JPH0772203B2 - 安定化されたキチン - Google Patents

安定化されたキチン

Info

Publication number
JPH0772203B2
JPH0772203B2 JP59502748A JP50274884A JPH0772203B2 JP H0772203 B2 JPH0772203 B2 JP H0772203B2 JP 59502748 A JP59502748 A JP 59502748A JP 50274884 A JP50274884 A JP 50274884A JP H0772203 B2 JPH0772203 B2 JP H0772203B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitin
stabilized
acid
naturally occurring
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59502748A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60501661A (ja
Inventor
ベ−ド,マリア・エル
Original Assignee
ベ−ド,マリア・エル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベ−ド,マリア・エル filed Critical ベ−ド,マリア・エル
Publication of JPS60501661A publication Critical patent/JPS60501661A/ja
Publication of JPH0772203B2 publication Critical patent/JPH0772203B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/34Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/163Sugars; Polysaccharides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0024Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid beta-D-Glucans; (beta-1,3)-D-Glucans, e.g. paramylon, coriolan, sclerotan, pachyman, callose, scleroglucan, schizophyllan, laminaran, lentinan or curdlan; (beta-1,6)-D-Glucans, e.g. pustulan; (beta-1,4)-D-Glucans; (beta-1,3)(beta-1,4)-D-Glucans, e.g. lichenan; Derivatives thereof
    • C08B37/00272-Acetamido-2-deoxy-beta-glucans; Derivatives thereof
    • C08B37/003Chitin, i.e. 2-acetamido-2-deoxy-(beta-1,4)-D-glucan or N-acetyl-beta-1,4-D-glucosamine; Chitosan, i.e. deacetylated product of chitin or (beta-1,4)-D-glucosamine; Derivatives thereof
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/90Enzymes; Proenzymes
    • G01N2333/914Hydrolases (3)
    • G01N2333/924Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2400/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving carbohydrates
    • G01N2400/10Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • G01N2400/12Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar
    • G01N2400/24Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar beta-D-Glucans, i.e. having beta 1,n (n=3,4,6) linkages between saccharide units, e.g. xanthan
    • G01N2400/28Chitin, chitosan

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この出願は1983年6月27日に出願された出願中のアメリ
カ特許願第508,476号の一部継続出願である。
この発明は天然産のキチンの高分子誘導体及びこれら誘
導体の製造法及び使用法に関する。
キチンとは事実上、例えば甲殻類及び多の節足動物の、
又は軟体動物の骨格又は殻の一部としての多数の供給源
において、あるいは菌の細胞壁において合成されている
N−アセチル化グルコサミン単量体単位の炭水化物重合
体を指す。天然産キチンは非常に広範囲の構造上の機能
を果す。
キチンの自然構造が高い引張強度、タフネス、生物活
性、生分解性及び非免疫原性を含めて独特の性質の組合
わせを与えることが知られるようになつてかなり経つ。
キチン又はその脱アシル化誘導体であるキトサンについ
て広範囲に及ぶ工業用途が提案されている。〔例えば、
ムツザレリ(Muzzarelli)著キチン(1977)、ペルガモ
ン・プレス社(Pergamon Press)、ニユー・ヨーク(Ne
w York)、N.Y.第207−265頁;オースチン(Austin)等
(1981)サイエンス(Science)212:749−753;及びロー
ルス(Rawls)(1984)ケミカル・アンド・エンジニア
リング・ニユーズ(Chemical&Engineering News)、5
月14日、第42−45頁を参照されたい。〕キチンの推定年
間バイオマス産出高(1011トン)はセルロース産出高に
匹敵するが、その工業上の見込みは一般に今日でも自覚
されていない。これは主として、最も容易な入手源、例
えば甲殻類の甲殻からのキチンが共有結合を含めて他の
物質、例えば蛋白質、鉱物質(主としてカルシウム塩の
形の鉱物質)、脂質及び色素(カロチン類を含む)と密
接に結合して現われるためである。このような異物は全
てキチンの最終製造に先き立つて除去されなければなら
ない。更に、キチンは全ての、しかし強い鉱酸又は外来
の無水の溶媒への分散又は溶解が困難で、これが有用な
キチン生成物の回収、精製の妨げとなつていた。
かくして、キチンの商業的な有用性を改良又は向上させ
るために克服すべき2つの困難な問題はキチンから非キ
チン質物質を分離すること、及び物理化学的に十分に均
一な配列でキチンの巨大分子を得、それらを化学的及び
/又は酵素的操作に対して一層容易に利用できるように
するように、精製されたキチンを水溶液に分散させるこ
とである。つまり、キチンの商業的な見込みの実現には
厳密に再現し得る、そして予測可能な特性を持つ均一に
分散したキチン生成物製造する方法が必要とされるので
ある。
キチンから誘導された色々な物質の化学的改質にはかな
りの注意が払われたけれども、そのような改質に用いら
れる出発物質の品質と製造は往々にして全く無視され
た。例えば、この出発物質は“市販の、カルボネートを
含まないキチン”〔ボグラー(Vogler)のアメリカ特許
第2,831,851号〕とか、“精製キチン”〔ジョーンズ(J
ones)のアメリカ特許第2,689,244号〕とか、あるいは
“粗製キチン−−−−市販”〔ステーセー(Stacey)及
びウエーバー(Webber)のメソツズ・イン・カーボハイ
ドレート・ケミストリー(Methods in Carbohydrate Ch
emistry)、第1巻、第228頁〕と典形的に称されてい
る。
精製キチンを得るのに用いられる方法が開示されている
場合、それは“周知の操作”と特徴付けることができ
る。前記ムツザレリの著書(第89頁及びそれ以降)は原
料物質からキチンを製造するために用いられてきた各種
方法について包括的に概説している。ベミラー(BeMill
