JPH0758277B2 - 防錆剤を含有する液体の防食性検出装置 - Google Patents

防錆剤を含有する液体の防食性検出装置

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JPH0758277B2
JPH0758277B2 JP61151778A JP15177886A JPH0758277B2 JP H0758277 B2 JPH0758277 B2 JP H0758277B2 JP 61151778 A JP61151778 A JP 61151778A JP 15177886 A JP15177886 A JP 15177886A JP H0758277 B2 JPH0758277 B2 JP H0758277B2
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孝之 市原
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株式会社土屋製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、防食剤を含有する液体の防食性検出装置、
特に防食性検出回路の腐食センサとして使用する電極の
消耗又は劣化を減少できる防食性検出装置に関連する。
従来の技術 自動車のラジエータには、通常、不凍液又は防錆剤を添
加した冷却水が使用されている。即ち、LLC(ロングラ
イフクーラント)液と指称される添加剤を所定濃度(約
30%)で水(約70%)に混合した冷却液を自動車エンジ
ンの冷却剤として使用し、冷却水系の腐食及び凍結を防
止する方法が一般的に採用されている。このような冷却
水の防食剤としてアミン系有機防食剤又は亜硝酸塩無機
防食剤が使用される。この冷却水の防食性は、冷却水を
定期的に交換したり或いは部分的に補給する時間的管理
により良好な状態に維持されている。
近年、防錆剤を含有する冷却水内にイオン化傾向の異な
る二種の金属を浸漬したときに発生するガルバノ電流を
測定することにより冷却水の防食性を自動的に測定する
防食性検出装置が開発された。この装置は、第5図に示
すように、イオン化傾向の異なる二種の金属により形成
されかつラジエータの冷却水内に浸漬された一対の電極
1、2と電極1、2間を流れる電流を増幅する増幅器を
有しこの増幅器の出力が所定レベルを越えると警報出力
を生ずるレベル検出回路3と、レベル検出回路の警報出
力で作動される警報装置4とを有する。レベル検出回路
3は、イグニッションスイッチ5を通じて電源6に接続
される。
イグニッションスイッチ5をオンにしたとき、冷却水の
防食性が低下すると、電極1、2間を流れる電流が増大
し、レベル検出回路3が出力を発生して、発行ダイオー
ド又は音響警報装置を有する警報装置4が作動する。こ
のように、警報装置4の作動により自動車の運転者に冷
却水の防食性劣化を報告していた。
発明が解決しようとする問題点 上記従来の防食性検出装置では、電極1、2が常時冷却
水中に浸漬されかつイグニッションスイッチ5をオン状
態に保持する間、電極1、2間に継続的にガルバノ電流
が流れている。ガルバノ電流は、数十μA程度の微小電
流であるが、この電流が流れている間、アノード側の電
極を構成する金属は、冷却水中に溶出し、電食により消
損する。また、各電極の表面には冷却水中に含まれる荷
電粒子、腐食生成物、錆及びスケール等が付着しかつ堆
積する。特に、冷却水の防食性が低下した場合は、電極
の腐食及び異物の付着により、電極は腐食減量し、か
つ、発生するガルバノ電流を正確に測定できない欠陥が
生ずる。
この発明は、上記欠陥の無い防錆剤を含有する液体の防
食性検出装置を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 防錆剤を含有する液体内にイオン化傾向の異なる二種の
金属を浸漬したときにガルバノ電流が発生する。防錆剤
を含有する液体のガルバノ電流を測定するこの発明の防
食性検出装置は、イオン化傾向の異なる二種の金属によ
り形成された一対の電極と、電極間を流れる電流を増幅
する増幅器と、増幅器の出力が所定レベルを越えると出
力を生ずるレベル検出回路と、レベル検出回路の出力で
作動する警報装置と、電極に流れる電流を制御する電流
制御回路と、手動操作されるスイッチとを備えている。
レベル検出回路は、一方の入力端子に印加される増幅器
の出力と他方の入力端子に印加される一定電圧とを比較
し、増幅器の出力が一定電圧より高いとき出力を発生す
る比較器と、比較器の出力で警報装置への出力を保持す
る自己保持回路とを有する。スイッチを操作した後、一
