JPH076539A - 磁気ヘッドスライダ及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気ヘッドスライダ及び磁気記憶装置

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JPH076539A
JPH076539A JP14942693A JP14942693A JPH076539A JP H076539 A JPH076539 A JP H076539A JP 14942693 A JP14942693 A JP 14942693A JP 14942693 A JP14942693 A JP 14942693A JP H076539 A JPH076539 A JP H076539A
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magnetic head
slider
disk
head slider
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JP14942693A
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English (en)
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Masaaki Matsumoto
真明 松本
Tetsuya Hamaguchi
哲也 浜口
Yoshihiro Shiroishi
芳博 城石
Yoshihiko Miyake
芳彦 三宅
Yoshio Nakagawa
宣雄 中川
Mikio Tokuyama
幹夫 徳山
Shigeo Nakamura
滋男 中村
Akira Iida
彰 飯田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記憶装置において、ヘッドとディスクの
間隔を微小かつほぼ一定とし、製作誤差に起因する間隔
の変化を低減して高記録密度を達成する。 【構成】 スライダ前方部分2と、磁気ヘッド5を搭載
するスライダ後方部分3との間の部分4の幅又は厚さを
他部分より小さく形成し、スライダ後方部分の磁気ヘッ
ド磁極部近傍が磁気ディスクと一定に近接又は接触しつ
つ相対運動する。装置停止及び待機状態では、スライダ
前方部分のディスク走行方向の形状が磁気ディスクに向
かって凸状に形成されており、記録再生を行う間のみこ
の凸状湾曲量を小さく変形し磁気ヘッド5がディスク表
面に一定に近接又は接触するように保つ。 【効果】 簡素な構成で安定で微小接触力の接触記録を
達成でき、磁気ディスク磁気ヘッドとのすき間を微小に
一定に安定に保て、信頼性が高く高記録密度の磁気記憶
装置が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記憶装置に関し、ま
た磁気ヘッドを磁気ディスク表面に安定に近接又は接触
させる磁気ヘッドスライダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気記憶装置においては、特公昭
57−569号公報に開示されているような、少なくと
も2本のまっすぐなレール表面が空気ベアリング表面を
形成する磁気ヘッドスライダが広く使われている。また
特開平2−101688号公報に開示されているよう
な、スライダ後端から離された1対のサイドレールと、
その間に1本のセンターレールをもち、このセンターレ
ール後端に磁気ヘッドを搭載する形の磁気ヘッドスライ
ダも実用に供されてきた。
【0003】これらのスライダは、積層された磁気ディ
スクの各表面と各磁気ヘッド磁極とのすき間(以後スペ
ーシングと呼ぶ)を安定かつ安全に近接させ、磁気ディ
スクと磁気ヘッドとを相対運動させるためのものであ
る。そして、このスペーシングが小さいほど、高記録密
度が達成でき、大容量の磁気記憶装置が実現できる。と
ころがスペーシングが小さくなるほど、このスペーシン
グの安定度も要求される。スペーシングの変化を生ずる
要因としては、スライダを支持するサスペンションの荷
重発生部の誤差や、積層された磁気ディスクと、スライ
ダを支持するサスペンションとアクチュエータアームと
の相対寸法誤差によりスライダへの荷重が変化するこ
と、またスライダ自身の形状誤差により浮上力が変化す
ることなど多くの因子が関係している。これらの誤差は
スライダやサスペンションを小型化していくと、スペー
シングに対し相対的に増大する。
【0004】これらの問題を解決する方法として、特開
昭62−250570号公報には、スライダにスペーシ
ングを制御する機構を組み込んで、電気的にスペーシン
グを制御する方法が開示されている。これはいわゆるス
ペーシング制御型と分類される方法の代表であるが、ス
ペーシング制御型の問題点は制御するための機構やシス
テムが複雑で、コスト上昇につながる恐れがある点であ
る。また制御といえども制御帯域には限界があり、現状
以上の磁気ディスクへの追従性を達成するのは容易では
ない。
【0005】一方、特開昭62−3476号公報及び特
開昭63−306514号公報には、第1のスライダと
これに支持用弾性体で連結された第2のスライダを設
け、スライダを磁気ディスクに対して2段に追従させる
方法が開示されている。この方法によれば、第2のスラ
イダはスペーシング変化がかなり抑えられた第1のスラ
イダにサスペンションを介して連結されているため、さ
らにスペーシング変化が抑えられる。しかし、このよう
な2段に分離されたスライダ構成は、部品が複雑で形成
