JPH0757997A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JPH0757997A
JPH0757997A JP20390393A JP20390393A JPH0757997A JP H0757997 A JPH0757997 A JP H0757997A JP 20390393 A JP20390393 A JP 20390393A JP 20390393 A JP20390393 A JP 20390393A JP H0757997 A JPH0757997 A JP H0757997A
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resist
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Kouji Asakawa
鋼児 浅川
Toru Gokochi
透 後河内
Naoko Kihara
尚子 木原
Satoshi Saito
聡 斎藤
Akinori Motomiya
明典 本宮
Takashi Shirouchi
貴士 城内
Ryoko Kanazawa
良子 金澤
Makoto Nakase
真 中瀬
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細なレジストパターンの形成を可能にする
化学増幅型レジストを用いたパターン形成方法を提供す
る。 【構成】 露光後ベークを行なう前におけるレジスト層
中の残留溶媒量が、複数の基板において均一となるよう
に制御するパターン形成方法である。残留溶媒量は、露
光後ベークまでの環境の溶媒量を積極的に増加させて、
複数の基板の残留溶媒量を均一に増加させること、圧力
又は温度の少なくとも一方を制御して、複数の基板の残
留溶媒量を減少させることによって一定に制御する。ま
た、ベーク温度より絶対温度で1.10倍以上高い沸点
を有する溶媒をレジスト内に含有させて、レジスト層中
に酸触媒用の拡散パスを設けることも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細なレジストパター
ンの形成を可能とするパターン形成方法に係り、特に化
学増幅型レジストを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体装置において、エッチ
ングマスクの材料としてレジストが広く用いられてい
る。特に、電子機器の多機能化、素子の高度化に伴って
高密度化を図るために、レジストパターンの微細化のた
め露光に用いる光の短波長化や、電離放射線を用いたパ
ターン形成方法が提案されてきている。これらの要求に
応じたレジストとして、例えば特開昭63ー27829
明細書等に記載されているような化学増幅型レジストが
提案されている。
【0003】化学増幅型レジストは、ポジ型レジストの
場合、光酸発生剤、酸によって可溶化する溶解抑止化合
物、及びバインダーポリマーを溶媒に溶解して調製した
感光性組成物である。このレジストは、光化学反応を熱
反応によって増幅する機構を有する高感度なレジストで
あり、具体的には、露光によって微量の酸を発生させ、
この酸を露光後のベーク処理により熱拡散させて溶解抑
止化合物を分解し、現像液に可溶化させる。一方、ネガ
型の場合、酸によって架橋する化合物を含有し、露光及
び露光後のベーク処理によって、現像液に不溶化させ
る。
【0004】しかしながら、この化学増幅型レジストに
おいては、発生する酸が非常に微量であるために、レジ
スト特性がレジストの使用条件等によって影響を受け易
い。このため、実際のLSIの作成時に、複数の基板に
レジストパターンを形成する際に、各々の基板毎に感度
や解像度が異なり、目的とするパターンが再現性良く得
られないという問題があった。例えば、特願平4ー24
5299号明細書等に記載される様に、空気中の極微量
な塩基性物質によってレジスト層内の酸が失活し、露光
後の放置時間の違いによって解像度が変化するという現
象が問題となっている。そこで、塩基性物質を添加した
レジストを用い、外部からの塩基性物質の影響を緩和す
ることが試みられており、上記現象は一部改善された
が、それでもなお、感度や解像度の経時変化や再現性不
良が依然生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に加えて、
化学増幅型レジストでは、レジスト塗布から露光までの
間の時間の違いによっても、化学増幅型レジストの感度
や解像度の経時変化が生じる。レジストの感度や解像度
の経時変化は、LSIを生産する工程においてロット間
や基板毎にパターン形状のバラつきを生じさせる。
【0006】そこで、本発明の目的は、化学増幅型レジ
ストを用いてパターン形成を行なう際、複数の基板間に
おいて安定したレジスト性能を示すパターン形成方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために研究を重ねた結果、化学増幅型レジ
ストの性能の安定性を改善するためには、レジスト層中
の残留溶媒量が重要な因子であることを見出だし、本発
明を成すに至った。
【0008】本発明(請求項1)は、複数の異なる基板
に化学増幅型レジストを塗布し、レジスト層を形成する
工程、前記レジストが塗布された前記基板をプレベーク
する工程、プレベーク後の前記基板を露光する工程、露
光後の基板を露光後ベークする工程、及び露光後ベーク
が終了した基板を現像する工程を具備し、前記露光後ベ
ークする工程直前におけるレジスト層中の残留溶媒量
が、複数の基板間において均一であることを特徴とする
パターン形成方法を提供する。
