JPH0765714A - 筒状体並びに電子放出陰極への被膜形成方法 - Google Patents
筒状体並びに電子放出陰極への被膜形成方法Info
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- JPH0765714A JPH0765714A JP5306938A JP30693893A JPH0765714A JP H0765714 A JPH0765714 A JP H0765714A JP 5306938 A JP5306938 A JP 5306938A JP 30693893 A JP30693893 A JP 30693893A JP H0765714 A JPH0765714 A JP H0765714A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、筒状体の内面に均一な厚さの被
膜を再現性よく付着形成し得る方法を提供することを目
的とする。 【構成】 この発明は、被膜材料の懸濁液25を筒状体
15の内部に満たし、それと同時又はその後、筒状体の
開口部に多孔質吸収体26を接触又は近接させて余分の
懸濁液を吸い取らせ、その後、被膜材料27が付着して
いる筒状体を加熱処理する筒状体への被膜形成方法であ
る。また、同様の方法により電子放出陰極の一部を構成
する筒状体の内面に、黒色被膜を形成する電子放出陰極
への被膜形成方法である。
膜を再現性よく付着形成し得る方法を提供することを目
的とする。 【構成】 この発明は、被膜材料の懸濁液25を筒状体
15の内部に満たし、それと同時又はその後、筒状体の
開口部に多孔質吸収体26を接触又は近接させて余分の
懸濁液を吸い取らせ、その後、被膜材料27が付着して
いる筒状体を加熱処理する筒状体への被膜形成方法であ
る。また、同様の方法により電子放出陰極の一部を構成
する筒状体の内面に、黒色被膜を形成する電子放出陰極
への被膜形成方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、細い筒状体並びに電
子放出陰極への被膜形成方法に係わり、とくにその筒状
体の内面に例えば黒色の薄い被膜を均一に付着形成する
方法に関する。これは例えばカラー受像管等の電子管に
内蔵される電子放出陰極の製造に適用され得る。
子放出陰極への被膜形成方法に係わり、とくにその筒状
体の内面に例えば黒色の薄い被膜を均一に付着形成する
方法に関する。これは例えばカラー受像管等の電子管に
内蔵される電子放出陰極の製造に適用され得る。
【0002】
【従来の技術】比較的細い筒状体の内面に所定の材料と
厚さの均一な被膜を付着させる技術は、多くの工業分野
で必要とされている。例えば、電子管に内蔵される電子
放出陰極を例に説明する。近年、走査線を増加させて解
像度を改善するカラー受像管や、超高周波対応ディスプ
レイ陰極線管が開発されている。これらの開発に必須の
要素として、電子放出陰極からの放出電子密度を大幅に
増大させる必要がある。
厚さの均一な被膜を付着させる技術は、多くの工業分野
で必要とされている。例えば、電子管に内蔵される電子
放出陰極を例に説明する。近年、走査線を増加させて解
像度を改善するカラー受像管や、超高周波対応ディスプ
レイ陰極線管が開発されている。これらの開発に必須の
要素として、電子放出陰極からの放出電子密度を大幅に
増大させる必要がある。
【0003】ところで、エミッタ含浸型陰極は、これま
で進行波管、クライストロン等の電子管に用いられてき
たが、最近は含浸型陰極の高電流密度特性を活かして、
上記のような大型、高精細のカラー受像管等に採用され
つつある。
で進行波管、クライストロン等の電子管に用いられてき
たが、最近は含浸型陰極の高電流密度特性を活かして、
上記のような大型、高精細のカラー受像管等に採用され
つつある。
【0004】このような含浸型陰極を使用したカラー受
像管の電子銃構体は、図7に示すような構成である。す
なわち、同図の符号11は電極支持用ガラスビード、1
2は第1制御グリッド、13は電子放出部であるエミッ
タ含浸型ディスク、14はディスク保持用キャップ、1
5は端部にディスクおよびキャップを固定している陰極
スリーブ、16は陰極スリーブを支持する3本のストラ
ップ、17は熱反射用円筒、18はその支持リング、1
9は陰極保持用円筒、20は陰極構体をガラスビードに
支持させる支持アーム、21は加熱用の二重コイル型の
ヒータ、22はヒータ端子をあらわしている。
像管の電子銃構体は、図7に示すような構成である。す
なわち、同図の符号11は電極支持用ガラスビード、1
2は第1制御グリッド、13は電子放出部であるエミッ
タ含浸型ディスク、14はディスク保持用キャップ、1
5は端部にディスクおよびキャップを固定している陰極
スリーブ、16は陰極スリーブを支持する3本のストラ
ップ、17は熱反射用円筒、18はその支持リング、1
9は陰極保持用円筒、20は陰極構体をガラスビードに
支持させる支持アーム、21は加熱用の二重コイル型の
ヒータ、22はヒータ端子をあらわしている。
【0005】エミッタ含浸型ディスク13は、空孔率が
約17%の多孔質タングステンの基体に電子放射物質が
含浸されたものである。なお、この陰極ディスク13の
表面には、イリジウム−タングステン合金層が形成され
ている。また、ヒータ21は、3%レニウム−タングス
テン合金線で構成され、その表面に絶縁物であるアルミ
ナが被覆されている。さらに、このアルミナの表面に熱
放射特性を良くするためにタングステンとアルミナとの
混合物からなるダーク層が被覆されている。陰極スリー
ブ15、ディスク保持用キャップ14、及び3本のスト
ラップ16は、いずれもタンタル、ニオブ、又はモリブ
デン、若しくはその少なくとも1つを主成分とする合金
で構成される。そして、陰極スリーブ15の内面には、
一部を拡大して円内に示すように、ヒータから発生され
る熱を効率よく陰極スリーブに吸収させるための薄い黒
色被膜23が付着形成されている。なお、陰極スリーブ
15は、例えば肉厚が15〜20μm、直径が1.2m
m、長さが4.5mmの細長いパイプである。また、黒
色被膜の厚さは、約5μmである。