定時間の間のみ、電流制御回路を通じて電極間にガルバ
ノ電流を流し、自己保持回路はスイッチがオフになるま
で警報装置を作動する。
作用 スイッチを手動操作した後、一定時間のみ電極にガルバ
ノ電流を発生させ、防食性の測定を行い、一定時間経過
後は、ガルバノ電流の発生を阻止する。その後、自己保
持回路はスイッチがオフになるまで警報装置を作動する
ので、ガルバノ電流の流れが停止した一定時間経過後で
も防食性の低下を確認することができる。
実施例 以下、この発明の実施例を第1図ないし第4図について
説明する。これらの図面では、第5図に示す部分と同一
の部分は同一符号を付し、説明を省略する。
第1図に示すように、この発明の防錆剤を含有する液体
の防食性検出装置は、電極1、2間を流れる電流を増幅
する増幅器7と、増幅器7の出力が所定レベルを越える
と警報出力を生ずるレベル検出回路8と、レベル検出回
路の警報出力で作動される警報装置4と、電極1、2に
流れる電流を制御する電流制御回路9とを有する。一対
の電極1、2のうち、アノードは、イオン化傾向の高い
金属例えば、亜鉛、アルミニウム又は鉄等の金属で形成
され、カソードは、イオン化傾向の低い金属例えば白金
等で形成される。
電流で制御回路9は、第2図に示すように、ゲート素子
としてのトランジスタ10と、手動操作されるスイッチ11
が操作された時、一定時間の間、ダイオードを通じてト
ランジスタ10に作動信号を供給するタイマ回路12を有す
る。スイッチ11は、電源6に接続された自動車のイグニ
ッションスイッチである。増幅器7の出力は、そのレベ
ルを表示する指針表示装置14及びレベル検出回路9に与
えられる。
レベル検出回路8は、シュミットトリガ回路で構成さ
れ、一方の入力端子に印加される増幅器7の出力と他方
の入力端子に印加される一定電圧とを比較し、増幅器7
の出力が上記一定電圧より高いとき出力を発生する比較
器15と、比較器15の出力で警報装置4への出力を保持す
る自己保持回路16とを有する。上記比較器15の他方の入
力端子には、可変抵抗を含む複数の抵抗で構成された分
圧器13により設定された一定レベルの電圧が印加され
る。自己保持回路16は、比較器15の出力が与えられるベ
ースを有するトランジスタ17と、トランジスタ17のコレ
クタに接続されたベースを有するトランジスタ18とを有
する。トランジスタ17のエミッタは接地され、トランジ
スタ18のコレクタは、ダイオード22を介してトランジス
タ17のベースに接続される。また、トランジスタ18のエ
ミッタは、抵抗19を通じてスイッチ11に接続され、コレ
クタは、警報装置4の発光ダイオード20と抵抗21を通じ
て接地される。
上記構成において、使用時に、スイッチ11を手動でオン
にすると、タイマ回路12は、ワンショットマルチバイブ
レータを有し、入力電圧の立上りにより所定時間間隔の
出力パルスを発生して、トランジスタ10をオンにする。
タイマ回路12の出力を発生する時間間隔は、トランジス
タ10を通じて液体内に浸漬した一対の電極1、2間にガ
ルバノ電流が流れ始め、この電流が定常レベルに達する
のに必要な時間で、約0.5〜3秒である。しかし、この
時間間隔は、測定条件に応じて当業者が適宜設定する値
である。この時間が経過した後は、タイマ回路12は、出
力を停止するので、トランジスタ10がオフとなり、電極
1、2間にガルバノ電流は生じない。
発生したガルバノ電流は、増幅器7により増幅されてレ
ベル検出回路8を構成する比較器15の一方の端子に供給
される。防食性が低下していると、電極1、2のうち、
亜鉛又はアルミニウム等の金属で形成されたアノード
は、液体内に多量に溶出し、電極1、2間に大きなガル
バノ電流が発生する。比較器15の一方の端子に供給され
る増幅器7の出力レベルが分圧器13で設定されたレベル
以上であると、比較器15は出力を生じ、トランジスタ17
がオンとなる。このとき、トランジスタ18のベースが接
地電圧になるため、トランジスタ18もオンとなり、発光
ダイオード20が点灯し、使用者に対し、防食性が低下し
ていることを警告する。トランジスタ18がオンになる
と、そのコレクタ及びダイオード22を通じてトランジス
タ17のベースに電流が供給され、トランジスタ17と18
は、スイッチ11がオフになるまで、導通状態を自己保持
する。
第3図は、この発明の防食性検出装置を使用して電極
1、2間を流れるガルバノ電流(μA)と腐食減量(mg
/cm2)との関係を示す。この図から明らかなように、安
全域Aは、ガルバノ電流が約40μA以下、注意域Bは、
約40〜60μAで、危険域Cは、約60μA以上であること
が理解できる。第4図では、アノードとしてアルミニウ
ム、鉄及び亜鉛を使用した例をそれぞれAl、Fe及びZnで