【0009】また、本発明(請求項5)は、プレベーク
温度及び露光後ベーク温度のうち高い方のベーク温度よ
り絶対温度で1.10倍以上高い沸点を有する溶媒を含
有することを特徴とする化学増幅型レジストを提供す
る。
【0010】さらに、本発明(請求項6)は、複数の異
なる基板に、プレベーク温度及び露光後ベーク温度よ
り、絶対温度で1.10倍以上高い沸点を有する溶媒を
含有することを特徴とする化学増幅型レジストを基板に
塗布する工程、前記レジストが塗布された基板をプレベ
ークする工程、プレベーク後の基板を露光する工程、露
光後の基板を露光後ベークする工程、及び露光後ベーク
が終了した基板を現像する工程を具備し、前記露光後ベ
ークする工程直前におけるレジスト層中の残留溶媒量が
複数の基板間において均一であることを特徴とするパタ
ーン形成方法を提供する。
【0011】
【作用】本発明者らは、露光後ベーク前のレジスト層に
おける残留溶媒量がレジスト感度や解像度に影響を及ぼ
すことを見出した。化学増幅型レジストにおいて露光に
より発生した酸は、レジスト層中に残留した溶媒を経由
して拡散する。レジスト層中に拡散した酸は、レジスト
層中の溶解抑止化合物を連鎖反応的に次々と分解し、こ
の領域のレジスト層の溶解速度を速める。その結果、未
露光部との溶解速度の差によってパターンが形成される
ものである。レジスト溶液を基板に塗布してプレベーク
した後もレジスト層中に残っている残留溶媒は、時間の
経過に伴い徐々に揮発してその溶媒量が変動する。
【0012】この際、レジスト層中の残留溶媒量が多い
場合には、残留溶媒が拡散パスとして働くため、酸の拡
散長が大きくなって、感度が上昇する。しかしながら、
この場合には、アミン等の酸を失活させる物質も拡散し
やすくなり、環境や基板からの影響を受け易くなるため
形成されるパターンの断面にスカート状又はひさし状の
難溶化層が発生して解像度が低下する。逆に、残留溶媒
量が少ない場合には、酸は十分に拡散することができ
ず、感度が低下する。したがって、適切に酸を拡散させ
るために露光後ベーク直前のレジスト層中の残留溶媒量
が各基板毎に一定となるように制御することが、レジス
ト性能の安定性向上のために必須である。
【0013】残留溶媒量の制御方法としては、露光後ベ
ークする工程前に基板の保存環境を制御する工程を行な
う方法が挙げられる。例えば、レジストを塗布した基板
を溶媒蒸気を含む気体にさらすことによって、残留溶媒
量を積極的に飽和濃度にまで増加させることができる。
また、圧力又は温度の少なくとも一方を制御する工程を
行なうことが挙げられる。即ち、圧力を低下させること
及び/又は温度を上昇させることによって、溶媒の蒸発
を促進して残留溶媒量を一定量まで減少させてもよい。
これらの手段によって、複数の基板間におけるレジスト
層中の残留溶媒量が均一になるように制御することがで
きる。
【0014】またさらに、高沸点溶媒を所定量加えて、
複数の基板間におけるレジスト層中の残留溶媒量を均一
に制御することができる。この高沸点溶媒は、酸の拡散
パスとして利用されるので、レジストの感度の向上と性
能の安定性との両方を満足することができる。
【0015】したがって、複数の基板間にレジストパタ
ーンを形成する際、本願発明の如く、露光ベーク直前に
おけるレジスト層中の残留溶媒量が均一とすれば、複数
の基板に形成されたレジスト層中の酸の拡散長が一定と
なり、結果として再現性のレジストパターンが形成され
ることになる。
【0016】
【実施例】本発明のパターン形成方法は、露光後ベーク
を行なう工程直前におけるレジスト層中の残留溶媒量
が、複数の基板間において均一であることを特徴とする
ものである。
【0017】レジスト層中の残留溶媒量を複数の基板に
おいて均一に保つ方法としては、レジスト塗布から露光
後のベークまでの塗布−プレベーク−露光−露光後ベー
クの各工程の温度条件、処理時間を各基板毎に一定に保
つことが有効である。さらに、露光後、短時間で露光後
ベーク処理を行うことは、溶媒量制御の点からも望まし
いものとなる。また、以上の工程を行なう間の環境の圧
力を一定に保つことも有効な措置であり、これにより溶
媒の蒸気圧も一定に保たれる。これらの手法は、単独で
又は組み合わせて使用することができる。
【0018】また、上記した温度条件、処理時間あるい
は環境の圧力を同じにする以外に、複数の基板間の残留
溶媒量を均一とする方法として、露光後ベークまでの間
に、基板周囲の環境の条件を制御する方法、及び、高沸
点溶媒を含むレジストを用いてパターンを形成する方法
の2つが挙げられる。それぞれの方法について、例を挙
げて説明する。
【0019】第1の方法は、塗布から露光後ベークまで
の間に、基板周囲の環境の条件を制御することを特徴と
するパターン形成方法である。周囲の環境の条件として
は、溶媒量、圧力又は温度の少なくとも一方があげられ
る。
【0020】まず、基板の周囲に溶媒蒸気を存在させて
環境の溶媒量を制御する方法について説明する。具体的
には、(1)環境の溶媒量を一定値に保つこと、又は
(2)環境の溶媒量を一定レベル以下に抑えること(こ
の場合、環境の溶媒量は変動してもよい)により達成す
ることができる。一般には、(2)の方が制御し易く、
レジストの塗布−露光後ベーク間のラインや保存場所の
環境の残存溶媒を、換気や循環フィルター等によって低
減する方法が挙げられる。また、この場合環境中に漂う
溶媒成分は、レジスト塗布溶媒以外の場合も考えられ、
酸やアルカリ、表面処理剤、LSI基板の洗浄溶媒やレ
ジスト剥離溶媒、シンナー等の溶剤量の制御も含まれ
る。環境中に含まれる溶媒の具体的な量は、数ppm〜
5000ppmの範囲内であり、溶剤の種類によって適
