JPH0755910B2 - 腫瘍治療剤 - Google Patents

腫瘍治療剤

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JPH0755910B2
JPH0755910B2 JP685A JP685A JPH0755910B2 JP H0755910 B2 JPH0755910 B2 JP H0755910B2 JP 685 A JP685 A JP 685A JP 685 A JP685 A JP 685A JP H0755910 B2 JPH0755910 B2 JP H0755910B2
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茂栄 高木
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高周波加熱により発熱、昇温する炭素又は該
炭素と磁性体を結合させたモノクローナル抗体から成る
新規な腫瘍治療剤に関するものである。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高周波加熱による腫瘍の治療に際して使用さ
れる効果の著しい腫瘍治療剤を提供するものである。
〔従来の技術〕
モノクローナル抗体の従来の技術について述べれば、た
だ一種類の抗原だけを認識する単一クローン抗体は1975
年英国医学研究員のジーザー・ミルスタイン及びジヨー
ジス・ケーラー両博士により開発された。両博士は2種
の細胞、すなわち骨髄腫細胞と脾臓の形質細胞とを融合
させて単一クローン性抗体を産出するハイブリドーマ
(雑種腫瘍細胞)を形成した。この抗体は特異的である
ばかりでなく、ハイブリドーマを大量培養によつて生育
させることができるため事実上無限の供給量が得られ
る。
骨髄腫細胞は、培養液中で活発に生育することができ、
大量の抗体を産生する独特の性質を持つている。他方免
疫能を持つタイプの各々の脾臓の細胞は単一の抗原を認
識する抗体を産出するが、これらは培養液中ではよく生
育しない。正常な脾臓の免疫細胞が骨髄腫細胞と融合さ
れると、それに由来する遺伝的な能力の混合物は親細胞
の望ましい特質を表わす「ハイブリドーマ」という細胞
を形成する。これらの特質とは、脾臓細胞の遺伝子によ
り指定される抗体を分泌すること及び骨髄腫細胞に典型
的な活発な生育抗体の産生、そして寿命を表わすことで
ある。
腫瘍細胞に対する単一クローン性抗体の製造に関して
は、米国特許第4172124号があり、この中で発明者はあ
る動物を腫瘍細胞を用いて免疫にすることができ、その
動物に由来するハイブリドーマがその腫瘍に対して特異
性を示す抗体を産生することを証明した。また、本特許
ではガンと伝染病の両方の治療において抗体を使用する
原理を与えた。すなわち、もし腫瘍の抗原が存在すれば
患者は抗原に対応する助けとして抗体の注射を受けるこ
とができる。
また、この抗体に抗ガン剤を結合させたものはガン細胞
の狙い撃ちができることも知られていた。しかし上記米
国特許の技術ではガン細胞に対するただ一回の狙い撃ち
であり、その一回のみの攻撃では決定的にガン細胞を死
滅させることができないばかりか、公知の多量の抗ガン
剤を使用するのでどうしても副作用の問題が発生し、さ
らにこれらの抗ガン剤ではガン細胞の一部(約10%)を
どうしても捕まえることができず、また公知の抗ガン剤
ではガン病巣発生臓器毎に抗ガン剤の種類が異なり、そ
の効果も異なるのでこれら抗ガン剤の使用には高度の技
術を必要とする等の問題点があつた。また、上記米国特
許の技術はネズミ等の動物を使用したものであるから人
体にアレルギーを起す心配が残されていた。
これに対し九州大学農学部食糧化学工学研究所の村上浩
紀助教授等は、肺ガン細胞株に対し特に強い反応を示す
ヒトモノクローナル抗体を人間の細胞同志を融合させる
バイオテクノロジーの基本技術によつて量産化すること
に成功した。この方法は増殖力の強いガン細胞の一種で
あるリンパ芽球と肺ガン患者のリンパ球B細胞との細胞
融合による「ヒト−ヒト・ハイブリドーマ」から抽出す
る。リンパ球B細胞はガン細胞の存在を知らせる抗体を
作り出す働きがあるが、それ自身は増殖能力を持たな
い。しかし、それとリンパ芽球とを融合させた新種の細
胞はガンに対する抗体の製造機能と増殖力とを兼ね備え
ているため、抗体を対外で大量生産することが可能とな
つた。この抗体のガン細胞に対する反応力の強さ(特異
的)は極めて高い結果が得られたと報告されている。し
かしこのモノクローナル抗体も多量の抗ガン剤を使用せ
ねばならず、それに伴う副作用の問題が大きな欠点であ
り、しかもこのモノクローナル抗体によるガン細胞への
攻撃は1回のみであるため、決定的にガン細胞を死滅さ
せることができない難点があつた。
また、最近では磁石を使用してガン細胞と正常細胞を分
離する画期的な方法が、英国の民間団体「帝国ガン研究
基金」のジヨン・ケムシード博士らの研究グループによ
り開発された。英国の医学雑誌「ランセツト」によると
神経芽細胞腫にかかつた20人の子供にこの治療法を試み
たところ4才のフランスの女の子は1カ月で退院し、回
復し、残る子供達も依然として生存していると報じてい
る。
一般に神経芽細胞腫は副じんから発生することの多い小
児ガンで、転移しやすい上、死亡率も高く、特有の症状
が少ないため発見されたときは既に手遅れというケース
が多い。上記「ランセツト」誌記載のジヨン・ケムシー
ド博士らの方法は、神経芽細胞腫の患者の骨髄細胞を注
射器で取り出し、これにガン細胞だけに特異的に結び付
くモノクローナル抗体を入れる。この抗体には小さな磁
性体が組み込まれており、この骨髄細胞を磁石の玉が詰
つたパイプの中を通過させるとガン細胞だけが磁石に吸
い付いて正常細胞と分離できる。こうしてろ過した正常
な骨髄細胞は液体窒素の中で凍結保存し、数日後に体内
に戻す技術である。
しかしこの方法では、ガン細胞を注射器で取り出せる部
位や血液が循環し取り出せる部位のみのガン治療に有効
であるが、その他多くの体内臓器の深部や体内各部位に
多量に散らばつて存在しているガン細胞の分離は不可能
であり、またガン細胞をガン発生部位から注射器で完全
に取り出すことは不可能であり、どうしても一部ガン細
胞が残り、再発する危険が残つていたので完全な治療技
術とは云えなかつた。また、この方法も多量に使用する
抗ガン剤の副作用の問題が残されていた。
高周波加熱装置の誘電加熱及び誘電加熱によるガンの治
療技術として、特公昭58−30063、特公昭59−2501、実
開昭56−84850の各公報の技術その他が開発されている
が、これらはガン細胞組織と周囲の正常細胞組織を共に
40℃以上に加熱すると、前者だけが後者よりも更に2〜
2.5℃程度高温になることを利用し、正常細胞組織を壊
死などの影響がない43℃以下の温度範囲内に保たせなが
ら加温しガン等の異常な細胞組織のみを45℃前後の温度
に上昇させ、ガンなどの患部を治癒させる方法、いわゆ
る加温療法として誘電加熱及び誘導加熱を応用する高周
波加熱治療装置を使用し、ガンの患部(深部に患部をも
つ生体の表面)を高周波電極たる加温用電極体の2個で
両側から挾むようにして添接させ、それら両電極体間に
高周波エネルギーを与えてガン患部を誘電加熱・誘導加
熱により加温させることによりガンを治療する技術であ
り、これら3件の技術は、は生体深部の患部へ到達さ
せ得るような針状の検出端を有する温度センサーが使用
される高周波加温治療装置の技術、は生体内部の深所
の患部を十分加温させるための加熱療法における患部加
温用アプリケーターの技術であり、は加温治療(高周
波加熱)の折、高周波加熱用電極体の添接部云表装部に
火傷を来たさないため、また熱による苦痛を患者に与え
ることを防ぐために加温用電極体の全体に柔軟性を持た
せ、かつ生体へ添接させる側に水パツトを介在させた技
術である。
しかしこれらの技術は、生体表層部からの高周波加熱の
誘導加熱及び誘導加熱であるため、生体表層部は43℃以
上長期間加熱されるため患者は耐えられない。
また、このような高温を患者の全身にわたり長期間(7
日間)持続して当たることは、ガンにかかつていない健
全な他の大部分の正常細胞、臓器に悪影響を与え極めて
危険であつた。現在の医学技術ではこのような高温持続
は最大3日間が限度であり、高周波加熱の誘電加熱、誘
導加熱によるガン細胞の完全死滅化には少くとも40〜43
℃程度までの温度で最低7日間が必要であることから、
これら上記3件の方法ではガン細胞の完全死滅化は不可
能であり、極所的治療にしか使用できず、転移したガン
細胞の死滅化は全く困難といえる。
一般にガン細胞は大変熱に弱い。40〜41.5℃の高温下に
一定期間置くと、ガン細胞の大部分は死ぬ。胃ガン、肺
ガン等全てのガンが熱に弱いことには変りはなく、これ
に対し抗ガン剤や放射線療法はガンの種類や固体差によ
つて効果がある場合とない場合があり、しかも転移した
ガンには効き目がないが、熱は転移したガンにも効果が
ある。熱によるガン細胞のダメージは腺ガンや扁平上皮
ガンと云つた病理学的な種類によつて決まり、例えば腺
ガンは40〜41.5℃の高温下に1週間置くと90%のガン細
胞が死に、増殖能力を失う。
