JPH076453B2 - 圧力容器とその圧力容器の製造方法 - Google Patents
圧力容器とその圧力容器の製造方法Info
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- JPH076453B2 JPH076453B2 JP1193303A JP19330389A JPH076453B2 JP H076453 B2 JPH076453 B2 JP H076453B2 JP 1193303 A JP1193303 A JP 1193303A JP 19330389 A JP19330389 A JP 19330389A JP H076453 B2 JPH076453 B2 JP H076453B2
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- pressure vessel
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、マトリックス樹脂を含浸した連続繊維でド
ーム部を形成して圧力容器に製造する圧力容器の製造方
法とその圧力容器に関する。
ーム部を形成して圧力容器に製造する圧力容器の製造方
法とその圧力容器に関する。
(従来の技術) 一般に、人工衛生の打ち上げ等には多段式ロケットが利
用される。この多段式ロケットの概略構成を第12図に示
す。図において、1は第2段ロケットモータ、2はアポ
ジモータである第3段ロケットモータ、4は人工衛生で
ある。第2段ロケットモータ1と第3段ロケットモータ
2はアイソグリッド構造体5によって接続されている。
また、第3段ロケットモータ2と人工衛生4とはアイソ
グリッド構造体と同様な接続体6によって接続されてい
る。
用される。この多段式ロケットの概略構成を第12図に示
す。図において、1は第2段ロケットモータ、2はアポ
ジモータである第3段ロケットモータ、4は人工衛生で
ある。第2段ロケットモータ1と第3段ロケットモータ
2はアイソグリッド構造体5によって接続されている。
また、第3段ロケットモータ2と人工衛生4とはアイソ
グリッド構造体と同様な接続体6によって接続されてい
る。
このように、ロケットモータ1,2は前段と後段が接続さ
れる構造となっているため、ロケットモータ1,2の圧力
容器1E,2Eには打ち上げ時に加重,軸圧縮,曲げなどの
力が加わり、特にノズル1a,2aが装着される圧力容器の
開口部にそれらの力が集中するので、圧力容器1E,2Eの
開口部を強固にする必要がある。また、圧力容器1E,2E
は推進薬の燃焼時には耐圧、耐熱が要求される他軽量化
も要求される。
れる構造となっているため、ロケットモータ1,2の圧力
容器1E,2Eには打ち上げ時に加重,軸圧縮,曲げなどの
力が加わり、特にノズル1a,2aが装着される圧力容器の
開口部にそれらの力が集中するので、圧力容器1E,2Eの
開口部を強固にする必要がある。また、圧力容器1E,2E
は推進薬の燃焼時には耐圧、耐熱が要求される他軽量化
も要求される。
これらの要求を満たすために、ロケットモータの圧力容
器は、マトリックス樹脂を含浸した強化繊維を巻回して
製造するフィラメントワインディング法によって製造さ
れる。
器は、マトリックス樹脂を含浸した強化繊維を巻回して
製造するフィラメントワインディング法によって製造さ
れる。
このフィラメントワインディング法は、第13図に示すよ
うに、型部7aと軸部7bとからなる分割可能なマンドレル
7のその型部7aの上からエポキシ樹脂等のマトリックス
樹脂を含浸したカーボンファイバ等の強化繊維8をイン
プレン巻やヘリカル巻きにより巻回して、圧力容器本体
となるドーム9を形成する。そして、マトリックス樹脂
の硬化後にマンドレル7は分解して取り外せば、第14図
に示すような圧力容器10となる。
うに、型部7aと軸部7bとからなる分割可能なマンドレル
7のその型部7aの上からエポキシ樹脂等のマトリックス
樹脂を含浸したカーボンファイバ等の強化繊維8をイン
プレン巻やヘリカル巻きにより巻回して、圧力容器本体
となるドーム9を形成する。そして、マトリックス樹脂
の硬化後にマンドレル7は分解して取り外せば、第14図
に示すような圧力容器10となる。
しかし、このフィラメントワインディング法では、連続
した強化繊維を用いることによる強度特性を得ることが