約17%の多孔質タングステンの基体に電子放射物質が
含浸されたものである。なお、この陰極ディスク13の
表面には、イリジウム−タングステン合金層が形成され
ている。また、ヒータ21は、3%レニウム−タングス
テン合金線で構成され、その表面に絶縁物であるアルミ
ナが被覆されている。さらに、このアルミナの表面に熱
放射特性を良くするためにタングステンとアルミナとの
混合物からなるダーク層が被覆されている。陰極スリー
ブ15、ディスク保持用キャップ14、及び3本のスト
ラップ16は、いずれもタンタル、ニオブ、又はモリブ
デン、若しくはその少なくとも1つを主成分とする合金
で構成される。そして、陰極スリーブ15の内面には、
一部を拡大して円内に示すように、ヒータから発生され
る熱を効率よく陰極スリーブに吸収させるための薄い黒
色被膜23が付着形成されている。なお、陰極スリーブ
15は、例えば肉厚が15〜20μm、直径が1.2m
m、長さが4.5mmの細長いパイプである。また、黒
色被膜の厚さは、約5μmである。
【0006】このような陰極スリーブに黒色被膜を付着
させる方法は、例えば特公昭52−28631号公報に
開示されるように、タングステン粉末と酸化アルミニウ
ム粉末との混合物の懸濁液にスリーブを浸漬し、それを
乾燥した後に焼結して黒色被膜とする形成方法が知られ
ている。また、特開昭61−288339号公報や特開
平2−72533号公報に開示されるように、タングス
テンと酸化アルミニウムとの混合粉末の懸濁液をスリー
ブ内に注入し、所定時間後に余分の懸濁液を真空吸引し
て除去し、乾燥、焼結して黒色被膜を形成する方法が知
られている。
させる方法は、例えば特公昭52−28631号公報に
開示されるように、タングステン粉末と酸化アルミニウ
ム粉末との混合物の懸濁液にスリーブを浸漬し、それを
乾燥した後に焼結して黒色被膜とする形成方法が知られ
ている。また、特開昭61−288339号公報や特開
平2−72533号公報に開示されるように、タングス
テンと酸化アルミニウムとの混合粉末の懸濁液をスリー
ブ内に注入し、所定時間後に余分の懸濁液を真空吸引し
て除去し、乾燥、焼結して黒色被膜を形成する方法が知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の陰極スリーブに
黒色被膜を付着させる方法のうち、前者の公報に記載さ
れるような、黒色被膜材料の懸濁液にスリーブをスリー
ブを浸漬して付着させる方法は、スリーブの内外両面に
黒色被膜を形成するには適当であるが、スリーブの内面
にのみ付着させるには不向きである。また、被膜の厚さ
の均一性が得難い傾向がある。一方、上記後者の各公報
に開示されるような、懸濁液をスリーブ内に注入した
後、余分の懸濁液を真空吸引して除去する方法は、内面
にのみ付着させるのに適するとは言え、後述するように
膜厚の均一な形成が実際には困難であるという不都合が
認められた。
黒色被膜を付着させる方法のうち、前者の公報に記載さ
れるような、黒色被膜材料の懸濁液にスリーブをスリー
ブを浸漬して付着させる方法は、スリーブの内外両面に
黒色被膜を形成するには適当であるが、スリーブの内面
にのみ付着させるには不向きである。また、被膜の厚さ
の均一性が得難い傾向がある。一方、上記後者の各公報
に開示されるような、懸濁液をスリーブ内に注入した
後、余分の懸濁液を真空吸引して除去する方法は、内面
にのみ付着させるのに適するとは言え、後述するように
膜厚の均一な形成が実際には困難であるという不都合が
認められた。
【0008】この発明は、以上のような不都合を解消
し、陰極スリーブのような筒状体の内面に均一な厚さの
被膜を再現性よく付着形成し得る方法を提供することを
目的とする。
し、陰極スリーブのような筒状体の内面に均一な厚さの
被膜を再現性よく付着形成し得る方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、被膜材料の
懸濁液を筒状体の内部に満たし、それと同時又はその
後、筒状体の開口部に多孔質吸収体を接触又は近接させ
て余分の懸濁液を吸い取らせ、その後、被膜材料が付着
している筒状体を加熱処理する筒状体への被膜形成方法
である。また、同様の方法により電子放出陰極の一部を
構成する筒状体の内面に、黒色被膜を形成する電子放出
陰極への被膜形成方法である。
懸濁液を筒状体の内部に満たし、それと同時又はその
後、筒状体の開口部に多孔質吸収体を接触又は近接させ
て余分の懸濁液を吸い取らせ、その後、被膜材料が付着
している筒状体を加熱処理する筒状体への被膜形成方法
である。また、同様の方法により電子放出陰極の一部を
構成する筒状体の内面に、黒色被膜を形成する電子放出
陰極への被膜形成方法である。
【0010】
【作用】この発明によれば、筒状体の内部に満たした被
膜材料の懸濁液をスムースに除去でき、筒状体の内面に
付着して残る被膜の厚さを、全体にわたって均一なもの
とすることができる。そして、この均一な厚さの被膜を
再現性よく且つ比較的能率的に形成することができる。
膜材料の懸濁液をスムースに除去でき、筒状体の内面に
付着して残る被膜の厚さを、全体にわたって均一なもの
とすることができる。そして、この均一な厚さの被膜を
再現性よく且つ比較的能率的に形成することができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明をカラー受像管に内蔵される
電子放出陰極のスリーブの内面に黒色被膜を付着形成す
る方法に適用した実施例について、図面を参照して説明
する。なお、同一部分は同一符号であらわす。
電子放出陰極のスリーブの内面に黒色被膜を付着形成す
る方法に適用した実施例について、図面を参照して説明
する。なお、同一部分は同一符号であらわす。
【0012】図1の(a)に示すように、筒状体すなわ
ち陰極スリーブ15は、肉厚が15μm、直径が1.2
mm、長さが4.5mmのタンタル製の細長いパイプで
ある。この陰極スリーブ15を垂直に配置し、上方から
注入器24の先端ノズル25をスリーブ内に少し挿入
し、矢印のように所定量の黒色被膜材料の懸濁液を注入
する。黒色被膜となる材料の懸濁液は、平均粒径が0.
