JPH0764753B2 - 肝炎‐b‐ウイルス感染性のない高純度ガンマグロブリンの調製法 - Google Patents

肝炎‐b‐ウイルス感染性のない高純度ガンマグロブリンの調製法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は肝炎−B−ウイルス感染性のない高度に精製さ
れたガンマグロブリンの調製法に関する。
多数の医療条件は、ガンマグロブリンの注射による処置
を必要とする。ガンマグロブリンの調製の仕方は、特に
ウイルス性肝炎にかかる機会を除くために、非常に重要
である。ウイルス性肝炎は良くても衰弱させる病気であ
り悪ければ死を招くものである。従つてこのウイルスに
よるあらゆる注射用製品の汚染の機会を除去するところ
の進歩はすべて非常に重要である。
肝炎Bウイルスは世界中でおよそ2億人の人を感染させ
ると見こまれている。ガンマグロブリン製造のための基
本的材料は屡々人間から得られる血漿であるから、汚染
されたまたは感染された血漿を取得する機会は、慢性的
にそして急性的に感染している人の数が相当大きいとい
う見地からして、可成り存在する。そのような人から感
染した血漿は単に異なる量のウイルス粒子を含むばかり
ではなく、異なる大きさ及び形状の粒子を含有するであ
ろう。最も普通の形は平均直径22nmを有する球状粒子で
ある。これら球状粒子はDNAを欠きそしてウイルスの自
由な外被をあらわす。その次に普通の形は42nmのデーン
(Dane)粒子であり、これはウイルス粒子をあらわしそ
して外被とDNA分子を含む27nmのヌクレオカプシドとか
ら成つている。遊離のヌクレオカプシドは感染した肝臓
細胞の核の中に認められるが、一般に血漿中には見出さ
れない。感染した肝臓細胞は過剰量の外被を合成するこ
とが見出されており、これは体内を通じ循環しているの
が見出される。ウイルス粒子の種々異なる成分に従つて
異なる免疫学的マーカーが特性されている。例えばコア
と関連して抗原は普通HBcAgと標記されそして“e"抗原
はHBeAgと標記される。しかし肝炎Bウイルス感染の検
出に最も普通に使用される抗原は表面抗原HBsAgであ
る。肝炎ウイルス粒子の構造及び発生論的機構はチオレ
イ(Tiollais)らの論文、ビオロジー・オブ・ヘパテイ
テイスBウイルス,サイエンス(Biology of Hepatitis
B Virus, Science), Vol. 213,406〜411(1981年7
月)の中に論評されている。更にオーストラリア抗原と
持続性または慢性肝炎との関連に関する検討はブランベ
ルグ(Blumberg)らによる論文、オーストラリア抗原と
肝炎、C.R.C.モノトピツク・シーリーズ、C.R.C.出版
社、クリーブランド、オハイオ(Australia Antigen an
d Hepatitis, C.R.C. Monotopic Series, C.R.C. Pres
s, Cleaveland, Ohio)(1982)の中で得ることができ
る。肝炎B表面抗原と肝炎ウイルス感染性との密接な関
係はブランベルグにより同上文献第14頁に検討されてい
る。
歴史的に、肝炎型ウイルス感染のテスト及び同定のため
の多くの試験が行なわれてきておりそしてそれらは一様
に肝炎に関連する抗原またはそれに特有の抗体の発見に
向けられている。これらの試験は一般に、U.S.ビユーロ
ー・オブ・ビオロジツクス(Bureau of Biologics)か
ら得られる弱陽性HBsAgの参照パネル試料の検出におけ
る感度に依存して第一、第二または第三世代テストとし
て特徴づけられる。現今、得られる最も感度の高いテス
トは第三世代範ちゆうのものであり、それらはラジオイ
ムノアツセイ、酵素結合した免疫学的吸収剤検定(enzy
me linked immunosorbent assay)、逆受動赤血球凝集
反応及び逆受動ラテツクス凝集テストを包含する。HBsA
gに対する典型的第三世代免疫学的検定は血清1ml当り概
略109の粒子を検出するであろう。あいにく、検出され
るべき主な粒子は非伝染性の22nm球状形態である。血清
間で伝染性デーン粒子の数及び非感染性構造の数の相当
な変動があることは知られている。それ故、血清は免疫
学的検定には陽性でありそれでもなお非感染性である点
を相当超えて希釈することができる。ジヤーナル・オブ
・インフエクシヤス・デイジーズ(J. Infec. Dis.)13
2:451〜459(1975)におけるバーカー(Barker)らによ
る論文“チンパンジーへの肝炎Bウイルス感染、亜類型
の滴定”(“Hepatitis B virus infection in Chimpan
zees, Titration of subtypes")参照。かくして、現在
得られる最も高感度のテストによる陰性の結果をもつて
しても試料の非感染性を確かめることはならないことが
容易に明らかとなる。従つて、潜在的に感染している血
漿源から注射しうる免疫グロブリンの注射可能な試薬を
製造する方法は最大の重要事になる;なぜなら如何なる
製造方法も理想的に実質的にすべての感染性ウイルス粒
子を除去しまたは破壊することができなければならない
からである。現在では、チンパンジーの生体実験だけが
任意の特定試料の非感染性を確かめるのに十分な感度を
もつている。そのような実験の費用及び諸要求はそれら
を通常の使用に供することを阻止する。ビアスら編、肝
炎ウイルスの第11章、ザ・フランクリン・インスチチユ
ート・プレス,フイラデルフイア,ペンシルバニア(Ch
