JPH07667B2 - α−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン重合体の製造方法

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JPH07667B2
JPH07667B2 JP10972687A JP10972687A JPH07667B2 JP H07667 B2 JPH07667 B2 JP H07667B2 JP 10972687 A JP10972687 A JP 10972687A JP 10972687 A JP10972687 A JP 10972687A JP H07667 B2 JPH07667 B2 JP H07667B2
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靖 中嶋
清 小田原
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はα−オレフィン重合体の製造方法に関し、より
詳細には生成重合体の着色の問題や灰分量増大の問題が
有効に解決されたα−オレフィン重合体の製造方法に関
する。
(従来技術) チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする固
体チタン触媒成分と、有機アルミニウム化合物触媒成分
とから成るα−オレフィン重合用触媒は、高活性重合触
媒として或いは高立体規則性のα−オレフィン重合用の
触媒として良く知られている。
(発明の課題) この様な触媒を用いて、ヘキサン等の溶媒の存在下に、
例えばエチレンとプロピレンを等モル共重合させた場
合、実質的に均一な重合溶液が得られる。この重合溶液
からエチレン・プロピレン共重合体を回収する手段とし
て、例えば該重合溶液とアルカリ水溶液とを触媒させて
重合溶液から触媒を抽出し(脱灰し)、油水分離を経た
後、スチームストリッピング又はフラッシュ等の方法に
よって油相から生成共重合体を回収する方法を採用し得
る。
而して上記の様な手段によってα−オレフィンの重合体
を製造した場合、回収された重合体が着色し、また灰分
量が増加する等の問題を生じる場合があることを本発明
者等は知った。
本発明者等は、かかる問題について鋭意研究した結果、
前述の重合溶液とアルカリ水溶液との接触工程に引き続
いて行なわれる油水分離工程において、油水界面にヘド
ロ状物質が発生し、このヘドロ状物質に起因して上述し
た着色や灰分増加の問題が発現することを見出した。
即ち、前述した製造工程を連続的に運転すると、油水分
離のために使用される静置槽(セトラー)において、上
記ヘドロ状物質が蓄積増加し、最終的には生成重合体を
含有する油相をセトラーから排出するに際して、該ヘド
ロ状物質も同時に排出され、この結果としてこのヘドロ
状物質が回収重合体中に混入し、着色や灰分増加の問題
点を生ずることを本発明者等は発明した。
従って本発明は、上記のヘドロ状物質の発生を抑制し、
回収重合体の着色や灰分増加の問題が有効に解決された
α−オレフィン重合体の製造法を提供することを技術的
課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明のα−オレフィン重合体の製造方法は、チタン、
マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする固体チタン
触媒成分と、有機アルミニウム化合物触媒成分とから成
る触媒を用いて溶媒の存在下にα−オレフィンを重合
し、得られた実質的に均一な重合溶液を、(i)アルカ
リ水溶液と接触する工程、(ii)CaCl2,BaCl2,ZnS
O4,Na2SO4,Li2SO4から選択される少なくとも一種の化
合物の存在下に油水分離する工程、(iii)油水分離さ
れた油相から重合体を回収する工程、に付することから
成る。
(作用) 本発明の製造方法は、油水分離を、CaCl2,BaCl2,ZnSO
4,Na2SO4,及びLi2SO4から選択される少なくとも一種
の化合物の存在下に行なうことが顕著な特徴である。
即ち、この様な化合物の存在下に油水分離を行なうこと
によってヘドロ状物質の発生が有効に抑制され、連続的
にα−オレフィン重合体を製造した場合にも、回収する
生成重合体の着色や灰分増加の問題が解決されるのであ
る。
(発明の好適な態様の説明) 触媒 本発明の製造法において用いる重合触媒は、チタン、マ
グネシウム及びハロゲンを必須成分とする固体チタン触
媒成分(A)と、有機アルミニウム成分(B)とから成
る。
固体チタン触媒成分(A); このチタン触媒成分は、マグネシウム化合物とチタン化
合物とを加熱もしくは共粉砕などの手段により密に接触
せしめて得られる複合体で、好ましくは該複合体中に含
有されるハロゲン/チタンのモル比が約4以上のもので
あり、常温における不活性溶剤による洗浄手段でチタン
化合物を実質的に脱離しないものである。この化学構造
自体は不明であるが、マグネシウム原子とチタン原子は
ハロゲンを共有するなどして両者は強固に結合している
ものと考えられる。
この触媒成分(A)は、上述した様にチタン、マグネシ
ウム及びハロゲンを必須成分とするものであるが、必要
により更に電子供与体成分を含有していてもよい。
本発明において好適な固体チタン触媒成分(A)は、ハ
ロゲン/チタン(モル比)が約4以上、好ましくは約5
以上、更に好ましくは約8乃至100の範囲にあることが
でき、マグネシウム/チタン(モル比)が約3以上、好
ましくは約5乃至約50の範囲にあることができる。
また電子供与体を用いる場合には、電子供与体/チタン
(モル比)が約0.2乃至6の範囲であることができる。
更にこの固定チタン触媒成分(A)は、その比表面積が
約3m2/g以上、好適には約40m2/g以上、最も好適には約
100乃至800m2/gの範囲にあることができ、更に複合体の
X線スペクトルが、出発マグネシウム化合物の如何にか
かわらず、非晶性を示すか或いはマグネシウムジハライ
ドの通常の市販品のそれに比べ、非常に非晶化された状
態にあることが望ましい。
固体チタン触媒成分(A)の調整は、それ自体公知の方
法で行なうことができ、例えば、特開昭50−108385号、