9μmのタングステン粉末と、平均粒径が0.7μmの
酸化アルミニウム即ちアルミナ粉末とを、重量比で約
8:2とした混合粉に、分散用液体として酢酸ブチル及
びニトロセルローズを混合させたものである。この場合
のタングステン及びアルミナの混合粉と、分散用液体と
の重量比は、約50:50である。
ち陰極スリーブ15は、肉厚が15μm、直径が1.2
mm、長さが4.5mmのタンタル製の細長いパイプで
ある。この陰極スリーブ15を垂直に配置し、上方から
注入器24の先端ノズル25をスリーブ内に少し挿入
し、矢印のように所定量の黒色被膜材料の懸濁液を注入
する。黒色被膜となる材料の懸濁液は、平均粒径が0.
9μmのタングステン粉末と、平均粒径が0.7μmの
酸化アルミニウム即ちアルミナ粉末とを、重量比で約
8:2とした混合粉に、分散用液体として酢酸ブチル及
びニトロセルローズを混合させたものである。この場合
のタングステン及びアルミナの混合粉と、分散用液体と
の重量比は、約50:50である。
【0013】それにより、同図の(b)に示すように、
懸濁液25はスリーブ15の中に満たされる。スリーブ
の下方開口部では、懸濁液はその表面張力と重力との釣
り合いで、開口面よりも下方にわずかに膨出する。
懸濁液25はスリーブ15の中に満たされる。スリーブ
の下方開口部では、懸濁液はその表面張力と重力との釣
り合いで、開口面よりも下方にわずかに膨出する。
【0014】懸濁液をスリーブ内に満たした状態を所定
時間、例えば5秒間維持した後、同図の(c)に示すよ
うに、スリーブ15の下方開口端面15aに、多孔質吸
収体26を近接又は接触させて、スリーブ内の懸濁液2
5を速やかに吸い取らせる。懸濁液25は、その大部分
が矢印の如く多孔質吸収体26の中に毛細管現象により
流動して行くが、陰極スリーブ15の内周面には黒色被
膜材料の被膜27が所定の厚さで付着して残る。そし
て、多孔質吸収体26に余分の懸濁液を吸収させ終わっ
た段階で、同図の(d)に示すように、陰極スリーブ1
5と多孔質吸収体26とを離す。
時間、例えば5秒間維持した後、同図の(c)に示すよ
うに、スリーブ15の下方開口端面15aに、多孔質吸
収体26を近接又は接触させて、スリーブ内の懸濁液2
5を速やかに吸い取らせる。懸濁液25は、その大部分
が矢印の如く多孔質吸収体26の中に毛細管現象により
流動して行くが、陰極スリーブ15の内周面には黒色被
膜材料の被膜27が所定の厚さで付着して残る。そし
て、多孔質吸収体26に余分の懸濁液を吸収させ終わっ
た段階で、同図の(d)に示すように、陰極スリーブ1
5と多孔質吸収体26とを離す。
【0015】ここで使用した多孔質吸収体26は、厚さ
約3mmに積層したコットン紙である。この多孔質吸収
体26の水の初期吸収速度即ち初期吸水速度は約8.7
mm/秒、懸濁液の初期吸収速度は約1.7mm/秒で
ある。なおここで、水または懸濁液の初期吸収速度と
は、吸収開始から3秒間における平均吸収高さである。
また、この平均吸収高さの測定は次のように行なった。 多孔質吸収体を幅15mm,長さ120mmの長方形
とし、これを試験片として5枚採った。 測定は一般大気中で行なう。蒸留水と本実施例で用い
た懸濁液の2種類をそれぞれ容器にいれたものを用意
し、温度を20℃とした。 試験片を短片から5mmのところにそれと平行に鉛筆
で標線を引き、垂直に保持し、標線まで試験片と平行に
保持し、標線まで手早く水の中にいれ、3秒間、60秒
間に水が上昇した紙幅の中央の位置までの高さをmm単
位で読み取った。長さ計は試験片と平行に保持し、測定
時間中に試験片と接触しないようにした。 3秒間、60秒間に試験片に上昇した吸収高さをmm
で表わして吸収高さとした。初期吸収速度とは、吸収開
始から3秒間における吸収高さについての1秒あたりの
吸収高さで定義され、単位は(mm/秒)である。
約3mmに積層したコットン紙である。この多孔質吸収
体26の水の初期吸収速度即ち初期吸水速度は約8.7
mm/秒、懸濁液の初期吸収速度は約1.7mm/秒で
ある。なおここで、水または懸濁液の初期吸収速度と
は、吸収開始から3秒間における平均吸収高さである。
また、この平均吸収高さの測定は次のように行なった。 多孔質吸収体を幅15mm,長さ120mmの長方形
とし、これを試験片として5枚採った。 測定は一般大気中で行なう。蒸留水と本実施例で用い
た懸濁液の2種類をそれぞれ容器にいれたものを用意
し、温度を20℃とした。 試験片を短片から5mmのところにそれと平行に鉛筆
で標線を引き、垂直に保持し、標線まで試験片と平行に
保持し、標線まで手早く水の中にいれ、3秒間、60秒
間に水が上昇した紙幅の中央の位置までの高さをmm単
位で読み取った。長さ計は試験片と平行に保持し、測定
時間中に試験片と接触しないようにした。 3秒間、60秒間に試験片に上昇した吸収高さをmm
で表わして吸収高さとした。初期吸収速度とは、吸収開
始から3秒間における吸収高さについての1秒あたりの
吸収高さで定義され、単位は(mm/秒)である。
【0016】このように付着させた陰極スリーブ内周面