apter 11 of Viral Hepatitis, Ed. Vyas et al., The
Franklin Institute Press, Philadelphia, PA)(197
8)中のゲイテイ(Gerety)らによる論文“HBに関連し
た抗原及び抗体のための試験”(“The Test for HB−A
sscciated Antigens and Antibodies")参照。
現在、FDA及びビユーロー・オブ・ビオロジツクスによ
りその使用が承認されている注射しうる免疫グロブリン
材料はすべて、ハーバードのE.コーン博士(Dr. E. Coh
n of Harvard)によつて1940年代に開発されそしてコー
ンら、ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
ウエテイー(J. Am. Chem. Soc.),68,459(1946)に記
載されているアルコール分画方法によつて生産されてき
ている。現在得られる最も高感度のテストにより検定さ
れた肝炎感染性に陰性の血漿を注意深く選定することと
組合せたこの方法は、米国政府がこの方法による調剤だ
けを安全として許す裁定をして以外長い期間(即ち1970
年代以来)使用されてきている。この方法によつて生産
された製品が事実安全であることは製品の幾百万の感染
しなかつた受血者により確証されている。不幸なことに
は、コーン方法に関連する“数”の好都合な外見にも拘
らず、なおコーン法は完全な非感染性を保証するもので
はないということを示す、偶発的の問題は発生する。コ
ーン法に見られる人間用の安全なガンマグロブリン製品
製造の成功にも拘らず、多くの研究者が工程段階が少な
く、穏和な条件で、高収量を与えそして凝集体の存在を
排除した代替方法を見出す試みをしてきた。凝集体の存
在は現行製品を筋肉注射用だけに制限する。またコーン
法は固有の低収量に基づき大量の血漿を必要とする不利
もある。血漿は高価であるばかりではなく、限られた量
の供給しか存在しない。
本発明の一目的はコーンらにより開発された方法よりも
一層有効な方法で血漿から肝炎Bウイルス感染性が安全
に除去される方法を提供することである。また得られる
ガンマグロブリン生成物は筋肉注射または静脈注射のい
ずれに用いても安全のものである。
人間の血清からガンマグロブリンを分離する常用のいく
つかの方法は、バウムスタルク(Baumstark)らにより
“人間の血清より7Sガンマグロブリンを分離するための
調製法”、アーカイブス・オブ・ビオケミストリー・ア
ンド・ビオフイジツクス(“A Preparative Method For
The Separation Of 7S Gamma Globulin From Human Se
rum", Archives of Biochemistry and Biophysics),10
8,514〜522(1964)の中に、及びエー・ジエー・ウエブ
(A.J.Webb)により“人間の血清よりIgGを分離するた
めの30分間調製法”、ボツクス・サング(A 30−Minute
Preparative Method For Isolation Of IgG From Huma
n Serum", Vox Sang),23:279〜290(1972)の中に詳し
く記載されている。これら二つの論文はいずれも、他の
多数の汚染蛋白質を含有する血清から各種のガンマグロ
ブリンクラスを分離し選択することに多く関連している
けれども、これらの論文は元の血清試料から汚染蛋白質
及び材料を除去することを取扱つているものである。両
者はDEAE−セフアデツクス(DEAE−Sephadex)カラムク
ロマトグラフイー材料とホスフエート緩衝液溶離剤を使
用している。両研究者は汚染蛋白質の除去に関する限り
においては或る程度の成功に到達した。しかしながら、
両者は安全で注射しうる試薬を提供するために汚染肝炎
ウイルス粒子を除去する問題を取扱うことはしなかつ
た。
本発明のもう一つの目的は、汚染肝炎ウイルス粒子の除
去において常用の方法よりも有効である二重のクロマト
グラフイーカラム樹脂/緩衝液の組合せを用いる方法を
提供することである。
スタンウオース(Stanworth)により論文“純血清ガン
マグロブリンの迅速調製法",ネーチユア(“A Rapid Me
thod Of Preparing Pure Serum Gamma Globulin", Natu
re),188,156〜157(1960)の中に記載されている他の
方法は、高分子量の蛋白質を除くため透析された人間の
血清から蛋白質を除去するのにジエチルアミノエチルセ
ルロースのアニオン交換樹脂を使用することを包含して
いる;しかしこの記載された方法は肝炎ウイルス汚染物
に対する効果に関しては考慮しておらずそしてまた注射
しうる試薬を提供することにも失敗しており、これらの
ことはいずれも本発明の目的なのである。
コンデイー(Condie)は米国特許第4,136,094号“静脈
注射用人間及び動物ガンマグロブリンの調製及びアルブ
ミンの単離”(“Peparation of Intravenous Human an
d Animal Gamma Globulins And Isolation Of Albumi
n")の中で、静脈注射投与に安全であると主張するガン
マグロブリンを取得するための別の方法を記載してい
る。コンデイー法は三つの操作、即ち煙霧化コロイド状
シリカを用いる処理による血漿の安定化、イオン交換樹
