JPH077212U - アンテナ自動指向装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気的、電波的影響を受けずに、簡単に移動
体への装備が行えるアンテナ自動指向装置とする。 【構成】 移動体に保持され、磁気方位信号を出力する
磁気方位センサ１と、磁気方位信号等から演算される方
位・姿勢角信号を処理する信号処理部と、アンテナ５
と、信号処理部からの出力に基づきアンテナの指向角度
を制御するべくアンテナを回動させるアンテナ駆動部７
と、アンテナを包囲するレドーム６を備えたアンテナ自
動指向装置において、レドーム６内のアンテナ５の回動
によるアンテナ指向範囲外に磁気方位センサ１を取り付
けて、さらにレドーム６を移動体から突出するように設
置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ヘリコプター、車両又は人間等の移動体に保持され、アンテナを受 信局又は送信局に自動的に指向させるアンテナ自動指向装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

アンテナ自動指向装置のブロック図を図５に示す。アンテナ自動指向装置は、 移動体に取り付けられており、図において、磁気方位センサ１は、移動体の磁気 方位を求め磁気方位信号としてジャイロ部２へ送り、ジャイロ部２は、方位ジャ イロ、垂直ジャイロを含み移動体の真北からの方位と姿勢角（ロール角、ピッチ 角）を求め、夫々方位信号、姿勢角信号として信号処理部３に送る。但し、移動 体が３次元的に方向を変えることがなく、平面運動のみを行う場合には姿勢角の 検出は不要である。信号処理部３には、上記各信号の他、固定の受信局又は送信 局に対する方位であるコマンド方位角が入力される。信号処理部３は、入力され た方位信号、姿勢角信号、コマンド方位角を用い座標変換の演算によりアンテナ を受信局又は送信局に向けるためのアンテナ指向角制御信号をアンテナ部４に出 力する。尚、ジャイロを使用せずに磁気方位センサからの磁気方位信号のみを用 いてコマンド方位角との偏差角を求めることもできる。

【０００３】 アンテナ部４は、送信アンテナ及び／又は受信アンテナ５とアンテナ駆動部７ から成り、レドーム６によって包囲され保護される。信号処理部３からのアンテ ナ指向角制御信号は、アンテナ駆動部７へ供給され、その信号に基づいて駆動部 ７がアンテナ５を方位軸、エレベーション軸回りに回動させて、移動体の方向、 姿勢に関係なく自動的にアンテナ５を受信局又は送信局に指向させる。このよう にして、移動体と受信局又は送信局との間で、良好な通信が行えるようにしてい る。

【０００４】 ところで、アンテナ自動指向装置を移動体に装備するさいに、磁気方位センサ １とアンテナ部４は、それぞれ別々に移動体からの影響がない場所を選定して取 り付けている必要がある。即ち、磁気方位センサ１は移動体からの磁気的な影響 のない場所に磁気的な影響を受けない方法で取り付ける必要があり、また、アン テナ部４は移動体からの電波的な影響のない場所に電波的な影響を受けない方法 で取り付ける必要がある。

【０００５】 図６には、移動体がヘリコプターの場合の従来のアンテナ自動指向装置の装備 例を示す。アンテナ５及びアンテナ駆動部７を保護するレドーム６は、ヘリコプ ターの下部から突出するように取り付け固定される。また、磁気方位センサ１は 、磁気的影響をなるべく受けないようヘリコプターの尾部に固定される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来は、磁気方位センサとアンテナ部それぞれの取り付けは、 別々に行わなければならずその取付に細心の注意を払わなければならないため、 手間がかかるという問題があった。 また、図６の磁気方位センサの取り付け位置であっても、電源ラインの影響、 又は磁性体からの磁気的影響を受けるという問題がある。そのため取り付け位置 の選定にも苦労するという問題がある。

【０００７】 さらには、その磁気的影響を排除するために、ヘリコプターを３６０°回転さ せて磁気方位センサの自差修正を行う必要があり、その修正にも手間がかかると いう問題がある。 かかる問題点に鑑み、本考案は、磁気的、電波的影響を受けずに、簡単に移動 体への装備が行えるアンテナ自動指向装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では、移動体に保持され、磁気方位信号を 出力する磁気方位センサと、該磁気方位信号を処理する信号処理部と、アンテナ と、信号処理部からの出力に基づきアンテナの指向角度を制御するべくアンテナ を回動させるアンテナ駆動部と、アンテナを包囲するレドームを備えたアンテナ 自動指向装置において、レドーム内のアンテナの回動によるアンテナ指向範囲外 に磁気方位センサを取り付けて、さらにレドームを移動体から突出するように設 置する。

【０００９】

【作用】

磁気方位センサは、アンテナの回動によるアンテナ指向範囲外に取り付けられ るため、アンテナによる磁気的影響は受けることがなく、さらにレドーム内に備 えられるので、移動体本体に直接取り付けるのに比較して、移動体からの磁気的 影響を小さくすることができる。また、レドームによって磁気方位センサ自身も 保護される。

【００１０】 また、アンテナと磁気方位センサがレドームによって一体に構成されるので、 その取り付けや保守点検の際の取り外しにも便利になる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１は、本考案によるアン テナ自動指向装置のアンテナ部及び磁気方位センサの取り付けを示す断面図であ る。 図において、アンテナ部４は、送受信アンテナ５、アンテナ駆動部７を有し、 レドーム６によって包囲される。レドーム６は、レドーム本体８とレドーム構造 体９、固定具１０、ハウジング１１、カバー１２からなり、レドーム本体８は、 ほぼ円筒形で、電波を透過しアンテナに電波的影響を与えないプラスチックから 形成されて、アンテナを保護する。送受信アンテナ５は、レドーム６の中で、ア ンテナ駆動部７によって方位軸Ａｚ回りに回動可能に設置される。

