JPH0753368B2 - 生コンクリートの骨材冷却装置 - Google Patents

生コンクリートの骨材冷却装置

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JPH0753368B2
JPH0753368B2 JP34787691A JP34787691A JPH0753368B2 JP H0753368 B2 JPH0753368 B2 JP H0753368B2 JP 34787691 A JP34787691 A JP 34787691A JP 34787691 A JP34787691 A JP 34787691A JP H0753368 B2 JPH0753368 B2 JP H0753368B2
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Sumitomo Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
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SEIA CO., LTD.
Sumitomo Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷却生コンクリート
に使用される骨材の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生コンクリートは、練上がり温度を低く
することが要求される。特に、日中気温が25℃を超え
る暑中コンクリートは、冷却することによって、硬化後
の特性を改善できる。
【0003】温度が高くなる暑中コンクリートは、 スランプが低くなり、 ひび割れが発生し、 強度が低下する欠点がある。
【0004】生コンクリートのスランプは、水が蒸発す
ると低下する。例えば、練上がり温度が30℃のとき
に、スランプ18cmの生コンクリートを、トラックアジ
テータで1時間程度運搬すると、スランプは約6cm低下
する。また、生コンクリートは、水の添加量を同じに調
整しても、練上がり温度が高くなるに従って、スランプ
が低下する。スランプが低下した生コンクリートは、打
ち込みが難しくなる。スランプが低下した生コンクリー
トは、セメントペーストを添加して練り直す必要があ
る。
【0005】生コンクリートの硬化時における内部発熱
は、ひび割れの原因となる。困ったことに、コンクリー
トが硬化する水和反応は、発熱反応である。内部で発熱
すると、コンクリートの内部と外表面とで温度差ができ
る。暖められた内部は熱膨し、冷却された外表面は、収
縮してひび割れを発生する。
【0006】コンクリートのひび割れは、あらゆる用途
において著しい弊害をもたらす。特に、ダム、海中に設
置される橋脚、原子炉の隔壁等の場合は致命的な欠点と
なる。さらに、暑中コンクリートは、硬化時の強度が低
下する。
【0007】生コンクリートを冷却することによって、
これ等の弊害を解消できる。冷却された生コンクリート
の製造装置として、添加する水を冷却する装置が開発さ
れている。しかしながら、添加水を冷却しても、生コン
クリートの温度をそれほど低くできない。それは、生コ
ンクリートに添加する水の量が、生コンクリート全体の
4〜6%に過ぎないことが理由である。
【0008】また、生コンクリートに添加するセメント
を冷却する装置も開発されている。この装置は、セメン
トに液化窒素ガスを吹き込んみ、気化熱でセメントを強
制冷却している。この装置は、セメントに水を添加しな
いで冷却できる特長がある。しかしながら、ランニング
コストが著しく高い欠点がある。それは、高価な液化窒
素ガスの消費量が多いことが理由である。このため、こ
の装置は、特別な生コンクリートにしか使用できない。
【0009】コンクリートに添加される材料で、最も重
量比の大きいのは骨材である。骨材を冷却することは、
