JPH0771225A - 排ガス中の微粒子捕集用フィルター - Google Patents

排ガス中の微粒子捕集用フィルター

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JPH0771225A
JPH0771225A JP5251209A JP25120993A JPH0771225A JP H0771225 A JPH0771225 A JP H0771225A JP 5251209 A JP5251209 A JP 5251209A JP 25120993 A JP25120993 A JP 25120993A JP H0771225 A JPH0771225 A JP H0771225A
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filter plate
filter
heating element
permeable
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JP5251209A
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Norihiro Murakawa
紀博 村川
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HAKUBUNSHIYA KK
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ディーゼルエンジンの排ガス中のパティキュ
レートを捕集するフィルターであって、1系列で継続的
に捕集・再生でき、装置が簡潔であり、パティキュレー
トの捕集効率、信頼性、構造的安定性が高いフィルター
を提供する。 【構成】 開口部を残して外筒内に通気性濾過板1を直
列に配置してなる排ガス中のパティキュレート捕集用フ
ィルターにおいて、各々の通気性濾過板1は厚さ0.1
〜3mmの非導電性の多孔体とし、各々の通気性濾過板
の排ガスの流れの下流側には発熱体4を配置する。各々
の発熱体4の排ガスの流れの下流側には更に熱効率を高
い保持するために断熱材を配置する。通気性濾過板1を
非導電性セラミック繊維より形成すれば高強度の本発明
に好適を多孔体を得ることが容易である。通気性濾過板
1を非導電性とすることで通電加熱の安定性が確保でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ディーゼル車等から排出されるガ
スはスス状の炭素質の微粒子(以下、「微粒子」と略
称)を含んでおり、局所大気汚染の主な原因の1つであ
る。この低減は地球環境問題における早期に解決すべき
重要な課題の1つとされている。本発明は、これらディ
ーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスに含
まれる微粒子を除去するためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼルエンジン車から排
出されるガス中の微粒子を捕集するフィルターとして
は、セラミックス製のハニカム構造体が主として検討さ
れている(例、特開昭57−7216)。ここでハニカ
ム構造体とは、隔壁により区分された複数のセルを有
し、単位容積あたりに濾過面積を多くとることができる
構造体である。ディーゼル車排ガスの捕集用としては、
セル密度が10〜15セル/cm、総セル数が150
0〜2500、隔壁の厚さ0.3〜0.5mm、濾過面
積約1.5mが例示されている。
【0003】微粒子を捕集したハニカム構造体を再生す
るには、ハニカム構造体の全体或いは一部に600℃以
上の高温を適用して微粒子を着火し、燃焼除去する方式
が主に検討されており、捕集・再生を繰り返すことによ
り継続的に排ガスが処理される。この方式では、上記の
ような隔壁の厚さが極めて薄く、セル数の多いハニカム
構造体が、微粒子が燃焼する時の高い温度に耐える性質
と、繰り返しの温度の変動に耐える性質を有することが
必要である。
【0004】しかしながら、上記のような隔壁の厚さが
極めて薄く、セル数の多いハニカム構造体をピンホール
などの欠陥を含まずに製造することは極めて困難であ
り、しかも微粒子を燃焼させる温度の変動の過程でハニ
カム構造体にクラックや割れが発生し、捕集効率が格段