宜選択されるが、1000ppm以下に制御することが
望ましい。特に、レジストの溶媒として有用であるエチ
ルセロソルブアセテートの場合、1000ppm以上の
溶媒雰囲気中にさらすとレジストが溶媒を吸収してパタ
ーン形状がだれてしまう。
【0021】(1)の環境の溶媒量を制御する方法の一
例として、レジスト塗布から露光後ベークまでの間に、
溶媒蒸気を含む気体中に基板をさらす工程を行なう方法
が挙げられる。具体的には、溶媒を一定量収容した密閉
容器内を溶媒蒸気で飽和した後、基板を一定時間放置す
る方法である。この方法は簡便であり、通常の半導体表
面処理に用いられるOAP処理装置などで使用可能であ
る。放置時間はレジストの種類や溶媒によって適宜選択
されるが、通常、1分〜60分、好ましくは3分〜30
分の間である。
【0022】また、溶媒の蒸気圧を高めるためにこの環
境の温度を上昇させると、処理時間が短縮されて好まし
いものとなる。この場合の溶媒としては、酸の拡散を助
長し、かつ発生した酸を中和又は失活させない任意の中
性溶媒を使用することができる。特に、100℃〜20
0℃の沸点を有し、かつレジスト層中に浸透し易く、分
子量が低いものが好ましい。また、レジストを構成する
固形分をよく溶解するものが望ましいことから、通常の
レジスト塗布溶媒が最も望ましい。
【0023】ただし、溶媒によっては、レジストを溶解
しないが酸の拡散を助長するものがあり、この種の溶媒
は、蒸気として作用させる方法の他に、例えば、溶媒に
レジスト層を浸漬させて溶媒を後から浸透させることに
よって効果を得ることも可能である。このような溶媒と
しては、トルエンなどが挙げられる。この方法を用いる
と、レジストの感度を増加させることができると同時
に、化学増幅型レジストで生じがちなひさし状の断面を
有するパターンを矩形の断面に近づけることも可能とな
る。なお、これらの処理は、露光後ベークの直前に行う
のが最も効果的である。
【0024】次に、環境の条件として、圧力又は温度の
少なくとも一方を制御する方法について説明する。圧力
の制御によって残留溶媒量を制御する場合、即ち、減圧
下に基板を放置して残留していた溶媒を蒸発させる場
合、減圧度は低いほど好ましく、少なくとも10kPa
以下の圧力の下に放置することが望ましい。また、この
場合の放置時間は、減圧度や温度によって適宜選択され
るが、常温で1〜36時間であり、温度が高くなるにし
たがって短くなる。
【0025】温度だけの制御によって溶媒量を制御する
場合には、その温度は、少なくとも制御される溶媒の沸
点の絶対温度に対し90%以上の温度であることが好ま
しい。なお、減圧する場合であっても、制御される溶媒
のその減圧下における沸点の絶対温度に対して90%以
上の温度であることが好ましい。また、ポジ型レジスト
の場合、温度の上限は、レジスト中に含まれる溶解抑止
剤又は酸発生剤の分解点のうち、いずれか低い方であ
り、一般には160℃程度である。一般に溶解抑止剤や
光酸発生剤の熱分解は、アレニウスの法則に従うため、
ここでいう分解点とは、100秒程度で半分が分解する
温度である。
【0026】なお、減圧下でプレベークを行なうと、溶
媒の沸点が低下するのでプレベーク温度を低く抑えるこ
とができ、これによって溶解抑止剤及び酸発生剤の熱分
解が抑えられる。また、電子線でレジストを露光する場
合には、露光前に溶媒が残留していると露光中にレジス
ト層中の溶媒量が徐々に減少して露光開始時と終了時の
パターンの感度に差が生じることになるので、予めレジ
スト層中の溶媒量を減少させておくことが好ましい。し
たがって、減圧下でプレベークする方法は、一般の光に
よるパターン形成に加えて、電子線を照射する場合にも
好適な手段となる。
【0027】第2の方法は、沸点がプレベーク温度及び
露光後ベーク温度より絶対温度で1.10倍以上高い溶
媒を含有した化学増幅型レジストを用いたパターン形成
方法である。微量の蒸発しにくい溶媒成分をレジスト中
に含有しておくと、その後の処理条件の変化に影響され
ることなく、レジスト層中に一定量の溶媒を保つことが
可能となる。
【0028】本発明において使用する、沸点がプレベー
ク温度及び露光後ベーク温度より1.10倍以上高い溶
媒としては、酸の拡散を助長し、かつ発生した酸を中和
又は失活させない任意の中性溶媒を使用することができ
る。通常、プレベーク及び露光後ベークは70〜150
℃の範囲で行われるものであり、特に露光後ベーク前の
安定性を保つためには約120℃以上の温度で行なわれ
る。したがって、含有される溶媒の沸点は、160℃以
上であることが望ましく、170℃以上であることが最
も望ましい。例えばジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
チレングリコール系;ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、スルホラン、グリセリン、ベンジルアル
コール、シクロヘキサノール、ドデシルアルコール等の
高級アルコール系;デカン、テトラデカン、ノナデカン
等の炭素数8から20位までのパラフィン;フルオロカ
ーボン;酪酸;ブロムベンゼン;ラウリン酸;ニトロベ
ンゼン;ニトロトルエン;テトラリン;アニソール;α
ーピネン;フェノール等が挙げられる。
【0029】高沸点溶媒の添加量は、1ppm以上5m
ol%以下であることが好ましい。1ppm未満である
と本発明の効果を発揮できず、5mol%を越えると、
レジストの塗布性能や密着性を阻害するが、より好まし
くは、100ppm〜1mol%の範囲である。
【0030】なお、高沸点溶媒の沸点が200℃以上と
著しく高い場合には、真空中のレジストの経時変化を抑
