JPH0755990A - 制御棒核的寿命評価方法 - Google Patents

制御棒核的寿命評価方法

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JPH0755990A
JPH0755990A JP5201606A JP20160693A JPH0755990A JP H0755990 A JPH0755990 A JP H0755990A JP 5201606 A JP5201606 A JP 5201606A JP 20160693 A JP20160693 A JP 20160693A JP H0755990 A JPH0755990 A JP H0755990A
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精 植田
Eiji Mihashi
偉司 三橋
Hironori Kumanomidou
宏徳 熊埜御堂
Shigeru Miyashita
茂 宮下
Tomoharu Sasaki
智治 佐々木
Tsukasa Kikuchi
司 菊池
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】ハフニウム(Hf)を代表例とする新型制御棒
に対してその核的寿命を評価する。 【構成】使用前の未照射制御棒あるいはそれの主要部を
模擬した模擬制御棒を組成既知の標準制御棒とし、この
標準制御棒に対する中性子透過率、燃焼依存透過率およ
び燃焼依存反応度から校正曲線を作成し、この校正曲線
と照射制御棒のに対する中性子透過率とから照射制御棒
の反応度を評価し、照射に伴う反応度の減少率を別に定
められた減少率と寿命との関係から照射制御棒の核的寿
命を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多量の中性子照射を受け
て中性子吸収材の濃度または組成比が変化した制御棒の
核的寿命を評価する制御棒核的寿命評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】商業用原子炉の出力運転中は、一般に一
部の制御棒が炉心に挿入されており、それらの制御棒は
多量の中性子照射を受けるため、制御棒内の中性子吸収
材は濃度が減少したり、あるいは核種組成が変化する。
それに伴って制御棒は反応度、反応度価値などと呼ばれ
る中性子吸収能力が変化する。
【0003】正確には、制御棒の反応度価値(reactivi
ty worth)と呼ぶべきであるが、制御棒の反応度と呼ぶ
ことも多いため、本明細書では特に必要でない限り、便
宜上「価値」という用語を省略することとする。
【0004】従来より沸騰水型原子炉(BWR)では、
4 Cを中性子吸収材とするB4 C制御棒が用いられて
いるが、原子炉運転の合理化などの理由から特定の一部
の制御棒のみを出力運転中に炉心に挿入して制御するコ
ントロールセルコア(CCC)の概念が確立され、実施
されるようになった。ここで使用される制御棒を本明細
書中では便宜上コントロールセル制御棒(以下CC−C
Rという。)と呼ぶこととする。
【0005】CC−CRは高出力運転中に炉心内に挿入
されているため、多量の中性子照射を受け、一般に比較
的短期間に中性子吸収能力が低下する。1989年頃ま
ではCC−CRとしてB4 C制御棒が用いられてきた。
4 Cの10Bが中性子吸収材であり、10B(n,α)7
Li反応によって10Bはその濃度が減耗し、中性子吸収
能力のないHeガスと7 Liが生成する。他にもいくつ
かの反応は存在するが、制御棒の反応度の値に寄与する
ものはない。
【0006】10Bを主な中性子吸収材とするB4 C制御
棒などでは、上記のように中性子吸収能力の減少速度が
比較的早い。このため、次第に長寿命型の制御棒に対す
る要請が高まった。
【0007】その代表例が、ハフニウム(Hf)を中性
子吸収材とするものである。Hfには 177Hf, 178
f, 179Hf, 180Hf,など、多くの同位体が存在
し、それぞれが中性子を吸収する能力が高い。特に、
177Hfのそれが大きく、 177Hfは中性子を吸収して
178Hfとなり、この 178Hfはさらに中性子を吸収し
179Hfとなり、この 179Hfはさらにまた中性子を
吸収して 180Hfとなり、180Hfも中性子を吸収して
181Hfとなる。 181Hfはベータ崩壊して 181Taと