に低下するというように、生産性及びフィルターとして
の信頼性に大きな問題があった。また、フィルターを再
生するにおいて、排ガスを流通させて微粒子を捕集しな
がら再生する方式を採用しようしても、ハニカム構造体
の隔壁を貫通して流れる排ガスの温度が約150〜35
0℃と微粒子の燃焼可能温度範囲よりもかなり低いた
め、大量の熱を与えて着火させたとしても吹き消えてし
まい、微粒子が充分に消失するまで燃焼を継続すること
ができないという問題がある。このためフィルターを二
系列設け、一方のフィルターで捕集する間にもう一方の
フィルターを再生するといった、交互に捕集と再生を繰
り返す方式を採用せざるを得ないという問題があり、微
粒子捕集装置は全体として重装備で高価になってしまう
といった大きな問題がある。
【0005】更にまた、微粒子が異常に蓄積してフィル
ターを二系列共に閉塞させ、排ガスの流路が遮断してし
まうという非常事態に対する対策も設備の中に用意して
おく必要があった。このような問題を抜本的に解決する
フィルターとして、本発明者らは先に特願平4−158
004号を提案した。本発明はこの先の出願の排ガスフ
ィルターにおいて、通電加熱して微粒子を燃焼除去しフ
ィルターを再生する方式における再生の安定性、再現性
が不足しており、長期間にわたって微粒子の一定の高い
捕集率を得ることが著しく困難であるといった未解決の
問題を克服し、微粒子の捕集効率の安定性、信頼性、及
びフィルターの構造的安定性に格段の進歩を与えたもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を解決することを目的として、構造が簡単で
耐久性が高く、通電加熱によるフィルターの再生を安定
して行うことができる排ガス中の微粒子捕集用フィルタ
ーを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を残し
て外筒内に通気性濾過板を直列に配置してなる排ガス中
の微粒子捕集用フィルターであって、通気性濾過板は厚
さ0.1〜3mmの非導電性の多孔体であり、各々の通
気性濾過板の排ガスの流れの下流側に発熱体を配置して
なる排ガス中の微粒子捕集用フィルターであり、更に、
各々の発熱体の排ガスの流れの下流側に非導電性の断熱
材を配置し、発熱体を通気性濾過板と断熱材で挟んだ構
造としたフィルターであり、更に、通気性濾過板が非導
電性セラミック繊維の成形体であるフィルターであり、
更に、発熱体を非導電性セラミック繊維のまとまりで挟
んだ状態でセラミック前駆体をバインダーとして非導電
性セラミック繊維のまとまりを圧密化し、通気性濾過
板、発熱体、断熱材を一体化して得た排ガス中の微粒子
捕集用フィルターである。
【0008】本発明のフィルターは、外筒内に複数枚の
通気性濾過板を開口部を設けて直列に配置し、微粒子を
含む排ガスを外筒内に導きながら、各々の通気性濾過板
の排ガスの流れの下流側に配置したそれぞれ独立して通
電できる発熱体を逐次通電加熱し、それによって通気性
濾過板を逐次加熱し、捕集した微粒子を燃焼除去してフ
ィルターを再生するといった、微粒子の捕集と再生を1
系列で行うことができる方式のフィルターである。
【0009】本発明でいう通気性濾過板とは、通気性濾
過板の表裏面間の圧力差により排ガスを濾過して微粒子
を捕集することができ、通気性濾過板を発熱体によって
間接的に加熱して捕集した微粒子を燃焼除去するに必要
な少なくとも650℃以上の温度に加熱することができ
る多孔体をいう。更に、通気性濾過板は、通電加熱する
発熱体との接触によって電流が通気性濾過板に流れ、発
熱体の温度や電流値等が不安定となるような導電性を有
さないことが必要である。この非導電性の性質は、微粒
子の捕集と再生を繰り返したときに実質的に同じ電圧と
電力で再現よく通気性濾過板を再生するために必要な性
質である。
【0010】通気性濾過板の形状としては特に限定する
必要はなく、排ガスの流れ方向から見た形状で図1のよ
うな円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、六角形等
の広い範囲から選択することができる。通気性濾過板の
大きさは排ガスの処理量によっても異なるが、ディーゼ
ル乗用車の排ガスフィルターでは濾過面積、即ち排ガス
の流れ方向から見た通気性濾過板の面積(片側面積)は
