JPH0758659A - 無線送受信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型でかつ安価な構成によって、送信周波数
帯域と受信周波数帯域を選択できかつ高感度の受信が可
能な無線送受信機を提供する。 【構成】 バンドパスフィルタ１を介した受信信号を高
周波スイッチ回路２を通して受ける第１受信部を構成す
る高周波増幅器３およびミキサ回路４と、バンドパスフ
ィルタ１１を介した受信信号を高周波スイッチ回路１２
を通して受ける第２受信部を構成する高周波増幅器１３
およびミキサ回路１４と、高周波スイッチ回路２を介し
て送信出力を送出する電力増幅器６と、高周波スイッチ
回路２を介して送信出力を送出する電力増幅器１６と、
第１受信部の出力または第２の受信部の出力を選択する
中間周波スイッチ回路１７とを備え、複信通信のときに
受信しない方の受信部および送信出力を送出しない方の
電力増幅器を非動作状態に制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は異なる周波数で送信と受
信とが同時に行える複信方式の無線送受信機に関し、さ
らに詳細には送信周波数帯域と受信周波数帯域を選択で
きる複信方式の無線送受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来の無線送受信機は、例えば
図６に示すように構成されて、アンテナ発振・変調器２
０から出力される被変調波出力を電力増幅器２１によっ
て増幅し、電力増幅された被変調波出力をアンテナ１５
から送信する。アンテナ１５によって受信した受信波は
高周波スイッチ回路２２を介して選択的にバンドパスフ
ィルタ２３または２４の一方にに供給し、バンドパスフ
ィルタ２３、２４からの出力は高周波スイッチ回路２５
を介して取り出し、高周波増幅器２６に供給して増幅
し、増幅出力はミキサ回路２７に供給して局部発振器２
８からの発振出力と周波数混合し、ミキサ回路２７の出
力は中間周波増幅器２９に供給して増幅し、復調回路３
０に供給して復調している。高周波スイッチ回路２２お
よび２５はスイッチ制御回路３１によって送受信周波数
に基づいて制御する。

【０００３】上記した、従来の無線送受信機によってｆ
ｂ周波数帯で受信中にｆａ周波数帯で送信する複信の場
合には、発振・変調器２０をｆａ周波数帯に設定し、電
力増幅器２１を経て送信する。一方、高周波スイッチ回
路２２および２５はバンドパスフィルタ２４（通過周波
数帯域ｆｂ）側に切り換え、バンドパスフィルタ２４を
通過した受信信号を高周波増幅器２６において増幅し、
中間周波数に周波数変換し、中間周波増幅器２９によっ
て増幅し、復調回路３０によって復調して出力する。逆
に、ｆａ周波数帯で受信中にｆｂ周波数帯で送信する複
信の場合には、発振・変調器２０をｆｂ周波数帯に設定
し、電力増幅器２１を経て送信する。一方、高周波スイ
ッチ回路２２および２５はバンドパスフィルタ２３（通
過周波数帯域ｆａ）側に切り換え、バンドパスフィルタ
２３を通過した受信信号を高周波増幅器２６に導く。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の無線送受信機によるときは、高周波スイッチ回
路のアイソレーションが悪いと送信機の出力電力が漏
れ、漏れた送信出力が送信周波数帯域を通過帯域とする
バンドパスフィルタを通って高周波増幅器に加わるとい
う問題点があった。さらに、漏れが多く、このレベルが
高いと、高周波増幅器およびミキサが感度抑圧を起こ
し、受信感度が大きく低下するという問題点が生ずる。
そこで、高感度にて受信するには、高周波スイッチ回路
をアイソレーションのよい回路にする必要があるが、ア
イソレーションのよい高周波スイッチ回路は大型化し、
かつ高価になるという問題点があった。

