JPH075401B2 - 建材の保護膜形成法 - Google Patents

建材の保護膜形成法

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JPH075401B2
JPH075401B2 JP16466486A JP16466486A JPH075401B2 JP H075401 B2 JPH075401 B2 JP H075401B2 JP 16466486 A JP16466486 A JP 16466486A JP 16466486 A JP16466486 A JP 16466486A JP H075401 B2 JPH075401 B2 JP H075401B2
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concrete
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信次郎 吉田
義和 遊垣
稔 太田
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日本ユニカー株式会社
義和 遊垣
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は建材の保護膜形成法に関するものである。
〔従来の技術〕
無機質の建材、例えば、コンクリート、モルタル、スレ
ート、ALC、レンガ、瓦等は、水ばかりでなく、外気に
も曝されるため、腐食性物質、例えば亜硫酸ガス、二酸
化窒素塩分等が建材に深く浸透すると、その痛みは激し
くなる。
特に、鉄筋コンクリート構造物においては、鉄筋はコン
クリートの高いアルカリ性雰囲気によって防錆保護され
ているが、長時間、水および腐食性物質に曝されると、
コンクリート自体が中性化され、鉄筋に錆が生じる。こ
の鉄錆の体積膨張によって、コンクリートに亀裂が入
り、亀裂部から水および腐食性物質が、より容易に、よ
り深く浸入して、錆の発生をさらに促進させる。この繰
り返しによって、コンクリート構造物は順次破壊され、
構造物としての用をなさなくなり、時として人身事故等
のおおきな災害を招きかねない。
このような問題に対処するため、従来より種々の建材の
保護処理が試みられている。その一つとしてシリコーン
系保護剤による建材の保護膜形成法が知られている。例
えば、ジメチルポリシロキサンオイル、その溶液または
そのエマルジョン、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ンオイル、その溶液またはそのエマルジョン、オルガノ
シランとケイ酸の縮合物等の保護剤を建材の表面に塗布
する方法がそれである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらの方法では、塗布した保護剤と建材とが
何ら化学的結合をしないし、親和性もないので、建材の
表面に保護剤の皮膜が形成されるに過ぎなかった。この
ため、建材に充分な撥水性と防食性を附与できず、した
がって耐久性を附与できなかった。
これらの問題点を解決するものとしては、すでにケイ酸
塩化合物系保護剤が提案されている。これらのうち、耐
水性が最も良好とされるケイ酸リチウムは亜硫酸ガスな
どの腐食性ガスと容易に反応するので、無機質系建材を
保護するには有効である。しかし、アルカリ性が強く、
かつ有機物質との親和性に乏しいため、有機化合物であ
る埋め戻し材の剥離を促すという問題があった。このた
め、上記問題点はなお解決されなかった。
この発明はこのような従来の問題点を解決するためにな
されたもので、建材に充分な撥水性と防食性を附与して
建材に耐久性をもたせ、かつ、建材の強度を向上させる
建材の保護膜形成法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る建材の保護膜形成方法は、コンクリート
表面に、式:R1nSi(OR24-n(但し、R1はメチル、エチ
ル、アミル、フェニル、ビニル、R2はメチル、エチル、
プロピル、ブチル、アセチルであり、nは1または2ま
たは3である。)で表わされるオルガノアルコキシシラ
ンまたはオルガノアセトキシシランの少なくとも一種
類、ケイ酸リチウムおよび他のケイ酸塩化合物の少なく