特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−2
8189号、特願昭50−17934号、特願昭50−50650号、特願
昭50−60924号、特願昭50−146301号、特願昭51−4056
号、特願昭51−16489号、特願昭51−21179号、特願昭51
−63536号、特願昭51−76085号、1975年11月21日付イタ
リア特許出願などに記載の手段を例示できる。
この触媒調製に用いられるマグネシウム化合物には還元
能を有するものと、有しないものとがある。
前者の還元能を有するマグネシウム化合物の例として
は、マグネシウム・炭素結合やマグネシウム・水素結合
を有するマグネシウム化合物、例えばジメチルマグネシ
ウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウ
ム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジ
ヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル
塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル
塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミン
塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチ
ルブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライ
ドなどがあげられる。これらマグネシウム化合物は、例
えば有機アルミニウム等との錯化合物の形で用いる事が
でき、また、液状状態であっても固体状態であってもよ
い。
一方、還元能を有しないマグネシウム化合物としては、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウ
ム、弗化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウ
ム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシ
ウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化
マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムのようなア
ルコキシマグネシウムハライド;フエノキシ塩化マグネ
シウム、メチルフエノキシ塩化マグネシウムのようなア
リロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウ
ム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウ
ム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキ
シマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;フエ
ノキシマグネシウム、ジメチルフエノキシマグネシウム
のようなアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマグネシウム
のカルボン酸塩などを例示することができる。また、こ
れら還元能を有しないマグネシウム化合物は、上述した
還元能を有するマグネシウム化合物から誘導したものあ
るいは、触媒成分の調製時に誘導したものであってもよ
い。また、該マグネシウム化合物は他の金属との錯化合
物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であっ
てもよい。さらにこれらの化合物の2種以上の混合物で
あってもよい。これらの中で好ましいマグネシウム化合
物は還元能を有しない化合物であり、特に好ましくはハ
ロゲン含有マグネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシ
ウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マ
グネシウムである。
チタン触媒成分(A)の調製に用いられるチタン化合物
としては種々あるが、例えば Ti(OR)gX4-g(Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦g
≦4)で示される4価のチタン化合物が好適である。よ
り具体的には、TiCl4,TiBr4,TiI4などのテトラハロゲ
ン化チタン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(On-C4H9)
Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(Oiso-C4H9)Br3などのトリハロ
ゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl
2、Ti(On-C4H9)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2などのジハロゲン
化アルコキシチタン;Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC2H5)3Cl、Ti
(On-C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化トリ
アルコキシチタン;Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(On-C4H
9)4などのテトラアルコキシチタンなどを例示すること
ができる。これらの中で好ましいものはハロゲン含有チ
タン化合物、とくにはテトラハロゲン化チタンであり、
とくに好ましいのは四塩化チタンである。これらチタン
化合物は単味で用いてよいし、混合物の形で用いてもよ
い。あるいは炭化水素やハロゲン炭化水素などに希釈し
て用いてもよい。
また必要に応じて使用する電子供与体としては、水、ア
ルコール、フエノール類、ケトン、アルデヒド、カルボ
ン酸、エステル、エーテル、酸アミド、酸無水物の如き