これに対し扁平上皮ガンの細胞を90%殺し増殖能力を失
わせるには41〜41.5℃の高温下に1週間さらさなくては
ならない。つまり腺ガンの増殖限界温度は40〜41.5℃で
あり、扁平上皮ガンのそれは41〜41.5℃であるわけであ
る。従つて同じ胃ガンでも増殖限界温度は違うのであ
る。気になるのは生き残つた10%のガン細胞が再び活性
化して増殖し始めるのではないかということであるが、
その心配はなく確かに抗ガン剤や放射線を使つた治療で
は10%も残ると再び増殖するが、40〜43℃の高温ダメー
ジを受けたガン細胞はたとえ10%残つても再び増殖する
ことがないというのが現在の医学界の通説である。正常
細胞が熱によつて死ぬ温度は大体43℃とみられており、
ガン細胞が死滅し、増殖能力を失うのは高くても43℃で
あるので熱によつてガンを治療する方法としてはこれ程
好都合なことはない。しかしながら、この熱による治療
方法の最大の欠点は、40〜43℃という高熱下に1週間も
置かねばならないことであり、このことは生命に極めて
危険である。
その他ガンに対する治療方法も新技術が開発され、特に
最近では一部上記したもののほか、放射線の医学への利
用も急速に進歩しコバルト、高速中性子、パイ中間子等
をガンの病巣へ照射することにより、他の正常な細胞組
織を破壊することも多少あるが、ガンに侵された細胞の
組織を効果的に破壊する方法が開発され実用化されてい
る。また免疫療法として、体内にガンに対抗する力を増
強させて、ガン細胞を次第に縮少させて消滅させる治療
法が開発され、その抗ガン剤としてクレスチン等が開発
されている。
しかしこれらの方法は、これらの放射線を多量に人間の
身体に照射させるため人体の健全な部位に有害となるの
で、その治療方法にも限界があるばかりか、免疫療法に
ついても末期症状のガンに対しては全く手の打ちようが
ないのが現状である。
また、手術による方法でガンに侵された部位の切除がな
されるが、その他の部分での多くの潜在ガン病巣、転移
ガン病巣を完全に切除することは不可能に近く、数年後
に転移し再発する危険があつた。
最近では日、米、欧州の製薬メーカー、化学メーカー等
が中心になり抗ガン剤の本命としてインターフエロン、
インターロイキン(ガン細胞を攻撃するT細胞を増殖さ
せる機能を持つ分子量15,000のタンパク質)、TNF(ガ
ン壊死因子)その他が開発され、臨床試験が一部開始さ
れている。インタフエロンは、α型及びβ型については
発ガン性の問題があり、インターロイキン2、TNTにつ
いては、ガン細胞へのたつた1回の攻撃がミサイル的に
なされるにすぎず、決定的ガン細胞死滅方法と云えない
ばかりか、一般の抗ガン剤にいえることであるが同様に
副作用が強く、多量に長期間使用することが出来ないと
いう欠点があつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、これら多くの従来の技術の欠点を改善す
べく鋭意検討を重ね、特に高周波加熱による腫瘍治療の
改良について研究を行なつた。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、高周波加熱により発熱、昇温する炭素または
これと磁性体とを結合させたモノクローナル抗体を使用
することにより高周波加熱による腫瘍治療の効果が著し
く改善されることを見出し、かかる知見に基づいて本発
明を達成した。
すなわち本発明の第1の発明は、高周波加熱により発
熱、昇温する炭素を結合させたモノクローナル抗体から
成る腫瘍治療剤である。
そして第2の発明は、高周波加熱により発熱昇温する炭
素及び磁性体を結合させたモノクローナル抗体から成る
腫瘍治療剤である。
ここで結合とは、包含、吸着、コーチング、化学結合な
どによりモノクローナル抗体に結び付いた状態をいう。
本発明においては、上記モノクローナル抗体にさらに抗
ガン剤を結合させることにより効果を増強させることが
できる。
また本発明で使用される炭素は、直径又は辺の長さ10〜
0.01μ、好ましくは3〜0.01μの扁平状、うろこ状、粒
状、粉末状、塊状及び球状のものなどが用いられる。
さらに本発明の炭素としては、グラフアイト、無定形炭
素、ダイヤモンド及びポリアセン、ポリアセナセン、ポ
リナフタレン又はポリアセチレンの焼成品(一次元グラ
フアイト構造をしたもの)などが使用される。
一方本発明の磁性体としては、ネオジウム・鉄・ボロン
系合金磁石、サマリウム・コバルト系合金磁石、フエラ
イト系磁石、希土類・コバルト系合金磁石・鉄粉、セン
ダスト・アルニコ、酸化クロム、酸化マンガン、パーマ
ロイ磁石及び鉄・クロム・コバルト系合金磁石などが用
いられる。また、その他Ca・F2O3・Fe3O4、ストロンチ
ウムフエライト、バリウムフエライト(BaO・6Fe
2O3)、γ−Fe2O3、Co・γ−Fe2O3、マンガン・亜鉛フ
エライト、銅・亜鉛フエライト等も使用可能である。
本発明に使用されたモノクローナル抗体の製造技術は、
公知の技術、例えば米国特許4172124号、米国特許44276
53号、前記した九州大学農学部食糧化学工学研究所の村
上浩紀助教授等が開発した技術及びヒトの正常なリンパ
球に、FBウイルスと呼ばれる細胞をガン化させるウイル
スを感染させると、リンパ球は抗体を生産する能力を失
わずに増殖能力を持つようになる。FBウイルスは感染力
が強く人体から取り出したリンパ球は20〜30%という高
い確率で増殖能力を身につける。そのリンパ球の中から
目的の抗体を作るものを選び出し培養増殖してヒトのモ
ノクローナル抗体を増産するという日本医学部の小野魁
教授の開発した技術、その他公知技術などにより製造さ
れたモノクローナル抗体を使用すればよい。モノクロー
ナル抗体は、各種ガン細胞に対応して各種のモノクロー
ナル抗体が作られるが、これも上記の公知技術で製造さ
れた各種モノクローナル抗体を使用すればよい。
本発明で使用される炭素については前に例示したが、無
定形炭素としては石炭類、コークス、木炭、獣炭(骨
炭)、煤、ガスカーボン(微粒子カーボンブラツクも含
む)、活性炭等が使用される。グラフアイトは炭素の同
素体の1つで、石墨、黒鉛ともいい天然に産するものは
六方晶系の六角板状扁平な結晶で、六炭素環が連なつて
作る層状構造を有するが、その形状はうろこ状、粒状、
塊状を示すが、このような天然産に限らず、工業的に無
煙炭、ピツチ等をアーク炉で高温加熱して製造したもの
でもよい。
また本発明では、炭素だけでなく炭素質材料として最近
新技術開発事業団が開発した導電性高分子化合物とグラ
フアイトとの中間的構造を持つグラフアイト構造の「1
次元グラフアイト」、すなわち高分子材がポリアセン、
ポリアセナセン、ポリナフタレンといつた亀の甲が直線
的に並んでいるもので、大きさが0.2〜1μ、長さ1μ
〜3cmで導電率はニクロム線並み(1100ジーメンス)で
あるが焼成していき、焼成温を高めて水素分をはじき飛
ばすとさらに10倍(1万ジーメンス)となる「一次元グ
ラフアイト構造」をしたポリナフタリンまたはポリアセ
チレン等でもよい。この一次元グラフアイト構造ポリナ
フタレンは亀の甲5個を持つたペリレンテトラカルボン
酸2無水物を先づペレツト状に加工し、電気炉に入れ不
活性ガス中で加熱気化させ、さらに気相中で再結合反応
させペレツト温度が250℃以上になるとペレツトから黒
いヒゲ状の結晶がのび始めて作られるものである。この
ビゲ状結晶が「1次元グラフアイト構造」をしたもので
ある。
本発明治療剤の使用に当り、高周波加熱装置の使用周波
数は高周波の加熱方法例えば誘電加熱、誘導加熱方法、
または高周波加熱装置の電極体の配置、数、形状、電極
体の配置方向弁により変るが、ガン細胞の温度を同細胞
の死滅温度40〜43℃又はそ以上に出来るような周波数を
使用すればよいのであつて、使用周波数は特に限定され
ない。目安として1Hz〜30MHzの周波数、好ましくは50Hz
〜30MHzを使用することが出来る。また高周波の当て方
については、特に限定されず、特公昭59−2501に示すよ
うな方法、例えば第3図(1),(2),(3)また第
1図(1),(2),(3)の如く多数のアプリケータ
ーを患部の周辺に配置する方法、コイルの内部に患部を
置きコイルに高周波電流を通し、コイル内に置いた患部
を加熱する方法、電磁誘導で生ずる過電流により加熱す
る方法、特公昭58−30063の方法、すなわち患部の加温
温度を設定して、患部温度表示回路で表示される検出温
度が設定以上となつたとき、高周波エネルギーの出力を
中心化させる制御回路を操作する温度設定回路を備えた
高周波加温治療装置の技術、その他、実開昭58−6125
8、実開昭59−30247、実開昭58−98936、実開昭56−848
50、実開昭57−173712、実開昭58−54850等の公知の技
術を使用することが出来る。
本発明の主要構成の要点について述べると、高周波加
熱により発熱、昇温する炭素を結合したモノクローナル
抗体から成る腫瘍治療剤、上記のモノクローナル抗
体にさらに抗ガン剤を結合させて腫瘍治療剤、高周波
加熱により発熱、昇温する炭素と一緒に磁性体を結合し
たモノクローナル抗体抗体から成る腫瘍治療剤、上記
のモノクローナル抗体にさらに抗ガン剤を結合した腫
瘍治療剤から成る。