とも一種、およびアルカリ性水溶液に可溶な金属酸化物
を含有す保護剤を塗布し、さらに、その保護剤の上にオ
ルガノアルコキシシランまたはオルガノアセトキシシラ
ンを塗布することを特徴とするものである。
上記オルガノアルコキシシランまたはオルガノアセトキ
シシラン(以下オルガノシランという。)は、ガス透過
性被覆層を成形する物質として有用であり、具体的に
は、CH3Si(OCH3、CH3Si(OC2H5、(CH32Si
(OCH3、C2H5Si(OC2H5、n-C5H11Si(OC2H5
、C6H5Si(OC2H5、CH=CHSi(OCH3、CH2=CH
Si(OC2H5、CH2=CHSi(OCOCH3等である。
このオルガノシランは水溶液としての保護剤の中に少な
くとも1種類2〜20部含有することが好ましい。オルガ
ノシランが少ない場合は被覆性が劣り、他方20部を超え
る場合は水溶性としての安定性が悪く、ボットライフが
短くなり実用に供せなくなるからである。
上記ケイ酸塩化合物としては、腐食性ガスを捕捉して不
溶化するケイ酸リチウムの他に、アルカリ性を附与し、
かつ建材と親和性を有するものが好ましく、このような
化合物の例として、例えばケイ酸カリウム、ケイ酸ナト
リウム等の水溶性化合物が挙げられる。このケイ酸リチ
ウムおよび他のケイ酸塩は水溶液としての保護剤の中に
併せて2〜20部含有することが好ましい。これらケイ酸
塩化合物が少ない場合は建材との親和性に欠け、多過ぎ
る場合にはオルガノシランの被覆性を悪くするからであ
る。
上記金属酸化物としては、アルカリ性水溶液に可溶な酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化チタ
ン、酸化タングステン等が使用可能であるが、建材との
親和性、経済および無害性等を考慮すると、酸化アルミ
ニウムまたは酸化チタンの使用が好ましい。金属酸化物
は水溶液としての保護剤の中に0.5〜15部含有すること
が好ましい。金属酸化物が少ない場合、被覆性を悪化さ
せ、他方多過ぎる場合は、オルガノシランのゲル化を促
進し、ポットライフを低下させるからである。
この発明の保護剤を得るには、例えば中性または弱酸性
の水にオルガノシランを均一に溶解し、これにケイ酸塩
化合物を添加溶解する。ケイ酸塩化合物が溶解し難い場
合は、あらかじめオルガノシラン水溶性を水酸化カリウ
ム等でアルカリ性とした後、添加するとよい。ケイ酸塩
を溶解した後、水溶液をpH11〜12のアルカリ性に調整
し、次いで金属酸化物を溶解する。この場合、アルカリ
性に急激に変化させることが好ましい。各成分を溶解す
る際に発熱が認められるが、水温を30℃以下に保ち、か
つオルガノシランを均一に溶解させることが望ましい。
この発明の保護剤は、前記必須成分の他に必要に応じて
他の添加物を加えることができる。
本発明の保護剤は、塗布または被覆等の通常の方法によ
り無機質系建材または有機質系建材である埋め戻し材
(以下建材という。)に使用することができる。塗布す
る方法が簡便なので望ましい。建材に塗布する方法とし
ては、ハケ、ローラー、スプレー等の常用されている方
法を用いることができるが、均一に充分塗布することが
必要である。また、乾燥は自然乾燥で充分であるが、乾
燥が早すぎると、無機質系建材の場合、保護剤が充分に
浸透せず、予定通りの効果が発現できない場合もあるの
で、直射日光により加熱された夏場には施工面に水打ち
等を行い、冷却することが望ましい。
〔作用〕
この発明における保護剤は、建材の細孔に浸入して建材
と化学結合し、これを液体としての水が滞留しないよう
にして、水が建材の細孔に滞留することによって生ずる
アルカリ骨材反応の進行を抑制する。
また、保護剤中のケイ酸塩化合物は、例えば、ケイ酸リ
チウムのように、建材の細孔に浸入しようとする腐食性
ガスを捕捉して不溶化する。さらに、例えば、ケイ酸カ
リウム、ケイ酸ナトリウム等の水溶性化合物は、建材に
アルカリ性を附与するし、建材と保護剤との親和性を増
す。上記保護膜は、このようにして建材に防食性を附与
する。
一方、保護剤は、ガス透過性被覆層を形成するのに有効
に作用するので、建材に塗布したときは、その表面にガ
ス透過性を有する保護膜を形成し、建材からの水離れを
可能にする。しかし、この保護膜は、なお、液体として