の黒色材料被膜27を乾燥させ、次に、約10-6torrの
真空雰囲気中で、1500℃、10分間の熱処理を行
い、タングステン粉末とアルミナ粉末の混合焼結層から
なる黒色被膜27を得る。
の黒色材料被膜27を乾燥させ、次に、約10-6torrの
真空雰囲気中で、1500℃、10分間の熱処理を行
い、タングステン粉末とアルミナ粉末の混合焼結層から
なる黒色被膜27を得る。
【0017】こうして陰極スリーブの内面に付着形成し
た黒色被膜27は、約5μmの均一な厚さであった。す
なわち、完成した陰極スリーブ15を縦割りして顕微鏡
観察したところ、図2に示すように、スリーブの両端部
及び中央部における黒色被膜27の厚さは、非常に均一
で、凹凸は0.5μm以下であった。また、タングステ
ン粉末、アルミナ粉末の粒径は焼結前後では変わらなか
った。
た黒色被膜27は、約5μmの均一な厚さであった。す
なわち、完成した陰極スリーブ15を縦割りして顕微鏡
観察したところ、図2に示すように、スリーブの両端部
及び中央部における黒色被膜27の厚さは、非常に均一
で、凹凸は0.5μm以下であった。また、タングステ
ン粉末、アルミナ粉末の粒径は焼結前後では変わらなか
った。
【0018】それに対して、従来知られている真空吸引
により陰極スリーブ内の懸濁液を除去したものは、図3
に示すように、不均一な被膜厚さで、特に開口端部付近
に不所望に厚い被膜が付着してしまうことが確認され
た。すなわち、同図の(a)に示すように、懸濁液25
をスリーブ15の中に注入した後、下方の開口端から真
空吸引器28により懸濁液を吸引して除去した。この陰
極スリーブを上記と同様に乾燥し、加熱処理して混合焼
結層からなる黒色被膜27を得た。これを顕微鏡観察し
たところ、同図の(b)に示すように、図の上方の開口
端部の内面の黒色被膜27は、異常に厚く付着してお
り、また一部に被膜が浮き上がって空隙Gが生じている
のが認められた。さらにまた、中間部や他方の開口端部
の被膜は、凹凸及び厚さの不均一が顕著であり、被膜が
部分的に存在しない面も認められた。因みに、真空吸引
器をスリーブの上方に当てて懸濁液を吸引したところ、
逆にスリーブの下方の開口端部付近に異常に厚い被膜が
付着した。このことは、真空吸引しても、吸引する方と
は反対側の端部の懸濁液が速やかに吸引除去されずに多
く付着したままになる傾向があるものと考えられる。ま
た、被膜が浮き上がり、部分的な剥がれが生じやすい。
これを防止するために吸引力を増したところ、スリーブ
内の空気に乱流が起こり、被膜の厚さがかえって不均一
になり、且つ被膜が部分的に存在しない塗布斑が認めら
れた。
により陰極スリーブ内の懸濁液を除去したものは、図3
に示すように、不均一な被膜厚さで、特に開口端部付近
に不所望に厚い被膜が付着してしまうことが確認され
た。すなわち、同図の(a)に示すように、懸濁液25
をスリーブ15の中に注入した後、下方の開口端から真
空吸引器28により懸濁液を吸引して除去した。この陰
極スリーブを上記と同様に乾燥し、加熱処理して混合焼
結層からなる黒色被膜27を得た。これを顕微鏡観察し
たところ、同図の(b)に示すように、図の上方の開口
端部の内面の黒色被膜27は、異常に厚く付着してお
り、また一部に被膜が浮き上がって空隙Gが生じている
のが認められた。さらにまた、中間部や他方の開口端部
の被膜は、凹凸及び厚さの不均一が顕著であり、被膜が
部分的に存在しない面も認められた。因みに、真空吸引
器をスリーブの上方に当てて懸濁液を吸引したところ、
逆にスリーブの下方の開口端部付近に異常に厚い被膜が
付着した。このことは、真空吸引しても、吸引する方と
は反対側の端部の懸濁液が速やかに吸引除去されずに多
く付着したままになる傾向があるものと考えられる。ま
た、被膜が浮き上がり、部分的な剥がれが生じやすい。
これを防止するために吸引力を増したところ、スリーブ
内の空気に乱流が起こり、被膜の厚さがかえって不均一
になり、且つ被膜が部分的に存在しない塗布斑が認めら
れた。
【0019】多孔質吸収体として適当する材料は次のよ
うな確認に基いて定めた。すなわち、陰極スリーブ内側
に上記の被膜材料の懸濁駅を充填し、5秒間保持した
後、吸収体として書道用半紙、通常の印刷用紙、通常の
筆記用紙、通常の図画用紙、ティッシュペーパ、コット
ン紙、食器洗い用スポンジ、ナイロン綿、コットン綿
を、それぞれ陰極スリーブの開口端面に当てて、懸濁液
を吸い取らせるようにし、スリーブ内面への被膜の付着
状態を観察した。さらに、それぞれについて上述と同様
の加熱処理を行い、陰極スリーブの一端への陰極ディス
ク及びキャップの圧入による組立て性、及び各15個ず
つ含浸型陰極構体として組立て、それをカラー受像管に
組み込んで耐電圧性能の比較を行った。組立性の評価
は、陰極ディスク及びキャップを陰極スリーブの内側に
挿入したときの黒色被膜の剥がれの発生の有無、及び陰
極スリーブの割れの発生の有無で評価した。また、耐電
圧性能は、ヒータ加熱電圧を定格の1.1倍とし、それ
ぞれの陰極スリーブとヒータとの間に直流電圧を印加