生コンクリートの温度を低下するのに効果が高い。この
ことを実現するために、骨材を冷却する装置が開発され
ている。骨材を冷却する装置として、骨材を、表面水の
気化熱で冷却する装置が開発されている(特開昭57−
188317号公報)。
【0010】
【従来技術の課題】この装置は、骨材を密閉タンクに入
れ、密閉タンクを真空にして水分を強制的に蒸発させ、
水の気化熱で骨材を冷却している。この装置は、大きな
圧力タンクと、大容量の真空ポンプを必要とし、設備コ
ストが高くなる。また、骨材を連続的に冷却できない欠
点もある。
【0011】更に、骨材に、液化窒素ガスを吹き付けて
冷却する装置も開発されている(特開昭63−1560
45号公報、特開平1−26407号公報、特開平1−
26408号公報)。これ等の装置は、水を添加しない
で骨材を冷却できる特長がある。また、骨材を低温に冷
却できる特長もある。しかしながら、これ等の装置は、
ランニングコストが高く、特別の用途にしか使用できな
い。
【0012】本発明者は、従来のこれ等の欠点を解決す
ることを目的に、冷水で骨材を冷却する装置を開発し
た。この装置は、骨材を冷水に浸漬して冷却する。骨材
を連続移送して冷却するために、この装置は搬送コンベ
アを備えている。搬送コンベアは冷却水槽内を通過し、
冷却水槽には0℃に近い冷水を循環させている。ところ
が、この装置は、極めて大容量の冷却チラーを必要とす
る。それは、重い骨材を、限られた時間内に多量に冷却
する必要があるからである。
【0013】ちなみに、1m3の骨材を、31℃から3
℃に冷却するには、約6700kcalの熱を奪う必要
がある。このため、1時間に200m3の生コンクリー
トを供給する装置は、130万kcalの熱エネルギー
を奪う必要がある。
【0014】100万kcal以上もの熱容量の冷却チ
ラーは、極めて大型で設備コストが著しく高い。さらに
困ったことに、冷却を必要とする生コンクリートは、ダ
ムや橋脚等の大型のプラントを構築するもので、時間当
りの生コンクリート打設量が多く、大容量の冷却チラー
を必要とする。
【0015】さらにまた、大型プラントの構築に使用さ
れる生コンクリートには、大粒の骨材を使用する。大粒
の骨材は、冷水に浸漬されて内部まで冷却されるのに時
間がかかる。骨材の冷却に時間がかかることは、装置を
大型化させる。このため、骨材の冷却装置は、骨材を冷
水に浸漬する装置と、冷水を冷却する冷却チラーとに極
めて大型の設備を必要とし、設備コストが高く、また、
ランニングコストも高くなる欠点があった。
【0016】本発明者は、この欠点を解決するために、
図1に示す生コンクリートの骨材冷却装置を開発した
(特願平2−184921号)。この装置は、夜間に、
骨材収納タンクに冷水を循環させることによって、骨材
収納タンクに収納した骨材を予冷却する。予冷却した骨
材は、使用時に更に骨材冷却槽で冷却する。この装置
は、夜間に骨材を予冷却するので、小型の冷却チラー4
で多量の骨材を低温に冷却できる特長がある。しかしな
がら、骨材収納タンク1で骨材を冷却した冷水を保水タ
ンク2に蓄えて冷却チラー4に循環するので、大容量の
保水タンク2を必要とする。さらに困ったことに、骨材
収納タンク1に蓄えられる骨材は、冷水によって表面に
付着する土砂が洗い流される。骨材から分離された土砂
は冷水に混合される。このため、保水タンクの底には多
量の土砂が堆積し、これの処理に手間がかかる欠点があ
った。
【0017】この発明はさらにこの欠点を解決するため
に、骨材冷却層3を保水タンクに併用することによっ
て、大容量の保水タンクを省略したもので、この発明の
重要な目的は、設備全体を小型化して多量の骨材を能率
よく冷却でき、さらに大粒の骨材を内部まで充分に冷却
できる生コンクリートの骨材冷却装置を提供するにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の生コンクリー