制することができるので、特に電子線レジストとして好
適である。このような溶媒としては、例えば、高沸点オ
レフィンオイル、シリコーンオイルやノニオン系界面活
性剤等が挙げられる。
【0031】上述の各方法は、単独で又は組み合わせて
使用することができる。本発明のパターン形成方法にお
いて使用される溶媒は、塗布時にレジスト溶液中に含ま
れる溶剤、塗布性能を向上させるための揮発成分などの
全てを指し、一般にレジスト溶媒として知られるもので
あれば、任意の溶媒を使用できる。例えば、エチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチルセロソル
ブ等のセロソルブアセテート系及びセロソルブ系溶媒;
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶媒;イソプロピルアルコー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒;Nメチルピロリ
ドン等のピロリドン系溶媒;ジメチルフォルムアミド等
のアミド系溶媒;ノルマルヘキサン;ベンゼン;トルエ
ン;キシレン誘導体;水等が挙げられる。特に、セロソ
ルブルアセテート系の溶媒やキシレン誘導体は、レジス
トの溶剤及び洗浄用シンナーとして通常用いる。
【0032】また、レジスト層中の残留溶媒量とは、レ
ジストの溶液を塗布した後、熱をかけて膜にする過程
(プレベーク)の後もレジスト層中に残り、露光後ベー
ク直前に溶媒量を意味する。残留溶媒量は、レジスト層
の厚さや処理条件によっても異なるが、通常、1cm2
当り10ng〜10μgという微量なものである。
【0033】例えば、レジストの溶媒として有用なセロ
ソルブアセテート系では、膜厚が1μmのエチルセロソ
ルブアセテートの場合、1cm2 当り100ng以下と
すると感度及び解像度の経時変化を抑えることができる
が、これ以上の量では感度が変化してしまう。
【0034】次に、本発明における酸の拡散長及びレジ
スト層中の残留溶媒量の測定方法を説明する。 [酸の拡散長の測定方法]図1に酸の測定方法の概念図
を示す。酸発生剤を含まない樹脂(酢酸ターシャリーブ
チルで一部ポリビニルフェノールをブロックしたもの)
のみをウエハー上にスピンコートした後、80〜130
℃で60〜200秒間プレベークする。このあと、真空
に引いたガラスデシケータ中に24時間程度放置し、残
留溶媒を蒸発させる(図示せず)。次に、図1(a)に
示すように、酸発生剤を含まない樹脂相2が塗布された
ウエハー1上に、水溶性ポリマーに酸又は酸発生剤を加
えたポリマー相3をスピンコートにより形成し、プレベ
ークより低い温度(80〜90℃)で、60秒間再度ベ
ークする。その後、図1(b)に示すように高圧水銀燈
で露光して、光反応により水溶性ポリマー相内の露光領
域4に酸を発生させる。なお水溶性ポリマーに直接酸を
加えたポリマーの場合には、この露光工程は必要ない。
次いで、実験の条件に応じた種々の条件で、図1(c)
に示すように露光後ベークを行ない、水溶性ポリマー相
3で発生した酸を樹脂相2に拡散させた後、純水で水溶
性ポリマーを除去する。この酸発生剤を含まない樹脂が
塗布されたウエハーを現像液に浸すと、酸が拡散した露
光領域4と拡散していない未露光領域5との溶解速度に
差により、図1(d)に示すように残膜厚に差が生じ
る。この差を測定することにより酸の拡散長を求めるこ
とができる。なお、終端検出装置(DRM)を用いて現
像液中での溶解速度を測定すると、樹脂相2の深さ方向
の酸の分布も知ることができる。
【0035】なお、工程の一例を表わすチャート図を図
2に示した。 [レジスト層中の溶媒量の測定方法]以下に、実際に行
なった溶媒量の測定方法を説明する。
【0036】表面に金を208.0nm(実測値)蒸着
したシリコンウエハー上に、酸発生剤を含まない樹脂の
溶液(BOCM−PVP 25wt% ECA溶液)の
みをスピンコートし、酸の拡散長の実験と同じ温度で9
0秒間ベークした。レジスト層の膜厚は(940±2
0)nmであった。このサンプルから4cm×5cm角
のレジスト層を蒸着した金の薄膜ごと剥離し、シリンジ
バイアル(サンプル管)に密封した。これを120℃に
加熱し、固相中と気相中の揮発性有機化合物の蒸気圧が
平衡値になるまで保持した後、気相の一部を採取して、
ガスクロマトグラフィーでレジスト層中に残っている溶
媒量を測定した(ヘッドスペース法,H.S.法)。
【0037】この操作を同じサンプルについて何回か繰
り返し、抽出された溶媒量を測定した。測定結果から、
最初の1、2回目の測定値は同じであるが、その後測定
値は小さくなっていくことがわかった。このときn回目
の測定値をSn とすると、残留溶媒量Sは式(1)のよ
うに表わされる。
【0038】 S=ΣSn (1) nが小さいうちはサンプル中の溶媒が多いので、測定さ
れる溶媒は蒸気圧が高く、測定値にはあまり変化がな
い。しかしながら、nが大きくなると、サンプル内の溶
媒とサンプル管内の気化した溶媒とが平衡値に達し、サ
ンプル内の溶媒量に比例するようになる。この結果、測
定値はnに対して式(2)に示すように指数関数的に減
少する。
【0039】 Sn ∝exp(−n) (2) nは20程度とすることが好ましいが、現実的には、全
てのサンプルについて20回の測定を行うのは、非常に
時間がかかり、また20回測定を行っても全ての溶媒を
検出できる保証がない。しかし、式(2)が成立してい
るため、ある程度以上の測定は、指数関数で近似するこ
とができる。
【0040】 S=ΣSn-2 +Sn /(1−e-k) (3) k=−ln(Sn /Sn-1 ) 通常の測定では、4、5回目あたりから指数則に従うよ