し、放電開始電圧を測定し評価した。なお、真空吸引、
並びに空気吹き付けによる懸濁液除去も行い、同様に比
較した。この比較結果を、表1に示す。
うな確認に基いて定めた。すなわち、陰極スリーブ内側
に上記の被膜材料の懸濁駅を充填し、5秒間保持した
後、吸収体として書道用半紙、通常の印刷用紙、通常の
筆記用紙、通常の図画用紙、ティッシュペーパ、コット
ン紙、食器洗い用スポンジ、ナイロン綿、コットン綿
を、それぞれ陰極スリーブの開口端面に当てて、懸濁液
を吸い取らせるようにし、スリーブ内面への被膜の付着
状態を観察した。さらに、それぞれについて上述と同様
の加熱処理を行い、陰極スリーブの一端への陰極ディス
ク及びキャップの圧入による組立て性、及び各15個ず
つ含浸型陰極構体として組立て、それをカラー受像管に
組み込んで耐電圧性能の比較を行った。組立性の評価
は、陰極ディスク及びキャップを陰極スリーブの内側に
挿入したときの黒色被膜の剥がれの発生の有無、及び陰
極スリーブの割れの発生の有無で評価した。また、耐電
圧性能は、ヒータ加熱電圧を定格の1.1倍とし、それ
ぞれの陰極スリーブとヒータとの間に直流電圧を印加
し、放電開始電圧を測定し評価した。なお、真空吸引、
並びに空気吹き付けによる懸濁液除去も行い、同様に比
較した。この比較結果を、表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す結果から、良好な均一厚さの被
膜が形成でき、良好な組立性及び耐電圧性能が得られる
多孔質吸収体は、コットン紙、コットン綿が最もよく、
次いでティッシュペーパ、紙布きんの一種であるキムワ
イプ(商品名)である。なお、旭化成工業(株)から
「ベンコット」として販売されているコットン紙は、こ
の多孔質吸収体として適していた。また、コットン綿の
一種である通常の脱脂綿は、懸濁液の吸取りは良好であ
り、繊維の抜けに注意をすれば使用し得る。
膜が形成でき、良好な組立性及び耐電圧性能が得られる
多孔質吸収体は、コットン紙、コットン綿が最もよく、
次いでティッシュペーパ、紙布きんの一種であるキムワ
イプ(商品名)である。なお、旭化成工業(株)から
「ベンコット」として販売されているコットン紙は、こ
の多孔質吸収体として適していた。また、コットン綿の
一種である通常の脱脂綿は、懸濁液の吸取りは良好であ
り、繊維の抜けに注意をすれば使用し得る。
【0022】それに対して書道用半紙、スポンジ、ナイ
ロン綿では、吸い込み速度が遅く、陰極スリーブの開口
端の吸い取り側と反対の側が厚い被膜になる傾向を示し
た。印刷用紙、筆記用紙、図画用紙は、吸い込みがきわ
めて悪く、被膜の塗布ができなかった。また、真空吸引
による吸い込み除去は、前述のように開口端部周辺に残
査が生じて被膜の浮きが生じ、且つ塗布斑が生じてしま
った。さらにまた、空気の吹き付けによる除去方法は、
塗布面が波紋状となり、塗布斑が大きい。
ロン綿では、吸い込み速度が遅く、陰極スリーブの開口
端の吸い取り側と反対の側が厚い被膜になる傾向を示し
た。印刷用紙、筆記用紙、図画用紙は、吸い込みがきわ
めて悪く、被膜の塗布ができなかった。また、真空吸引
による吸い込み除去は、前述のように開口端部周辺に残
査が生じて被膜の浮きが生じ、且つ塗布斑が生じてしま
った。さらにまた、空気の吹き付けによる除去方法は、
塗布面が波紋状となり、塗布斑が大きい。
【0023】種々の多孔質吸収体を、上述の測定方法で
測定した結果を表2に示す。これより、適当な多孔質吸
収体は、初期吸水速度が3mm/秒の材質であり、更に
好ましくは7mm/秒の材質である。
測定した結果を表2に示す。これより、適当な多孔質吸
収体は、初期吸水速度が3mm/秒の材質であり、更に
好ましくは7mm/秒の材質である。
【0024】
【表2】
【0025】また、懸濁液として使用する被膜原料は、
平均粒径が2μm以下、より一層好ましくは平均粒径が
1.2μm以下の微粉末が均一な被膜厚を得るうえで適
当である。なお、懸濁液中に含まれる微粉末の濃度を変
えることにより、被膜の厚さを制御することができる
が、濃度が高すぎると作業環境に影響されやすく、大量
生産での被膜の厚さのばらつきが増大してしまうので、
適当な濃度範囲に設定することが望ましい。因みに、タ
ングステンやアルミナのような高融点微粉末と、分散用
液体との懸濁液の場合は、実用性のある濃度範囲は、高
融点微粉末と、分散用液体との重量比が、30:70、
乃至70:30の範囲であった。
平均粒径が2μm以下、より一層好ましくは平均粒径が
1.2μm以下の微粉末が均一な被膜厚を得るうえで適
当である。なお、懸濁液中に含まれる微粉末の濃度を変
えることにより、被膜の厚さを制御することができる
が、濃度が高すぎると作業環境に影響されやすく、大量
生産での被膜の厚さのばらつきが増大してしまうので、
適当な濃度範囲に設定することが望ましい。因みに、タ
ングステンやアルミナのような高融点微粉末と、分散用
液体との懸濁液の場合は、実用性のある濃度範囲は、高
融点微粉末と、分散用液体との重量比が、30:70、