できるが、強化繊維を巻回して製造するので、開口部周
辺部だけの肉厚を厚くしてその部分を補強することが難
しく、このため、第13図に示すように、圧力容器10とは
別個なボス部材11を、マンドレル型部7aの側部に接合さ
せてその型部7aおよびボス部材11の上から強化繊維を巻
回している。これにより、ボス部材11を開口部に接着さ
せて開口部を補強するようにしている。
した強化繊維を用いることによる強度特性を得ることが
できるが、強化繊維を巻回して製造するので、開口部周
辺部だけの肉厚を厚くしてその部分を補強することが難
しく、このため、第13図に示すように、圧力容器10とは
別個なボス部材11を、マンドレル型部7aの側部に接合さ
せてその型部7aおよびボス部材11の上から強化繊維を巻
回している。これにより、ボス部材11を開口部に接着さ
せて開口部を補強するようにしている。
しかしながら、上記の圧力容器にあっては、第15図のQ
部に示すように、ボス部材11の周端部で圧力容器10の肉
厚が急に厚くなった状態となるので、その部分に応力集
中が起き、亀裂等の発生原因となる虞があった。
部に示すように、ボス部材11の周端部で圧力容器10の肉
厚が急に厚くなった状態となるので、その部分に応力集
中が起き、亀裂等の発生原因となる虞があった。
そこで、圧力容器10とボス部材11との間にゴム部材を介
在させて応力集中の軽減を図ったものが提案されてい
る。
在させて応力集中の軽減を図ったものが提案されてい
る。
これは、第16図に示すように、例えば炭素繊維からなる
織布を積層するとともにマトリックス樹脂として熱硬化
樹脂を含浸させて硬化させた積層部材13を機械加工し
て、第17図に示すように、中央部に孔14aを形成すると
ともに周端部に接着面14bを形成したボス部材14を作成
し、第18図に示すようにこのボス部材14の接着面14bに
ゴム部材15を加硫接着させて、マンドレル7の軸部7bに
嵌合させて上述のように圧力容器を製造するものであ
る。
織布を積層するとともにマトリックス樹脂として熱硬化
樹脂を含浸させて硬化させた積層部材13を機械加工し
て、第17図に示すように、中央部に孔14aを形成すると
ともに周端部に接着面14bを形成したボス部材14を作成
し、第18図に示すようにこのボス部材14の接着面14bに
ゴム部材15を加硫接着させて、マンドレル7の軸部7bに
嵌合させて上述のように圧力容器を製造するものであ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の圧力容器にあっては、圧力容器10
とボス部材14との間に加硫接着されたゴム部材15が介在
されるため、ボス部材14と圧力容器10との接着力が弱く
ボス部材14が圧力容器10から外れ易くなるという問題が
あった。また、そのボス部材14が圧力容器から外れない
ように、ボス部材のP部に溝を設け、その溝に強化繊維
を巻くようにしたものがあるが、その溝に強化繊維を巻
いていくことが難しく、その巻作業が非常にやっかいで
あるという問題があった。
とボス部材14との間に加硫接着されたゴム部材15が介在
されるため、ボス部材14と圧力容器10との接着力が弱く
ボス部材14が圧力容器10から外れ易くなるという問題が
あった。また、そのボス部材14が圧力容器から外れない
ように、ボス部材のP部に溝を設け、その溝に強化繊維
を巻くようにしたものがあるが、その溝に強化繊維を巻
いていくことが難しく、その巻作業が非常にやっかいで
あるという問題があった。
(目 的) そこで、この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、応力集中の軽減を図るこ
とができ、しかも、溝等を設けることなく補強部材と圧
力容器との接着力を高めることのできる圧力容器とこの
圧力容器の製造方法を提供することにある。
で、その目的とするところは、応力集中の軽減を図るこ
とができ、しかも、溝等を設けることなく補強部材と圧
力容器との接着力を高めることのできる圧力容器とこの
圧力容器の製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記目的を達成するため、マトリックス樹
脂を含浸した連続繊維を硬化して形成したドーム部の開
口部の周囲に補強部材を接着させた圧力容器であって、 前記補強部材は、周端にいくほど肉厚が漸減するように
