JPH0769293B2 - 流体中の化学種濃度測定装置 - Google Patents

流体中の化学種濃度測定装置

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JPH0769293B2
JPH0769293B2 JP1130089A JP13008989A JPH0769293B2 JP H0769293 B2 JPH0769293 B2 JP H0769293B2 JP 1130089 A JP1130089 A JP 1130089A JP 13008989 A JP13008989 A JP 13008989A JP H0769293 B2 JPH0769293 B2 JP H0769293B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は流体中の化学種濃度測定装置に関し、とくに水
・空気等の流体中の酸素や水道水中の塩素等の化学種の
測定装置に関する。本発明の化学種濃度測定装置は公害
防止装置や発酵槽中の溶存酸素測定に適する。ここに化
学種濃度とは、被検流体中に溶存する電気化学的に活性
な化学種の濃度である。
【従来の技術】
溶存酸素濃度等の化学種濃度の測定には、クラーク方式
と呼ばれる隔膜ガルバニ電池方式又はポーラログラフ方
式が従来使われてきた。これらの従来方式では、隔膜を
隔てて電解液を被検液に臨ませ、被検液中の溶存化学
種、例えば酸素を隔膜透過により電解液中へ拡散させ
る。この拡散透過する酸素は、電解液内に配置されたカ
ソード表面に達して還元されてカソード電流Iを生じさ
せるので、隔膜中の酸素流量はカソード電流Iに比例す
る。また隔膜中の酸素流量は被検液中の溶存酸素分圧ps
に比例するので次の関係が成立する。 ps=K1I ここにK1は隔膜の特性などによって定まる定数である。
他方、被検液の酸素濃度Csとその溶存酸素分圧psとの間
には次式で示されるヘンリーの法則がある。 Cs=Ksps=KsK1I ・・・(1) ここにKsは被検液への酸素溶解度係数であって定数であ
る。従って、カソード電流Iの測定により溶存酸素濃度
を測定することができる。 しかし、隔膜の表面に異物などが付着して汚染されると
隔膜の見掛け上の厚さが増加し上記定数K1が増大するの
で、たとえ酸素濃度Cs及び酸素分圧psが一定であっても
カソード電流Iが減少し、(1)式による測定は見掛け
上酸素濃度Csが減少したように指示する。下水処理場の
酸素濃度測定では、この様な現象が常に見られる。 隔膜表面汚染がない場合であっても、被検液が静止して
いるか流動しているかによって測定値に差がでる。被検
液が静止している場合には、隔膜の表面に被検液からな
る静止境界層が形成され酸素の流れに対する抵抗が増大
し、見掛け上隔膜が厚くなったように作用する。このた
めカソード電流が減少し酸素濃度が低下したような指示
をする。その後被検液を撹拌して境界層を消失させる
と、指示値が再び増大する。この様な誤差は流速誤差と
呼ばれ、著しい場合には流速誤差が50%程度にまで達す
ることがある。発酵層では空気でバブリングされること
が多いので、流速誤差の多い測定装置は適しない。 要するに、クラーク方式には、隔膜汚染による誤差、
流速誤差の2大欠点がある。 特公昭56−51582号公報はクラーク方式の上記欠点を解
決したいわゆるコネリイ方式を開示している。コネリイ
方式も隔膜によって被検液から隔てられた電解液を用い
るが、コネリイ方式では電解液の酸素分圧の平均値▲
▼が被検液の酸素分圧psと等しくなるように電解液の
酸素分圧▲▼を自動的に制御する。このため隔膜を
拡散透過する酸素の流れは見掛け上零となり、クラーク
方式の上記2大欠点が大幅に改善される。 測定方式の分類上クラーク方式は偏位法と呼ばれ、コネ
リイ方式は隔膜透過化学種流量を零とするのでゼロメソ
ッドと呼ばれる。 本出願人は、コネリイ方式における電極構造を改良して
タイル状とすることにより、クラーク方式の上記2大欠
点をさらに改善するのみならず、コネリイ方式の応答速
度をも改善する方法を見出しその方法(以下タイル状電
極法という。)を特願昭59−191711号(特開昭61−7045
1号公報)に開示した。本出願と関連する範囲において
上記タイル状電極法の概要を簡単に説明する。 第2図は、本出願人が先に開示したタイル状電極法の電
