JPH0766258A - 半導体中のキャリアの評価方法及び標準試料の作成方法 - Google Patents

半導体中のキャリアの評価方法及び標準試料の作成方法

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JPH0766258A
JPH0766258A JP20965893A JP20965893A JPH0766258A JP H0766258 A JPH0766258 A JP H0766258A JP 20965893 A JP20965893 A JP 20965893A JP 20965893 A JP20965893 A JP 20965893A JP H0766258 A JPH0766258 A JP H0766258A
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semiconductor
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type impurity
intensity
ions
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Yuji Kataoka
祐治 片岡
Yoko Toda
陽子 戸田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、二次イオンの強度の測定により半導
体、例えば半導体中のキャリア濃度及び活性化率を評価
する方法及びこの方法に用いられる標準試料の作成方法
に関し、キャリア濃度分布の測定精度の向上及び深さ分
解能の向上を図ることができる半導体中のキャリアの評
価方法及び標準試料の作成方法を提供する。 【構成】導電型不純物が導入された第1の半導体3の表
面に、該表面に帯電が起こるような条件で一次イオンを
照射し、表面から放出される、特定のエネルギを有する
二次イオンの強度を一次イオンの照射時間の経過に従っ
て順次測定して、二次イオンの強度に相当するキャリア
濃度と一次イオンの照射時間に対応する第1の半導体3
のエッチング量とにより、第1の半導体3中の深さ方向
のキャリア濃度分布を取得することを含み構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体中のキャリアの
評価方法及び標準試料の作成方法に関し、更に詳しく言
えば、二次イオンの強度の測定により半導体、例えば半
導体中のキャリア濃度及び活性化率を評価する方法及び
この方法に用いられる標準試料の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造において、III 族のボ
ロン(B)やV族のリン(P)などの導電型不純物をイ
オン注入やガス拡散等により半導体基板に導入し、p型
層やn型層等を形成してトランジスタ等を形成する。こ
のとき、所定の特性を得るために、キャリア濃度分布を
制御することが必要になる。しかし、導電型不純物の導
入方法や熱処理条件等によって導電型不純物の濃度分布
や活性化率が異なってくるため、キャリアの濃度分布を
正確に把握することが重要になる。
【0003】現在、半導体中のキャリア濃度分布の評価
方法として、広がり抵抗法(Spreading Resistance Ana
lysis:SRA)が一般的に用いられている。広がり抵抗法
は、図10に示すように、斜め研磨を施した試料に2本
又は4本のプローブを接触させて抵抗値を測定し、標準
試料の抵抗値と既知のキャリア濃度との対応関係から、
試料の抵抗値をキャリア濃度に変換する方法である。更
に、深さ方向の濃度分布を求めるには、プローブを研磨
面上で順次深さ方向に移動して、深さに対応する抵抗値
を測定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
係る広がり抵抗法では、測定される抵抗値は被測定体の
結晶面方位によって影響を受けるため、被測定体が多結
晶である場合、測定された抵抗値に数%の誤差を生じ
る。また、深さ分解能は斜め研磨の精度により影響を受
ける。従って、深さ分解能は10nm程度であり、その
向上が望まれている。
【0005】更に、導電型不純物量を測定する方法とし
て二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectro
metry :SIMS )がある。その測定方法の概略は被測定体
に一次イオンとして例えば酸素イオンをぶつけることに
より被測定体から飛びだしてくる二次イオンの強度を測
定し、既知の導電型不純物量を有する標準試料の二次イ
オンの強度とその既知の導電型不純物量との関係から、
被測定体の導電型不純物量を特定するものである。しか
し、この方法では標準試料に帯電が生じた場合、換算さ