er)(1965)のメソツズ・カーボハイドレート・ケム・
ブイ(Methods Carbohydrate Chem.V.)、“キチン”第
103−105頁にもキチンの製造が概説されている。
このような製造法は典形的には原料物質を水溶液中に分
散させるために破砕又は微粉砕し、熱濃アルカリで脱蛋
白し、そして塩酸で脱石灰化することを含む。幾つかの
ケースでは、得られた物質を次に、精製中に例えばKMnO
4、H2O2又はオゾンによる過酷な酸化に対している。例
えば、バーガー(Berger)等(1957)のBiophys.Bioche
m.Acta.29:522−534を参照されたい。
天然産キチンのある種の特性又は他の特性を保持させる
試みがなされた場合でも、従来法は結局、以下に示され
る引用文献において繰り返し述べられているように、キ
チンを分散させるために比較的過酷な条件を用いざるを
得なかつた。
1人の研究者は“市販キチン”(出所は不明)をトリク
ロロ酢酸/ギ酸系のような酸系〔オースチン(Austin)
のアメリカ特許第3,892,731号〕に、又はクロロアルコ
ール〔例えば、クロロエタノール〕と鉱酸(例えば、HC
l、HNO3、H2SO4又はH3PO4)との組合わせ〔オースチン
のアメリカ特許第3,879,377号〕に溶解させる試みをす
ることによつて上記問題にアプローチした。
より最近の研究で同じ研究者は、上記アメリカ特許第3,
892,731号及び同第3,879,377号に開示される操作は相当
の期間にわたる貯蔵に望まれるほどには安定でない溶液
を与えることから、他の溶剤、例えばジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン、又は塩化リチウムの添加
によるそれらの混合物に変えた〔オースチン等のアメリ
カ特許第4,029,727号〕。
更に他の研究〔オースチン等のアメリカ特許第4,029,72
7号〕において、その目的はキチンが完全に溶解又は分
散され、且つ秩序又は組織化なしのキチン溶液を得るこ
とにある、と述べられている。その目的のために、赤カ
ニのキチンをトリクロロ酢酸、抱水クロラール及び塩化
メチレンから成る溶剤系に溶解している。
最後に、オースチン等のアメリカ特許第4,286,087号
は、創傷治ゆのような用途に有利であると言われる左旋
性(−)及び恐らくは天然産キチンの特性を保持させつ
つ、キチンを処理して貯蔵及び輸送を一層容易にする方
法を提案している。この方法はキチン(例えば、ブラウ
ンシバエビからのもの)を85%のH3PO4及び2−プロパ
ノールの混合物中で1時間30分煮沸することを含む。オ
ースチン等(1981)のサイエンス(Science)212:749−
752は再分散可能のキチン粉末を製造する同様の操作を
開示している。この操作においては、キチンのスラリー
が85%H3PO4及び2−プロパノール中で2時間煮沸さ
れ、水に分散され、剪断され、そして凍結乾燥されてい
る。リン酸は、“排水の抽出及び塩酸水溶液による試験
溶離でリン含量は0.1パーセントまで低下したことか
ら、幾つかの遊離アミン基によりリン酸塩の形で保持”
されている、と言われている。
もう1つの研究グループは天然キチン/鉱物質/蛋白質
のマトリツクスから有用物質を回収すると言う問題に対
して色々なアプローチの仕方を取つている。
ペニストン(Peniston)のアメリカ特許第3,533,940号
はカニの殻をHClで処理し、脱蛋白し、そしてそれを過
マンガン酸塩と蓚酸で処理し、続いてそのキチンを150
℃において40%力性ソーダにより部分的に脱アセチル化
することによつてカニの殻からキサトンを製造すること
を開示している。ペニストン等のアメリカ特許第4,066,
735号は過剰の亜硫酸を用いる脱石灰化を開示している
が、HClは相対的に値段が高く、かつ危険であるため、
また“脱鉱物質化処理中にキチンを若干分解させる”ほ
ど強いため、亜硫酸の方がHClより好ましいと言われ
る。亜硫酸はまたは硫酸よりも好ましいと言われている
が、それは硫酸の不溶性で、殻粒子の隙間及び表面に沈
殿する硫酸カルシウムを生成させると言われているため
である。その脱石灰化工程は蛋白質の除去前又は除去後
のいずれでもよいと言われている。
もう1つの研究において、ペニストン等〔アメリカ特許
第4,199,496号〕は、殻をまず水酸化ナトリウム中で煮
沸して蛋白質を抽出し、次いでその残分を鉱酸、例えば
HClに付すことによつて色々な成分を回収する殻の処理
方法を開示している。
上記で特定的に述べたものに加えて、他の多くのキチン
精製技術が公にされている。要するに、キチンの精製技
術は一般に、所望とされない物質を可溶化し、除去する
には過酷な処理が必要であるという仮定のもとに進んで
いる。すなわち、言うまでもなく、そのような物質を除
去した後にキチンを分散させるのに用いられる特定の方
法は固有の構造を保存し、及び/又は安定化するように
は設計されていない。
現に知られている方法でカルシウム保有キチン源からの
キチンの製造は本来の重要な構造上の特徴を失つている
物質を生む。このこととは色々な方法で証明されてい
る。例えば、そのような物質は普通のより方ではキチン
特異性酵素類と反応しない。すなわち、それらは試験管
内で反応するとしても、生体内やキチン分解過程のその
場で定量的に検定される速さに比較して余りにも遅過ぎ
る大きさのオーダーの速度でしか進まない。更に、その
ような調製物はしばしばリゾチーム類のような、キチン
に現われることが知られていない結合に特異的な酵素と
遅いとはいえ反応する。また、このような調製物の酵素
による消化生成物は十分に特徴付けられても、又は一定
でもなく、またその消化も完全には進まない。確立され
た操作に従つて単離されたキチンの顕微鏡で見る外観は
不規則に圧縮され(第3図を参照されたい)、従つて反
応の場でのキチンストランドの秩序立つた外観と相違し
ている(ネービル〔Neville〕以下及びリチヤーズ〔Ric
hards〕の節足動物の殻〔The Integument of Arthropod
s〕、ユニブ.ミネソタ・プレス〔Univ Minnesota Pres
s〕、1951を参照されたい)。更に、このような技術に
従つて製造したキチン物質は溶媒系、例えば旋光性を決
定するのに用いられる10%/ν溶液中で比較的高濃度の
懸濁液を作る能力に反映されているように、比較的コン
パクトで、緻密である。
再現性のある一定の性質を持つ商業的に有用なキチン、
又はキサトンのような誘導体を製造する操作を開発すべ
く広範な、長期にわたり継続してなされた努力は遭遇し
た諸問題の困難さを証明している。更に、脱蛋白され、
かつ脱石灰されたキチンを回収する今知られている方法
は工業上/農業上の用途には往々にして使用できない物
質を生成させる。例えば、このようなキチン調製物から
誘導されたキサトン類の性質も、例えば重金属の封鎖に
関してそれらの挙動が異なり、その挙動は、キトサンの
典形的性質と一般に考えられているけれども、それにも
係わらず連続製造実験の生成物が試験されるとき与えら
れたイオン性種に関して広く定量的に変わる(プロシー
ド〔Proceed〕.IIインターナツト〔Internat〕.コンフ
アー〔Confer〕.キチン/キトサン、札幌、日本、198
2)。かくして、このような調製物の性質は不変でも、
均一でもない。
一般に、このような問題はキチンの構造に固有であり、
及び/又は精製方法の必要についてそれら問題が生じ、
従つて脱鉱物質化及び/又は脱蛋白化の生成物は必然的
に変わり得、一定でなく、そして一般に非反応性である
と仮定されていた。
更に、“キチン−−−−はバクテリアによつて攻撃され
ず、それは加水分解が困難で〔ムツザレリのアメリカ特
許第3,635,818号〕”、そしてキチンは“酵素作用に極
めて抵抗性である〔ダン(Dunn)のアメリカ特許第3,84
7,897号〕”と仮定されている。
“キチンは純粋な形では全く見い出されず、通常実質的
な量の蛋白質及び無機塩、例えば炭酸カルシウムと結び
付いている。−−−−キチンは普通生体の中に、及び生
体に結び付いていることが見い出され、かつ生物学的過
程の範囲から取り出されるとき変えられた特性を示すと
期待されていることに気付かれるべきである〔シルバー
(Silver)のアメリカ特許第4,120,933号〕。
同様に、もう1人の研究者は、“その不溶性及びその他
の物質との密接な関連の故に、〔キチンの〕単離は汚染
性物質を除去するために激しい方法の使用を必要とす
る;これらの方法は多分キチンをある程度分解させ
る。”ベミラー(BeMiller)(上記)。
かん詰製造所廃物から作つた甲殻類の飼料を用いること