10〜2000cmが好ましく、より好ましくは50
〜700cmである。通気性濾過板の厚さは0.1〜
3mmが適切であり、より適切には0.2〜2mmであ
る。
【0011】また、通気性濾過板の気孔率は少なくとも
20%以上、好ましくは30〜80%であり、平均細孔
径は少なくとも0.1ミクロン以上、好ましくは1〜1
00ミクロン、更に好ましくは10〜60ミクロンであ
る。これらの性質と形状を有する通気性濾過板の多孔体
はいろいろな材料を用いて種々の方式によって作製する
ことができる。例えば、このような性質を有する多孔体
は、耐熱性で非導電性セラミックであるアルミナ、シリ
カ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等を主成分とする粉
末又は中空球を原料にし、必要により通常焼結助剤とし
て使用されるカルシア、マグネシア、イットリア、チタ
ニア等を少量加えて、通常用いられるドクターブレー
ド、1軸加圧等の粉末成形法によって粉末又は中空球の
成形体とし、これを粉末又は中空球の粒子が高度にち密
化しないが適当に結合し、適当な密度と強度を発現する
ように焼成温度、焼結助剤の量等の条件を選定すること
によって作製することができ、また場合により消失性の
粒子、例えばカーボン粉末を原料の中に含めておいて焼
成してち密化し、その後燃焼除去して消失性の粒子を気
孔にする方法も採用することができる。
【0012】ここで、本発明者らの実験的知見によれ
ば、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナとシリカの両
方を主成分とする繊維、チタン酸カリウム繊維、窒化ア
ルミニウム繊維等の耐熱性で非導電性セラミックの長繊
維又は短繊維を一体化する方法を用いると、本発明に用
いる通気性濾過板に好適な高強度と高い気孔率を有する
多孔体を比較的容易に作製することができる。セラミッ
ク繊維を一体化する方法としては、セラミック前駆体を
バインダーとして用いる方法が1つの好適な例である。
このようなセラミック前駆体のバインダーとしては、例
えば各種金属塩の溶液、具体的には、塩化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等の水溶液が
あり、また有機金属化合物のバインダーの例としては、
一般式M(OR)(Mはアルミニウム、ケイ素、チタ
ン等の金属元素、Rはアルキル基、nは金属元素の酸化
数)で表される金属アルコキシド、M(OH)(O
R)n−xで表される金属アルコキシドの加水分解生成
物、アルミナゲル、各種シリコーン、ポリアルミノキサ
ン等の有機金属ポリマー等がある。なお、本発明で言う
一体化とは、例えば通気性濾過板の両端を支持したとき
に中央部分が極端に弛んで板の形状を失わない程度の、
ほぼ自立できる程度に剛直化した状態を言う。
【0013】これらセラミック前駆体は必要により酸化
性雰囲気中で約1000℃の温度以上に加熱することに
よりアルミナ、シリカ、チタニア等のセラミックに転化
し、バインダーとして用いて成形した後その温度に加熱
することで繊維を一体化することができる。使用するセ
ラミック繊維の直径は少なくとも0.5ミクロン以上、
好ましくは1〜50ミクロンである。
【0014】各々の通気性濾過板の排ガスの流れの下流
側には、通気性濾過板と接触させるか又は極めて近い位
置に発熱体を配置する。発熱体としてはニッケル−クロ
ム系合金、鉄−クロム−アルミニウム系合金(カンタ
ル)、炭化ケイ素、二ケイ化モリブデン、ランタンクロ
マイト等の酸化性雰囲気下で使用可能な発熱体を使用す
る。これら組成の線状や帯状等の発熱体を、通気性濾過
板がなるべく均等な温度に加熱されるように、例えば図
2のような形状にして配置する。ここで、隣に延びる発
熱体との間隔が4cm以下となるような形状にすること
が1つの目安である。なお、1つの通気性濾過板を1つ
の発熱体で加熱する必要は必ずしもなく、1つの通気性
濾過板に図2のような発熱体を2つ以上取り付けて通気
性濾過板を分割して加熱することも可能である。
【0015】通気性濾過板の排ガスの流れの下流側に配
置した発熱体の更に下流側に、好ましくは発熱体からの
放熱を抑え、通電加熱効率を高く維持するために断熱材
を配置して、発熱体を通気性濾過板と断熱材で挟んだ構
造とする。断熱材としてはマット状や布状の、好ましく