乃至70:30の範囲であった。
【0026】図4に示す実施例は、被塗布スリーブ15
が特に細長い場合に適する被膜形成方法である。すなわ
ち、被塗布スリーブ15に下方開口端面に初めから多孔
質吸収体26を接触させておき、スリーブ内に懸濁液2
5を上方から注入する。懸濁液はスリーブ15の内面に
上方から順次満されて行く。そして、懸濁液がスリーブ
の内面の全体に行き渡ると同時に、液の先頭部が多孔質
吸収体26に接触すると急速にこの吸収体に吸い取られ
る。懸濁液25の注入速度を適当に設定することによ
り、スリーブの全内壁面が懸濁液に接する時間をほぼ均
等化することができ、付着する被膜の厚さをより一層均
一にできる。
が特に細長い場合に適する被膜形成方法である。すなわ
ち、被塗布スリーブ15に下方開口端面に初めから多孔
質吸収体26を接触させておき、スリーブ内に懸濁液2
5を上方から注入する。懸濁液はスリーブ15の内面に
上方から順次満されて行く。そして、懸濁液がスリーブ
の内面の全体に行き渡ると同時に、液の先頭部が多孔質
吸収体26に接触すると急速にこの吸収体に吸い取られ
る。懸濁液25の注入速度を適当に設定することによ
り、スリーブの全内壁面が懸濁液に接する時間をほぼ均
等化することができ、付着する被膜の厚さをより一層均
一にできる。
【0027】なお、多孔質吸収体26を矢印Pの如く移
動させながら懸濁液を吸い取らせるようにしてもよく、
それにより多孔質吸収体への吸収量を実質的に無制限と
することができる。あるいは、多孔質吸収体を定位置に
置いて懸濁液を吸取らせ、一定時間後にスリーブから離
して所定距離移動させて再びスリーブに接触させて新鮮
な面で懸濁液を吸取らせ、これを繰り返すようにしても
よい。このことは、他の実施例においても同様である。
したがって、このような多孔質吸収体を連続的又は間欠
的に移動させる方法によれば、相当に長大なスリーブの
内面にも、均一な被膜を再現性よく形成することができ
る。
動させながら懸濁液を吸い取らせるようにしてもよく、
それにより多孔質吸収体への吸収量を実質的に無制限と
することができる。あるいは、多孔質吸収体を定位置に
置いて懸濁液を吸取らせ、一定時間後にスリーブから離
して所定距離移動させて再びスリーブに接触させて新鮮
な面で懸濁液を吸取らせ、これを繰り返すようにしても
よい。このことは、他の実施例においても同様である。
したがって、このような多孔質吸収体を連続的又は間欠
的に移動させる方法によれば、相当に長大なスリーブの
内面にも、均一な被膜を再現性よく形成することができ
る。
【0028】図5に示す実施例は、筒状体としての有底
状のキャップ15の内面に被膜を形成する方法を示して
いる。まず同図の(a)に示すように、キャップ15の
開口を上向きに配置して、中に被膜材料である懸濁液2
5を注入して満たす。次に同図の(b)に示すように、
キャップ15の開口に多孔質吸収体26を被せて接触さ
せる。そして、速やかに矢印Sのようにこれらを天地逆
に返し、懸濁液25を吸収体26に吸い取らせる。それ
により、同図の(c)に示すように、キャップ15の内
面に被膜27を均一に付着させることができる。これを
所要の加熱処理する。
状のキャップ15の内面に被膜を形成する方法を示して
いる。まず同図の(a)に示すように、キャップ15の
開口を上向きに配置して、中に被膜材料である懸濁液2
5を注入して満たす。次に同図の(b)に示すように、
キャップ15の開口に多孔質吸収体26を被せて接触さ
せる。そして、速やかに矢印Sのようにこれらを天地逆
に返し、懸濁液25を吸収体26に吸い取らせる。それ
により、同図の(c)に示すように、キャップ15の内
面に被膜27を均一に付着させることができる。これを
所要の加熱処理する。
【0029】この実施例によれば、比較的直径が大きく
且つ深さが浅い筒状体の内面にも、均一な厚さの被膜を
再現性よく形成することができる。図6に示す実施例
は、比較的長大な有底円筒体の内面に被膜を形成する場
合である。一端の底壁を内側に凹ませてエミッタ含浸型
ディスクを挿入固定するための有底凹部15aを形成し
た有底円筒状スリーブ15を用意し、その内部に開口側
から被膜材料の懸濁液を注入する。スリーブ内が懸濁液
で満たされたら、同図の(b)に示すようにスリーブ1
5の開口に多孔質吸収体26を被せて接触させ、速やか
に矢印Sのようにこれらを天地逆に返し、懸濁液25を
吸収体26に吸い取らせる。それによって、同図の
(c)に示すように、有底円筒状スリーブ15の内面に
被膜27を均一に付着させることができる。なお、前述
のように多孔質吸収体26を連続的又は間欠的に移動さ
せるようにすれば、吸収体の新鮮な部分からスリーブの
中に懸濁液と入れ代わって空気が入り込んで行くので、
有底円筒状のスリーブでありながら懸濁液のスムースな
吸取り除去ができるので、一層好ましい。そして、被膜
を加熱処理する。
且つ深さが浅い筒状体の内面にも、均一な厚さの被膜を
再現性よく形成することができる。図6に示す実施例
は、比較的長大な有底円筒体の内面に被膜を形成する場