によつてこれらの問題を回避する試みも成功には至らな
かつた。ペニストン〔アメリカ特許第4,199,496号〕に
よれば: “一般に、甲殻類動物の廃物飼料の市場は鉱物質含量及
びキチン含量が高いために限られている。これは−−−
−甲殻類動物の廃物飼料を飼育動物や飼鳥類に与えるこ
とができる水準を制限する。“そして”キチンは飼鳥類
や家畜類にとつて消化できず、腹痛を引き起こすことが
あり得る。かくして、〔甲殻動物の廃物飼料の〕蛋白質
だけが飼料として真に価値のあるものであつて、甲殻動
物からできている飼料の他の成分は飼料価値を落してい
る望ましくない希釈成分である。” 発明の要約 本発明者は、天然産キチンの分子構造は複雑で、高度に
秩序立つており、また極めて脆く、そして多くの化学的
処理に敏感であること、及び鉱物質、蛋白質、及び天然
産のカルシウム含有キチン類と結び付いた他の物質を除
去する現に行われている努力はその本来の構造を激しく
変えてしまうということを発見した。特定的に言えば、
天然のカルシウム含有キチンはマトリツクスの中に存在
し、その一部はキチン−蛋白質の架橋結合及び蛋白質−
蛋白質の架橋結合を含む。このマトリツクスはカルシウ
ム塩のような鉱物質の殻でしつかり覆われ、そしてしば
しば脂質及び色素を含む。キチン類に対して特異性の酵
素はキチン類の微細構造に極めて敏感である。その微細
構造は、いつたん失われると、その自然の環境からの分
離過程において変えられたキチンから再生することがで
きない。
本発明の特徴は線維質の、分散可能な精製されたキチン
重合体を、それら重合体が天然キチンのカルシウム強化
蛋白質マトリツクスから実質的に分離されている点で特
徴付けている。この重合体は軽度のエステル化によつて
安定化されており、そしてそれら重合体は、キチナーゼ
(EC 3.2.1.14)及びキチンデアセチラーゼを含めて天
然産キチン類に対して特異性の酵素により急速、定量的
に見分けられること、及び他の基質に対して特異性の酵
素、例えばリゾチーム類によつて完全に見分けが行われ
ないことによつて証明されるように、天然キチンの構造
上の特徴を保持している。
軽度にエステル化されたとは、架橋性エテテル官能基
(functions)対糖残基の比が1/500乃至1/1500、最も好
ましくは約1/1000であることを意味する。線維質とは、
単離又は分散されたキチンが比較的大きな、十分に組織
された長い線維、例えば直径約1乃至3ミクロンの太い
線維によつて主として特徴付けられることを意味する。
分散可能なとは、キチン重合体を水溶液中に容易に、そ
して均質に懸濁させることができることを意味する。キ
チン−特異性酵素とは、天然産キチン類と急速に、そし
て定量的に反応する酵素、例えばエンドー又はエキソー
キチナーゼ類又はキチンデアセチラーゼ類を意味し、構
造的に似ていることは見分けるが、必ずしも同等のグリ
コキシド結合は見分けず、かつ反応するとしてもその自
然の分子構造を大部分保持しているキチンとはゆつくり
としか反応しない酵素、例えば非特異性のヘキソサミニ
ダーゼ類又はリゾチーム類は除外することを意味する。
分散したキチン重合体の好ましい態様において、エステ
ル官能基はN−アセチルグルコサミン単位の連鎖間に架
橋を形成すると推定されるサルフエート官能基とホスフ
エート官能基であるか、又は架橋しないけれども、それ
にも係わらず天然産のキチン線維を安定化するアセチル
官能基又はナイトレート官能基であり、そしてその太い
長い線維は直径が1乃至3ミクロンである。
この発明はまた、天然産カルシウム強化キチン蛋白質マ
トリツクスから前記キチン重合体を製造する方法に特徴
がある。この方法においては、マトリツクスはまず脱石
灰化及び脱蛋白され、次いでキチンが回収前にエステル
形成性の酸の中に分散され、安定化される。
この方法の好ましい態様において、キチン分散媒体の温
度は分散中ずつと±1℃(最も好ましくは±0.5℃)以
内に均一に保たれ;その温度は8℃以下に保たれ;分散
は3〜48時間続けられ;そして酸はマルチ−エステル
(multi−ester)形成性の酸(例えば、硫酸又はリン
酸)であつて、その酸は予備冷却され、水性原料キチン
懸濁液に90%以下の最終濃度になるまで徐々に加えられ
る。脂質及び他の非−キチン物質(例えば、色素)は製
造の途中で除去される。但し、そのような工程はしばし
ば微妙なキチンの微細構造に損傷を与えるため、この目
的のために特に工程は導入されていない。
得られたキチン重合体生成物はキチン本来の製造上の特
徴を実質的に保持しているので、それら生成物は酵素プ
ロセスの基質として特に有用であり、そして選ばれた化
学的操作において十分に働くだろう。この点で、それら
生成物は現にある精製及び/又は再生キチンとは極めて
対照的である。後者の精製及び/又は再生キチンは本来
の構造がつぶされており、それは密度の著しい変化、光
学顕微鏡及び/又は電子顕微鏡による試験において示さ
れる外観の著しい変化及び水溶液中で均質な懸濁液を形
成し、及び/又は予測し得る性質を持つ誘導体を与え、
及び/又は特定の酵素プロセスの基質として役立つ能力
がないことによつて示される。
本発明は従つて多数の酵素プロセスにおいてキチン重合
体を使用する点に特徴がある。酵素プロセスとして安定
化されたキチンの酵素作用脱アセチル化による構造のは
つきりしたキトサンの形成;有効(すなわち、“固定化
された”)窒素の、浸出による損失を受けない、一定の
予測し得る供給を与える安定化された分散キチン重合体
の酵素作用分解による植物の豊富化;反すう動物、鳥及
び魚の飼料における非蛋白質酵素(NPN)及び糖源及び
アセテート炭素源、すなわちエネルギーとNPNとしての
使用;キチナーゼを検出する、例えば細胞外キチナーゼ
を生成する微生物を選択するインジケーターとして使用
されるキチン重合体を含有する栄養平板(nutrient law
n)の形成;及び残留フラクトーズをエタノール−−−
例えば内燃機関を運転するに望ましいエネルギー源−−
−に容易に工業的に発酵させ得る工業的発酵における肥
料配合物のトラツプされ、かつ利用されるべき窒素源と
してのものがある。
予測し得る生成物を再現性よく生成させる方法の重要性
は反すう動物の飼料補充物としてのキチンの使用によつ
て例証される。反すう動物はこぶ胃の中で、例えばアミ
ノ酸を微生物の作用で発酵又は生合成することによつて
生成する窒素化合物を利用する。特定の微生物酵素によ
つて予測、識別されるキチンは牧草だけの飼料が動物の
窒素バランスをくづす特に冬場の牧草のような相対的に
不完全な飼料を強化する非蛋白質の窒素を与えることが
できる。しかしながら、そのような酵素作用による識別
が保証されないならば、数日以上も胃に残つている未消
化のキチンは動物に極めて有害であるので、キチンは飼
料として使用することができない。かくして、不確かな
構造と組成を持つ生成物を与える現在行われている方法
は商業的価値のないものである。
上記の酵素プロセスでの使用とは別に、それより製造さ
れたキチン重合体又はキトサンは一般に工業的原材料と
して有用で、その場合本来のキチンが持つ一定不変の、
予測可能の性質が重要である。キチン及びキトサンにつ
いて提案された特定の使用例として、各種金属イオンを
選択的にキレート化する(例えば、核分裂の生成物であ
る放射性イオンを除去して金属工作廃水を精製し、金属
廃棄物を再生し、あるいは反応生成物を精製する)試
剤;染料を担持し、汚染を排し、収縮を防止する等の作
用をする紙又は布帛の添加剤又は仕上げ剤;写真用基
質;接着剤;皮革仕上げ剤;医用膜の形成材料;溶解性
の乏しい医薬物質の薬剤キヤリアー;血液凝固剤;生分
解性の医用フイラメント又は布帛;又は植物に対して有
意の利用可能な窒素を同時に与えつつ耕土を改良する耕
地用補助剤がある。
次の文献はキチン重合体及びそれより誘導されたキトサ
ンの使用方法を開示している。
ジヨーンズ(Jones):アメリカ特許第2,689,244号−−
−ペースト用シツクナー、接着剤、ドリリング用添加剤 オースチン(Austin):アメリカ特許第4,286,087号−
−−創傷治ゆ オースチン:アメリカ特許第3,879,377号−−−製紙、
表面活性剤 ボグラー(Vogler):アメリカ特許第2,831,851号−−
−血液抗凝固剤 ダン(Dunn):アメリカ特許第3,847,897号−−−シツ
クナー、食品安定剤 クツシング(Cushing):アメリカ特許第2,755,275号−
−−血液抗凝固剤 デランガー(Delangre):アメリカ特許第2,842,049号
−−−写真処理 ペニストン(Peniston):アメリカ特許第3,533,940号
−−−−抗凝固剤 ムツザレリ(Muzzarelli):アメリカ特許第3,635,818