れた導電型不純物量に誤差が生じ、ひいては測定される
べき導電型不純物量にも誤差を生じる。また、導電型不
純物濃度分布は測定することができるが、キャリア濃度
分布は測定できなかった。
【0006】本発明は、係る従来例の課題に鑑みて創作
されたものであり、キャリア濃度分布の測定精度の向上
及び深さ分解能の向上を図ることができる半導体中のキ
ャリアの評価方法及び標準試料の作成方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、第1に、
導電型不純物が導入された第1の半導体の表面に、該表
面に帯電が起こるような条件で一次イオンを照射し、前
記表面から放出される、特定のエネルギを有する二次イ
オンの強度を前記一次イオンの照射時間の経過に従って
順次測定して、前記二次イオンの強度に相当するキャリ
ア濃度と前記一次イオンの照射時間に対応する前記第1
の半導体のエッチング量とにより、前記第1の半導体中
の深さ方向のキャリア濃度分布を取得することを特徴と
する半導体中のキャリアの評価方法により達成され、第
2に、前記第1の半導体中に導電型不純物が導入された
条件と同じ条件で導電型不純物が導入された第2の半導
体の表面に、該表面に帯電が起こらないような条件で一
次イオンを照射し、前記表面から放出される二次イオン
の強度を測定することにより、該第2の半導体中の深さ
方向の導電型不純物濃度分布を取得し、該第2の半導体
中の導電型不純物濃度分布と、前記第1の半導体中のキ
ャリア濃度分布とを用いて活性化率を取得することを特
徴とする半導体中のキャリアの評価方法により達成さ
れ、第3に、導電型不純物が導入された半導体への一次
イオンの照射により該半導体から放出される二次イオン
の強度をキャリア濃度又は導電型不純物濃度に換算する
ために用いられる標準試料の作成方法において、前記標
準試料となる半導体に予め導電型不純物を導入して前記
半導体の抵抗率を下げた状態で、前記半導体に既知量の
導電型不純物を導入することを特徴とする標準試料の作
成方法により達成される。
【0008】
【作 用】本発明に係る半導体のキャリアの評価方法に
おいては、半導体の表面に帯電が起こるような条件で半
導体の表面に一次イオンを照射し、半導体から飛び出し
てくる特定のエネルギを有する二次イオンの強度を一次
イオンの照射時間の経過に従って順次測定して、二次イ
オンの強度に相当するキャリア濃度と一次イオンの照射
時間に対応する第1の半導体のエッチング量とにより、
第1の半導体中の深さ方向のキャリア濃度分布を取得し
ている。
【0009】本発明の場合、特に、半導体表面の帯電量
が半導体表面の抵抗率、即ち半導体表面のキャリア濃度
に依存することを利用している。即ち、半導体表面が帯
電する条件で一次イオンの照射を行い、特定のエネルギ
を有する二次イオン強度を測定する。 いま、測定され
た二次イオン強度のエネルギ分布は、帯電量に依存し
て、高エネルギ側又は低エネルギ側にシフトする。この
ため、半導体表面のキャリア濃度と二次イオン強度のエ
ネルギ分布のシフト量との間には特定の相関関係が生じ
ることになる。エネルギ分布のシフトにより二次イオン
強度のエネルギ分布の形状は殆ど影響を受けないため、
特定のエネルギを有する二次イオンの強度を測定するこ
とにより、キャリア濃度に対応する二次イオンの強度が
測定される。
【0010】従って、一次イオンの照射時間の経過に従
って測定された二次イオンの強度をキャリア濃度に変換
することにより、半導体中の深さ方向のキャリア濃度分
布が得られる。また、深さ方向の位置だしに、一次イオ
ンの照射によるエッチング量を用いているので、従来の
ような研磨法を用いている広がり抵抗法と比べて、精度
がよい。
【0011】更に、二次イオン強度からキャリア濃度へ
の変換には既知量の導電型不純物濃度を有する標準試料
が用いられる。このとき、標準試料が帯電しているため
二次イオン強度のエネルギ分布がシフトしている場合、
特定のエネルギを有する二次イオンの強度を測定する
と、換算されたキャリア濃度に誤差が生じる。従って、
標準試料に帯電が生じないようにする必要がある。
【0012】本発明の標準試料の作成方法においては、
既知量の導電型不純物を標準試料となる半導体に導入す
る前に、予め、別の導電型不純物を導入して標準試料と
なる半導体の抵抗率を下げている。従って、標準試料と
なる半導体に導入される既知量の導電型不純物の濃度が
低い場合であっても、一次イオンの照射時に帯電が生じ
ないため、二次イオンの強度が精度良く測定され、従っ
て標準試料中の既知量の導電型不純物濃度が精度良く取
得される。
【0013】
【実施例】次に、図面を参照しながら、本発明の実施例
について説明をする。 (1)本発明の実施例に係る標準試料の作成方法の説明 (i)実験の説明 図6(b)〜(d)は、帯電実験に用いる実験試料の作
