JPH0769460B2 - 原子力発電所の復水浄化設備 - Google Patents

原子力発電所の復水浄化設備

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JPH0769460B2
JPH0769460B2 JP62093646A JP9364687A JPH0769460B2 JP H0769460 B2 JPH0769460 B2 JP H0769460B2 JP 62093646 A JP62093646 A JP 62093646A JP 9364687 A JP9364687 A JP 9364687A JP H0769460 B2 JPH0769460 B2 JP H0769460B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Hydroponics (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は原子力発電所の復水浄化設備に係り、とりわけ
一次水中の不純物除去を適切に制御することができる原
子力発電所の復水浄化設備に関する。
(従来の技術) 第7図に、従来の原子力発電所の概略系統図を示す。原
子炉圧力容器31の一次水から発生した主蒸気はタービン
32に導かれ、タービン32を駆動した後、主復水器33にて
凝縮され復水となる。この復水は低圧復水ポンプ34によ
り、復水ろ過装置2および復水脱塩装置3からなる復水
浄化設備1に移送される。
この復水浄化設備1でプラント構成材の腐蝕により発生
して復水中に混入するクラッド鉄(主として粒子状の金
属不純物)は除去される。
ここでクラッドとは不溶解性固形分(全成分)をいい、
クラッド鉄とは不溶解性固形分のうち鉄分のみをいう。
この水は高圧復水ポンプ37により給水加熱器38に移送さ
れて加熱され、さらに給水ポンプ39にて原子炉圧力容器
31内へ給水され原子炉水40となる。
原子炉水40の一部は、原子炉水浄化ポンプ42により原子
炉水浄化ろ過脱塩装置43に運ばれる。そしてこの原子炉
水浄化ろ過脱塩装置43で原子炉水40に含まれているクラ
ッド鉄が除去される。
このようにして、プラント運転が安定して給水から送り
込まれるクラッド濃度が一定であれば、原子炉水40のク
ラッド濃度は、ほぼ一定となる。
ところで、原子力発電所の放射線レベル上昇に寄与する
物質は、長半減期の放射性コバルトあるいは放射性ニッ
ケルであることが知られている。すなわち、これらの物
質は、プラント構成材料の腐蝕により発生した非放射性
コバルトあるいは非放射性ニッケルが原子炉水40中に混
入し、これらが炉心部41に運ばれ中性子を浴びて放射性
コバルトあるいは放射性ニッケルとなったものであり、
原子炉水40の移動に伴って拡散して原子力発電所の放射
線レベルを上昇させる。また、炉心部41の構成材料に含
まれる非放射性コバルトあるいは非放射性ニッケルが中
性子を浴びて放射性となり、これらが構成材料の腐蝕に
より原子炉水40に混入し拡散することも考えられる。
上記の放射性コバルトあるいは放射性ニッケルの拡散を
防ぐには、原子炉水40のコバルト量あいるはニッケル量
の2倍程度のクラッド鉄を原子炉水40に供給し、コバル
トと鉄およびニッケルと鉄の金属酸化物(CoFe2O4,NiFe
2O4)として、炉心部41の燃料表面に付着させ炉心部41
にとじこめておくことが必要である。
一方、原子炉水40にクラッド鉄を持ち込み過ぎた場合、
コバルトと鉄およびニッケルと鉄の金属酸化物は燃料表
面に安定付着せずに燃料表面から原子炉水40へ混入し、
炉心部41より原子力発電設備内の各所へ拡散し、プラン
ト放射線レベルを上昇させることも知られている。
コバルトおよびニッケルの原子炉水40への混入量は、コ
バルトおよびニッケルを含むプラント構成材料の腐蝕速
度が経時的に変化するので、これに伴って経時的に変化
する。また、コバルトおよびニッケルを含むプラント構
成部品の消耗による部品交換によっても変化することと
なる。
上述のように、原子炉水40のクラッド鉄混入量は、原子
炉水40へのコバルトおよびニッケルの混入量の2倍程度
にすることが必要なため、原子炉水40へのコバルトおよ
びニッケル変化に対応して原子炉水40へクラッド鉄を混
入する必要がある。
原子炉水40へ混入するクラッド鉄の大半は、給水ポンプ
39より原子炉圧力容器31に送り込まれる給水中に混入し
ているクラッド鉄である。この給水中のクラッド鉄の混
入量を適切に制御するためには、復水中に混入している
クラッド鉄を復水ろ過装置2および復水脱塩装置3から
なる復水浄化設備で除去して復水脱塩装置3の出口クラ