号−−−金属イオンのキレート化 ブリツジフオード(Bridgeford):アメリカ特許第3,68
9,466号−−−撥汚剤 バラツサ(Balassa):アメリカ特許第3,914,130号−−
−創傷治ゆ キヤツツ(Katz):アメリカ特許第3,940,317号−−−
リゾチームの単離 ダン:アメリカ特許第4,034,121号−−−食品シツクナ
ー スラゲル(Slagel):アメリカ特許第4,056,432号−−
−紙添加剤 ニーウエンヒユイス(Nieuwenhuis):アメリカ特許第
4,156,647号−−−廃水処理 キヤセー(Casey):アメリカ特許第4,068,757号−−−
手術手袋用粉末 カポツザ(Capozza):アメリカ特許第4,074,713号−−
−外科用要素 ムラリダーラ(Muralidhara):アメリカ特許第4,293,0
98号−−−動物飼料用添加剤 シルバー(Silver):アメリカ特許第4,120,933号−−
−放射性廃物の除去 シユアンゼ(Schanze):アメリカ特許第4,357,358号−
−−動物飼料用添加物 上記特許をこゝに引用、参照するものとする。
本発明の他の特徴及び利点は好ましい態様についての以
下の説明から、及び特許請求の範囲から明らかになるだ
ろう。
好ましい態様の説明 次に、好ましい態様についての図面を簡単に説明する。
図 面 第1図は安定化された小エビのキチンの写真(400X)で
ある。
第2図は安定化されたロブスターのキチンの写真(400
X)である。
第3図は不安定にされた(つぶれた)カニのキチンの写
真(400X)である。
第4図はコロニーとして生長中に、及びその結果として
示された細胞によつて滲出せしめられた細胞外キチナー
ゼに暴露されたキチン−寒天平板(chitin−agor law
n)の写真(9X)である。
I.天然キチン 実質上いかなる見分けられた天然産のカルシウム保有キ
チンも精製、安定化されたキチン製造用の適切な出発物
質として役立つ。甲殻類の殻及び甲殻類全体(例えば、
オキアミ)はそのような天然産キチンの最も豊富な供給
源の部類に入る。
II.安定化されたキチンの製造 A.脱石灰化及び脱蛋白 初め、もとのまゝのキチン保有組織体を水中で煮沸する
か、又は酸化防止剤溶液ですすぎ洗いすることによつて
保存処理し、次いで風乾する。これは任意の都合のよい
環境温度における材料、例えば缶詰工場の廃物殻の貯蔵
又は処理プラントへの損傷なしでの、そして重量を著し
く下げての輸送を可能にする。
この組織体を次に更に処理するために均一な大きさに切
断し、微粉砕し、あるいは粉砕することによつて機械的
に砕解する。このステツプは以下に述べるように、脱石
灰化後にも等しく十分に行うことができる。
カルシウム(大部分CaCO3として存在する)は希塩酸、E
DTA又は酵素作用による処理によつて除去する。HClを使
用する場合、脱蛋白された予備安定化キチンのHClある
いは他の非エステル化性酸、例えばHClO4に対する暴露
はキチン本来の構造を不可逆的に破壊してしまうので、
脱石灰化は(以下に述べる)脱蛋白の前に行わなければ
ならない。
脱石灰化に続いて、蛋白質を含む物質、脂質及び色素を
次に沸騰している希NaOH又は特異性酵素を用いて除去す
る。これらの物質が除去されると、本来のキチンの構造
は、特に非エステル化性酸及び/又は酸化性薬品に暴露
されるとき、攻撃を受けてつぶされ易い。このような圧
壊は不可逆的で、かつ特異性キチンを見分ける酵素によ
る加水分解に対してその物質を不適当にする。既に、そ
れはほとんどの適用において単離された物質の性能の一
致性と質を急激に低下させる。
つまり、脱蛋白キチンは次のステツプ(分散ステツプ)
が行われるまでは比較的中性の環境(例えば、pH5乃至
8、又は所望によつては都合のよい任意の外囲温度にお
いて乾燥状態)に維持しておくのが望ましい。この段階
では、非エステル化性の酸(例えば、HCl)及び/又は
強酸化性の条件(例えば、過マンガン酸塩溶液)への暴
露は避けるのが特に重要である。
B.精製されたキチンへの安定化と分散 得られた脱石灰化及び脱蛋白されたキチンを分散させる
には、上記のように構造が損傷を受けるのを避けるため
に極度に注意をはらわなければならない。特定的に述べ
ると、分散温度、酸の最終濃度と添加速度、及び、最も
重要であるが、使用される酸のアニオンは正確に制御し
なければならない。キチン特異性酵素により速やかに攻
撃される基質を生成させるように酸の分散が必要とされ
る。単なる微粉砕は酵素が容易に攻撃することができる
大きさに巨大分子の集合体を減少させるには不十分であ
る。
特定の理論に結び付けるものではないが、使用される酸
はキチンをエステル化することができるものでなければ
ならないと思われる。最も好ましくは、酸はマルチ−エ
ステル形成性である必要がある(即ち、その対応する塩
基はエステル形成に有効な酸素を1個以上有する必要が
ある)。このような酸の例は硫酸及びリン酸である。サ
ルフエートアニオンは、エステル結合を形成するのに十
分に求核性である遊離の酸素を2個有する。硫黄を結合
した酸素が個々のキチンフイブリルに結合すると、それ
らはフイブリル間で架橋を形成することができ、また十
分な、しかし多過ぎない架橋が形成されると、キチンの
線維構造は安定になる。このような安定化は、安定化さ
れたキチンがエステル結合を加水分解する条件にさらさ
れない限りその有効さを持ち続ける。これらの結合が加
水分解されると(例えば、25%(V/V)以上の酸性条件
に、又はキトサンの製造中のキチンの化学的脱アセチル
化において通例行われるように高熱と共に高度に塩基性
の条件にキチンを長期暴露することによつて)、本来の
キチン構造は不可逆的につぶれてしまう。
分散中にもし酸濃度が水の濃度に対して高過ぎると、見
掛け上過エステル化が起こり、実用価値が全く認められ
ない生成物が生成する。酸濃度が低過ぎると、及び/又
は酸の導入が遅過ぎる速度で行われると、結合(架橋)
は分散と足並みが揃わなくなつて本来の構造をつぶした
り、あるいはまた分散が起らなくなることがある。分散
中の過度に高い温度はそれがたとえ局所であつても、あ
るいは長期間の酸の接触も、恐らくは連鎖が過度に短か
くなることによつてキチン本来の構造を破壊し、また収
率も下げる。最後に、材料を強い酸化剤、例えばオゾ
ン、H2O2又は過マンガン酸塩に暴露するのは(例えば、
色形成性物質を除去するためにしばしば行われるよう
に)、鎖長の崩壊や本来の構造及び糖単量体の破壊を防
ぐために避けなければならない。
要するに、分散中は、分散媒体の温度は媒体全体を少な
くとも2℃以内、最も好ましくは1℃以内に制御すべき
であり、また分散媒体は適当な中間及び最終濃度でのエ
ステル形成性酸水溶液に限られるべきである。過度に高
い温度及び酸濃度から局所「燃焼(burns)」を避ける
ために、酸は予かじめ冷却しておき、そして予かじめ冷
却され、撹拌されている。相当する水量中での破砕又は
微粉砕された懸濁液に撹拌しながら徐々に添加すべきで
ある。
予備冷却された酸の好ましい温度は分散媒体全体を通じ
て8℃以下、最も好ましくは4℃以下で、その温度は凍
結を防ぐために−5℃以上であるべきである。最初、酸
濃度は約80%(V/V)以下、最も好ましくは20%以下で
ある。酸は25乃至90%(V/V)の最終濃度まで加えられ
るが、その濃度以上では収率がかなり低下する。70%
(V/V)以下が最も好ましい。キチンが分散用酸に対す
る暴露時間は3乃至48時間、最も好ましくは24時間以下
である。
分散及びエステル化の後、安定化された生成物を急速に
撹拌されている水、アルコール、又は所望によつて水と
混合されている同様の有機溶媒中で沈殿させ、そして回
収する。酸を水で繰り返しすすいで除去し、そしてその
生成物を、もし食料品の製造に使用する予定がないなら
ば、アジドを添加して保存する。
第1図及び第2図はそれぞれ上記方法に従つて製造し
た、安定化され、軽くエステル化された小エビ及びロブ
スターのキチンの400部の写真である。
C.キチンの実験室製造例 小エビのキチンは冷塩酸で脱石灰化し、そして1N NaOH
中で30分間繰り返し煮沸することによつて脱蛋白すると
き、もろく、かつ容易に崩壊してしまう。典形的実験に
おいては、4gmのそのような材料を4℃の水100ml中に懸
濁させ、その間に4℃の濃H2SO4 100mlを1滴/30秒の速
度で前記撹拌されている懸濁液に添加する。キチンが全
部分散したとき、その粘稠な溶液を急速に撹拌されてい
る4℃の50%、エタノール水溶液中で沈殿させ、遠心分
離機で回収し、そしてpH5になるまで洗浄する。テアリ
ング(taring)後、すなわちつり合いおもりをかけた