が困難であり、また複数部品を特にスペーシング方向に
関してはナノメータレベルの精度で組上げなければなら
ないという問題点を有する。
【0006】さらに特開昭62−167610号公報に
は、スライダのディスク対向面に浮上力を発生させる面
と、ディスク表面に接触状態を保ちながら摺動する面を
有し、接触記録を行う磁気ヘッドが開示されている。こ
の方法によって得られるスライダの摺動面での接触力
は、サスペンションからスライダに加えられる荷重と、
上記浮上力を発生させる面で発生する全浮上力との差と
して与えられる。この方法では、定常状態においてはス
ライダの摺動面での接触力は微小になるように設計でき
るが、上記浮上力を発生させる面が追従しきれないほど
の細かいディスク表面のうねりや突起に接触し、スライ
ダの摺動面がディスクから微小に持ち上げられるときに
は、浮上面で形成される空気膜剛性に比例した接触力の
増加が生じる。この浮上面で形成される空気膜剛性は非
常に大きいので、接触力の増加はかなり大きなものとな
ってしまい、摩耗の増大を引き起こす恐れがある。
【0007】また最近では磁気抵抗効果型ヘッドや複数
ゾーン記録方式が使われはじめ、これらの性能を最大限
にいかすために、磁気ディスクの内周側から外周側まで
スペーシングをほぼ一定に保つ必要が生じている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気ディス
ク表面と磁気ヘッド磁極とのすき間を安定、一定かつ安
全に近接させると同時に、さまざまな製造上及び組み立
て上の誤差に起因するスペーシングの変化を大幅に低減
する機能を非常に簡素な構成で実現しうる磁気ヘッドス
ライダと、これを用いた高記録密度に適した磁気記憶装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、磁気ディス
ク表面に対して流体力学的に浮上させるための機構を下
面に有し上面にアクセス動作を伝達するためのサスペン
ションが接合された前方部分と、磁気ヘッドを保持する
後方部分と、前記前方部分と前記後方部分とを接続する
中間部分とを同一材料により一体的に形成し、前記中間
部分は磁気ディスク面に対する垂直方向の弾性係数が他
の部分より小さくなるように形成した磁気ヘッドスライ
ダによって達成される。
【0010】すなわち、本発明においては、スライダの
中間部分に例えば凹部を設けることによってスライダ自
体に緩衝バネの機能をもたせ、スライダに複雑な部品を
使用したり、煩雑な組立工程を必要とすることなく、磁
気ディスク表面と磁気ヘッド磁極とのすき間を安定、一
定かつ安全に近接させることを可能にする。凹部には有
機材料等からなる緩衝材を接合してもよい。
【0011】中間部は、上面側に凹部を形成する他に
も、幅及び/又は厚さを前方部分及び後方部分より減少
して形成することによってバネの機能をもたせることが
できる。磁気ヘッドスライダを流体力学的に浮上させる
ための機構は正圧発生レール部又は負圧領域を伴った正
圧発生レール部とすることができ、磁気ヘッドは正圧発
生レールと実質的に同一面をなし、典型的には正圧発生
レールと連結して磁気ディスク表面に近接又は接触する
レールの最後端部付近に設けることができる。
【0012】そして、磁気ヘッドスライダの前方部分を
固定端とみなしたときの後方部分の磁気ディスク面に対
する垂直方向のバネ定数が、前方部分が磁気ディスクに
対して浮上して形成される流体膜剛性によって生じる、
前方部分と中間部分との境界点の磁気ディスク面に対す
る垂直方向のバネ定数の2分の1以下、20分の1以上
とすることが好ましい。
【0013】さらに装置停止状態では、スライダ前方の
浮上用レール部のディスク走行方向の形状を磁気ディス
クに向かって凸状に形成し、磁気ヘッドが記録情報をデ
ィスク上に記録、再生又は消去を行う間、及びその前後
に所定の時間を加えた間、このスライダ前方部分の凸状
湾曲量が小さくなるように変形させる機構を圧電素子、
電歪素子又は磁歪素子などにより形成し、磁気ヘッドの
磁極部がディスク表面に近接又は接触するように保つこ
とで安全性の向上や接触部の摩耗の軽減を図ることがで
きる。
【0014】また磁気ヘッドスライダに磁気抵抗効果型
ヘッドを搭載し、複数ゾーン記録を行うことで高記録密
度の磁気記憶装置が達成される。
【0015】
【作用】流体力学的に浮上するスライダ前方部分は、浮
上面の3次元的形状を維持するのに十分な厚さに形成す
ることにより正圧発生レール面の形状精度を高めること
ができる。この前方の浮上用レール部はスライダのディ
スク対向面とディスク表面との相対距離を100nm〜
200nmに保ち、スペーシングの変化を数十nmまで
低減する。スライダ後方部分は磁気ヘッド素子を保持
し、磁気ディスク稼働中はこの素子に余分な歪が加わら
ないよう保つ。スライダ前方部分は前縁のスペーシング
が後方のそれより大きいすきま比を保って浮上し、かつ
スライダ前方部分のレールとスライダ後方部分のレール
がナノメートルオーダーの同一面に仕上げられているの
で、スライダ最後端付近の磁気ヘッド磁極部は他のどの
部分よりも磁気ディスク媒体に対し近接又は接触する。
【0016】幅、又は厚さが小さく形成されたスライダ
中間部分は、ディスクに追従して浮上するスライダ前方
部分と、それ以上に忠実にディスク表面に追従して近接
又は接触するスライダ後方部分の近接又は接触用レール
部との相対変位を吸収するのに十分な弾性を有するた
め、スライダ後方部分に保持された磁気ヘッドは安定か
つ微小接触力にてディスク表面に接触し、スペーシング
を安定に小さく保つように作用する。