成方法について説明する断面図である。
【0014】図6(b)はSi基板11上に熱酸化によ
り膜厚50nmのシリコン酸化膜12が形成され、更に
シリコン酸化膜12上に膜厚400nmのポリシリコン
膜13が形成された後の状態を示す。なお、この基体で
はポリシリコン膜13が絶縁されており、特にポリシリ
コン膜13に帯電が生じやすい構成となっている。上記
の基体を6枚用意する。そして、図6(c)に示すよう
に、6枚の基体にそれぞれ次のような条件でイオン注入
し、6種類の実験試料を作成する。
【0015】(a) 導電型不純物(プリ注入元素)ボロン
(B),ドーズ量1×1012,1×10 13,1×1014cm-2
3種類の条件 (b) 導電型不純物(プリ注入元素)リン(p),ドーズ
量1×1012,1×1013,1×1014cm-2の3種類の条件 続いて、窒素雰囲気中、図6(d)に示すように、温度
900℃で60分間、各基体を加熱処理し、注入された
導電型不純物を活性化する。これにより、実験試料が完
成する。
【0016】次いで、上記実験試料のうち一つの試料を
図9に示す二次イオン質量分析装置にセットする。続い
て、図7(b)に示すように、一次イオンとして酸素を
用い、実験試料の表面に照射する。このとき、実験試料
の表面から種々のエネルギを有する導電型不純物の二次
イオンが飛びだすが、試料ステージに印加するオフセッ
ト電圧を調整することにより、検出されるべき二次イオ
ンのエネルギを変化させる。これにより、種々のエネル
ギを有する二次イオンを順次測定する。そして、図7
(a)に示すような二次イオンの強度のエネルギ分布を
取得する。このとき、帯電していない試料から出てくる
二次イオン強度のピークの位置のエネルギ(以下、ピー
クエネルギと称する。)Ep0 を零とし、これを基準とし
て各実験試料のピークエネルギを測定する。結果を図6
(a)のグラフに示す。
【0017】その結果によれば、プリ注入元素がボロン
の場合、ドーズ量1×1012cm-2,1×1013cm-2で、それ
ぞれ図7(a)に示すような1.5eV程度のピークエ
ネルギEp1 のシフトがある。これに対してドーズ量1×
1014cm-2でピークエネルギEp0 が零になる。一方、プリ
注入元素がリンの場合、いずれのドーズ量でも、ピーク
エネルギが零にならない。即ち、実験試料は常に帯電し
ており、リンは予め注入される導電型不純物としては不
適当であることがわかる。
【0018】従って、標準試料には予め1×1014cm-2
度或いはそれ以上のドーズ量でボロンを導入しておくこ
とが必要である。 (ii) 本発明の実施例に係るキャリア濃度の評価に用い
られる標準試料の作成方法についての説明 次に、本発明の実施例に係る標準試料の作成方法、及び
標準試料を用いて二次イオンの強度から導電型不純物濃
度に変換する方法について説明する。
【0019】まず、図6(b)〜(d)と同様な方法
で、予めボロン(プリ注入元素)が2×1018cm-3(ド
ーズ量に換算してほぼ1×1014cm-2に相当する)程度導
入されたポリシリコン膜13aを有する基体を作成する
(図5(a)〜(c))。次に、被測定体に導入すべき
ボロンのイオン注入条件(ドーズ量及び加速エネルギ
ー)と同じイオン注入条件で前記基体にボロンをイオン
注入する。これにより、図5(d)に示すように、ポリ
シリコン膜13bに既知量のボロンが導入された標準試料
の作成が完了する。
【0020】次いで、標準試料を図9に示す二次イオン
質量分析装置にセットする。測定する前に予め、帯電し
ていない試料から放出される二次イオン強度のピークエ
ネルギEp0 に試料ステージの電圧を調整する。続いて、
一次イオンとして酸素を用い、標準試料の表面に照射す
る。このとき、標準試料の表面から種々のエネルギを有
する二次イオンが飛びだすが、試料ステージへの電圧印
加により、特定のエネルギEp0 を有する二次イオンのみ
検出される。一定時間の経過の後、その二次イオンの強
度を測定する。このような測定方法により、一次イオン
の照射時間の経過に従って二次イオンの強度を順次測定
する。このとき、標準試料は予めボロンが導入されて抵
抗率が下がっているので、測定中に帯電が生じない。従
って、二次イオン強度のエネルギ分布のシフトが生じな
いので、全ての測定時点で二次イオン強度分布のピーク
値が測定される。
【0021】次に、横軸に照射時間に相当するエッチン
グ量、縦軸に二次イオンの強度をプロットする。これに
より、深さ方向の二次イオンの強度Is(x)の分布が得ら
れる。次いで、得られたグラフに基づき、 φ=A・∫Is(x)dx ・・・(1) ここで、φ:全ドーズ量=ドーズ量×ドーズ時間 A:比例係数 上記の式(1)より比例係数Aが得られる。
【0022】この比例係数Aを用いて、被測定体につい