合である。一端の底壁を内側に凹ませてエミッタ含浸型
ディスクを挿入固定するための有底凹部15aを形成し
た有底円筒状スリーブ15を用意し、その内部に開口側
から被膜材料の懸濁液を注入する。スリーブ内が懸濁液
で満たされたら、同図の(b)に示すようにスリーブ1
5の開口に多孔質吸収体26を被せて接触させ、速やか
に矢印Sのようにこれらを天地逆に返し、懸濁液25を
吸収体26に吸い取らせる。それによって、同図の
(c)に示すように、有底円筒状スリーブ15の内面に
被膜27を均一に付着させることができる。なお、前述
のように多孔質吸収体26を連続的又は間欠的に移動さ
せるようにすれば、吸収体の新鮮な部分からスリーブの
中に懸濁液と入れ代わって空気が入り込んで行くので、
有底円筒状のスリーブでありながら懸濁液のスムースな
吸取り除去ができるので、一層好ましい。そして、被膜
を加熱処理する。
【0030】なお、スリーブの内面のうち、特定部分に
被膜を形成しない場合は、その部分の面をマスクで覆い
塞ぐか、或いは開口端部であれば懸濁液の注入を途中位
置までに止めること等により、選択的に被膜形成をする
ことができる。
被膜を形成しない場合は、その部分の面をマスクで覆い
塞ぐか、或いは開口端部であれば懸濁液の注入を途中位
置までに止めること等により、選択的に被膜形成をする
ことができる。
【0031】なおまた、以上の実施例は、電子放出陰極
の一部となる筒状体の内面に黒色被膜を形成する場合に
ついて述べたが、それに限らず、他の用途、或いは他の
性質の被膜を筒状体の内面に付着形成する場合にもこの
発明を適用することができる。
の一部となる筒状体の内面に黒色被膜を形成する場合に
ついて述べたが、それに限らず、他の用途、或いは他の
性質の被膜を筒状体の内面に付着形成する場合にもこの
発明を適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
筒状体の内面に均一な厚さの被膜を、再現性よく、且つ
比較的能率的に形成することができる。
筒状体の内面に均一な厚さの被膜を、再現性よく、且つ
比較的能率的に形成することができる。
【図1】この発明の一実施例を示す各工程における要部
の縦断面図。
の縦断面図。
【図2】図1により完成したものの各部を拡大して示す
断面図。
断面図。
【図3】従来方法により完成したものの各部を拡大して
示す断面図。
示す断面図。
【図4】この発明の他の実施例を示す要部の縦断面図。
【図5】この発明のさらに他の実施例を示す各工程にお
ける要部の縦断面図。
ける要部の縦断面図。
【図6】この発明のさらに他の実施例を示す各工程にお
ける要部の縦断面図。
ける要部の縦断面図。
【図7】この発明の適用対象である一般的な電子銃構体
を示す縦断面図。
を示す縦断面図。
15…陰極スリーブ(筒状体) 25…懸濁液 26…多孔質吸収体 27…被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 栄治 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝堀川町工場内
Claims (12)
- 【請求項1】 筒状体の内面に被膜を付着形成する筒状
体への被膜形成方法において、上記被膜となる材料を懸
濁液としこれを上記筒状体の内部に満たし、 それと同時又はその後、上記筒状体の開口部に多孔質吸
収体を接触又は近接させて余分の懸濁液を吸い取らせ、 その後、被膜材料が付着している上記筒状体を加熱処理
することを特徴とする筒状体への被膜形成方法。 - 【請求項2】 電子放出陰極の一部を構成する筒状体の
内面に、黒色被膜を付着形成する電子放出陰極への被膜
形成方法において、 上記黒色被膜となる材料を分散溶液体により懸濁液とし
これを上記筒状体の内部に満たし、 それと同時又はその後、上記筒状体の開口部に多孔質吸
収体を接触又は近接させて余分の懸濁液を吸い取らせ、 その後、黒色被膜材料が付着している上記筒状体を加熱
処理することを特徴とする電子放出陰極への被膜形成方
法。 - 【請求項3】 被膜となる材料の懸濁液は、高融点微粉
末と分散用液体とを混合させたものである請求項1又は
2記載の被膜形成方法。 - 【請求項4】 分散溶液体がニトロセルローズと酢酸ブ
チルの混合液からなる請求項3記載の被膜形成方法。 - 【請求項5】 高融点微粉末が、タングステンとアルミ
ナとの混合粉である請求項3記載の被膜形成方法。 - 【請求項6】 高融点微粉末は、平均粒径が2μm以下
である請求項3記載の被膜形成方法。 - 【請求項7】 高融点微粉末と分散溶液体の重量比が3
0:70乃至70:30である請求項3記載の被膜形成
方法。 - 【請求項8】 電子放出陰極の一部を構成する筒状体が
5A族あるいは6A族の元素からなる単体又はその単体
を主成分とする合金からなる請求項1または請求項2記
載の被膜形成方法。 - 【請求項9】 電子放出陰極の一部を構成する筒状体が
タンタルまたはタンタルを主成分とする合金もしくはニ
オブまたはニオブを主成分とする合金もしくはモリブデ