トの骨材冷却装置は、前述の目的を達成するために、下
記の(a)ないし(d)の構成を備えている。 (a) 骨材冷却装置は、夜間に骨材を収納して冷却す
る骨材収納タンク1と、冷水を蓄えて骨材を冷却する骨
材冷却槽3と、骨材収納タンク1と骨材冷却槽3とに冷
水を供給する冷却チラー4と、冷水を強制的に循環させ
る循環ポンプ15とを備えている。 (b) 冷却チラー4は、冷水を冷却して、骨材冷却槽
に蓄える。 (c) 骨材冷却槽3の冷水は、生コンクリートとして
使用される前に、ここに供給される骨材を冷却する。 (d) 骨材冷却槽3に蓄えられる冷水は、夜間に骨材
収納タンク1に循環され、骨材収納タンク1に蓄える骨
材を冷却する。
【0019】
【作用】この発明の生コンクリートの骨材冷却装置の動
作を、この発明の好ましい実施例を示す図2、図4、図
5に基づいて説明する。 骨材収納タンク1に、1日の使用量以上の骨材を供
給する。 骨材冷却槽3に、所定のレベルまで水を入れる。 循環ポンプ15と、冷却チラー4とを運転して、骨
材冷却槽3に充填された水を冷却して骨材冷却槽3に蓄
える。 夜間になると、骨材冷却槽3の冷水を骨材収納タン
ク1に循環して、骨材収納タンク1に蓄える骨材を冷却
する。
【0020】この状態で、骨材収納タンク1に供給され
た冷水は、骨材の間を流下してこれを冷却し、下端の排
水口から流下して、骨材冷却槽3に流入される。この状
態で、夜間に、骨材収納タンク1内の骨材を所定の温度
まで冷却する。この工程において、骨材は、生コンクリ
ートの練り込み温度まで冷却する必要はない。それは、
使用直前に、骨材冷却槽3で骨材をさらに冷却して生コ
ンクリートに混練りするからである。
【0021】 昼間、骨材を生コンクリートに混練り
するときに、骨材収納タンク1への冷水の循環を停止す
る。この状態では、骨材冷却槽3の冷水は、骨材収納タ
ンク1に循環させない。 骨材収納タンク1で予冷却された骨材を、骨材冷却
槽3に供給してさらに冷却する。 骨材冷却槽3で設定温度まで冷却された骨材は、こ
こから取り出されて、生コンクリートに混練りされる。 1日の生コンクリートの混練り作業が終了した後、
骨材収納タンク1に骨材を補給する。骨材収納タンク1
に供給された骨材は、再び夜間に予冷却され、昼間にこ
こから搬出されて生コンクリートに混練りされる。その
後、〜の工程を繰り返して、冷却した骨材を生コン
クリートプラントに供給する。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。但し、以下に示す実施例は、この発明の技術思
想を具体化する生コンクリートの骨材冷却装置を例示す
ものであって、この発明の装置は、構成部品の材質、形
状、構造、配置を下記の構造に特定するものでない。こ
の発明の装置は、特許請求の範囲に記載の範囲に於て、
種々の変更が加えられる。更に、この明細書は、特許請
求の範囲が理解し易いように、実施例に示される部材に
対応する番号を、特許請求の範囲に示される部材に付記
している。ただ、特許請求の範囲に記述される部材を、
実施例に示す部材に特定するものでは決してない。
【0023】図2に示す生コンクリートの骨材冷却装置
は、骨材を収納して冷却する骨材収納タンク1と、冷水
を蓄えると共に、骨材を冷却する骨材冷却槽3と、骨材
収納タンク1と骨材冷却槽3とに冷水を供給する冷却チ
ラー4と、冷水の循環ポンプ15とを備えている。
【0024】冷却チラー4は、骨材収納タンク1または
骨材冷却槽3の何れかに冷水を供給する。従って、冷却
チラー4の流出側は2分岐されている。
【0025】冷却チラー4の流出側の分岐路には、切換
弁5A、5Bが接続されている。すなわち、冷却チラー
4は、切換弁5Aを介して骨材収納タンク1に、切換弁
5Bを介して骨材冷却槽3に連結されている。
【0026】冷却チラー4の吸入側は、循環ポンプ15
を介してクッションタンク24に連結されている。クッ