極面の部分的斜視図を示す。平滑な平面を有するアルミ
ナ板又はガラス板等のサブストレート1の上に多数の微
小なタイル状アノード2及びカソード3が設けられる。
好ましくは一辺Lの正方形に形成したタイル状電極をサ
ブストレート表面即ち直交軸X−Yの面上にピッチP
(P〉L)で並べる。複数のアノード2を細い連絡パタ
ーン4で相互に電気的に接続し、同様に複数のカソード
3を細い連絡パターン5で相互に電気的に接続し、それ
らの連続パターン4、5を図示してないアノード線とカ
ソード線にそれぞれ結合する。溶存酸素測定の場合、カ
ソードには基準電極に対して負の約−0.6Vの電圧を印加
する。 実際のタイル状電極法では第2図に示した数より遥かに
多くのアノード2、カソード3、及び連絡パターン4、
5をサブストレート1上に形成する。各アノード2を4
個のカソード3で囲み、各カソード3を4個のアソード
2で囲む点に特徴がある。第2図の様な電極は、従来の
薄膜製作技術によって形成することができる。代表的な
方法としては、まず蒸着又はスパッタリングにより白金
をサブストレート表面全体に付着させる。次にホトリソ
グラフ手法でパターンを焼付ける。最後にドライエッチ
ング等で不用の白金膜を除去すれば、所望の電極パター
ンが得られる。 第3図は、タイル状電極法の化学種濃度測定装置のサブ
ストレート1の表面と直交する面、即ちX−Z面におけ
る要部拡大断面を示す。同図においてZ軸方向の拡大率
をX軸方向の拡大率よりも大きくしてある。サブストレ
ート1の表面即ち電極支持面14に電解液6が薄層状に接
している。隔膜7が電解液6覆う様に張設される。隔膜
7は測定すべき特定の化学種を選択的に透過させる特性
をもち、好ましくはその化学種のみを透過させる。溶存
酸素の測定には弗素系の重合膜、例えばTFE、PFA、FE
P、EPE等の膜が適している。隔膜7の厚さは10−50μm
程度であり、電解液6の層はさらにこれより一桁薄い。 図示例では隔膜7を機械的に保護するため、隔膜厚さの
数倍の厚さを持った保護膜8を設ける。必要に応じ保護
膜8をステンレス金網8a等によって補強する。保護膜8
の材質としては隔膜7と同様な性質が要求される。測定
すべき化学種に対する透過係数が大きくなければならな
いので、溶存酸素測定の場合には酸素に対する透過係数
が異常に大きいシリコンゴム膜が使われる。 第3図に於いて、被検液9の酸素分圧をpsで表す。酸素
分子が保護膜8、隔膜7、電解液6を拡散透過して電極
支持面14に達し、カソード3面上で還元反応、アノード
2面上で酸化反応が次のように起る。電解液6が酸性で
ある場合には、 カソード3面上 O2+4H++4e-→2H2O ・・・(2) アソード2面上 2H2O→O2+4H++4e- ・・・(3) カソード面上でO2が消費され、その分のO2がアノード面
上で発生する。そのため、酸素濃度は第3図に示される
ようにカソード面上で零となり、アノード面上で最大と
なる。従って、電解液6の酸素分圧peも同図にハッチン
グで示す様にカソード面上で零となり、アノード面上で
最大となる。しかし、平衡状態においては電解液6の酸
素分圧peの平均値▲▼が被検液9の酸素分圧psに等
しくなる。カソード電流は、▲▼に比例するのでps
にも比例することとなり、psの測定即ち被検液9の酸素
濃度を測定することができる。 電極支持面14上では酸素の濃度勾配が非常に大きいの
で、第3図の破線矢印のように酸素が電解液6中を拡散
し濃度を高低を平均化しようとする。式(3)の反応に
より発生したH+イオンからもこれと同方向に拡散する。
式(2)、(3)から明らかなように、コネリイ方式及
びタイル状電極法では、カソード面上でH2Oが発生し等
量のH2Oがアノード面上で消失するので、電解液6の組
成に経年的な付加逆変化の生ずることなくこれが有利な
特徴となっている。 電解液6内での酸素濃度平均化作用のため、隔膜7の下
面における酸素分圧pm1の凹凸はさらに小さくなる。隔
膜7自体における平均化作用もあるので、隔膜7の上面
における酸素分圧pm2の凹凸はさらに一層小さくなる。
保護膜8の拡散係数は非常に大きいので、保護膜8内で
平均化が急速に進行し、保護膜8の上面における酸素分
圧pm3には殆ど凹凸がなくなる。 タイル状電極法では、電極支持面14即ちX−Y平面上の
Y軸方向においても図示のX軸方向と同様な酸素分圧の
分布が生じ電極支持面14上での酸素濃度平均化が急速に