ッド鉄濃度を適切に制御することが求められている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃
度の制御は、様々な問題がある。
すなわち、復水中のクラッド鉄の性状は以下のような変
化を示し、このため復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃
度の制御は困難となっている。
(1) 復水中のクラッド鉄の性状は経時的に変化す
る。従って、復水ろ過装置2が粉末樹脂圧力プリコート
式である場合、プリコート条件が同一であれば同じよう
なプリコート層を常に形成するので、これによるクラッ
ド鉄の除去性能が変化し復水ろ過装置2の出口クラッド
鉄濃度が変化する。
(2) 上記(1)の原因等によりまた復水脱塩装置の
クラッド鉄除去特性の劣化によって、復水脱塩装置3の
出口クラッド鉄濃度が変化する。
(3) 前述のとおり、コバルトおよびニッケルの原子
炉への混入量は経時的に変化し、これにともない原子炉
への必要給水クラッド鉄濃度も経時的に変化する。
これらの変化のうち、一般的には変化(1)と変化
(2)は経時的に増加傾向、変化(3)は経時的に減少
傾向を示すので、必要給水クラッド鉄濃度に対する復水
脱塩装置3の出口クラッド鉄濃度制御は難しいと考えら
れている。
この場合、復水脱塩装置3のクラッド鉄の除去特性が、
復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度によって変化する
ことを利用して、復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃度
を制御することができれば都合が良い。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、
復水ろ過装置の出口クラッド鉄濃度を変化させ、このこ
とによって復水脱塩装置の出口クラッド鉄濃度を適切に
制御することができる原子力発電所の復水浄化設備を提
供することを目的とする。
〔発明の効果〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、中空糸膜フィルタが内装された復水ろ過器を
有する復水ろ過装置と、この復水ろ過装置に接続された
復水脱塩装置とからなる原子力発電所の復水浄化設備に
おいて、前記復水ろ過装置に、所定流量以下の小流量を
制御する小流量制御弁を有する小流量バイパスライン
と、所定流量以上の大流量を制御する大流量制御弁を有
する大流量バイパスラインと、前記復水ろ過器の流量を
測定する復水ろ過器流量計と、前記小流量バイパスライ
ンの流量を測定する小流量バイパス流量計と、前記復水
ろ過器流量計からの信号、前記小流量バイパス流量計か
らの信号および復水全流量信号を入力し前記復水ろ過装
置の上流側の復水クラッド鉄濃度に応じて前記小流量制
御弁および前記大流量制御弁を制御する信号を出力する
流量演算器とを設けたことを特徴とする。
(作 用) 本願発明によれば、復水ろ化装置に、所定流量以上の大
流量を制御する大流量制御弁を有する大流量バイパスラ
インと、所定流量以下の小流量を制御する小流量制御弁
を有する小流量バイパスラインとを設けたことにより、
必要な復水ろ過装置のバイパス流量の大小に応じて、大
流量制御弁と小流量制御弁とで大流量バイパスラインの
流量と小流量バイパスラインの流量とをそれぞれ制御す
ることができる。このため、復水ろ過装置のバイパス流
量を、流量の大小に応じてより精密かつ安定的に制御す
ることができる。また復水ろ過装置に、復水ろ過器流量
計からの信号、小流量バイパス流量計からの信号および
復水全流量信号を入力し復水ろ過装置の上流側の復水ク
ラッド鉄濃度に応じて大流量制御弁および小流量制御弁
を制御する信号を出力する流量演算器を設けたことによ
り、復水ろ過装置のバイパス流量を復水ろ過装置の上流
側の復水クラッド鉄濃度に応じて制御することができ
る。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
第1図乃至第6図は本発明による原子力発電所の復水浄
化設備の一実施例を示す図である。第1図において、復
水浄化設備1は、入口弁7および出口弁8を有し中空系
膜フィルタを内装した復水ろ過器5を複数並列に配置し
てなる復水ろ過装置2と、この復水ろ過装置2の後方に
接続されるとともに入口弁19および出口弁20を有し粒状
のイオン交換樹脂を充てんした復水脱塩塔18を複数並列
に配置してなる復水脱塩装置3とから構成されている。
また、各復水ろ過器5の入口弁7および出口弁8と、各
復水脱塩塔18の入口弁19および出口弁20は自動制御弁と
なっている。さらに復水ろ過器5と出口弁8との間に
は、それぞれ復水ろ過器流量計6が設けられている。
