圧縮符号化方式であって、所定の区
間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮後のデー
タが所定のビット数に納まるビット数を与える第1の基
準と、この第1の基準より多いビット数を与える第2の
基準とを設け、前記第1の基準で得られた圧縮データは
第1のビットストリームに入れ、第2の基準で得られた
圧縮データと第1の基準で得られた圧縮データとの重複
していない部分のデータを第2のビットストリームに入
れビットストリーム列を構成することを要旨とする。
【0029】本願第6の発明は、複数のフレームに跨が
るサンプルデータに係る圧縮データによるフレームが含
まれるビットストリームを入力して元のサンプルデータ
を再生する圧縮符号再生方式であって、前記ビットスト
リームを受け、第1のビットストリームのみにより復調
し当該フレームのデジタルサンプル列を再生するか、第
1のビットストリームと第2のビットストリームとで復
調し当該フレームのデジタルサンプル列を再生するかを
任意に選択し得ることを要旨とする。
【0030】本願第7の発明は、入力されるサンプルデ
ータの所定部分を削除することによって、データを圧縮
し、フレーム構成を有するビットストリーム列を生成
し、伝送するデータ圧縮符号化方式であって、所定の区
間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮後のデー
タが一定のビット数に納まるビット数を与える第1の基
準と、第1の圧縮基準より多いビット数を与える第2の
基準とを設け、第1の基準で得られた第1の圧縮データ
と、第2の基準で得られた圧縮データと第1の基準で得
られた圧縮データとの重複していない部分のデータを第
2の圧縮データとし、ビットストリーム列の当該フレー
ム内で領域を分けて伝送することを要旨とする。
【0031】本願第8の発明は、複数のフレームに跨が
るサンプルデータに係る圧縮データによるフレームが含
まれるビットストリーム列を入力して元のサンプルデー
タを再生する圧縮符号再生方式であって、前記ビットス
トリームを受け、第1の圧縮データ部分のみにより、復
調し当該フレームのデジタルサンプル列を再生するか、
第1の圧縮データ部分と第2の圧縮データ部分とで復調
し当該フレームのデジタルサンプル列を再生するかを任
意に選択し得ることを要旨とする。
【0032】
【作用】本願第1の発明のデータ圧縮符号化方式は、圧
縮後のデータが当該フレーム内に納まるビット数を与え
る第1の基準と、同第1の基準より多いビット数を与え
る第2の基準とにより、データをフレーム毎に柔軟にビ
ット配分して圧縮符号化して伝送できるようにしたもの
である。
【0033】本願第2の発明のデータ圧縮符号化方式
は、第1の処理手段で圧縮後のデータを所定のフレーム
内に納まるビット数を与える第1の基準で区切って得ら
れた圧縮データをビットストリームの当該第1のフレー
ムに入れフレーム構成とし、第2の処理手段で第1の基
準より多いビット数を与える第2の基準で区切って得ら
れた圧縮データと、前記第1の基準で得られた圧縮デー
タとの重複しない部分のデータを当該第1のフレームと
異なるフレームに入れフレーム構成とする。
【0034】本願第3の発明の圧縮符号化データ再生装
置は、サンプルデータに係る圧縮データが複数のフレー
ムに跨がっているときに当該第1のフレームに挿入され
る所定データが検出されたときには抽出手段で抽出され
た所定のフレームの圧縮データとこの第1のフレームと
異なるフレームの圧縮データとからサンプルデータを再
生する。
【0035】本願第4の発明の圧縮符号化データ再生装
置は、抽出手段で入力されるビットストリーム列のフレ
ームから抽出された所定の第1のフレームの圧縮データ
のみからサンプルデータを再生する第1の再生手段と、
抽出手段で抽出された所定のフレームの圧縮データと当
該第1のフレームと異なるフレームの圧縮データとから
サンプルデータを再生する第2の再生手段のいずれかを
選択する。
【0036】本願第5の発明は、所定の区間毎に区切っ
てフレーム構成とする際に、圧縮後のデータが所定のビ
ット数に納まるビット数を与える第1の基準で得られた
圧縮データは第1のビットストリームに入れ、前記第1
の基準と、この第1の基準より多いビット数を与える第
2の基準で得られた圧縮データと第1の基準で得られた