なる。このTaも一般に中性子吸収能力は比較的大き
い。
【0008】以上の説明から判るように、Hfは10Bに
比較して格段と長寿命型の中性子吸収材であることが判
る。この他に、Hf相当またはやや短いながら長寿命型
の中性子吸収材としてユーロピウム(Eu),サマリウ
ム(Sm),ディスプロシウム(Dy)などの希土類元
素や、加圧水型原子炉(PWR)で用いられている銀−
インジウム−カドミウム(Ag−In−Cd)合金など
があることが知られている。
【0009】これらは一般に長寿命型中性子吸収材と呼
ばれており、これらは殆どの元素が共鳴中性子に対する
吸収能力が高く、共鳴吸収物質と呼ばれることもある。
一方、10Bは共鳴レベルがなく、典型的な1/v型の吸
収特性を有している。
【0010】ところで、従来のB4 C制御棒に対して本
発明者らの一人は、核的寿命測定方法や装置を提案して
きた。上記方法の原理は例えばJournal of Nuclear Sci
enceand Technology vol.19 No10 P.855
1982年発行において開示した。上記装置について
は例えば特開昭56−43541号公報で開示されてい
る。
【0011】B4 C制御棒では中性子吸収材が10Bのみ
であり、10Bがもとの濃度から約42%減少したとき、
制御棒の反応度は10%減少し、これが核的寿命100
%と定義されていた。このため10B濃度を変えた複数種
の組成既知の標準制御棒を準備しておき、照射制御棒の
中性子透過率を標準制御棒のそれと比較することによっ
て、10Bの濃度を決定することができた。その際に1〜
2eVの中性子が10Bの濃度に対しても最も感度が高か
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、10Bを中性
子吸収材とした制御棒に代えてHfを代表例とする長寿
命型の中性子吸収材を用いる新型制御棒では、一般に多
種の同位体あるいは多種の元素が中性子吸収材を構成し
ており、中性子吸収によりそれら核種や元素の濃度ある
いは組成比は複雑に変化し、またこれらは複雑な共鳴型
の吸収核種であり、もはや従来の10Bが実質唯一の中性
子吸収材であった制御棒に対して開発した方法は新型制
御棒では適用不能であった。
【0013】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、ハフニウム(Hf)を代表例とする新型制御棒
に対してその核的寿命を評価する制御棒核的寿命評価方
法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1は、実機制御棒の燃料計算を
行い、この燃料計算で得られた燃焼依存の中性子吸収材
組成を用いて燃焼依存の制御棒反応度を計算する一方、
実機測定条件と前記燃焼依存中性子吸収材組成を用い
て、制御棒側面に中性子源を配置して行う中性子透過法
における中性子の燃焼依存透過率を計算し、この燃焼依
存透過率と未照射制御棒の中性子透過率測定値と前記燃
焼依存反応度とから中性子透過率と反応度との相関関係
として校正曲線を求め、照射制御棒の中性子透過率測定
値と前記校正曲線とから照射制御棒の反応度を評価し、
この反応度評価値が未照射時の反応度からどの程度減損
しているかを求めて照射制御棒が核的寿命の限定設定値
に対してどの程度近接しているかを評価することを特徴
とする。
【0015】請求項2は、実機制御棒の燃料計算を行
い、この燃料計算で得られた燃焼依存の中性子吸収材組
成と実機測定条件を用いて中性子透過法における中性子
の燃焼依存透過率を計算し、別途求められた未照射制御
棒の構成に関する所定条件と反応度との相関関係および
この未照射制御棒の中性子透過率を前記所定条件の関数
として求め、前記燃焼依存透過率と、前記未照射制御棒
の所定条件と反応度との相関関係および前記所定条件と
中性子透過率との関係とから中性子透過率と反応度との
相関関係として校正曲線を求め、照射制御棒の中性子透
過率測定値と前記校正曲線とから照射制御棒の反応度を
評価し、この反応度評価法が未照射時の反応度価値から
どの程度減損しているかを求めて照射制御棒が核的寿命
の限定設定値に対してどの程度近接しているかを評価す
ることを特徴とする。
【0016】請求項3は、請求項1または請求項2記載
の実機制御棒の燃料計算を行う核特性計算手法が、その
未燃焼状態に対する計算値の信頼度が試験用原子炉など
の原子炉炉心におけるモックアップなどの測定と解析に