進む。これに反し、コネリイ方式では第3図のY軸方向
の酸素分圧の凹凸がなく、それだけ平均化作用が弱い。 保護膜8の上面における酸素分圧pm3が被検液9の酸素
分圧psに等しいため、保護膜8及び隔膜7を透過する酸
素の流れは生じない。これがゼロメソッドとよばれる所
以であり、隔膜7における酸素濃度に依存するクラーク
方式の上記2大欠点を解決できる理由である。タイル状
電極法は電極支持面14での酸素濃度平均化速度が速いの
で、その改善効果が一層顕著である。 被検液9の酸素分圧psがステップ状に増加した場合に
は、過渡的に被検液9から電極支持面14に向う酸素の流
れが生ずるため、カソード電流が増加するが、アノード
2からその増加に見合った量の酸素が発生し、電解液6
の酸素分圧peの平均値▲▼が上記増加後の被検液9
の酸素分圧psに浸しくなり、新しい平衡状態に達する。 逆に、被検液9の酸素分圧psがステップ状に減少した場
合には、上記と逆の現象が生じ、電極支持面14から離れ
る酸素の流れが生ずるため、電解液6の酸素分圧peの平
均値▲▼が上記減少後の被検液9の酸素分圧psに等
しくなり、新しい平衡状態に達する。 被検液9が窒素ガスである時は酸素分圧ps=0である。
この状態に保持されると、保護膜8、隔膜7、及び電解
液6中の酸素が窒素ガス中に拡散放出されるものの、最
終的には電解液6の酸素分圧peも零となる。よってカソ
ード電流も零となる筈である。しかし、現実には僅かな
電流が流れる。これを暗電流と言う。
【発明が解決しようとする課題】
タイル状電極法はクラーク方式の2大欠点を解決するだ
けでなくコネリイ方式の応答速度を改善するものである
が、その製作にホトリソグラフ手法を使うので、サブス
トレートの電極支持面が平面に限定される。平面上に電
解液6、隔膜7及び保護膜8を正しい位置関係で再現性
よく組み立てるのは非常に難しい。特に高温高圧での蒸
気殺菌処理の負担、例えば120℃、2kgf/cm2Gの負担に繰
返し耐えしかも良好な再現性を得るのは困難である。前
記特公昭56−51582号公報は、細線状の白金線アノード
及びカソード接触しない様に円筒面に巻き付けた非平面
的な電極構造をも開示しているが、この構造にも反復蒸
気殺菌に耐えるものは提供されていない。 従って、本発明の目的は繰返して加えられる蒸気殺菌の
高温高圧に耐えしかも再現性が良いゼロメソッド型の流
体中の化学種濃度測定装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
第1図の実施例を参照するに本発明による化学種濃度測
定装置は、化学種が透過する隔膜装置によりこの場合被
検液9である被液流体から隔てられた電解液6中にアノ
ード2及びカソード3からなる電極を配置し、前記電極
を流れる電流に比例する量の化学種を前記電解液中の一
方の電極において発生すると共に他方の電極において消
費し、被検流体中の化学種分圧psと前記電解液中の化学
種分圧の平均値▲▼を等しくして前記隔膜装置の化
学種透過量を実質的に零とした時の前記電流により被検
流体の化学種濃度を測定する装置であって、前記電極の
アノード2とカソード3との間隔を前記隔膜装置の厚さ
程度以下に充分小さくし且つ前記アノード2及びカソー
ド3の各々の面積を直径が前記隔膜装置の厚さに等しい
円の面積程度以下に充分小さくして電極近傍における電
解液6中の化学種濃度分布を不均一にしてなる構成を用
いる。 好ましくは、前記隔膜装置に、特定化学種のみを透過さ
せる隔膜7及び前記特定化学種を一層透過し易く且つ機
械的に強い保護膜8を設ける。 さらに好ましくは、前記アノード2とカソード3との間
隔方向の各電極の幅をそれぞれ前記隔膜装置の厚さと同
程度以下とする。
【作用】
第2図について先に説明したタイル状電極法の開発過程
において本発明者等は、アノード2及びカソード3を多
数設けることは必ずしも必要でないとの知見を得た。即
ち、アノード2及びカソード3がそれぞれ微小であり且
つ両電極間の間隔が充分小さく電極近傍における電解液
6中の化学種濃度分布が不均一であれば、複数の電極対
が設けられた第2図の場合と実質上同一の性能を1対の
電極(アノード2とカソード3)のみによって実現でき
ることを見出した。 膜厚が同一であって被検液9の酸素濃度Csも同一であれ
ば、カソード電流は明らかにカソード3の電極面積に比
例する。微少電極の1対のみにするとカソード電流は微