圧縮データとの重複していない部分のデータを第2のビ
ットストリームに入れビットストリーム列を構成する。
【0037】本願第6の発明は、ビットストリームを受
け、第1のビットストリームのみにより復調しフレーム
のデジタルサンプル列を再生するか、第1のビットスト
リームと第2のビットストリームとで復調し当該フレー
ムのデジタルサンプル列を再生するかを任意に選択す
る。
【0038】本願第7の発明は、所定の区間毎に区切っ
てフレーム構成とする際に、圧縮後のデータが一定のビ
ット数に納まるビット数を与える第1の基準で得られた
第1の圧縮データと、第1の基準とこの第1の圧縮基準
より多いビット数を与える第2の基準で得られた圧縮デ
ータと第1の基準で得られた圧縮データとの重複してい
ない部分のデータを第2の圧縮データとして、ビットス
トリーム列の当該フレーム内で領域を分けて伝送する。
【0039】本願第8の発明は、ビットストリームを受
け、第1の圧縮データ部分のみにより、復調し当該フレ
ームのデジタルサンプル列を再生するか、第1の圧縮デ
ータ部分と第2の圧縮データ部分とで復調し当該フレー
ムのデジタルサンプル列を再生するかを任意に選択す
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。図1は本発明に係るデータ圧縮符号化
方式の第1の実施例を示すブロック図であり、前述した
図8の量子化とコーディング部103及びフレームパッ
キング部105に相当する部分の構成を示している。ま
た図8に示したマッピング部101からのマッピング出
力は、32のサブバンドからなるサブバンドサンプルデ
ータであり、各サブバンド12サンプルが1グループ
(図4を参照するに、MPEGでは1グラニュールと呼
ばれており、本願においても1グラニュールとして表
す)にグルーピングされる。またMPEGレイヤIでは
1グラニュールは1フレームに相当するが、レイヤIIで
は3グラニュールで1フレームとなる。
【0041】図1において、図8に示すマッピング部1
01からのマッピング出力が入力されるスケールファク
タ検出部1は、符号化器3と第1の量子化部5に接続さ
れる。この第1の量子化部5は第2の量子化部7を介し
て符号化器3に接続されると共に、付加サンプルデータ
抽出部9とフレーム遅延部11を介して符号化器3に接
続される。
【0042】一方、図8に示す音響心理モデル部107
からのSMRが入力される図1に示す第1のビットアロ
ケーション部13は第2のビットアロケーション部15
と減算器17と前記第1の量子化部5に接続され、この
第2のビットアロケーション部15は減算器17と前記
符号化器3と第2の量子化部7に接続される。減算器1
7は前記付加サンプルデータ抽出部9に接続されると共
にフレーム遅延部19に接続される。このフレーム遅延
部19は前記符号化器3とビットアロケーション制御部
25と接続される。
【0043】また第1のビットアロケーション部13と
第2のビットアロケーション部15はそれぞれビットア
ロケーション制御部25と接続され、それぞれ第1の基
準信号と第2の基準信号が入力される。
【0044】次に、作用を説明する。スケールファクタ
検出部1ではマッピング出力(周波数サンプルデータ)
を受けて、各サブバンド、各グラニュール毎のスケール
ファクタを求める。このスケールファクタのグループを
スケールファクタグループと称し、このグループ内の最
大値から、その最大値の属するスケールファクタを求め
る。
【0045】まず、スケールファクタの示すレベルSを
用いて、サンプルデータd(i)からda(i)=d
(i)/Sを求める。スケールファクタは、例えば信号
のダイナミックレンジ約120dBのLOGスケールを
2dB間隔で表現すると6ビット表現となる。da
(i)はスケールファクタグループにおいて、スケール
ファクタレベルS(ほぼ最大値)で正規化されたとみな
せる。
【0046】一方、図8に示す音響心理モデル部107
からは各スケールファクタグループ毎に信号対マスク比
(SMR)が入力され、図1に示す第1及び第2ビット
アロケーション部13及び15で各スケールファクタグ
ループに割り当てる量子化ビット数が求められる。量子
化したことによる量子化ノイズSNRは、配分ビット数
nに対し簡略にはSNR>6×n(dB)であり、SN
