JPH0762574A - 鋼製品のアルカリ脱脂方法及び装置 - Google Patents

鋼製品のアルカリ脱脂方法及び装置

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JPH0762574A
JPH0762574A JP23586993A JP23586993A JPH0762574A JP H0762574 A JPH0762574 A JP H0762574A JP 23586993 A JP23586993 A JP 23586993A JP 23586993 A JP23586993 A JP 23586993A JP H0762574 A JPH0762574 A JP H0762574A
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JP
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liquid
degreasing
alkaline degreasing
alkaline
oil
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JP23586993A
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Kazuo Sakurai
一生 桜井
Yoshikazu Ono
美和 小野
Naotoshi Takeuchi
直利 竹内
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼製品の脱脂をアルカリ系脱脂剤を主体とし
た水溶液から成るアルカリ系脱脂液を循環使用して行う
に際し、アルカリ系脱脂液自体の性状を変えることなく
アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物を除去して安
定して鋼製品のアルカリ脱脂を行う。 【構成】 アルカリ脱脂した後のアルカリ系脱脂液を、
貯液槽5に一時貯液して該貯液槽5中の汚染物濃度の濃
い液か又は貯液せずにそのままの状態の液を遠心分離機
7に供給して油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液と
の2種類又は更に鋼粉を含む懸濁物との3種類に分離し
て、その分離したアルカリに富むアルカリ系脱脂液を、
そのまま循環使用するか、貯液槽5内に戻して該貯液槽
5内の汚染物濃度の薄い液を循環使用するか、又は該貯
液槽5内の汚染物濃度の薄い液と共に循環使用して、鋼
製品Sのアルカリ脱脂を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼製品の脱脂をアルカ
リ系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカリ系脱脂
液を循環使用して行うに際し、アルカリ系脱脂液自体の
性状を変えることなくアルカリ系脱脂液中に蓄積してく
る汚染物を除去して安定して鋼製品のアルカリ脱脂を行
う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼製品の製造には、潤滑油や研削油等の
油が使用される場合が非常に多い。特に、鋼製品の代表
である鋼帯の冷間圧延には、潤滑と冷却とを目的に鉱物
油系の圧延油が使用されているが、その結果冷間圧延さ
れた鋼帯には圧延油が物理的ないし化学的に付着する。
この圧延油が付着したままの状態では以後の工程におい
て種々の不都合が生じるため、冷間圧延終了後に機械的
なワイピングが行われている。しかしながら、このよう
な機械的なワイピングを行っても圧延油を完全に除去す
ることができず、鋼帯の表面に圧延油が残存する。一般
に冷間圧延後の鋼帯は材質調整のため焼鈍処理がなされ
るが、特に光輝焼鈍処理にあっては鋼帯に圧延油が付着
したままの状態では焼鈍後の表面光沢が不均一になった
り、鋼帯表面に酸化物を生じたりする等の表面欠陥を生
じるため、一連のライン化された光輝焼鈍装置の前面側
に設けられた脱脂装置によって脱脂処理が行われてい
る。
【0003】この脱脂処理には従来は主としてトリクロ
ロエタンに代表される有機溶剤が使用されていたが、昨
今地球環境の保護の観点から弗素系有機溶剤や塩素系有
機溶剤の使用廃止の動きが顕著になり、この代替として
水酸化ナトリウムや珪酸ナトリウムに代表されるアルカ
リを主体としたアルカリ系脱脂剤の水溶液(以下、単に
アルカリ系脱脂液と言うことがある)が注目されて来て
いる。このアルカリ系脱脂液を使用した場合には、濯ぎ
洗い工程や乾燥工程が必要となるが、鋼製品を脱脂した
アルカリ系脱脂液を循環使用するとそのアルカリ系脱脂
液中の油分濃度が上昇して脱脂した筈の鋼製品に油分が
付着したまま濯ぎ洗い工程に移行するため洗浄廃水や洗
浄能力の低下したアルカリ系脱脂液の更新に伴って発生
する多量の廃液のみならず濯ぎ洗い後の圧延油等を含む
多量の洗浄廃水の無害化処理装置の併設を必要とし、こ
れらの廃液の無害化処理装置は一般に高価でしかもかな
りの専有面積を必要とすると共にその維持管理に煩わし
さを要するという問題点があった。
【0004】すなわち、使用後のアルカリ脱脂能力の低
下したアルカリ系脱脂液は、蓄積してくる汚染物である
油分や懸濁物等と静電気を利用した方法や限界濾過膜を
使用した方法で分離されることもあるが、これらの方法
の実施は設置費用や処理費用が高いことから、一般的に
は定期的なアルカリ系脱脂液の更新で対応することが多
い。しかし、定期的なアルカリ系脱脂液の更新では、そ
の更新頻度によってはアルカリ系脱脂液中の油分濃度が
上昇する結果、脱脂能力の低下や脱脂処理済みの鋼製品
へアルカリ系脱脂液中の油分が再付着するという問題が