次に上記〜の各々についてガン細胞へのミサイル攻
撃について詳述する。
先ずの場合、ガン患者の体内へ注射器、その他公知の
方法等で炭素を結合したモノクローナル抗体から成る腫
瘍治療剤を入れる。その後上記治療剤が全身にまた患部
に行きわたつた時間を見計らつて、患者の身体表面全体
に頭部から足の先まで高周波加熱装置に高周波電流を流
して高周波加熱し、炭素を加熱する。この場合モノクロ
ーナル抗体は、ガン細胞のみに向つて行き、ガン細胞だ
けに特異的に結び付く。そこでこのモノクローナル抗体
に結合した炭素は前記した高周波加熱によりそれ自身発
熱、昇温し、炭素を結合したモノクローナル抗体の温度
も40〜43℃またはそれ以上にし、さらにモノクローナル
抗体に特異的に結びついたガン細胞の温度も次第にモノ
クローナル抗体の40〜43℃またはそれ以上の熱がモノク
ローナル抗体に結合したガン細胞へ熱伝導し、ガン細胞
の温度を40〜43℃程度にすることが出来、ガン細胞温度
を死滅させることが出来るのである。しかも炭素を結合
したモノクローナル抗体は特異的にガン細胞に結び付く
のでガン病巣の部位(臓器)のみでなく、転移したまた
リンパ腺で他部へ転移したガン細胞をどこまで追い掛
け、ガン細胞の全てに結び付くと共に高周波加熱により
ガン細胞の温度を40〜43℃に加熱し死滅させる。しかも
本発明は高周波加熱により炭素の温度、従つてモノクロ
ーナル抗体の温度、ガン細胞の温度を自由に制御出来、
しかもガン細胞の周囲の正常細胞を死滅、破壊させない
温度を守りながらこれを自由に温度制御出来る。しかも
体内における炭素が高周波加熱により発熱、昇温するた
め、高周波加熱装置の出口付近の温度は、前記したとお
り、高周波加熱装置への通電による加熱温度で加熱され
た炭素自身が反熱、昇温し、前記加熱温度と同等または
それ以上の温度に炭素が昇温するので、炭素の所用温度
の40〜43℃またはそれ以上の温度よりさらに低温でよい
ため、患者の身体表面全体に長時間掛けられるばかり
か、ガン細胞の温度を40〜43℃にする一方ではガン患者
の身体表面全体を上記の如く従来技術よりはるかに低温
に出来ると共に、ガン細胞の温度を40〜43℃の高温領域
へ置く時間を長くしても正常細胞の死滅しない最高温度
43℃以下に保持出来る。
しかも40〜43℃の高温に昇温、加熱されるのは炭素と結
合したモノクローナル抗体とこれに特異的に結び付いた
ガン細胞のみであり、正常な細胞、他の健全な臓器部位
はこのような高温、すなわち40〜43℃以上にさらされ
ず、これらが熱により破壊されることはない。
本発明は上記したとおり、この40〜43℃にガン細胞のみ
を加熱するが、この高周波加熱が患者の全身にわたり、
また必要によりガン病巣部位のみを集中して加熱して何
回でも加熱治療をすること出来る。しかも40〜43℃また
はそれ以上高温に、炭素を結合したモノクローナル抗体
と特異的に結合したガン細胞のみを人間の体外に配置し
た高周波加熱装置の通電量制御により、自由に容易に発
熱昇温して加熱出来、本発明の種々の組合せも自由に出
来るので、ガン細胞へミサイル攻撃を何回でも徹底的に
実施出来るからガン細胞を決定的に死滅させることが可
能である。
しかもこのの治療剤は、抗ガン剤を使用していないの
で副作用も殆んどなく、ガン細胞が患者の身体の全身ど
んなところに分散していても、人間の体外に配置された
高周波加熱装置により体表面を自由に動かして低温で加
熱出来、モノクローナル抗体は体内のあらゆる部位に分
散している全てのガン細胞のみに特異的に結合するの
で、徹底的にすみずみのガン細胞までミサイル攻撃出来
が可能で死滅させることが出来る。炭素は人体内では人
体との親和性がよく、全く無害であることは一般に知ら
れている。そしての治療剤の使用に当つては、高周波
加熱装置へ電流を流し、高周波加熱により炭素を発熱、
昇温させているのである。
さらにモノクローナル抗体に結合した炭素の粒径の大
小、粒径の分布により任意のモノクローナル抗体に結び
付いた各ガン細胞の温度の高低及び分布を設定すること
が出来、ガン細胞の種類、ガン細胞の強さの大小により
ミサイル攻撃の回数及び強弱等の程度を自由に設定可能
で、健全な他の細胞を破壊、損傷させることなくガン細
胞のみを徹底的に有効に攻撃し、死滅させることが出来
る。
このの治療剤の使用方法については、上述したとおり
人間の対外に配置された高周波加熱装置を自由に人体
表面の全面にわたり動かし、高周波加熱装置に電流を流
し、該電加熱、誘導加熱により、体内へ注射器等により
血管筋肉等から注入し又は経口投与により体内へ入れた
前記の本発明の腫瘍治療中のモノクローナル抗体に結
合した炭素を40〜43℃またはそれ以上に加熱し、ミサイ
ル攻撃によりガン細胞を死滅させる方法について記載し
たが、の治療剤の使用方法としては、その他例えば
神経芽細胞腫の患者の骨髄細胞等のガン化した病巣部位
のみからガン化した細胞を含んだ血液を注射器カテーテ
ル等で取り出し、これにガン細胞だけに特異的に結び付
く本発明の前記の炭素を結合したモノクローナル抗体
から成る腫瘍治療剤と混合する。
この混合体を体外において高周波加熱装置により誘電加
熱、誘導加熱し、前記モノクローナル抗体と結合した炭
素を40〜43℃またはそれ以上に発熱、昇温させ発熱、昇
温した炭素と結合したモノクローナル抗体と結び付いた
ガン細胞のみを温度40〜43℃に加熱し死滅させる。
高周波加熱装置の通電による誘電加熱、誘導加熱時間は
40〜43℃の場合、7日間が必要であるが、40〜43℃以
上、例として炭素の温度を60〜70℃程度またはそれ以上
にする場合は大巾に加熱時間を短縮させ、極めて短時間
でガン細胞を死滅させるように自由に設計出来る。本発
明では前記の如く炭素の温度を60〜70℃またはそれ以上
としても炭素が結合したモノクローナル抗体がガン細胞
のみに特異的に結合するため、他の健全な正確細胞には
このように高温な炭素と結合したモノクローナル抗体は
結合していないので殆んど高温の熱の影響を受けない反
面、ガン細胞のみが上述のとおり60〜70℃に高温加熱さ
れるので、高周波加熱装置の加熱時間は7日間より大巾
に短縮することが出来、患者の苦痛が殆んど生じないか
ら、何回もミサイル攻撃が可能となつた。
上記のようにしてガン細胞を死滅させた後の骨髄細胞
は、公知の方法により液体窒素の中で凍結保存し数日後
に体内い戻す方法や、カテーテル等により血液を体外
へ一度取り出し、再び体内へ戻す循環回路を作り、体外
のこの循環回路を途中の一定場所において高周波加熱装
置を配置し、電流を流して誘導加熱、誘電加熱により、
ガン細胞のみを特異的に結び付けた炭素を結合したモノ
クローナル抗体から成る前記の腫瘍治療剤の炭素を40
〜43℃又はそれ以上に、従つてモノクローナル抗体も発
熱、昇温した炭素の発生熱、昇温熱からの熱伝導により
40〜43℃又はそれ以上に加熱され、それに伴いガン細胞
もさらに熱伝導により40〜43℃に加熱され、ガン細胞が
死滅する方法等〜のいづれでもよい。
次に本発明の構成について述べると、前記した高周波
加熱により発熱、昇温する炭素と同時にさらに抗ガン剤
を結合したモノクローナル抗体から成る該腫瘍治療剤で
ある。
このの腫瘍治療剤は、前記したの腫瘍治療剤に抗ガ
ン剤を結合したモノクローナル抗体から成る腫瘍治療剤
であり、高周波加熱装置に通電し、誘導加熱誘電加熱に
より発熱、昇温する炭素と抗ガン剤とを一緒に結合した
モノクローナル抗体から成る該腫瘍治療剤である。
上記したの該腫瘍治療剤を人体内へ注射器、カテーテ
ル等により血管、筋肉等から、また経口投与により入れ
ると、ガン細胞の集中しているガン病巣部位のガン細胞
のみ又はその他の体内全体(血管、リンパ管、臓器その
他を含む。)に分散し転位しているガン細胞のみに対
し、本発明の前記したの腫瘍治療剤のモノクローナル
抗体が狙い打ちし(他の健全な正常細胞には何の悪影響
も与えず)、追い掛け特異的に結びつき、高周波加熱装
置への通電により発生する誘導加熱、誘電加熱によりガ
ン細胞を40〜43℃に加熱し死滅させる。死滅をまぬがれ
たとしても、40〜43℃の高温にさらされ活性力を失つた
ガンに対しの腫瘍治療剤中の抗ガン剤は本発明では極
めて微量で有効であるが、この抗ガン剤が追い打ちをか
けるようにガン病巣部位の活性力を失ない弱体化したガ
ン細胞又はその他体内全体に分散し転移している弱体化
したガン細胞のみをミサイル攻撃し、これらのガン細胞
を決定的に死滅させる。この高周波加熱の加熱回数は1
回又はそれ以上何回でも可能である。また前記したの
腫瘍治療剤の場合、最初抗ガン剤がガン細胞のみをミサ
イル攻撃した後、高周波加熱を1回又はそれ以上何回で
も誘電加熱、誘導加熱による高周波加熱を行なうことに
より、多段階のミサイル重爆攻撃をガン細胞のみにかけ
徹底的に完全に死滅させる。
前記したの場合、抗ガン剤の作用と高周波加熱の順序
を前後どちらにしてもよい。この高周波加熱と抗ガン剤
の併用は、上述したとおり極めて効果的にガンを決定的
に死滅させるが、高周波加熱で炭素を40〜43℃又はそれ
以上に加熱し発熱、昇温させガン細胞を死滅又は弱体化
させ、さらに使用する抗ガン剤は補助的に使用すること
であり、この場合は活性力は失つたガン細胞を死滅させ
るので、抗ガン剤の使用量は極めて微量であるため抗ガ