後、0.1Mホスフエート−アセテート緩衝液(pH6.5)中6
mg/mlの懸濁液を調製する。酸性度の調整された基質は
0.02%のアジド又は他の同様の防腐剤若しくは防カビ剤
により保存加工するか、あるいは緩衝液による酸性度の
調整の前又は後に、基質は貯蔵のために凍結乾燥するこ
とができる。
上記の操作で概説した特定の方法は工業的製造にスチー
ルアツプすることから来る色々な改変に対して限定され
るものではない。例えば、分散処理中の混合操作は散
布、すなわちスパージング(sparging)により行うのが
望ましい。分散媒体に対する沈殿剤の添加による沈殿
(逆は同じでない)はより大規模な運転でより良好な結
果を与えることができる。沈殿した固体は連続洗浄及び
回収操作を組み合せてもよいかもしれない「放水(slui
cing)」操作によつて回収することができる。
III.生成物の特性決定 A.全般 前記方法から得られる安定化キチンは非キチン質物質を
実質的に含まず、しかもキチン本来の構造を実質的に保
存している。“非キチン質物質を実質的に含まない”と
は、生成物が2%以下(重量で)のアミノ酸を有し、灰
分含量は無視でき、キチン質物質が98%以上であること
を意味する。この組成は、天然産キチンの微細構造を破
壊する高温又は強酸の使用のような過度に厳しい操作に
よつて製造した、得られた緻密な塊状の物質内にアミノ
酸及び/又は灰分を閉じ込めているキチンとは対照的で
ある。“キチン本来の構造を実質的に保存している”と
は、問題の生成物が光学顕微鏡で見ることができ、そし
て脱蛋白した甲殻中に同様の形で予かじめ存在している
だろう線維質構造を保持していると思われることを意味
し、またその線維質構造は天然産キチンに特異性の酵素
によつて見分けられることを意味する。この酵素とし
て、例えば昆虫の脱皮流体キチナーゼ(insect molting
fluid chitinase)、Streptomycesキチナーゼ類及び他
の特異性加水分解酵素、例えばコムギの麦芽からの酵素
又はS.marcescensがある。このような酵素は、化学的に
つぶれた、またそうでなければ構造的に損傷を受けたキ
チンといろいろな反応様式で反応し、あるいは全く反応
しない。安定化されたキチンはまた公知の構造の他の物
質に特異性の酵素と反応しない。例えば、このキチンは
リゾチームによる攻撃を受けない。更に詳しくは、安定
化されたキチンはキチン特異性酵素に関して正常な動力
学的挙動を示す。すなわち、安定化キチンは、節足動物
の脱皮あるいは脱皮甲皮の破壊の際の古い表皮に典形的
な、例えば水中環境中での速い酵素作用加水分解のよう
な生体内キチン反応の速度に比肩する速度で反応する。
更に、反応の動力学は標準的な方法で容易に特徴付ける
ことができる(例えば、反応次数及び機構に関して)。
対照的に、構造的につぶれたキチン又は水溶性にするよ
うに誘導されたキチンは非特異性のヘキソサミニダーゼ
類によつてゆつくり、そして異状に分解され、あるいは
リゾチーム及び/又はベーダーグルコシダーゼの市販調
製物によつて攻撃を受けることさえあるが、どちらも全
く攻撃しないこともあり、あるいはまたキチン特異性酵
素によつて非常にゆつくり攻撃を受けることもある。上
記のもののような分解の速度は非常に遅く、かつそのよ
うな反応の動力学は非常に異状であるので、それら反応
が真の生体内反応を示しているとはいえない。
市販の、又は実験室で製造された、言われているキチナ
ーゼ活性を試験するための基質としての標識製品でさえ
酵素反応において異常な動力学的挙動を示す。モラノ
(Molano)等(1977)のAnal.Biochem.83:648−656を参
照されたい。
構造的に変わつてしまつたキチン誘導体を除いて安定化
されたキチン重合体を見分けるキチン特異性酵素には真
正キチナーゼ類(非特異性ヘキソサミニダーゼ類又はリ
ゾチーム類ではない)及びキチンデアセチラーゼ類のよ
うなその天然形態でキチンを見分けることが知られてい
る全ての酵素が含まれる。これらの酵素には、Streptom
ysesの培養物から得られ、ミズリー洲(Mo.)、セント
ルイス(St.Louis)のシグマ・ケミカル社(Sigma Chem
ical Co.)、及び他の商業源から得られるもののような
キチナーゼ類(EC 3.2.1.14)があり、またマンデユカ
セクスタ(Manduca Sexta)又は節足動物を食用とす
る脊椎動物及び無脊椎動物の消化管から得られる酵素も
ある。他のキチン特異性酵素に以下で検討されるものの
ようなキチン・デアセチラーゼ類がある。
上記のキチン精製法から得られる生成物を顕微鏡検査す
ると、線維質構造が明らかになる。特定的に述べると、
太い(直径約1〜3ミクロン)の線維が観察される。特
定の理論に結び付けるものではないが、太い線維は安定
化されたキチンの調製物の顕微鏡検査で時にはきつちり
コイル状に巻かれた形で見える細い予かじめ存在する線
維が架橋することから主として由来していると考えられ
る。架橋は前記の如き多価塩基性エステル官能基によつ
て達成される。細い線維は非常に高倍率の電子顕微鏡写
真では本来のキチン構造の一体部分と見られる線維構造
に相当するだろう〔ネービル(Neville)、バイオロジ
ー・オブ・ゼ・アルスロポド・キユーテイクル(Biolog
y of the Arthropod Cuticle)の、例えばpp 170−174
スプリンガー・バーラグ(Springer−Verlag)、ニユー
・ヨーク(New York)、1975を参照〕。
これらの線維構造は予想できる程度に、例えば機械的に
変えることができ、そしてそのような変更は同様に予想
できるように酵素による消化に影響を及ぼす。もし、製
造中に適正な注意が取られなかつたならば、このような
細い線維の圧壊は人工的なフイブリル内連鎖の分割に由
来すると考えられる短かい(水溶性の)キチンセグメン
トを放出させる。エンドー及びエキソキチナーゼ活性を
共に有する昆虫脱皮流体キチンナーゼは太い線維と細い
線維の混合物を完全に消化する。シグマ・ケミカル社か
ら商業的に得られるStreptomycecキチナーゼ−その若干
の調製物中にはエンドキチナーゼ活性をほとんど、又は
全く保有していない−は太い線維だけをきれいに消化す
ることができるが、(つぶれた)細い線維は全く攻撃を
受けない。これらの事実は光学顕微鏡検査で容易に証明
される。しかし、もしつぶれたキチン、例えば第3図に
示される如きつぶれた細い線維又は化学的につぶれた物
質を市販の“ベーターグルコシダーゼ”の調製物(キチ
ナーゼ活性を有しているとは全く思われていない)に暴
露させるならば、つぶれた物質は極めて速い速度で攻撃
を受けるが、そのとき太い線維はそのまま残つている。
顕微鏡検査は、更に今現に行われている方法で精製され
たキチンは、対照的に、顕微鏡写真の上では線維に似て
いるものであつても、しかし次の部分的再生により微細
構造の初期破壊を受けているキチンから組み立てられて
いる実質的量の残分が未消化のまゝ実質的長さの期間
(日のオーダーの期間、決まつていないにしても)残つ
ている点でキチン特異性酵素によつて十分に見分けられ
ない。
この生成物のエステルとしての性格は放射性トレーサー
実験で、色々なエステル形成性の酸の使用で、及びエス
テル残基の共有結合についての直接分析で、すなわち安
定化されたキチンの完全な加水分解に続いて起こるその
ようなエステル官能基だけの放出で証明される。
この生成物は、溶媒系中懸濁及び溶液における挙動によ
つて証明されるように、その相対的に緻密でも、固くも
ない性質の点に、すなわち例えばオースチンが述べる
(例えば、アメリカ特許第4,286,087号で)緻密なつぶ
された調製物と比較して相対的に少量の生成物しか懸濁
又は溶解することができないという点に特に特徴があ
る。
B.キチナーゼ活性についての特定の試験 本発明者は天然の安定化された線維質キチンを用いると
きに遭遇するキチナーゼ活性のいろいろな局面を測定又
は検出する各種試験法を開発又は翻案した。これらにつ
いて以下で簡単に説明する。
1. “明澄検定(clearing assay)”。この試験では、
懸濁したキチン粒子によつて散乱される光を測定する。
散乱光の量は分光光度計の光電管によつて受光されない
波長350nmにおける入射光の比として正確に測定するこ
とができる。この比は粒子サイズに極めて敏感であり、
実験的に決めた限界内で粒子サイズに比例する。“明
澄”、すなわち光の散乱光の減少は(適正なコントロー
ルにより)エンドキチナーゼ活性、すなわちキチン粒子
を恐らくは不規則により短かい長さに切断する酵素活性
に由来する粒子サイズの減少度を測定するのに役立つ。
これとは対照的に、この明澄試験はエキソキチナーゼ活