含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イ
ソシアネートの如き含窒素電子供与体などを用いること
ができる。より具体的には、メタノール、エタノール、
プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、ドデカノール、オクタデシアルコール、ベンジル
アルコール、フエニルエチルアルコール、クミルアルコ
ール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1
ないし18のアルコール類、フエノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフエノール、プロピルフエノール、
クミルフエノール、ナフトールなどの低級アルキル基を
有してよい炭素数6ないし15のフエノール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフエノン、ベンゾフエニルなどの炭素数3ないし15
のケトン類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアル
デヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のア
ルデヒド類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘ
キシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチ
ル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボ
ン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息
香酸シクロヘキシル、安息香酸フエニル、安息香酸ベン
ジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル
酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、ア
ニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラ
クトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭
酸エチレンなどの炭素数2ないし18の有機酸エステル
類、アセチルクロリド、ベンジルクロリド、トルイル酸
クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2ないし15の
酸ハライド類、メチルエーテル、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、
テトラヒドロフラン、アニソール、ジフエニルエーテル
などの炭素数2ないし20のエーテル類、酢酸アミド、安
息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、メ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチ
ルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリ
ン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミ
ンなどのアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、
トリニトリルなどのニトリル類、およびこれらの官能基
を分子内に有するアルミニウム、ケイ素、スズ等の化合
物を挙げることができる。これら電子供与体は、2種以
上用いることができる。
また上記以外にもジエステル、特に1個の炭素原子に2
個のカルボキシル基が結合しているジカルボン酸のエス
テル、或いは相隣る2個の炭素原子にそれぞれカルボキ
シル基が結合しているジカルボン酸のエステルを電子供
与体成分として使用することができる。
このようなジカルボン酸のエステルにおけるジカルボン
酸の例としては、マロン酸、置換マロン酸、コハク酸、
置換コハク酸、マレイン酸、置換マレイン酸、フマル
酸、置換フマル酸、脂環を形成する1個の炭素原子に2
個のカルボキシル基が結合した脂環ジカルボン酸、脂環
を形成する相隣る2個の炭素原子にそれぞれカルボキシ
ル基が結合した脂環ジカルボン酸、オルソ位にカルボキ
シル基を有する芳香族ジカルボン酸、複素環を形成する
相隣る2個の炭素原子にカルボキシル基を有する複素環
ジカルボン酸などのジカルボン酸のエステルを挙げるこ
とができる。上記ジカルボン酸のより具体的な例として
は、マロン酸;メチルマロン酸、エチルマロン酸、イソ
プロプルマロン酸、アリル(allyl)マロン酸、フエニ
ルマロン酸、などの置換マロン酸;コハク酸、メチルコ
ハク酸、ジメチルコハク酸、エチルコハク酸、メチルエ
チルコハク酸、イタコン酸などの置換コハク酸;マレイ
ン酸;シトラコン酸、ジメチルマレイン酸などの置換マ
レイン酸;シクロペンタン−1、1−ジカルボン酸、シ
クロペンタン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−
1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキ
セン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカ
ルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸、ナジ
ック酸、メチルナジック酸、1−アリルシクロヘキサン
−3,4−ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;フタ
ル酸、ナフタリン−1,2−ジカルボン酸、ナフタリン−
2,3−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;フラン
−3,4−ジカルボン酸、4,5−ジヒドロフラン−2,3−ジ
カルボン酸、ベンゾピラン−3,4−ジカルボン酸、ピロ