脂からガンマグロブリン及びアルブミンの単離及び溶
離、及び最後に濃縮透析及び殺菌過、を包含してい
る。煙霧化コロイゾ状シリカの操作段階は血漿中に存在
する肝炎関連の抗原ならびに多数の蛋白質分解酵素及び
その前駆体を除去するために行なわれる。コロイド状シ
リカで処理された材料はラジオイムノアツセイによつて
肝炎関連抗原の存在が試験された。試験された材料は陰
性であり、50人を超える患者に対する多量(30g以上)
の静脈内投与は肝炎ウイルスの通過もいずれもその形跡
を示さず、肝炎を発生しなかつた。しかし注意すべきこ
とは、既述した如く、現今利用できるラジオイムノアツ
セイは試験された試料が肝炎感染性をもつていないとい
う確証を与えないことである。その他にもつと試験をし
なければ、そのような材料は限定された臨床的研究に要
求される使用を超えて広く使用することは米国政府によ
つて承認されないであろう。またコンデイー法において
は、作業者にとつてシリカ煙霧に曝露されることに基づ
く潜在的健康障害が存在するということも注意されなけ
ればならない。本発明はそのような曝露を回避する。
本発明のなお別の目的は、煙霧化コロイド状シリカを必
要とせず、血漿及び肝炎関連抗原から免疫グロブリンを
単離するための著しく簡単で有効な操作法を提供するこ
とである。
胎児または新生児の溶血性疾患の処置はむしろ標準化さ
れてきており、人体起源のRho(D)免疫グロブリンの
注射により母を処置することによつて達成される。その
ような製品は、本件譲受人から入手しうるRhoGAMであ
り、これは免疫されていないRho(D)陰性の母が、赤
血球上に存在し及びRho(D)陽性の幼児から出産時
“受取られた"Rho(D)抗原に応答することを防止する
ことによつて働く。即ち出産時母によるアンチ−Rho
(アンチ−D)の生成を防止することにより、その後の
この母のRho(D)陽性の幼児は新生児溶血疾患から防
護される。この成功的な製品は現在コーンのアルコール
分画型の方法で生産されているけれども、幾人かの研究
者は同様の材料を製造する代替法を用いそれによつて経
済的にもつと有利な製品を提供しそして大量の血漿の必
要量を低減することを試みた。そのような研究努力は、
ホツペ(Hoppe)らにより“イオン交換クロマトグラフ
イーによる静脈内適用のためのIgGアンチ−RhのRh免疫
修飾された産生の防止、ボツクス・サング(Prevention
of Rh Immunization Modified Production of IgG Ant
i−Rh For Intravenous Application By Ion Exchange
Chromatography", Vox Sang),25:308〜316(1973)中
に、フリーセン(Friesen)らにより“静脈内使用のた
めのRh免疫グロブリンのカラムイオン交換調製法及び特
性づけ",ジヤーナル・オブ・アプライド・ビオケミスト
リー(“Column Ion−Exchange Preparation and Chara
cterization of an Rh Immune Globulin for Intraveno
us Use", Journal of Applied Biochemistry),3,164〜
175(1981)中に、そしてワルシユ,T.J.及びオリオルダ
ン,J.P.(Walsh,T.J. and O′Riordan)により“静脈用
アンチ−D免疫グロブリンの製造及び臨床的使用の検
討",アイリツシユ・メデイカル・ジヤーナル(“A revi
ew of the production and clinical use of intraveno
us Anti−D immunoglobulin", Irish Med. J.),75,232
〜244(1982)中に報告された。
ドイツのホツペ、カナダのフリーセン及びアイルランド
のオリオルダンは皆DEAE−セフアデツクスのクロマトグ
ラフイーカラムをホスフエート緩衝液溶離剤と組合せて
使用している。ホツペのアンチ−D含有血漿の源は少く
とも6ケ月のHBsAg実験室試験を通過した有志者からの
ものであり、血漿は当座の間貯蔵された。かくして、ホ
ツペは比較的安全な非感染性の血漿を使用して出発して
いる。ホツペの実験室ではこれらの樹脂に対するHBsAg
の親和性を確かめるための鑑別実験が行なわれた。我々
の知るところによれば、感染性除去を確かめる動物安全
実験は何もなされなかつた。ホツペの関心は凝集した物
質の除去及び比較的高い抗体濃度を有する、破砕されな
かつた免疫電気泳動的に純粋なIgGの単離に向けられ
た。フライセン(Freisen)刊行物はカナダで使用する
ための静脈用RhIgGの開発用にホツペの方法に加えた修
正に関する報告である。ホツペがしたように、フライセ
ンは陽性を試験するいかなる供与者も除去するためHBsA
Gに対してRh血漿の各単位を試験した。フライセンはア
ボツト・ラボラトリース(Abbott Laboratories)、ノ
ースシカゴ、イリノイからのラヂオイムノアツセイ用具
(オーストラリアII用具)を使用した。この試験は最も
感度の高いものの一つとして今でも認められており、そ
してまた後記する発明の開発にも使用された。フライセ
ンは臨床的試行の結果DEAE−セフアデツクス樹脂/ホス
フエート緩衝液の組合せを用いてつくられた材料がRh免
疫の防止のために有効であり完全であることを報告し
た。しかしフライセンは、肝炎Bウイルス感染性を血漿