性だけがあるとき、すなわち測定されるべき活性がポリ
サツカライドの還元性又は非還元性末端のいずれかから
短鎖長のもの、最も典形的にはジサツカライドを連続除
去する際にもつぱら存するときにははるかに少ない有用
な結果を与える。
明澄試験のために組み立てられる反応は次の通りであ
る: 2.0mlの最終容量中に、下記量の反応試剤を混ぜ合せ
る: 50mMのホスフエート・アセテート緩衝液(pH6.5) 1mMのCaCl2 2.4mgのキチン/ミリリツター 0.1mlの酵素/ミリリツター(ミリリツター当り4.0mgの
固形分を含有する原液から) 反応を酵素の添加によつて開始し、撹拌下37゜でのイン
キユベーシヨンを所望の時間続ける。読み取るために、
混合物をキユベツトに注ぎ、次いで直ちに試験管に戻
し、インキユベーシヨンを続ける。
2. N−アセチルグルコサミンの比色試験。このような
試験は明澄試験について与えられたと同じ試剤濃度によ
り組み立てられる。全反応混合物を1ml含有する3本の
試験管をそれぞれ所望とされる各実験点について調製す
る。適正なゼロ値を確保するために、各反応混合物を37
℃で最低5分間予備撹拌する。酵素(例えば、シグマ社
からのStreptomycesキチナーゼ)を次に加える。各3本
組の試験管の1本をマイクロ遠心機中12,000xgで回転さ
せ、そして0.4mlの上澄液をサンプリングすることによ
つてゼロ時間試料を得る。各組からの残りの試験管を37
゜で30分連続撹拌しながらインキユベーシヨンし、その
時点で0.4mlの試料を同じように採取する。
0.4mlの各試料に0.1ml過剰のヘキソサミニダーゼ溶液を
加え、それら試料を37゜で更に15分間インキユベーシヨ
ンしてオリゴマー性生成物を全部N−アセチルグルコサ
ミン単量体に転化させる。0.1mlの反復試験副試料をそ
れぞれ次に採取し、その着色付加物を周知の方法(レー
シング〔Reissing〕等(1955)のJ.Biol.Chem.217:959
−966)を若干変えた方法で定量的に発生させる。
3. キチナーゼ類の定性的検出。
安定化された天然の線維質キチンを用いてキチン特異性
酵素類の存在を検出するのに次の2つの試験を用いるこ
とができる。
a)キチン−寒天プラーク試験。キチン−寒天の“平
板”は次のようにして調製する:7mgの安定化された天然
の線維質キチンを100mlの水又は緩衝液に溶解した1.8gm
の寒天を含有する熱無菌溶液に懸濁させる。この熱懸濁
液を適当な大きさの無菌ペトリ皿に注ぐ。層状になつた
懸濁液を室温で速やかにセツトする。これは次に微生物
を平板培養するのに用いることができる。細胞外可溶性
キチナーゼの形成に適合したこのような微生物は全てキ
チン−寒天培地上でコロニーを形成することができる。
コロニーが生長するにつれて、可溶性キチナーゼはコロ
ニーから外方に拡散して各コロニーが更に生成するのに
必要な栄養を与える。これはコロニーの廻りに透明な
“ハロー”又は“プラーク”を形成させ、元の平板を形
成している一様にくもつているキチン懸濁液(第4図を
参照)とは容易に区別がつく。
B.“アブクラツシユ(Abklatsch)”試験。これはカー
ボハイドラターゼ類(carboh ydratase)のより一般的
な試験法であり、細胞のない酵素に特によく作用する。
炭水化物−寒天平板を前記操作のように再びペトリ皿に
調製する。この試験についての主たる要件は、しかしな
がら、炭水化物は非常に大きいか(例えば、キチン又は
キトサンのように)、又は非還元性(例えば、サツカロ
ース又はトレハロース)かのいずれかであるということ
である。試験されるべき酵素をセツトされた寒天平板に
斑点にして植え、寒天を1片の湿めした紙でカバー
し、そしてその集成体を数時間乃至一夜インキユベーシ
ヨンする。
紙を取り、風乾する。酵素活性に由来する小さい、従
つて拡散可能な還元性糖は寒天(糖は勿論失われる)及
び糖のアルカリ性鉄還元法で検出することができる紙
の両者に拡散して行く(トレベルヤン〔Trevelyan〕及
びハリソン〔Harrison〕、Biochem,Jour・50:298−30
3)。
4. 放射性標識の使用。本発明者は安定化された天然の
線維質キチンの酵素識別を定量するために標識化合物を
用いる。放射性標識キチン前駆物質、例えばN−アセチ
ルグルコサミンを新しい外皮キチンの最大合成速度の時
間、即ち脱皮前数時間中に注入すると、標識キチンは色
々な節足動物源から得ることができる。もし、例えばそ
のようなキチンがそのN−アセチル基だけに標識を持つ
ているなら、推測されるデアセチラーゼ類は安定化され
た標識を多数回洗浄後でも不溶性残分と共に残り続ける
標識と比較することによつて試験することができる。こ
うして、Rhizopus pseudochinesisとMucor rouxiiの両
者からの抽出物は24時間以内に25〜30%の標識を除去す
ることが示された。もし糖が14C又は交換不能の3Hのい
ずれかでその環に標識されているなら、酸可溶性標識の
出現はキチナーゼ活性の存在を容易に確認する。標識を
導入するもう1つの方法はエステル化用酸のアニオンに
放射性標識硫黄又はリンを使用することである。そのよ
うな標識は酸−分散安定化キチンが共有結合したエステ
ル官能基を含有していることを直接示すために用いら
れ、それは標識が標識物質の(完全)加水分解に続くと
きだけ放出されるからである。
5. デアセチレーシヨン。キトサンを生成させるデアセ
チラーゼ類によつて天然のキチン基質の識別を立証する
幾つかの方法がある(IV.A.以下を参照)。キトサンを
キチンから区別する全挙動パターンの1つはむしろ粗い
発色挙動にある。より信頼できる試験は形成されている
かもしれないキトサンを30%酢酸に溶解することにあ
り、その酢酸にはキチンは完全に不溶である。第三の試
験にはアセチル基に標識されたキチンの使用を伴う。キ
チナーゼ類とキトサナーゼ類は異なる酵素である。これ
ら後者の全試験によつて、キチン様分子構成を保持して
いるキトサンが安定化された天然の線維質キチンから特
定のデアセチラーゼ類によつて製造された。
6. 他の試験。天然の線維質キチンの純度を特性化する
のに更に他の試験を用いた。これら試験は各種調製物の
蛋白質含量、サルフエート含量、アミノ酸含量、存在す
る灰分及び/又はホスフエート含量に対する常用の、及
び/又は放射性標識試験を含んでいた。
実施例 次の実施例は、特定のキチン生成物がキチン特異性酵素
によつて急速に、かつ定量的に識別されることを立証す
る方法を証明するものである。
全量で1.0ml中に次の成分を含有する反応混合物を調製
する: 2.5mgのキチン 50mMのホスフエート−アセテート緩衝液(pH 6.5) 1mMのCaCl2
10マイクロリツターのManduca脱皮流体を添加すること
によつて反応を開始する。この流体は適正な時間にフア
レート・プパエ(pharate pupae)を液出しし(tappin
g)、そしてフエニルチオ尿素の存在下でその液を速や
かに凍結してメラニンの形成を防ぐことによつて最も有
利に得ることができる。反応混合物を37℃の水浴中で連
続撹拌する。次に、活性を5分と15分のインキユベーシ
ヨン時間にサンプリングした0.1mlアリクオーツ中で発
色したモルガン−エルソン色(Morgan−Elsoncolor)に
おける吸光度の差として測定する。測定された平均活性
は1分当り及び原料脱皮流体1ミリリツター当り生成N
−アセチルグルコサミン約1ミリグラムである。キチン
特異性酵素類について適当な基質の従前の欠乏について
の指標として、1単位のキチナーゼ活性がシグマ・ケミ
カル社の1983年版カタログに48時間で1ミリグラムのN
−アセチルグルコサミン当量を製造するものと規定され
ているが、この会社が市販するストレプトマイセス・キ
チナーゼについて1ミリグラムの固形分当り2〜3単位
が要求されている。安定化されたキチンに関し、この同
じ酵素調製物は固形分1mg当り約19単位を持つことが示
され得るが、一方1mlの原料Manduca脱皮流体はこの規定
で言うと250,000単位以上含有しているかもしれない。
本発明者は、キチン特異性酵素との上記条件下での反応
は、もし0.1mlの副試料により発色するN−アセチルグ
ルコサミンの色が10乃至30分以内に酵素作用(前記III.
A.2節を参照)の結果としてかなりの増加率を与えるな
らば、速く、定量的で、かつ特異的であると考えてい
る。“かなり”とは、585nmにおける吸光度の変化が最
低で0.100吸光単位であること、“特異的”とは時間に
対して一次である生成物の生成であることを意味する。
明澄試験は、この酵素反応が定量的であることを立証す
るのに必要とされると思われ、この検定について述べた