形成されるとともに前記開口部の周りに接着された繊維
強化プラスチックからなる環状の第1補強部材と、 この第1補強部材に接着されたゴム部材と、 このゴム部材に接着され且つ前記第1補強部材より小径
に形成された環状の第2補強部材とから構成されている
ことを特徴とする。
脂を含浸した連続繊維を硬化して形成したドーム部の開
口部の周囲に補強部材を接着させた圧力容器であって、 前記補強部材は、周端にいくほど肉厚が漸減するように
形成されるとともに前記開口部の周りに接着された繊維
強化プラスチックからなる環状の第1補強部材と、 この第1補強部材に接着されたゴム部材と、 このゴム部材に接着され且つ前記第1補強部材より小径
に形成された環状の第2補強部材とから構成されている
ことを特徴とする。
また、ドーム形成型部の両側に軸部を同軸に設けたマン
ドレルと、中央に孔が設けられ且つ中央側から周縁に向
かうに従って次第に肉薄に形成されるとともに強化繊維
プラスチックからなるシート部材と、このシート部材よ
り小径の外方フランジを有するボス部材および環状生ゴ
ムを用意して、前記シート部材と外方フランジとの間に
前記環状ゴムを介装圧着した状態で加硫することによ
り、シート部材とゴム部材がゴムの加硫の接着により一
体に結合された補強部材を形成した後、補強部材のボス
部材を前記軸部外周に嵌挿するとともに、前記外方フラ
ンジを前記ドーム形成型部に当接させ、次に、その型部
および補強部材の上からマトリックス樹脂を含浸した連
続繊維を前記軸部にドーム開口部が形成されるように巻
回し、この巻回した連続繊維を硬化させることによりド
ーム部を形成するとともに、前記ドーム開口部の周囲に
補強部材のシート部材を接着させることを特徴とする。
ドレルと、中央に孔が設けられ且つ中央側から周縁に向
かうに従って次第に肉薄に形成されるとともに強化繊維
プラスチックからなるシート部材と、このシート部材よ
り小径の外方フランジを有するボス部材および環状生ゴ
ムを用意して、前記シート部材と外方フランジとの間に
前記環状ゴムを介装圧着した状態で加硫することによ
り、シート部材とゴム部材がゴムの加硫の接着により一
体に結合された補強部材を形成した後、補強部材のボス
部材を前記軸部外周に嵌挿するとともに、前記外方フラ
ンジを前記ドーム形成型部に当接させ、次に、その型部
および補強部材の上からマトリックス樹脂を含浸した連
続繊維を前記軸部にドーム開口部が形成されるように巻
回し、この巻回した連続繊維を硬化させることによりド
ーム部を形成するとともに、前記ドーム開口部の周囲に
補強部材のシート部材を接着させることを特徴とする。
(作 用) この発明は、第1補強部材が繊維強化プラスチックから
形成されているので、第1補強部材と圧力容器との接着
力が高まる。また、第1補強部材は周端にいくほど肉厚
が漸減するように形成されているので、ドーム部と一体
化した際にその肉厚に生じる段差が極めて小さくなるこ
とから第1補強部材の周端部に生じる応力集中が軽減さ
れ、さらに、第2補強部材が第1補強部材にゴム部材を
介して接着されているので、その応力集中が吸収され
る。
形成されているので、第1補強部材と圧力容器との接着
力が高まる。また、第1補強部材は周端にいくほど肉厚
が漸減するように形成されているので、ドーム部と一体
化した際にその肉厚に生じる段差が極めて小さくなるこ
とから第1補強部材の周端部に生じる応力集中が軽減さ
れ、さらに、第2補強部材が第1補強部材にゴム部材を
介して接着されているので、その応力集中が吸収され
る。
また、この発明は上記構成であるから、補強部材は、シ
ート部材とゴム部材がゴムの加硫の接着により一体に結
合される。そして、マトリックス樹脂を含浸した連続繊
維の硬化により形成されたドーム部に補強部材のシート
材が接着されるので、その接着力が高まる。また、シー
ト部材は中央側から周縁に向かうに従って次第に肉薄に
形成され、さらに、シート部材とボス部材との間にゴム
部材が介在されているので、高弾性率のゴム部材が応力
を吸収するため、応力集中が大幅に軽減される。
ート部材とゴム部材がゴムの加硫の接着により一体に結
合される。そして、マトリックス樹脂を含浸した連続繊
維の硬化により形成されたドーム部に補強部材のシート
材が接着されるので、その接着力が高まる。また、シー
ト部材は中央側から周縁に向かうに従って次第に肉薄に
形成され、さらに、シート部材とボス部材との間にゴム