うになる。この結果、次のような近似式をもちいること
ができる。
【0041】 S=(S1 +S2 +S3 )+S4 /(1−e-k) (4) k=−ln(S5 /S4 ) なお、溶媒量が多い場合には、さらにnの大きいところ
まで測定する必要があるが、上記式(4)は残留溶媒量
が少ないときは有効である。
【0042】この式(4)によって求めたSを、この本
発明中で残留溶媒量と定義する。本発明で用いるレジス
トは、以下のようにして調製した。 (レジスト調製例)ポリビニルフェノール[Poly
(4−vinylphenol)]の水酸基を溶解抑止
基として酢酸ターシャリーブチル基[t−butoxy
carbonylmethoxy group]で一部
置換したもの[Random copolymer o
f poly(p−t−butoxycarbonyl
methoxystyrene) and poly
(4−vinylphenol)](BOCM−PVP)
を、レジスト用のポリマーとして用いた。ポリビニルフ
ェノールは丸善石油化学のPHM−C(Mw=510
0)を用い、炭酸カリウムとヨウ化カリウムの存在下
で、文献に従って合成した。溶解抑止基の導入率は、N
MR(270MHz)の測定より26mol%であっ
た。
【0043】酸発生剤としては、みどり化学製のオニウ
ム塩[Triphenylsulphonium tr
ifluoromethanesulphonate]
(TPS−OTf)を用いた。
【0044】レジストは、BOCM−PVPとオニウム
塩との200:1の混合物を、25wt%の濃度でエチ
ルセロソルブアセテート(ECA)に溶解したものを使
用した。
【0045】(実施例1)本実施例においては、プレベ
ークから露光までの放置時間を変化させて、レジスト層
内の残留溶媒量及びパターン寸法を調べた。なお、基板
周囲に溶媒蒸気は存在させず、また環境の温度及び圧力
は一定とした。
【0046】上述のレジストをウエハー上に塗布し、そ
の後直ちに、100℃240秒間のプレベークを行なっ
た。30分放置後、20keV、5μC/cm2 の電子
線で20分間露光し、現像してパターンAを得た。露光
の際は、その30分後に露光後ベークを行うように厳密
に制御した。
【0047】プレベークから露光まで48時間放置した
以外は、全く同一の条件で露光を行い現像してパターン
Bを得た。これらのレジスト層中の溶媒量と、4μmの
ぬきパターンの寸法とを下記表1に示す。なお溶媒量
は、上記式(4)にしたがって計算した。表1に示す結
果から、プレベークから露光までの放置時間が長くなる
と、レジスト層中の溶媒量が減少してパターンの寸法安
定性が低下することがわかる。
【0048】
【表1】
【0049】次に、上述のレジストを別のウエハー上に
塗布し、その後直ちに、100℃240秒間のプレベー
クを行なった。5時間放置後、20keV、5μC/c
2の電子線で20分間露光し、その後現像してパター
ンCが形成されたウエハー10枚を得た。露光の際は、
その30分後に露光後ベークを行うように厳密に制御し
た。
【0050】プレベークから露光まで4〜6時間放置し
た以外は、全く同一の条件で露光、現像を行なってパタ
ーンDが形成されたウエハー10枚を得た。これらのレ
ジストのパターンの寸法とその偏差とを下記表2に示
す。表2に示す結果から、プレベークから露光までの放
置時間が長くなると、パターンの寸法安定性が低下して
偏差が大きくなることがわかる。
【0051】
【表2】
【0052】上述のように、プレベークから露光までの
放置時間を制御し、また環境の圧力、温度、溶媒量を一
定にしてレジスト層中の溶媒量を一定に保つと、寸法安
定性の良いパターンが得られる。さらに、ウエハー間で
のパターン寸法のバラつきをなくすことができ、コント
ラストの高いパターンを再現性よく形成することが可能
になった。
【0053】(実施例2)本実施例においては、環境の
条件として溶媒量を制御して基板上にパターンを形成
し、酸の拡散長、残留溶媒量、及び感度を調べた。具体
的には、プレベーク後の基板周囲に溶媒蒸気を存在させ
て、パターンを形成した。
【0054】実施例1で用いたレジストと同一のレジス
トをウエハー上に塗布し、95℃90秒間のプレベーク
を行なった。その後、気体中の浮遊溶媒量が0.2vo
l%の容器内に1分間放置して、水銀燈で60秒間露光
し、露光後ベーク、現像したレジスト層、及び、溶媒雰
囲気中にさらさない以外は同様の条件で露光、露光後ベ
ーク及び現像を行なったレジスト層中におけるの酸の拡
散長を測定した。なお、露光後ベークは95℃で800
秒行なった。
【0055】溶媒雰囲気中にさらした場合、及びさらさ
ない場合のレジスト層中における酸の拡散長は、それぞ
れ、450nm及び44nmであった。ここでの拡散長
は、J.Photopolym.Sci.Techno
l.,6,505(1993)で定義されたものであ
る。
【0056】また、スピナー内で1分間と3分間放置し
た以外は同様の条件で得たレジスト層における酸の拡散
長は、さらに長くなり、この測定法の限界(1μm)を
超えてしまった。
【0057】次に、上述と同様のレジストをウエハー上
に塗布し、95℃90秒間のプレベークを行なった。そ
の後、気体中の浮遊溶媒量が0.2vol%の容器内に
3分間放置して得たレジスト層、及び、溶媒雰囲気中に
さらさない以外は同様の条件で得たレジスト層における
残留溶媒量を測定した。なお、実験はすべて酸の拡散長
測定の実験と並行して、全く同じプロセスを2枚のウエ
ハーで行ない、1枚を拡散実験用、他の1枚を残留溶媒
測定用とした。
【0058】その結果、溶媒雰囲気中にさらしたレジス
ト層中の残留溶媒量は、さらさない場合の1.37倍と
