JPH07648U - ショットピーニング装置のノズル案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工部材内面部の狭あい部へのショットピー
ニング作業を可能とし、しかも自動化された作業が可能
となるショットピーニング装置のノズル案内装置を提供
することを目的とする。 【構成】 加工部材内部の狭あい部をショットピーニン
グエリアとする場合に、ショットが噴射される噴射ノズ
ルを該ショットピーニングエリアに対向するように案内
するショットピーニング装置のノズル案内装置である。
加工部材１は、ターンテーブル３上に回転自在に載置さ
れている。また、ショットは、ショット供給部５から加
工部材１内部まで延在する供給配管６に所定流速で供給
されてきている。また、供給配管５の先端には、噴射ノ
ズル９をショットピーニングエリアの所定方向に向ける
ノズル部８が連結されている。また、供給配管６は水平
位置調整装置１０により水平方向の位置調整が自動的に
行われるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ショットピーニングエリアが加工部材の内面部である場合に好適な ショットピーニング装置のノズル案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ショットピーニング装置は、金属加工部材の表面に金属粒のショットを高速で 打ち付けることにより、その表面に内部圧縮応力（加工硬化）を与えて引張強度 、曲げ強度等の機械的性質を向上させるための一種の冷間加工装置である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、現在まで開発されているショットピーニング装置は、金属加工部材 の外周表面にショットを噴射するための装置である。そのため、例えば、ジェッ トエンジンのコンプレッサーのローター・スプールのハブ表面のように、加工部 材の狭あい部に対してショットピーニング作業を行うことは困難であり、しかも 自動化された装置自体も開発されていないのが現状であった。

【０００４】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、加工部材内面部の狭あい部への ショットピーニング作業を可能とし、しかも自動化された作業が可能となるショ ットピーニング装置のノズル案内装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のショットピーニング装置のノズル案内装置は、加工部材内部の狭あい 部をショットピーニングエリアとする場合に、ショットが噴射される噴射ノズル を該ショットピーニングエリアに対向するように案内するショットピーニング装 置のノズル案内装置であって、加工部材を回転自在に載置させるターンテーブル と、ショット供給部から加工部材内部まで延在して所定流速のショットを供給す る供給配管と、供給配管の先端に連結されて噴射ノズルをショットピーニングエ リアの所定方向に向けるノズル部と、供給配管の水平方向の位置調整を自動的に 行うノズル水平位置調整装置と具備してなることを特徴とする装置である。

【０００６】

【作用】

本考案のショットピーニング装置のノズル案内装置によれば、ノズル水平位置 調整装置の操作により、噴射ノズルはショットピーニングエリアの一部に向けら れる。そして、ショット供給部から供給されてきたショットは、供給配管を介し て噴射ノズルから該エリアの一部を打ち付けて内部圧縮応力を付与していく。ま た、ターンテーブルを所定範囲回転させていくことにより、ショットピーニング エリア全域にショットが打ち付けられていき、ショットピーニング作業が完了す る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案のショットピーニング装置のノズル案内装置の一実施例について 、図１を参照して説明する。 図中符号１で示すものは、ジェットエンジンのコンプレッサーのローター・ス プール（加工部材）である。このローター・スプール１の内部には、ハブ２…が 取り付けられており、これらハブ２…の上面２ａ、下面２ｂ（狭あい部）がショ ットピーニングエリアとされている。

【０００８】 前記ローター・スプール１は、下部にキャスタ３ｂ…を装着した台車３ａの上 に配設されているターンテーブル３の中央位置に、ハブ２…の開口部２ｃを上方 に向けた状態で載置されている。ここで、ターンテーブル３は、駆動モータ４の 駆動により、台車３ａ上で軸回りに回転自在となる。なお、図中符号Ａは、台車 ３ｂの下部との当接により、台車３ａを所定位置に停止させる位置合わせストッ パーである。

【０００９】 ローター・スプール１の開口部２ｃには、ショット供給部５からショットが供 給される供給配管６が鉛直下方に延在している。そして、この供給配管６の基端 部には、エルボ部材７を介して水平方向に延在するノズル部８が連結されている 。