ションタンク24は、骨材冷却槽3と循環ポンプ15と
の間に連結され、骨材冷却槽3から排水された冷水を一
次的に貯溜して冷却チラー4に吸入させる。
【0027】切換弁5A、5Bを操作して、冷却チラー
4で冷却された冷水を、骨材収納タンク1と骨材冷却槽
3の何れかに供給する。
【0028】骨材収納タンク1は、1日の使用量以上の
骨材を蓄えることができる容積を有する。骨材収納タン
ク1は、上方に骨材の供給口が開口されている。底に
は、骨材の排出口7が設けられている。排出口7は、冷
水は通過できるが、骨材は通過できないゲート(図示せ
ず)を備えている。ゲートは、骨材を排出するときに開
き、骨材を蓄える状態で閉塞される。
【0029】骨材収納タンク1は、ここに冷水を供給し
て、蓄える骨材を冷却する。従って、骨材収納タンク1
の上部には、冷水を散水する散水管8を水平に配設して
いる。散水管8は、多数の噴射孔が設けられており、噴
射孔から冷水を放出して骨材に散水する。散水管8は、
切換弁5Aを介して冷却チラー4の流出側に連結されて
いる。
【0030】骨材収納タンク1の排出口7の真下には、
冷水受ホッパー9が配設されている。冷水受ホッパー9
は、上方が開口されて、排出口7から流れ出る冷水を受
け取る。冷水受ホッパー9の底には配管が接続され、配
管は、還流ポンプ10を介して骨材冷却槽3に連結され
ている。還流ポンプ10は、冷水受ホッパー9に流下し
た冷水を骨材冷却槽3に送る。
【0031】骨材収納タンク1に供給する水を冷却する
冷却チラー4を、図3に示している。この冷却チラー4
は、冷却用熱交換器11と、コンデンサー12と、膨張
弁13と、コンプレッサー14と、放熱器16とを備え
ている。
【0032】冷却用熱交換器11は、冷媒と冷水との間
で熱エネルギーを交換して冷水を冷却する。この用途に
使用する冷却用熱交換器11には、土砂で汚れた冷水が
循環される。したがって、土砂で汚れた冷水通路を簡単
に清掃できる構造が要求される。冷水の通路に土砂が堆
積すると、熱交換効率が低下するからである。
【0033】図3に示す冷却用熱交換器11は、冷水路
である冷水管17を簡単に清掃できる構造をしている。
この冷却用熱交換器11は、円筒状のケーシングの端板
18を気密に貫通する複数本の冷水管17と、複数本の
冷水管17の端部を連結する冷水室とを備えている。
【0034】冷却用熱交換器11のケーシング22は、
内部に気化室23を備える。気化室23は、冷媒を気化
させる。気化する冷媒は周囲から気化熱を奪い、冷水管
17を冷却する。冷媒の気化室23には、冷媒の流入口
と、排出口とが開口されている。流入口は、膨張弁13
を介してコンデンサー12に、排出口はコンプレッサー
14の吸入側に連結される。
【0035】冷水管17は、両端が端板18を気密に貫
通して、端板18から更に突出している。冷水管17の
端は、ケーシング22の両端にある冷水室19に連結さ
れている。冷水室19は、複数本の冷水管17を、直列
に、あるいは並列に、あるいは又、何本かを並列にした
ものを直列に連結して、冷水管17に冷水等の液体を流
す。
【0036】冷水室19の両側、即ち、冷水管17の延
長線上は、冷水管17内が簡単に清掃できるように、開
閉蓋20で水密に閉塞されている。開閉蓋20は、冷水
室19を水密に密閉できるように、周囲にフランジが設
けられている。フランジは、開閉できるように、ナット
で挟着される。冷水室19には、冷水の流入口と流出口
とが開口されている。
【0037】冷却用熱交換器11には、コンプレッサー
14と、コンデンサー12と、膨張弁13とを連結して
いる。コンデンサー12には、これを冷却して冷媒を液
化させる放熱器16を連結している。
【0038】コンプレッサー14は、冷却用熱交換器1
1から気化した冷媒を吸入して加圧し、コンデンサー1
2に送る。コンデンサー12は、加圧された冷媒を冷却
して液化させる。