弱になるが、MOSFET等によりその微弱なカソード電流を
測定することが可能である。 電極の数を減らすことにより、電極部の構造が簡単にな
り再現性の高い性能を発揮させることができる。また部
品数が少ないので、反復して加えられる高温高圧の蒸気
殺菌処理にも十分耐えられる強度の構造に製作できるこ
とを実験により確認した。 こうして、本発明の目的である「繰返して加えられる蒸
気殺菌の高温高圧に耐えしかも再現性が良いゼロメソッ
ド型の流体中の化学種濃度測定装置」の提供が達成され
る。
【実施例】
第1図は、本発明による流体中の化学種濃度測定装置に
おける電極の基本的構造の一例を示す断面図である。ア
ノード2及びカソード3を電極ユニット10の下端に微小
間隔を隔てて露出し、その電極ユニット10の周囲をスリ
ーブ16で覆う。さらにスリーブ16の下端に隔膜7及び保
護膜8からなる隔膜装置を張設し、電極ユニット10とス
リーブ16との間に電解液6を満たし、電極ユニット10下
端のアノード2及びカソード3と隔膜装置との間に電解
液6の薄層を形成する。隔膜装置は0リング15とキャッ
プ17とによりスリーブ16に固定される。被検液9の溶存
化学種濃度、例えば酸素濃度を測定するには、上記の隔
膜7及び保護膜8からなる隔膜装置が拡張された下端部
分を被検液9に浸漬する。 電極ユニット10において、白金の細線からなるアノード
2及びカソード3はそれぞれ絶縁シース2′、3′で被
覆された後、電極チューブ11の内部を貫通して配置され
る。図示実施例の電極チューブ11は、アルミナ、ステア
タイト等のセラミックス材料を成形し焼成したものであ
る。微小間隔で隔てられた2個の細孔13が電極チューブ
11の下端に穿たれ、アノード2及びカソード3の下端が
対応される細孔13内にグレーズ12により固定される。第
1図では説明の都合上電極支持面14におけるアノード2
とカソード3との間隔を誇張して大きく示してあるが、
実際の間隔は極めて小さい。 電極チューブ11の下端にはグレーズ12を一様に塗付けて
曲面状の電極支持面14を形成する。この電極支持面14に
はアノード2及びカソード3の下端面が露出し電極とし
て作用する。隔膜7及び保護膜8からなる隔膜装置が電
解液6の薄層を介して適当な面圧力で電極支持面14に押
圧されている。電解液6の薄層は非常に薄く、第1図に
は図示できないので、隔膜装置が電極支持面14に直接に
接触しているように表されているが、実際にはアノード
2及びカソード3は電解液6に接している。 Oリング15等によりスリーブ16の下端に固定された隔膜
7及び保護膜8を適当な面圧力で電極支持面14へ押圧す
るため、キャップ17により隔膜7及び保護膜8の外周部
分をスリーブ16に押付ける。隔膜7と電極支持面14との
間に介在する電解液6の薄層の図示の省略されているこ
とは既に指摘した通りである。蒸気殺菌時にはキャップ
17の孔19から蒸気が円筒膜18の外側に導入される。この
ため、蒸気殺菌時にも電解液6の圧力と蒸気圧とがほぼ
等しく保たれ、隔膜7及び保護膜8に無理な差圧がかか
らない。 電極チューブ11の外周に巻き付けられた基準電極20は、
基準電極21を介して外部測定回路に接続される。 電極支持面14近傍の酸素分圧の分布は第3図と同様にな
る。ただし、アノード2及びカソード3が1対しかない
ので酸素分圧の山は一つだけである。1対のアノード2
及びカソード3の近傍を除き、電解液6、隔膜7及び保
護膜8中の酸素分圧は定常状態では一定であり、被検液
中の酸素分圧psと等しくなって平衡している。アノード
2が第4B図及び第4C図の様に環状である場合、アノード
2面上での電解液中酸素分圧peは環状峯の様な分布をな
し、その中心のカソード3面上ではpe=0の摺鉢状の凹
んだ分布を形成する。アノード2が第4A図の様に点状で
ある場合には、アノード2の面上での電解液中酸素分圧
peは孤立峯状の分布をなす。電解液6の中では酸素濃度
の峯から凹みの谷へ向って濃度差による拡散が生ずる。
隔膜7及び保護膜8内では、第3図の場合と同様な濃度
の平均化作用が起る。 電極チューブ11の底部の細孔13はレーザ光による孔あけ
で形成するか又はセラミックス成形時に孔あけした上で
焼結してもよい。グレーズ12の代りに有機接着剤で白金
の電極線を固定すると、蒸気殺菌の際の高温高圧のため
の接着部が変形して特性が変化するので、有機接着剤の