は非導電性のアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナとシ
リカの両方を主成分とする繊維等が好適に使用可能であ
る。これら通気性濾過板に発熱体及び断熱材を取り付け
る方式として、適切な固定具を用いて通気性濾過板に発
熱体及び断熱材を取り付ける方式でもよいが、発熱体を
マット状や布状や綿状の非導電性のセラミック繊維のま
とまりで挟んだ状態で、先に記したと同じ塩化アルミニ
ウム水溶液、アルミニウムアルコキシド等のセラミック
前駆体をバインダーとして用いてホットプレス等の手段
を用いてセラミック繊維を一体化し、通気性濾過板を形
成すると同時に断熱材と通気性濾過板の間に発熱体を埋
め込むといった作製方法を採用することも可能である。
断熱材は気孔率が少なくとも50%以上であることが好
ましく、厚さは0.5〜5mmが好ましい。
【0016】このようにして一体に形成した通気性濾過
板と発熱体及び断熱材を1つの構造単位とし、この複数
単位を外筒内に固定する。この固定の方式としては、例
えば外筒の内側に図3のようなアングル形状の2つの支
持材を向かい合わせに溶接やボルト締め等で固定し、2
つの支持材に通気性濾過板の両端部分をボルト締め等で
固定する方式でよい。或いは、支持体を用意し、支持体
に通気性濾過板と発熱体及び断熱材の構造単位を取り付
け、それを外筒の中に重ねて配置してもよい。支持体の
形状は導電性濾過板と外筒の形状に見合って作製し、例
えば図4のような丸型や角型の底がない皿のような形状
が採用できる。
【0017】通気性濾過板、外筒、開口部の大きさの関
係として、外筒の排ガスの流れ方向から見た外筒の内側
の面積の50〜99%(開口部として残す面積は1〜5
0%)、好ましくは60〜95%(開口部として残す面
積は5〜40%)を遮蔽する大きさの通気性濾過板を取
り付ける。排ガスの流れ方向から見た通気性濾過板の面
積はディーゼル乗用車用のフィルターでは前記のように
10〜2000cmが好ましく、より好ましくは50
〜700cmである。
【0018】通気性濾過板の排ガスの流れ方向の間隔は
5〜100mmが好ましく、より好ましくは10〜50
mmである。また、通気性濾過板の枚数は目標とする微
粒子の捕集率によっても異なるが、5〜100枚が好ま
しく、より好ましくは10〜40枚である。通気性濾過
板を取り付けた状態で残す開口部の位置は通気性濾過板
の端部、中央部等の任意の位置であってよいが、開口部
が排ガスの流れ方向に重ならないように、例えば通気性
濾過板の右の端部と左の端部に交互に位置させて配置す
ることが微粒子の捕集効率の面から好ましい。
【0019】
【作用】本発明のフィルターの方式がディーゼルエンジ
ンの排ガスに含まれる微粒子捕集用フィルターとして特
に適する理由、及び技術的思想について述べる。本発明
のフィルターの微粒子の捕集機構は、一部を残して通気
性濾過板で遮蔽した流路を排ガスが流れる過程で生じる
通気性濾過板の圧力差を利用して、排ガス中の一部の微
粒子を捕集する操作を連続して複数回繰り返す捕集方法
である。即ち、図5のような排ガスの流れにおいて、排
ガスの流路を開口部によって絞ること、流れの向きが変
わること等によって排ガスの圧力が低下し、この圧力の
低下が通気性濾過板の表裏面間の圧力差を生じ、排ガス
が通気性濾過板を貫通する方向に圧力差が生じることに
なる。
【0020】この方式において、例えば一枚の通気性濾
過板の開口部を80%の排ガスが流れ、20%の排ガス
が通気性濾過板を貫通して20%の微粒子が捕集される
とした場合、n枚の通気性濾過板を直列に配置したフィ
ルターにおいて、理想的には未捕集の微粒子は0.8の
n乗となり、nが10であれば未捕集の微粒子は11%
であり、nが20であれば1%まで低下する。一方、フ
ィルターの差圧は理想的にはnに比例する。
【0021】この方式のフィルターをディーゼルエンジ
ンの排ガスに含まれる微粒子捕集用フィルターとして適
用するための技術的思想を述べる。ディーゼル車に搭載
するフィルターに要求される性能としては、(1)フィ
ルターでの圧力損失が高々0.3kg/cm以下、好
ましくは0.1kg/cm以下と小さい、(2)通電
加熱に供給できる電力は2kw以下、好ましくは1kw
以下と小さい、(3)フィルターの設備が1系列で足り
ることが望ましい、(4)フィルターの性能に長期間の
安定性、信頼性がある、等である。