【0017】これらのスライダ前方部分、後方部分、及
び中間部分は基本的に同一材料によって一体的に構成さ
れているため、結合強度が確保でき、またスペーシング
方向の同一面性が得られる。前方部分の浮上用レールの
一部と、後方部分の近接又は接触用レールが、凹部など
を介さず実質的同一面をなしつながっていると、スライ
ダ後方部分の近接又は接触用レール部がディスク表面に
追従して、幅又は厚さが小さく形成されたスライダ中間
部分が弾性変形したときも、後方部分の近接又は接触用
レール部が磁気ディスクに対し引っかかったり傷つけた
りすることなく、なめらかにディスクと相対運動する。
【0018】前方部分の浮上用レール部が磁気ディスク
媒体走行方向に関し湾曲して磁気ディスク媒体に対し微
小に凸形状となっていることにより、装置停止状態及び
装置起動、停止過程では前方部分の浮上用レール部のみ
が磁気ディスク媒体に接触し、後方部分は媒体から離れ
た状態となるため、幅又は厚さが小さく形成されたスラ
イダ中間部分に無用な応力が加わらず、装置に外部から
衝撃が加わってもこの部分が折れることはない。さらに
このスライダ前方部分のディスク走行方向の形状が磁気
ディスクに向かって凸状に形成されていることにより、
起動停止時及び磁気記録再生を行わないときにはスライ
ダ後方部分は磁気ディスク表面から離れ、安全に浮上す
る。記録再生を行なう時は、このスライダ前方部分の上
面に接合した圧電素子などに所定の電圧を加えて伸長さ
せることにより凸状湾曲量を小さくし、スライダ後方部
分をディスクに近接又は接触させる。これにより磁気記
憶装置にとって必要最小限の時間だけスライダの磁気ヘ
ッド磁極部がディスク表面に近接浮上又は接触するよう
に作用する。
【0019】また、磁気ヘッド磁極部付近がディスク表
面に接触しつつ相対運動すれば、磁気ヘッド部が、流体
力学的浮上で形成される流体膜よりさらに硬いディスク
上の保護膜等の固体に支えられてスペーシングが保たれ
る。従ってスペーシングは磁気ヘッド磁極部付近とディ
スク表面の凹凸形状のみに依存し、浮上面の形状ばらつ
きやサスペンションの荷重ばらつき等、及びディスクの
周速度によりスライダ前方部分の浮上量が多少変化して
も、前記スライダ中間部分が微小にたわむのみで磁気ヘ
ッド部のスペーシングは変化しない。この作用によりデ
ィスクの内周から外周にわたってスペーシングをほぼ一
定に安定に保つ。
【0020】前記スライダ中間部分が微小にたわんでス
ライダ後方部分がディスクに微小な接触力で近接又は接
触してディスクに安定に追従するためには、第1にスラ
イダ前方部分がまずある程度の剛性をもってディスクに
対し追従する必要がある。これは、次に述べるスライダ
後方部分はスライダ前方部分が追従しきれなかった分だ
け追従するように動けば良いので、このスライダ後方部
分の可動範囲を数十ナノメートル程度に抑えるように作
用する。第2に、スライダ後方部分がさらに強い剛性で
ディスクに追従する必要がある。これは従来よりはるか
に忠実にディスクに追従し、安定な微小スペーシングを
保つように作用する。そして第3に、スライダ前方部分
を固定端とみなしたときのスライダ後方部分の磁気ディ
スク面に対する垂直方向の剛性が、上記第1及び第2で
述べたいずれの剛性よりも小さいように、スライダ中間
部分が柔軟に形成されていることが必要である。
【0021】スライダ前方部分が追従しきれないほどの
細かいディスク表面のうねりや突起に遭遇したときに、
スライダ後方部分がこれに乗り上げることにより発生す
る接触力は、このスライダ中間部分が弾性的に曲がるこ
との反力として与えられる。したがって、あまりにこの
中間部分が硬いと、スライダ前方部分がスライダ後方部
分と一体となって持ち上がり大きな接触力となってしま
う。一方、この中間部分があまりに柔らかいと、スライ
ダがアクセス動作を行うときにこの中間部分がねじれた
りして磁気ヘッドの正確な位置決めができなくなる。つ
まり、このスライダ中間部分の適度な柔軟性が、微小接
触力と正確なアクセス動作を達成するように作用する。
【0022】前記第1の必要条件は、スライダ前方部分
が従来のような空気等の流体の動圧効果により浮上する
ことにより、かなり剛性の高い流体膜剛性が形成される
ので満たされる。第2の必要条件は、スライダ後方部分
がディスク表面に非常に近接して浮上すること、又は接
触しつつ滑る状態を保つことにより、非常に硬い流体
膜、又は固体同士の弾性変形による非常に大きな剛性が
形成されるので満たされる。第3の必要条件は、上記の
ように第2の剛性は第1の剛性より明らかに大きいの
で、第3の剛性が第1の流体膜剛性より小さいことが必
要であることになる。そして、スライダ前方部分を固定
端とみなしたときのスライダ後方部分の磁気ディスク面
に対する垂直方向のバネ定数が、スライダ前方部分が磁
気ディスクに対して浮上して形成される流体膜剛性によ
って生じる、スライダ前方部分と中間部分との境界点の
磁気ディスク面に対する垂直方向のバネ定数の2分の1
以下であれば、スライダ後方部分がディスク上の突起な
どに乗り上げたときの接触力は、スライダ中間部分がど
れだけたわむかによって与えられるため、従来のスライ
ダに比べ少なくとも2分の1以下に抑えられ中間部を設
けたことによる効果が顕著になる。また上記バネ定数が
20分の1以上あれば、アクセス動作を行ってもスライ
ダ中間部分がそれほどねじれず、正確な位置決めを行う
ことができる。
【0023】一般に、ディスクの内周に比べ外周又は中
周のスペーシングが大きくなる磁気記憶装置では、再生
出力の周速依存性がない磁気抵抗効果型ヘッドや、記録
再生領域をいくつかのゾーンにわけて各ゾーンがほぼ等
