JPH0753324Y2 - 宅内表示盤兼用通信コントローラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は宅内表示盤兼用通信コントローラに関し、特
に通信回線に接続していない状態における端末発呼を禁
止するようにしたものに関する。

（従来の技術） 最近では、例えばLPG販売業者とLPG消費先とにセンター
と端末とをそれぞれ設置し、これらの間を電話回線のよ
うな通信回線で結び、該通信回線を介して端末からセン
ターに、センターからの要求に基づいてガス検針データ
を、随時ガス漏れなどの警告情報をそれぞれ通報するよ
うにした検針システムが考えられている。

第３図はガス消費先に設けた端末を示すものであって、
ガス消費先に設置された端末網制御装置１は通信回線２
を介して図示しないセンター側に接続されている。

この端末網制御装置１は、宅内表示盤兼用通信コントロ
ーラ３に信号線４を介して接続されている。

通信コントローラ３は、マイコン内蔵ガスメータ５と信
号線６を介して接続しているほか、図示しないガス警報
器その他のセンサーを接続し、第４図のフローチャート
のステップ１〜４に示すように、これらセンサーおよび
ガスメータ５からの異常信号を受けてこれに設けた表示
部3aに異常を表示すると共に、端末発呼してセンター側
に異常を通報する作業を行う。

センター側では、この警告情報を受けてその内容に応じ
た適切な処置を迅速に行う等の業務を実行する。

ところで、この種のシステムでは、ガス消費先が必ずし
も通信回線を介してセンター側に接続することを望むわ
けではなく、通信コントローラを宅内表示盤としてのみ
使用したいという場合がある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、この構成の表示盤兼用通信コントローラ
にあっては、以下の欠点があった。

すなわち、このコントローラによれば、異常通報手段が
内蔵されており、異常が発生すると自動的に通信回線側
に対して発呼動作を行うことになり、通信回線を接続し
ていない場合には断線によるエラーが発生して、そのま
まの状態では宅内表示盤として使用できなかった。

この考案は以上の欠点を改良し、宅内表示盤単体として
も、また兼用の通信用コントローラとしても使用できる
ようにした宅内表示盤兼用通信コントローラを提供する
ことを目的とする。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、この考案は、中央処理装置を
有し、ガスメータ等のセンサーからの信号をその内容に
応じて表示する表示部を有し、前記信号をその内容に応
じて通信回線を介してセンター側に通信する通信手段を
有する宅内表示盤兼用通信コントローラにおいて、前記
中央処理装置は、前記通信回線を接続するか否かを設定
する設定手段を内蔵していると共に、この設定手段の設
定状態が通信回線を接続していない状態であればセンタ
ー側への通信を禁止する通信禁止手段を内蔵しているこ
とを特徴としている。

（作用） 以上の構成によれば、通信回線を接続するか否かを設定
手段で設定することができ、この通信回線の設定状態に
より、通信回線が接続されているか否かの判断がなされ
る。そして、設定手段の設定状態が通信回線を接続した
状態であれば、センサーからの信号がその内容に応じて
センター側に通信されるとともに、表示部にも表示され
ることになる。また、設定手段の設定状態が通信回線を
接続していない状態であれば、通信禁止手段によりセン
ター側への通信が禁止され、表示部のみに表示されるこ
とになる。

また将来、センターを利用する場合には、通信回路を接
続するとともに、設定手段を接続状態に設定することに
より、センターへの通信が即座に行えるようになる。

さらに、設定手段は中央処理装置に内蔵されているか
ら、使用者側が任意に設定することができず、従って使
用者側の設定ミスにより、例えば通信回線を接続してい
るにもかかわらず、ガス漏れ等の信号がセンター側に伝
わっておらず、これにより大事故になるというような不
具合を未然に防ぐことができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。