R<SMRからnを求めれば良い。すなわちSNR<S
MRであれば、量子化ノイズはマスキング効果により耳
に知覚されないからである。
【0047】例えば、SMRが23dBでn=4とすれ
ば、SNR=24dB>SMR=23dBとなる。ま
た、SMR≦0のときは、マスキングレベルが信号レベ
ルを越えている場合であり、このときはn=0、すなわ
ちビット配分しなくても良いことを示している。このと
きにスケールファクタグループでは、サンプルデータと
共にスケールファクタをも伝送しないで済み、データ圧
縮により貢献する。
【0048】第1のビットアロケーション部13及び第
2のビットアロケーション部15では、後でフォーマッ
トするため、配分可能なビット数の総合計が一定値に納
まるようにする。このために、一般的にはループ処理が
行われる。
【0049】図2は、第1のビットアロケーション部1
3及び第2のビットアロケーション部15の信号処理を
示すフローチャートであり、一般的に用いられるディジ
タル信号処理デバイス(DSP)を使用したソフト処理
フローを示している。
【0050】まず、ステップS1にて、SMRを受け、
スケールファクタグループ全てのビットアロケーション
を求まる。次に、ステップS3にて、サンプルデータを
フォーマットするに必要な全ビット数をカウントする。
ステップS5にて、カウント結果がフォーマットに許さ
れるビット数基準Nrを越えているか判定し、ビット数
基準Nrを越えていた場合、ステップS7にて、SMR
に△(dB)をデシベル値で減算し、ステップS1に戻
り、再びビットアロケーションを求める。
【0051】ここで、△は6dBより小さい任意の値で
あるが、例えば0.3dBなどが考えられる。SMRが
小さくなったことで、次のビットアロケーションではど
こかのスケールファクタグループのビットアロケーショ
ンが1ビット少なくなる可能性がある。
【0052】このようにしてステップS3のビット数の
カウント値が基準値以下になるまで続け、基準値以下に
なればループを抜け出てビットアロケーション情報を出
力する。これにより、総ビット数が基準以内に納まるビ
ットアロケーションが得られる。なお、△はビット配分
のきめ細かさと、ループ処理の速さから決められる。
【0053】ループの中で、全てSMRから△を減算す
るのではなく別の方法もある。各グループのマスクレベ
ルとノイズレベルとの差が一番大きいグループを見つ
け、そのグループのビット配分を1ビット少なくするこ
とにより、より速やかにビット配分の変更が行われ、ル
ープ処理を終わらせることができる。これは1ビット削
ることによるノイズの増加が、マスクレベルに対しもっ
とも小さいグループを見つけることに相当している。
【0054】ビットアロケーションは第1の基準と第2
の基準とを設けるようにし、第1の基準はビット総数が
1フレーム内に納まらず、次フレームへはみ出しても良
い最大ビット数を与えるものであり、第2の基準は1フ
レーム内に納まる最大ビット数を与えるものであり、第
1の基準を第1のビットアロケーション部13に入力
し、第2の基準を第2のビットアロケーション部15に
入力している。
【0055】第1のビットアロケーション部13及び第
2のビットアロケーション部15の信号処理は、図2の
信号処理の基準Nrを変えて、各々で行うようにする。
【0056】第1のビットアロケーション部13及び第
2のビットアロケーション部15で得られたビット数配
分を各々第1の量子化部5及び第2の量子化部7に入力
して、第1の量子化部5及び第2の量子化部7で各々入
力されたビット数配分により、サンプルデータを量子化
する。第2の量子化部7で量子化された量子化サンプル
データと、第2のビットアロケーション部15からの第
2のビットアロケーション情報は、スケールファクタ検
出部1から出力されるスケールファクタと共に符号化器
3に入力され、ヘッダ情報と共にフォーマットされる。
【0057】第1のビットアロケーション部13及び第
2のビットアロケーション部15から出力されるビット
アロケーション情報は減算器17で減算され、同減算結
果を付加サンプルデータ抽出部9に入力して、同付加サ
ンプルデータ抽出部9で第1の量子化部5からの第1の
量子化サンプルから第2の量子化データを除いた残りの
情報を抽出する。
【0058】例えば、あるスケールファクタグループの
ビットアロケーションが第1のビット配分が5ビット