試料から除去するためのDEAE−セフアデツクス/ホスフ
エート緩衝液の組合せの有効性を検定するための追加的
試験は何ら報告していない。このことは、少くとも米国
政府の見解からすれば、特に重要なことであり、そのわ
けは供与者血漿試料の鑑別に用いられるラヂオイムノア
ツセイ試験は、なお感染性でありうる二けたまたは三け
た低い大きさの濃度のHBsAG粒子を検出することが不可
能であるからである。米国政府がイオン交換方式による
注射用免疫グロブリンの製造を許可することに著しく制
限的であつたことは、このような方法でつくられた試薬
の潜在的感染性に対する懸念からである。
本発明の一目的は肝炎Bウイルス感染性を除去する能力
が今までの研究者によつて使用されたものよりもすぐれ
ている樹脂/緩衝液の系を提供することである。
米国特許第4,434,093号中に、ゾルトン(Zolton)らは
人間の血清から実質的にHBsAgを含まない人間のガンマ
グロブリンを製造する方法を記述している。肝炎B型ウ
イルス感染性と密接に関連していると考えられるHBsAg
を有効に除去しうる単一のカラムの“軟質(soft)”イ
オン交換A−50型樹脂/緩衝液の系が特定的に供給され
ている。しかしながら、米国特許第4,434,093号で用い
られている“軟質”樹脂は大量の血漿を取扱うには便利
でなく、“スケールアツプ”(“scale−up")の困難を
生じる。その上、有効にHBsAgを除去するために唯単一
のカラムが使用されるという事実に基づき、適用試料1m
l当りのA−50樹脂の割合は、表面抗原の十分な除去を
確実ならしめるには160mg/mlより小さくないことが要求
される。用いられる樹脂は非常に高価であり、そしてこ
のことは、安全性の理由からそのような樹脂は好ましく
は新鮮なものであつて一回毎の試用後には廃棄されるべ
きであるという事実によつて倍加される。
本発明の一目的は大規模操業に良く適合する二重カラム
の樹脂/緩衝液系を提供することである。
本発明の主旨及び目的に従い、最も好ましくは第三世代
HBsAgテストにより正当に鑑別されたガンマグロブリン
含有体液から実質的にすべての肝炎Bウイルス感染性を
除去する方法が提供される。このような体液はその上最
も好ましくは透析または希釈によつて、後続カラムの操
作条件(pH及び電導性)に適合するように調整される。
抗原の除去は体液を第一及び第二のカラムに順次適用す
ることによつて行なわれる。第一カラムはDEAE−セフア
ロースCL−6B、DEAE−セフアロースCL−6B(高速流)、
DEAE−スフエロデツクスまたはDEAEビオ−ゲル(高容
量)より成る硬質樹脂の有効量を含有し、そして該第二
カラムはDEAE−セフアデツクスまたはQAE−セフアデツ
クスより成る非硬質樹脂の有効量を含有する。次に体液
は第一カラム手段から、pHを少くとも7.0に調整した緩
衝液を用いて溶離される;該緩衝液は、もし該第二カラ
ム手段のためにえらばれた樹脂がQAE−セフアデツクス
であるならば、概略0.02Mのホスフエート緩衝液より成
り、または該緩衝液は、もし該第二カラム手段のために
えらばれた樹脂がDEAE−セフアデツクスまたはQAE−セ
フアデツクスであるならば、概略0.04Mのトリス(Tri
s)緩衝液、概略0.05Mのイミダゾール緩衝液、または概
略0.035Mの燐酸ナトリウム〔Na2HPO4〕−クエン酸緩衝
液より成る。第一カラムからの流出液はタンパク質の存
在について監視し(好ましくは280nmにおける光学的測
定により)、タンパク質を含有する画分を捕集しプール
する。このプールされたタンパク質を第二カラムに適用
し、第二カラムから液は該第一カラム中で使用しうる緩
衝液であつてpHを少くとも7.0に調整したものを用いて
溶離される。次いで第二カラムの流出液は好ましくはタ
ンパク質の存在について監視される。その後、該流出液
はタンパク質監視に応答して捕集され、こうして肝炎−
Bウイルス感染性を含まない精製されたガンマグロブリ
ンが得られる。この流出液中の希釈された精製ガンマグ
ロブリン製品は次いで好ましくは標準的方法例えば限外
過法により濃縮されて最終仕上げ製品が製出される。
該第二カラムにおけるA−50樹脂の有効量は体液1ml当
り少くとも100mgであることが見出された。
第二カラム中にA−25及びA−50型の樹脂が用いられる
ならば、樹脂の有効量は体液1ml当りA−50型樹脂の80m
gに対し体液1mg当りA−25型樹脂少くとも27 1/2mgの混
合物より成ることが見出された。
第二カラム中に用いられる樹脂は好ましくは体液1ml当
り55mgのQAEセフアデツクスA−25型と100mgのQAEセフ
アデツクスA−50型との混合物より成る。
好ましい組合せは、第一カラムにおける樹脂がDEAE−セ
フアロースCL−6Bであり、緩衝液が概略0.05Mのイミダ
ゾール緩衝液であり;そして第二カラムにおける樹脂が
QAE−セフアデツクスであり、用いられる緩衝液が概略
0.05Mのイミダゾール緩衝液であるものである。
それぜれのカラム中に用いられる緩衝液は好ましくはpH
7.25〜8.0、最も好ましくはpH概略7.5に調整される。
本発明の詳細及び最良の態様は次の通りである。
人間への注射用に生産される免疫グロブリン調剤の安全
性に対する米国政府の正当な関心に基づき、結局政府承
認の商業的生産を実現するためにはイオン交換樹脂及び
溶離試薬の選択が最も重要である。
前記ゾルトンらの米国特許第4,434,093号(この特許は