あった。また、鋼製品に付着した油分中には、加工時の
鋼粉が含まれていることが多いため、アルカリ系脱脂液
中にはこの鋼粉も蓄積されることが多い。更に、鋼製品
がステンレス鋼帯の場合には疵防止のため合紙が使用さ
れることが多く、時としてアルカリ系脱脂液中にこの合
紙が混入し溶解して繊維状になる結果、アルカリ系脱脂
液を循環使用する際にアルカリスプレーノズルを閉塞し
て脱脂不良を起こしたり、ステンレス鋼帯に付着して疵
を生じたりすることがあった。このようにアルカリ系脱
脂液は、その使用に伴い圧延油等の油分と、場合によっ
ては摩耗鋼粉等の鋼粉や繊維屑等(以下、懸濁物と言う
ことがある)も蓄積されてくるため、その使用頻度に応
じて汚染度が増し、この汚染されたアルカリ系脱脂液を
継続して循環使用すると、光輝焼鈍後には表面光沢が不
均一であったり、鋼製品表面に酸化物を生じたり、更に
目で見えないまでも表面性状が変化する等の表面欠陥を
生じることがあったのである。
【0005】このような問題点に対処するために、アル
カリ系脱脂液の管理が行われ、一般的にはアルカリ濃度
や油分分散能力が定期的に測定されている。即ち、定期
的にアルカリ系脱脂液のサンプリングを行い、酸を使用
した中和滴定にてアルカリ濃度の測定がなされ、一定量
の油を添加した時の分散状態にて油分分散能力が判定さ
れている。そして、アルカリ濃度が低下した場合はアル
カリが補給され、油分分散能力が低下した場合は浴の更
新がなされている。アルカリの補給は一般的には適量梱
包のアルカリ粉末が使用されているが、この補給作業に
要する労力は多大なものであり、浴の更新頻度を上げる
ことはより大きな労力を伴うのであり、更に浴管理に要
する労力も多大なものであった。一方、更新に伴い発生
する多量の油分を含むアルカリ廃液は、環境上の問題か
ら適正な廃液処理を行う必要がある。即ち、排水基準の
pHを得るために酸による中和処理がなされるが、この
酸には鋼製品の酸洗廃液が利用されることが多い。この
酸洗廃液の利用は、経済的であるばかりでなく、酸洗廃
液中に多量の溶解金属が含まれているためこの中和処理
に際して金属水酸化物を生じてアルカリ廃液中の油分を
吸着するという利点を有している。従って、油分を含む
アルカリ廃液が比較的少量であればこの処理で事足りる
が、多量の場合には加圧浮上処理や活性汚泥処理、更に
は活性炭吸着処理がなされているが、これらの処理装置
は広い設置面積や煩わしい維持管理を要するという問題
がある。
【0006】そもそもアルカリ脱脂は油分をアルカリ系
脱脂液中に分散させることを基本原理とするものであっ
て、化学反応により油分を変質させて取り除こうとする
方法ではないので、アルカリ系脱脂液の組成を変えるこ
となく、少なくともアルカリ系脱脂液中の油分が除去で
きれば、この浴更新に要する労力や廃液処理に関する問
題は低減されることになる。しかしながら、アルカリ系
脱脂液の浄化に関して、設置面積が少なく且つ取扱いが
容易で効果的な処理方法は無かったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解消し、主として水酸化ナトリウムや珪
酸ナトリウムで代表されるアルカリ系脱脂剤を主体とし
た水溶液から成るアルカリ系脱脂液を使用する鋼製品の
アルカリ脱脂処理において、アルカリ系脱脂液中に蓄積
してくる汚染物である油分と更に必要に応じて鋼粉を含
む懸濁物とを低濃度に維持し、鋼製品の品質の安定した
アルカリ脱脂を可能とする方法とその方法の実施に適し
た装置を提供することを課題とする。また、アルカリ系
脱脂液中のアルカリ濃度の管理を簡素化して低労力で鋼
製品の品質の安定したアルカリ脱脂を可能とする方法と
その方法の実施に適した装置を提供することも課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、鋼製品のアルカリ脱脂処理
を行ったアルカリ系脱脂液において、アルカリに富むア
ルカリ系脱脂液とアルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚
染物である圧延油等の油分と更に鋼粉等から成る懸濁物
がある場合にはその懸濁物との比重差に注目して、この
ような汚染物の遠心分離機での除去を検討した結果、充
分除去可能なことを究明した。即ち、アルカリ系脱脂剤
として汎用されている水酸化ナトリウムや珪酸ナトリウ
ムから構成される液温80℃,濃度50g/lの清浄な
アルカリ系脱脂液の溶液比重を実験室的に測定した結果
約1.02であり、圧延油や研削油等の鉱物油の液比重
は約0.8であり、更に懸濁物の見掛け比重は約3と更
に大きいことから、適正な遠心分離機を選定すればこの
比重差でそれぞれに充分分離できると考えて実際に実機
テストを行った結果、アルカリ系脱脂液と油分との2種
類、更に懸濁物が存在する場合にはアルカリ系脱脂液と
油分と懸濁物との3種類に分離でき、このアルカリ系脱
脂液中に蓄積してくる汚染物である油分と更に懸濁物が
存在する場合には鋼粉を含む懸濁物とをアルカリ系脱脂
液から除去できることを確認した。
【0009】このような究明に基づいて、先ずアルカリ
系脱脂液の管理労力の軽減を図るため、アルカリ系脱脂
液中のアルカリ濃度と油分濃度の連続自動管理を検討し
た。一般に脱脂に使用されるアルカリ系脱脂液における
水酸化ナトリウムや珪酸ナトリウム等から成るアルカリ
系脱脂剤の濃度は5%程度であるが、そのpHは12程
度である。このようなアルカリ系脱脂液のアルカリ濃度
を一般にアルカリ濃度の測定に使用されるpH計を使用
して測定しようとしても、pHが大きいからアルカリ系
脱脂剤の濃度が数%変化してもpHの変化が僅かである
ため使用する意味が無いので、他の測定方法について検
討した。不純物の少ない水溶液のアルカリ濃度管理用と
しては超音波伝播速度を計測して濃度換算する方式の計