【０００５】本発明は、小型でかつ安価な構成によっ
て、送信周波数帯域と受信周波数帯域を選択できかつ高
感度の受信が可能な無線送受信機を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の無線送受信機
は、異なる周波数帯で送信と受信とが同時に行える複信
方式の無線送受信機において、アンテナに接続された通
過周波数帯域が異なる第１および第２のバンドパスフィ
ルタと、第１のバンドパスフィルタに接続された第１の
高周波スイッチ回路および第２のバンドパスフィルタに
接続された第２の高周波スイッチ回路と、第１の高周波
スイッチ回路を通した受信信号を増幅して中間周波数に
変換する第１の受信部および第１の高周波スイッチ回路
を通した受信信号を増幅して中間周波数に変換する第２
の受信部と、第１の高周波スイッチ回路を通して第１の
バンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数の送信を
する第１の送信部および第２の高周波スイッチ回路を通
して第２のバンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波
数の送信をする第２の送信部と、第１および第２の受信
部からの出力の一方を選択して中間周波増幅器へ出力す
る選択手段と、第１のバンドパスフィルタの通過周波数
帯域の周波数の受信を行うと共に第２のバンドパスフィ
ルタの通過周波数帯域の周波数による送信を行うとき、
第１の受信部を動作状態に、第２の受信部を非動作状態
に、第１の送信部を非動作状態に、第２の送信部を動作
状態に、第１の高周波スイッチ回路を第１の受信部へ受
信信号を導く側に、第２の高周波スイッチ回路を第２の
送信部の出力通過側におよび選択手段を第１の受信部か
らの出力選択側に制御し、かつ第１のバンドパスフィル
タの通過周波数帯域の周波数による送信を行うと共に第
２のバンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数の受
信を行うとき、第１の受信部を非動作状態に、第２の受
信部を動作状態に、第１の送信部を動作状態に、第２の
送信部を非動作状態に、第１の高周波スイッチ回路を第
１の送信部の出力通過側に、第２の高周波スイッチ回路
を第２の受信部へ受信信号を導く側におよび選択手段を
第２の受信部からの出力選択側に制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。

【０００７】本発明の無線送受信機において、制御手段
は、第１のバンドパスフィルタからの受信信号を第１の
受信部に導く第１のダイオードスイッチ回路と、第１の
送信部の出力を第１のバンドパスフィルタに導く第２の
ダイオードスイッチ回路と、第２のバンドパスフィルタ
からの受信信号を第２の受信部に導く第３のダイオード
スイッチ回路と、第２の送信部の出力を第２のバンドパ
スフィルタへ導く第４のダイオードスイッチ回路と、第
１の受信部の出力を選択する第５のダイオードスイッチ
回路と、第２の受信部の出力を選択する第６のダイオー
ドスイッチ回路と、第１のバンドパスフィルタの通過周
波数帯域の周波数の受信を行うと共に第２のバンドパス
フィルタの通過周波数帯域の周波数による送信を行う場
合に、第１、第４および第５のダイオードスイッチ回路
をオン状態に制御すると共に第１の受信部および第２の
送信部に電源を供給する第１のトランジスタスイッチ手
段と、第１のバンドパスフィルタの通過周波数帯域の周
波数による送信を行うと共に第２のバンドパスフィルタ
の通過周波数帯域の周波数の受信を行う場合に、第２、
第３および第６のダイオードスイッチ回路をオン状態に
制御すると共に第２の受信部および第１の送信部に電源
を供給する第１のトランジスタスイッチ手段とを備えた
ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明の無線送受信機は、第１のバンドパスフ
ィルタの通過周波数帯域の周波数の受信を行うと共に第
２のバンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数によ
る送信を行うときには、第１のバンドパスフィルタを通
して受信した受信信号が第１の受信部において受信さ
れ、第１の受信部からの出力は選択手段によって選択さ
れる。一方、第２の送信部からの送信出力は第２のバン
ドパスフィルタを介してアンテナから送信される。この
ときに、第１、第２高周波スイッチ回路および中間周波
スイッチ回路のアイソレーションが悪くても、第２の受
信部および第１の送信部は非動作状態に制御されている
ために、第２受信部および第１送信部は減衰器として作
用し、第１受信部の感度抑圧は低減されて、高感度の受
信ができることになる。第１のバンドパスフィルタの通
過周波数帯域の周波数による送信を行うと共に第２のバ
ンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数の受信を行
うときには、第２のバンドパスフィルタを通して受信し
た受信信号が第２の受信部において受信され、第２の受
信部からの出力は選択手段によって選択される。一方、
第１の送信部からの送信出力は第１のバンドパスフィル
タを介してアンテナから送信される。このときに、第
１、第２高周波スイッチ回路および中間周波スイッチ回
路のアイソレーションが悪くても、第１の受信部および
第２の送信部は非動作状態に制御されているために、第
１受信部および第２送信部は減衰器として作用し、第２
受信部の感度抑圧は低減されて、高感度の受信ができる
ことになる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。図１
は本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。