て測定された二次イオン強度I(x)により、 N(x) =A・I(x) ・・・(2) (2)式を用いて、ある深さxでのキャリアや導電型不
純物の濃度N(x) が得られる。従って、照射時間の経過
に従って測定されたI(x) について全て換算すれば、深
さ方向のキャリアや導電型不純物の濃度分布が求まる。
【0023】以上のように、本発明の標準試料の作成方
法によれば、既知量のボロンをポリシリコン膜13に導
入する前に、予め、ボロンを導入してポリシリコン膜13
aの抵抗率を下げているので、既知量のボロンをポリシ
リコン膜13aに導入した後、二次イオンの強度測定時
に、ポリシリコン膜13bには帯電が生じない。このた
め、二次イオン強度のエネルギ分布のシフトが生じない
ので、全ての測定時点で二次イオン強度のピーク値を測
定することができる。
【0024】また、予め導入されるボロンの濃度を測定
すべき既知量のボロン濃度よりも少なく導入することに
より、予め導入されるボロン濃度の影響を受けることな
く、測定すべき既知量のボロン濃度を測定することがで
きる。従って、精度のよい比例係数Aが取得され、ひい
ては被測定体について深さ方向のキャリアや導電型不純
物の濃度分布を精度良く取得することができる。
【0025】なお、予め導入される導電型不純物として
ボロンを用いているが、測定すべき既知量の導電型不純
物と異なる導電型不純物を用いることもできる。 (iii )比較例 図8(b),(c)は比較例に係る標準試料の作成方法
について説明する断面図で、標準試料には不純物として
フッ素(19F)が導入されている。但し、上記の本発明
の実施例の標準試料と異なり、ポリシリコン膜中には予
め導電型不純物が導入されず、抵抗率が高い状態で、フ
ッ素(19F)が導入されている。
【0026】図8(a)に、この標準試料中のフッ素(
19F)の濃度分布について、二次イオン質量分析法によ
り測定された結果を示す。図8(a)ではポリシリコン
膜23及びシリコン酸化膜22中のフッ素濃度が真の濃
度分布に比較して高い値になっている。これは、標準試
料が帯電しているために、図7(a)に示すように、二
次イオン強度のエネルギ分布がシフトし、誤差が生じた
ためと考えられる。
【0027】(2)本発明の実施例に係る半導体中のキ
ャリア濃度分布の測定方法の説明 図1(b)は、本発明の実施例に係るキャリア濃度の評
価に用いられる被測定体について説明する断面図であ
る。まず、Si基板1上に熱酸化により膜厚50nmの
シリコン酸化膜2を形成した後、シリコン酸化膜2上に
膜厚400nmのポリシリコン膜3を形成する。なお、
この基体はポリシリコン膜3が絶縁されており、特にポ
リシリコン膜3に帯電が生じやすい構成となっている。
【0028】次いで、ポリシリコン膜3にイオン注入に
より、ドーズ量1×1015cm-2の条件で導電型不純物とし
てボロン(B)を導入する。次に、窒素雰囲気中、温度
900℃で60分間、各試料を加熱処理し、注入された
導電型不純物を活性化する。これにより、被測定体が完
成する。次いで、上記被測定体を図9に示す二次イオン
質量分析装置にセットする。測定する前に予め、帯電し
ていない試料から放出される二次イオン強度のピークエ
ネルギEp0 に試料ステージの電圧を調整する。
【0029】続いて、一次イオンとして酸素を用い、全
ての測定時点においてポリシリコン膜3の表面に帯電が
生ずる条件、即ちポリシリコン膜3の表面の法線方向に
対して入射角度θ=22°でポリシリコン膜3の表面に
照射する。これにより、ポリシリコン膜3の表面から種
々のエネルギを有するボロンの二次イオンが飛びだす
が、試料ステージへの電圧印加により、特定のエネルギ
Ep0 を有する二次イオンのみ検出される。所定の時間
(t)の後、その二次イオンの強度I(t) を測定する。
【0030】いま、帯電が生ずる条件、即ち入射角度θ
=22°で一次イオンを照射しているので、ポリシリコ
ン膜3はキャリア濃度に依存して帯電する。そして、そ
の帯電量に依存して、図1(a)に示すように、二次イ
オン強度I(t) のエネルギ分布は高エネルギ側又は低エ
ネルギ側にシフトする。このとき、エネルギ分布のシフ
トによりエネルギ分布の形状は殆ど影響を受けず、かつ
特定のエネルギEp0 を有する二次イオンのみを検出して
いるため、キャリア濃度に対応する二次イオンの強度I
(t) が測定される。
【0031】このような測定方法により、照射時間の経
過に従って二次イオンの強度I(t)を順次測定する。結
果を図2(a)のグラフに示す。横軸が照射時間、縦軸
が二次イオン強度となっている。一連の二次イオンの強
度I(t) を測定した後、照射時間に対応するエッチング
量を導出し、深さに対応する二次イオンの強度I(x) を
取得する。
【0032】次いで、上記の標準試料により予め求めた
られた比例係数Aを用いて、式(2)により、測定され
