JPH0754616A - ローラカムフォロワ - Google Patents

ローラカムフォロワ

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Publication number
JPH0754616A
JPH0754616A JP19727793A JP19727793A JPH0754616A JP H0754616 A JPH0754616 A JP H0754616A JP 19727793 A JP19727793 A JP 19727793A JP 19727793 A JP19727793 A JP 19727793A JP H0754616 A JPH0754616 A JP H0754616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
cam follower
cam
hardness
life
Prior art date
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Pending
Application number
JP19727793A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Toda
一寿 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ローラの滑りを伴う転がり接触時などでの表面
の摩耗、損傷を抑制するとともに、ローラの発熱による
寸法肥大化を抑制して、長寿命化を図ること。 【構成】ローラカムフォロワ7のローラ7aの素材を浸
炭鋼とし、その表面硬さをロックウェルC硬さ(HR
C)で63〜68に設定しているとともに、表面残留オ
ーステナイト量(γR)を13〜30%に設定してい
る。これにより、ローラ7aの表面部分が適度な硬度と
なりながら、この表面部分に適度な靭性が持たされて、
かつ残留オーステナイトがマルテンサイト変態しにくい
安定な構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの動弁機構用
ローラロッカアームやタペットローラなどのローラカム
フォロワに係り、特にカムシャフトのカム面との潤滑条
件やカム面の硬度、面粗さに関係なく長寿命を示すロー
ラカムフォロワに関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン動弁機構の耐久性とメンテナン
スフリー化を向上させる上で、カム軸におけるカムおよ
びこれに接触するカムフォロワのローラの潤滑、摩耗が
問題となっている。
【0003】上記動弁機構の摩耗対策としては、OHV
型式エンジンにおいては油圧式ラッシュアジャスターが
実用化されているが、カムおよびカムフォロワのローラ
外径面の摩耗対策およびフリクションロスの低下をねら
ってカムフォロワのローラを転がり支持させる構造が採
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カム部分
は、エンジン部分のなかでも潤滑油が希薄で潤滑条件が
厳しく、その接触面は境界潤滑領域と言われている。す
なわち、カムフォロワのローラ外径面とカムとの当接圧
力が例えば150Kgf/mm2と非常に高くなるよう
な厳しい使用条件の下では、潤滑油の供給不良などの要
因も加わるとカムフォロワの耐久性が十分に確保できな
い場合が生じる。このような条件下で使用されるカムフ
ォロワのローラはカムに対して基本的には転がり接触と
なるが、カム形状からくるローラの回転速度変化や軸受
作用荷重の急激な変動など、純転がり運動は不可能で、
滑りを伴う転がり接触をしており、潤滑条件(油量、油
温、異物)および相手カムの面粗さなどの関係上、ロー
ラの外径転動面に早期にピーリング現象が発生するな
ど、短寿命になっている。
【0005】また、カムフォロワにおけるローラは、従
来、軸受鋼(SUJ2材)が使用され、棒材を旋削加工
した後、焼き入れ硬化処理して得ている。このローラの
転動寿命は、外径転動面の表面粗さが重要な因子である
ことはよく知られており、従来、外径転動面の仕上げを
できるだけ滑らかな面(通常の転がり軸受の軌道面粗さ
0.01〜0.08μmRaと同等)にするのがよいと
考えられていたが、通常、カム面の仕上げ面は研削仕上
げで、Rmax2〜4μmで転がり接触面としては良好