測器が市販されているが、油分や更に場合によっては懸
濁物が含有されているアルカリ水溶液のアルカリ濃度を
分別定量できるような濃度計は無かった。そこで、この
超音波伝播速度に加えて導電率を同時に計測する原理の
汎用多成分濃度計を使用して、アルカリ系脱脂液中のア
ルカリ濃度と油分とを連続測定したが、信頼できる測定
値は得られなかったので、アルカリ濃度と油分濃度とに
ついてそれぞれ単独で測定する方法に移行して検討し
た。
【0010】アルカリ濃度の測定には、前述した如くp
H計を使用する方法の採用は意味が無いので、導電率を
測定する方法と間欠的ではあるが自動中和滴定法を試み
た。即ち、珪酸ナトリウム濃度を自動中和滴定法によっ
て測定し、SS濃度を濾過重量法により測定し、油分濃
度を四塩化炭素抽出/赤外吸光光度法で測定して、珪酸
ナトリウム濃度値に及ぼす珪酸ナトリウム水溶液中の油
分及びSS濃度の影響を求めた結果、図7に示す如く、
アルカリ系脱脂液中の油分が500mg/l以下,懸濁
物が500mg/l以下の濃度において高い信頼性が得
られ、また自動中和滴定法では油分濃度と懸濁物濃度の
影響が比較的少なく信頼性の高い測定値が得られた。こ
れらの結果に基づいて、アルカリ系脱脂液中の油分及び
懸濁物が存在する場合には懸濁物が遠心分離機の使用に
より低減されているとの前提に立ち、アルカリ濃度の管
理は安価で連続測定が可能な導電率を測定する方法が好
ましいことを究明した。
【0011】また油分の測定には、数波長の吸光度や透
過度を測定する方法や屈折率を測定する方法等を検討し
たが、信頼できる測定値は得られなかった。更に、鉱物
油に対して着色作用のある試薬(例えば、オイルレッ
ド,別名:スダン−4)を添加してその呈色程度を測定
した結果、目視でアルカリ系脱脂液中の油分との関係に
或る程度の相関を得たので、この方法の自動化を図るべ
くその呈色程度を吸光度で定量化し、別途四塩化炭素抽
出/赤外吸光光度法で測定した油分との関係を調査した
が、信頼できる関係が得られなかった。これは、アルカ
リ系脱脂液中に油分が均一に分散していないことと、懸
濁物濃度も時間的に変化する等の外乱を受けたためと推
定される。従って、油分管理は従来より実施されている
一定量の油(例えば500mlのアルカリ系脱脂液中に
10mlの油)を添加した時の分散状態を目視して油分
の分散能力を判定する方法を継続することが好ましいこ
とを確認した。
【0012】また遠心分離機の機種選定に当っては、実
験室的な検討を行った結果、付与する遠心力が2000
〜4000Gの範囲であれば経済的に高い分離効率が得
られ、理由は不明であるが特に2500Gで最も高い分
離効率が得られることが判った。この遠心力範囲内であ
れば、アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物である
油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液との2種類への
分離、又はアルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物で
ある油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液と懸濁物と
の3種類への分離が工業的に実施可能であり、しかも相
互の混入が少ないことを確認したのである。実用的規模
の遠心分離機としては種々の構造のものがあるので、特
に機種の限定は行わない。前記2種類又は3種類の分離
物への遠心分離機の分離能力は、必ずしも遠心力と直線
的比例関係にあるものではないので、その分離能力と価
格とを考慮する必要があるが、アルカリ系脱脂液中に蓄
積してくる汚染物である油分は遠心分離機で分離された
後の油分の濃度が50重量%以上になり、また汚染物中
に懸濁物が存在する場合には遠心分離機で分離された後
の懸濁物の水分濃度が50重量%以下という見た目で乾
燥状態と判断され得る分離能力を有する遠心分離機を選
定することが、分離された後の油分の処理方法として安
価で且つ確実な焼却処理が採用でき、この焼却に際して
含水率が低い方が焼却し易く、また懸濁物の処理方法と
して製鋼原料として再使用する際に水分や油が滴って取
扱いが煩わしいことがないために好ましい。
【0013】アルカリ脱脂においてはアルカリ濃度が低
下すると、脱脂能力の低下を来すため脱脂装置内におい
てアルカリの補給が行われる。従来は、アルカリ系脱脂
液量の調整とアルカリ補給量の算出とを簡略化するた
め、アルカリとして粉末のオルソ珪酸ナトリウムに代表
される珪酸ナトリウムが使用されていた。これは水溶液
での補給を行った場合、その濃度に応じた水も加わるた
めアルカリ系脱脂液量が増加する。即ち、現在のアルカ
リ濃度及びアルカリ系脱脂液量と、目標とするアルカリ
濃度とアルカリ系脱脂液量と補給アルカリ系脱脂液の濃
度とを元にアルカリの収支を計算することで現在のアル
カリ系脱脂液の廃棄量と補給アルカリ系脱脂液の量とが
算出できるが、この作業は面倒であるため前述の如く粉
末アルカリが使用されているのである。このように粉末
であれば、さしたる液量の増加もないため、アルカリ濃
度低下分に見合った補給を行うことで事足りるのであ
る。しかし、粉末アルカリの取扱いは煩わしいためアル
カリ水溶液での補給が好ましく、前述の補給に際しての
面倒な補給量及び廃棄量の算出をアルカリ濃度計と演算
器とを使用して可能となれば、この作業の自動化が行い
得る。本発明は以上の手段を組み合わせることも可能と
するものである。
【0014】以下、本発明に係る鋼製品のアルカリ脱脂
方法及び装置を図面により詳細に説明する。図1〜図3
はアルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼製品を
アルカリ脱脂する場合について示すもので、図1は本発
