JPH0755844Y2 - 整畦機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、整畦機に係り、泥土を堀り起こして旧畦に盛
り上げ、この盛り上げた土を締め固める整畦機におい
て、整畦時に畦草の発生防止剤等薬剤を散布する整畦機
に関する。

従来の技術 田圃には畦を作り、水を堰して蓄えたり、他人の田圃と
の境界にしたりあるいは農作業のための歩道にすること
が行われている。

従来、畦を作る機械、すなわち整畦機として梃−クラン
ク機構を用いたもの、油圧を用いたもの等種々知られて
いる。これらの整畦機は、旧畦の一部を削るとともに田
圃の土を堀り起こして得られる土を残りの旧畦に盛り上
げ、この盛り土を叩いたり、振動を加えたりして締め固
めるものである。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、従来の整畦機は、単に畦を作り変えるだ
けであるので、畦に草が生えることを避けることができ
ず、畦草が繁茂すると田圃の稲に対する風通しが悪くな
ったり、日照を妨げるという問題を生じるため、草刈り
を後に行わなければならなかった。

課題を解決するための手段 本考案は、上記課題を解決するために、機枠に旧畦を削
り田圃の泥土を堀り起こして畦に盛り上げる土起こし手
段と、該土起こし手段により盛り上げられた泥土を整え
る整畦板を有する整畦機において、上記機枠に変形可能
なアームを突設し、その先端に管本体を支持し、該管本
体に分岐管を設け、該管本体と分岐管に整畦された畦側
面及び畦上面に相対するノズルを設け、上記機枠を牽引
するトラクタに設けた薬剤供給装置から薬剤をこれらノ
ズルに供給し噴霧することを特徴とする整畦機を提供す
るものである。

作用 変形可能なアームはその変形によりその先端に設けたノ
ズルの位置を調整することができ、また、ノズルは畦の
側面と上面に相対して設けたので、それぞれの面に薬剤
を散布できる。この薬剤を新畦表面に散布すると少ない
量で漏れなく全体に一様に散布でき、効率が良い。この
際、旧畦が削られ草等が除かれた後に盛り土されるとそ
の付着性を良くすることができる。そして、整畦面に例
えば畦草発生防止剤を散布することにより、畦草の発生
を防止することができる。

実施例 次に本考案の一実施例を第１図及び第２図に基づいて説
明する。

第１図中、Ａは整畦機、第２図中、Ｔはトラクタの前側
部分である。整畦機Ａは、その機枠が主機枠１と後述の
尾輪等を取り付ける部材からなり、その主機枠１がトラ
クタＴの後方に設けられた連結機構により連結されてい
る。すなわちトラクタからのアームａ、ｂに上記主機枠
１を吊り上げる吊上リンクｃ、ｄが回動自在に連結さ
れ、また、トラクタと上記主機枠１が長さ調整自在の調
整リンクｆで連結され、さらにトラクタから突設された
下部リンクｇ、ｈに主機枠１が連結され、これらにより
調整リンクｆにより定められた角度に保持された整畦機
Ａは図示省略した油圧装置によって回動する上記アーム
ａ、ｂを介して下方に回動でき、また、この油圧装置に
よるこれらアームａ、ｂの上方の回動により元の位置に
戻ることができるようになっている。

上記整畦機Ａは、トラクタの動力取出軸ｉに自在継手を
介して連結された動力伝達軸1aに減速機1bが連結され、
この減速機には伝動軸1cが連結され、この伝動軸1cにロ
ータ２が取り付けられ、上記動力伝達軸の回転力が上記
伝動軸に上記減速機により減速かつ方向を変えられ、さ
らにその回転方向がトラクタの進行方向に対応する回転
方向と逆方向に回転するように伝達され、これによりロ
ータ２の軸がトラクタの進行方向に対してほぼ直角に向
き、かつトラクタの進行方向に対する回転方向とは逆方
向に回転するようになされている。

3aは上記ロータ２の上方及び畦上方、さらにその前後側
面を覆う覆い部である。前後側面覆い部の下端にゴム板
が取付けられているが、このゴム板を取付けた他の板を
上下移動可能に取付けても良い。3bはこの覆い部の畦側
に設けられた遮蔽板で、畦の上面を走行する走行車輪3b
−１、3b−２をその下端に有するとともに、両側に断面
Ｃ字状案内溝3b−３、3b−４を外向きに有し、上記覆い
板3aの側板に設けた案内車輪3b−５、3b−６がその内部
に余裕を持ちかつ抜け止めされて嵌合されている。ま
た、その上辺部に断面Ｃ字状の支持部3b−７、3b−８が
設けられ、これらと上記覆い部3aに設けられた支持部3a
−１、3a−２の間に連結アーム3a−３、3a−４が回動自
在に連結されている。これにより遮蔽板3bは上下平行に
移動できるようになっている。なお、3b−９は遮蔽板3b
が一定以下に下がらないためのストッパーである。ま
た、覆い部3aは主機枠１に対して連結片3a−５、3a−６
により回動自在に設けられ、畦側が開閉自在になってい
る。

４は上記減速機1bに連結された図示省略したクランクに
より作動されるプランジヤーポンプであり、シリンダ内
をプランジヤーが上下動し油を可撓性管4aを介して畦叩
き装置５に送出又はここから吸入している。畦叩き装置
５は図示省略したが、スリーブ5a内にシリンダが設けら
れ、このシリンダにピストンが設けられ、そのピストン
ロッドがスリーブに固着されることにより、上記プラン
ジヤーポンプによる油の供給、排出に伴うピストンの移
動によりスリーブが往復動できるようになっている。な
お、シリンダにはスリーブの内面に適合する四角形状で
この内面に周側が摺動する回り止板が取付けられ、スリ
ーブ及びピストンロッドの回り止めをしている。なおま
た、この回り止板とスリーブ上板内面との間にコイルス
プリングが二重に設けられ、戻り促進機能を果たしてい
る。詳細は特公昭63−12562号公報等に記載されてお
り、これらも使用できる。