で、第2のビット配分が4ビットであったとすれば、各
サンプルd(i)のMSBから第5ビット目の1ビット
が抽出され、これを拡張サンプルデータとする。減算器
17で求められたビットアロケーションの差分、拡張ビ
ットアロケーションと、付加サンプルデータ抽出部9で
求められた拡張サンプルデータは共に、1フレーム分の
遅延を与えるフレーム遅延部11及び19を介して各々
符号化器3に入力され、次フレームにおいてフォーマッ
トされる。
【0059】もし、第1のビットアロケーション部13
及び第2のビットアロケーション部15で求められた、
第1のビットアロケーションと第2のビットアロケーシ
ョンとが同じであれば、拡張ビットアロケーションは0
とし、拡張サンプルデータは伝送されない。また、全て
のスケールファクタグループの第1のビットアロケーシ
ョンが第2のビットアロケーションと同じであれば、こ
のときは拡張ビットアロケーションも拡張サンプルデー
タも共に伝送されず、従ってフォーマットは1フレーム
内で完結する。
【0060】このように、フレームを跨いでフォーマッ
トすると、当然、次フレームでは配分できる総ビット数
が少なくなる。これを制御するのがビットアロケーショ
ン制御部25で、減算器17で求められた拡張ビットア
ロケーションに基づいて、ビット数をカウントし、減算
器21及び減算器23で各々第1の基準及び第2の基準
の値から同カウント数を減算して、各々を第1のビット
アロケーション部13、あるいは第2のビットアロケー
ション部15に入力するようにしている。
【0061】従って、通常のビット配分はフレーム内で
完結し、特に音響的にビット配分が多く必要なときには
フレームを越えてビット配分し、以降、速やかにフレー
ム内完結の状態に復帰させることができる。
【0062】このようにビットアロケーションがフレー
ムを跨ぐと、次フレームでの基準が厳しくなり音質が劣
化することになる。しかし、音響心理では、音の急激な
立ち上がり時にはビット配分を多く必要とするが、その
急激な立ち上がりは、時間マスキング効果を生み、その
直後の音に対してはマスクレベルが上昇し、ビット配分
は減少することが知られている。
【0063】故に、この時間マスキング効果を音響心理
モデルに組み込めば、急峻な立ち上がり時は必要ビット
数が一時的に増加してフレームを越えてビット配分して
も、次には必要ビット数は減少し、フレーム内にビット
配分をとどめることができる。従って、配分ビット数を
より適応的に加減でき、音質劣化を防ぐことができるこ
とになる。
【0064】図3は、本発明にかかる一実施例を説明す
るためのフレームフォーマットの図である。図中、H:
ヘッダ情報、A:アロケーション情報、S:スケールフ
ァクタ、D:サンプルデータ、A1:拡張アロケーショ
ン情報、D1:拡張サンプル情報をそれぞれ示す。スケ
ールファクタS及びサンプルデータDは、アロケーショ
ン情報Aによりビット数が変化する。また、拡張サンプ
ル情報D1は、拡張アロケーション情報A1の内容によ
ってビット数が変化する。拡張アロケーション情報A1
があるかないかはヘッダ情報Hの中で指定する。もし拡
張アロケーション情報A1がない場合、次フレームの拡
張アロケーション情報A1及び拡張サンプル情報D1も
共に、存在しなくなる。
【0065】拡張サンプル情報D1と共に拡張アロケー
ション情報A1が必要であることは、拡張情報を導入す
る上でオーバヘッドが大きいことを意味する。すなわ
ち、Aは、ビットアロケーション情報であるため、全て
のスケールファクタグループについて、ビットアロケー
ションが0であっても必要である。しかも、配分ビット
数は最大16ビットまで考えられるため、各グループで
4ビットが必要となる。
【0066】そのため、拡張ビットは全て1ビットに制
限するようにすれば、このオーバヘッドはあまり大きく
ならないで済む。
【0067】一方、再生の際には、符号化器3から出力
されるビットストリームを、図8に示すフレームアンパ
ック部109で受け、フレームアンパック部109で各
情報を分離し、再生部111でスケールファクタSとサ
ンプルデータDa(i)から元の周波数サンプルデータ
Db(i)を再生する。この周波数サンプルデータDb
(i)は量子化されているので、当然D(i)とは異な
り、量子化ノイズを多く含んでいる。この周波数サンプ