条件下においては、安定化キチンの不透明な懸濁液は1
時間以下で完全に澄明になると思われる。
上記の明澄試験(III.B.1)及び比色試験(III.B.2)を
次の3種の基質に対して市販(シグマ社)のStreptomy
ces キチナーゼを用いて行なつた。
1) 交互に脱石灰化(1N HCl、室温で1時間)と脱蛋
白(NaOH中で2回煮沸)を行い、その後これらの操作を
酸の分散前に繰り返した食用カニのキチン。得られた物
質は、第3図(400X)に示されるように、明確に定義さ
れた微細構造を欠く密な塊に実質的につぶされている; 2) カルバイオケム−ベーリング(Calbiochem−Behr
ing)からの市販の甲殻類動物のキチン、グレードB、
を85%H3PO4及び2−プロパノールに溶解することによ
つてキチンを“微結晶”形にして見分けるためにアメリ
カ特許第4,286,087号記載の操作に従つて製造したキチ
ン;及び 3) 前記の本発明の方法によつて製造した天然の安定
化された線維質の小エビキチン。第1図に示されるよう
に、得られた生成物は安定化キチン線維の分散物であつ
た。
“つぶれた”及び“再生された”キチン(上記のNo.1及
び2)は完結まで反応せず、そして特に主としてエクソ
キチナーゼ活性を有するキチナーゼのバツチとは天然の
安定化された小エビキチンよりはるかに遅く反応した。
IV.用途 一般に、安定化されたキチン重合体は上記の多数の方法
のどれかにおいて用いることができる。特定の用途は次
の通りである。
A.デアセチレーシヨン キチンは実質的割合がN−アセチル化された糖基であ
る。上記用途の多くはキトサンに適用可能で、それは大
部分デアセチル化されている。安定化キチンのキチン特
異性酵素に適当な基質として役立つ能力は安定化キチン
からの安定化キトサンの酵素作用による製造を可能にす
る。
特定的に述べると、次の種から得られるデアセチラーゼ
が安定化キチンを酵素的に脱アセチル化するのに用いる
ことができる。Rhizopus pseudochinehsis;Rhizopus ol
igosporus;及びMucor rourii。特定的に述べると、細胞
抽出物が使用できる。約90%の最初のアセチル化から25
〜30%だけのアセチル化の減少(例えば、約90%から65
%まで)は最大キトサナーゼ活性の範囲内の調製物を生
成させる。
安定化キチン類から酵素的に製造されたキトサン類は予
測可能な再現性のある性質を持つ。例えば、特定の処方
物は予測可能の再現性ある方法で特定の重金属イオンを
捕捉する。
B.窒素質土壌の作用補助剤及び肥料 キチナーゼ類は安定化キチンをN−アセチルグルコサミ
ンのオリゴマー又はモノマーに分解する。これらは微生
物酵素により、例えばアンモニアに更に分解することは
以前から知られている。(例えば、ダビドソン.イー・
エー〔Davidson,E.A.〕の“メタボリズム・オブ・アミ
ノ・シユガーズ〔Metabolism of Amino sugars〕”、ゼ
・アミノ・シユガーズ〔The Amino Sugars〕(バラスツ
〔Balasz〕等、Eds)Vol II B.pp 1−44、ニユー・ヨー
ク:Acad.Press、1966)を参照されたい。)また、他の
ポリサツカライド類と同様に、キチンも遊離ヒドロキシ
ル基の水分子に対する親和性の故に水を吸収する傾向が
あることも以前から立証されている。かくして、土壌に
安定化キチンを配合することは幾つかの目的にかなうも
のである。即ち、安定化キチンは耕土を改良することが
でき、また植物が直接同化できる形態か、又は微生物に
よる、例えば硝酸塩への酸化に続いて植物によつて吸収
されるべき形態のいずれかの“固定化”窒素のゆつくり
した放出における基質として役立つことができる。この
目的に対する安定化キチンの使用はまた土壌中に見い出
すと思われる全ての水溶液中での全く不溶性の故に非常
に有利である。作物の植物に対する更に他の利点は、少
なくとも一部は抗生物質を出すことによつて植物寄生虫
を押え込むのを助ける土壌の放線菌類の生長をキチンが
支える傾向があるという事実から生ずると思われる。ア
メリカにおける天然ガスの立証された埋蔵量は1990年ま
でに枯渇すると見積られている。天然ガスは窒素肥料工
業の工業原料をなしているが、安定化キチンの使用はか
くしてそういつたギヤツプを埋めることができると思わ
れるもので、もしそうでなければ高い輸入で埋め合せし
なければならないだろう。
C.エタノールの製造 前記のように、安定化キチンは周知の工業的微生物発酵
の原料として役立つ。固定化窒素はキチンとして閉じ込
めることができ、それは始めN−アセチルクルコサミン
に、次いでフラクトースに分解される。後者は次に、例
えば内燃機関の効率的なクリーンエネルギー源であるエ
タノールの製造原料として役立つ。言い換えると天然の
安定化線維質キチンは再生可能のバイオマスからの膨大
なエネルギー源として役立つであろう。
D.飼料補完剤 前記のように、天然の安定化線維質キチンは反すう動物
(又は他の動物、例えば商業的に飼育されている鳥又は
魚)の飼料に加え、アセチル基、フラクトースモノマー
及び同化可能形の窒素を提供することによつて窒素源及
びエネルギー源の両資源として役立つことができる。安
定化キチンのスラリー(又はそれらの乾燥成分)は常用
の飼料と混ぜ合わせることができる。前記酵素試験を用
いて、安定化キチンを一貫して、かつ急速に消化する酵
素の性質と存在を調べることができる。このキチンの化
学量論的組成の知識を用いれば、問題の動物のニーズと
他の飼料の使用量と共に、その飼料に加えるキチンの量
を決めることができる。
他の態様は次の請求の範囲内にある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然産の石灰化キチン/蛋白質マトリック
    スから精製された、(a)直径が3ミクロンまでである
    こと、(b)長さが直径に比較して実質的に長いこと、
    及び(c)酵素反応において天然産キチンに特異性の酵
    素によって定量的に識別されることに特徴がある線維か
    ら成る、非キチン質物質を実質的に含まない、安定化さ
    れた、水性分散可能なエステル化キチン重合体にして、
    そのエステル官能基がサルフェート、ホスフェート又は
    他の多価酸残基から成り、そして該エステル官能基は該
    キチン重合体を架橋している、前記の安定化されたエス
    テル化キチン重合体。
  2. 【請求項2】石灰化されている天然産キチンを用意し、
    該天然産キチンをまず脱石灰化及び脱蛋白し、次いで該
    脱石灰化及び脱蛋白キチンを8℃以下の一定温度に保た
    れている硫酸、リン酸及び他の多価エステル形成性酸よ
    り成る群から選ばれる酸に分散させ、最後に、精製、安
    定化された生成キチン重合体を回収する各工程から成
    る、天然産の石灰化キチン/蛋白質マトリックスから、
    (a)直径が3ミクロンまでであること、(b)長さが
    直径に比較して実質的に長いこと、及び(c)酵素反応
    において天然産キチンに特異性の酵素によって定量的に
    識別されることに特徴がある線維から成る、非キチン質
    物質を実質的に含まない、安定化された、水性分散可能
    なエステル化キチン重合体にして、そのエステル官能基
    がサルフェート、ホスフェート又は他の多価酸残基から
    残り、そして該エステル官能基は該キチン重合体を架橋
    している、前記の安定化されたエステル化キチン重合体
    を製造する方法。
  3. 【請求項3】エステル形成性酸が硫酸及びリン酸より成
    る群から選ばれるマルチ−エステル形成性酸である、請
    求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】分散を分散媒体の温度が8℃以下の所定温
    度の±1℃以内に全体を通じて一定に保たれるように制
    御された条件下で行う請求の範囲第2項に記載の方法。
JP59502748A 1983-06-27 1984-06-25 安定化されたキチン Expired - Lifetime JPH0772203B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US50847683A 1983-06-27 1983-06-27
US508476 1983-06-27
US62212884A 1984-06-19 1984-06-19
US622128 1984-06-19
PCT/US1984/001011 WO1985000109A1 (en) 1983-06-27 1984-06-25 Stabilized chitin