明に係る鋼製品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の1
実施例を示す説明図、図2は他の実施例を示す説明図、
図3は更に他の実施例を示す説明図である。また、図4
〜図6はアルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が
付着した鋼製品をアルカリ脱脂する場合について示すも
ので、図4は本発明に係る鋼製品のアルカリ脱脂方法を
実施する装置の1実施例を示す説明図、図5は他の実施
例を示す説明図、図6は更に他の実施例を示す説明図で
ある。
【0015】図面中、Sはアルカリ脱脂される鋼製品
(図示した実施例では鋼帯)であり、アルカリ脱脂装置
を構成する湯洗槽1,脱脂槽2,湯洗槽3,乾燥機4を
この順序で順次通過することでアルカリ脱脂・洗浄され
る。脱脂槽2はスプレーノズル2aとナイロン製等のブ
ラシロール2bとこのブラシロール2bに対向するバッ
クアップロール2cとを備えており、スプレーノズル2
aよりアルカリ系脱脂液が鋼帯Sに向けて噴射され、鋼
製品Sはその両面に設置されたブラシロール2bで研掃
することにより鋼製品Sに付着した油分(鋼粉を含むこ
とがある)や汚れが除去される。油分や汚れを含んだア
ルカリ系脱脂液は、図2,3及び図5,6に示した実施
例では貯液槽5に送液され、この貯液槽5内で一時貯液
されている間にその比重差により油分の一部は上層へ集
まり、鋼粉や合紙屑等の懸濁物は下層へ集まる。
【0016】この貯液槽5内で一時貯液されている間に
油分を上層へ、また鋼粉や合紙屑等の懸濁物を下層へ集
める作用を効果的に行うためには、貯液槽5内の槽底部
側に複数の空気吹出しノズル5aを有する空気配管を複
数個設けて、この空気吹出しノズル5aから1〜2kg
/cm2の圧力の空気を吹き出させて、一般に水溶液中
の油分離に汎用されている加圧浮上作用により、アルカ
リ系脱脂液中に分散している油分を分離させることもで
きる。この場合、供給空気の圧力が前記圧力より高すぎ
ると自然沈降にて分離されるべき懸濁物を撹拌してしま
うことあり、また低すぎると貯液槽5内の水圧が勝って
適正な気泡の発生が困難となるので、空気を吹き込む場
合には前記圧力範囲が好ましい。
【0017】また、7は耐アルカリ性と耐熱性とを有す
る材料(例えばSUS304等)で構成されている遠心
分離器であって、供給された液を油分とアルカリに富む
アルカリ系脱脂液と、更に鋼粉を含む懸濁物が存在する
場合には懸濁物とに分離してアルカリに富むアルカリ系
脱脂液以外の汚染物である油分や懸濁物を系外に排出油
分Oや排出懸濁物Mとして排出する機能を有している。
この遠心分離器7へは図2,3及び図5,6に示した実
施例では貯液槽5内の汚染物濃度が濃い液体、即ち図2
及び図3に示す如くアルカリ脱脂する鋼製品が鋼粉を全
く含まないか又は殆ど含まない場合には貯液槽5内の上
部の液が、また図5及び図6に示す如くアルカリ脱脂す
る鋼製品が鋼粉を含む場合には貯液槽5内の上部と下部
の液が、ポンプ6を介して供給される。このようにアル
カリ脱脂を行った後のアルカリ系脱脂液を貯液槽5内に
一時貯液してこの貯液槽5内の一部、即ち上部のみ又は
上部と下部の液体のみが供給される遠心分離器7はその
処理能力が比較的小さな小型の遠心分離器で充分である
が、図1及び図4に示した実施例の如く貯液槽5を設け
ることなく脱脂槽2から直ちにポンプ6を介して油分や
汚れを含んだアルカリ系脱脂液が供給される構造の場合
には処理能力の大きな遠心分離器が使用される。この遠
心分離器7として、前述したようにその遠心力を200
0〜4000Gの範囲に設定できるものを使用すること
が効率が良いので好ましい。
【0018】かくして遠心分離器7によって分離された
アルカリに富むアルカリ系脱脂液は、ポンプ8を介して
送液されるのであるが、その供給先としては種々の態様
がある。即ち、図1及び図4に示した実施例の如く貯液
槽5を設けない場合には、直ちに脱脂槽2のスプレーノ
ズル2aに供給して鋼製品Sのアルカリ脱脂用に使用す
れば良く、図2に示した実施例の如くアルカリ脱脂され
る鋼製品Sが鋼粉を含まないか又は仮りに含んでいても
非常に微量である油分が付着したものであって貯液槽5
を設けられている場合に、貯液槽5内の下部から抜き出
した液と共に脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給して
鋼製品Sのアルカリ脱脂用に使用する場合や、図3に示
した実施例の如くアルカリ脱脂される鋼製品Sが鋼粉を
含まないか又は仮りに含んでいても非常に微量である油
分が付着したものであって貯液槽5を設けられている場
合に、貯液槽5内へ戻して脱脂槽2のスプレーノズル2
aに供給して鋼製品Sのアルカリ脱脂用に使用するのは
貯液槽5内の下部から抜き出した液する場合や、図5に
示した実施例の如くアルカリ脱脂される鋼製品が鋼粉を
含む油分が付着したものであって貯液槽5を設けられて
いる場合に、貯液槽5内の中部から抜き出した液と共に
脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給して鋼製品Sのア
ルカリ脱脂用に使用する場合や、図6に示した実施例の
如くアルカリ脱脂される鋼製品Sが鋼粉を含む油分が付
着したものであって貯液槽5を設けられている場合に、
貯液槽5内へ戻して脱脂槽2のスプレーノズル2aに供
給して鋼製品Sのアルカリ脱脂用に使用するのは貯液槽
5内の中部から抜き出した液とする場合などがある。
【0019】このような種々の態様が存在するのは、ア
ルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカリ系
脱脂液を使用して少なくとも油分が付着した鋼製品Sを
アルカリ脱脂した後のアルカリ系脱脂液を循環使用して