より検証されていることを特徴とする。
【0017】請求項4は、請求項1または請求項2記載
の実機測定条件における燃焼依存中性子透過率の計算手
法が、その未燃焼状態に対する計算値の信頼度が中性子
透過検証試験による測定と解析により検証されているこ
とを特徴とする。
【0018】請求項5は、請求項2記載の中性子吸収材
が、少なくとも1枚の平板状ハフニウム金属やハフニウ
ム合金で構成され、前記所定条件は1枚の場合にはその
厚さ、複数枚の場合にはそれらの厚さや厚さと相互間の
距離がパラメータであることを特徴とする。
【0019】請求項6は、請求項2記載の中性子吸収材
が、2枚のハフニウム金属板から構成され、この金属板
間の間隙に水が層状に介在する制御棒では、前記所定条
件は2枚の金属板の厚みと間隙を加えた厚さが一定であ
り、金属板の板厚の変化に応じて間隙が変化するように
パラメータが設定されることを特徴とする。
【0020】請求項7は、請求項2記載の中性子吸収材
が、棒状のハフニウム金属および銀−インジウム−カド
ミウム合金のいずれかにより構成され、制御棒がそれら
棒状吸収材を板状に配列されて構成されている場合に
は、前記所定条件は棒状吸収材の外径がパラメータであ
ることを特徴とする。
【0021】請求項8は、請求項2記載の中性子吸収材
が、ユーロピウム,サマリウム,ディスプロシウム,ガ
ドリニウムなどの希土類元素から選択される少なくとも
1種から棒状に形成され、制御棒がそれら棒状の吸収材
を板状に配列して構成されている場合、前記所定条件は
前記希土類元素の濃度がパラメータであることを特徴と
する。
【0022】
【作用】上記の構成を有する請求項1においては、使用
前の未照射制御棒あるいはそれの主要部を模擬した模擬
制御棒を組成既知の標準制御棒とし、この標準制御棒に
対する中性子透過率、燃焼依存透過率および燃焼依存反
応度から校正曲線を作成し、この校正曲線と照射制御棒
のに対する中性子透過率とから照射制御棒の反応度を評
価し、照射に伴う反応度の減少率を別に定められた減少
率と寿命との関係から照射制御棒の核的寿命を評価する
ことができる。
【0023】請求項2において、長寿命化を目指した新
型制御棒では、中性子吸収材が一般に高価であったり、
重量が従来のB4 Cに比べて著しく大きいなどの不具合
があり、これらの不具合を解消すべく制御棒の長手方向
に必要性に対応した合理化ないし最適化設計がなされて
いる。すなわち、請求項2が請求項1と異なる点は、請
求項4〜8の所定条件を活用することにあり、これによ
り請求項1と同様の作用をなす。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】図1は本発明に係る制御棒核的寿命評価方
法の一実施例を示すフローチャート図である。
【0026】燃料集合体核設計コードでは、制御棒の中
性子照射に伴う中性子吸収材の燃焼特性の評価を行うも
のは見当たらないが、本出願人は新型制御棒の実用炉採
用に際して燃焼計算が可能なコードを開発した。このコ
ードを用いて実機制御棒の燃焼計算を行う(ステップS
1)。
【0027】次に、この燃焼計算によって燃焼依存の中
性子吸収材組成を空間依存量として求める(ステップS
2)。この計算により燃焼依存の制御棒反応度(価値)
を求める(ステップS3)。
【0028】一方、測定では制御棒側面に中性子源を配
置して行う中性子透過法を採用する。制御棒における1
つまたは2つの翼を挟んで一側に中性子源を配置し、こ
の中性子源から放出された高速中性子を所望のエネルギ
ーまで減速した後、制御棒の1つまたは2つの翼へ導
き、透過した中性子を検出する。
【0029】この中性子の検出では、計数管を用いるこ
ともできるが、インジウム(In)やディスプロシウム
(Dy)などの放射化箔を用いた方が位置分解能の良好
なデータが得られる。ディスプロシウム(Dy)は熱中
性子の検出に好適であり、インジウム(In)は熱中性
子のみでなく、熱外中性子の検出にも利用できる。
【0030】その他にも熱中性子検出器は種々考えられ
るが、DyやInが能率を要求されるサイズで使用する
のに好適である。熱中性子を検出する方法は熱中性子透
過法、熱外中性子を検出する方法は熱外(または共鳴)
中性子透過法と呼ぶことができる。
【0031】さらに、実機制御棒に対して中性子透過法
を適用する実機測定条件と、ステップS2の制御棒の燃
焼依存中性子吸収材組成とを用いて燃焼依存の中性子透