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60501661A JPS60501661A (ja) 1985-10-03
JPH0772203B2 true JPH0772203B2 (ja) 1995-08-02

Family

ID=27056205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59502748A Expired - Lifetime JPH0772203B2 (ja) 1983-06-27 1984-06-25 安定化されたキチン

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0148259A4 (ja)
JP (1) JPH0772203B2 (ja)
AU (1) AU3151884A (ja)
WO (1) WO1985000109A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0691819B2 (ja) * 1991-05-27 1994-11-16 工業技術院長 デアセチラーゼの製造方法
US6632941B2 (en) * 2001-09-14 2003-10-14 James Wooten Method of extracting chitin from the shells of exoskeletal animals

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55133401A (en) * 1979-04-05 1980-10-17 Nippon Suisan Kaisha Ltd Preparation of powdery chitin

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2689244A (en) * 1950-06-23 1954-09-14 Phillips Petroleum Co Process for production of chitin sulfate
JPS5359700A (en) * 1976-11-10 1978-05-29 Nihon Tennen Gas Kogyo Co Ltd Production of chitosan
US4293098A (en) * 1979-04-20 1981-10-06 Systems Consultants, Inc. Recovery of active chitin and enhanced protein meal
US4320150A (en) * 1979-06-25 1982-03-16 University Of Delaware Lactose-rich animal feed formulations and method of feeding animals

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55133401A (en) * 1979-04-05 1980-10-17 Nippon Suisan Kaisha Ltd Preparation of powdery chitin

Also Published As

Publication number Publication date
EP0148259A1 (en) 1985-07-17
WO1985000109A1 (en) 1985-01-17
EP0148259A4 (en) 1987-10-27
JPS60501661A (ja) 1985-10-03
AU3151884A (en) 1985-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4958011A (en) Ester-stabilized chitin
US4970150A (en) Process for preparing chitosan oligosaccharides
Martinou et al. Chitin deacetylation by enzymatic means: monitoring of deacetylation processes
Muzzarelli Chitin
Armisen World-wide use and importance of Gracilaria
Hudson et al. Polysaccharides: chitin and chitosan: chemistry and technology of their use as structural materials
Foster et al. Chitin
Reese Enzymatic hydrolysis of cellulose
Han et al. Isolation and characterization of a cellulose-utilizing bacterium
Nessa et al. A process for the preparation of chitin and chitosan from prawn shell waste
US4806474A (en) Preparation of mycelial chitosan and glucan fractions from microbial biomass
Carpita et al. Extraction of starch by dimethyl sulfoxide and quantitation by enzymatic assay
Brück et al. Chitin and chitosan from marine organisms
DE1945680A1 (de) Enzymatisch aktives Addukt und Verfahren zu seiner Herstellung
KR19990087220A (ko) N-아세틸-d-글루코사민의 제조방법
Sekiguchi et al. Synthesis of deoxyribonucleic acid by phage-infected Escherichia coli in the presence of mitomycin C
LT3208B (en) Enzyme products for use in the improvement of feed value and conservation of fibrous crops
Bonhomme-Florentin Degradation of hemicellulose and pectin by horse caecum contents
Colvin et al. Congo red and calcofluor white inhibition of Acetobacter xylinum cell growth and of bacterial cellulose microfibril formation: isolation and properties of a transient, extracellular glucan related to cellulose
Hylleberg Resource partitioning on basis of hydrolytic enzymes in deposit-feeding mud snails (Hydrobiidae) II. Studies on niche overlap
JPH0772203B2 (ja) 安定化されたキチン
Beaney et al. Modification of chitin properties for enzymatic deacetylation
Maghsoudi et al. Influence of different nitrogen sources on amount of chitosan production by Aspergillus niger in solid state fermentation
JPS61221201A (ja) セルロ−ス性微細結晶の製造方法
Darwesh et al. Isolation and application of the novel Aspergillus nidulans (OD1) for nanocellulose production from some agro-cellulosic wastes

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term