ン剤の副作用は極めて少なくてすむ。
しかし、ガン末期の場合は、患者の生命を救うためには
誘電加熱、誘導加熱による高周波加熱により発熱、昇温
する炭素の温度を40〜43℃より高い温度60〜70℃にし、
炭素を係合したモノクローナル抗体の温度さらにはガン
細胞の温度を同じく60〜70℃にして死滅させ、さらに併
用する抗ガン剤の量を多く使用してガン細胞のみを徹底
的に死滅させる。上記の場合ガン細胞のみの温度を60〜
70℃としたとき、このガン細胞の近隣の正常細胞の一部
が損傷を受けてもガン細胞のみに隣接する正常細胞の割
合は少ないためこれの後日の復活に期待して多少の正常
細胞を犠牲にし、さらに抗ガン剤を多量に使用して患者
の生命を救う方法も採用される。
次に本発明の構成の腫瘍治療剤について述べる。これ
は高周波加熱の誘電加熱、誘導加熱により発熱、昇温す
る炭素と一緒に磁性体をモノクローナル抗体に結合させ
た腫瘍治療剤である。の腫瘍治療剤を使つてガン細胞
のみを死滅させる技術は、上述した及びの腫瘍治療
剤の他モノクローナル抗体に磁性体を結合したものでガ
ンの病巣部位、ガン細胞の転移部位及びガン細胞の分散
していると考えられる部位の上位に対応する該当人体表
面の位置に磁性体(永久磁石、電磁石、その他)を配電
し、これらガン細胞の存在する部位に、本発明の磁性体
と一緒に炭素を結合したモノクローナル抗体から成る腫
瘍治療剤を集中させることが出来、さらに高周波加熱に
よる炭素の発熱、昇温によるガン細胞の温度を40〜43℃
程度の高温にし、ガン細胞のみを死滅させるものであ
る。
その後ガン細胞のみを上述したとおりミサイル攻撃及び
各段階にわたる重爆攻撃により徹底的に死滅させ、そし
て磁性体を結合したモノクローナル抗体は死んだガン細
胞を結び付けたままの状態で人体の体表面外に配置され
た磁石を一定の適当な位置へ移動させることによりガン
細胞を結びつけたモノクローナル抗体を体外へ導くこと
が出来る。このように体外へ導かれた抗体を含む血液を
磁石の玉が詰つたパイプの中を通過させる。
死んだガン細胞を結合した抗体には小さな磁性体が結合
しているので、この抗体を含む血液及び体液が上記磁石
の詰つたパイプの中を通過すると死滅したガン細胞の結
合した、しかも炭素と磁性体を結合したモノクローナル
抗体のみが磁石に吸い付き、正常な健全な細胞と分離出
来る。
またこの磁石の位置において、必要により高周波加熱の
誘導加熱及び/又は誘電加熱によりモノクローナル抗体
に結合した炭素を発熱、昇温させガン細胞の温度を40〜
43℃に加熱しガン細胞の死滅を徹底させる。
このようにして分離された正常な細胞は直ちに或いは液
体窒素の中て凍結保存し、数日後に体内へ戻すことが出
来、ガン患者の健康が回復する。また同時に上記の技術
によりモノクローナル抗体に結合した炭素及び磁性体も
同時に全て回収出来るので非常に副作用の少ない技術で
ある。
このような高周波加熱による誘導加熱及び誘電加熱によ
る炭素の発熱、昇温は、上記したとおり何回でも繰り返
し実施出来るので、ガン再発防止と共にガン患者の極め
て効果的な延命が図れ、ガン治療技術としてガン細胞の
徹底死滅化技術として極めてすぐれている。なお、本発
明の構成及びの腫瘍治療剤については本発明の構成
で述べた〜の技術が同様に適用される。
この場合体内では、上記方法で高周波加熱による炭素の
発熱、昇温によりガン細胞の殆んどを死滅させるが、そ
れでも極く一部行き残つたガン細胞は前記のとおり血液
と共に磁石で体外に導かれ、ここで血液、体液の循環回
路を形成し再び体内へ血液、体液を戻す方法を採用して
も、この体外での循環回路の途中での高周波加熱は体表
面と異なり、誘電加熱及び誘電加熱による高周波加熱の
温度を大巾に上昇させ40〜43℃以上の高温に上昇させて
ガン細胞を完全に死滅させることが出来る。
さらに本発明の構成の該腫治療剤について述べれば、
上記したモノクローナル抗体にさらに抗ガン剤を結合さ
せたものである。これは(炭素+磁性体+抗ガン剤)を
結合したモノクローナル抗体から成る腫瘍治療剤であ
る。
本発明のの腫瘍治療剤はの治療剤と同様に〜の
技術が適用されるが、高周波加熱装置による炭素の加熱
の順序はガン細胞のみに特異的にモノクローナル抗体が
結びつき、そのモノクローナル抗体に炭素と磁性体と共
に結合している抗ガン剤が先ずガン細胞を攻撃し死滅又
は弱体化させて後に、高周波加熱処理により炭素を発
熱、昇温させモノクローナル抗体の温度を40〜43℃又は
それ以上に昇温させ、それに伴つてモノクローナル抗体
と結び付いているガン細胞の温度を40〜43℃にしガン細
胞を徹底的に死滅させ、この死滅したガン細胞を結合し
た炭素と磁性体を共に結び付けているモノクローナル抗
体を、患者の体表面から磁石を使用して体内の特定場所
へ集中誘導させ、さらにそこから体外へこれらを導き出
し、再び体内へ戻す循環回路を形成し、体外における前
記循環回路の途中に高周波加熱装置を設置し電流を流し
誘導加熱、導電加熱により強力に加熱し、ガン細胞を徹
底的に死滅させる技術でもよく、これらの抗ガン剤の薬
効発揮時期と炭素の高周波加熱時期や、これらの順序を
適宜変えてもよい。上記の場合使用する抗ガン剤の量は
極めて少量でよく、高周波加熱の程度によりその併用作
用により抗ガン剤使用量は極く微量であるばかりか、抗
ガン剤はガン細胞のみに結合し作用するので、他の正常
細胞を殆んど損傷させず抗ガン剤の副作用も極めて少
い。
次に本発明について高周波加熱により発熱、昇温する
炭素単独、炭素+磁性体、炭素+抗ガン剤、炭素
+磁性体+抗ガン剤の、、、の少くとも一種と
モノクローナル抗体とを結合する技術について述べる
が、この技術については何も特別な技術である必要はな
く、公知のいかなる技術を使用してもよい。ここにその
若干例について説明、例示するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
一例として英国医学雑誌「ランセツト」に記載の「英帝
国ガン研究基金」のジヨン・ケムシート博士らの研究グ
ループの利用した方法を採用してもよい。ジヨン・ケム
シート博士らのグループの利用した方法とはDr.J.Ugels
tadが開発した方法〔The Lancet,Janualy 14,1984で引
用したNature誌1983,303 96〜98,このNature誌で引用し
たMakromolec.Chem.180,737〜744(1979),Collei
d Interface Sci.13,101〜140(1980),Emulsion Po
lymerization(ed,Pirma,1)383〜413(Academic,New Y
ork1983),Immunol,Meth.52,34)等による方法〕す
なわち磁性体をスチレンとジビニルベンゼンの共重合に
よつて得られる共重合体(以下「スチレン系重合体」と
略記する。)に含ませる技術を利用することが出来る。
すなわち本発明では、上記Dr.J.Ugelstadの開発した方
法における磁性体の代わりに先ず炭素をスチレンとジビ
ニルベンゼンの共重合体によつてスチレン共重合体に含
ませる技術が採用される。本発明では炭素の混入量及び
割合は任意に決められ限定されない。
Dr.J.Ugelstadが開発した高度の単分散粒子の製造技術
(1〜100μmの径で同じサイズから成る粒子製造技
術)についてはNature vol.303,5.May 1983,p.95等に記
載されており、同誌の中では3μmの多孔磁性体が使用
され、この磁性体はヤギの抗ねずみ免疫グロブリンでコ
ーチングされたものであり、また磁性体の混入割合につ
いて重合体に対して35%のものについても記載している
が、本発明では炭素の混入割合は特に限定されず、任意
に生計出来る。炭素をスチレンとジビニルベンゼンの共
重合体によつてスチレン系重合体に結合させる方法につ
いては、公知の方法、すなわち上記Nature誌に記載の
従来技術であるクロマトグラフ用のイオン交換マクロポ
ーラス重合粒子の製造技術、これは不活性液体の存在下
でスチレンとジビニールベンゼンを懸濁重合させ、次に
この混合物を油溶性反応開始剤と共に、小滴を安定化さ
せるための分散剤の存在下、機械的手段によつて水中に
分散させ、さらに加熱により重合反応をさせる技術を使
用し、この技術における工程の途中に例えば不活性液体
の中に油溶性反応開始剤または/および分散剤と一緒に
炭素を混合し、炭素を結合させた多孔の重合体粒子を製
造してもよく、また上記ネイチヤー(Nature)誌に記載
の、最近ユーゲルシユタツト(Ugelstad)が開発した高
度単一分散システム法による同一直径の単一分散粒子か
ら成り1〜100μmの範囲の多孔重合(親水性をもつ)
粒子の製造が可能な技術において磁性体の代わりに炭素
を混入させてもよい〔マクロモレク・ケム(Makromol
ec.Chem.)180,737〜744(1979)、コロイドインター
フエース ソシ.(Colleidinterface Sci.)13.101〜1
40(1980)、エマルジヨン ポリメリゼーシヨン(エ
ド.パーマ.アイ.)383〜413(アカデミツク,ニユー
ヨーク 1982)〔Emulsion Polymerization(ed,Pirma.