また、復水ろ過装置2には、大流量制御弁11が取付けら
れた大流量バイパスライン10と、小流量制御弁13が取付
けられた小流量バイパスライン12とが設けられている。
この小流量バイパスライン12には小流量バイパス流量計
14が設けられている。これらのバイパスラインのうち、
小流量バイパスライン12は20%以下のバイパス流量制御
を行なうものであり、大流量バイパスライン10は20%以
上のバイパス流量制御を行なうものである。
また、各復水ろ過器5の復水ろ過器流量計6および小流
量バイパス流量計14は流量演算器15に接続され、この流
量演算器15によって大流量制御弁11および小流量制御弁
13が制御される。またこの流量演算器15には復水全流量
信号が入力される。さらに流量演算器15は流量表示器16
に接続され、この流量表示器16によって各復水ろ過器5
の流量、大流量バイパスライン10および小流量バイパス
ライン12の流量が表示される。このうち大流量バイパス
ライン10の流量については、復水全流量、各復水ろ過器
5の流量および小流量バイパスライン12の流量から求め
られる。
一方、復水脱塩装置3についても、制御弁22が取付けら
れた復水脱塩バイパスライン21が設けられている。
次にこのような構成からなる本実施例の作用について説
明する。
まず復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度の制御につい
て説明する。復水ろ過器5に内装されている中空糸膜フ
ィルタのクラッド鉄除去特性は極めて良好であり、この
中空糸膜フィルタで略100%のクラッド鉄が除去される
ことが知られている。このため、復水ろ過器5の出口ク
ラッド鉄濃度は略ゼロと考えることができる。
従って、復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度は、復水
ろ過装置2の上流側の復水クラッド鉄濃度とこの復水ろ
過装置2のバイパス流量によって定まる。一般にプラン
ト安定期では、復水クラッド濃度は略一定であるから、
復水ろ過装置2のバイパス流量によってかなり正確に復
水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度を制御することがで
きる。
例えば、復水ろ過装置2の上流側の復水クラッド鉄濃度
が5ppbであり復水ろ過装置2のバイパス流量が20%であ
れば、復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度は1ppbとな
る。また、バイパス流量が10%であれば復水ろ過装置2
の出口クラッド鉄濃度は0.5ppb、バイパス流量が30%で
あれば復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度は1.5ppbと
なる。
次に大流量バイパスライン10と小流量バイパスライン12
の使用方法について説明する。
復水ろ過装置2の上流側の復水クラッド鉄濃度が略一定
(例えば、5ppb)となっている場合、この復水クラッド
鉄濃度の信号が流量演算器15に入力され、流量演算器15
から出力される信号により大流量バイパスライン10の大
流量制御弁11の開度を略一定としバイパス流量を20%と
する。そして、小流量バイパイライン12の小流量制御弁
13を用いて微調整することにより、復水ろ過装置2の出
口クラッド鉄濃度を略1ppbに安定して制御することがで
きる。
また、復水ろ過装置2の上流側の復水クラッド鉄濃度が
5ppb以上となった場合は、バイパス流量を20%以下とす
る。この場合は、大バイパスライン10を閉とし小バイパ
スライン12のみを使用する。
このように復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度を大流
量バスパスライン10および小流量バイパスライン12を用
いることによって、自動的に変化させることができる。
なお、この間の大バイパスライン10および小バイパスラ
イン12を流れるバイパス流量と、各復水ろ過器5の流量
は流量表示器16に表示される。また、バイパス流量を確
実に制御するために、大流量制御弁11および小流量制御
弁13による制御のみならず、例えば所定の復水ろ過器5
の入口弁7および出口弁8を閉としてバイパス流量を増
加させるよう制御することもできる。
続いて、復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度を変化さ
せ、このことにより復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃
度を制御する。