ルデータDb(i)を逆マッピング部113で逆マッピ
ングすることにより、時間サンプル列が再生され、音響
再生ディジタル信号(音響信号)として出力される。
【0068】図5は本発明に係る復号器の一実施例を示
すブロック図である。まず、図5を参照するに、ビット
ストリーム列が入力されるとビットストリームを構成す
る各種データが、並列に接続されるヘッダ検出部31、
スケールファクタ検出部33、ビットアロケーション検
出部35、サンプルデータ検出部37、付加ビットアロ
ケーション検出部39、付加サンプルデータ検出部41
において、それぞれ検出、分離される。またビットアロ
ケーション検出部35はスケールファクタ検出部33及
びサンプルデータ検出部37と接続され、付加ビットア
ロケーション検出部39は付加サンプルデータ検出部4
1と接続される。
【0069】ビットストリーム列が入力されたヘッダ検
出部31からは、検出されたヘッダ情報が出力される。
このヘッダ情報内の同期シンボルによりフレーム同期が
確立され、以降フレーム単位に各情報が安定して抽出さ
れる。
【0070】次に、ビットアロケーション検出部35で
ビットアロケーション情報が検出され、その情報を元に
スケールファクタ検出部33でスケールファクタが、サ
ンプルデータ検出部37でサンプルデータがそれぞれ抽
出される。このとき、サンプルデータはアロケーション
情報に従ったビット数で抽出され、スケーリング復号部
43とフレーム遅延部47に出力される。また、スケー
ルファクタは、基本的には所定ビット長のデータである
が、ビットアロケーションで0ビットに指定されたサン
プルデータ群はスケールファクタデータを必要とせず伝
送されていないため、スケールファクタの抽出にもアロ
ケーション情報が必要となる。この抽出されたスケール
ファクタはスケーリング復号部43とフレーム遅延部4
5に出力される。
【0071】さらに付加ビットアロケーション検出部3
9で検出された付加ビットアロケーションデータに基づ
いて、付加サンプルデータ検出部41で付加サンプルデ
ータが抽出される。
【0072】サンプルデータ検出部37から出力された
サンプルデータはスケールファクタ検出部33から出力
されたスケールファクタにより、スケーリング復号部4
3でスケーリングの復号が行われ第1の周波数サンプル
データが得られる。
【0073】一方、フレーム遅延部45に入力されたス
ケールファクタとサンプルデータはフレーム遅延がなさ
れた後、スケーリング復号部51に出力される。付加サ
ンプルデータ検出部41から出力された付加サンプルデ
ータは、サンプルデータの下位ビット拡張情報となって
おり、加算部49でフレーム遅延部47からの遅延サン
プルデータと混合加算される。この加算出力はスケーリ
ング復号部51で遅延スケールファクタによりスケーリ
ング復号され第2の周波数サンプルデータとなる。
【0074】スイッチ部53の入力端子には、上記スケ
ーリング復号部43,51でそれぞれ復号された第1の
周波数サンプルデータと第2の周波数サンプルデータが
供給される。このスイッチ部53では、入力される簡易
再生選択信号により、第1の周波数サンプルデータか第
2の周波数サンプルデータかのいずれかが選択され、周
波数/時間変換部55に出力される。このスイッチ部5
3における選択は簡易再生か、完全再生かで任意に行わ
れる。
【0075】周波数/時間変換部55で周波数一時間変
換が行われ、オーディオ信号出力が得られる。
【0076】スケーリング復号部43で復号される第1
の周波数サンプルデータは、付加サンプルデータを使用
していないことから、音質は若干おちるものの再生遅延
が少なく、いわば簡易再生モードである。一方、スケー
リング復号部43,51でそれぞれ復号される第2の周
波数サンプルデータは、音質が重視される場合に選択さ
れ得る。
【0077】ところで、フレーム内に完結する主サンプ
ルデータとフレームを越えた拡張サンプルデータとに階
層化することにより、再生システムにおいては以下の3
つの選択枝が生じる。
【0078】第1の選択枝は第2の実施例としての再生
方法であり、伝送されてきたビットストリーム列を受
け、フレーム内の圧縮データのみにより復調し、当該フ
レームのディジタルサンプル列を再生するようにして、
主サンプルデータのみを用い、拡張サンプルデータを無
視して再生する方法であり、音響的には若干の劣化があ