ール−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン
酸、チオフエン−3,4−ジカルボン酸、インドール−2,3
−ジカルボン酸などの複素環ジカルボン酸;の如きジカ
ルボン酸を例示することができる。
上記ジカルボン酸のエステルのアルコール成分のうち少
なくとも一方の炭素数2以上、とくには炭素数3以上の
ものが好ましく、とりわけ両アルコール成分ともに炭素
数2以上、とくには炭素数3以上のものが好ましい。例
えば上記ジカルボン酸のジエチルエステル、ジイソプロ
ピルエステル、ジn−プロピルエステル、ジn−ブチル
エステル、ジイソブチルエステル、ジ−tert−ブチルエ
ステル、ジイソアミルエステル、ジn−ヘキシルエステ
ル、ジ−2−エチルヘキシルエステル、ジn−オクチル
エステル、ジイソデシルエステル、エチルn−ブチルエ
ステルなどを例示することができる。
上述したマグネシウム化合物等を用いた触媒成分(A)
の調製法の数例を以下に簡単に示す。
(I)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物
と電子供与体の錯化合物を、電子供与体、粉砕助剤等の
存在下または不存在下に、粉砕しまたは粉砕することな
く、電子供与体および/または有機アルミニウム化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で予備処
理し、または予備処理せずに得た固体と、反応条件下に
液相をなすチタン化合物とを反応させる。
(II)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物
と、液状チタン化合物を電子供与体の存在下で反応させ
て固体状のチタン複合体を析出させる。
(III)(II)で得られるものに、チタン化合物をさら
に反応させる。
(IV)(I)や(II)で得られるものに電子供与体およ
びチタン化合物をさらに反応させる。
(V)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物
と電子供与体の錯化合物を、電子供与体、粉砕助剤等の
存在下または不存在下に、およびチタン化合物の存在下
に粉砕し、電子供与体および/または有機アルミニウム
化合物やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で
予備処理し、または予備処理せずに得た固体を、ハロゲ
ンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理す
る。
有機アルミニウム化合物触媒成分(B) この触媒成分(B)としては、 (i)少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する
有機アルミニウム化合物、例えば一般式、 R1mAl(OR2)nHpXq (ここでR1およびR2は炭素原子、通常1ないし15個、好
ましくは1ないし4個を含む炭化水素基で互いに同一で
も異なっていてもよい。Xはハロゲン、mは0<m≦
3、0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数
であって、しかもm+n+p+q=3である)で表わさ
れる有機アルミニウム化合物、 及び、 (ii)一般式、 M1AlR1 4 ここでM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ)で表わ
される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物な
どを挙げることができる。
前記の(i)に属する有機アルミニウム化合物として
は、次のものを例示できる。一般式 R1mAl(OR2)3-m (ここでR1は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好ましく
は0<m<3である。)、一般式 R1mAlH3-m (ここでR1は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3で
ある。)、一般式 R1mAl(OR2)nXq (ここでR1およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0<
m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3で
ある)で表わされるものなどを例示できる。
(i)に属するアルミニウム化合物の例としては、以下
の如き化合物を例示できる。トリエチルアルミニウム、
トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケ
ニアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジ
ブチルアルミニウムブトキシなどの如きジアルキルアル
ミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエト
キシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどの如
きアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほかに、
R1 2.5Al(OR2)0.5などで表わされる平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエ
チルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロ
リド、ジエチルアルミニウムブロミドのようなジアルキ
ルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキク
ロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウ
ムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プ
ロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムブ
ロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハライドな
どの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウム
ヒドリドなどの如きジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウム
ジヒドリドなどの如きアルキルアルミニウムジヒドリド
など、その他の部分的に水素化されたアルキルアルミニ
ウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルア
ルミニウムプトキシクロリド、エチルアルミニウムエト
キシプロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲ
ン化されたアルキルアルミニウム。
また(i)に類似する化合物として酸化原子や窒素原子
を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニ
ウム化合物であってもよい。このような化合物として、
例えば(C2H5)2AlOAl(C2H5)2、(C4H9)2AlOAl(C4H9)2などを例示できる。
前記(ii)に属する化合物としては、 LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などを例示できる。
これらの中では、とくにトリアルキルアルミニウムや上
記した2以上のアルミニウムが結合したアルキルアルミ
ニウムの使用が好ましい。
これら有機アルミニウム化合物触媒成分(B)は、前述
した固体チタン触媒成分(A)のチタン原子当たり、ア
ルミニウム原子がAl/Ti=1乃至10000、特に5乃至100
の割合となる様な量で使用される。
第三触媒成分(C)(任意成分); 本発明に製造方法に用いる重合触媒は、前記固体チタン
触媒成分(A)及び有機アルミニウム化合物触媒成分
(B)以外に、更に第三成分として電子供与体を含有す
ることができる。この電子供与体としては、固体チタン
触媒成分(A)の調製に際して用いられるもののほか、
Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物、例えばアル
コキシシラン、アリーロキシシラン等を使用することが
できる。
このようなケイ素化合物の例として、一般式、 RnSi(OR1)4-n 〔式中、0≦n≦3、Rは炭化水素基、例えばアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、ハ
ロアルキル基、アミノアルキル基など、またはハロゲ
ン;R1は炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキ
ル基など、アリール基、アルケニル基、アルコキシアル
キル基など;但し、n個のR、(4−n)個のOR1基は
同一でも異ってもよい〕 で表わされるケイ素化合物を挙げることができる。
また、他の例としては、OR1基を有するシロキサン類、
カルボン類のシリルエステルなどを挙げることができ
る。また、さらに他の例として2個以上のケイ素原子
が、酸素または窒素原子を介して互いに結合されている
ような化合物を挙げることができる。以上の有機ケイ素
化合物はSi−O−C結合を有しない化合物とO−C結合
を有する化合物を予め反応させておき、あるいは重合の
場で反応させ、Si−O−C結合を有する化合物に変換さ
せて用いてもよい。このような例として、例えばSi−O
−C結合を有しないハロゲン含有シラン化合物またはシ
リコンハイドライドと、アルコキシ基含有アルミニウム
化合物、アルコキシ基含有マグネシウム化合物、その他
金属アルコラート、アルコール、ギ酸エステル、エチレ
ンオキシド等との併用を例示することができる。有機ケ
イ素化合物または他の金属(例えばアルミニウム、スズ
など)を含有するものであってもよい。
より具体的には、トリメチルメトキシシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、メ
チルフエニルジメトキシシラン、ジフエニルジエトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、フエニルトリメ
トキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシ
シラン、フエニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、
エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシ
シラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフエ
ノキシシラン、メチルトリアリシロキシ(allyloxy)シ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ジエチルテトラエトキシ
ジシロキサン、フエニルジエトキシジエチルアミノシラ
ンなどを例示することができる。
α−オレフィンの重合 本発明の製造法においては、前述した触媒を用いて、溶
媒の存在下にα−オレフィンの重合を行ない、実質的に
均一な重合溶液を得る。
ここで重合すべきα−オレフィンとしては、炭素2乃至
30のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン等を使用することができ、こ
れらは1種又は2種以上の組み合わせで使用することが
できる。即ち本発明の製造方法は、これらα−オレフィ
ンの単独重合のみならず、二元乃至三元、或いはそれ以
上の多元共重合にも適用し得る。共重合の場合には、上
記α−オレフィン以外にもジエン成分等を含有させるこ
とができる。
本発明の製造方法は、特に前記α−オレフィンの非晶質
重合体(共重合体を含む)の製造に有用である。
用いる溶媒としては、前述した溶媒を失活させない様な
不活性溶媒、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ケ
ロシン等の脂肪族或いは脂環族炭化水素を用いることが
できる。また重合モノマーそれ自体を溶媒として使用す
ることもできる。