使用は好ましくない。 試作例として、直径0.1mmの白金線製のアノード2及び
カソード3、それらの線芯間隔0.15mm、板厚12.5μmの
テフロン(登録商標名)製隔膜7、板厚0.16mmのシリコ
ンゴム製保護膜8(金網入り)を用いたものを製作し
た。空気をバブリングした飽和水でのカソード電流は室
温で約5nAであった。窒素ガス中での暗電流は、スパン
出力5nAの約2%であった。この暗電流は、電解液6中
に蓄積された溶存酸素が隔膜7及び保護膜8の膜面に沿
って拡散しカソード3に達して発生するものが大部分で
あった。電極を窒素ガス中から空気中へ移動させた場合
のインディシャル・レスポンスは30s(90%レスポン
ス)以下であった。蒸気殺菌処理の前と後との出力変化
は5%以下で、その大部分がスパンシフトでありゼロシ
フトは小さかった。 これらの性能は従来のコネリイ方式電極のそれと同程度
であるが、本発明によればコネリイ方式電極では不可能
であった反復蒸気殺菌に対する耐力が得られた。即ち上
記試作品に蒸気殺菌(120℃、30分)を15回加えても性
能に大きな劣化は生じなかった。 ドライアップ等が起こった場合は、隔膜7及び保護膜8
と一体になったスリーブ16を一旦キャップ17から取外
し、電解液6を補給した上で再組立てをすればよい。隔
膜7等の膜に大幅な経年変化が生じた場合にも上記スリ
ーブ16を新品と交換すれば測定機能が回復する。 第1図の様に電極支持面14を曲面状にし適正な面圧力で
隔膜7等を電極支持面14に押圧するのは再現性の点で重
要である。第2図の様な平面状の電極支持面では良好な
再現性を得ることが必ずしも容易ではない。但し、曲面
状の電極支持面14を曲面状とすることは本発明の必須要
件ではない。電解液6の薄層の存在を確保するため、電
極支持面14をサンドブラスト等により租面とするのは有
効である。 第4A図は、第1図の実施例の電極支持面14を下方から見
た図である。第4B図は線状カーソド3を円筒状アノード
2で囲んだ実施例を示し、第4C図は円筒状カソード3の
外側を大径の円筒状アノード2で囲んた実施例を示す。
本発明者等は、第4A図の極間ピッチP、第4B図のアノー
ド2の半径R及び第4C図のLで表される極間間隔が、隔
膜装置の厚さ、即ち第1図の実施例では隔膜7と保護膜
8の厚さの合計と同程度以下であれば、第3図により説
明したような化学種濃度の平均化を発生させ上記タイル
状電極法を長所を維持できることを見出した。電極面積
及び電極間隔が小さい程平均化作用は急速に起り、性能
が向上するが、実用上次の要な問題点が生ずる。 (1)あまりに細い線は電極製造に不便である。 (2)線間ピッチ等のばらつきが大きくなり、性能のば
らつきが増える。 (3)膜交換によって生ずる性能のばらつきが大きくな
る。 従って、電極の大きさ及び電極間隔には実用上の下限が
ある。隔膜装置の厚さに比して電極の大きさ及び電極間
隔を大きくし過ぎると、化学種分圧の分布の凹凸が保護
膜8の被検液側表面、即ち隔膜装置の被検液側表面まで
及び、第3図の化学種分圧分布pm3の直線化が得られ
ず、流速誤差が大きくなる。 本発明は図示の実施例に限定されるものではなく各種変
形が可能である。例えば、電極チューブ11として試験管
の様なガラスチューブを使用してもよい。ただし、アノ
ード2とカソード3との間の間隔を設計値通りに製作す
るにはかなり高度の熟練技術を要する。 以上の説明において、アノード2及びカソード3の電極
対の数を1対としたが、本発明においては任意数の電極
対を使用できる。1対で十分なカソード電流が得られる
ので、電極対を無用に増加させる必要はないが、微量酸
素濃度測定等の場合にはカソード電流を大きくするため
に電極対の数を増やすのは有効である。 測定される化学種を酸素の例について説明したが、任意
の所要化学種を測定できるものである。例えば、塩素な
どの特定化学種を透過させ隔膜装置を使用すればその特
定化学種の濃度を測定できることは言うまでもない。 アノード2及びカソード3の材料の断面を円形又は環状
としたが、これは単に入手が容易であったために過ぎ
ず、任意の断面形状のものを使用することができ、例え
ば方形断面間又は中空方形断面図のものであってもよ
い。
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く、本発明の流体中の化学種濃度