I.)383〜413(Academic,New York 1982)〕、イミユ
ノール.メス(Immunol,Meth.)52,341参照〕。
次に本発明の炭素を含ませた単一分散の直径を有するス
チレン系重合体粒子をモノクローナル抗体に結合させる
技術について述べる。この技術についてはザランセツ
ト,1984年1月14日,970(The Lancet,January 14,1984,
970)に記載される技術の中で磁性体の代わりに前記し
たような方法で炭素を結合させた単一分散スチレン系重
合体微小粒子の製造技術、すなわちザ ランセツト(Th
e Lancet)誌記載のドクター ゼイ.ユーゲルシユタツ
ト(Dr.J.Ugelstad)が開発した方法による単一分散性
のスチレン系重合体微小球体を利用してこの球体に磁性
体の代わりに炭素を結合させた前記スチレン系重合体微
小粒子にモノクローナル抗体を結合させる技術を利用す
ればよい。この技術については、ザ ランセツト1984年
1月14日,970(The Lancet January 14,1984,970)に記
載の微球体の製造法:磁性体を19.4%含有する単一分散
性の直径3μのスチレン系重合体微小球体はスチレンと
ジビニルベンゼンの重合〔ドクター ゼイ.ユーゲルシ
ユタツト(Dr.J.Ugelstad)による方法〕により作ら
れ、親水性が付与されている。この球体(ビーズ)を走
査電子顕微鏡で見ると大きさは一定で表面にくぼみがあ
る。このことはこの微小体に大きな表面積を与え計算す
る大体150m2/gになる。
モノクローナル抗体は、特定条件下ではビーズ表面に吸
収される。
次にビーズ(100mg)が4℃でMSE100W型超音波(波長12
μm)分解能にて10秒間処理される。ビーズはアルコー
ルで洗われて殺菌され、0.1Mリン酸(モノクローナル抗
体1mg/mlにおいて10mgビーズ使用)緩衝含塩物中で、pH
=7.7、18時間、4℃にて羊の抗ねずみIg(モノクロー
ナル抗体)と混合吸収される。ビーズは使用する前に、
洗われ吸収がないものとなつた。そしてラベル氏の研究
によると、ビーズ100mgが大体700μgの抗ねずみIgを吸
収することが明らかになつた。」という技術を利用すれ
ばよい。
炭素を結合したビーズ結び付いたモノクローナル抗体を
作るに当つて、使用したビース用樹脂としてスチレン系
重合体を例にして説明したが、生体への安全性が確認出
来れば熱可塑性樹脂としてポリアミド系、熱硬化性樹脂
としてエポキシ、不飽和ポリエステルの使用可能性もあ
るが、十分安全性の検討が必要である。一方生体適合性
もよく、安全性の点で問題も少いビニールポリマーを使
用してもよい。
以上炭素をスチレン系重合体を介してモノクローナル抗
体に結合させる技術について説明したが、また別の方法
として炭素をモノクローナル抗体に結合させる技術とし
て、一般に公知となつている吸着技術の利用によりモノ
クローナル抗体に炭素を吸着させる方法も採用出来る。
なおスチレンとジビニルベンゼンの重合技術は前述した
ドクター ゼイ.ユーゲルシユタツト(Dr.J.Ugelsta
d)の方法以外に特公開昭54−24994(特公昭57−5984
7)、特公昭45−40297、ジヤーナル オブ ポリマー
サイエンス パート4,第2巻第2号、1964年2月(Jour
nal of Polymer Science Part4,Vol 2,No.2 February 1
964,マクロモル.ケミ.(Makromol.Chem.)88 75(196
5)の方法を採用してもよい。
本発明において炭素の他さらに磁性体をモノクローナル
抗体に結合させる技術は、上記The Lancet誌の技術から
応用された本発明の炭素をビーズ中に混入する技術の場
合において炭素と一緒に磁性体を混入させればよい。
さらにこれら炭素と磁性体の他さらに抗ガン剤をモノク
ローナル抗体に結合させる技術は、すでに公知となつて
いるモノクローナル抗体に抗ガン剤を結合させたもの、
すなわち上述したとおり本発明の炭素と磁性体を一緒に
前記ビーズ中に混入させた後抗ガン剤公知技術に基づく
抗ガン剤をすでに結合したモノクローナル抗体と係合す
る方法が採用される。
また、本発明に利用される磁性体の大きさは直径又は一
辺の長さが10μ〜0.01μ、好ましくは1μ〜0.01μであ
ればよく、この大きさの範囲外では前記したビーズへの
磁性体の混入が難しくなる他、ガン細胞と結び付いた磁
性体および炭素を結合したモノクローナル抗体を本発明
の治療後に正常細胞から磁石により完全に分離すること
が困難になる。
本発明の基本骨子は、高周波加熱により発熱、昇温する
炭素を結合したモノクローナル抗体であつて、これにさ
らに磁性体及び抗ガン剤の内少くと一種を結合させたモ
ノクローナル抗体から成る腫瘍治療剤であり、モノクロ
ーナル抗体に最初に最も先に結合させるのが炭素であつ
て、次に磁性体及び抗ガン剤の内少くとも一種が結合し
たモノクローナル抗体から成る腫瘍治療剤であるという
ことである。このことによりガン治療法において従来と
全く異なるユニークな効果が極めて高い技術となつたの
である。
本発明の大きな特色は高周波加熱により昇温、発熱され
40〜43℃又それ以上の温度(ここで「それ以上」という
意味は、炭素の熱がモノクローナル抗体に伝導され、さ
らに最終的にガン細胞の死滅温度を40〜43℃にするため
の熱伝達効率を勘案しての40〜43℃より高い必要温度を
含めての意味である。)とした炭素からの熱によりガン
細胞のみを40〜43℃に加熱し、しかも長時間の加熱(3
日〜7日間又はそれ以上)し、ガン細胞を死滅させるこ
とが出来る。
この40〜43℃の熱はガン細胞にダメージを与えることが
目的であるので、仮に1度この高温の加熱処理によるダ
メージを受けた細胞は運よくさらに生き延び、逃れたと
しても(本発明ではこのようなことは殆んどあり得ない
が、仮にあつたとしても本発明では何回も高温加熱処理
が容易に出来るのでガン細胞は殆んど死滅する。)一度
40〜43℃の熱を受けたガン細胞は増殖能力を全く失うの
でガンの再発は殆んど起らない。
本発明の構成の主要点〜の腫瘍治療剤は、前述した
とおり炭素を結合した又は炭素の他さらに、磁性体、抗
ガン剤の内少くとも1種を結合したモノクローナル抗体
(この抗体は既によく知られているように各抗原に対し
て各抗体が出来ることから、多くの各種のガン細胞に対
し多くの各種の抗体が存在し、これらは上記したとおり
遺伝子工学の方法により製造出来ると共に既に現在内・
外国で各種のモノクローナル抗体が量産化されているの
で、それを使用してもよい。)が、特異的にガン細胞の
みに確実に結びつくので、ガン病巣部位のみならず血
管、リンパ管内のガン細胞、転移ガン細胞も追い掛けミ
サイル攻撃し、しかも多段階、多回数の重爆攻撃が可能
でより一層有効にしかも徹底的にガン細胞を死滅させる
ことが出来ると共に、ガン化していない健全な細胞を全
く損傷させることがないのである。
本発明において結合した磁性体は直径が10μ〜0.01μ、
好ましくは3μ〜0.01μであればよい。また磁性体の形
状、粒径分布については特に限定されない。
一般に正常細胞が熱によつて死ぬ温度は大体43℃といわ
れているが、正常細胞が43℃となつたときガン細胞のみ
はそれより2〜2.5℃程高い温度45〜45.5℃になつてい
るというのが医学界での通説である。一方ガン細胞が死
滅し、増殖能力を失なうのは高くても41.5℃といわれて
いるが、本発明の炭素又は炭素の他、磁性体、抗ガン剤
の内少くとも1種を結合したモノクローナル抗体は、ガ
ン細胞のみに結びつき正常細胞には結びつかぬので、誘
導加熱、誘電加熱による高周波加熱で発熱、昇温(40〜
43℃又はそれ以上)された炭素からの熱伝導により40〜
43℃(又はそれ以上)に加熱された高温のモノクローナ
ル抗体によつて、正常細胞は加熱されずガン細胞のみが
40〜43℃に長時間(3日〜7日間又はそれ以上がガン細
胞の死滅化に必要といわれている。)加熱され、その加
熱も完全に何回も出来るのでガン細胞を殆んど死滅させ
ることが出来る。
次に本発明のモノクローナル抗体に炭素を結合させる技
術について述べるが、この技術は以下に述べる公知の技
術として例えば前述したUgelstad等の開発による方法
(Makromolec.Chem.180,737〜744(1979)を利用し、2
段階膨張方式の共重合による親水性の単分散性のスチレ
ン・ジビニルベンゼン共重合粒子製造技術又はその他の
スチレン・ジビニルベンゼン共重合技術の途中の工程に
おいて炭素を同時に混入すればよく、その炭素混入方法
を以下に記す。
(a)Dr.Ugelstadの開発した2段階式膨張による親性
単分散スチレン・ジビニルベンゼン共重合粒子製造技術
を利用する炭素混入方法 スチレンモノマーは直前に減圧下窒素雰囲気下で蒸留さ
れ、ナトリウムドデシル硫酸塩(SDS)はジエチルエー
テルによる抽出で浄化され、その後エタノールから再結
晶され1−クロルドデカン、クロルベンゼン、過酸化ベ
ンゾイル、アセトン、1,2−ジクロルエタン等が再結晶
化のために使用される。
均一径粒子のポリスチレン(PS)ラテツクスは乳化剤の
ない乳化重合によつて80℃でナトリウム過硫酸塩を反応
開始剤として調製する。PSラテツクスは水1dm3に対し92
gのPSを含んでいる。
1−クロルドデカンの乳液(エマルジヨンA1)及び、1