示す。
この発明の上記実施例は、種々の変更が可能である。例
えば、第4図に示すように、スイッチ11として3接点ス
イッチを使用できる。通常は、スイッチ11は、接点25と
27とを接続し、電源28からコンデンサ29に電流を供給
し、コンデンサ29を充電する。防食性を測定するときス
イッチ11を接点25から26に切り換えて、トランジスタ30
にベース電流を供給し、コンデンサ29が一定レベルまで
放電する間、トランジスタ30をオン状態に保持し、トラ
ンジスタ30のコレクタ・エミッタ間を通じて端子31から
トランジスタ10にベース電流を供給してもよい。
上記実施例では、ゲート素子として、2個のトランジス
タを使用する例を示したが、トランジスタは1個でも良
く、またリレーを使用できることも理解されよう。タイ
マ回路12が出力を発生する間、ゲート素子がオンするよ
うに、サイリスタも使用できる。同様に、自己保持回路
16は、トランジスタの替わりに、サイリスタを使用し、
そのゲートに比較器15の短いパルス幅の出力を印加する
ことができる。
発明の効果 この発明の防錆剤を含有する液体の防止性検出装置は、
スイッチを手動操作した後一定時間のみ電極にガルバノ
電流を発生させ、防食性の測定を行い、一定時間経過後
は、ガルバノ電流の発生を阻止する電流制御回路を設け
たので、電極、特にアノード電極が長時間電食されず、
電極の寿命を長くかつ防食性測定精度を高いレベルに保
持することができる。
この発明の防錆剤を含有する液体の防食性検出装置を作
成して防食性検出装置を作ると共に、同様の保護回路の
無い従来の防食性検出装置と比較した耐久性試験を行っ
た。その結果、従来の装置では、約1週間後に電極の電
食が大きく進行したのに対し、この発明の保護回路を示
する装置では、3週間以上経過した後、電極に発生する
電食が僅かに認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明による防錆剤を含有する液体の防食
性検出装置の回路図、第2図は、第1図の回路に使用す
る電流制御回路の回路図、第3図は、電極を流れるガル
バノ電流と腐食減量との関係を示すグラフ、第4図は、
第2図に示す電流制御回路の他の実施例を示す回路図、
第5図は、従来の防食性検出回路の略示回路図である。 1、2……電極、7……増幅器、8……レベル検出回
路、9……電流制御回路、10……トランジスタ(ゲート
素子)、11……スイッチ、12……タイマ回路、13……分
圧器、14……指針表示装置、15……比較器、16……自己
保持回路、17、18……トランジスタ、20……発光ダイオ
ード、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防錆剤を含有する液体内にイオン化傾向の
    異なる二種の金属を浸漬したときに発生するガルバノ電
    流を測定する防食性検出装置において、 イオン化傾向の異なる二種の金属により形成された一対
    の電極と、電極間を流れる電流を増幅する増幅器と、増
    幅器の出力が所定レベルを越えると出力を生ずるレベル
    検出回路と、レベル検出回路の出力で作動する警報装置
    と、電極に流れる電流を制御する電流制御回路と、手動
    操作されるスイッチとを設け、 レベル検出回路は、一方の入力端子に印加される増幅器
    の出力と他方の入力端子に印加される一定電圧とを比較
    し、増幅器の出力が一定電圧より高いとき出力を発生す
    る比較器と、比較器の出力で警報装置への出力を保持す
    る自己保持回路とを有し、 スイッチを操作した後、一定時間の間のみ、電流制御回
    路を通じて電極間にガルバノ電流を流し、 自己保持回路はスイッチがオフになるまで警報装置を作
    動することを特徴とする防錆剤を含有する液体の防食性
    検出装置。
  2. 【請求項2】電流制御回路は、電極と増幅器との間に接
    続されたゲート素子と、スイッチを操作したとき、ゲー
    ト素子に作動信号を供給するタイマ回路とを有する特許
    請求の範囲第(1)項記載の防錆剤を含有する液体の防
    食性検出装置。
  3. 【請求項3】スイッチは、自動車用イグニッションスイ
    ッチである特許請求の範囲第(1)項記載の防錆剤を含
    有する液体の防食性検出装置。
  4. 【請求項4】自己保持回路には、イグニッションスイッ
    チを構成するスイッチから電流が供給される特許請求の
    範囲第(1)項記載の防錆剤を含有する液体の防食性検
    出装置。
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