【0022】(1)の圧力損失の上限への対応につい
て、本発明のフィルターは或る値の圧力損失以上とはな
り得ない最大圧力損失値が存在する。即ち、通気性濾過
板が全て微粒子で目詰まりを生じ、通気性濾過板が排ガ
スを通さなくなったときに最大圧力損失となるが、その
状態での排ガスの流れは通気性濾過板を通気性がない同
じ形状の板に置き換えた流れに同じであり、例えば図5
の流れにおいては圧力損失は主に開口部での流路の絞
り、流れの向きの変化によって発生し、排ガスの流路の
形状によって一義的に決まる。このことは本発明のフィ
ルターの特徴の1つである。濾過板の目詰まりが進んだ
場合、ハニカム構造のフィルターでは捕集率は実質的に
変化せずに圧力損失が際限なく大きくなる。これに対し
て本発明は捕集率が低下して0に近づいていき、圧力損
失は上記の最大圧力損失に近づいていくがそれを超える
ことはない。
【0023】従って、前記に示した範囲内で通気性濾過
板の平均細孔性、厚さ、面積等を決めるにおいて、最大
圧力損失が0.1kg/cm以下となるためには、例
えば通気性濾過板の枚数を20枚とすると通気性濾過板
の1枚につき最大圧力損失は0.005kg/cm
あり、この圧力損失が通気性濾過板の表裏面に適用され
たときに排ガス量の例えば20%を通過するように通気
性濾過板特性の平均細孔性、厚さ、面積等を決めればよ
い。次に開口部の面積は、排ガスの全量が開口部を通過
するときに0.005kg/cmの圧力損失が発生す
る面積とすればよく、このようにして最大圧力損失が決
まることになる。
【0024】(2)の電力量上限へは次のように対応し
ている。第1に本発明のフィルターは単位時間当たりに
加熱すべき熱容量が極めて小さいためである。即ち、フ
ィルターの全体の一部、例えば1枚だけの導電性濾過
板、或いは必要によりその何分の1を逐次加熱する方式
が採用でき、フィルターの全体を一括して加熱する必要
のあるハニカム構造体に比較して単位時間当たりに加熱
する熱容量を極めて小さくすることができる。第2に、
排ガスの全部を加熱する必要がないためである。即ち、
通気性濾過板を貫通する排ガスは通気性濾過板の熱を奪
って流出するが、1枚の導電性濾過板を貫通する排ガス
の量は全体の排ガスの一部であり、導電性濾過板の再生
の直後であっても例えば上記のように全体の20%のみ
であり、微粒子を捕集して再生が必要になる状態では通
気性濾過板の目詰まりによってこの割合は更に減るため
である。第3に、通気性濾過板に接触又は隣接して発熱
体を配置し、更に断熱材で挟んだ構造が高い熱効率に結
びつくためである。更に付加的な理由として、再生時に
通気性濾過板に堆積した微粒子が発熱体によって加熱さ
れる通気性濾過板の断熱材の役割をするためである。
【0025】(3)フィルターの設備の1系列への対応
について、上記のように排ガスをフィルターに流通させ
ながらも、通気性濾過板の再生時の熱を排ガスが奪う割
合を低く抑えることができるため、排ガスを流通させな
がらの再生、即ち1系列が可能となる。
【0026】(4)フィルターの長期間の安定性、信頼
性への対応について、第一に本発明では通気性濾過板に
非導電性の材料を使用する。この非導電性の材料を使用
する理由は通気性濾過板を安定して再生するためであ
り、実質的に一定の条件で発熱体を通電加熱するためで
ある。即ち、非導電性の濾過板ではなくて導電性濾過板
を使用し、濾過板を直接通電加熱する方式を採用する
と、経時的に濾過板の抵抗値が変化し、所定の電圧・電
流の電気的条件では必ずしも安定して再現よく再生する
ことができないといった欠点が現れるためである。具体
的には、再生の直前では抵抗値が低く、また経時的にこ
の再生の直前の抵抗値が低下する傾向がある。このこと
は微粒子が導電性を有し、微粒子が付着すると濾過板の
抵抗値が下がるためであり、また加熱を繰り返すうちに
微粒子の一部が結晶性の高い、従って高い導電性の炭素
になるためと考えられる。この対策として本発明では非
導電性の濾過板を発熱体と組み合わせて使用した。また
熱効率を低下させないために、発熱体を通気性濾過板と
断熱材で挟んだ構造を併せて採用することができる。
【0027】第二に本発明のフィルターは構造が簡単で
あるために高い信頼性を確保することができる。即ち、
本発明のフィルターは形状が小さい、従って熱応力の発
生が小さく、簡単な形状、従って作製が容易で欠陥の発
生の少ない濾過板を部材とするものであり、原理的に信