【００１０】アンテナ１５にはｆｂ周波数帯域のＲＦ信
号を通過帯域とするバンドパスフィルタ１が接続してあ
って、アンテナ１５にて電気信号に変換されたｆｂ周波
数帯域のＲＦ信号はバンドパスフィルタ１を通して高周
波スイッチ回路２に供給し、高周波スイッチ回路２を通
ったＲＦ信号を高周波増幅器３に供給して増幅し、増幅
ＲＦ信号をミキサ回路４に導いて局部発振器５の発振出
力の周波数と周波数混合して中間周波数に変換するよう
に、ｆｂ周波数帯の受信側が構成してある。

【００１１】一方、送信側については、マイクロフォン
などからの入力信号を発振・変調器９に導いて、発振・
変調器９において発振される搬送波信号を入力信号によ
って変調し、発振・変調器９から出力される変調波信号
は高周波スイッチ回路１０を介して電力増幅器６に供給
して、電力増幅し、増幅出力を高周波スイッチ回路２を
介してバンドパスフィルタ１を通してアンテナ１５から
送信するように構成してある。

【００１２】さらに、アンテナ１５にはｆａ周波数帯域
のＲＦ信号を通過帯域とするバンドパスフィルタ１１が
接続してあって、アンテナ１５にて電気信号に変換され
たｆａ周波数帯域のＲＦ信号はバンドパスフィルタ１１
を通して高周波スイッチ回路１２に供給し、高周波スイ
ッチ回路１２を通ったＲＦ信号を高周波増幅器１３に供
給して増幅し、増幅ＲＦ信号をミキサ回路１４に導いて
局部発振器５の発振出力の周波数と周波数混合して中間
周波数に変換するように、ｆａ周波数帯の受信側が構成
してある。さらに、ミキサ回路４から出力される中間周
波信号とミキサ回路１４から出力される中間周波信号と
は中間周波スイッチ回路１７に供給して一方を選択して
中間周波増幅器７に供給し、増幅された中間周波信号を
復調器８に供給して復調し、出力するように構成してあ
る。

【００１３】一方、発振・変調器９からの変調波信号は
高周波スイッチ回路１０を介して電力増幅器１６に供給
して、電力増幅し、増幅出力を高周波スイッチ回路１２
を介してバンドパスフィルタ１１を通してアンテナ１５
から送信するように構成してある。

【００１４】すなわち、本実施例の無線送受信機は、中
間周波段を共通にした同様構成の一対の受信側高周波段
部と、発振・変調器を共通にした同様構成の一対の送信
部とで構成してある。

【００１５】ここで、ｆｂ周波数帯受信、ｆａ周波数帯
送信中は、スイッチ制御回路１８の制御のもとに、高周
波増幅器３、ミキサ回路４および電力増幅器１６を動作
状態に制御し、高周波増幅器１３、ミキサ回路１４およ
び電力増幅器６を非動作状態に制御し、バンドパスフィ
ルタ１の出力を高周波増幅器３に導く状態に高周波スイ
ッチ回路２を制御し、電力増幅器１６からの出力をバン
ドパスフィルタ１１に導く状態に高周波スイッチ回路１
２を制御し、発振・変調器９からの出力被変調波信号を
電力増幅器１６に導く状態に高周波スイッチ回路１０を
制御し、ミキサ回路４によって周波数変換された中間周
波信号を中間周波増幅器７へ導く状態に中間周波スイッ
チ回路１７をそれぞれ制御する。

【００１６】一方、ｆａ周波数帯受信、ｆｂ周波数帯送
信中は、スイッチ制御回路１８の制御のもとに、高周波
増幅器３、ミキサ回路４および電力増幅器１６を非動作
状態に制御し、高周波増幅器１３、ミキサ回路１４およ
び電力増幅器６を動作状態に制御し、バンドパスフィル
タ１１の出力を高周波増幅器１３に導く状態に高周波ス
イッチ回路１２を制御し、電力増幅器６からの出力をバ
ンドパスフィルタ１に導く状態に高周波スイッチ回路２
を制御し、発振・変調器９からの出力被変調波信号を電
力増幅器６に導く状態に高周波スイッチ回路１０を制御
し、ミキサ回路１４によって周波数変換された中間周波
信号を中間周波増幅器７へ導く状態に中間周波スイッチ
回路１７をそれぞれ制御する。