部材が介在されているので、高弾性率のゴム部材が応力
を吸収するため、応力集中が大幅に軽減される。
(実施例) 以下、この発明に係わる圧力容器の製造方法の実施例を
図面に基づいて説明する。
図面に基づいて説明する。
第1図ないし第4図は圧力容器の補強部材の製造工程を
示したものである。図において、20はエポキシ樹脂等の
マトリックス樹脂を含浸した例えばカーボンファイバ、
アラミド繊維あるいはガラス繊維等の強化繊維からなる
織布を積層したシート材である。このシート材20をオー
トクレーブ22の雌金型22aにセットして、オートクレー
ブ22内に蒸気を吹き込んでシート材20を加熱加圧する。
これにより、マトリックス樹脂を硬化させて所定形状に
成形されたシート材20が作成される。
示したものである。図において、20はエポキシ樹脂等の
マトリックス樹脂を含浸した例えばカーボンファイバ、
アラミド繊維あるいはガラス繊維等の強化繊維からなる
織布を積層したシート材である。このシート材20をオー
トクレーブ22の雌金型22aにセットして、オートクレー
ブ22内に蒸気を吹き込んでシート材20を加熱加圧する。
これにより、マトリックス樹脂を硬化させて所定形状に
成形されたシート材20が作成される。
そして、このシート材20の中央部に機械加工により孔21
aを第2図に示すように開けるとともに、後述するドー
ム部28と一体化した際に生じる段差が小さくなるよう
に、周端にいくほど肉厚が漸減するように加工して第1
補強部材21を作成する。そして、この第1補強部材21
に、中央部に孔23aが開いたゴム部材23とボス部材(第
2補強部材)24を第3図に示すように重ねて下金型K1に
セットする。次いで、上金形K2を押圧してホットプレス
により第1補強部材21にボス部材24を加硫接着させて補
強部材25を構成させる(第4図参照)。
aを第2図に示すように開けるとともに、後述するドー
ム部28と一体化した際に生じる段差が小さくなるよう
に、周端にいくほど肉厚が漸減するように加工して第1
補強部材21を作成する。そして、この第1補強部材21
に、中央部に孔23aが開いたゴム部材23とボス部材(第
2補強部材)24を第3図に示すように重ねて下金型K1に
セットする。次いで、上金形K2を押圧してホットプレス
により第1補強部材21にボス部材24を加硫接着させて補
強部材25を構成させる(第4図参照)。
ボス部材24は、従来と同様に、例えば炭素繊維からなる
織布を積層するとともにマトリックス樹脂として熱硬化
樹脂を含浸させて硬化させた積層部材を機械加工して、
第3図に示すように、中央部に孔24aを形成するととも
に周端部に接着面24bを形成したものである。
織布を積層するとともにマトリックス樹脂として熱硬化
樹脂を含浸させて硬化させた積層部材を機械加工して、
第3図に示すように、中央部に孔24aを形成するととも
に周端部に接着面24bを形成したものである。
前記補強部材25を分割可能なマンドレル26の軸部26aに
第5図に示すように嵌合させるとともに、ボス部材24が
内側となるように型部26bの側部に接合させる。そし
て、第6図に示すように、補強部材25および型部26bの
上からビスフェノールA系エポキシ樹脂等のプラスチッ
クを含浸したカーボンファイバ等の連続した強化繊維を
インプレン巻やヘリカル巻きにより巻回してドーム部28
を形成する。
第5図に示すように嵌合させるとともに、ボス部材24が
内側となるように型部26bの側部に接合させる。そし
て、第6図に示すように、補強部材25および型部26bの
上からビスフェノールA系エポキシ樹脂等のプラスチッ
クを含浸したカーボンファイバ等の連続した強化繊維を
インプレン巻やヘリカル巻きにより巻回してドーム部28
を形成する。
これら強化繊維に含浸されたマトリックス樹脂の硬化
後、マンドレル26を分割して取り外せば第11図に示すよ
うな圧力容器29(第7図参照)を得る。なお、この場
合、圧力容器29をマンドレル26の型部26bから容易に剥
離できるように、その型部26bに予めフッソやシリコン
からなる離型剤を塗っておく。
後、マンドレル26を分割して取り外せば第11図に示すよ
うな圧力容器29(第7図参照)を得る。なお、この場
合、圧力容器29をマンドレル26の型部26bから容易に剥
離できるように、その型部26bに予めフッソやシリコン
からなる離型剤を塗っておく。
