JPH0756249Y2 - 垂直コンベヤ装置用ベルト - Google Patents

垂直コンベヤ装置用ベルト

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JPH0756249Y2
JPH0756249Y2 JP1989039068U JP3906889U JPH0756249Y2 JP H0756249 Y2 JPH0756249 Y2 JP H0756249Y2 JP 1989039068 U JP1989039068 U JP 1989039068U JP 3906889 U JP3906889 U JP 3906889U JP H0756249 Y2 JPH0756249 Y2 JP H0756249Y2
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安衛 米澤
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は垂直コンベヤ装置用のベルトに関する。
(従来の技術) 垂直コンベヤ装置の一種に、一対のコンベヤベルトの幅
方向両端部をローラ等により強制的に一定の押圧力で接
触させ、その中間部で搬送物を挟持してベルトの移動に
より挟持した搬送物を垂直方向ないし斜め傾斜方向に搬
送する装置があり、石炭,コークス,石灰,アルミナ,
農薬等のバラ物或いは粉粒体,食料品その他の搬送用と
して利用されている。
ところでこの垂直コンベヤ装置においては、従来、コン
ベヤベルトとして一般のコンベヤ装置に用いられるベル
トがそのまま用いられているが、このベルトは所定荷重
時における伸び、具体的には保証破断強度の10%荷重時
の伸びが3%程度以下と小さく、また耳部、即ち幅方向
端部の許容伸びが1〜1.5%と小さく、このために次の
ような不具合を生じていた。
上記の垂直コンベヤ装置においては、第一コンベヤベル
ト及び第二コンベヤベルトの何れか一方又は両方がトラ
フ状、即ち断面台形の桶状その他複雑形状に曲げられて
その凹部内に搬送物を収容し、以て搬送物を搬送するよ
うになっているが、このような過酷な条件で用いられる
垂直コンベヤ装置のベルトとして上記一般のコンベヤ装
置のベルトを用いると、その伸び特性が低いために、こ
れを搬送路途中で湾曲させる際の曲率半径を大きくとら
ざるを得ず(一般にベルト幅の10〜12倍程度の曲率半径
が必要)、このためにコンベヤ装置の占有面積が広くな
ってしまう不具合を生ずる。
またベルトを台形状その他の断面形状に屈曲させる際、
その屈曲部の曲げ角度(トラフ角度)を大きくとること
ができず(トラフ角度を5〜10°以下とする必要があっ
た)、このため凹部の容積が小さくなって、搬送物の搬
送量が制限されてしまうのである。
また無理に屈曲部を大きく曲げてトラフ角度を大きくと
ろうとすると、ベルトの耳部がワカメ状に変形してしま
う不具合を生ずる。耳部が許容値以上に延ばされてしま
うからである。
(課題を解決するための手段) 本考案はこのような課題を解決するためになされたもの
であり、その要旨は、第一コンベヤベルトと第二コンベ
ヤベルトとを含むコンベヤベルトを備え、該第一コンベ
ヤベルトの搬送側表面と該第二コンベヤベルトの搬送側
表面を対面せしめて、該それぞれの搬送側表面の幅方向
両端部を強く接触させ、幅方向中央部で搬送物を挾持さ
せ、該第一コンベヤベルトと該第二コンベヤベルトとの
移動により、該搬送物を実質的に上下方向に搬送可能な
垂直搬送部を備えている垂直コンベヤ装置用の前記コン
ベヤベルトであって、前記第一コンベヤベルトと第二コ
ンベヤベルトとの少なくとも何れか一方が、ゴム本体
と、合成繊維から成る横糸と縦糸とを平織組織せしめて
該ゴム本体内に埋設された帆布とを備え、該横糸が該縦
糸よりも太く形成され、該帆布が予め幅方向に引張られ
て熱処理せしめられ、保証破断強度の10%荷重作用時の
伸びが4%以上と成されていることにある。
(作用及び考案の効果) 上記垂直コンベヤ装置用のベルトとして一般のコンベヤ
装置用のベルトを用いる限り、上記不具合が生ずるのは
避けられないことである。
そこで本考案では垂直コンベヤ装置用のベルトを開発
し、その伸び特性、厳密には保証破断強度の10%荷重作
用時の伸びを4%以上とした。
コンベヤベルトの伸び特性を4%以上とするにはいろい