【００１２】 レドーム本体８の上端は、固定具１０を介してハウジング１１に取り付けられ 、ハウジング１１はさらに取付部１３に取り付けられて、移動体に固定又は保持 される。ハウジング１１の上面にはカバー１２が取り付けられる。 レドーム本体８の下端に取り付けられたレドーム構造体９の上面内側の中央部 には、磁気方位センサ１がネジ２０によってネジ止め固定される。レドーム構造 体９は、磁気方位センサ１に磁気的影響を与えないようアルミ合金等の非磁性金 属材料で形成される。

【００１３】 磁気方位センサ１は、アンテナ５の真下でアンテナの回動範囲から外れた位置 にあり、アンテナ５は非磁性材であるため、アンテナ５及び磁気方位センサ１は 相互に電波的、磁気的影響を受けることがない。尚、磁気方位センサ１の配線は 、図示しないがレドームの内周に沿って取付部１３を通って、信号処理部３へと 接続する。この時に、アンテナ５が送受信する電波が、水平偏波や円偏波である ときにはこの配線は比較的影響を受けないが、垂直偏波であるときには、若干の 影響が出るため、配線を細くすると良い。

【００１４】 このように構成されたアンテナ部４及び磁気方位センサ１は、移動体から突出 されたレドーム６内に設置されるため、移動体からの電波的、磁気的影響を受け ることがない。特に、磁気方位センサ１は、レドームの底面に設置されているた め、より移動体からの影響を受けずに、正しい磁気方位信号を出力することがで きる。

【００１５】 また、磁気方位センサ単独の取り付け、及びその位置の選定を行わなくて良い ため、アンテナ自動指向装置全体としての取り付けや取り外しが容易になる。 また、磁気方位センサに接続される単独のケーブルが不要になるため、移動体 内を通るケーブルを少なくすることができるという効果がある。 磁気方位センサの自差修正を行う必要があるときには、レドームの底面から磁 気方位センサの方向の修正を行うことができるのでその修正は容易である。

【００１６】 図２には、本考案によるアンテナ自動指向装置のアンテナ部４及び磁気方位セ ンサ１の取り付けを示す断面図である。本実施例では、レドーム本体１４とレド ーム構造体とを一体にプラスチックで形成した点で前実施例と異なる。従って、 磁気方位センサ１はレドーム本体１４の底面にネジ止め構成されている。 例えば、磁気方位センサ１のセンサ部が半導体磁気センサからなり全体がプリ ント基板から構成されるような軽量のものであるときには、レドーム構造体を省 略しても強度的に問題がないので、図２の実施例が有効である。

【００１７】 図３と図４には、前記実施例のアンテナ指向装置のレドーム６の搭載例を示す 。図３は、ヘリコプターに搭載した例で、図４は車両に搭載した例である。いず れの例も取付部１３を移動体１００本体から延ばして移動体１００からレドーム ６を突出させることによって、本体からの電波的、磁気的影響を少なくすること が可能になる。

【００１８】 また、移動体として人間の場合にも図４のようにすれば、可搬用として適用す ることができる。 尚、以上の実施例では、アンテナは方位軸Ａｚ回りにのみ回動するような構成 となっていたが、これに限らずエレベーション軸回りにも回動可能にすることが できる。この場合には、最大エレベーション角度にアンテナが向いたときに、そ のアンテナ指向角度内に磁気方位センサが入らないように最大角度を決定するか 、又は磁気方位センサのセンサ部分の寸法を決めることによって、同様に適用可 能である。

【００１９】 又、磁気方位センサのレドーム内の取付け位置は、レドームの底面に限られる ものではなく、アンテナの指向角度範囲外の例えば上部空間等に設置することも 可能である。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、レドーム内のアンテナの回動によるア ンテナ指向範囲外に磁気方位センサを取り付けて、さらにレドームを移動体から 突出するように設置することとしたので、磁気的、電波的影響を受けずに、簡単 に移動体への装備、又はその取り外しを行うことができる。

【００２１】 また、磁気方位センサの精度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるアンテナ自動指向装置のアンテ
ナ部及び磁気方位センサの取り付けの第１実施例を示す
断面図である。

【図２】本考案にかかるアンテナ自動指向装置のアンテ
ナ部及び磁気方位センサの取り付けの第２実施例を示す
断面図である。

【図３】本考案にかかるアンテナ自動指向装置のヘリコ
プターへの搭載例である。

【図４】本考案にかかるアンテナ自動指向装置の車両へ
の搭載例である。

【図５】アンテナ指向装置のブロック図である。

【図６】従来のアンテナ指向装置の装備例である。

【符号の説明】

１ 磁気方位センサ ３ 信号処理部 ４ アンテナ部 ５ アンテナ ６ レドーム ７ アンテナ駆動部 １００ 移動体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動体に保持され、磁気方位信号を出力
   する磁気方位センサと、該磁気方位信号を処理する信号
   処理部と、アンテナと、信号処理部からの出力に基づき
   アンテナの指向角度を制御するべくアンテナを回動させ
   るアンテナ駆動部と、アンテナを包囲するレドームを備
   えたアンテナ自動指向装置において、 レドーム内のアンテナの回動によるアンテナ指向範囲外
   に磁気方位センサを取り付けて、さらにレドームを移動
   体から突出するように設置することを特徴とするアンテ
   ナ自動指向装置。