【0039】放熱器16は、コンデンサー12を冷却し
て、冷媒を液化させる。放熱器16には、クーリングタ
ワーや空冷の熱交換器が使用できる。
【0040】膨張弁13は、冷却用熱交換器11への冷
媒供給量を調整する。膨張弁13を通って冷却用熱交換
器11に送り込まれた冷媒は、冷却用熱交換器11で膨
張気化されて、周囲から気化熱を奪い、冷水管17を冷
却する。
【0041】循環ポンプ15は、冷却用熱交換器11で
冷却された冷水を、骨材冷却槽3と骨材収納タンク1と
に循環して骨材を冷却する。
【0042】骨材冷却槽3は、上方が開口された細長い
樋状をしている。骨材冷却槽3は、骨材を浸漬して冷却
する。骨材冷却槽3の大きさは、単位時間当りの骨材の
冷却量で決定する。図2に示す骨材冷却槽3は、冷水を
左から右に流し、骨材を右から左に移送する。すなわ
ち、骨材は供給された温度の低い冷水で冷却されて排出
される。
【0043】骨材冷却槽3の底部には冷水を供給する配
管を連結している。冷水を供給する配管は、骨材の排出
側となる骨材冷却槽3の左側に連結されている。骨材冷
却槽3の右側には排水用の配管を連結している。
【0044】排水側の配管は、クッションタンク24を
介して循環ポンプ15に連結されている。クッションタ
ンク24は、骨材冷却槽3から排出された冷水を一時的
に蓄えて、冷却チラー4に供給する。
【0045】骨材冷却槽3には、骨材を移送する搬送コ
ンベア25が配設されている。搬送コンベア25は、骨
材を移送しながら連続的に冷却する。搬送コンベア25
は、多孔性コンベアベルト26を備えている。多孔性コ
ンベアベルト26は、骨材を載せて、骨材冷却槽3の冷
水中に浸漬して移送する。図1において、多孔性コンベ
アベルト26は、骨材冷却槽3の右から左に骨材を移送
する。骨材収納タンク1で予冷却された骨材は、コンベ
ア(図示せず)で骨材冷却槽3に移送する。
【0046】図2に示す生コンクリートの骨材冷却装置
は、切換弁5A、5Bのいずれか片方を開弁し、他方を
閉弁して使用する。骨材収納タンク1の骨材を冷却する
ときは、切換弁5Aを開、切換弁5Bを閉とする。この
状態において、冷水は、冷却チラー4→切換弁5A→骨
材収納タンク1→骨材冷却槽3→クッションタンク24
→循環ポンプ15→冷却チラー4の循環ループに循環さ
せて、骨材収納タンク1に蓄える骨材を冷却する。骨材
収納タンク1から骨材を取り出して生コンクリートとす
る場合、切換弁5Aを閉、切換弁5Bを開とする。この
とき冷水は、冷却チラー4→切換弁5B→骨材冷却槽3
→クッションタンク24→循環ポンプ15→冷却チラー
4の循環ループを循環して、骨材冷却槽3で骨材を冷却
する。
【0047】図2に示す生コンクリートの骨材冷却装置
は、冷却チラーの排出側を2分岐して骨材冷却槽3と骨
材収納タンク1とに連結している。この発明は、骨材収
納タンクの連結位置をこの状態に特定しない。図4に示
す骨材冷却装置は、骨材冷却槽3の排出側に冷水27ポ
ンプを連結し、冷水ポンプ27の吐出側を2分岐して切
換弁5C、5Dを連結している。切換弁5Cは、骨材冷
却槽3とクッションタンク24との間に連結し、切換弁
5Dは骨材冷却槽3と骨材収納タンク1との間に連結し
ている。この骨材冷却装置は、切換弁5Cと並列に骨材
収納タンク1を連結している。
【0048】この生コンクリートの骨材冷却装置は、下
記のようにして使用する。骨材収納タンク1の骨材を冷
却するときは、切換弁5Cを閉、切換弁5Dを開とす
る。この状態で、冷水は、冷却チラー4→骨材冷却槽3
→冷水ポンプ27→切換弁5D→骨材収納タンク1→ク
ッションタンク24→循環ポンプ15→冷却チラー4の
循環ループを循環する。また、骨材収納タンク1の骨材
を冷却しないときは、切換弁5Cを開、切換弁5Dを閉
とする。このとき、冷水は、冷却チラー4→骨材冷却槽
3→冷水ポンプ27→切換弁5C→クッションタンク2
4→循環ポンプ15→冷却チラー4を循環する。さらに