−クロルドデカンとBPO(過酸化ベンゾイル)との乳液
(エマルジヨンA2)の調合は高圧ホモジナイザーによつ
て行なわれる(Mantongaulin S.A.)。200cm31−クロル
ドデカンは2.5gのSDS(ナトリウムドデシル硫酸塩)を
含む水1000cm3と混合される。この混合物は全体で280Kg
/cm2の圧力で5回にわけて均質化される。
BPOは1−クロルドデカンエマルジヨン(A2)中での溶
解度が低いために、A2は先ずSDSに水と1−クロルドデ
カンを加える前に(50cm31,2−ジクロルエタン中は10gB
PO)、1,2−ジクロルエタンでBPOを溶解し、上述した方
法で均質化される。水1000cm3当りの1−クロルドデカ
ンとBPOの量はそれぞれ175gである。
さらに加えるに、エマルジヨン(A2)の小滴には合計で
125cm3の1,2−ジクロルエタンが含まれる。種粒子(ポ
リスチレン)を水不溶性物質で膨張させる方法は35℃で
の通常のかくはんにより種ラテツクス(ポリスチレンラ
テツクス)とエマルジヨンA1又はA2との混合によりなさ
れる。
次にアセトンが添加されて液相化により、水に不溶性物
質の輸送を容易にする。膨張工程は充填やサンプリング
を容易にし、そしてかきまぜ棒、還流冷却器が付いた二
重ガラス製の反応器(1000cm3)の中で行なわれた。こ
の反応器に対し種ラテツクス(ポリスチレンラテツク
ス)とエマルジヨンA1又はA2が以下の量で加えられた。
A1の場合、混合物は1−クロルドデカンをポリスチレン
に対し2:1の容積比で含み、A2の場合、ポリスチレンに
対し1−クロルドデカンとBPOの容積が2:1であるように
含んだものである。アセトンは水の10%の割合で加えら
れる。サンプルA1、A2は交互にとられ、光学顕微鏡で検
査される。大体10時間かくはんした後エマルジヨンAの
小滴が完全に消えたことが判明された。エマルジヨンは
B1と命名され、A2から得られたエマルジヨンはB2と命名
された。種粒子(ポリスチレン粒子)の膨張の完了後、
アセトンが(B2の場合はジクロルエタン)が真空蒸発に
よりとり除かれた。蒸発により除かれた水はエマルジヨ
ンに再び加えられた。
クロルベンゼンを含むエマルジヨンB1における粒子(ポ
リスチレン粒子)の膨張は上述したものと同じ反応装置
でなされた。粒子(ポリスチレン粒子)5.3cm3含むエマ
ルジヨンB1 50cm3に0.5gのSDS(ナトリウムドデシル硫
酸塩)を含んだ水220cm3が加えられる。それからさらに
クロルベンゼン530cm3が加えられ、そして混合物が30℃
で400rpmでかくはんされる。光学顕微鏡でサンプルを見
ると、粒子(ポリスチレン)が急速にクロルベンゼンを
吸収しているのがわかる。
3時間撹拌した後、サンプルが5分間10,000rpmで遠心
分離機にかけられた。形成されたクロルベンゼンの層の
観察から、クロルベンゼンは55%以下、すなわち300cm3
以下が粒子(ポリスチレン)に吸収され、これによりエ
マルジヨン55%の油が含まれることになる。このエマル
ジヨンの光学顕微鏡は水で希釈してから観察された。
引き続き重合されるスチレンを含むエマルジヨンB2の粒
子の膨張は1500cm3サーモスタツト付きのガラス製オー
トクレーブ中でなされた。エマルジヨンB2、水とSDSが
エマルジヨンB1の場合と相対的に同量加えられた。ただ
し量はB1の3倍である。
この混合物に対し、210cm3のスチレンと200gの扁平な結
晶で直径0.5ミクロンのグラフアイトを加えた。30℃2
時間後に、全てのスチレンがその粒子(スチレンを含む
エマルジヨンB2の粒子)に吸収された。サンプルは光学
顕微鏡で観察するために採取された。その後温度が60℃
に高められた。
重合が25時間続けられ、その後に最終ラテツクスの電子
顕微鏡写真を撮つた。ラテツクスは水1dm3当り240gのポ
リマーを含んでいた。クロルベンゼンを含む前述した重
合粒子の膨張は、先ず通常の撹拌方法で(400rpm)30℃
2時間、引き続き20℃4時間行なわれる。全体として0.
65cm3の1−クロルドデカンを含む14.3cm3の重合粒子
(直径2000nm)を有する重合粒子の70cm3に1.5gSDSを含
む445cm3の水と510cm3のクロルベンゼンが加えられる。
重量による分離分析及び光学顕微鏡の最終的の観察によ
ると、実際クロルベンゼンは全てポリマー粒子に吸収さ
れている。
以上説明したポリマー粒子の2段階式膨張において、比
較的低分子量成分の安定したo/w乳液(エマルジヨン)
の製造方法を提供している。最終的なエマルジヨンの油
における重合体の含有量は1%以下である。この方法は
とりわけ油含有量の高い単分散o/w乳液(エマルジヨ
ン)の調製を含むエマルジヨン小滴の大きさの分散やあ
らかじめ決められた大きさの小滴の調製に適する。
もし最終段階において吸収される成分がビニルモノマー
である場合、引き続き重合されるが、その方法は特に高
い固形成分を多く含む大きな粒子サイズの単分散粒子の
調製に適している。
最終段階において吸収される成分がジビニルベンゼンを
使用して、上記重合工程以前の最終段階を「この混合物
に対し210cm3のスチレンの代りに同量のジビニルベンゼ
ンを100gの扁平な結晶で直径0.5ミクロンのグラフアイ
トと共に加えた。30℃2時間後に、全てのジビニルベン
ゼンがその粒子(スチレンを含むエマルジヨンB2の粒
子)に吸収された。……その後温度が60℃に高められ、
重合が25時間設けられた。…」とすることによりグラフ
アイトを混入したスチレン・ジビニルベンゼン共重合体
を得る。
上記した2段階式膨張とほポリマー粒子は第一段階でク
ロルデカンとポリマー粒子のv/v比が2:1の1−クロルデ
カンを吸収するように行なわれ、その後第二段階でポリ
マーと1−クロルデカンを含む粒子にクロルベンゼンが
吸収される方法である。
(b)特公昭57−59847「ポーラスポリスチレンゲルの
製法」の技術利用による炭素混入方法 2ステンレス製誘導撹拌機オートクレーブにスチレン
40g、ジビニルベンゼン55wt%含有するジビニルベンゼ
ン−エチルスチレン混合液(市販ジビニルベンゼン:ス
チレンモノマー(ST)対ジビニルベンゼン(DVB)の重
量比は85〜45%対15〜55%の範囲であり、好ましくは一
般にDVBは25%以上が用いられる。一般の市販品はDVB約
55%とモノビニルエチルベンゼン約45%とから成るもの
が使用される。このモノビニルエチルベンゼンは生成共
重合体中でスチレンと実質的に均等の構成成分であり得
るからこれら両者は同一物として取扱う。)60g、ニト
ロエタン105g、n−アミルアルコール45g、水1000g、燐
酸カルシウム120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.065g及び過酸化ベンゾイル30g直径0.5ミクロンのガス
カーボン(微粒子)20gを混合する。これを1000rpmの撹
拌下80℃で6時間重合を行なう。生成共重合体を洗浄、
直径5〜100ミクロン程度のガスカーボンを混入したポ
ーラススチレン系重合体ゲルを得た。
(c)特公昭45−40279「多孔性ゲル体の製造法」の技
術利用による該炭素混入方法 1ステンレス製誘導撹拌機オートクレーブにスチレン
モノマー13.6g、ジビニルベンゼン55wt%含有するジビ
ニルベンゼン、モノビニルエチルベンゼン混合液36.4
g、ドデカン33.4g、トルエン16.6g、水400g、燐酸カル
シウム25g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.025g
及び過酸化ベンゾイル0.4g、直径0.5ミクロン、高さ1
μの円柱状一次元グラフイト構造のポリナフタリン(52
0℃以上高温焼成し水素分をとばした炭素質材料:新技
術開発事業団開発による)焼成炭素質材料13.6gを混合
し、これを800rpmの撹拌下92℃で1時間重合を行なつ
た。
次にオートクレーブに設けた1m/mφの数個の細孔を有す
るバツフルからイソアミルアルコール25gを1時間にわ
たつて注入し、さらに5時間重合を続けた。生成重合体
を洗浄し、一次元グラフライト構造のポリナフタリン焼
成炭素材料を混入した直径20〜200μの球状多孔質体ゲ
ルを得た。
(d)モノクローナル抗体に直接炭素を例えば活性炭を
係合させる方法 U.S.P 4172124、U.S.P 4427653、特公昭59−2276、九州
大学農学部食糧化学研究所方式による技術等の諸技術に
基き製造されたまた市販されているモノクローナル抗体
に、直径1μの球状活性炭(活性炭の直径はこれに限定
されない)を混合撹拌しモノクローナル抗体と活性炭を
結合させる。
(e)レーザーによりモノクローナル抗体に孔を開け、
そこに炭素を注入する技術を採用してもよい。
本発明で使用するモノクローナル抗体については上述し
たが、本発明ではモノクローナル抗体はUSP 4172124,US
P 4427653、特公昭59−2276及び九州大学農学部食糧化
学研究所村上助教授、日本大学医学部小野魁教授により
開発されたモノクローナル抗体量産技術等により開発、
製造されるモノクローナル抗体及びウイルス抗体を使用
すればよく、生体との安全性の点を考えれば九州大学方
式及び日本大学医学部方式はヒト・モノクローナル抗体
であるのでより一層安全性が高いと考えられる。