るものの、フレーム内でデータが全て揃うので、従来の
システムと同様にフレーム終結を待っての再生処理が可
能となり、遅延量は従来と略同様となる。
【0079】また、第2の選択枝は第3の実施例として
の再生方法であり、伝送されてきたビットストリーム列
を受け、フレーム内の圧縮データと別の、通常、次のフ
レームに存在する当該フレームに係る圧縮データによっ
て復調し、当該フレームのディジタルサンプル列を再生
するものであり、主サンプルデータと拡張サンプルデー
タとの両方を用いて再生する方法である。
【0080】第3の選択枝は第4の実施例としての再生
方法であり、伝送されてきたビットストリーム列を受
け、フレーム内の圧縮データのみにより復調し、当該フ
レームのディジタルサンプル列を再生する手段と、フレ
ーム内の圧縮データと、別のフレームに存在する当該フ
レームに係る圧縮データとで復調し、当該フレームのデ
ィジタルサンプル列を再生する手段とを備え、前記両手
段のいずれかを任意に選択してディジタルサンプル列を
再生するようにして、主サンプルデータと拡張サンプル
データとの両方を用いて再生する方法であり、この場合
にこのシステムの持つ最高の音質の再生が可能となる。
【0081】ここで上記拡張情報を用いる場合には、拡
張情報の全てを受け取ってからしか再生処理ができない
ため、それだけ再生処理による遅延が余計にかかること
になる。再生音響信号は時間的に一定速度で出力する必
要があるため、最大遅延量を考慮して常に最大遅延量に
合わせる必要がある。そのため、一定の遅延増加は避け
られない。しかしながら、本実施例によれば、遅延を最
小とする再生方法と、再生データの品位を重視する再生
方法とを、例えばデータ内容に応じて選択して受信する
ことが可能となる。
【0082】図6は本発明を説明するためのタイミング
図であり、同図に示すように、上記第2の実施例の場合
は、受信したビットストリームのnフレームの終結を待
って再生処理(A2)が可能となり、遅延は1フレーム
で再生音響信号(B2)を出力することができる。ま
た、上記第3の実施例の場合は、(n+1)フレーム中
の拡張情報の全てを受け取ってからしか再生処理(A
1)ができないため、遅延は1フレームより余計に遅れ
て再生音響信号(B1)が出力される。
【0083】図7は本発明を説明するための周波数スペ
クトル図であり、あるサブバンドにおける周波数スペク
トルを示している。
【0084】Sは信号レベル=スケールファクタレベ
ル、M=マスクレベル、N1は第1の基準から得られた
ビットアロケーションによる量子化ノイズレベルであ
り、N2は第2の基準から得られたビットアロケーショ
ンによる量子化ノイズレベルである。
【0085】S−N2の情報が当該フレームのサンプル
データDとなり、N2−N1の部分が拡張サンプルデー
タD1となる。ここで、N2はマスクレベルMを越えて
いるのでマスクされず量子化ノイズが知覚される。一
方、DとD1を使用すれば量子化ノイズはN1となり、
N1はマスクMによりマスクされ知覚されることはな
く、音質の劣化はない。前者の主サンプルデータのみで
再生した音質は若干の量子化ノイズが知覚されることに
なるが、しかし、これは従来のシステムと同一レベルの
音質となる。
【0086】上述してきたように、本実施例によればフ
レーム構造に対し、柔軟にビット配分することが可能と
なり、音響心理的に多くのビット数が必要なときにより
多くのビット数を配分することにより音質の劣化を防
ぎ、これによって常に、どのような音響ソースに対して
も高音質の圧縮符号化が可能となる。
【0087】また、ビットストリームは階層化されてお
り、再生に当たっては、復号遅延を重視する場合と、再
生音質を重視する場合との選択が可能となる。
【0088】データ圧縮再生システムとしてDSPなど
のソフトによる実現化においても、従来のアルゴリズム
にわずかに処理を付加することにより可能となり、ソフ
ト化に適したデータ圧縮符号化方式及びその装置を提供
することができる。
【0089】上述した各実施例は音響信号の圧縮再生シ
ステムを例として説明したが、本発明の2つの基準を設
け、フレーム構造上階層化することは、映像信号その他
のシステムにも適用できることはいうまでもない。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