なっていた。次に、上述と同様のレジストをウエハー上
に塗布した後、120℃で90秒間プレベークしたもの
を、上と同条件で溶媒雰囲気中に15秒間さらした。こ
れをKrFエキシマレーザーで露光し、0.40μmの
ライン・スペースのパターンをきったものをレジストの
感度は32mJ/cm2 であった。これに対し、溶媒雰
囲気にさらさない以外は、同様の条件で得たものは、
0.40μmの感度が38mJ/cm2 であった。
【0059】本実施例の結果から、プレベーク後の基板
を溶媒雰囲気中にさらすことによって、レジスト層内の
残留溶媒量が増加して酸の拡散パスを増加させ、これに
よって酸の拡散長が増加し、さらに、感度が向上するこ
とがわかる。また、複数の基板を同一条件下で溶媒雰囲
気中にさらすことによって、基板間の残留溶媒量を均一
にすることが可能となる。
【0060】(実施例3)本実施例では、レジスト塗布
後の基板の環境の条件として圧力を変化させ、その際の
レジスト層における酸の拡散長、及び残留溶媒量を調べ
た。具体的には、プレベーク後の基板を真空に引いて放
置した。
【0061】まず、実施例1で用いたレジストと同一の
レジストをウエハー上にスピンコートして、95℃で9
0秒間プレベークし、アクリルデシケータ中で真空に引
いた後のレジスト層における酸の拡散長を測定した。そ
の結果、酸の拡散長は、30秒間引いたものでは117
nm、1分間引いたものでは89nm、30分間引いた
ものでは45nmであった。これに対して、真空に引い
ていない場合の酸の拡散長は560nmであり、真空に
引くことによって、拡散長が急激に短くなることがわか
る。また拡散長は、真空にひいて最初の30秒位で短く
なることから、この間に溶媒はほとんど蒸発したことが
わかる。
【0062】次に、同様のレジストをウエハー上にスピ
ンコートして、同様の条件でプレベークし、ガラスデシ
ケータ中で真空に引いた後のレジスト層中の残留溶媒量
を比較した。スピンコートした後、空気中に3時間ほど
置いているので、レジスト層中の残留溶媒量は、すでに
大気圧下で平衡値に達していると考えられる。
【0063】真空に引かなかったサンプルの残留溶媒量
を1とすると、30秒間真空に引いたものは0.99、
1分間では0.95、2分間では0.86となり、短時
間のうちに残留溶媒量は減少することがわかった。
【0064】以上の結果をふまえて露光実験を行った。
同様のレジストをウエハー上に塗布し、その後直ちに、
同様の条件でプレベークを行なった。次いで、30秒間
真空乾燥させた。KrFエキシマレーザーで38mJ/
cm2 で露光した試料のパターン寸法は、0.25μm
ライン・スペースのとき、ロット間に変動がなかった。
真空乾燥させない以外は、同様の条件で得たものは、ロ
ット間で±0.2μm程度の変動があった。
【0065】本実施例の結果から、プレベーク後の基板
を真空に引いて放置することにより、レジスト層中に存
在する溶媒の蒸発が促進され、残留溶媒量を平衡値まで
減少させることができることがわかる。即ち、同一の条
件でプレベーク後の複数の基板を真空に引くことによっ
て、基板間の残留溶媒量を均一にすることが可能とな
る。なお、このように真空に引いた場合には、露光後に
おけるロット間のパターン寸法のバラつきがなく、寸法
安定性に優れたパターンを形成することができる。
【0066】(実施例4)本実施例においては、環境の
条件の制御としてプレベーク温度を変化させ、レジスト
層中における酸の拡散長及び残留溶媒量を調べた。
【0067】プレベーク温度を変化させたときの、酸の
拡散長の変化を図3に示す。図3(a)及び図3(b)
は、それぞれ、95℃及び105℃で露光後ベークを行
なった結果である。図3から、プレベーク温度が低いと
きは、酸の拡散長は長くなり、温度が高くなると短くな
る傾向がわかる。さらに、酸の拡散長はプレベーク温度
が110℃〜115℃程度を越えると、ほぼ一定値にな
る。この傾向は、PEB温度が95℃と105℃でも同
じであった。
【0068】プレベーク温度を変化させたときの、レジ
スト層中の残留溶媒濃度の変化を図4に示す。残留溶媒
濃度は、式(4)に従って求めた値をレジストの総重量
で割ったものである。なお、樹脂の主成分であるポリビ
ニルフェノールの比重は1.173g/cm3 であるた
め、レジストの比重としては、この値を用いた。また、
レジスト層の厚みは、940nmであったため、これら
の値を用いてレジスト層中の残留溶媒濃度を求めた。
【0069】図4から、残留溶媒濃度は、110℃まで
は急激に減少し、110℃以上ではほとんど変化がなく
低い値で一定となることがわかる。この結果から、プレ
ベーク温度を上げることによって、残留溶媒濃度が減少
することがわかる。なお、図4に示されるように、残留
溶媒はある一定量以下にはならず、130℃でも微量の
溶媒がレジスト層中に残留しているが、本発明で用いた
溶媒(エチルセロソルブアセテート)では、レジストの
感度及び解像度の経時変化を防ぐためには、110℃以
上にプレベーク温度を設定すれば十分であると考えられ
る。
【0070】以上をふまえて、80℃、95℃、110
℃、及び120℃でプレベークしたものを、KrFエキ
シマエーザーで露光した。この結果、0.25ライン・
スペースでの感度はそれぞれ30mJ、34mJ、38
mJ、及び40mJであった。これに対し、プレベーク
した後、1日放置した後同条件で露光したところ、感度
はそれぞれ37mJ、39mJ、40mJ、及び40m
Jであった。この結果から、110℃以上の温度でプレ
ベークしたレジストでは、経時変化が生じないことがわ
かった。
【0071】本実施例の結果から、110℃以上の温度
でプレベークすることにより、レジスト層中の溶媒の蒸