図5に示す装置は、冷却チラー4と骨材冷却槽3と循環
ポンプ15とを直列に接続して閉ループの循環路を構成
し、さらに、冷水ポンプを介して骨材収納タンク1を骨
材冷却槽3に連結している。この装置は、骨材収納タン
ク1の排出側と、骨材冷却槽3との間に、汚水処理タン
ク28を連結している。汚水処理タンク28は、底部に
堆積する土砂を排出する汚水ポンプ29と、ここに流入
する冷水を骨材冷却槽3に供給する強制移送ポンプ30
とを設けている。このように、骨材収納タンク1の排出
側に汚水処理タンク28を設けた装置は、骨材収納タン
ク1から多量の土砂を含む冷水が排出されると、ここか
ら除去できる特長がある。
【0049】
【発明の効果】この発明の生コンクリートの骨材冷却装
置は、骨材を骨材収納タンクに収納して予冷却した後、
使用時には、さらに骨材冷却槽で強制冷却している。こ
のため、小型の骨材冷却槽でもって、多量の骨材を中心
部まで低温に冷却できる特長がある。それは、骨材収納
タンクに蓄えるときに、長い時間かけて骨材を内部まで
予冷却できることが理由である。
【0050】例えば、31℃の骨材を3℃に冷却する場
合、前にも述べたように、200m3の生コンクリート
用骨材の冷却に約130万kcalの熱エネルギーを奪
う必要がある。ところが、骨材収納タンクで骨材を8℃
に予冷却し、骨材冷却槽で3℃に冷却する場合、骨材冷
却槽が200m3の生コンクリート用骨材から奪う熱エ
ネルギーは、わずかに24万kcalと従来の約1/6
に減少する。
【0051】このため、この発明の装置は、骨材を冷水
に浸漬して冷却する時間を極減して、小型の骨材冷却槽
で多量の骨材を冷却できる特長を実現する。
【0052】さらに、骨材収納タンクは夜間に骨材を蓄
えて冷却できる。このため、骨材収納タンク内の骨材
は、時間をかけてゆっくりと冷却できる。ゆっくりと長
時間かけて冷却される骨材は、芯部まで充分に冷却され
る。内部まで予冷却された骨材は、例えば、粒径が20
〜150mmと相当に大きいものであっても、骨材冷却槽
の冷水で短時間で内部まで低温冷却される。
【0053】さらに、この発明の装置は、小型の冷却チ
ラーを使用して、多量の骨材を低温冷却できる特長があ
る。それは、骨材収納タンクに蓄えた多量の骨材をゆっ
くりと冷却し、さらに、骨材冷却槽で低温に冷却するこ
とが理由である。すなわち、骨材収納タンクには多量の
骨材が蓄えられるが、冷却時間が長いので、時間当りの
冷却熱エネルギーは小さくなる。また、骨材冷却槽は、
骨材の冷却時間は短いが、冷却温度差が少ないので冷却
に要する熱エネルギーを少なくして、冷却チラー4の容
量を小型化できる。
【0054】さらにまた、この発明の装置の特筆すべき
特長は、骨材冷却槽を冷水の保水タンクに併用して、大
容量の保水タンクを省略できるとことにある。このた
め、装置全体を小型化して設備コストを低減し、さら
に、実質的な冷水の放熱面積を減少して熱効率を改善で
きる特長がある。
【0055】また、この発明の装置は、深夜の安価な電
力を利用できるので、電力料金を安価にできるという付
随的な特長も実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の生コンクリートの骨材冷却装置の一例を
示す概略断面図
【図2】この発明の一実施例を示す生コンクリートの骨
材冷却装置の概略断面図
【図3】冷却チラーの概略断面図
【図4】この発明の他の実施例を示す生コンクリートの
骨材冷却装置の概略断面図
【図5】この発明の他の実施例を示す生コンクリートの
骨材冷却装置の概略断面図
【符号の説明】