【００１０】 このノズル部８の先端側周面には噴射ノズル９が設けられており、前記ショッ ト供給部５から供給されてきたショットがこの噴射ノズル９から噴射するように なっている。ここで、ノズル部８はエルボ部材７とねじ込み式で連結されており 、ノズル部８自身の軸回りの回転により、噴射ノズル９のショット噴射方向が上 方向若しくは下方向に自在に変化するようになっている。

【００１１】 また、鉛直下方に延在している供給配管６は、ノズル水平位置調整装置１０の 水平バー１１と直交状態で連結している。

【００１２】 ノズル水平位置調整装置１０は、水平バー１１を図で示す矢印Ｂ方向に送るこ とが可能な装置であり、主軸１２ａを軸回転させる回転モータ１２と、ベルト１ ３により伝達された主軸１２ａの軸回転運動を直線運動として水平バー１１に伝 達するボールスクリュ送り機構１４とが備えられている。 なお、供給配管６と水平バー１１との連結部は、手動によって供給配管６が図 で示す矢印Ｃ方向に移動可能となるように摺動自在に連結している。

【００１３】 次に、上記構成の噴射ノズル案内装置を使用したローター・スプール１のハブ ２…へのショットピーニング作業について説明する。なお、本実施例では、ハブ の下面２ｂへのショットピーニング作業を行うため、予め、噴射ノズル９の噴射 方向が上方となるようにノズル部８を回転させておく。

【００１４】 まず、台車３ａのターンテーブル３中央位置に、ローター・スプール１を載置 し、台車３ａを位置合わせストッパーＡと当接して停止させる。これにより、所 定位置にローター・スプール１がセットされる。

【００１５】 次に、ノズル水平位置調整装置１０の操作により水平バー１１を矢印Ｂ方向に 送り、かつ手動によって供給配管６を矢印Ｃ方向の下方に移動させ、ノズル部８ をハブの開口部２ｃ内に位置させる。そして、噴射ノズル９がハブ２の下面２ｂ の一部に対向するように、さらにノズル水平位置調整装置１０の微調整操作及び 供給配管６の移動を行っていく。

【００１６】 そして、ショット供給部５からのショット供給により、噴射ノズル９からショ ットを噴射していく。また、駆動モータ４の駆動によりターンテーブルを所定速 度で回転させていくとともに、ノズル水平位置調整装置１０の操作により水平バ ー１１を所定範囲内で水平移動させていく。これにより、ハブ７の下面２ｂ全域 にショットピーニング作業が行われて、内部圧縮応力が付与される。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のショットピーニング装置の噴射ノズル案内装置 は、例えば、ジェットエンジンのローター・スプールのハブの上下面をショット ピーニングエリアとするような、加工部材の内面部の狭あい部に対して自動的に ショットピーニング作業を行うことができ、かつその狭あい部に確実に内部圧縮 応力を付与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のショットピーニング装置のノズル案内
装置を示す一部断面正面図である。

【符号の説明】

１ ロータ・スプール（加工部材） ２ ハブ ２ａ ハブの上面（狭あい部） ２ｂ ハブの下面（狭あい部） ３ ターンテーブル ５ ショット供給部 ６ 供給配管 ８ ノズル部 ９ 噴射ノズル １０ ノズル水平位置調整装置 １１ 水平バー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工部材内部の狭あい部をショットピー
   ニングエリアとする場合に、ショットが噴射される噴射
   ノズルを該ショットピーニングエリアに対向するように
   案内するショットピーニング装置のノズル案内装置であ
   って、 前記加工部材を回転自在に載置させるターンテーブル
   と、 ショット供給部から加工部材内部まで延在して所定流速
   のショットを供給する供給配管と、 該供給配管の先端に連結されて噴射ノズルをショットピ
   ーニングエリアの所定方向に向けるノズル部と、 前記供給配管の水平方向の位置調整を自動的に行うノズ
   ル水平位置調整装置と具備してなることを特徴とするシ
   ョットピーニング装置のノズル案内装置。