発が促進され、残留溶媒量を一定量まで減少させること
がわかる。即ち、同一の条件下で複数の基板を110℃
以上の所定の温度でプレベークすることにより、基板間
の残留溶媒量を均一にすることが可能となる。なお、こ
のような温度でプレベークした場合には、レジスト層中
の残留溶媒量は、その後は変化しないので、露光感度の
経時変化を避けることができる。
【0072】(実施例5)本実施例では、環境の条件と
してプレベーク時の圧力を変化させて、残留溶媒量及び
レジスト層中の溶解抑止基の分解を調べた。具体的に
は、減圧下でプレベークを行なった。
【0073】まず、上述のレジストをスピンコートした
後、常圧、90℃で60分間、次いで100Pa以下の
減圧下にし95℃で90秒間のプレベークを行なった。
このレジストの残留溶媒濃度を測定したところ、0.0
7wt%であった。図4を参照すると、この値は、常圧
下115℃以上の温度でプレベークした場合に達成され
たものと同様であることがわかる。
【0074】上述の減圧下でプレベークしたものと、常
圧下115℃90秒間プレベークしたものとを、水銀燈
で60秒間露光し、露光後ベーク、現像してパターンを
形成して、未露光部の溶解速度を比較した。減圧下95
℃で90秒間プレベークしたものの溶解速度は、0.3
03nm/sであり、溶解抑止基はほとんど分解してい
ないことがわかった。これに対して、常圧115℃で9
0秒間ベークしたものの未露光部の溶解速度は0.35
7nm/sであり、約2%の溶解抑止基が分解している
ことが示された。
【0075】以上の結果をふまえて露光実験を行なっ
た。上述のレジストをウエハー上に塗布した後、100
Pa以下の減圧下で95℃90秒間のプレベークを行な
い、KrFエキシマレーザーで38mJ/cm2 で露光
した。この結果、0.25μmライン・スペースでの感
度は、ロット間での変動がなかった。これに対して、減
圧下でプレベークを行なわない以外は同様の条件で得た
ものは、ロット間で0.05μm程度の変動があり、プ
レベーク後に真空に引いて残留溶媒量を低減した場合
(実施例4)と同様の効果が得られた。
【0076】このように、減圧下でプレベークを行なう
ことにより、レジスト層中に存在する溶媒の蒸発が促進
され、残留溶媒量を一定量まで減少させることができ
る。即ち、同一の条件で複数の基板を減圧下でプレベー
クすることによって、基板間の残留溶媒量を均一にする
ことが可能となる。
【0077】次に、減圧下でプレベークを行なう場合の
さらなる効果を説明する。上述のレジストにおける溶解
抑止基の分解は、加熱により促進されるものであり、そ
の具体的例として、プレベーク温度と溶解抑止基の半減
基とを下記表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】表3に示すように、プレベーク温度を上昇
させると熱分解速度が指数関数的に速くなるので、この
レジストのプレベーク温度は、120℃が限界であると
考えられる。なお、前述のように、減圧下でプレベーク
を行なった場合の残留溶媒量は、より低い温度で常圧の
もとでプレベークした後と同等の値となる。したがっ
て、プレベーク温度を低く抑えることでき、溶解抑止基
や酸発生剤の熱分解温度が低い場合、又は沸点の高い溶
媒を使用する場合に有効である。
【0080】以上の実施例3〜5に示したように、基板
周囲の圧力又は温度のいずれか一方を制御することによ
って、レジスト層中の残留溶媒量を一定量以下に減少さ
せることができ、複数の基板間の残留溶媒量を均一にす
ることができる。この結果、残留溶媒の蒸発に起因して
従来問題となっていた塗布後の露光感度等の経時変化を
少なくすることができ、さらに、現像後のレジストパタ
ーンの安定性を向上させることが可能になった。
【0081】また、レジスト層中の残留溶媒量を減少さ
せることによって、酸の拡散長が減少し、これにより環
境や基板からの影響を受け難くなるので、パターンの断
面でのスカート状又はひさし状の難溶化層の形成を避け
ることができる。 (実施例6)本実施例では、高沸点溶媒を含有するレジ
ストを用いてパターンを形成し、感度を調べた。なお、
基板周囲に溶媒蒸気は存在させず、また、環境の圧力及
び温度は一定とした。
【0082】高沸点溶媒としては、乳酸ブチル(沸点:
185〜187℃)を使用し、この乳酸ブチルを溶媒に
0.1wt%混入してレジストを調製した。このレジス
トをウエハー上に塗布し、120℃で90秒間のプレベ
ークを行ない、KrFエキシマレーザーで露光した後、
0.25μmのライン・スペースのパターンを形成した
結果、感度は32mJ/cm2 であった。これに対し、
高沸点溶媒を混入しないレジストを用いて同様の条件で
得たパターンの感度は、38mJ/cm2 であった。
【0083】このように、高沸点溶媒を混入することに
よって、感度を向上させることができた。レジストの感
度が向上したことから、レジスト層における酸の拡散長
が増加したこと、即ち、酸の拡散パスとなる残留溶媒の
量が増加したことが容易に推測できる。このように、高
沸点溶媒を含有するレジストを用いてパターンを形成す
ることによって、露光後ベークする工程直前における残
留溶媒量を、複数の基板間で均一にすることができる。
【0084】次に、FC−430(フルオロカーボン:
住友3M、沸点:200℃以上)を0.1wt%含有す
るレジスト、及びTSF433(シリコンオイル:東芝
シリコン、沸点:200℃以上)を0.4wt%含有す
るレジストを用いて、同様にパターンを形成したとこ
ろ、それぞれの感度は、30mJ/cm2 及び32mJ
/cm2 であり、乳酸ブチルを使用した場合と同様に向
上したことが確認された。
【0085】なお、化学増幅型レジストにおいては、酸