た二次イオンの強度I(x) をキャリア濃度C(x) に変換
する。これにより、図2(a)に相当する深さ方向のキ
ャリア濃度分布が取得される。なお、同じ被測定体につ
いて広がり抵抗法により求めたキャリア濃度分布を図3
に示す。より微細な濃度の分布の取得が可能となる。
【0033】以上のように、本発明の実施例のキャリア
濃度分布の測定方法においては、特定の入射角度で一次
イオンを照射することによりポリシリコン膜3が帯電す
ること、及びキャリア濃度とポリシリコン膜3の帯電量
とが依存関係を有することを利用して、キャリア濃度と
二次イオン強度のエネルギ分布のシフト量との間に相関
をもたせている。いま、エネルギ分布のシフトにより二
次イオン強度のエネルギ分布の形状は殆ど影響を受けな
いため、特定のエネルギを有する二次イオンの強度を測
定することにより、キャリア濃度に対応する二次イオン
の強度が測定される。
【0034】従って、一次イオンの照射時間の経過に従
って測定された二次イオンの強度をキャリア濃度に変換
することにより、ポリシリコン膜3中の深さ方向のキャ
リア濃度分布が得られる。また、深さ方向の位置だし
に、一次イオンの照射によるエッチング量を用いている
ので、従来のような研磨法を用いている広がり抵抗法と
比べて、精度がよい。
【0035】なお、上記の実施例では、ポリシリコン膜
3の表面に帯電が生ずる条件、即ちポリシリコン膜3の
表面の法線方向に対して入射角度θ=22°で試料の表
面に一次イオンを照射しているが、試料の表面に帯電が
生ずる条件として30°以下の入射角度θとすることが
できる。また、ポリシリコン膜3の下地のシリコン酸化
膜2の膜厚を50nmとしているが、図に示すように、
適当な膜厚とすることもできる。図4は導電型不純物の
イオン注入前のシリコン酸化膜2上のポリシリコン膜3
の二次イオン質量分析結果を示す図で、シリコン酸化膜
2の膜厚に対するピークエネルギの依存性を示す。従っ
て、シリコン酸化膜2の膜厚により感度の調整を行うこ
とができる。
【0036】(3)本発明の実施例に係る半導体中の導
電型不純物の活性化率の評価方法の説明 図2(b)は、図1(b)に示す試料と同じ条件で作成
された試料について、ポリシリコン膜3の表面に帯電が
起こらないような条件、例えば入射角度θ=37°にし
て上記と同様にして二次イオンの強度を測定したもので
ある。但し、横軸は一次イオンの照射時間を示す。図2
(a)の横軸の照射時間と一致していないが、入射角度
によりエッチング量が異なる為である。
【0037】ところで、ポリシリコン膜3に帯電が生じ
ない条件で一次イオンを照射しているので、二次イオン
の強度のエネルギ分布のシフトが生じない。従って、常
に二次イオンの強度のピーク値が測定されるため、その
二次イオンの強度はポリシリコン膜3中のボロン量に対
応する。図2(b)に示すように、ポリシリコン膜3中
ではボロンはほぼ一定の濃度で分布していることがわか
る。標準試料を用いてこの二次イオンの強度をボロンの
濃度に変換すると深さ方向の濃度分布が得られる。
【0038】図2(a)に示すキャリア濃度と図2
(b)に示すボロン濃度とを同じ深さで比較することに
より活性化率を評価することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体のキャリアの評価方法においては、特定の入射角度で
一次イオンを照射することによりポリシリコン膜3が帯
電すること、及びキャリア濃度とポリシリコン膜3の帯
電量とが依存関係を有することを利用して、キャリア濃
度と二次イオン強度のエネルギ分布のシフト量との間に
相関をもたせている。
【0040】従って、一次イオンの照射時間の経過に従
って特定のエネルギを有する二次イオンの強度を測定
し、更にキャリア濃度に変換することにより、ポリシリ
コン膜中の深さ方向のキャリア濃度分布が得られる。ま
た、深さ方向の位置だしに、一次イオンの照射によるエ
ッチング量を用いているので、研磨法を用いている広が
り抵抗法と比べて、精度がよい。
【0041】更に、 本発明の標準試料の作成方法にお
いては、既知量の導電型不純物を標準試料に導入する前
に、予め、別の導電型不純物を導入して標準試料の基体
の抵抗率を下げている。従って、標準試料に導入される
既知量の導電型不純物の濃度が低い場合でも、一次イオ
ンの照射時に帯電が生じないため、二次イオンの強度が
精度良く測定され、ひいては既知量の導電型不純物濃度
が精度良く取得される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るキャリア濃度の測定方法
についての説明図である。
【図2】本発明の実施例に係るキャリア及びボロンの濃
度分布の測定結果を示す図である。
【図3】本発明の比較例に係る広がり抵抗法によるキャ