頼性が高い構造体であると言うことができよう。
【0028】また、非導電性セラミック繊維の成形体か
ら本発明に好適な靱性と強度が高い通気性濾過板を容易
に得ることができる。この理由はアルミナ系等の非導電
性セラミック繊維は機械的強度が高いものが入手可能で
あり、得られる多孔体は高強度を達成し易いためであ
る。また、直径が1〜40ミクロンの各種セラミック繊
維が入手可能であり、この太さのセラミック繊維から本
発明に好適な10〜60ミクロンの平均細孔径を有する
多孔体を得ることが容易なためである。
【0029】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明する。
【実施例】
実施例1 通気性濾過板として14cm×15cm×1.2mmの
アルミナ質多孔体を使用した。アルミナ質多孔体は直径
15ミクロンのアルミナファイバー(アルミナ89重量
%、シリカ11重量%の組成)を朱子織りにした市販の
アルミナ質の布より作製したものであり、アルミナ質の
布を広げて1cmあたり約0.20gの重さに積層
し、広げた布の1cmあたりにバインダーとして0.
11gのジメチルシリコーンオイル(分子量約10万)
を布の表面に均等にスプレーし、次いで布に約2kPa
の圧力を付加した状態で空気雰囲気中で1100℃に加
熱することによって成形体とした。この操作によりアル
ミナ質の布は一体化して板状のアルミナ質成形体となっ
た。この板状アルミナ質成形体は気孔率が54%、平均
細孔径が28ミクロンであった。
【0030】発熱体としては直径1.5mmの鉄−ニッ
ケル−クロム系合金の線状発熱体を用い、この1.6m
の長さを図2(a)のような形状の10本に折れ曲がっ
た形状に加工し、各々の通気性濾過板に耐熱絶縁材料の
固定具で取り付けた。また、断熱材として14cm×1
5cm×0.6mmのアルミナシリカ繊維の布を用意
し、通気性濾過板に重ねた状態で周囲の端部を耐熱材料
で通気性濾過板に固定した。断熱材は気孔率が62%、
平均細孔径が80ミクロンであった。このようにして発
熱体と断熱材を取り付けた通気性濾過板を15枚用意し
た。外筒としては内側寸法が15.5cm×15.5c
mで肉厚が1mm、長さ50cmのSUS304製の角
形管を作製し、その向かい合った2つの内面に図3のア
ングル形状の通気性濾過板の支持材を2cmの間隔で取
り付け、向かい合った2つの支持材に1つの通気性濾過
板を固定する仕方で2cmの間隔で15枚の通気性濾過
板を取り付けた。通気性濾過板と外筒との間に位置する
開口部は排ガスの流れ方向から見て約15.5cm×
1.5cmであり、開口部は排ガスの流れ方向に重なら
ないように排ガスの流れ方向から見て左右に交互に配置
した。各々の発熱体にはリード線を接続し、外筒に小孔
を開けてリード線を外に導いた。
【0031】このようにして構成した本発明のフィルタ
ーを排気量2500ccのディーゼルエンジンを搭載し
た乗用車に設置し、各々のリード線は電圧25V、供給
電力1KWのバッテリーに接続し、排ガスダクトをフィ
ルターに接続して100時間の実走行試験を行った。走
行は約50km/Hの速度で行い、この間フィルターに
排ガスを導いて微粒子を捕集しながら15枚の各々の通
気性濾過板に取り付けた15個の発熱体を順次10分間
通電加熱し、15枚の通気性濾過板を逐次継続的に再生
した。
【0032】結果として、100時間の実走行試験の間
の微粒子の捕集率はフィルター前後のスモークメーター
の測定で82〜84%と、このフィルターによって微粒
子は安定して捕集できており、フィルター前後での圧力
測定からの圧力損失も0.082〜0.087kg/c
の範囲に安定していた。また、引き続き微粒子の捕
集を行うに障害となるような通気性濾過板の損傷等は見
られなかった。
【0033】実施例2 通気性濾過板として実施例1で使用したと同じアルミナ
質の布より作製した14cm×15cm×1.2mmの
アルミナ質多孔体を使用し、この上に実施例1で使用し
たと同じ直径1.5mmの線状発熱体を図2(a)のよ
うな状態で配置した。断熱材としては平均直径3ミクロ
ンで平均長さ1mmのアルミナ質短繊維(アルミナ54
重量%、シリカ45重量%の組成)を用意し、この10
0gあたりに20gのジメチルシリコーンオイル(分子
量約10万)をバインダーとして添加してミキサーで混