ろな方法が考えられるが、最も良好な手段はベルト補強
用の帆布の伸びを大きくとることである。その具体的手
段としては、帆布の横糸を密に打ち込む等して経糸角度
を大きくとったり、帆布を熱処理する際の張力を低く設
定したりすることにより、帆布の伸びを大きくとること
ができるが、本考案では帆布の横糸を縦糸よりも太くす
ることにより、帆布の伸びを大きくしている。これによ
りコンベヤベルトを長手方向に弾力性あるものとするこ
とができる。
而してこのようにコンベヤベルトの伸びが大きくなれ
ば、コンベヤベルトを搬送路途中で湾曲させる際の曲率
半径を小さくすることが可能となり(従来の1/3程度の
曲率半径とすることができる)、またトラフ角度も大き
くとることができる(トラフ角度を30°以上にすること
も可能)。これにより垂直コンベヤ装置の占有面積を小
さくすることができ、また搬送物の搬送能力を高くし得
て、従来より多くの搬送物を搬送できるようになる。
(実施例) 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
第1図は垂直コンベヤ装置の概略構成を示したものであ
り、図中10はそのコンベヤ装置、12は駆動ベルト、14は
従接ベルトである。駆動ベルト12は、プーリ16,18間に
無端環状に且つL字状を成す如く巻き掛けられており、
第一水平搬送部Aと、垂直搬送部Cと、第二水平搬送部
Eと、第一水平搬送部Aから垂直搬送部Cへの移行部B
及び垂直搬送部Cから第二水平搬送部Eへの移行部Dと
を形成している。
従接ベルト14は、移行部Bから移行部Dにかけて駆動ベ
ルト12と接触しつつ移動するようになっている。
第2図に駆動ベルト12と従接ベルト14との接触部の断面
構造及び水平部A,Eにおける駆動ベルト12による単独搬
送部分の断面構造が示されている。図(A)に示してい
るように、第1水平搬送部(A)においては駆動ベルト
12はローラ20によって断面台形状に折り曲げられ、形成
された上面側の凹所内に搬送物26を乗せて単独で移動す
る。
移行部(B)においては、同図(B)に示しているよう
に従接ベルト14がローラ20によって断面逆台形状に折り
曲げられ、その曲げられた幅方向両端部が駆動ベルト12
の両端部に一定の押圧力で強制接触させられている。こ
の工程では、駆動ベルト12の搬送側表面と従接ベルト14
の搬送側表面の幅方向両端部を対面させ、かつ強く接触
させることにより、搬送物26は駆動ベルト12の幅方向中
央部と従接ベルト14の幅方向中央部との間に挟持され、
ベルト12,14の移動とともに搬送される。
垂直搬送部(C)においては、図(C)に示しているよ
うに駆動ベルト12,従接ベルト14共に幅方向中間部が互
いに逆方向に膨出させられ、その弾発力で搬送物26を挟
持しつつこれを垂直上方に搬送する。
一方移行部(D)においては、図(D)に示しているよ
うに駆動ベルト12と従接ベルト14との形状が移行部
(B)とほぼ逆転した形状状態となり、また図(E)に
示しているよいうに第二水平搬送部(E)においては駆
動ベルト12が当初の第一水平部(A)とほぼ同じ状態に
戻って、搬送物26を単独で搬送する。
上記駆動ベルト12及び従接ベルト14は、第3図に示して
いるようにゴム本体22内部に5層の帆布24を埋設して補
強・構成したものであり、ここではその伸び特性、厳密
には保証破断強度の10%荷重作用時の伸び特性が4%以
上と、従来一般のコンベヤ装置用のベルトのそれよりも
大きくされている。
コンベヤベルトの伸びを4%以上とするにはいろいろな
方法が考えられるが、ここでは次の方法によっている。
(1)帆布組織 本例では帆布24の組織を第1表に示す平織組織として、
コンベヤベルト12,14の伸び向上を図った。尚同表では
通常一般のコンベヤベルトの帆布組織も併せて示してい
る。
このように帆布組織における横糸28(第4図参照)を太
く(或いは密に)することにより、第4図(A),
(B)の比較から明らかなように、縦糸30の経糸角度θ
が大きくなる(第4図(B)は従来一般のコンベヤベル
トにおける帆布組織を示している)。縦糸30の経糸角度
θが大きくなれば伸びの許容値も大きくなり、コンベヤ
ベルトを比較的大きく伸ばした場合においても、永久変
形を起さないようになる。
尚本考案の目的を達成するためには、横糸28の太さを0.