しい記録密度となるように磁気記録及び再生を行う複数
ゾーン記録方式を適用する場合に、スペーシングが小さ
い領域では記録密度は上げられるがスペーシングが大き
い領域では記録密度が上げられない。従って磁気ディス
クの全領域の記録密度を等しく高密度条件とすることは
できない。しかし、本発明によるディスク全面でスペー
シングをほぼ一定に安定に保つ作用によれば、磁気抵抗
効果型ヘッドや複数ゾーン記録方式を適用した場合に、
採用した磁気ヘッドと磁気ディスク媒体の組合わせで達
成される最高記録密度を全てのゾーンわたって達成で
き、磁気ディスク全体を高記録密度にすることが可能に
なる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕本発明によるスライダの第1の実施例を図
1に示す。Al23 −TiC、PZT、BaTiO3
ZrO2等のセラミックス、又はシリコンなどからなる
スライダ1はスライダ前方部分2、スライダ後方部分
3、及びスライダ中間部分4からなる。このスライダ1
のディスク対向面にはスライダ1を流体力学的に浮上さ
せるための正圧発生レール6が、水素含有カーボン、i
−カーボン膜等をマスクとしてドライエッチング、サン
ドブラストなどの方法により形成されている。
【0025】図示した正圧発生レール6は、流体の運動
方向に段差を有し、負圧領域を伴っている。このレール
6は、スライダ前方部分2を100nm〜数百nmのス
ペーシングに数十nmの精度で保つ。レール6の一部が
スライダ後方までとぎれることなく延長し、その最後端
付近に磁気ヘッド5の磁極部が配置される。この延長部
のレールは幅が狭く形成され、浮上力はほとんど発生し
ない。少なくともこの磁気ヘッド5の磁極部のディスク
対向面部分には、前記のマスク材の一部が残存してもよ
いし、スパッタリング等で1〜30ナノメートルの薄い
保護膜を形成してもよい。
【0026】スライダ中間部分4は、最初スライダ前方
部分2やスライダ後方部分3と同一の厚さに形成した
後、機械加工、ドライエッチング、ショットブラスト等
の方法でディスク対向面の反対側からその厚さを減ずる
ように加工して形成する。この加工により、スライダ中
間部分4には上下方向の柔軟性が付与される。この柔軟
性は、スライダ前方部分2の浮上面で形成される流体膜
剛性の2分の1乃至20分の1程度であることが望まし
い。
【0027】図2に、本実施例によるスライダの稼働状
態を側断面図によって模式的に示す。まずスライダ前方
部分2は、多くの場合サスペション7から一定の荷重を
受けつつ流体力学的な浮上によりディスク9に追従し、
さらにスライダ後方部分3のディスク対向面はディスク
表面に非常に近接して浮上又は接触しつつ滑る。スライ
ダ後方部分3がディスクに近接して浮上する場合には、
スライダ後方部分3のディスク対向面とのスペーシング
を0.04μm以下とすると、ここで形成される流体膜
の剛性も大きくなりディスク9への追従性が向上する。
【0028】この時、スライダ中間部分4は上下方向に
微小にたわみ、スライダ後方部分3のディスク表面に対
する接触荷重を発生する。スライダ前方部分2は既に流
体力学的な浮上によりディスク表面に数十nmの精度で
追従しているので、スライダ中間部分4の上下方向のた
わみは微小でよく、したがってこの部分の柔軟性が上記
程度であればスライダ後方部分3のディスク表面への接
触力は小さく保たれ、かつディスクから離れることもな
い。
【0029】ディスク表面に硬い保護膜及び非常に薄い
液体潤滑膜が存在すればその上下方向の剛性は非常に大
きく、またスライダ後方部分3の慣性は非常に小さいの
で、スライダ後方部分3のディスク対向面は非常に忠実
にディスク表面に追従する。しかもこのスライダ後方部
分3がディスク表面に接触しつつ滑る場合のスペーシン
グは磁気ヘッド磁極部付近とディスク表面の形状に依存
し、浮上面の形状ばらつきやサスペンションの荷重ばら
つき等のさまざまな製造上のばらつきや、ディスクの周
速度に依存しないので、ディスクの内周から外周にわた
ってスペーシングを微小かつほぼ一定に安定に保つこと
が可能となる。
【0030】スライダ前方部分2の厚さは、スライダ前
方部分2が稼働中に設定以上に反ったり曲がったりせ
ず、レール6がスライダ前方部分2を100nm〜数百
nmのスペーシングに数十nmの精度で保つのに十分な
形状精度を与えられるように決定される。スライダ後方
部分3の厚さは、磁気ヘッド5に磁気記録再生を行わせ
るための磁極や、コイル、及び後段の回路へ接続するた
めのリード線を結合するための端子などを形成するのに
十分な面積を確保し、しかもこれらに不必要な歪を与え
ないように決定される。スライダ中間部分4とスライダ
後方部分3の境界を後方に寄せすぎると、スライダ後方
部分3の前後方向の厚さが薄くなり、稼働中に磁気ヘッ
ド5に不要な歪を与えてしまうので、ある程度の厚さを
確保する必要がある。
【0031】図3aは本実施例のスライダの側断面図
を、図3bは浮上面側から見た平面図である。寸法を例
示すると、スライダ1全体の長さは3ミリメートル、幅
は1.6ミリメートル、厚さは0.45ミリメートル、
スライダ中間部分4の厚さは0.15ミリメートル、長
さは0.8ミリメートルである。この程度の寸法でスラ
イダ中間部分4はスライダ後方部分3の上下方向の弾性
的動きを可能とし、ディスクへの追従性を高め、接触力
を低減する効果がある。しかもこのような形状のスライ
ダは従来の製造プロセスにわずかの工数を加えるだけで
量産可能である。
【0032】〔実施例2〕図4に、本発明によるスライ
ダの第2の実施例を示す。図4aは側断面図、図4bは