の水を透過させる程度のガス透過性を有するから、この
膜を通過した液体としての水は建材の細孔に滞留し、ア
ルカリ骨材反応を進行させる可能性がある。
この発明において塗布されるオルガノアルコキシシラン
またはオルガノアセトキシシラン(以下オルガノシラン
という。)は、このような液体としての水が保護膜を透
過するのを防止して、気体としての水のみを透過させ、
コンクリートに撥水性を付与する。これは、上記オルガ
ノシランが保護膜の細孔に浸透することにより、この細
孔が気体としての水を透過させる程度の微細な孔になる
ためである。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を説明する。
(1)保護剤の調製 水59重量部に、オルガノシランとしてメチルトリメトキ
シシラン10重量部とフェニルトリエトキシシラン3重量
部とビニルトリアセトキシシラン5重量部を撹拌しなが
らゆっくりと添加した。
水溶液が均一透明になったところで、水溶性ケイ酸リチ
ウム12重量部とケイ酸ナトリウム6重量部を添加し、均
一になるまで撹拌した後、水酸化ナトリウムでpHを12に
調製した。さらに、酸化アルミニウム5重量部を添加し
て、均一な透明液体を得た。この液体は長期保存に対し
て安定であった。
(2)コンクリートへの塗布 前記方法によって調製した保護剤を、材令10年のコンク
リート(50×50×120mm)全面に250ml/m2の割合で均一
に塗布し、12時間後さらにその上にメチルトリメトキシ
シランとメチルトリエトキシシランの混合物の50%トル
エン溶液を塗布した後、室内(20〜25℃)で7日間養生
した。
この検体について、処理後7日のpH、処理後60日の引張
り強度、水中に24時間浸漬後の吸水率およびコンクリー
トの細孔充填率(無処理コンクリートの細孔の変化)に
ついて調べたところ表1のとおりであった。
比較のために、ブランク(無処理)のコンクリートと、
保護剤のみを同じ要領で塗布して養生したコンクリート
と、オルガノシランのみを同じ要領で塗布して養生した
コンクリートについて行った。試験結果も表1に示し
た。
表1から明らかなように、コンクリートの細孔は可成り
充填されるので、これらの細孔に液体としての水が滞留
する度合は可成り軽減される。これは吸水率から見ても
明らかである。したがって、アルカリ骨材反応の進行が
抑制されるであろうことは充分に推察される。
また、特に保護剤の塗布によってコンクリートの強度が
向上していることが判る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、保護剤の上に
さらにオルガノシランを塗布するようにしたから、建材
に充分な撥水性と防食生を附与して建材に耐久性をもた
せることができ、かつ、建材の強度を向上させることが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 太田 稔 大阪府大阪市東区伏見町5丁目1番地 菱 和産資株式会社大阪支店内 (56)参考文献 特開 昭50−33215(JP,A) 特開 昭61−109868(JP,A) 特開 昭57−57777(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質系建材の表面に、式:R1nSi(OR2
    4-n(但し、R1はメチル、エチル、アミル、フェニル、
    ビニル、R2はメチル、エチル、プロピル、ブチル、アセ
    チルであり、nは1または2または3である。)で表わ
    されるオルガノアルコキシシランまたはオルガノアセト
    キシシランの少なくとも一種類、ケイ酸リチウムおよび
    他のケイ酸塩化合物の少なくとも一種、およびアルカリ
    性水溶液に可溶な金属酸化物を含有する保護剤を塗布
    し、さらに、その保護剤の上にオルガノアルコキシシラ
    ンまたはオルガノアセトキシシランを塗布することを特
    徴とする建材の保護膜形成法。
JP16466486A 1986-07-15 1986-07-15 建材の保護膜形成法 Expired - Lifetime JPH075401B2 (ja)

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