鋼製品Sのアルカリ脱脂を行うに際し、鋼製品Sをアル
カリ脱脂した後のアルカリ系脱脂液の全部又は貯液槽5
内でその比重によって分離された汚染物である油分又は
油分と鋼粉を含む懸濁物の濃度が濃い液から汚染物を遠
心分離機7により集中的に分離して系外に排出する結
果、脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給して鋼製品S
のアルカリ脱脂用に使用するのは汚染物が少ないアルカ
リに富むアルカリ系脱脂液であるからであり、このよう
に汚染物を遠心分離機7により集中的に分離して系外に
排出することによって脱脂槽2のスプレーノズル2aに
供給する液中の油分の濃度を500mg/l以下,懸濁
物が存在する場合には懸濁物の濃度を500mg/l以
下に維持することができるのである。即ち、本発明者ら
はアルカリ系脱脂液の特性について調査した結果、アル
カリ系脱脂液中への油分の分散限界は500mg/l程
度であってこの濃度を超えると油分がアルカリ系脱脂液
中に固定され難くなり油層を形成する結果、脱脂すべき
鋼製品Sを汚染する可能性があり、一方、懸濁物は50
0mg/l以下に保持して長期運転しても脱脂すべき鋼
製品Sに異常が認められないことを究明している。よっ
て、定期的に脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給する
液中の油分の濃度と懸濁物の濃度とを測定し、それぞれ
が500mg/l以下に維持されていることを確認する
ことが好ましい。
【0020】また、脱脂槽2のスプレーノズル2aに供
給する液のアルカリ濃度を管理するために、貯液槽5内
の中間層の液又はポンプ8により脱脂槽2のスプレーノ
ズル2aに供給される配管内の液のアルカリ濃度を導電
率計10により連続的に測定し、この測定結果を演算器
9へ入力し、設定された目標アルカリ濃度と実測された
アルカリ濃度との差異を見てアルカリ濃度が不足してい
る場合は、演算器9よりの指令により弁11が開いて設
定されたアルカリ濃度となるまでアルカリ貯蔵タンク1
2からポンプ13を介して貯液槽5内か、液を脱脂槽2
のスプレーノズル2aに供給する配管内か、又は脱脂槽
2内に溜っている液へアルカリを補給するようになって
いることが好ましい。
【0021】
【実施例】
実施例1 図1に示す構成の装置によって、防錆を目的として鋼粉
が含まれていない油が塗油されている板厚0.5mm,
板幅1200mmのステンレス鋼帯S(SUS304)
のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系脱脂液は
その組成が濃度20g/lの珪酸ナトリウムを主体とす
るものであり、脱脂槽2内に溜った液中の油分の濃度は
800mg/lであった。この脱脂槽2内に溜った液を
ポンプ6で巴工業社製の遠心分離機7(製品名:P−9
500BD)を使用して、遠心力を2000G,液の循
環量を100m3/hrの条件で運転し、油分とアルカ
リに富む水溶液との2種類に分離し、アルカリに富む水
溶液はポンプ8により脱脂槽2のスプレーノズル2aに
供給して循環使用した。遠心分離後のアルカリに富む水
溶液は、アルカリ濃度が20g/lの珪酸ナトリウム,
油分の濃度が200mg/lに維持され、遠心分離機7
からの排出油分Oの油分濃度は80重量%,水分濃度は
20重量%でこのままの状態でも容易に焼却できるもの
であった。
【0022】実施例2 図2に示す構成の装置によって、実施例1と同じステン
レス鋼帯のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系
脱脂液の組成も実施例1と同じで、脱脂槽2内に溜った
液中の油分の濃度も実施例1と同じであった。この液を
脱脂槽2の下方に設置した容量13m3の貯液槽5に流
下させ、この貯液槽5の上部からポンプ6で巴工業社製
の遠心分離機7(製品名:P−7600BD)を使用し
て、遠心力を2500G,液の循環量を50m3/hr
の条件で運転し、油分とアルカリに富む水溶液との2種
類に分離し、分離されたアルカリに富む水溶液と貯液槽
5内の下部から抜き出した液とをポンプ8により脱脂槽
2のスプレーノズル2aに供給して循環使用した。脱脂
槽2のスプレーノズル2aに供給する液はアルカリ濃度
が20g/lの珪酸ナトリウム,油分の濃度が100m
g/lに維持され、遠心分離機7からの排出油分Oの油
分濃度は90重量%,水分濃度は10重量%でこのまま
の状態でも容易に焼却できるものであった。
【0023】実施例3 図3に示す構成の装置によって、実施例1と同じステン
レス鋼帯のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系
脱脂液の組成も実施例1と同じで、脱脂槽2内に溜った
液中の油分の濃度も実施例1と同じであった。この液を
脱脂槽2の下方に設置した容量13m3の貯液槽5に流
下させ、この貯液槽5の上部からポンプ6で巴工業社製
の遠心分離機7(製品名:P−7600BD)を使用し
て、遠心力を2500G,液の循環量を50m3/hr
の条件で運転し、油分とアルカリに富む水溶液との2種
類に分離し、分離されたアルカリに富む水溶液を貯液槽
5内へ戻し、貯液槽5内の下部から抜き出した液をポン
プ8により脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給して循
環使用した。脱脂槽2のスプレーノズル2aに供給する
液はアルカリ濃度が20g/lの珪酸ナトリウム,油分
の濃度が100mg/lに維持され、遠心分離機7から
の排出油分Oの油分濃度は90重量%,水分濃度は10
重量%でこのままの状態でも容易に焼却できるものであ
った。
【0024】実施例4 図4に示す構成の装置によって、冷間圧延後の板厚0.