の拡散長が長くなると感度が向上するという関係があ
り、酸は、レジスト層中の残留溶媒を経由して拡散する
ことがわかった。このため、レジスト層中の溶媒量を増
加させることによって、レジストの感度を向上させるこ
とが可能になったが、レジスト層中に溶媒が過剰に存在
すると、プロセスの途中で溶媒が蒸発して性能が不安定
になる危険性があった。
【0086】そこで、本実施例のように、溶媒に少量の
高沸点溶媒を混入しておくことにより、複数の基板間で
の残留溶媒量と均一にすることに加えて、感度の向上と
性能の安定性との両方を満足することが可能になった。
さらに、得られるパターンは、その側面における定在波
の発生が抑制され、断面矩形の微細なパターンを形成す
ることができた。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のパターン
形成方法によれば、露光後ベークを行なう前におけるレ
ジスト層中の残留溶媒量が、複数の基板間で均一となる
ように制御したので、安定したレジスト性能を保証する
ことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジスト層中における酸の拡散長の測定方法を
概念的に示す図。
【図2】レジスト層中における酸の拡散長の測定方法の
工程を示すチャート図。
【図3】プレベーク温度と酸の拡散長との関係を示す
図。
【図4】レジスト層中の溶媒濃度とプレベーク温度との
関係を示す図。
【符号の説明】 1…シリコンウエハー,2…酸発生剤を含まない樹脂相 3…酸発生剤を含むポリマー相,4…露光領域,5…未
露光領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 聡 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 本宮 明典 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 城内 貴士 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝多摩川工場内 (72)発明者 金澤 良子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中瀬 真 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なる基板に化学増幅型レジスト
    を塗布し、レジスト層を形成する工程、前記レジストが
    塗布された前記基板をプレベークする工程、プレベーク
    後の前記基板を露光する工程、露光後の基板を露光後ベ
    ークする工程、及び露光後ベークが終了した基板を現像
    する工程を具備し、前記露光後ベークする工程直前にお
    けるレジスト層中の残留溶媒量が、複数の基板間におい
    て均一であることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 レジスト塗布から露光後ベークまでの間
    に、基板周囲の環境の条件を制御する請求項1記載のパ
    ターン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記環境の条件として、環境の溶媒量を
    制御する請求項2記載のパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 前記環境の条件として、圧力又は温度の
    少なくとも一方を制御する請求項2記載のパターン形成
    方法。
  5. 【請求項5】 プレベーク温度又は露光後ベーク温度の
    うち高い方のベーク温度より絶対温度で1.10倍以上
    高い沸点を有する溶媒を含有することを特徴とする化学
    増幅型レジスト。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の化学増幅型レジストを複
    数の異なる基板に塗布し、レジスト層を形成する工程、
    前記レジストが塗布された基板をプレベークする工程、
    プレベーク後の前記基板を露光する工程、露光後の基板
    を露光後ベークする工程、及び露光後ベークが終了した
    基板を現像する工程を具備し、前記露光後ベークする工
    程直前におけるレジスト層中の残留溶媒量が、複数の基
    板間において均一であることを特徴とするパターン形成
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007101738A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd レジスト基板、レジストパターン形成方法及びレジスト基板の保存方法
JP2009200423A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Asahi Glass Co Ltd Euvリソグラフィ用反射型マスクの製造方法
JP2015162665A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東京エレクトロン株式会社 熱処理方法、熱処理装置、及び記憶媒体
JP2017092118A (ja) * 2015-11-04 2017-05-25 東京エレクトロン株式会社 塗布膜形成方法、塗布膜形成装置、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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