本明細書中に参照のため組込まれる)においては主とし
て生体外試験が記載されている。現今使用しうる最善の
HBsAg検出試験の限定された感度の故に、指針的評価の
主要事項は、肝炎Bウイルス除去に用いられる如何なる
方法も少くとも3けたの大きさの感染性を除去しそれに
よつて肝炎B表面抗原試験の感度と感染性の閾値との間
の間隙を橋かけするものでなければならないということ
である。該ゾルトンの米国特許第4,434,093号におい
て、試験された4つの樹脂緩衝液系はQAE−セフアデツ
クス(A−50)/トリス、DEAE−セフアデツクス(A−
50)/トリス、DEAE−セフアデツクス/ホスフエート、
QAE−セフアデツクス/ホスフエートであつた。唯1個
だけのカラムを用いた該米国特許第4,434,093号におい
て、QAE−ホスフエート、QAE−トリス及びDEAE−トリス
の樹脂/緩衝液の系はすべて表面抗原濃度を概略105
減させそれによりHBsAg濃度と感染性との関係を1:1と仮
定して十分な安全係数を与えることが示された。DEAE−
セフアデツクス/ホスフエート緩衝液の組合せ(これは
先行技術の系の代表)は、カラム処理後のピークの画分
中のHBsAg濃度が他のどの系におけるよりも少くとも200
倍大きいから、肝炎B表面抗原を除去するのには最も効
果の小さい系であつたことが示されている。また米国特
許第4,434,093号において、適用試料1ml当りに用いられ
る“軟質"A−50型樹脂の割合は表面抗原の十分な除去を
確実ならしめるのに理想的には160mg/mlより少くしては
ならないことも見出された。
この“軟質”樹脂は、殊にそれは安全性の理由から好ま
しくは1回しか使用するべきではないので非常に高価で
ある。その上、米国特許第4,434,093号に示される単一
カラム中に用いられる“軟質”樹脂はそれ自体規模拡大
の目的には実際上不適当である。これらの問題を解決す
るため本発明では、米国第4,434,093号に示されている
単一カラム系ではなくて、二重カラム系を使用する。本
発明方法においては第二カラム中に同様のイオン交換樹
脂/緩衝液の系を用いる。本発明によれば、血漿を通す
第一のカラムが与えられる。第一カラムはアルブミンの
如き血漿タンパク質の約75%を除去する硬質の樹脂を含
有する。この樹脂はすぐれた流通特性を有し大規模のカ
ラム操作に用いることができる。その上この硬質樹脂は
結合効率の損失なしに何回(20〜50回)も再生すること
ができる。この硬質樹脂は、HBsAgの完全除去のために
は不十分であるが、妨げになる或るタンパク質が第一カ
ラム中で除去されるので、本発明は第二カラムにおける
A−50樹脂の量を希釈されていない血漿1ml当り160mgか
ら100mgへと低減させ、しかもなおウイルスの十分な結
合を与えることを可能にする。かくして、本発明の系は
ゾルトンらの米国特許第4,434,093号の系にくらべて規
模拡大の利点と大きい経済性を提供する。上に指摘した
ように、本発明によれば第一カラムにおいてアルブミン
ならびにその他のタンパク質の大部分が除去される。こ
れらタンパク質が第一カラムで除去されることからし
て、第二カラムにおける肝炎−B−ウイルスの除去がよ
り一層効率的となりそのため第二カラム中に要するA−
50樹脂の有効量が、上記の如く、体液1ml当り100mgに低
減しうることが見出された。
米国特許第4,434,093号の単一カラムに用いられる樹脂
ならびに緩衝液は本発明の第二カラムに用いられるもの
と同じであり、ただその差異は使用樹脂の量にあること
を注目すべきである。
米国特許第4,434,093号の単一カラム法は、人間のガン
マグロブリンを実質的にHBsAgを含まないものにするこ
とが、生体外試験によつて示されていることに鑑み、入
つてくる血液単位のスクリーニングを妥当であると仮定
すると、本発明の二重カラム法が該単一カラム法よりも
少くとも同じく有効であるかまたはもつと有効であるこ
とは明らかであり、従つてこの二重カラム法に関して生
体外試験の結果をここに提供する必要はないと思われ
る。要するに、以前のゾルトンらの米国特許第4,434,09
3号における結果は或る樹脂及び緩衝液の系が肝炎B型
ウイルスの感染性の公知のマーカーであるHBsAgの多量
を除去する能力を有することを示したのである。先ず経
済的の制限及び規模拡大の問題、ならびに樹脂が高価で
あることに基き、本発明は二つのカラムを用いる改善さ
れた系を提供するものであつて、第一カラムは再生しそ
して何回も再使用できることが示された卓越した規模拡
大性能を有する硬質樹脂を含んでいるものである。この
硬質樹脂は、大量の肝炎ウイルスを除去するのには用い
られないけれども、アルブミンの如きタンパク質の大部
分を除去するのに用いられる。第一カラムからの生成物
より、より少ない量の軟質樹脂(ゾルトンらの米国特許
第4,434,093号の中で用いられている量にくらべて)を
含有する第二カラム中を通過するとき、第一カラムから
逃げてきたウイルスをすべて除去する高い能力を有して
いる。前に指摘したように、安全のために、第二カラム
中の樹脂は好ましくは新鮮なものでありそして各試行後
には廃棄されるべきである。ゾルトンらの米国特許第4,
434,093号の中で特定されているpH及び電導度は、実際
に行なわれる試行に関し、本発明の目的のためにも変更
されていない。
本発明で利用するカラム手段に充填する樹脂の化学組成
の詳細は、次のとおりである。
DEAE−セフアロースCL−6Bは、スウエーデンのウプサラ