といえない。すなわち、上述のような厳しい条件の下で
は、カムフォロワのローラとカムとの外径面どうしの接
触部が金属接触を起こしやすくなる。そして、金属接触
を起こした場合には、接触部分が発熱して焼き戻し現象
を生じ、ローラ表面層の残留オーステナイトがマルテン
サイト変態を起こし、寸法の膨張を伴って上記表面の粗
さが助長されることになるので、摩擦による発熱で容易
に焼き付きが起きたり、表面層の軟化により早期にピッ
チングが発生するなどの不都合を生じる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、ローラ
の滑りを伴う転がり接触時などでの表面の摩耗、損傷を
抑制するとともに、ローラの発熱による寸法膨張を抑制
して、長寿命化を図ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、カムに当接さ
せられるローラが支持軸に対して回転自在に支持されて
なるローラカムフォロワにおいて、前記ローラを浸炭鋼
として、その表面硬さをロックウェルC硬さで63〜6
8に設定しているとともに、表面残留オーステナイト量
を13〜30%に設定していることに特徴を有する。
【0008】
【作用】本発明では、ローラの表面部分を適度な硬度と
しながら、この表面部分に適度な靭性を持たせてかつ残
留オーステナイトがマルテンサイト変態しにくい安定な
構造となるように工夫しているから、特にローラが滑り
を伴う転がり接触となるような状況においてもローラの
表面の摩耗や損傷が抑制されるようになるとともに、ロ
ーラ表面が発熱して焼き戻り現象を生じるような状況に
おいても、寸法膨張が抑制されて焼き付きやピッチング
が発生しにくくなる。
【0009】そして、ロックウェルC硬さ(HRC)6
3未満の場合には表面硬さが十分でなく、異物をかみ込
んだ際あるいは潤滑条件が悪化して昇温による軟化が進
んだ場合に表面に傷がつきやすくなって剥離起点となり
やすく、またピッチングも生じやすくなり、耐摩耗性が
低下して軸受寿命が短くなる。その一方で、HRC68
を越えると表面硬さは十分であるものの靭性が低下す
る。このような観点から、HRCの臨界値を特定してい
る。
【0010】残留オーステナイト量(γR)が13%未
満であると靭性が著しく低下することが原因で亀裂進展
速度が速くなって寿命が低下する。その一方で、残留オ
ーステナイトが30%を越えると発熱した際にマルテン
サイト変態を伴い寸法の著しい膨張を生むために、表面
粗さが助長されて焼き付きが起きやすくなる。このよう
な観点から、γRの臨界値を特定している。
【0011】
【実施例】本発明の詳細を図1ないし図3に示す実施例
に基づいて説明する。まず、ローラカムフォロワの利用
例を説明する。図1はOHV型式エンジンの動弁機構の
概略構成図、図2はOHC型式エンジンの動弁機構の概
略構成図である。
【0012】図1の例では、カム軸1のカム1aにより
プッシュロッド2を上下動させることによりその上端と
連動するロッカアーム4を揺動させて、このロッカアー
ム4の揺動でバルブ5を開閉動作させるようになってお
り、ロッカアーム4の下端のラッシュアジャスタ6の下
部にローラカムフォロワ7が設けられている。
【0013】図2の例では、カム軸1のカム1aにより
直接的にロッカアーム4を揺動させて、このロッカアー
ム4の揺動でバルブ5を開閉動作させるようになってお
り、このロッカアーム4の端部にローラカムフォロワ7
が設けられている。
【0014】なお、これらのローラカムフォロワ7にお
いて、そのローラ7aを支持軸8に針状ころ軸受などの
転がり軸受を介して転がり支持させてもよいし、また、
ローラ7aを支持軸8に直接的に嵌めてすべり支持させ
てもよい。
【0015】本発明の特徴構成を説明する。ローラカム
フォロワ7のローラ7aの素材を浸炭鋼とし、その表面
硬さをロックウェルC硬さ(HRC)で63〜68に設
定しているとともに、表面残留オーステナイト量
(γR)を13〜30%に設定している。ここでの表面
とは、最表面から深さ約50μmまでの部分を言う。浸
炭鋼としては、例えばSCr420H、SCM420
H、SNCM220H、SNCM420H、SNCM8
15や、SAE4320、SAE5120などが挙げら
れる。
【0016】このような特徴構成を有するローラ7a
は、浸炭鋼に対して浸炭焼き入れ処理、予備焼き戻し処