浮上面側から見た平面図である。本実施例は、図1〜図
3に示した第1の実施例のスライダ中間部分4に緩衝材
8を充填したものである。緩衝材8としてはフッ素系の
ゴムやポリイミド樹脂をはじめとする有機材料、あるい
はこれらの有機材料にガラス繊維やセラミックス粉を混
入したものを用いることができる。この緩衝材8によ
り、スライダ後方部分3が不必要に上下に弾性的自由振
動することがなく、より安定なディスクへの接触追従が
可能となる。
【0033】〔実施例3〕図5に、本発明によるスライ
ダの第3の実施例を示す。本実施例のスライダは図1〜
図3に示した第1の実施例のスライダ前方部分2の上面
に圧電素子10を装着したものである。圧電素子10が
前後方向に伸縮するとスライダ前方部分2が図のように
変形する。磁気記憶装置の停止時や待機時には、図5a
の側断面図に示すようにスライダ前方部分2はディスク
面に向かって凸状になっており、スライダ後方部分3の
ディスク対向面はディスク表面に接触しないように離さ
れている。記録再生を行うときに圧電素子10に所定の
一定電圧を加えると、図5bのようにスライダ前方部分
2の凸形状が平面に近く、あるいは凹形状となり、スラ
イダ後方部分3のディスク対向面がディスク表面に接触
するように保たれる。このように制御することにより、
スライダ後方部分3がディスク9に接触する時間は最小
限に抑えられ、接触部の摩耗が低減でき、磁気記憶装置
の長期間にわたる安全性が確保される。
【0034】ここで述べた制御は、スライダ後方部分3
をディスク表面に追従させる常時フィードバック制御を
意味するのではなく、図5a及び図5bに示す2つの形
状を切り替えるためのオンオフ制御を意味している。ス
ライダ後方部分3のディスク表面への追従性は、あくま
でスライダ後方部分3のディスクへの接触とスライダ中
間部分4の弾性、及びスライダ前方部分2の浮上安定性
により達成される。ここに述べた変形機構は、スライダ
全体をPZTやBaTiO3などの圧電材料で形成し、
スライダ前方部分2のみの左右側面に電極を構成するな
どして達成してもよい。また、圧電素子の代わりに電歪
素子や磁歪素子を用いても同様の機能を達成することが
できる。
【0035】〔実施例4〕図6に、本発明によるスライ
ダの第4の実施例を示す。本実施例のスライダは、前記
第3の実施例で示した圧電素子10をスライダ前方部分
2の上面全面に形成するものである。圧電素子10の上
下面又は左右側面には電圧印加用の電極が形成され、リ
ード線等が接合されている。このような圧電素子及び電
極の形成はスパッタリング等により容易に行え、前記第
3の実施例とほぼ同等の機能が得られる。図6aは磁気
記憶装置の停止時及び待機時の状態を示し、図6bは記
録、再生又は消去時の状態を示す。
【0036】ここで一括生産のためスライダの前方から
後方にかけての上面全体に圧電素子10及びこれを駆動
する電極面を形成し、その後スライダ中間部分4の厚さ
を減じる加工等を施し、図6のような形状を作成しても
よい。この際スライダ後方部分3の上面にも圧電素子1
0が形成されてもよく、この部分の電極への電圧印加手
段を除いておけばよい。
【0037】〔実施例5〕図7に、本発明によるスライ
ダの第5の実施例を示す。図7aはスライダの側断面
図、図7bは浮上面側から見た平面図である。この実施
例ではスライダ中間部分4は、厚さと同時に幅も減じる
ように形成されている。このような形状を採用すること
によりスライダ中間部分4の柔軟性をより高めて、接触
力を低減することができる。
【0038】〔実施例6〕図8に、本発明によるスライ
ダの第6の実施例を示す。図8aはスライダの側断面
図、図8bは浮上面側から見た平面図である。この実施
例ではスライダ中間部分4は、厚さと同時に幅も減じる
ように形成され、さらにスライダ後方部分3の幅がスラ
イダ中間部分4の幅とほぼ同等に小さく形成されてい
る。この形状によりスライダ中間部分4の柔軟性はより
高められ、またスライダ後方部分3の慣性も低減できる
ため、接触力を低減でき、ディスクへの追従性を高める
ことができる。
【0039】〔実施例7〕図9に、本発明による磁気ヘ
ッドスライダの第7の実施例を示す。図9aはスライダ
の側断面図、図9bは浮上面側から見た平面図である。
この実施例は水平型磁気ヘッド17を用いる。水平型磁
気ヘッド17とは、磁極やコイルがディスクと平行な面
に沿って形成される磁気ヘッドをさす。このような形状
の磁気ヘッドを用いればスライダ全体の厚さを非常に薄
くできる。スライダ前方部分2及びスライダ後方部分3
の剛性は、上部にスライダ前方厚さ付加部分15及びス
ライダ後方厚さ付加部分16をスパッタリング等により
形成することにより確保する。これにより、これらの部
分の不必要な変形を防止し、機械加工を極力なくして今
までの実施例と同等の効果を達成できる。なお、スライ
ダ前方厚さ付加部分15を圧電材料で形成すると、実施
例4で述べた湾曲機構も同時に得ることができる。
【0040】〔実施例8〕図10に、同じく水平型磁気
ヘッド17を用いた本発明の磁気ヘッドスライダの他の
実施例を示す。図10aはスライダの側断面図、図10
bは浮上面側から見た平面図である。本実施例ではスラ
イダ中間部分4は、厚さと同時に幅も減じるように形成
され、さらにスライダ後方部分3の幅がスライダ中間部
分4の幅とほぼ同等に小さく形成されている。スライダ
前方部分2及びスライダ後方部分3の剛性は、前記実施
例9と同様に、上部にスライダ前方厚さ付加部分15及
びスライダ後方厚さ付加部分16をスパッタリング等に
より形成することにより確保される。この形状によりス