にあるフアルマシア・フアイン・ケミカルス(Pharmaci
a Fine Chemicals)から入手可能であり、6%アガロー
ス溶液をエピクロロヒドリンで架橋したゲル生成物(セ
フアロースCL−6B)を、還元条件下でアルカリ加水分解
して脱スルホン化し、次いでアガロースの単糖単位にジ
エチルアミノエチル(DEAE)基をエーテル結合させたア
ニオン交換体である。
DEAE−セフアロース CL−6B(高速)は、上記DEAE−セ
フアロースCL−6Bと同様にフアルマシア・フアイン・ケ
ミカルスの登録商標であり、後者をさらに架橋させたア
ニオン交換体である。
DEAE−バイオゲル(高容量)は、米国、カリフオルニア
のバイオーラツド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laborat
ories)の登録商標であり、エピクロロヒドリンで4%
架橋されたアガロースのイオン交換ゲルである。これは
ビーズ状のアガロースマトリツクスにジエチルアミノエ
チル基を担持させた弱塩基性のアニオン交換体である。
「(高容量)」の表示は、市場でそのように取扱われて
いることを意味するにすぎない。
DEAE−セフアデツクス(上記フアルマシア・フアイン・
ケミカルスの登録商標)は、セフアデツクス(同登録商
標:可溶性デキストランをエピクロロヒドリンで架橋さ
せ、ビーズ状に成型して得られる水不溶性の親水性ゲ
ル)上にジエチルアミノエチル基を導入して製造された
アニオン交換体である。このジエチルアミノエチル基は
安定なエーテル結合を介してセフアデツクスに結合され
ている。
QAE−セフアデツクス(上記フアルマシア・フアイン・
ケミカルスの登録商標)は、上記セフアデツクス上に第
四級アミノエチル(QAE)基を導入して製造されたアニ
オン交換体である。そのQAE基は安定なエーテル結合を
介してセフアデツクスに結合されている。
限定された生体内実験を3匹のチンパンジーについて、
ビユーロー・オブ・ビオロジツクスによつて与えられた
知られた感染性投与量を有する材料を用いて実施した。
この試験の目的は新しい本法の安全性主張を確認するこ
とであつた。接種材料(inoculum)及び血漿試験サンプ
ルの調製ならびに該生体内試験に関する詳細は次の通り
である: 接種材料及び血漿試験サンプルの調製予備−処理操作 よく文書で証明されたHBV感染させた接種材料(HBsAg亜
類型adr)をユナイテツド・ステーツ・ビユーロー・オ
ブ・ビオロジツクス・オブ・ザ・フード・アンド・ドラ
ツグ・アドミニストレーシヨンから得た。最初の感染性
は105I.D./mlであり、そして製品を子牛の血清中で安定
化しそして凍結状態で貯蔵した。新鮮な人間の血漿をそ
れぞれ3人の正常な男性及び女性から集めてHbsAg、ア
ンチ−HBc及びアンチ−HBsにつき個別的にRIA法によつ
て試験した。6個の試料はすべて陰性であることが見出
されそして試料はプールされ次いで凍結貯蔵された。試
験時に接種材料及び正常の血漿プールをいずれも解凍し
た。後者から冷時不溶解物を標準的遠心分離法によつて
除去した。次に、接種材料の1mlを冷時不溶解上澄液9ml
に加えそしてこのブレンドをよく混合した。この段階は
一層現実的な試料に似せるように行なわれた;なぜなら
我々の精製工程は子牛の血清用に計画されたものではな
いからである。混合物は蒸留水で等しく希釈されそして
pHは1.0N HCl数滴を用いて7.5±0.1に調整された。この
試料を2個の10ml部分に分割した。第一の部分(Aと表
示)は対照動物に与えられるためのアルブミン−塩緩衝
液(albuminsaline buffer)で後に希釈されるべき未処
理試料として用いられた。第二の部分(Bと表示)はイ
オン交換カラムにそのまま適用して実験動物用の処理さ
れた試料をつくるためのものであつた;下記の精製工程
の記述参照。
イオン交換樹脂のソース DEAE−セフアローズ(Sepharose) CL−6BR及びQAE−セ
フアデツクス(Sephadex)A−25とA−50はフアルマシ
ア・フアイン・ケミカルス(Pharmacia Fine Chemical
s)から講入した。
R−スウエーデン・ウプサラのフアルマシア・フアイン
・ケミカルスの商標。
カラム流通用の緩衝液 両カラムに用いられた緩衝液は0.05Mイミダゾール−0.0
2M塩化ナトリウムであつた。pHは7.5±0.1であり、電導
度は2.2±0.4ミリジーメンス(5℃)であつた。試薬は
すべて試薬級であり、それぞれの出所はシグマ(イミダ
ゾール)及びJ.T.ベーカー(塩化ナトリウム)であつ
た。
カラム流通用のクロマトグラフイー系 2個のカラム(フアルマシア・フアイン・ケミカルスか
ら得られるアクリルプラスチツク製0.9×15cmカラム)
を設備した。
カラム流通操作 処理用に予定された試料(表示B)を上記予備−処理操
作中に記載したように調製した。予備−処理後の容量は
10mlで、HBV感染性は5000I.D./mlであつた。ウイルス汚
染の水準は、カラム1に適用する時点で、試料がHBsAg
に対する第三世代RIA法により試験されるとき弱い陽性
をあらわすように、慎重にえらばれた。それ故この試み
は極端な試験である。なぜなら血液のすべての入つてく
る単位をテストする製造者はこの水準またはこれ以上の
水準のウイルスに遭遇する筈はないからである。試料の
適用に先立ち、両カラムは適当に膨潤された樹脂で充填
された。カラム1中のDEAE−セフアローズCL−6BRの量