過率計算を行う(ステップS4)。
【0032】一方、実機未照射制御棒あるいはその要部
を模擬した模擬制御棒を標準制御棒とし、与えられた幾
何学的的条件や中性子源強度などの条件で標準制御棒に
対する中性子透過率を測定し(ステップS5)、ステッ
プS3の燃焼依存制御棒反応度計算値と、ステップS4
の燃焼依存中性子透過率計算値と、ステップS5の標準
制御棒中性子透過率の測定値とから中性子透過率と制御
棒反応度との相関を表す校正曲線を作成する(ステップ
S6)。
【0033】そして、ステップS7にて求めた照射制御
棒に対する中性子透過率測定値と、ステップS6にて求
めた校正曲線とから照射制御棒の反応度価値が求められ
る。この値が未照射時の値に対してどの程度減損してい
るかを別途決められた反応度減少割合と核的寿命との相
関から被測定照射制御棒の核的寿命が評価される(ステ
ップS8)。
【0034】すなわち、ステップS8では、ステップS
7にて求めた照射制御棒の中性子透過率測定値と、ステ
ップS6にて求めた校正曲線とから照射制御棒の反応度
を評価し、この反応度評価値が未照射時の反応度からど
の程度減損しているかを求めて照射制御棒が核的寿命の
限定設定値に対してどの程度近接しているかを評価す
る。
【0035】なお、本実施例では新規に開発された制御
棒の燃焼計算を行うことのできるコードを使用するた
め、コードの検証試験を行うことが望ましい。その方法
として模擬制御棒を装荷したモックアップ炉心に対して
実験と解析を行う。つまり、実機制御棒の燃料計算を行
う核特性計算手法は、その未燃焼状態に対する計算値の
信頼度が試験用原子炉などの原子炉炉心におけるモック
アップなどの測定と解析により検証されている。
【0036】測定データとしては、模擬制御棒の反応度
価値のみでなく、制御棒内外の各種中性子反応率分布、
燃料領域の出力分布などがある。また、本実施例では測
定条件に対応して中性子透過法の解析を行うため、その
解析コードの実験による検証を行うことが望ましい。こ
のように、実機測定条件における燃焼依存中性子透過率
の計算手法は、その未燃焼状態に対する計算値の信頼度
が中性子透過検証試験による測定と解析により検証され
ている。
【0037】図2は本発明に係る制御棒核的寿命評価方
法の他の実施例を示すフローチャート図である。なお、
前記実施例におけるステップと同様のステップには図1
と同一の符号を用いて説明する。
【0038】ステップS1において実機制御棒の燃料計
算を行い、この燃料計算により燃焼依存の中性子吸収材
組成を求める(ステップS2)。次いで、ステップS4
にて実機測定条件を用いて中性子透過法における中性子
の燃焼依存透過率を計算する。
【0039】さらに、別途求められた標準照射制御棒の
構成に関する所定条件と反応度との相関関係(ステップ
S5a)、および標準照射制御棒の中性子透過率を前記
所定条件の関数として求め(ステップS5b)、上記ス
テップS4にて求められた燃焼依存透過率と、標準照射
制御棒の所定条件と反応度との相関関係および前記所定
条件と中性子透過率との関係とから中性子透過率と反応
度との相関関係として校正曲線を求める(ステップS
6)。
【0040】そして、ステップS7で得られた照射制御
棒の中性子透過率測定値と、上記校正曲線とから照射制
御棒の反応度を評価し、この反応度評価法が未照射時の
反応度価値からどの程度減損しているかを求めて照射制
御棒が核的寿命の限定設定値に対してどの程度近接して
いるかを評価する(ステップS8)。
【0041】このように本実施例が前記実施例と異なる
点は、未照射制御棒では反応度価値が正しく求められて
いる点にある。このため、本実施例では組成既知の模擬
(標準)制御棒を用いた核計算法検証試験を行うことが
望ましい。
【0042】ところで、長寿命型の制御棒としては、現
在種々のものが実用化されており、上記実施例における
「所定条件」とはそれらに対応して変化する。
【0043】すなわち、制御棒の一翼が翼厚さ方向に一
枚のハフニウム(Hf)金属板(長さ方向には何分割で
もよい。)の場合には、Hf板厚が重要な所定条件とな
る。複数枚のときはHf板厚のみでなく、Hf板間の間
隙も重要な所定条件となる場合がある。
【0044】新型制御棒は、一般に共鳴特性を有する中
性子吸収材が用いられており、間隙に水が存在すると中
性子が減速され、間隙に面したHf表面からの中性子吸
収率の増大があるためであるが、熱中性子透過法の場合