前記圧力容器29は、第7図に示すように、ドーム部28の
内側の開口部23aの周辺部に第1補強部材21が接着され
るが、第1補強部材21はエポキシ樹脂等のマトリックス
樹脂を含浸した織布層を硬化して構成され、ドーム部28
はビスフェノールA系エポキシ樹脂等のマトリックス樹
脂を含浸した強化繊維からなり、同質のマトリックス樹
脂を用いているので、第1補強部材21とドーム部28との
なじみがよく、第1補強部材21の接着は強固なものとな
り、従来のように補強部材に溝を設ける必要がない。ま
た、第1補強部材21は周端に行くほどその肉厚が漸減す
るので、ドーム部28と一体化した際にその肉厚に生じる
段差が極めて小さくなることから、第1補強部材21の周
端部に生じる応力集中は小さなものとなる。
内側の開口部23aの周辺部に第1補強部材21が接着され
るが、第1補強部材21はエポキシ樹脂等のマトリックス
樹脂を含浸した織布層を硬化して構成され、ドーム部28
はビスフェノールA系エポキシ樹脂等のマトリックス樹
脂を含浸した強化繊維からなり、同質のマトリックス樹
脂を用いているので、第1補強部材21とドーム部28との
なじみがよく、第1補強部材21の接着は強固なものとな
り、従来のように補強部材に溝を設ける必要がない。ま
た、第1補強部材21は周端に行くほどその肉厚が漸減す
るので、ドーム部28と一体化した際にその肉厚に生じる
段差が極めて小さくなることから、第1補強部材21の周
端部に生じる応力集中は小さなものとなる。
また、第1補強部材21とボス24との間にゴム部材23が介
在されているので、ボス24の周端部に生じる応力集中は
そのゴム部材23により吸収されるので、その応力集中は
小さなものとなる。
在されているので、ボス24の周端部に生じる応力集中は
そのゴム部材23により吸収されるので、その応力集中は
小さなものとなる。
ここで、第1補強部材21とドーム部28との関係を材質の
観点から述べることにする。
観点から述べることにする。
第1補強部材21とドーム部28に使用される強化繊維の組
み合せとしては、各種のものが考えられるが、ここで
は、ヤング率の異なるカーボンファイバ(ヤング率E;
5760kgf/mm2)、アラミド繊維(ヤング率E;3220kgf/m
m2)、ガラス繊維(ヤング率E;2060kgf/mm2)のこれ
ら3種の中から組み合わせた場合について説明する。
み合せとしては、各種のものが考えられるが、ここで
は、ヤング率の異なるカーボンファイバ(ヤング率E;
5760kgf/mm2)、アラミド繊維(ヤング率E;3220kgf/m
m2)、ガラス繊維(ヤング率E;2060kgf/mm2)のこれ
ら3種の中から組み合わせた場合について説明する。
先ず、第8図に示すようなドーム部Aの補強強化に着目
した場合について考えると、補強部材Bを介在させる主
目的はドーム極C近傍の矢印Dで示すような曲げに対す
る強度の向上にある。換言すれば、補強部材Bを使用し
てドーム部Aに発生する応力を如何に小さくするかにあ
る。
した場合について考えると、補強部材Bを介在させる主
目的はドーム極C近傍の矢印Dで示すような曲げに対す
る強度の向上にある。換言すれば、補強部材Bを使用し
てドーム部Aに発生する応力を如何に小さくするかにあ
る。
この問題を簡略化して言及するために、第9図に示すよ
うに、ドーム部Aおよび補強部材Bをモデル化すること
にした。ここで、ドーム部Aの厚さt1、補強部材Bの厚
さt2、それぞれの幅をbとする。また、添字「1」はド
ーム部を示し、添字「2」は補強部材を示すものとし
て、 と表わすことができる。なお、Eはヤング率、ηは図心
からの距離、Iは断面二次モーメント、Zは断面係数、
σは応力を示す。そして、b=1(単位幅)、M=1
(単位モーメント)の場合について(1)式を解けば、
ドーム部Aに発生するドーム部発生応力を求めることが
できる。
うに、ドーム部Aおよび補強部材Bをモデル化すること
にした。ここで、ドーム部Aの厚さt1、補強部材Bの厚
さt2、それぞれの幅をbとする。また、添字「1」はド
ーム部を示し、添字「2」は補強部材を示すものとし
て、 と表わすことができる。なお、Eはヤング率、ηは図心
からの距離、Iは断面二次モーメント、Zは断面係数、
σは応力を示す。そして、b=1(単位幅)、M=1
(単位モーメント)の場合について(1)式を解けば、
ドーム部Aに発生するドーム部発生応力を求めることが