以下、復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度と復水脱塩
装置3の出口クラッド鉄濃度との関係を説明する。
初めに、復水脱塩装置のクラッド鉄除去特性の概要を第
2図に示す。復水脱塩装置3は、粒径数百ミクロンのイ
オン交換樹脂25を球形あるいは円筒形の復水脱塩器(第
1図符号18)に充てんし、そのイオン交換樹脂25を充て
ん層内に復水を流すことにより、復水中の不純物を除去
するものである。復水中に含まれるクラッド鉄の除去
は、クラッド鉄とイオン交換樹脂25の電気化学的な正負
の状態差の違いによりクラッド鉄がイオン交換樹脂25の
表面に引き寄せられて付着する現象であることが知られ
ている。
従って、イオン交換樹脂25の表面にクラッド鉄が付着し
て、イオン交換樹脂25の表面電位とクラッド鉄の電位差
が減少するとその除去率は低下する。反対に、イオン交
換樹脂25の表面の付着鉄が少なくなれば、クラッド鉄と
の電位差が増加してクラッド鉄の除去率は向上する。
イオン交換樹脂25のカチオン樹脂は固体酸であるから、
イオン交換樹脂25表面上に付着したクラッド鉄は溶解し
イオン鉄26となる。このイオン鉄26は、樹脂内の鉄濃度
差により内部に拡散する。従って、ある速度でイオン交
換樹脂25の表面上に付着したクラッド鉄は減少する。こ
れにより、イオン交換樹脂25表面の電位が変わりクラッ
ド鉄を付着しやすくなる。
以上より、復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃度が上昇
してイオン交換樹脂25の付着鉄が増加方向であれば、復
水脱塩装置3のクラッド鉄除去率は低下し、復水脱塩装
置3の出口クラッド鉄濃度が低下して減少方向であれ
ば、復水脱塩装置3のクラッド定除去率は向上し、この
復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃度にはある境界が存
在する。
この上記境界は、イオン交換樹脂25のカチオン樹脂量と
アニオン樹脂量の体積比が1:1、イオン交換樹脂25の充
てん層高が90cm、復水の線流速が120m/Hの復水脱塩装置
において、イオン交換樹脂25の粒間鉄を除去した後の状
態では、復水脱塩装置3の出口クラッド鉄濃度が、約1p
pbであることが判明した。
このことにより、復水脱塩装置3の入口クラッド鉄濃
度、すなわち復水ろ過装置2の出口クラッド鉄濃度を上
下することによって、適切な範囲内に復水脱塩装置の出
口クラッド鉄濃度を制御することができる。
続いて第3図および第4図によって復水脱塩装置3のク
ラッド鉄除去特性および復水ろ過装置2のクラッド鉄除
去特性を利用したクラッド鉄濃度の制御について説明す
る。
第3図のとおり、原子炉水のコバルトおよびニッケル混
入量に対応する(2倍をなす)必要給水クラッド鉄濃度
は原子力発電所の運転時間によって変化する。すなわ
ち、任意の運転時間に、必要給水クラッド鉄濃度が存在
する。
この必要給水クラッド鉄濃度に合せるよう復水ろ過装置
2のバイパス流量を大流量バイパスラインと小流量バイ
パスラインを用いて自動的に制御し、復水ろ過装置2の
出口クラッド鉄濃度を上下させ、これに伴って復水脱塩
装置3の出口クラッド鉄濃度を上下させて平均的に目標
給水クラッド鉄濃度を得ることができる。
すなわち、この目標クラッド鉄濃度を得るためには、第
4図に示すように、目標給水クラッド鉄濃度に対し、各
系統のクラッド鉄濃度の上限および下限を定めておく。
そしてクラッド鉄濃度がこれら上限または下限のいずれ
かから外れた場合、復水ろ過器2のバイパス流量を変更
することによってクラッド鉄濃度を適正値に修正する。
この場合、経年的な復水のクラッド性状に対しても対応
できるようにバイパス流量を変更することにより、原子
力発電所のプラント寿命中の必要給水クラッド鉄濃度に
対する制御も行なうことができる。また、原子炉圧力容
器31の炉心部41に既に必要以上のクラッド鉄量が付着し
ている場合は、上記目標給水クラッド鉄濃度より低目に
制御しておき、原子炉水40のニッケル及びコバルトの放
射能濃度を見て、上昇傾向を示した時に復水ろ過装置2
のバイパス流量を変更することもできる。
また、原子力発電プラント運転開始初期は、コバルトお
よびニッケルの原子炉水40への混入量が多く、必要給水
クラッド鉄濃度が高くなり、復水脱塩装置3のイオン交
換樹脂25が極めて清浄でクラッド鉄除去性能が良いこと
が知られている。従って、このような時期には早期に復
水脱塩装置3のイオン交換樹脂25を汚して除去性能を下
げる必要がある。このため、復水ろ過装置2の大バイパ
スライン10の大流量制御弁11の開度を大とし、バイパス
流量を多くする。さらにバイパス流量を増加するために