8mm以上として経糸角度を30°以上とするのが望まし
い。
(2)帆布の熱処理方法 帆布の熱処理を第2表に示す条件、即ち底張力,低速処
理速度で且つテンターを用いて帆布を幅方向に引張って
処理中帆布の幅方向の寸法変化を規制しつつ行い、帆布
組織が大幅に変化しないようにした。
このように本例のコンベヤベルト12,14は所定荷重時の
伸びが4%以上とされていて伸び易いものであるため
(但しこの伸びは7%以下に抑えられることが望まし
い。7%より大きくすると塑性伸びが大きくなってしま
うからである。)、コンベヤベルト12,14の幅方向両端
部を比較的大きい角度で曲げて、即ちトラフ角度を大き
くとることが可能となり(トラフ角度20〜30°が可
能)、またコンベヤベルト12,14の曲率半径もベルト幅
の3〜4倍程度まで小さくすることが可能となって、垂
直コンベヤ装置10の占有面積を少なくすることができる
と同時に、搬送物26の搬送能力も高まって、多くの搬送
物26を搬送できるようになる。
尚垂直コンベヤ装置10においてコンベヤベルト12,14の
伸びをこのように大きくとることが可能であるのは、垂
直コンベヤ装置10特有の装置構成に起因するものであ
る。即ち通常一般のコンベヤ装置においては、ベルトの
伸びを大きくすると使用途中でコンベヤベルトが緩んで
プーリによるドライブがかからなくなったり、或いは頻
繁に張力調整を行わなければならなくなるのに対し、垂
直コンベヤ装置10においては、上記構成説明からも明ら
かなように、駆動ベルト12が垂直に垂れ下がった状態と
なって自重によりプーリへの巻掛部をこれに強制接触さ
せる作用を為すのみならず、ベルト12,14が搬送路に沿
って各個所でローラ等押圧部材に強制接触させられて、
ベルトの各部の伸びがそれらローラ等押圧部材間で吸収
され、各押圧部材間における伸びが漸次累積して駆動プ
ーリ部分に伝播し難いからである。
以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はその他の形
態で構成することも可能である。
例えば上例では一対のコンベヤベルトの一方が駆動ベル
ト、他方が従接ベルトとされているが、それらの何れを
も駆動ベルトとすることが可能であるし、また一対のコ
ンベヤベルトの何れか一方のみが大きく変形させられる
場合において、その一方のコンベヤベルトにのみ本考案
を適用することも可能である。
また上例ではゴム本体内部に5層の帆布を埋設して補強
・構成しているが、帆布を2層〜3層埋設して補強・構
成することができる。
その他本考案は、その主旨を逸脱しない範囲において、
当業者の知識に基づき、様々な変形を加えた形態で構成
可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例であるコンベヤベルトを含む
垂直コンベヤ装置の概略構成図であり、第2図はそのコ
ンベヤ装置における各部の要部断面構造図、第3図は第
1図,第2図におけるコンベヤベルトの断面構造図、第
4図(A)は第3図における帆布の組織状態を示す図、
同図(B)は従来一般のコンベヤベルトにおける帆布の
組織状態を示す図である。 10:垂直コンベヤ装置 12:駆動ベルト、14:従接ベルト 26:搬送物、24:帆布 28:横糸、θ:経糸角

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一コンベヤベルトと第二コンベヤベルト
    とを含むコンベヤベルトを備え、該第一コンベヤベルト
    の搬送側表面と該第二コンベヤベルトの搬送側表面を対
    面せしめて、該それぞれの搬送側表面の幅方向両端部を
    強く接触させ、幅方向中央部で搬送物を挾持させ、該第
    一コンベヤベルトと該第二コンベヤベルトとの移動によ
    り、該搬送物を実質的に上下方向に搬送可能な垂直搬送
    部を備えている垂直コンベヤ装置用の前記コンベヤベル
    トであって、 前記第一コンベヤベルトと第二コンベヤベルトとの少な
    くとも何れか一方が、ゴム本体と、合成繊維から成る横
    糸と縦糸とを平織組織せしめて該ゴム本体内に埋設され
    た帆布とを備え、該横糸が該縦糸よりも太く形成され、
    該帆布が予め幅方向に引張られて熱処理せしめられ、保
    証破断強度の10%荷重作用時の伸びが4%以上と成され
    ていることを特徴とする垂直コンベヤ装置用ベルト。
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