には間隙が重要な所定条件となるとは限らない。
【0045】したがって、中性子吸収材が少なくとも1
枚の平板状ハフニウム金属やハフニウム合金で構成さ
れ、前記所定条件は1枚の場合にはその厚さ、複数枚の
場合にはそれらの厚さや厚さと相互間の距離がパラメー
タである。
【0046】また、中性子吸収材が2枚のハフニウム
(Hf)金属板から構成され、この金属板間の間隙に水
が層状に介在する制御棒では、前記所定条件は2枚の金
属板の厚みと間隙を加えた厚さが一定であり、金属板の
板厚の変化に応じて間隙が変化するようにパラメータが
設定される。
【0047】これは実機BWRのHfトラップ型制御棒
が軸方向にHf板厚を変え、それに対応して間隙が変化
する設計となっており、それを所定条件とするものであ
る。この場合には未照射の実機制御棒を標準制御棒とし
て利用できる場合に特に有効である。
【0048】さらに、中性子吸収材が棒状のハフニウム
金属や銀−インジウム−カドミウム合金のいずれかによ
り構成され、制御棒がそれら棒状吸収材を板状に配列さ
れて構成されている場合には、前記所定条件は棒状吸収
材の外径がパラメータである。この場合、中性子吸収材
は棒状に形成された制御棒が用いられるので、前記所定
条件として棒状の中性子吸収材の直径が所定条件とな
る。
【0049】そして、中性子吸収材が、ユーロピウム,
サマリウム,ディスプロシウム,ガドリニウムなどの希
土類元素から選択される少なくとも1種から棒状に形成
され、制御棒がそれら棒状の吸収材を板状に配列して構
成されている場合、前記所定条件は前記希土類元素の濃
度がパラメータである。この場合には、標準制御棒とし
て中性子吸収材の濃度を変えることが可能であるため、
濃度を所定条件とするものである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る制御
棒核的寿命評価方法によれば、使用前の未照射制御棒あ
るいはそれの主要部を模擬した模擬制御棒を組成既知の
標準制御棒とし、この標準制御棒に対する中性子透過
率、燃焼依存透過率および燃焼依存反応度から校正曲線
を作成し、この校正曲線と照射制御棒のに対する中性子
透過率とから照射制御棒の反応度を評価し、照射に伴う
反応度の減少率を別に定められた減少率と寿命との関係
から照射制御棒の核的寿命を評価することにより、中性
子吸収材が10BのみのB4 C制御棒と異なった核的に複
雑な中性子吸収材を用いた場合でもその核的寿命を測定
および解析により評価することができ、汎用性の高い評
価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御棒核的寿命評価方法の一実施
例を示すフローチャート図。
【図2】他の実施例の制御棒核的寿命評価方法を示すフ
ローチャート図。
フロントページの続き (72)発明者 宮下 茂 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐々木 智治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 菊池 司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実機制御棒の燃料計算を行い、この燃料
    計算で得られた燃焼依存の中性子吸収材組成を用いて燃
    焼依存の制御棒反応度を計算する一方、実機測定条件と
    前記燃焼依存中性子吸収材組成を用いて、制御棒側面に
    中性子源を配置して行う中性子透過法における中性子の
    燃焼依存透過率を計算し、この燃焼依存透過率と未照射
    制御棒の中性子透過率測定値と前記燃焼依存反応度とか
    ら中性子透過率と反応度との相関関係として校正曲線を
    求め、照射制御棒の中性子透過率測定値と前記校正曲線
    とから照射制御棒の反応度を評価し、この反応度評価値
    が未照射時の反応度からどの程度減損しているかを求め
    て照射制御棒が核的寿命の限定設定値に対してどの程度
    近接しているかを評価することを特徴とする制御棒核的
    寿命評価方法。
  2. 【請求項2】 実機制御棒の燃料計算を行い、この燃料
    計算で得られた燃焼依存の中性子吸収材組成と実機測定
    条件を用いて中性子透過法における中性子の燃焼依存透
    過率を計算し、別途求められた未照射制御棒の構成に関
    する所定条件と反応度との相関関係およびこの未照射制