送出側においてはフレーム毎に柔軟にビット配分してデ
ータを圧縮符号化して伝送することができ、また受信側
においては遅延を最小とする再生方法と、再生データの
品位を重視する再生方法とを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ圧縮符号化方式の第1の実
施例の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1のビットアロケーション部13
及び第2のビットアロケーション部15における信号処
理を示すフローチャートである。
【図3】本発明を説明するためのフレームフォーマット
の一例を示す図である。
【図4】MPEGのフレーム構成を説明するための図で
ある。
【図5】図1に示すデータ圧縮符号化方式に対応する復
号器の要部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の作用を説明するためのタイミング図で
ある。
【図7】本発明の作用を説明するための周波数スペクト
ル図であ
【図8】従来の音声圧縮符号化方式の構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】従来例の作用を説明するための周波数スペクト
ル図である。
【図10】従来例を説明するための信号のフォーマット
を示す図である。
【図11】従来例を説明するための信号のその他のフォ
ーマットを示す図である。
【図12】(a)及び(b)は従来例を説明するための
タイミング図である。
【符号の説明】
1…スケールファクタ検出部,3…符号化器,5…第1
の量子化部,7…第2の量子化部,9…付加サンプルデ
ータ抽出部,11…フレーム遅延部,13…第1のビッ
トアロケーション部,15…第2のビットアロケーショ
ン部,17…減算器,19…フレーム遅延部,21…減
算器,23…減算器,25…ビットアロケーション制御
部,31…ヘッダ検出部,33…スケールファクタ検出
部,35…ビットアロケーション検出部,37…サンプ
ルデータ検出部,39…付加ビットアロケーション検出
部,41…付加サンプルデータ検出部,43…スケーリ
ング復号部,45…フレーム遅延部,47…フレーム遅
延部,49…加算部,51…スケーリング復号部,53
…スイッチ部,55…周波数/時間変換部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるサンプルデータの所定部分を
    削除することによってデータを圧縮し、フレーム構成を
    有するビットストリームを生成し、伝送するデータ圧縮
    符号化方式であって、 所定の区間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮
    後のデータが前記フレーム内に納まるビット数を与える
    第1の基準と、この第1の基準より多いビット数を与え
    る第2の基準とを設け、前記第1の基準で得られた圧縮
    データはビットストリームの第1のフレームに入れ、前
    記第2の基準で得られた圧縮データと、前記第1の基準
    で得られた圧縮データとの重複しない部分のデータを第
    2のフレームに入れて、ビットストリーム列を構成する
    ことを特徴とするデータ圧縮符号化方式。
  2. 【請求項2】 入力されるサンプルデータの所定部分を
    削除することによってデータを圧縮し、フレーム構成を
    有するビットストリームを生成するデータ圧縮符号化装
    置であって、 前記圧縮後のデータを所定のフレーム内に納まるビット
    数を与える第1の基準で区切って得られた圧縮データを
    ビットストリームの第1のフレームに入れフレーム構成
    とする第1の処理手段と、 前記第1の基準より多いビット数を与える第2の基準で
    区切って得られた圧縮データと、前記第1の基準で得ら
    れた圧縮データとの重複しない部分のデータを第2のフ
    レームに入れフレーム構成とする第2の処理手段とを有
    することを特徴とするデータ圧縮符号化装置。
  3. 【請求項3】 複数のフレームに跨がるサンプルデータ
    に係る圧縮データによるフレームが含まれるビットスト
    リーム列を入力して元のサンプルデータを再生する圧縮