重合に際して採用する温度、圧力等の条件は、それ自体
公知の条件を採用してよく、例えば触媒の種類、製造す
べき重合体の種類に応じて適宜定めればよい。
またかかるα−オレフィンの重合乃至共重合は、連続式
或いはバッチ式の何れで行なってもよい。
生成重合体の回収 本発明の製造法においては、得られた重合溶液をアルカ
リ水溶液と接触させ、次いで所定の脱灰助剤の存在下で
油水分離を行なって触媒残渣を除去し、この後油相より
生成重合体を回収する。
用いるアルカリ水溶液としては、アルカリ金属水酸化物
の水溶液が使用でき、これらは重合溶液中に含まれる塩
素を基準として、 M/Cl≒2乃至8(原子比) 式中、Mはアルカリ金属原子を示す、 の割合で使用することができる。また用いるアルカリ水
溶液は、重合溶液と接触後の水相pHが約8〜13となる様
に用いることが好適であり、接触温度は60乃至120℃の
範囲とするのがよい。
油水分離に際して用いる脱灰助剤としては、CaCl2,BaC
l2,ZnSO4,Na2SO4,Li2SO4から選択された少なくとも
一種の化合物が使用される。
本発明においては、かかる脱灰助剤を用いることによっ
て油水分離に際してヘドロ状物質の発生を有効に抑制す
ることができるのである。
この脱灰助剤は、重合溶液中に含有されるマグネシウム
成分当り、 M/Mg≒0.1乃至20(原子比) 特に、1乃至10 式中、M2は脱灰助剤の金属原子を表わす、の割合で使用
することができる。
油水分離は、重合溶液とアルカリ水溶液との混合液を静
置槽(セトラー)内で静置しておくことにより容易に行
なうことができる。
かかる油水分離後、生成重合体を含む油相はフラッシン
グ等のそれ自体公知の回収操作に付され、生成重合体が
回収される。
以上の工程を好適に行なうための装置の一例を第1図に
示す。
即ち所定のα−オレフィンの重合乃至共重合により得ら
れたポリマー溶液は、送液ポンプ1により送液され、熱
交換器2によって所定温度に調温される。
所定温度に調温されたポリマー溶液中には、ライン10に
よって前述した脱灰助剤が添加される。
更に送液ポンプ20によって、熱交換器21により所定温度
に調温されたアルカリ水溶液が添加される。
これらの混合液は、ラインミキサー30に送られてライン
ミキシングが行なわれ、静置槽(セトラー)40に供給さ
れる。この静置槽40において油水分離が行なわれ、下相
の水相は排出され、上相の油相はそれ自体公知の回収プ
ロセス(図示せず)に供給され、生成重合体の回収が行
なわれる。
(発明の効果) かくして本発明によれば、油水分離に際して、油水界面
でのヘドロ状物質の発生が有効に抑制され、この結果と
してマグネシウム分等の触媒残渣の生成重合体中への混
入による着色や灰分増加の問題が良好に解決される。
(実施例) 重合溶液の調製 塩化マグネシウムに四塩化チタンとフタル酸ジイソブチ
ルを担持させたチタン固体触媒成分、トリエチルアルミ
ニウム及びケイ素化合物から形成された触媒を使用し、
エチレンとプロピレンを共重合してエチレン・プロピレ
ン共重合体を含有するヘキサン溶液を調製する。
このエチレン・プロピレン共重合体(エチレン含量50モ
ル%)のヘキサン均一溶液(ポリマー濃度50g/l)は、
ポリマー換算で灰分として、Ti≒20ppm,Al≒400ppm,Mg
≒120ppm,Cl≒500ppmを含有している。
比較例 第1図に示した装置を用いて前記ポリマー溶液の連続脱
灰を行なう。
即ち前記ポリマー溶液を、熱交換器2で110℃に加熱
し、0.5l/hrの流速でラインミキサー30に送液する。
一方、原料ポリマーの溶液の灰分Clに対して、Na/Cl=
2(モル比)となる濃度のNaOH水溶液を、熱交換器21で
110℃に加熱し、0.5l/hrの流速で連続的にラインミキサ
ー30に供給する。
両液は、ラインミキサー30で混合(平均滞留時間1分)
され、110℃に保温される内容積1のセトラー40に連
続的に供給される。尚、脱灰助剤の添加は全く行なって
いない。
次いでセトラー40の頂部から0.5l/hrの流速で精製ポリ
マー溶液を連続的に抜き出し、同時に底部から0.5l/hr
の流速で脱灰廃水を抜き取る。
この様な連続脱灰を7日間試みると、セトラー40のポリ
マー溶液と水との界面付近に薄茶色のヘドロ状物質が大
量に蓄積し、脱灰廃水中及び精製ポリマー溶液中にも該
ヘドロ状物質が混入する。
ここで、精製ポリマー溶液の灰分をポリマー換算値で比
較すれば、連続脱灰開始後1日(24時間後)で、Ti≒0.
5ppm,Al≒10ppm,Cl≒5ppm未満,Mg≒1ppm未満であるのに
対し、7日後には、Ti≒600ppm,Al≒4000ppm,Mg≒4000p
pmである。
実施例1〜5 比較例において、第1図の熱交換器2の出口側に脱灰助
剤の水溶液を流速10ml/hrで連続的に供給する以外は比
較例と全く同様にして連続脱灰を行なう。
各実施例における脱灰助剤の種類及び濃度は表−1に示
す。
各実施例において、セトラー40の油水界面でのヘドロ状
物質の蓄積は、7日間経過後でも殆んど認められない。
また、連続脱灰開始24時間経過後、及び7日間経過後の
精製ポリマー溶液の灰分量(ポリマー換算)を、比較例
とともに表−1に併せて示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造法において、脱灰工程を有効に
行なうための装置の一例を示す図である。 2……熱交換器、21……熱交換器、30……ラインミキサ
ー、40……セトラー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須
    成分とする固体チタン触媒成分と、有機アルミニウム化
    合物触媒成分とから成る触媒を用いて溶媒の存在下にα
    −オレフィンを重合し、得られた実質的に均一な重合溶
    液を、 (i)アルカリ水溶液と接触する工程、 (ii)CaCl2,BaCl2,ZnSO4,Na2SO4,Li2SO4から選択
    される少なくとも一種の化合物の存在下に油水分離する
    工程、 (iii)油水分離された油相から重合体を回収する工
    程、 に付することから成るα−オレフィン重合体の製造方
    法。
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