理、サブゼロ処理、本焼き戻し処理といった一連の熱処
理を施すことにより製作することができる。具体的に、
図3のグラフに示すように、例えばまず最初に、SAE
5120材から所定形状に成形したローラ母材に対して
930℃で5時間保持して浸炭を行った後に850℃の
焼き入れ温度に降温して0.5時間保持する浸炭焼き入
れ処理を行い、この後、120℃で1時間保持した後に
空冷する予備焼き戻し処理を行い、続いて、−70℃で
2時間保持するサブゼロ処理を行い、最後に、160℃
で2時間保持した後に空冷する本焼き戻し処理を行う。
このようにして得たローラの外径面を研削して超仕上げ
を施す。このようにして得られるローラの表面のHRC
は65、γRは25%となり、寿命的には一般的な軸受
鋼から製作したものの約9倍以上も伸びる。なお、所望
のHRCとγRの関係に応じて、前述の各処理の諸条件
が調整される。
【0017】ところで、ローラカムフォロワ7のローラ
7aの構成を前述のように特定した理由を、寿命試験に
よる結果(表1)に基づいて説明する。この試験に用い
た実機試験エンジンは、OHCIエンドピポッド型ロッ
カアーム、運転試験条件はエンジン回転数8000rp
m、エンジンオイル温度125℃で、ロッカアームのロ
ーラ7aの寸法は外径φ17mm×幅7.5mm×ロー
ラ内接径φ8.3mmであり、表面粗さを0.08μm
Raとしている。判定としては、200時間後にローラ
7aの外径面にピーリング損傷の有無を確認することに
より行っており、有る場合は○、無い場合は×としてい
る。次頁表1に示すように、実質的に、ローラ7aのH
RCを63.0〜68.0、γRを13〜30%とすれ
ば、長寿命となることが明らかとなった。また、表面硬
さとしては実用上HRC64以上に設定するのが望まし
い。
【0018】
【表1】
【0019】このように、ローラ7aの表面硬さを比較
的硬く設定しながらも、その表面部分の残留オーステナ
イトを調整することにより発熱時に残留オーステナイト
がマルテンサイト変態しにくい安定な構造にできる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ローラの表面部分を適
度な硬度としながら、この表面部分に適度な靭性を持た
せてかつ残留オーステナイトがマルテンサイト変態しに
くい安定な構造となるように工夫しているから、特にロ
ーラが滑りを伴う転がり接触となるような状況において
もローラの表面における摩耗、損傷抑制効果が従来に比
べて著しく向上するとともに、ローラ表面が発熱して焼
き戻し現象を生じるような状況においても、寸法膨張が
抑制されて焼き付きやピッチングが発生しにくくなる結
果となり、長寿命化を達成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラカムフォロワの利用例を示す説
明図。
【図2】本発明のローラカムフォロワの他の利用例を示
す説明図。
【図3】ローラに対する熱処理工程を示すグラフ。
【符号の説明】
1a カム 7 ローラカムフ
ォロワ 7a ローラ 8 支持軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムに当接させられるローラが支持軸に
    対して回転自在に支持されてなるローラカムフォロワで
    あって、 前記ローラが浸炭鋼よりなり、その表面硬さがロックウ
    ェルC硬さで63〜68に設定されているとともに、表
    面残留オーステナイト量が13〜30%に設定されてい
    る、ことを特徴とするローラカムフォロワ。
JP19727793A 1993-08-09 1993-08-09 ローラカムフォロワ Pending JPH0754616A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1555397A1 (en) * 2004-01-13 2005-07-20 Koyo Seiko Co., Ltd. Rocker arm and method of manufacturing the same
DE10238252B4 (de) * 2001-08-22 2014-08-07 Ntn Corp. Nockenstößel mit Rolle

Cited By (3)

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