は、復水ろ過器5の入口弁7と復水ろ過器5の出口弁8
を閉とする。必要に応じ、閉とする入口弁7および出口
弁8の個数を増加すれば、バイパス流量は増加すること
となる。
続いて第5図に、復水ろ過器2のバイパス流量を変化さ
せた場合のクラッド鉄濃度変化の実績を示す。
このように本実施例によれば、復水ろ過装置2のバイパ
ス流量を変化させることによって、原子炉水に混入した
コバルトおよびニッケルの量に対応する必要クラッド鉄
量を適切に原子炉水に混入することができる。
第6図に示すように、原子炉水へのクラッド鉄混入量が
必要クラッド鉄量より多くても少なくても、従業者への
被曝線量は増加する。従って、必要クラッド鉄量を適切
に原子炉水に混入することによって、この従業者への被
曝線量を容易に減少させることができる。
また、本実施例によれば、大流量のバイパス流量につい
ては大流量バイパスラインを、小流量のバイパス流量に
ついては小流量バイパスラインをそれぞれ用いることが
できるので、流量の大小に応じた適切なバイパス流量制
御を行なうことができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、復水ろ過装置に、所定流量以上の大流
量を制御する大流量制御弁を有する大流量バイパスライ
ンと、所定流量以下の小流量を制御する小流量制御弁を
有する小流量バイパスラインとを設けたことにより、必
要な復水ろ過装置のバイパス流量の大小に応じて、大流
量制御弁と小流量制御弁とで大流量バイパスラインの流
量と小流量バイパスラインの流量とをそれぞれ制御する
ことができる。このため、復水ろ過装置のバイパス装置
を、流量の大小に応じてより精密かつ安定的に制御する
ことができる。また復水ろ過装置に、復水ろ過器流量計
からの信号、小流量バイパス流量計からの信号および復
水全流量信号を入力し復水ろ過装置の上流側の復水クラ
ッド鉄濃度に応じて大流量制御弁および小流量制御弁を
制御する信号を出力する流量演算器を設けたことによ
り、復水ろ過装置のバイパス流量を復水ろ過装置の上流
側の復水クラッド鉄濃度に応じて制御することができ
る。このため復水ろ過装置の出口クラッド鉄濃度を極め
て精密かつ安定的に制御することができ、原子炉へ混入
する必要クラッド鉄量を常に最適に制御することができ
る。またその結果、従業者に対する被爆線量を低下させ
て安全な原子力発電所を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による原子力発電所の復水浄化設備の一
実施例を示す概略系統図、第2図は復水脱塩装置におけ
るクラッド鉄の除去率フローおよび移行フローを示す
図、第3図は原子力発電所のプラント運転時間に対する
必要給水クラッド鉄濃度を示す図、第4図は各系統のク
ラッド鉄濃度を示す図、第5図は所定のバイパス流量を
定めた場合の各系統のクラッド鉄濃度の実績値を示す
図、第6図は原子炉のクラッド鉄混入量に対するプラン
ト定検時の従業者被曝線量を示す図、第7図は従来の原
子力発電所の概略系統図である。 1……復水浄化設備、2……復水ろ過装置、3……復水
脱塩装置、5……復水ろ過器、6……復水ろ過器流量
計、7……入口弁、8……出口弁、10……大流量バイパ
スライン、11……大流量制御弁、12……小流量バイパス
ライン、13……小流量制御弁、14……小流量バイパス流
量計、15……流量演算器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空糸膜フィルタが内装された復水ろ過器
    を有する復水ろ過装置と、この復水ろ過装置に接続され
    た復水脱塩装置とからなる原子力発電所の復水浄化設備
    において、 前記復水ろ過装置に、 所定流量以下の小流量を制御する小流量制御弁を有する
    小流量バイパスラインと、 所定流量以上の大流量を制御する大流量制御弁を有する
    大流量バイパスラインと、 前記復水ろ過器の流量を測定する復水ろ過器流量計と、 前記小流量バイパスラインの流量を測定する小流量バイ
    パス流量計と、 前記復水ろ過器流量計からの信号、前記小流量バイパス
    流量計からの信号および復水全流量信号を入力し前記復
    水ろ過装置の上流側の復水クラッド鉄濃度に応じて前記
    小流量制御弁および前記大流量制御弁を制御する信号を
    出力する流量演算器と、 を設けたことを特徴とする原子力発電所の復水浄化設
    備。
JP62093646A 1987-04-16 1987-04-16 原子力発電所の復水浄化設備 Expired - Lifetime JPH0769460B2 (ja)

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