ンまたはモリブデンを主成分とするからなる請求項8記
載の被膜形成方法。 - 【請求項10】 多孔質吸収体は、初期吸水速度が3m
m/秒以上である請求項1または請求項2記載の被膜形
成方法。 - 【請求項11】 多孔質吸収体は、初期吸水速度が7m
m/秒以上である請求項1または請求項2記載の被膜形
成方法。 - 【請求項12】 多孔質吸収体は、コットン、又はコッ
トンを主成分とするものである請求項1又は2記載の被
膜形成方法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306938A JPH0765714A (ja) | 1993-06-17 | 1993-12-08 | 筒状体並びに電子放出陰極への被膜形成方法 |
TW083102118A TW259878B (ja) | 1993-03-17 | 1994-03-11 | |
DE69404348T DE69404348T2 (de) | 1993-03-17 | 1994-03-16 | Kathodenvorrichtung und Verfahren zur Herstellung derselben |
EP94104130A EP0616353B1 (en) | 1993-03-17 | 1994-03-16 | Cathode assembly and method of manufacturing the same |
US08/214,280 US5543682A (en) | 1993-03-17 | 1994-03-17 | Cathode assembly incorporating a black layer formed from particles having a specified average particle size |
CN94101833A CN1044297C (zh) | 1993-03-17 | 1994-03-17 | 阴极组件及其制造方法 |
MYPI94000627A MY110009A (en) | 1993-03-17 | 1994-03-17 | Cathode assembly and method of manufacturing the same |
KR1019940005442A KR0132010B1 (ko) | 1993-03-17 | 1994-03-18 | 음극구체 및 그 제조방법 |
US08/620,161 US5762997A (en) | 1993-03-17 | 1996-03-22 | Method of manufacturing a cathode assembly |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-145980 | 1993-06-17 | ||
JP14598093 | 1993-06-17 | ||
JP5306938A JPH0765714A (ja) | 1993-06-17 | 1993-12-08 | 筒状体並びに電子放出陰極への被膜形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0765714A true JPH0765714A (ja) | 1995-03-10 |
Family
ID=26476944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5306938A Pending JPH0765714A (ja) | 1993-03-17 | 1993-12-08 | 筒状体並びに電子放出陰極への被膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0765714A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100368564B1 (ko) * | 2000-05-15 | 2003-01-24 | 주식회사 엘지이아이 | 음극선관용 함침형 음극의 구조 및 제조 방법 |
KR100396667B1 (ko) * | 2001-04-23 | 2003-09-02 | 엘지전자 주식회사 | 음극선관의 음극 가열용 히터 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP5306938A patent/JPH0765714A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100368564B1 (ko) * | 2000-05-15 | 2003-01-24 | 주식회사 엘지이아이 | 음극선관용 함침형 음극의 구조 및 제조 방법 |
KR100396667B1 (ko) * | 2001-04-23 | 2003-09-02 | 엘지전자 주식회사 | 음극선관의 음극 가열용 히터 및 그 제조방법 |
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