ライダ中間部分4の柔軟性はより高められ、またスライ
ダ後方部分3の慣性も低減できるため、接触力を低減で
き、ディスクへの追従性を高めることができる。
【0041】〔実施例9〕図11に、本発明による磁気
ヘッドスライダの他の実施例を示す。図11aはスライ
ダの側断面図、図11bは浮上面側から見た平面図であ
る。本実施例ではスライダ中間部分4は、スライダ上面
からだけでなくディスク対向面側からも厚さを減じるた
めの加工が施される。この形状によりスライダ中間部分
4の柔軟性はより高められ、接触力を低減できる。
【0042】〔実施例10〕図12は、本発明による磁
気ヘッドスライダの他の実施例を示している。図12a
はスライダの側断面図、図12bは浮上面側から見た平
面図である。本実施例ではスライダ中間部分4は、ディ
スク対向面側から厚さを減じるための加工が施される。
このような形状によるとスライダ中間部分4の上面は前
後の面とほぼ同一平面となるので、磁気ヘッド部からの
リード線をスライダ上面にプリント配線したり、柔軟性
のある配線シートを装着する場合に好都合である。
【0043】〔実施例11〕図13及び図14は、浮上
面の形状が異なる本発明の磁気ヘッドスライダの実施例
を示している。図13は、正圧発生レール6をスライダ
後端から離れた1対のサイドレールと、その間に配置し
た1本のセンターレールで構成した実施例を示し、図1
3a及び図13bはその側断面図及び浮上面側からみた
平面図である。図14は、サイドレール及びセンターレ
ールの形状が異なる実施例を示し、図14a及び図14
bはその側断面図及び浮上面側からみた平面図である。
これらの実施例は、負圧領域を伴わない正圧発生レール
6を使用する例である。
【0044】このように、流体力学的に浮上するスライ
ダ前方部分2のディスク対向面の形状は、この部分の浮
上量が数十nm程度の変動に抑えられていればよいの
で、従来ほど厳しい形状の制限はなく、加工性を重視し
たレール6の形状選択が可能となる。
【0045】〔実施例12〕図16に示すような磁気抵
抗効果型ヘッド部を搭載した、上記実施例のスライダを
有する磁気ヘッドを、図15に示すように複数の磁気デ
ィスク9を備え磁気ヘッド5がリニアアクチュエータに
よってディクス半径方向に移動するタイプの磁気記憶装
置に組み込むことで、高密度の記憶装置を製作した。磁
気抵抗効果型複合ヘッドは、図16に示すように、記録
は従来のようなコア13とコイル14からなる誘導型の
磁気ヘッド素子で行い、再生は磁気抵抗効果膜11の電
気抵抗がこの膜を貫く磁束の強さにより変化する性質を
利用して電極12から信号を取り出して行うものであ
る。ここで磁気ディスクとしては、磁性膜上に20nm
のカーボン保護膜を形成し、このカーボン層にエッチン
グにより凹凸形状を形成し、この凸部がディスクの最内
周位置で約2μmのピッチで、外周に向かって放射状に
連続して伸びる形状のものを用いた。
【0046】本発明の上記実施例のスライダによれば、
磁気ヘッド磁極部付近がディスク表面に接触しつつ相対
運動するため、スペーシングは磁気ヘッド磁極部付近と
ディスク表面の形状に依存し、ディスクの周速度に依存
しないので、ディスクの内周から外周にわたってスペー
シングをほぼ一定に保つことが可能である。したがって
本発明により再生出力に関し周速依存性のない磁気抵抗
効果型ヘッドの性能を最大限に生かすことができる。
【0047】〔実施例13〕前記実施例で述べた本発明
の磁気ヘッドスライダを用いて、図17に示す複数ゾー
ン記録方式の装置を作成した。本発明のスライダを有
し、トラック幅3μmの磁気抵抗素子を有する磁気ヘッ
ドを、中心線平均面粗さ2nmで表面に膜厚5nmの極
性潤滑剤層を有し、膜厚20nmの水素含有カーボン及
び膜厚10nmのCo80−Cr16−Ta4を2nmのC
r中間層を介して2層積層した磁性層、及び膜厚50n
mのCr下地層を有する磁気記録媒体と組み合わせるこ
とで、600Mb/inch2の高密度記録が実現でき
た。
【0048】複数ゾーン記録方式では、内周ゾーンより
外周ゾーンのセクタ数を増やすことにより、磁気ディス
ク9の内周から外周にわたる全領域をほぼ同じ記録密度
とするので、図18に示す従来記録方式のようなディス
ク内周に比べディスク外周の浮上量がかなり大きくても
外周での記録再生ができるという設計を採用できない。
しかし、本発明の磁気ヘッドスライダによればディスク
の内周から外周にわたってスペーシングをほぼ一定に保
つことができるので、複数ゾーン記録方式の性能を最大
限に生かすことが可能になる。
【0049】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明がこれらの実施例に限られるわけではない。ま
た、本発明は、ある特定のスペーシング範囲に限定する
ものでもなく、スライダの全体の大きさに特に制限を設
けるものでもない。
【0050】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドスライダによれば、
安全な接触記録を達成できるため、磁気ディスク表面と
磁気ヘッド磁極とのすき間を微小かつ一定に安定に保つ
と同時に、さまざまな製造上及び組み立て上の誤差に起
因するスペーシングの変化を大幅に低減し、高記録密度
の磁気記憶装置を構成することができる。しかもこれが
非常に簡素な構成で実現できる効果がある。さらに本発
明のスライダを磁気抵抗効果ヘッド及び複数ゾーン記録
方式と組み合わせて装置を構成することにより、磁気記
憶装置の記録密度及び記憶容量を大きく向上させる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッドスライダの第1の実施