【００１７】高周波スイッチ回路２は、図２に示すよう
にダイオードＤ１およびＤ２をスイッチング素子とする
ダイオードスイッチ回路にて構成し、ｆｂ周波数帯受
信、ｆａ周波数帯送信中、高電位信号を制御信号として
端子Ａに印加してダイオードＤ２をオン状態に制御し、
バンドパスフィルタ１からの出力を高周波増幅器３に導
き、ｆａ周波数帯受信、ｆｂ周波数帯送信中、高電位信
号を制御信号として端子Ｂに印加してダイオードＤ１を
オン状態に制御して電力増幅器６からの出力をバンドパ
スフィルタ１に導く。

【００１８】高周波スイッチ回路１２も図２と同様に、
ダイオードＤ１およびＤ２をスイッチング素子とするダ
イオードスイッチ回路にて構成し、ｆｂ周波数帯受信、
ｆａ周波数帯送信中、高電位信号を制御信号として端子
（Ａ）に印加してダイオードＤ１をオン状態に制御し、
電力増幅器１６からの出力をバンドパスフィルタ１１に
導き、ｆａ周波数帯受信、ｆｂ周波数帯送信中、高電位
信号を制御信号として端子（Ｂ）に印加してダイオード
Ｄ２をオン状態に制御してバンドパスフィルタ１１から
の出力を高周波増幅器１３に導く。

【００１９】高周波スイッチ回路１０も図２と同様に、
ダイオードＤ１およびＤ２をスイッチング素子とするダ
イオードスイッチ回路にて構成し、ｆｂ周波数帯受信、
ｆａ周波数帯送信中、高電位信号を制御信号として端子
（Ａ）に印加してダイオードＤ１をオン状態に制御し、
発振・変調器１０からの出力変調波信号を電力増幅器１
６に導き、ｆａ周波数帯受信、ｆｂ周波数帯送信中、高
電位信号を制御信号として端子（Ｂ）に印加してダイオ
ードＤ２をオン状態に制御して発振・変調器１０からの
出力変調波信号を電力増幅器６に導く。

【００２０】中間周波スイッチ回路１７は、図３に示す
ようにダイオードＤ３およびＤ４をスイッチング素子と
するダイオードスイッチ回路にて構成し、ｆｂ周波数帯
受信、ｆａ周波数帯送信中、高電位信号を制御信号とし
て端子Ａに印加してダイオードＤ３をオン状態に制御
し、ミキサ回路４から出力される中間周波信号を中間周
波増幅器７に導き、ｆａ周波数帯受信、ｆｂ周波数帯送
信中、高電位信号を制御信号として端子Ｂに印加してダ
イオードＤ４をオン状態に制御し、ミキサ回路１４から
出力される中間周波信号を中間周波増幅器７に導く。

【００２１】スイッチ制御回路１８は、図４に示すよう
に無線送受信機を制御するマイクロコンピュータ１９か
ら、ｆｂ周波数帯受信、ｆａ周波数帯送信中のみ低電位
となる電圧がトランジスタＱ１のベースに電流を流しト
ランジスタＱ１をオン状態に制御し、トランジスタＱ１
を介した電圧を電源電圧として高周波増幅器３、ミキサ
回路４および電力増幅器１６に電源電圧として印加して
動作状態に制御すると共に、高周波スイッチ回路２、１
０、１２および中間周波スイッチング回路６の端子Ａ
（Ａ）に印加して、バンドパスフィルタ１の出力を高周
波増幅器３に導き、電力増幅器１６からの出力をバンド
パスフィルタ１１に導き、発振・変調器９からの出力被
変調波信号を電力増幅器１６に導き、ミキサ回路４によ
って周波数変換された中間周波信号を中間周波増幅器７
へ導くように制御する。