    符号化データ再生装置であって、 入力されるビットストリーム列のフレームから圧縮デー
    タを抽出する抽出手段と、 サンプルデータに係る圧縮データが複数のフレームに跨
    がっているときに当該フレームに挿入される所定データ
    を検出する検出手段と、 この検出手段で所定データが検出されたときには抽出手
    段で抽出された第1のフレームの圧縮データと第2のフ
    レームの圧縮データとからサンプルデータを再生する再
    生手段とを有することを特徴とする圧縮符号化データ再
    生装置。
  4. 【請求項4】 複数のフレームに跨がるサンプルデータ
    に係る圧縮データによるフレームが含まれるビットスト
    リーム列を入力して元のサンプルデータを再生する圧縮
    符号化データ再生装置であって、 入力されるビットストリーム列のフレームから圧縮デー
    タを抽出する抽出手段と、 この抽出手段で抽出された所定の第1のフレームの圧縮
    データのみからサンプルデータを再生する第1の再生手
    段と、 前記抽出手段で抽出された所定の第1のフレームの圧縮
    データと第2のフレームの圧縮データとからサンプルデ
    ータを再生する第2の再生手段と、 前記第1の再生手段と第2の再生手段のいずれかを選択
    する選択手段とを有することを特徴とする圧縮符号化デ
    ータ再生装置。
  5. 【請求項5】 入力されるサンプルデータの所定部分を
    削除することによって、データを圧縮し、フレーム構成
    を有するビットストリーム列を生成し、伝送するデータ
    圧縮符号化方式であって、 所定の区間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮
    後のデータが所定のビット数に納まるビット数を与える
    第1の基準と、この第1の基準より多いビット数を与え
    る第2の基準とを設け、前記第1の基準で得られた圧縮
    データは第1のビットストリームに入れ、第2の基準で
    得られた圧縮データと第1の基準で得られた圧縮データ
    との重複していない部分のデータを第2のビットストリ
    ームに入れビットストリーム列を構成することを特徴と
    するデータ圧縮符号化方式。
  6. 【請求項6】 複数のフレームに跨がるサンプルデータ
    に係る圧縮データによるフレームが含まれるビットスト
    リームを入力して元のサンプルデータを再生する圧縮符
    号再生方式であって、 前記ビットストリームを受け、第1のビットストリーム
    のみにより復調し当該フレームのデジタルサンプル列を
    再生するか、第1のビットストリームと第2のビットス
    トリームとで復調し当該フレームのデジタルサンプル列
    を再生するかを任意に選択し得る圧縮符号再生方式。
  7. 【請求項7】 入力されるサンプルデータの所定部分を
    削除することによって、データを圧縮し、フレーム構成
    を有するビットストリーム列を生成し、伝送するデータ
    圧縮符号化方式であって、 所定の区間毎に区切ってフレーム構成とする際に、圧縮
    後のデータが一定のビット数に納まるビット数を与える
    第1の基準と、第1の圧縮基準より多いビット数を与え
    る第2の基準とを設け、第1の基準で得られた第1の圧
    縮データと、第2の基準で得られた圧縮データと第1の
    基準で得られた圧縮データとの重複していない部分のデ
    ータを第2の圧縮データとし、ビットストリーム列の当
    該フレーム内で領域を分けて伝送することを特徴とする
    データ圧縮符号化方式。
  8. 【請求項8】 複数のフレームに跨がるサンプルデータ
    に係る圧縮データによるフレームが含まれるビットスト
    リーム列を入力して元のサンプルデータを再生する圧縮
    符号再生方式であって、 前記ビットストリームを受け、第1の圧縮データ部分の
    みにより、復調し当該フレームのデジタルサンプル列を
    再生するか、第1の圧縮データ部分と第2の圧縮データ
    部分とで復調し当該フレームのデジタルサンプル列を再
    生するかを任意に選択し得る圧縮符号再生方式。
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