5mm,板幅1200mmのステンレス鋼帯(SUS3
04)のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系脱
脂液は濃度20g/lの珪酸ナトリウムを主体とするも
のであり、脱脂槽2内に溜った液中の油分の濃度は10
00mg/l、懸濁物の濃度は1000mg/lであっ
た。この液をポンプ6で巴工業社製の遠心分離機7(製
品名:P−9500BD)を使用して、遠心力を230
0G,液の循環量を100m3/hrの条件で運転し、
油分とアルカリに富む水溶液と懸濁物との3種類に分離
し、アルカリに富む水溶液はポンプ8により脱脂槽2の
スプレーノズル2aに供給して循環使用した。遠心分離
後のアルカリに富む水溶液は、アルカリ濃度が20g/
lの珪酸ナトリウム,油分の濃度が200mg/l,懸
濁物の濃度が200mg/lに維持され、遠心分離機7
からの排出油分Oの油分濃度は50重量%,懸濁物濃度
30重量%,水分濃度は20重量%でこのままの状態で
も容易に焼却でき、排出懸濁物Mの懸濁物濃度は85重
量%,油分濃度は10重量%,水分濃度は5重量%でス
テンレス鋼製造用原料の一部としてそのまま使用できる
ものであった。
【0025】実施例5 図5に示す構成の装置によって、実施例4と同じステン
レス鋼帯のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系
脱脂液の組成も実施例4と同じで、脱脂槽2内に溜った
液中の油分の濃度及び懸濁物の濃度も実施例4と同じで
あった。この液を脱脂槽2の下方に設置した容量13m
3の貯液槽5に流下させ、この貯液槽5の上部と下部と
から上部と下部との液の抜き出し比率が1:2になるよ
うにポンプ6で巴工業社製の遠心分離機7(製品名:P
−7600BD)を使用して、遠心力を2500G,液
の循環量を50m3/hrの条件で運転し、油分とアル
カリに富む水溶液と懸濁物との3種類に分離し、分離さ
れたアルカリに富む水溶液と貯液槽5内の中部から抜き
出した液とをポンプ8により脱脂槽2のスプレーノズル
2aに供給して循環使用した。脱脂槽2のスプレーノズ
ル2aに供給する液はアルカリ濃度が20g/lの珪酸
ナトリウム,油分の濃度が100mg/l,懸濁物の濃
度が100mg/lに維持され、遠心分離機7からの排
出油分Oの油分濃度は80重量%,懸濁物濃度10重量
%,水分濃度は10重量%でこのままの状態でも容易に
焼却でき、排出懸濁物Mの懸濁物濃度は70重量%,油
分濃度は20重量%,水分濃度は10重量%でステンレ
ス鋼製造用原料の一部としてそのまま使用できるもので
あった。
【0026】実施例6 図6に示す構成の装置によって、実施例4と同じステン
レス鋼帯のアルカリ脱脂を行った。使用したアルカリ系
脱脂液の組成も実施例4と同じで、脱脂槽2内に溜った
液中の油分の濃度及び懸濁物の濃度も実施例4と同じで
あった。この液を脱脂槽2の下方に設置した容量13m
3の貯液槽5に流下させ、この貯液槽5の上部と下部と
から上部と下部との液の抜き出し比率が1:2になるよ
うにポンプ6で巴工業社製の遠心分離機7(製品名:P
−7600BD)を使用して、遠心力を2500G,液
の循環量を50m3/hrの条件で運転し、油分とアル
カリに富む水溶液と懸濁物との3種類に分離し、分離さ
れたアルカリに富む水溶液を貯液槽5内へ戻し、貯液槽
5内の中部から抜き出した液をポンプ8により脱脂槽2
のスプレーノズル2aに供給して循環使用した。脱脂槽
2のスプレーノズル2aに供給する液はアルカリ濃度が
20g/lの珪酸ナトリウム,油分の濃度が100mg
/l,懸濁物の濃度が100mg/lに維持され、遠心
分離機7からの排出油分Oの油分濃度は50重量%,懸
濁物濃度30重量%,水分濃度は20重量%でこのまま
の状態でも容易に焼却でき、排出懸濁物Mの懸濁物濃度
は85重量%,油分濃度は10重量%,水分濃度は5重
量%でステンレス鋼製造用原料の一部としてそのまま使
用できるものであった。
【0027】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る鋼製
品のアルカリ脱脂方法及び装置は、アルカリ系脱脂剤を
主体とした水溶液から成るアルカリ系脱脂液を使用して
油分又は鋼粉を含む油分が付着した鋼製品をアルカリ脱
脂するに際し、アルカリ脱脂した後のアルカリ系脱脂液
を貯液槽に一時貯液して該アルカリ系脱脂液中に蓄積し
てくる汚染物濃度の濃い液か又は貯液せずにそのままの
状態で遠心分離機に供給して該アルカリ系脱脂液中に蓄
積してくる汚染物である油分とアルカリに富むアルカリ
系脱脂液との2種類又は汚染物である油分と鋼粉を含む
懸濁物とアルカリに富むアルカリ系脱脂液との3種類に
分離してその分離したアルカリに富むアルカリ系脱脂液
を、そのまま循環使用するか、貯液槽内に戻して貯液槽
内の汚染物濃度の薄い液を循環使用するか、又は貯液槽
内の汚染物濃度の薄い液と共に循環使用してして鋼製品
のアルカリ脱脂を行う方法と、この方法を実施するため
の装置に関するものであり、以下に列挙するような種々
の利点を有しているのでその工業的価値の非常に大きな
ものである。
【0028】 アルカリ脱脂後のアルカリ系脱脂液中
から、該アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物であ
る油分や、鋼粉を含む懸濁物が存在する場合にはその懸
濁物を遠心分離機で分離してその分離した汚染物を系外
に排出して汚染物濃度の薄いアルカリ系脱脂液で鋼製品
のアルカリ脱脂を行うので、長期間に亘って良好なアル
カリ脱脂を行うことができる。 アルカリ脱脂後のアルカリ系脱脂液中から、該アル
カリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物を除去して系外に
排出する手段として遠心分離機を使用した結果、アルカ
リ系脱脂液の性状変化が殆ど生じないため、長期間に亘
ってアルカリ系脱脂液の更新を行う必要がない。 前述したように長期間に亘ってアルカリ系脱脂液の
更新を行う必要がないため、従来のようにアルカリ系脱
脂液の浴更新前後で汚染物の含有量の差に起因して脱脂
能力の差による製品品質のバラツキが生じることがな
く、製品品質が安定する。 アルカリ系脱脂液の交換頻度が延長されたことから
費用が低減する。 アルカリ系脱脂液の交換頻度が延長されたことか
ら、この廃アルカリ処理に伴う廃液処理費用が低減す
る。また、高価且つ専用面積を必要とする加圧浮上処理
装置、活性汚泥処理装置等の設置が不要となる。 導電率計を設置してアルカリ濃度の連続管理も可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼
製品をアルカリ脱脂する場合における本発明に係る鋼製
品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の1実施例を示す
説明図である。
【図2】アルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼
製品をアルカリ脱脂する場合における本発明に係る鋼製
品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の他の実施例を示
すである。