【００２２】また、スイッチ制御回路１８は、ｆａ周波
数帯受信、ｆｂ周波数帯送信中のみ低電位となる電圧が
トランジスタＱ２のベースに電流を流しトランジスタＱ
２をオン状態に制御し、トランジスタＱ２を介した電圧
を電源電圧として高周波増幅器１３、ミキサ回路１４お
よび電力増幅器６に電源電圧として印加して動作状態に
制御すると共に、高周波スイッチ回路２、１０、１２お
よび中間周波スイッチング回路６の端子Ｂ（Ｂ）に印加
して、バンドパスフィルタ１１の出力を高周波増幅器１
３に導き、電力増幅器６からの出力をバンドパスフィル
タ１に導き、発振・変調器９からの出力変調波信号を電
力増幅器６に導き、ミキサ回路１４によって周波数変換
された中間周波信号を中間周波増幅器７へ導く状態に中
間周波スイッチ回路１７をそれぞれ制御する。

【００２３】また、バンドパスフィルタ１および１１の
通過周波数特性は図５においてａおよびｂに示す特性を
有するように構成してある。

【００２４】上記のように構成された本実施例の無線送
受信機において、ｆｂ周波数帯受信、ｆａ周波数帯送信
中は、トランジスタＱ１がオン状態に制御され、トラン
ジスタＱ１を介した電圧が電源電圧として印加されて高
周波増幅器３、ミキサ回路４および電力増幅器１６が動
作状態にされ、高周波スイッチ回路２、１０、１２およ
び中間周波スイッチング回路６の端子Ａ（Ａ）に印加さ
れる。したがって、高周波スイッチ回路２は高周波増幅
器３側に、高周波スイッチ回路１２は電力増幅器１６側
に、中間周波スイッチ回路１７はミキサ回路４側に切り
換えられる。

【００２５】したがって、バンドパスフィルタ１を通っ
たｆｂ周波数帯の受信信号が高周波スイッチ回路２を通
して高周波増幅器３に導かれて、高周波増幅器３におい
て増幅され、ミキサ回路４において中間周波信号に周波
数変換されて、中間周波スイッチ回路１７を通して中間
周波増幅器７に導かれて増幅され、復調器８において復
調される。

【００２６】一方、発振・変調器９はｆａ周波数周波数
帯の搬送波を発振しこれに変調をかけ、発振・変調器９
からの出力変調波信号は高周波スイッチ回路１０を通し
て電力増幅器１６に供給され、電力増幅器１６において
電力増幅され、電力増幅された送信出力は高周波スイッ
チ回路１２を通してバンドパスフィルタ１１、アンテナ
１５を介して送信される。この結果、ｆａ周波数帯の送
信出力の送信が行われ、ｆｂ周波数帯の受信信号の受信
が行われる複信による通信がなされる。

【００２７】なお、この場合は高周波増幅器１３、ミキ
サ回路１４および電力増幅器６は動作状態に制御され
ず、非動作状態にされている。したがって、高周波スイ
ッチ回路２および１０のアイソレションがそれほど良く
なくて、高周波スイッチ回路１０からの送信出力の漏れ
が多いときにおいても、電力増幅器６は非動作状態に制
御されているため、周波数ｆａの漏れた高周波信号が高
周波増幅器３に漏れることはなく、さらに、高周波スイ
ッチ回路１２のアイソレーションがそれほど良くなくて
電力増幅器１６からの送信出力の漏れが多いときにおい
ても、高周波増幅器１３およびミキサ回路１４は非動作
状態に制御されているため、周波数ｆａの漏れた送信出
力が中間周波スイッチ回路１７に漏れることはなく、中
間周波スイッチ回路１７のアイソレーションがそれほど
良くなくても、ミキサ回路４側に漏れることはない。

【００２８】すなわち、高周波増幅器３およびミキサ回
路４において感度抑圧を起こすことはなく、非動作状態
となっている電力増幅器６、高周波増幅器１３およびミ
キサ回路１４が減衰器として作用し、漏れ送信出力を小
さくするため、この結果、感度抑圧は小さく、ｆｂ周波
数帯受信が高感度の受信ができる。

【００２９】また、逆にｆｂ周波数帯送信、ｆａ周波数
帯受信中は、トランジスタＱ２がオン状態に制御され、
トランジスタＱ２を介した電圧が電源電圧として印加さ
れて高周波増幅器１３、ミキサ回路１４および電力増幅
器６が動作状態にされ、高周波スイッチ回路２、１０、
１２および中間周波スイッチング回路６の端子Ｂ（Ｂ）
に印加される。したがって、高周波スイッチ回路２は高
周波増幅器１３側に、高周波スイッチ回路１２は電力増
幅器６側に、中間周波スイッチ回路１７はミキサ回路１
４側に切り換えられる。