例の斜視図。
【図2】図1の磁気ヘッドスライダの稼働状態を模式的
に示す側断面図。
【図3】図1の磁気ヘッドスライダの側断面図及び浮上
面側から見た平面図。
【図4】本発明による磁気ヘッドスライダの第2の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図5】本発明による磁気ヘッドスライダの第3の実施
例の2つの状態を示す側断面図。
【図6】本発明による磁気ヘッドスライダの第4の実施
例の2つの状態を示す側断面図。
【図7】本発明による磁気ヘッドスライダの第5の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図8】本発明による磁気ヘッドスライダの第6の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図9】本発明による磁気ヘッドスライダの第7の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図10】本発明による磁気ヘッドスライダの他の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図11】本発明による磁気ヘッドスライダの他の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図12】本発明による磁気ヘッドスライダの他の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図13】本発明による磁気ヘッドスライダの他の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図14】本発明による磁気ヘッドスライダの他の実施
例の側断面図及び浮上面側から見た平面図。
【図15】リニアアクチュエータ型磁気記憶装置の斜視
図。
【図16】磁気抵抗効果型ヘッドの素子部の概略を示す
斜視図。
【図17】複数ゾーン記録方式を概念的に示す斜視図。
【図18】従来記録方式を概念的に示す斜視図。
【符号の説明】
1…スライダ、2…スライダ前方部分、3…スライダ後
方部分、4…スライダ中間部分、5…磁気ヘッド、6…
レール、7…サスペンション、8…緩衝材、9…磁気デ
ィスク、10…圧電素子、11…磁気抵抗効果膜、12
…電極、13…コア、14…コイル、15…スライダ前
方厚さ付加部分、16…スライダ後方厚さ付加部分、1
7…水平型磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 芳彦 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 中川 宣雄 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 徳山 幹夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 中村 滋男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 飯田 彰 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク表面に対して流体力学的に
    浮上させるための機構を下面に有し上面に荷重を負荷し
    アクセス動作を伝達するためのサスペンションが接合さ
    れた前方部分と、磁気ヘッドを保持する後方部分と、前
    記前方部分と前記後方部分とを接続する中間部分とを同
    一材料により一体的に形成した磁気ヘッドスライダであ
    って、 前記中間部分は磁気ディスク面に対する垂直方向の弾性
    係数が他の部分より小さくなるように形成したことを特
    徴とする磁気ヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】 前記中間部分は、幅及び/又は厚さを前
    方部分及び後方部分より減少して形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】 前記中間部分は、上面側に凹部を形成す
    ることによって厚さが前記前方部分及び前記後方部分よ
    り減少して形成されていることを特徴とする請求項2記
    載の磁気ヘッドスライダ。
  4. 【請求項4】 前記流体力学的に浮上させるための機構
    は正圧発生レール部又は負圧領域を伴った正圧発生レー
    ル部を含み、前記後方部分は前記正圧発生レールと実質
    的に同一面をなした磁気ディスク表面に近接又は接触す
    るレールを下面に有し、前記磁気ヘッドは該レールの最
    後端部付近に設けられていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の磁気ヘッドスライダ。
  5. 【請求項5】 前記中間部の下面は、前記正圧発生レー
    ル部と前記磁気ディスク表面に近接又は接触するレール
    を実質的に同一面をなしつつつなげる連結レールを備え
    ることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドスライ
    ダ。
  6. 【請求項6】 前記前方部分を固定端とみなしたときの
    前記後方部分の磁気ディスク面に対する垂直方向のバネ
    定数が、前記前方部分が磁気ディスクに対して浮上して
    形成される流体膜剛性によって生じる、前記前方部分と