できる。
そして、カーボンを連続繊維として用いたFRP製ドー
ム部を、カーボン、アラミド、ガラスをそれぞれ連続繊
維として用いたFRPで補強した3通りの場合と、アラ
ミドを連続繊維として用いたFRP製ドーム部を、カーボ
ン、アラミド、ガラスのそれぞれを連続繊維として用い
たFRPで補強した3通りの場合と、ガラスを連続繊維
として用いたFRP製ドーム部を、カーボン、アラミド、
ガラスのそれぞれを連続繊維として用いたFRPで補強し
た3通りの場合の計9通りのドーム部Aに発生するドー
ム部発生応力を求める。ところで、補強部材は極力軽い
方が望ましいので、簡単に評価すれば、(ドーム部発生
応力)×(補強部材密度)=Xの値が小さいほうがよい
こととなる。
ム部を、カーボン、アラミド、ガラスをそれぞれ連続繊
維として用いたFRPで補強した3通りの場合と、アラ
ミドを連続繊維として用いたFRP製ドーム部を、カーボ
ン、アラミド、ガラスのそれぞれを連続繊維として用い
たFRPで補強した3通りの場合と、ガラスを連続繊維
として用いたFRP製ドーム部を、カーボン、アラミド、
ガラスのそれぞれを連続繊維として用いたFRPで補強し
た3通りの場合の計9通りのドーム部Aに発生するドー
ム部発生応力を求める。ところで、補強部材は極力軽い
方が望ましいので、簡単に評価すれば、(ドーム部発生
応力)×(補強部材密度)=Xの値が小さいほうがよい
こととなる。
そこで、カーボンを連続繊維として用いたFRPの密度ρ
=1.56、アラミドを連続繊維として用いたFRPの密度ρ
=1.35、ガラスを連続繊維として用いたFRPの密度ρ=
1.68としてXの値を求め、さらに、ドーム部Aおよび補
強部材Bをカーボンとした場合を1として相対評価した
値Yを表Iに示す。この表Iでは、ドーム部Aの厚さt1
を5mmとし、補強部材Bの厚さt2を0.5mm、1mm、2mm、3m
m、4mm、5mmの場合の値Yをそれぞれ示してある。
=1.56、アラミドを連続繊維として用いたFRPの密度ρ
=1.35、ガラスを連続繊維として用いたFRPの密度ρ=
1.68としてXの値を求め、さらに、ドーム部Aおよび補
強部材Bをカーボンとした場合を1として相対評価した
値Yを表Iに示す。この表Iでは、ドーム部Aの厚さt1
を5mmとし、補強部材Bの厚さt2を0.5mm、1mm、2mm、3m
m、4mm、5mmの場合の値Yをそれぞれ示してある。
この表Iに示す値Yが最も小さいのは、ドーム部材Aが
ガラス、補強部材Bがカーボンで、補強部材Bの厚さが
3mmと4mmの場合である。
ガラス、補強部材Bがカーボンで、補強部材Bの厚さが
3mmと4mmの場合である。
したがって、曲げに対する強度が大きくなる材質の組合
せは、ドーム部28がガラス、第1補強部材21がカーボン
の場合である。
せは、ドーム部28がガラス、第1補強部材21がカーボン
の場合である。
また、この表Iから、値Yが1より小さい値を示すの
は、ドーム部Aがアラミド繊維のとき補強部材Bがカー
ボンあるいはアラミド繊維の場合であり、また、ドーム
部Aがガラス繊維で補強部材Bがカーボンあるいはアラ
ミド繊維の場合である。これはいずれも、補強部材のヤ
ング率E2がドーム材のヤング率E1以上の場合である。す
なわち、補強材としてはドーム材以上のヤング率E2をも
つ材質の方が補強効果が高いことを示している。
は、ドーム部Aがアラミド繊維のとき補強部材Bがカー
ボンあるいはアラミド繊維の場合であり、また、ドーム
部Aがガラス繊維で補強部材Bがカーボンあるいはアラ
ミド繊維の場合である。これはいずれも、補強部材のヤ
ング率E2がドーム材のヤング率E1以上の場合である。す
なわち、補強材としてはドーム材以上のヤング率E2をも
つ材質の方が補強効果が高いことを示している。
ところで、ドーム部28および補強層(第1補強部材21、
ボス24)に使用されるマトリックス材の組み合せについ
ては、同一材質の組み合せの場合が最も好ましいが、異
なっていても差し支えない。ただし、補強層は予め成形
して用いるため、ドーム部28の硬化工程中に熱変形しな
いように、補強層の熱変形温度(ガラス転移温度)はド
ーム部28の硬化温度より高くなければならない。
ボス24)に使用されるマトリックス材の組み合せについ
ては、同一材質の組み合せの場合が最も好ましいが、異
なっていても差し支えない。ただし、補強層は予め成形