合し、この混合物を上記のアルミナ質多孔体と線状発熱
体の上に1cmあたり約0.30gの重さで実質的に
均等に散布して配置し、次いで約0.2kPaの圧力を
断熱材の上に付加した状態で空気雰囲気中で1100℃
に加熱した。この操作により断熱材が一体化し、通気性
濾過板に結合した状態が得られた。断熱材層は気孔率が
71%、平均細孔径が35ミクロンであった。
【0034】このようにして発熱体と断熱材を取り付け
た通気性濾過板を15枚用意し、実施例1で用いたと同
じ寸法のSUS304製の角形管に実施例1と同様にし
て取り付け、各々の発熱体にはリード線を接続し、外筒
に小孔を開けてリード線を外に導いた。このようにして
構成した本発明のフィルターを実施例1と同様に排気量
2500ccのディーゼルエンジンを搭載した乗用車に
設置し、実施例1と同様にして電圧25V、供給電力1
KWのバッテリーによって各々の発熱体を通電加熱しな
がら100時間の実走行試験を行った。走行は約50k
m/Hの速度で行い、この間フィルターに排ガスを導い
て微粒子を捕集しながら15枚の各々の通気性濾過板に
取り付けた15個の発熱体を順次10分間通電加熱し、
15枚の通気性濾過板を逐次継続的に再生した。
【0035】結果として、100時間の実走行試験の間
の微粒子の捕集率はフィルター前後のスモークメーター
の測定で82〜84%と安定して捕集できており、フィ
ルター前後での圧力測定からの圧力損失も0.086〜
0.091kg/cmの範囲に安定していた。また、
引き続き微粒子の捕集を行うに障害となるような通気性
濾過板の損傷等は見られなかった。
【0036】
【発明の効果】1系列のみで排ガス中の微粒子を継続的
に捕集・再生できる構造のフィルターにおいて、ディー
ゼル車に設置して長時間走行しながら微粒子を捕集し、
燃焼除去するに必要な微粒子の捕集効率の安定性、信頼
性、構造的安定性が高いフィルターを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通気性濾過板の形状の例を示す略図である。
【図2】通気性濾過板に配置する発熱体の形状の例を示
す略図である。
【図3】通気性濾過板を固定する支持材の形状の例を示
す略図である。
【図4】通気性濾過板の支持体の構造の例を示す略図で
ある。
【図5】排ガスの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1…通気性濾過板 2…開口部 3…外筒 4…発熱体 5…低抵抗部分(電極) 6…通気性濾過板の支持部分 7…通気性濾過板の支持体の開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を残して外筒内に通気性濾過板を
    直列に配置してなる排ガス中の微粒子捕集用フィルター
    であって、通気性濾過板は厚さ0.1〜3mmの非導電
    性の多孔体であり、各々の通気性濾過板の排ガスの流れ
    の下流側に発熱体を配置してなる排ガス中の微粒子捕集
    用フィルター。
  2. 【請求項2】 各々の発熱体の排ガスの流れの下流側に
    非導電性の断熱材を配置し、発熱体を通気性濾過板と断
    熱材で挟んだ構造とした請求項1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 通気性濾過板が非導電性セラミック繊維
    の成形体である請求項1又は2記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 発熱体を非導電性セラミック繊維のまと
    まりで挟んだ状態でセラミック前駆体をバインダーとし
    て用いて非導電性セラミック繊維のまとまりを圧密化
    し、通気性濾過板、発熱体、断熱材を一体化して得た請
    求項1、2、又は3のいずれか1項記載のフィルター。
JP5251209A 1993-09-01 1993-09-01 排ガス中の微粒子捕集用フィルター Pending JPH0771225A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246340A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法

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