    前記中間部分との境界点の磁気ディスク面に対する垂直
    方向のバネ定数の2分の1以下、20分の1以上である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の磁
    気ヘッドスライダ。
  7. 【請求項7】 前記中間部の幅及び/又は厚さが減少し
    た個所に緩衝材を埋め込んだことを特徴とする請求項2
    〜6のいずれか1項記載の磁気ヘッドスライダ。
  8. 【請求項8】 前記緩衝材は有機材料又は有機材料に無
    機材料を混入したものであることを特徴とする請求項7
    記載の磁気ヘッドスライダ。
  9. 【請求項9】 前記前方部分を磁気ディスク走行方向に
    対して湾曲させる手段を備えることを特徴とする請求項
    1〜8記載の磁気ヘッドスライダ。
  10. 【請求項10】 前記湾曲させる手段は、少なくとも前
    記前方部分の一部に設けた圧電素子、電歪素子又は磁歪
    素子を含むことを特徴とする請求項9記載の磁気ヘッド
    スライダ。
  11. 【請求項11】 前記前方部分は磁気ディスク走行方向
    に関し湾曲し、磁気ディスクに対し微小に凸形状となっ
    ていることを特徴とする請求項9又は10記載の磁気ヘ
    ッドスライダ。
  12. 【請求項12】 前記磁気ヘッドは磁気抵抗効果型ヘッ
    ドであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1
    項記載の磁気ヘッドスライダ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    磁気ヘッドスライダを備え、前記磁気ヘッドスライダ後
    方部分の磁気ヘッド磁極部が、磁気ディスクの磁性層表
    面、磁性層保護膜表面又は潤滑層表面に近接又は接触し
    つつ磁気ディスクと相対運動し、磁気記録、再生又は消
    去を行うことを特徴とする磁気記憶装置。
  14. 【請求項14】 請求項9〜12のいずれか1項記載の
    磁気ヘッドスライダを備え、磁気ディスクの回転停止
    時、回転停止状態から回転を開始して所定の回転速度に
    達するまでの間、及び磁気記憶装置の動作状態から停止
    状態に至る間の所定の回転速度から停止までの間、前記
    磁気ヘッドスライダ前方部分の磁気ディスク走行方向の
    磁気ディスクに向かっての凸状湾曲量が大きくなるよう
    に制御され、磁気ヘッドの磁極部が磁気ディスク表面か
    ら離れるように保たれることを特徴とする磁気記憶装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項9〜12のいずれか1項記載の
    磁気ヘッドスライダを備え、装置停止状態では前記磁気
    ヘッドスライダ前方部分の磁気ディスク走行方向の形状
    が磁気ディスクに向かって凸状になるように制御され、
    磁気ディスクの回転起動後所定の回転速度に達したとき
    以降、及び磁気記憶装置の動作状態から停止状態に至る
    間の所定の回転速度に至る以前では、前記磁気ヘッドス
    ライダ前方部分の磁気ディスク走行方向の磁気ディスク
    に向かっての凸状湾曲量が小さくなるように制御され、
    磁気ヘッドの磁極部がディスク媒体表面に近接浮上又は
    接触するように保たれることを特徴とする磁気記憶装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項9〜12のいずれか1項記載の
    磁気ヘッドスライダを用い、装置停止状態及び装置待機
    状態では前記磁気ヘッドスライダ前方部分の磁気ディス
    ク走行方向の形状が磁気ディスク媒体に向かって凸状に
    制御され、磁気ヘッドが記録情報をディスク上に記録、
    再生又は消去を行う間、及びその前後に所定の時間を加
    えた間は、前記磁気ヘッドスライダ前方部分の磁気ディ
    スク走行方向の磁気ディスク媒体に向かっての凸状湾曲
    量が小さくなるように制御され、磁気ヘッドの磁極部が
    ディスク表面に近接浮上又は接触するように保たれるこ
    とを特徴とする磁気記憶装置。
  17. 【請求項17】 前記磁気ヘッドスライダ前方部分の磁
    気ディスク走行方向の形状の磁気ディスク媒体に向かっ
    ての凸状湾曲量を変化させる手段が、装置停止状態及び
    装置待機状態には外部からのエネルギを加えずに凸状形
    状を維持し、磁気ヘッドが記録情報をディスク上に記
    録、再生又は消去を行う間、及びその前後に所定の時間
    を加えた間には、外部からエネルギを加えて凸状湾曲量
    を小さくなるよう変形させる手段からなることを特徴と
    する請求項16記載の磁気記憶装置。
  18. 【請求項18】 磁気ディスクの記録再生領域をいくつ
    かのゾーンにわけて、各ゾーンがほぼ等しい記録密度と
    なるように磁気記録及び再生を行うことを特徴とする請
    求項13〜17のいずれか1項記載の磁気記憶装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0736859A2 (en) * 1995-04-07 1996-10-09 Hitachi, Ltd. Slider supporting structure of magnetic disk unit
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