して用いるため、ドーム部28の硬化工程中に熱変形しな
いように、補強層の熱変形温度(ガラス転移温度)はド
ーム部28の硬化温度より高くなければならない。
次に、第11図には応力集中による圧力容器27の部位に加
わる剪断応力と、その部位との関係を示す。第11図の
はボス部材24を従来のように直接ドーム部28に接着させ
た場合で、A部位においてドーム部28の肉厚が急に厚く
なる状態となるので、そのA部位に生じる応力集中が大
きく、急激に剪断応力が大きくなる。はドーム部28と
ボス部材との間にゴム部材23を介在させた場合で、その
ゴム部材によって応力集中が吸収されるので、A部位で
の急激に大きくなる剪断応力は生じないが、また大きな
剪断応力が生じる。はこの実施例によるもので、B部
位付近では第1補強部材の周端部の肉厚が薄く形成さ
れ、また、A部位付近ではゴム部材による応力集中が吸
収されるので、剪断応力の山は消えてほぼ平坦となる。
すなわち、A部付近の応力集中は大幅に軽減されること
となる。
わる剪断応力と、その部位との関係を示す。第11図の
はボス部材24を従来のように直接ドーム部28に接着させ
た場合で、A部位においてドーム部28の肉厚が急に厚く
なる状態となるので、そのA部位に生じる応力集中が大
きく、急激に剪断応力が大きくなる。はドーム部28と
ボス部材との間にゴム部材23を介在させた場合で、その
ゴム部材によって応力集中が吸収されるので、A部位で
の急激に大きくなる剪断応力は生じないが、また大きな
剪断応力が生じる。はこの実施例によるもので、B部
位付近では第1補強部材の周端部の肉厚が薄く形成さ
れ、また、A部位付近ではゴム部材による応力集中が吸
収されるので、剪断応力の山は消えてほぼ平坦となる。
すなわち、A部付近の応力集中は大幅に軽減されること
となる。
(効 果) 以上説明したように、この発明によれば、溝を設けるこ
となく補強部材と圧力容器との接着力を高めることがで
き、しかも応力集中を大幅に軽減することができる。
となく補強部材と圧力容器との接着力を高めることがで
き、しかも応力集中を大幅に軽減することができる。
第1図はこの発明に係わるオートクレーブ成形の説明
図、第2図は第1補強部材の説明図、第3図は第1補強
部材とゴム部材とボスとの重ねる状態を示す説明図、第
4図は補強部材の説明図、第5図はマントレルに補強部
材を取り付ける説明図、第6図はドーム部を形成する説
明図、第7図は圧力容器の部分断面拡大図、第8図はド
ームに発生する曲げ方向を示した説明図、第9図はドー
ムをモデル化した説明図、第10図はドーム部および補強
部材の厚さを示した説明図、第11図は剪断応力と圧力容
器の部位との関係を示したグラフ、第12図はロケットの
説明図、第13図はフィラメントワインディング法によっ
て圧力容器を製造する説明図、第14図は従来の圧力容器
の断面を示した断面図、第15図は従来の圧力容器の部分
拡大断面図、第16図は積層部材の説明図、第17図はボス
部材の説明図、第18図はボス部材にゴム部材を加硫接着
した説明図である。 21……第1補強部材 21a……孔 23……ゴム部材 24……ボス部材(第2補強部材) 25……補強部材 26……マンドレル26 26a……軸部 26b……型部 28……ドーム部 29……圧力容器
図、第2図は第1補強部材の説明図、第3図は第1補強
部材とゴム部材とボスとの重ねる状態を示す説明図、第
4図は補強部材の説明図、第5図はマントレルに補強部
材を取り付ける説明図、第6図はドーム部を形成する説
明図、第7図は圧力容器の部分断面拡大図、第8図はド
ームに発生する曲げ方向を示した説明図、第9図はドー
ムをモデル化した説明図、第10図はドーム部および補強
部材の厚さを示した説明図、第11図は剪断応力と圧力容
器の部位との関係を示したグラフ、第12図はロケットの
説明図、第13図はフィラメントワインディング法によっ
て圧力容器を製造する説明図、第14図は従来の圧力容器
の断面を示した断面図、第15図は従来の圧力容器の部分
拡大断面図、第16図は積層部材の説明図、第17図はボス
部材の説明図、第18図はボス部材にゴム部材を加硫接着
した説明図である。 21……第1補強部材 21a……孔 23……ゴム部材 24……ボス部材(第2補強部材) 25……補強部材 26……マンドレル26 26a……軸部 26b……型部 28……ドーム部 29……圧力容器
Claims (2)