1…………骨材収納タンク 2…………保水タンク 3…………骨材冷却槽 4…………冷却チラー 5A、5B、5C、5D…………切換弁 6A、6B…………切換弁 7…………排出口 8…………散水管 9…………冷水受ホッパー 10…………還流ポンプ 11…………冷却用熱交換器 12…………コンデンサー 13…………膨張弁 14…………コンプレッサー 15…………循環ポンプ 16…………放熱器 17…………冷水管 18…………端板 19…………冷水室 20…………開閉蓋 22…………ケーシング 23…………気化室 24…………クッションタンク 25…………搬送コンベア 26…………多孔性コンベアベルト 27…………冷水ポンプ 28…………汚水処理タンク 29…………汚水ポンプ 30…………強制移送ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 正之 徳島県徳島市国府町中457番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生コンクリートの骨材冷却装置は下記の
    (a)ないし(f)の構成を備えている。 (a) 骨材冷却装置は、骨材収納タンク(1)と、骨材
    冷却槽(3)と、冷却チラー(4)と、循環ポンプ(15)とを備
    えている。 (b) 冷却チラー(4)の流出側は分岐されている。 (c) 冷却チラー(4)流出側分岐路は、切換弁(5A)、
    (5B)を介して、骨材冷却槽(3)と骨材収納タンク(1)とに
    連結されている。 (d) 冷却チラー(4)の吸入側は、骨材冷却槽(3)に連
    結されている。 (e) 骨材収納タンク(1)の排出側は、骨材冷却槽(3)
    を介して冷却チラー(4)の吸入側に接続されている。 (f) 切換弁(5A)が開、切換弁(5B)が閉の状態で、冷
    却チラー(4)は、骨材収納タンク(1)と骨材冷却槽(3)と
    冷水を供給し、切換弁(5A)が閉、吸入側切換弁(5B)が開
    の状態で、骨材冷却槽(3)に冷水を循環させるように構
    成されている。
  2. 【請求項2】 生コンクリートの骨材冷却装置は下記の
    (a)ないし(f)の構成を備えている。 (a) 骨材冷却装置は、骨材収納タンク(1)と、骨材
    冷却槽(3)と、冷却チラー(4)と、循環ポンプ(15)とを備
    えている。 (b) 骨材冷却槽(3)の流出側は分岐されている。 (c) 骨材冷却槽(3)の流出側分岐路は、切換弁(5
    C)、(5D)を介して、冷却チラー(4)と、骨材収納タンク
    (1)とに連結されている。 (d) 冷却チラー(4)の吸入側は、骨材冷却槽(3)と骨
    材収納タンク(1)とに連結されている。 (e) 骨材収納タンク(1)の排出側は、冷却チラー(4)
    の吸入側に接続されている。 (f) 切換弁(5C)が開、切換弁(5D)が閉の状態で、冷
    却チラー(4)は骨材冷却槽(3)に冷水を供給し、切換弁(5
    C)が閉、切換弁(5D)が開の状態で、骨材冷却槽(3)と骨
    材収納タンク(1)とに冷水を循環させるように構成され
    ている。
  3. 【請求項3】 生コンクリートの骨材冷却装置は下記の
    (a)ないし(d)の構成を備えている。 (a) 骨材冷却装置は、骨材収納タンク(1)と、骨材
    冷却槽(3)と、冷却チラー(4)と、循環ポンプ(15)と、冷
    水ポンプ(27)とを備えている。 (b) 冷却チラー(4)は、循環ポンプ(15)を介して骨
    材冷却槽(3)に連結されており、冷却チラー(4)と、循環
    ポンプ(15)と、骨材冷却槽(3)とが直列に連結されて冷
    水循環ループが設けられている。 (c) 骨材収納タンク(1)は、冷水ポンプ(27)を介し
    て骨材冷却槽(3)に連結されている。 (d) 冷水ポンプ(27)が運転されると、骨材冷却槽
    (3)の冷水が骨材収納タンク(1)に循環されて骨材収納タ
    ンク(1)の骨材が強制的に冷却されるように構成されて
    いる。
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