は最初の血漿−ウイルス混合物の各容量当り樹脂の1容
量(0.15m当量)の割合であつた。この樹脂は予め汚染
されていない希釈された血漿の3つの異なる負荷に曝さ
れそして各負荷の後に製造者の方法によつて再生され
た。カラム2中には、新鮮なQAE−セフアデツクス樹脂
A−25型及びA−50型の混合物が、最初の血漿−ウイル
ス混合物1ml当りA−25乾燥樹脂55mg及びA−50乾燥樹
脂100mgの重量比で充填された。両カラム中の樹脂のベ
ツドを緩衝液で洗い流して基底線OD280nmの読みを確立
した。希釈された血漿−ウイルス混合物をカラム1に10
5〜115cm/HRの流速で適用した。適用した試料が樹脂の
ベツドに入つた後、緩衝液をカラムを通じて流した。カ
ラムからの流出液をOD280nmの読みについて監視しそし
て基底線が上昇し初めたときIgGに富んだ生成物の流れ
を捕集した。生成物の捕集は基底線が最初の出発点の20
〜30%のOD280nm値に戻るまで継続した。
生成物の容量はその適用量のほぼ2倍であつた。この生
成物を直接カラム2へ適用しそしてこの非硬質樹脂に対
する流速を50〜55cm/HRとしたことを除いては同じ溶離
操作を行なつた。このカラムからの高度に精製されたIg
G生成物は容量がカラム2への適用量の1.5倍増加したこ
とが認められた。
非処理及び処理生成物の動物への注射前における安定化 処理されていない試料を0.05Mイミダゾール−0.154M塩
化ナトリウム−1.0%人間アルブミンより成るpH7.5の緩
衝液で希釈した。別に、この緩衝液は肝炎マーカーを何
ら含まないことが示された。希釈後この非処理試料は20
I.D./mlの感染性水準を有した。
処理した試料を同様に希釈してその最終的pH、電導性及
びタンパク質濃度が非処理試料のそれと同じようにし
た。希釈後、この処理試料の感染性水準は、二つのカラ
ム系によるウイルスの除去がないものと仮定すれば、13
00I.D./mlであり得べきものであつた。
希釈された両試料はチンパンジーに注射する前2〜8℃
で48時間密閉容器内に貯蔵された。
チンパンジー 3匹のチンパンジー、番号CH−344、CH−352及びCH−35
7、が試験された。対照動物CH−352は14才であり体重は
試験の開始時59kgであつた。彼女は以前にHBVを接種さ
れたことはなく、何らHBV感染性について血清学的マー
カーは有しなかつた。しかしながら、この試験の14ケ月
前彼女はHBVワクチン試験に関係した。彼女は我々の研
究に反応しないが対立するものではなく、彼女は対照例
として用いられた。実験造物、CH−344及びCH−357、は
両者共12才であり、試験開始時の体重はそれぞれ11〜12
kgであつた。これらの動物は以前に薬剤試験に関係した
ことが全くなく、HBV感染性について血清学的マーカー
は何ら有しなかつた。3匹の動物は別々に檻に入れら
れ、そして対照動物は他の2匹とは別の建物の中に飼わ
れた。彼等の管理人はHBVワクチンの皮下注射を受けそ
して屡々肝炎のないことを確かめる試験を受けた。
接 種 処理及び非処理の2個の最終的安定化された試料を分画
2日以内に動物に投与した。対照動物は、100I.D.の誘
発試験に応ずるため、希釈された非処理試料の5.0mlを
静脈注射により受けた。実験動物は3000I.D.の潜在的誘
発試験に応ずるため希釈された処理試料のそれぞれ2.3m
lを静脈注射によつて受けた。動物はいずれも静脈注射
に対し悪い影響を何ら受けなかつた。
血清学的試験 試験の前及び途中で血清を得、そしてアボツト・ラボラ
トリイズ,ノースシカゴ,イリノイ州から購入したRIA
法によりHBsAg、アンチ−HBs及びアンチ−HBcにつき、
正常値40I.U/Lとして、アラニンアミノトランスフエ
ラーゼ(ALT)を分光光度計法により試験した。肝臓の
針生検を3匹の全動物につき試験中を通じ頻繁な間隔で
実施した。
結 果 非処理生成物を受けた対照動物CH−352はHBVにより感染
されそしてHBsAgを25〜29週に亘り、アンチ−HBcを27週
の初めに、そしてアンチ−HBsを33週の初めに有した。A
LT水準は27週から29週まで上昇し、最高値は265IU/Lで
あつた。更に疾病の確認は針生検の分析(第30週)から
得られた。
それぞれ処理生成物を受けた実験動物CH−344及びCH−3
57は9ケ月の試験を通じて感染なしに留まつた。血清学
的及び生検の結果は、動物CH−344の試験における初期
の1つの観察を除いては、不都合なことがなく順調であ
つた。これらのCH−344は接種8週間後で陽性のアンチ
−HBs値(3.8S/N単位)を示した。この結果は22個の後
続試験試料においては確認されなかつた。従つて該結果
は一つの異常事態と結論された。
以上の試験は本発明のイオン交換クロマトグラフイー法
によりガンマグロブリンを調製するのに用いられる人間
の血清から肝炎Bウイルス感染性を除去できることを証
明している。
上記の実施例及び試験は本発明の好ましい態様を例示す
るものであるが、これは本発明の原理及び範囲を限定す
るものでないことを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨン・ブイ・パドベルスキス アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08876 サウスサマービル・ハミルトンロード 57

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a) 精製されるべきガンマグロブリン含