次に本発明の炭素を結合させたモノクローナル抗体に磁
性体をさらに混入・結合させる技術について述べる。
磁性体の混入・結合技術としては、前述した炭素をスチ
レン系重合体単分散微小球体へ混入する技術a〜eの方
法において所定量(混入割合について本発明では限定さ
れない。)の磁性体を炭素と同時に混入させればよく、
それによつて炭素と磁性体の両方を混入した高単分散性
スチレン系重合体粒子が得られ、これがさらにモノクロ
ーナル抗体と良好に結合する。
本発明において炭素を結合したモノクローナル抗体に
さらに抗ガン剤を結合させる技術、炭素と磁性体を結
合したモノクローナル抗体に抗ガン剤を結合させる技術
について述べる。
前述した高単分散性スチレン系重合体粒子の微小粒子の
重合方法a〜eの方法で製造され微小粒子に必要量の抗
ガン剤を添加、混合することによりスチレン系重合体微
小粒子及び同粒子のゲル体(炭素又は炭素と磁性体を結
合したものを含む。)と抗ガン剤を結合させる。特に同
粒子のゲル体の場合、抗ガン剤はゲル体の内部深く浸透
し、拡散し、滞留時間が長くなり、従つて抗ガン剤と炭
素または抗ガン剤、炭素並びに磁性体を結合したモノク
ローナル抗体がガン細胞と結合するまでの時間をかせぐ
ことが出来、再拡散まで長いのでモノクローナル抗体が
ガン細胞と結合してから抗ガン剤をガン細胞のみにまた
その周囲のみに有効に作用させることが出来る。
〔作用〕
本発明は、高周波加熱装置に高周波電流を流すことで身
体表面の加温面の外方に誘起される電磁誘導作用に基づ
く誘導電流をガン病巣のある体内患部へ作用させ、その
生体外部から内部深所のガン、病巣のガン細胞と特異的
に結び付いたモノクローナル抗体と結合した炭素を発熱
させ、炭素の温度を昇温させ40〜43℃又はそれ以上に炭
素の温度を上昇させ炭素を結合したモノクローナル抗体
の温度をやはり40〜43℃又はそれ以上に上昇させ、さら
に熱伝導により該モノクローナル抗体と結びついている
ガン細胞の温度を40〜43℃程度に上昇させてガン細胞を
死滅させる治療剤である。
本発明では、高周波加熱方法は上記した電磁誘導作用に
基づく誘導電流を利用することの他、生体内部の深所に
存在する患部に対し高周波電界内での誘電加熱を利用し
て加温する方法、すなわち患部を両側から挾むようにし
て生体の表面へ添接させた2個一対の電極体間に高周波
電力を供給して、その患部のガン細胞と結び付いたモノ
クローナル抗体と結合した炭素を誘電加熱により昇温、
発熱させ、炭素の温度を40〜43℃又はそれ以上に昇温、
発熱し、炭素と結合したモノクローナル抗体の温度をや
はり40〜43℃又はそれ以上に上昇させ、さらに熱伝導に
よりモノクローナル抗体と結び付いているガン細胞の温
度を40〜43℃程度に上昇させてガン細胞を死滅させる治
療剤である。このように本発明の治療剤の適用において
は高周波加熱により炭素が昇温、発熱するためガン細胞
の温度が40〜43℃になつても身体の外表面はそれより温
度が低く長時間加熱が可能となる。
本発明に使用される炭素は高周波加熱処理を受けた場
合、炭素自身が発熱したその温度が上昇する。この高周
波加熱により炭素自身が発熱し、昇温することを利用す
るのが本発明の基本思想である。
誘電加熱、誘導加熱による高周波加熱処理を受けた炭素
自身が発熱し、昇温し、炭素自身の温度がガン細胞の死
滅温度40〜43℃又はそれ以上の温度に上昇し、それに伴
い炭素を結合したモノクローナル抗体の温度も40〜43℃
又はそれ以上の温度に上昇させ、さらに炭素を結合した
モノクローナル抗体と特異的に付いたガン細胞の温度を
熱伝導により40〜43℃程度にしてガン細胞を死滅させ
る。この場合、前記したとおり高周波加熱により炭素自
身は発熱し、昇温するので、その温度が40〜43℃又はそ
れ以上であつても高周波加熱装置の電極体等出口の温度
及び人体表面部の温度は、炭素の温度よりはるかに低温
であるため、人体の表面はこのような高温にさらされな
いので苦痛もなく、医学的高温対処療法をしなくても長
期間(7日間)の高周波加熱を続行することが出来、ガ
ン細胞を死滅させることが可能となる。
本発明の腫瘍治療剤において抗ガン剤を結合させたもの
を使用するときはその使用量は極めて少くてよく、しか
も副作用の少ない、抗ガン効果が比較的弱い薬剤でもよ
い。その理由は前述したとおり、本発明の実施に当つて
は、ガン細胞は高周波加熱により昇温、発熱した炭素の
温度を40〜43℃又はそれ以上にしてあるため、炭素を結
合したモノクローナル抗体自体の温度も40〜43℃又はそ
れ以上になつており、さらにモノクローナル抗体が特異
的に結び付いたガン細自身の温度も40〜43℃程度になつ
て殆んど死滅しており、残りのガン細胞もこのような高
温の熱的ダメージを受けているので完全に増殖能力を失
つている。ガン細胞は、自然に周囲の免疫機能により消
滅されるが、その増殖能力を失つたガン細胞に追打ちを
かけて死滅させるために、抗ガン作用の強い場合は極く
微量、抗ガン作用の弱い場合でも少量を使用するのであ
る。従つて抗ガン剤の副作用は殆んどなくなる。
上記したことは高周波加熱治療をたつた1回実施した場
合のことであつて、本発明は既に上述したとおり、誘電
加熱、誘導加熱による高周波加熱で昇温、発熱する炭素
または炭素と磁性体とを結合したモノクローナル抗体が
特異的にガン細胞に結合してガン細胞の温度を40〜43℃
程度にしてガン細胞を死滅させるのであるが、その場合
高周波加熱装置の電極体出口温度及び人体表面部付近の
温度は前述したとおり40〜43℃より低温であるため人体
的苦痛も少ないので長期間(7日間程度)高周波加熱治
療が受けられるのであるが、これが1回の高周波加熱治
療でなく何回も高周波加熱治療が受けられるので、本発
明はこのように何回も高周波加熱治療をする場合、上記
した抗ガン剤を使用しなくてもガン細胞を完全に死滅さ
せることが期待できる。本発明の抗ガン剤を併用した、
高周波加熱により発熱、昇温する炭素または炭素と磁性
体とを結合したモノクローナル抗体から成る腫瘍治療剤
は、前記した1回のみの高周波加熱が、既に体力の大変
弱つている患者の場合に適用出来る。
モノクローナル抗体については公知の遺伝子工学の方法
で得られることは前述したが、これは人間や動物の血液
等から得られ、免疫系の成分のうちで最もよく知られた
タンパク質である。高純度レベルのこのタンパク質が近
年単一クローン性抗体の開発により可能となり、ただ1
種の抗原だけ認識するこれらの抗体が開発されたのであ
る。この単一クローン性抗体の最も直接的医学的応用は
診断のための検査分野であつた。また、一方このただ一
種の抗原だけを認識するこれらの抗体の性質を利用して
近年これらの抗体に抗ガン剤を組み込ませたり、また結
合させることによりガン細胞に対してミサイル攻撃をし
てガン細胞を死滅させる技術が開発され注目されて来た
が、この方法ではこのミサイル攻撃を1回しか出来ず、
ガン細胞の90%が死に約10%のガン細胞が生き延びて、
再発する危険が残されており、完全にガン細胞を死滅さ
せることが出来なかつた。また、併用する抗ガン剤の強
い副作用が非常に大きな薬害問題となつていた。
本発明はガン細胞に対するこのミサイル攻撃を1回だけ
でなく2回またはそれ以上何回も、また何段階もミサイ
ル攻撃をかけることが出来る技術であつて、ガン細胞に
何回も徹底的に攻撃を加え決定的に死滅させることが出
来る腫瘍治療剤である。
〔実施例〕
次に実施例によつて本発明を説明するが、本発明はこれ
らに制約されるものではない。
実施例1 IgG1級のモノクローナル抗体の一つUJ127・11がタンパ
ク質に親和性のあるクロマトグラフにより精製された。
一方、マウス(ICR−JCL系メス、体重20g)の神経芽細
胞腫の骨髄細胞(体重量当り5×10gの核のある細胞)
が20cm3集められた。
これを大体20分で遠心分離機にかけた。分離後の残留細
胞は核のある細胞が3.1×108/体重量である。このモノ
クローナル抗体は1mg/mlの濃度で使用した。十分な量の
抗体が5×107の神経芽細胞腫の骨髄細胞の抗体結合側
手を飽和させることが出来るように加えられる。骨髄細
胞はモノクローナル抗体(UJ127・11)と共に何回も繰
返えして4℃で30分間培養された。その後非結合のモノ
クローナル抗体を除くために10分間遠心分離にかけられ
1度リン酸緩衝含塩物と5%の純化されたタンパク質分
子で洗浄される。当初の腫瘍骨髄細胞(当初体重当り31
×108の核のある細胞)は洗浄により大体核の細胞の87
%(体重量当り2.7×108の核のある細胞)が残つた。
最初に記したモノクローナル抗体(UJ127・11)は前述
の方法で作られた直径0.5μのグラフアイトを結合した
直径3μの高単分散スチレンジビニルベンゼン共重合体
から成る微小球体で前培養されていたものが使用され、
これが上記したように骨髄細胞に加えられる。
コーチングされた直径3μ微小球体40mgがゆつくり4℃
で2時間循環された。2時間培養された後骨髄は運搬容
器に入れられ次の工程に移された。完全に密閉された無
菌システムから成り、シリコンゴムチユーブにより連が
れた一連のポリカーボネート製の室から構成された工程
が設計準備された、二つのポリカーボネート製の室(横
19cm×内容積220ml)とシリコンゴムチユーブの外周囲
に各1カ所に高周波加熱装置を配置した。
本工程は無菌状態で組み立てられリン酸緩衝塩含有物と