【００３０】したがって、バンドパスフィルタ１１を通
ったｆａ周波数帯の受信信号が高周波スイッチ回路１２
を通して高周波増幅器１３に導かれて、高周波増幅器１
３において増幅され、ミキサ回路１４において中間周波
信号に周波数変換されて、中間周波スイッチ回路１７を
通して中間周波増幅器７に導かれて増幅され、復調器８
において復調される。

【００３１】一方、発振・変調器９はｆｂ周波数周波数
帯の搬送波を発振しこれに変調をかけ、発振・変調器９
からの出力変調波信号は高周波スイッチ回路１０を通し
て電力増幅器６に供給され、電力増幅器６において電力
増幅され、電力増幅された送信出力は高周波スイッチ回
路２を通してバンドパスフィルタ１、アンテナ１５を介
して送信される。この結果、ｆｂ周波数帯の送信出力の
送信が行われ、ｆａ周波数帯の受信信号の受信が行われ
る複信による通信がなされる。

【００３２】なお、この場合は高周波増幅器３、ミキサ
回路４および電力増幅器１６は動作状態に制御されず、
非動作状態にされている。したがって、この場合におい
て高周波スイッチ回路１２および１０のアイソレーショ
ンがそれほど良くなくて、高周波スイッチ回路１２から
の送信出力の漏れが多いときにおいても、電力増幅器１
６は非動作状態に制御されているため、周波数ｆｂの漏
れた高周波信号出力が高周波増幅器１３に漏れることは
なく、さらに、高周波スイッチ回路２のアイソレーショ
ンがそれほど良くなくて電力増幅器６からの送信出力の
漏れが多いときにおいても、高周波増幅器３およびミキ
サ回路４は非動作状態に制御されているため、周波数ｆ
ｂの漏れた送信出力が中間周波スイッチ回路１７に漏れ
ることはなく、中間周波スイッチ回路１７のアイソレー
ションがそれほど良くなくても、ミキサ回路１４側に漏
れることはない。

【００３３】すなわち、高周波増幅器１３およびミキサ
回路１４において感度抑圧を起こすことはなく、非動作
状態となっている電力増幅器１６、高周波増幅器３およ
びミキサ回路４が減衰器として作用し、漏れ送信出力を
小さくするため、この結果、感度抑圧は小さく、ｆａ周
波数帯受信が高感度の受信ができる。上記のように２つ
の異なる周波数での複信通信が高感度で行えると共に、
送信周波数と受信周波数とを選択することができる。

【００３４】また、高周波増幅器３、ミキサ回路４およ
び電力増幅器６、高周波増幅器１３、ミキサ回路１４お
よび電力増幅器１６のそれぞれをさらに細かくオン・オ
フ制御することによって、単信通信がｆａ周波数帯、ｆ
ｂ周波数帯で行え、さらに、ｆａ周波数帯とｆｂ周波数
帯とを使用した半複信通信を行うこともできる。すなわ
ち、ｆａ周波数帯とｆｂ周波数帯とによって単信通信、
半複信通信、複信通信を選択することもできる。

【００３５】さらに、バンドパスフィルタ、高周波増幅
器、ミキサ回路および電力増幅器の数を増加し、高周波
スイッチ回路および中間周波スイッチ回路による選択数
を増加することによって多数の周波数を選択することも
できる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、受
信していない方の受信部および送信していない方の送信
部は非動作状態にされているため、第１、第２高周波ス
イッチ回路および中間周波スイッチ回路のアイソレーシ
ョンが悪くても、非動作状態にされている受信部および
送信部が減衰器として作用し、動作状態中の受信部への
送信出力の漏れはきわめて少なくなる効果がある。ま
た、このために動作中の信部漏れの影響を受けず、感度
な受信ができることになる効果がある。

【００３７】また、制御手段はダイオードスイッチ回路
およびトランジスタスイッチ手段で構成できるため、構
成が簡単ですむという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の無線送受信機の構成を示す
ブロック図である。