    有体液を用意し; b) この体液を順次第一及び第二のカラム手段に適用
    し、ここに該第一のカラム手段がアガロースのエピクロ
    ロヒドリン架橋ビーズにおける単糖単位にジエチルアミ
    ノエチル基がエーテル結合した硬質樹脂アニオン交換体
    の有効量を含有し、そして該第二のカラム手段が可溶性
    デキストランのエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける
    単糖単位にジエチルアミノエチル基または第四級アミノ
    エチル基がエーテル結合した非硬質樹脂アニオン交換体
    の有効量を含有するものであり; c) pHを少くとも7.0に調整した緩衝液を用いて該第
    一のカラム手段から体液を溶離し、ここに該緩衝液は、
    もし該第二のカラム手段用にえらばれた樹脂が可溶性デ
    キストランのエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける単
    糖単位に第四級アミノエチル基がエーテル結合した非硬
    質樹脂アニオン交換体であるならば、概略0.02Mのホス
    フエート緩衝液より成り、そしてもし該第二のカラム手
    段用にえらばれた樹脂が可溶性デキストランのエピクロ
    ロヒドリン架橋ビーズにおける単糖単位にジエチルアミ
    ノエチル基または第四級アミノエチル基がエーテル結合
    した非硬質樹脂アニオン交換体であるならば該緩衝液は
    概略0.04Mのトリス緩衝液、概略0.05Mのイミダゾール緩
    衝液または該0.035Mの燐酸ナトリウム[Na2HPO4]−ク
    エン酸緩衝液より成るものであり; d) 該第一のカラム手段からの流出液をタンパク質の
    存在について監視し; e) 監視に応答して、タンパク質含有流出液を捕集
    し; f) 捕集した該第一のカラム手段からのタンパク質含
    有流出液を該第二のカラム手段へ適用し; g) 該第一のカラム手段において用いうる緩衝液の一
    種を用いて該第二のカラム手段から体液を溶離し、該緩
    衝液はpHを少くとも7.0に調整してあり、第一及び第二
    のカラム手段中で用いられる緩衝液は同一または異なる
    ものであり;そして h) 該第二のカラム手段から今や肝炎−B−ウイルス
    感染性が全く除去された流出液を捕集する; ことから成るガンマグロブリン含有体液から肝炎B感染
    性を除去する方法。
  2. 【請求項2】該第二のカラム手段中の樹脂が可溶性デキ
    ストランのエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける単糖
    単位に第四級アミノエチル基がエーテル結合した非硬質
    樹脂アニオン交換体でありそして緩衝液が0.02Mのホス
    フエート緩衝液である、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】緩衝液が概略0.04Mのトリス緩衝液であ
    る、特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】該第二のカラム手段中の樹脂が可溶性デキ
    ストランのエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける単糖
    単位にジエチルアミノエチル基がエーテル結合した非硬
    質樹脂アニオン交換体でありそして緩衝液が概略0.04M
    のトリス緩衝液である、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】該第二のカラム手段中の樹脂が可溶性デキ
    ストランのエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける単糖
    単位に第四級アミノエチル基がエーテル結合した非硬質
    樹脂アニオン交換体でありそして緩衝液が概略0.05Mイ
    ミダゾール緩衝液である、特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  6. 【請求項6】該第二のカラム手段中の樹脂がアガロース
    のエピクロロヒドリン架橋ビーズにおける単糖単位にジ
    エチルアミノエチル基がエーテル結合した硬質樹脂アニ
    オン交換体でありそして緩衝液が0.05Mのイミダゾール
    である、特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】緩衝液が7.25〜8.00のpHに調整される、特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】緩衝液が7.5のpHに調整される、特許請求
    の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】該第二のカラム手段からの流出液が先ず初
    めにタンパク質の存在について監視され、然る後該監視
    に応答してタンパク質含有流出液が捕集される、特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
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