20%のタンパク質が注入されるようになつており、モノ
クローナル抗体(UJ127・11)と前記微小球体で前培養
された骨髄細胞は1.5ml/minの速度でポンプで吸引され
てそれらの室を通る。二つのポリカーボネート製室の外
周囲に各1カ所及びシリコンチユーブの外周囲の一カ所
に配置された高周波加熱装置には200Hzの高周波電流が
流された。この結果グラフアイトの温度は43℃になつ
た。その後位置には同じ速度でリン酸緩衝塩含有物と5
%のタンパク質が加えられる。同装置の加熱を7日間続
けた。温度センサーで測定した腫瘍細胞の温度は43℃で
あり、顕微鏡の観察及び間接的免疫螢光分析の結果、腫
瘍細胞の活性度が低下し、死滅した。
実施例2 実施例1と同じモノクローナル抗体を使用し同じマウス
の神経芽細胞腫の骨髄細胞を採取し、ただ直径0.5μの
グラフアイトを結合した高単分散スチレン・ジビニルベ
ンゼン共重合体から成る微小球体と抗ガン剤(クレスチ
ン)〔採取骨髄細胞1ml当り0.06mg(使用量)〕との混
合物を使用したこと、高周波加熱装置による、加熱条件
は同じで加熱時間を3日間続けたこと以外は全て実施例
1と同じ操作をしたところ、顕微鏡の観察及び間接的免
疫螢光分析の結果、同様に腫瘍細胞の活性度は低下し、
腫瘍細胞は抗ガン剤の併用効果もあつてより短かい加熱
時間で死滅した。
実施例3 実施例1と同じモノクローナル抗体を使用し、同じマウ
ス神経芽細胞腫の骨髄細胞を採取し、ただ直径0.5μの
球状活性炭(ポリマーの15wt%)を結合させた高単分散
径のスチレン・ジビニルベンゼンの共重合体から成る微
小球体において、活性炭のみでなく磁性体としてγ−Fe
2O3(直径0.5μ)をポリマーの15wt%と同時に混入し、
結合させた高分散径のスチレン・ジビニルベンゼン共重
合体を使用したこと、さらに実施例の完全に密閉された
無菌システムから成り、シリコンゴムチユーブにより連
がれた一連のポリカーボネート製の室から構成された工
程の中に、前記高周波加熱装置の他に新たに高磁性のネ
オジウム・鉄・ボロン系永久磁石(1cm×1cm×0.3mm)
を配置し骨髄から腫瘍細胞を完全に分離するように設計
しメインカーボネート室とその前に分離に最大効果を発
揮するように設けられた内容積3mlの小さな室の各室の
底に磁石が各2個とりつけられたこと以外は全て実施例
1と同じ操作をした結果、顕微鏡での観察及び間接的免
疫螢光分析の結果は同様に腫瘍細胞の活性度は低下し、
同細胞は死滅すると共に高磁性の永久磁石により、死滅
した腫瘍細胞を結合しているモノクローナル抗体は骨髄
から殆んど完全に分離され、しかもモノクローナル抗体
に同時に結合しているグラフアイトと共に、高単分数径
のスチレン・ジビニルベンゼン共重合体も同時に骨髄か
らこれらを一緒に全て分離し、きれいな、全く腫瘍細胞
を含まぬ骨髄のみを回収、取り出し、また体内へ戻すこ
とが出来るので極めて良好な副作用のない技術となつ
た。
この方法の技術では使用するモノクローナル抗体は、高
周波加熱治療後及び併用抗ガン剤を作用させてガン細胞
を死滅化させて後全て磁石により回収されるので、安全
性の高いヒトのモノクローナル抗体ばかりでなく、安価
に量産されるネズミ羊、その他動物のモノクローナル抗
体も使用出来るユニークな技術となる。
実施例4 実施例3と同じモノクローナル抗体を使用し、同じマウ
スの神経芽細胞腫の骨髄細胞を採取し、炭素として直径
0.5μの活性炭(ポリマーに対し15wt%)と磁性体とし
て直径0.5μmのγ−Fe2O3(ポリマーに対し15wt%)と
を同時混入、結合させた高分散径のスチレン・ジビニル
ベンゼン共重合体を使用したがこれ以外にたださらに抗
ガン剤(クレステン)〔使用量:採取骨髄細胞1ml当り
0.06mg〕を混合させ結合させた(結果的にはこの抗ガン
剤は前記モノクローナル抗体に結合することになる。)
こと、高周波加熱装置による加熱条件は同じで加熱時間
を3日間つづけたこと以外は全て実施例3と同じ操作を
した結果、顕微鏡の観察及び間接的免疫螢光分析の結果
は骨髄の腫瘍細胞の活性度は低下し、腫瘍細胞は抗ガン
剤の効果もあつてより短い高周波加熱時間で死滅した。
この技術も実施例3と同様にヒトのモノクローナル抗体
と動物(ネズミ、羊その他)のモノクローナル抗体の両
方を使用出来るばかりでなく、ガン細胞へのミサイル主
攻撃を高周波加熱治療で行ない。同ミサイル副攻撃を抗
ガン剤で行なうため抗ガン剤の使用量は極めて少く微量
であり、抗ガン剤により副作用は殆んどない。この抗ガ
ン剤は通常は高周波加熱時間を7日という具合に長時間
実施すればその併用の必要性はないが、手遅れのガン患
者の場合に使用することも可能であることを示した。
実施例5 IgG1級のモノクローナル抗体UJ127・11がタンパク質に
親和性のあるクロマトグラフにより精製された。そして
精製したモノクローナル抗体1000μgを得た。
一方、直径0.5μの活性炭(100mg)がアルコールで洗わ
れ殺菌された。その後精製したモノクローナル抗体が殺
菌された活性炭と0.1Mリン酸緩衝含塩物の存在下にpH7.
7、4℃で18時間培養された。そして活性炭を結合した
モノクローナル抗体を得た。
次にマウス(ICR−JCL系メス、体重20g)の神経芽細胞
腫の骨髄細胞20cm3が採取され集められた。その後は実
施例1と同じ方法で神経芽細胞腫の骨髄細胞と活性炭を
結合したモノクローナル抗体が混合培養され、同じよう
にポリカーボネート室とシリコンゴムチユーブから構成
された工程で高周波加熱された。
高周波加熱装置には120Hzの高周波電流(7日間)が流
された。この結果活性炭の温度は温度センサーで測定し
た結果40℃であつた。顕微鏡の観察及び間接的免疫螢光
分析の結果、腫瘍細胞の活性度が低下し、死滅した。
実施例6 神経芽細胞腫のマウス(ICR−JCL系メス、体重20g)に
対し、ネズミのモノクローナル抗体を細胞融合により作
つたものを使用し、このモノクローナル抗体には0.5μ
の活性炭を結合させ実施例5で作つたものと同じものを
使用した。マウスの体重量1g当り0.6mgの投与量で注射
器により前記のようにして作つた活性炭を結合したモノ
クローナル抗体をネズミの体内に注入した。
次にマウスの腫瘍発生部位に身体の上部から高周波加熱
装置を配置し高周波電流(50kHz)を7日間流し続け
た。活性炭の温度を温度センサーにより測定し続けた。
平均温度は43℃であつた。
30日後マウスの腫瘍発生部位をX線検査した結果、腫瘍
は消滅し、抑制作用を示した。
なお、7日、30日の期間中、同マウスに何等変化は認め
られず、元気に活動していた。
〔発明の効果〕
以上に詳述したように、本発明の腫瘍治療剤は正常細胞
に損傷を与えることなく、腫瘍細胞のみを効果的に攻
撃、死滅させることができ、きわめて有用である。ま
た、作用を終えたモノクローナル抗体を容易に分離除去
することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波加熱により発熱、昇温する炭素を結
    合させた、腫瘍細胞に対するモノクローナル抗体から成
    る腫瘍治療剤。
  2. 【請求項2】モノクロナール抗体に抗ガン剤を結合させ
    た特許請求の範囲第(1)項記載の腫瘍治療剤。
  3. 【請求項3】炭素が直径又は辺の長さ10〜0.01μの扁平
    状、うろこ状、粒状、粉末状、塊状及び球状から選ばれ
    た少なくとも一種である特許請求の範囲第(1)項又は
    第(2)項記載の腫瘍治療剤。
  4. 【請求項4】炭素がグラファイト、無定形炭素、ダイヤ
    モンド及びポリアセン、ポリアセナセン、ポリナフタレ
    ン又は一次元グラファイト構造をしたポリアセチレンの
    焼成品から選ばれた少なくとも一種である特許請求の範
    囲第(1)項、第(2)項又は第(3)項記載の腫瘍治
    療剤。
  5. 【請求項5】高周波加熱により発熱、昇温する炭素及び
    磁性体を結合させた、腫瘍細胞に対するモノクローナル
    抗体から成る腫瘍治療剤。
  6. 【請求項6】モノクローナル抗体に抗ガン剤を結合させ
    た特許請求の範囲第(5)項記載の腫瘍治療剤。
  7. 【請求項7】炭素が直径又は辺の長さ10〜0.01μの扁平
    状、うろこ状、粒状、粉末状、塊状及び球状から選ばれ
    た少なくとも一種である特許請求の範囲第(5)項又は
    第(6)項記載の腫瘍治療剤。
  8. 【請求項8】炭素がグラファイト、無定形炭素、ダイヤ
    モンド及びポリアセン、ポリアセナセン、ポリナフタレ
    ン又は一次元グラファイト構造をしたポリアセチレンの
    焼成品から選ばれた少なくとも一種である特許請求の範
    囲第(5)項、第(6)項又は第(7)項記載の腫瘍治
    療剤。
  9. 【請求項9】磁性体がネオジウム・鉄・ボロン系合金磁
    石、サマリウム・コバルト系合金磁石、フェライト系磁
    石、希土類・コバルト系合金磁石、鉄粉、センダスト、
    アルニコ、酸化クロム、酸化マンガン、パーマロイ磁石
    及び鉄・クロム・コバルト系合金磁石から選ばれた少な
    くとも一種である特許請求の範囲第(5)項、第(6)
    項、第(7)項又は第(8)項記載の腫瘍治療剤。
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