【図3】アルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼
製品をアルカリ脱脂する場合における本発明に係る鋼製
品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の更に他の実施例
を示す説明図である。
【図4】アルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が
付着した鋼製品をアルカリ脱脂する場合における本発明
に係る鋼製品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の1実
施例を示す説明図である。
【図5】アルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が
付着した鋼製品をアルカリ脱脂する場合における本発明
に係る鋼製品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の他の
実施例を示す説明図である。
【図6】アルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が
付着した鋼製品をアルカリ脱脂する場合における本発明
に係る鋼製品のアルカリ脱脂方法を実施する装置の更に
他の実施例を示す説明図である。
【図7】導電率計による珪酸ナトリウム濃度値に及ぼす
珪酸ナトリウム水溶液中の油分及びSS濃度の影響を示
す図である。
【符号の説明】
S 鋼製品 1 湯洗槽 2 脱脂槽 2a スプレーノズル 2b ブラシロール 2c バックアップロール 3 湯洗槽 4 乾燥機 5 貯液槽 5a 空気吹出しノズル 6 ポンプ 7 遠心分離機 8 ポンプ 9 演算器 10 導電率計 11 弁 12 アルカリ貯蔵タンク 13 ポンプ O 排出油分 M 排出懸濁物

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼製
    品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を、遠心分離機
    によって該アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染物で
    ある油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液との2種類
    に分離し、その分離したアルカリに富むアルカリ系脱脂
    液を循環使用して鋼製品のアルカリ脱脂を行うことを特
    徴とする鋼製品のアルカリ脱脂方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼製
    品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を貯液槽に一時
    貯液し、この貯液槽内の上部から抜き出した液を遠心分
    離機によって該アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染
    物である油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液との2
    種類に分離し、その分離したアルカリに富むアルカリ系
    脱脂液を貯液槽内の下部から抜き出した液と共に循環使
    用して鋼製品のアルカリ脱脂を行うことを特徴とする鋼
    製品のアルカリ脱脂方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して油分が付着した鋼製
    品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を貯液槽に一時
    貯液し、この貯液槽内の上部から抜き出した液を遠心分
    離機によって該アルカリ系脱脂液中に蓄積してくる汚染
    物である油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液との2
    種類に分離し、その分離したアルカリに富むアルカリ系
    脱脂液を前記貯液槽内へ戻し、前記貯液槽内の下部から
    抜き出した液を循環使用して鋼製品のアルカリ脱脂を行
    うことを特徴とする鋼製品のアルカリ脱脂方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が付
    着した鋼製品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を、
    遠心分離機によって該アルカリ系脱脂液中に蓄積してく
    る汚染物である油分と鋼粉を含む懸濁物とアルカリに富
    むアルカリ系脱脂液との3種類に分離し、その分離した
    アルカリに富むアルカリ系脱脂液を循環使用して鋼製品
    のアルカリ脱脂を行うことを特徴とする鋼製品のアルカ
    リ脱脂方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が付
    着した鋼製品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を貯
    液槽に一時貯液し、この貯液槽内の上部と下部とから抜
    き出した液を遠心分離機によって該アルカリ系脱脂液中
    に蓄積してくる汚染物である油分と鋼粉を含む懸濁物と
    アルカリに富むアルカリ系脱脂液との3種類に分離し、
    その分離したアルカリに富むアルカリ系脱脂液を貯液槽
    内の中部から抜き出した液と共に循環使用して鋼製品の
    アルカリ脱脂を行うことを特徴とする鋼製品のアルカリ
    脱脂方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液か
    ら成るアルカリ系脱脂液を使用して鋼粉を含む油分が付
    着した鋼製品をアルカリ脱脂したアルカリ系脱脂液を貯
    液槽に一時貯液し、この貯液槽内の上部と下部とから抜
    き出した液を遠心分離機によって該アルカリ系脱脂液中
    に蓄積してくる汚染物である油分と鋼粉を含む懸濁物と
    アルカリに富むアルカリ系脱脂液との3種類に分離し、
    その分離したアルカリに富むアルカリ系脱脂液を前記貯
    液槽内へ戻し、前記貯液槽内の中部から抜き出した液を
    循環使用して鋼製品のアルカリ脱脂を行うことを特徴と
    する鋼製品のアルカリ脱脂方法。
  7. 【請求項7】 遠心分離機の遠心力を2000〜400
    0Gの範囲に設定する請求項1から6までのいずれか1
    項に記載の鋼製品のアルカリ脱脂方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ系脱脂液中の油分及び懸濁物を
    それぞれ500mg/l以下に維持し、アルカリ濃度を
    導電率計にて管理する請求項1から7までのいずれか1
    項に記載の鋼製品のアルカリ脱脂方法。
  9. 【請求項9】 油分が付着した鋼製品(S)をアルカリ系
    脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカリ系脱脂液で
    脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の液を後記する
    遠心分離機(7)に供給するポンプ(6)と、該ポンプ(6)
    から供給された液を油分とアルカリに富むアルカリ系脱
    脂液とに分離して油分を排出油分(O)として系外に排出
    する遠心分離機(7)と、該遠心分離機(7)にて分離され
    た前記アルカリに富むアルカリ系脱脂液を前記脱脂槽
    (2)に供給するポンプ(8)とを備えていることを特徴と
    する鋼製品のアルカリ脱脂装置。
  10. 【請求項10】 油分が付着した鋼製品(S)をアルカリ
    系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカリ系脱脂液
    で脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の液を一時貯
    液する貯液槽(5)と、該貯液槽(5)内の上部の液を抜き
    出して後記する遠心分離機(7)に供給するポンプ(6)
    と、該ポンプ(6)から供給された液を油分とアルカリに
    富むアルカリ系脱脂液とに分離して油分を排出油分(O)
    として系外に排出する遠心分離機(7)と、該遠心分離機
    (7)にて分離された前記アルカリに富むアルカリ系脱脂
    液と前記貯液槽(5)内の下部から抜き出した液とを前記
    脱脂槽(2)に供給するポンプ(8)とを備えていることを
    特徴とする鋼製品のアルカリ脱脂装置。
  11. 【請求項11】 油分が付着した鋼製品(S)をアルカリ
    系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカリ系脱脂液
    で脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の液を一時貯
    液する貯液槽(5)と、該貯液槽(5)内の上部の液を抜き
    出して後記する遠心分離機(7)に供給するポンプ(6)
    と、該ポンプ(6)から供給された液を油分とアルカリに
    富むアルカリ系脱脂液とに分離して油分を排出油分(O)
    として系外に排出する遠心分離機(7)と、該遠心分離機
    (7)にて分離された前記アルカリに富むアルカリ系脱脂
    液を前記貯液槽(5)内に供給するポンプ(8)と、該貯液
    槽(5)内の下部から抜き出した液を前記脱脂槽(2)に供
    給するポンプ(9)とを備えていることを特徴とする鋼製
    品のアルカリ脱脂装置。
  12. 【請求項12】 鋼粉を含む油分が付着した鋼製品(S)
    をアルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカ
    リ系脱脂液で脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の
    液を後記する遠心分離機(7)に供給するポンプ(6)と、
    該ポンプ(6)から供給された液を油分とアルカリに富む
    アルカリ系脱脂液と鋼粉を含む懸濁物とに分離して油分
    及び懸濁物を排出油分(O)及び排出懸濁物(M)として系
    外に排出する遠心分離機(7)と、該遠心分離機(7)にて
    分離された前記アルカリに富むアルカリ系脱脂液を前記
    脱脂槽(2)に供給するポンプ(8)とを備えていることを
    特徴とする鋼製品のアルカリ脱脂装置。
  13. 【請求項13】 鋼粉を含む油分が付着した鋼製品(S)
    をアルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカ
    リ系脱脂液で脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の
    液を一時貯液する貯液槽(5)と、該貯液槽(5)内の上部
    と下部との液を抜き出して後記する遠心分離機(7)に供
    給するポンプ(6)と、該ポンプ(6)から供給された液を
    油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液と鋼粉を含む懸
    濁物とに分離して油分及び懸濁物を排出油分(O)及び排
    出懸濁物(M)として系外に排出する遠心分離機(7)と、
    該遠心分離機(7)にて分離された前記アルカリに富むア
    ルカリ系脱脂液と前記貯液槽(5)内の中部から抜き出し
    た液とを前記脱脂槽(2)に供給するポンプ(8)とを備え
    ていることを特徴とする鋼製品のアルカリ脱脂装置。
  14. 【請求項14】 鋼粉を含む油分が付着した鋼製品(S)
    をアルカリ系脱脂剤を主体とした水溶液から成るアルカ
    リ系脱脂液で脱脂する脱脂槽(2)と、該脱脂槽(2)内の
    液を一時貯液する貯液槽(5)と、該貯液槽(5)内の上部
    と下部との液を抜き出して後記する遠心分離機(7)に供
    給するポンプ(6)と、該ポンプ(6)から供給された液を
    油分とアルカリに富むアルカリ系脱脂液と鋼粉を含む懸
    濁物とに分離して油分及び懸濁物を排出油分(O)及び排
    出懸濁物(M)として系外に排出する遠心分離機(7)と、
    該遠心分離機(7)にて分離された前記アルカリに富むア
    ルカリ系脱脂液を前記貯液槽(5)内に供給するポンプ
    (8)と、該貯液槽(5)内の中部から抜き出した液を前記
    脱脂槽(2)に供給するポンプ(9)とを備えていることを
    特徴とする鋼製品のアルカリ脱脂装置。
  15. 【請求項15】 遠心分離機(7)が、その遠心力を20
    00〜4000Gの範囲に設定できる遠心分離機である
    請求項9から14までのいずれか1項に記載の鋼製品の
    アルカリ脱脂装置。
  16. 【請求項16】 脱脂槽(2)に供給するアルカリ系脱脂
    液中のアルカリ濃度を管理する導電率計(11)が貯液槽
    (5)内又はアルカリ系脱脂液を脱脂槽(2)に供給する管
    路内に設置されている請求項9から15までのいずれか
    1項に記載の鋼製品のアルカリ脱脂装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131789A (ja) * 1999-10-29 2001-05-15 Nisshin Steel Co Ltd 電気めっき鋼板の前処理方法および前処理装置
KR100566381B1 (ko) * 2004-06-21 2006-03-31 주식회사 대주기공 알칼리 세척액 정제 장치
JP2007231404A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Nisshin Steel Co Ltd ステンレス鋼帯の洗浄装置
JP2007297659A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Canon Inc 円筒状基体の洗浄方法

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