測定装置は、電極支持面に設ける電極は1対だけで足
り、機械的に単純にして丈夫であり、しかも化学種の消
費がないので次の効果を奏する。 (イ)コネリイ方式と同様に隔膜装置の汚れに対する抵
抗力が強い。 (ロ)流速誤差が小さい。 (ハ)蒸気殺菌に十分耐えられる。 (ニ)機械的に丈夫であり、特に工業的な用途に適す
る。 (ホ)構造が比較的簡単であるから安価に提供すること
ができる。 (ト)小型化が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の要部縦断面図、第2図は従
来装置の電極面の部分的斜視図、第3図は従来装置の動
作原理説明図、第4A図から第4C図までは本発明装置にお
ける電極支持面の各種実施例の説明である。 1……サブストレート、2……アノード、3……カソー
ド、4、5……連絡パターン、6……電解液、7……隔
膜、8……保護膜、9……被検液、10……電極ユニッ
ト、11……電極チューブ、12……グレーズ、13……細
孔、14……電極支持面、15……Oリング、16……スリー
ブ、17……キャップ、18……円筒膜、19……孔、20……
基準電極、21……基準電極線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 正紀 東京都杉並区成田西3丁目20番8号 大倉 電気株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−70451(JP,A) 特開 昭53−46087(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学種が透過する隔膜装置により被検流体
    から隔てられた電解液中にアノード及びカソードの対か
    らなる電極を配置し、前記電極を流れる電流に比例する
    量の化学種を前記電解液中の一方の電極において発生す
    ると共に他方の電極において消費し、被検流体中の化学
    種分圧pSと前記電極液中の化学種分圧の平均値▲▼
    と等しくして前記隔膜装置の化学種透過量を実質的に零
    とした時の前記電流により被検流体の化学種濃度を測定
    する装置において、前記アノードとカソードとの間隔を
    前記隔膜装置の厚さ程度以下に充分小さくし且つ前記ア
    ノード及びカソードの各々の面積を直径が前記隔膜装置
    の厚さに等しい円の面積程度以下に充分小さくして電極
    近傍における電解液中の化学種濃度分布を不均一にして
    なる流体中の化学種濃度測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記隔膜装置に、特定化学種のみを透過させる隔膜
    と前記特定化学種を一層容易に透過させ且つ機械的に強
    い保護膜とを設けてなる流体中の化学種濃度測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記電極を同心配置のアノード及びカソードにより
    構成してなる流体中の化学種濃度測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記電極を複数対のアノード及びカソードにより構
    成してなる流体中の化学種濃度測定装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記電解液を隔てて前記隔膜装置に対向する部位に
    電極支持面を配置し、前記電極を前記電極支持面に設け
    てなる流体中の化学種濃度測定装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記電極のアノードとカソードとの間隔の方向にお
    ける前記アノード及びカソードの各々の幅を前記隔膜装
    置の厚さ程度以下にし、前記アノード及びカソードの各
    々の面積を直径が前記隔膜装置の厚さに等しい前記円の
    面積より大きくしてなる流体中の化学種濃度測定装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の化学種濃度測定装置におい
    て、前記電極支持面を曲面としてなる流体中の化学種濃
    度測定装置。
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