- 【請求項1】マトリックス樹脂を含浸した連続繊維を硬
化して形成したドーム部の開口部の周囲に補強部材を接
着させた圧力容器であって、 前記補強部材は、周端にいくほど肉厚が漸減するように
形成されるとともに前記開口部の周りに接着された繊維
強化プラスチックからなる環状の第1補強部材と、 この第1補強部材に接着されたゴム部材と、 このゴム部材に接着され且つ前記第1補強部材より小径
に形成された環状の第2補強部材とから構成されている
ことを特徴とする圧力容器。 - 【請求項2】ドーム形成型部の両側に軸部を同軸に設け
たマンドレルと、中央に孔が設けられ且つ中央側から周
縁に向かうに従って次第に肉薄に形成されるとともに強
化繊維プラスチックからなるシート部材と、このシート
部材より小径の外方フランジを有するボス部材および環
状生ゴムを用意して、前記シート部材と外方フランジと
の間に前記環状ゴムを介装圧着した状態で加硫すること
により、シート部材とゴム部材がゴムの加硫の接着によ
り一体に結合された補強部材を形成した後、補強部材の
ボス部材を前記軸部外周に嵌挿するとともに、前記外方
フランジを前記ドーム形成型部に当接させ、次に、その
型部および補強部材の上からマトリックス樹脂を含浸し
た連続繊維を前記軸部にドーム開口部が形成されるよう
に巻回し、この巻回した連続繊維を硬化させることによ
りドーム部を形成するとともに、前記ドーム開口部の周
囲に補強部材のシート部材を接着させることを特徴とす
る圧力容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193303A JPH076453B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 圧力容器とその圧力容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1193303A JPH076453B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 圧力容器とその圧力容器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0357869A JPH0357869A (ja) | 1991-03-13 |
JPH076453B2 true JPH076453B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=16305669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1193303A Expired - Fee Related JPH076453B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 圧力容器とその圧力容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH076453B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032033A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-02-14 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 密封構造体 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4765507A (en) * | 1986-01-24 | 1988-08-23 | Ecodyne Corporation | Pressure vessel with an improved sidewall structure |
-
1989
- 1989-07-26 JP JP1193303A patent/JPH076453B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0357869A (ja) | 1991-03-13 |
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Legal Events
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