    御棒の中性子透過率を前記所定条件の関数として求め、
    前記燃焼依存透過率と、前記未照射制御棒の所定条件と
    反応度との相関関係および前記所定条件と中性子透過率
    との関係とから中性子透過率と反応度との相関関係とし
    て校正曲線を求め、照射制御棒の中性子透過率測定値と
    前記校正曲線とから照射制御棒の反応度を評価し、この
    反応度評価法が未照射時の反応度価値からどの程度減損
    しているかを求めて照射制御棒が核的寿命の限定設定値
    に対してどの程度近接しているかを評価することを特徴
    とする制御棒核的寿命評価方法。
  3. 【請求項3】 実機制御棒の燃料計算を行う核特性計算
    手法は、その未燃焼状態に対する計算値の信頼度が試験
    用原子炉などの原子炉炉心におけるモックアップなどの
    測定と解析により検証されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の制御棒核的寿命評価方法。
  4. 【請求項4】 実機測定条件における燃焼依存中性子透
    過率の計算手法は、その未燃焼状態に対する計算値の信
    頼度が中性子透過検証試験による測定と解析により検証
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の制御棒核的寿命評価方法。
  5. 【請求項5】 中性子吸収材は、少なくとも1枚の平板
    状ハフニウム金属やハフニウム合金で構成され、前記所
    定条件は1枚の場合にはその厚さ、複数枚の場合にはそ
    れらの厚さや厚さと相互間の距離がパラメータであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の制御棒核的寿命評価方
    法。
  6. 【請求項6】 中性子吸収材は、2枚のハフニウム金属
    板から構成され、この金属板間の間隙に水が層状に介在
    する制御棒では、前記所定条件は2枚の金属板の厚みと
    間隙を加えた厚さが一定であり、金属板の板厚の変化に
    応じて間隙が変化するようにパラメータが設定されるこ
    とを特徴とする請求項2記載の制御棒核的寿命評価方
    法。
  7. 【請求項7】 中性子吸収材は、棒状のハフニウム金属
    および銀−インジウム−カドミウム合金のいずれかによ
    り構成され、制御棒がそれら棒状吸収材を板状に配列さ
    れて構成されている場合には、前記所定条件は棒状吸収
    材の外径がパラメータであることを特徴とする請求項2
    記載の制御棒核的寿命評価方法。
  8. 【請求項8】 中性子吸収材は、ユーロピウム,サマリ
    ウム,ディスプロシウム,ガドリニウムなどの希土類元
    素から選択される少なくとも1種から棒状に形成され、
    制御棒がそれら棒状の吸収材を板状に配列して構成され
    ている場合、前記所定条件は前記希土類元素の濃度がパ
    ラメータであることを特徴とする請求項2記載の制御棒
    核的寿命評価方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012068123A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 制御棒寿命評価方法および制御棒寿命評価装置
JP2012251872A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 制御棒の寿命監視方法
JP2013044584A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 原子炉炉心性能計算装置
RU2507615C1 (ru) * 2012-12-06 2014-02-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение "Национальный исследовательский центр "Курчатовский институт" Способ измерения эффективности стержней регулирования реакторной установки

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