リア濃度分布の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係るピークエネルギのシフト
量と下地の酸化膜厚との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例に係る標準試料の作成方法につ
いて説明する断面図である。
【図6】本発明の実施例に係るピークエネルギのシフト
量と導電型不純物の注入量との関係を調べた測定結果に
ついての説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る標準試料の導電型不純物
の測定方法についての説明図である。
【図8】本発明の比較例に係る標準試料の不純物濃度の
測定結果についての説明図である。
【図9】二次イオン質量分析装置の説明図である。
【図10】従来例に係る広がり抵抗法について説明する
斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21 シリコン基板、 2,12,22 シリコン酸化膜、 3,13,13a,13b,23,23a ポリシリコン膜。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電型不純物が導入された第1の半導体
    の表面に、該表面に帯電が起こるような条件で一次イオ
    ンを照射し、前記表面から放出される、特定のエネルギ
    を有する二次イオンの強度を前記一次イオンの照射時間
    の経過に従って順次測定して、前記二次イオンの強度に
    相当するキャリア濃度と前記一次イオンの照射時間に対
    応する前記第1の半導体のエッチング量とにより、前記
    第1の半導体中の深さ方向のキャリア濃度分布を取得す
    ることを特徴とする半導体中のキャリアの評価方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体は絶縁体上に形成され
    た半導体であることを特徴とする請求項1記載の半導体
    中のキャリアの評価方法。
  3. 【請求項3】 前記一次イオンの入射角度は前記第1の
    半導体表面の法線方向に対して30度以下であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体中のキャ
    リアの評価方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の半導体中に導電型不純物が導
    入された条件と同じ条件で導電型不純物が導入された第
    2の半導体の表面に、該表面に帯電が起こらないような
    条件で一次イオンを照射し、前記表面から放出される二
    次イオンの強度を測定することにより、該第2の半導体
    中の深さ方向の導電型不純物濃度分布を取得し、該第2
    の半導体中の導電型不純物濃度分布と、前記第1の半導
    体中のキャリア濃度分布とを用いて活性化率を取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の半導体中のキャリアの評価方法。
  5. 【請求項5】 前記一次イオンの入射角度は前記第2の
    半導体表面の法線方向に対して30°以上40°以下の
    範囲であることを特徴とする請求項4記載の半導体中の
    キャリアの評価方法。
  6. 【請求項6】 導電型不純物が導入された半導体への一
    次イオンの照射により該半導体から放出される二次イオ
    ンの強度を前記導電型不純物の濃度に換算するために用
    いられる標準試料の作成方法において、 前記標準試料となる半導体に予め導電型不純物を導入し
    て前記半導体の抵抗率を下げた状態で、前記半導体に既
    知量の導電型不純物を導入することを特徴とする標準試
    料の作成方法。
  7. 【請求項7】 前記標準試料となる半導体に予め導入さ
    れた導電型不純物は、前記既知量の導電型不純物の濃度
    よりも濃度が低いか、又は前記既知量の導電型不純物と
    異なる導電型不純物であることを特徴とする請求項6記
    載の標準試料の作成方法。
  8. 【請求項8】 前記標準試料となる半導体は絶縁体上に
    形成された半導体であることを特徴とする請求項6又は
    請求項7記載の標準試料の作成方法。
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JP2011058825A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Fujitsu Ltd 二次イオン質量分析における一次イオンエネルギー補正方法

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