上記ピストンロッドに畦の上面及び側面形状に適合した
畦叩き板６が回動自在に取付けられ、畦に対して回動自
在かつ復帰自在に設けられ、さらにその表面には毛ばだ
っている側を表にした毛皮6a（アメリンバッファローの
毛皮）が張りつけられている。

上記シリンダは支持枠７に回動自在に支持され、シリン
ダとともに回動可能に設けられた垂設杆7aとゴム7bによ
りスリーブ等の回動範囲が制限されている。支持枠７は
上下動装置８に取付けられている。この上下動装置は、
ねじ杆8aをハンドル8bにより作動させてスライダー8cを
案内杆8d、8eに沿って移動できるようにしたもである。
なお、上下動装置そのものは取付板8fに固着され、この
取付板の主機枠１に対する取付け位置を主機枠からのボ
ルト等に長穴を移動させて取付けることにより変えるこ
とができるようになっている。

９は支持軸9aに車輪9bを有する尾輪であり、支持軸が主
機枠１の突設アームに取付けられた嵌合筒9cに位置調整
自在に取付けられている。

上記嵌合筒9cには変形可能なアーム10aが取付けられ、
これに薬剤散布体10が取付けられている。薬剤散布体10
は、管本体10bにノズル10cと分岐管10dを有し、分岐管
にはノズル10eを有する。ノズル10cは畦の側面、ノズル
10eは畦の上面にそれぞれ相対している。管本体10bには
第２図に示す薬剤供給装置から薬剤が供給され、上記ノ
ズル10c、10eから霧状に噴霧される。

第２図において、トラクタＴの前側には、トラクタの台
枠11に枠体12が連結され、この枠体に薬剤供給装置13が
設けられている。薬剤供給装置は、薬剤タンク13aから
の薬剤が噴霧用ポンプ13bにより加圧されて導管13cを介
して上記薬剤散布体10の管本体10bに供給され、この薬
剤が上記ノズル10c、10eから霧状に噴霧されるようにな
っている。

次に本考案の整畦機の使用方法を説明する。

トラクタに整畦機Ａを所定の姿勢に連結して旧畦の所定
の位置に配置し、尾輪９の位置、畦叩き板６の位置を調
整する。ついで、トラクタを走行させて整畦機Ａを移動
させると、ロータ２は逆転動作し、畦の一部を削るとと
もに田圃の土を堀起こして旧畦に盛り上げる。これを畦
叩き板６が叩き締め固める。このようにしてできた新畦
の上に、上記噴霧用ポンプ13bを動作させて薬剤散布体1
0のそれぞれのノズル10cと10eから薬剤を噴霧させる。
これにより、新畦の表面に薬剤が散布されるので薬剤に
畦草発生防止剤を使用すればその繁茂を防止できる。

上記は新畦の上に散布したが、第１図に示すように覆い
部3aの内面に上記と同様のノズルを配置し、ロータ２が
堀り起こした土、旧畦の削り取った土に薬剤を散布する
ようにしても良い。このようにすると、新畦の内部まで
薬剤が散布されるのでその効果も大きくなる。

なお、薬剤は液体に限らず、粉末状のものでも良く、畦
草発生防止剤のみならず、除草剤、土壌改良剤、被覆剤
等であっても良い。

なおまた、畦叩き板を動作させる構造は、切り換え弁を
有する油圧、てこ−クランク機構、カム機構等いずれも
使用でき、ロータは畦と平行に設けられても良い。

考案の効果 本考案によれば、機枠に変形可能なアームを設け、これ
に管本体を支持し、この管本体に分岐管を設け、これら
管本体及び分岐管にノズルを設け、これらノズルを畦の
側面及び上面に相対するようにしたので、具体的には高
低など状況の異なる畦の状態に応じて畦の側面及び上面
に対して上記ノズルを上記アームを変形させることによ
り最適な状態で位置決めすることができ、しかも畦の側
面と上面のそれぞれにノズルを相対して設けたことによ
り、薬剤を畦の側面と上面に確実に噴霧することができ
る。このような状態で薬剤に例えば畦草発生防止剤を使
用すれば、整畦と同時に畦草発生防止処置も行うことが
でき、新畦に畦草が生えないのでその除去作業をなくす
ことができる。新畦の上に薬剤を散布すると、その盛り
土表面に漏れなく一様に散布することができるので、散
布されない部分を効率良く無くすことができる。新畦は
旧畦を削り、草等を除去した後盛り土され整畦されてい
るのでその土の付着性も良く、強固な畦を作ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の整畦機の斜視図、第２図は
この実施例に係わる薬剤供給装置を示す斜視図である。 図中、Ｔはトラクタ、Ａは整畦機、２はロータ、６は畦
叩き板、10は薬剤散布体、10aはアーム、10bは管本体、
10cはノズル、10dは分岐管、10eはノズル、13は薬剤供
給装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機枠に旧畦を削り田圃の泥土を堀り起こし
   て畦に盛り上げる土起こし手段と、該土起こし手段によ
   り盛り上げられた泥土を整える整畦板を有する整畦機に
   おいて、上記機枠に変形可能なアームを突設し、その先
   端に管本体を支持し、該管本体に分岐管を設け、該管本
   体と分岐管に整畦された畦側面及び畦上面に相対するノ
   ズルを設け、上記機枠を牽引するトラクタに設けた薬剤
   供給装置から薬剤をこれらノズルに供給し噴霧すること
   を特徴とする整畦機。