【図２】本発明の一実施例の無線送受信機における高周
波スイッチ回路の構成を示す回路図である。

【図３】本発明の一実施例の無線送受信機における中間
周波スイッチ回路の構成を示す回路図である。

【図４】本発明の一実施例の無線送受信機におけるスイ
ッチ制御回路の構成を示すブロック図である。

【図５】本発明の一実施例の無線送受信機におけるバン
ドパスフィルタの周波数特性図である。

【図６】従来例の無線送受信機の構成を示すブロック図
である。

【符号の説明】

１および１１ バンドパスフィルタ ２、１０および１２ 高周波スイッチ回路 ３および１３ 高周波増幅器 ４および１４ ミキサ回路 ５ 局部発振器 ６および１６ 電力増幅器 ７ 中間周波増幅器 ８ 復調器 ９ 発振・変調器 １７ 中間周波スイッチ回路 １８ スイッチ制御回路 １９ マイクロコンピュータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異なる周波数帯で送信と受信とが同時に
   行える複信方式の無線送受信機において、 アンテナに接続された通過周波数帯域が異なる第１およ
   び第２のバンドパスフィルタと、 第１のバンドパスフィルタに接続された第１の高周波ス
   イッチ回路および第２のバンドパスフィルタに接続され
   た第２の高周波スイッチ回路と、 第１の高周波スイッチ回路を通した受信信号を増幅して
   中間周波数に変換する第１の受信部および第１の高周波
   スイッチ回路を通した受信信号を増幅して中間周波数に
   変換する第２の受信部と、 第１の高周波スイッチ回路を通して第１のバンドパスフ
   ィルタの通過周波数帯域の周波数の送信をする第１の送
   信部および第２の高周波スイッチ回路を通して第２のバ
   ンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数の送信をす
   る第２の送信部と、 第１および第２の受信部からの出力の一方を選択して中
   間周波増幅器へ出力する選択手段と、 第１のバンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数の
   受信を行うと共に第２のバンドパスフィルタの通過周波
   数帯域の周波数による送信を行うとき、第１の受信部を
   動作状態に、第２の受信部を非動作状態に、第１の送信
   部を非動作状態に、第２の送信部を動作状態に、第１の
   高周波スイッチ回路を第１の受信部へ受信信号を導く側
   に、第２の高周波スイッチ回路を第２の送信部の出力通
   過側におよび選択手段を第１の受信部からの出力選択側
   に制御し、かつ第１のバンドパスフィルタの通過周波数
   帯域の周波数による送信を行うと共に第２のバンドパス
   フィルタの通過周波数帯域の周波数の受信を行うとき、
   第１の受信部を非動作状態に、第２の受信部を動作状態
   に、第１の送信部を動作状態に、第２の送信部を非動作
   状態に、第１の高周波スイッチ回路を第１の送信部の出
   力通過側に、第２の高周波スイッチ回路を第２の受信部
   へ受信信号を導く側におよび選択手段を第２の受信部か
   らの出力選択側に制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする無線送受信機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の無線送受信機において、
   制御手段は、第１のバンドパスフィルタからの受信信号
   を第１の受信部に導く第１のダイオードスイッチ回路
   と、第１の送信部の出力を第１のバンドパスフィルタに
   導く第２のダイオードスイッチ回路と、第２のバンドパ
   スフィルタからの受信信号を第２の受信部に導く第３の
   ダイオードスイッチ回路と、第２の送信部の出力を第２
   のバンドパスフィルタへ導く第４のダイオードスイッチ
   回路と、第１の受信部の出力を選択する第５のダイオー
   ドスイッチ回路と、第２の受信部の出力を選択する第６
   のダイオードスイッチ回路と、第１のバンドパスフィル
   タの通過周波数帯域の周波数の受信を行うと共に第２の
   バンドパスフィルタの通過周波数帯域の周波数による送
   信を行う場合に第１、第４および第５のダイオードスイ
   ッチ回路をオン状態に制御すると共に第１の受信部およ
   び第２の送信部に電源を供給する第１のトランジスタス
   イッチ手段と、第１のバンドパスフィルタの通過周波数
   帯域の周波数による送信を行うと共に第２のバンドパス
   フィルタの通過周波数帯域の周波数の受信を行う場合に
   第２、第３および第６のダイオードスイッチ回路をオン
   状態に制御すると共に第２の受信部および第１の送信部
   に電源を供給する第１のトランジスタスイッチ手段とを
   備えたことを特徴とする無線送受信機。