第１図はこの考案を適用した宅内表示盤兼用通信コント
ローラのシステムの構成を示すものである。

図において、20はRAM,ROM,タイマー，レジスタを内蔵し
たCPU（中央処理装置）であり、ROMに格納されている制
御プログラム、RAM,レジスタに格納しているデータ、タ
イマーによる計時等に基づいて動作する。

該CPU20の入出力ポートIO₁にはNCU用インターフェース
（I/F）（通信手段）20bを介してANR−NCU（センター網
制御装置）が接続されるようになっている。

入出力ポートIO₂にはガスメータ用インターフェース（I
/F）20cを介してガスメータの入出力端が接続されるよ
うになっている。

また入力ポートI₁には無電圧／有電圧判別回路20dを介
してガス警報器が接続され、入力ポートI₂には接点入力
判別回路20eを介してLPGボンベ交換情報スイッチ、米び
つセンサー等がそれぞれ接続されるようになっている。

出力ポートO₁には表示回路20fが接続されており、表示
回路20fは４つのLED（表示部）L₁〜L₄をそれぞれの状態
に応じて点灯または消灯させる。

CPU20は前記ROMに格納された制御プログラムおよびRAM,
レジスタなどに格納されたデータ内容に基づき、前記入
力ポートからの信号に応じた動作を実行し、所定の出力
状態を得るようになっている。

その内容は、おおむね以下の通りである。

まず（ａ）センターからの呼び出しに応じてガスメータ
にアクセスを与え、該アクセスに応じてガスメータから
伝送されるガス検針データをセンターに伝送する作業、
および（ｂ）ガスメータ、警報器、その他のセンサーか
らの異常信号に基づき、表示回路20fを介して前記各LED
L₁〜L₄を点灯させ、異常状態を表示するとともに、端末
発呼してその異常情報をセンター側に伝送する作業、お
よび（ｃ）異常状態の内容に応じて前記ガスメータに内
蔵されている遮断弁に駆動司令を与え、ガス流路を遮断
させ、異常状態が解除された場合に遮断弁に復帰動作司
令を与え、ガス流路を再度解放させるなどの作業であ
る。

以上の作業内容のうち、CPU20がANR−NCUに接続されて
おらず、単純に宅内表示盤としてのみ使用されているだ
けの場合には、（ａ）の作業は行われず、（ｂ），
（ｃ）の作業のみが行われ、自己完結形のガスセキュリ
ティシステムとして作動する。

ただし、前記（ｂ）の作業過程において、CPU20自体が
端末発呼動作し、これに応じてLEDL₁〜L₄のうちのいず
れかを連続点灯させるのであるが、ここではプログラム
内容として、CPU20には、該コントローラが通信回路側
に接続されているか否かを設定する設定手段と、未設定
の場合、すなわち該コントローラが通信回路側に接続さ
れていない場合に前記端末発呼を禁止する端末発呼禁止
手段（通信禁止手段）が内蔵されている。

この設定手段としては、システム管理用のID・NO,端末
発呼するためのセンター向のTEL・NOが使用できる。

したがって、異常状態が発生した状態ではCPU20は第２
図のような処理を実行する。

すなわち、ステップ1,2でセンサーまたはガスメータか
ら異常が検出された場合、ステップ３で設定ずみか否か
の判断がなされ、設定ずみである場合、すなわち該コン
トローラが通信回路側に接続されている場合にはステッ
プ４で端末発呼動作がなされると同時にステップ５で異
常状態の表示動作がなされる。

また、未設定の場合、すなわち該コントローラが通信回
路側に接続されていない場合には単にステップ５で異常
状態の表示動作のみがなされ、次のステップ、例えば遮
断弁の遮断動作司令などの動作、手動または自動復帰時
における異常表示の解除動作などに移行する。

［考案の効果］ 以上実施例によって詳細に説明したように、この考案に
よる宅内表示盤兼用コントローラにあっては、 （イ）通信回線を接続するか否かを設定手段で設定する
ことにより、通信回線が接続されているか否かを判断す
ることができ、 （ロ）設定手段の設定状態が通信回線を接続している状
態であれば、センサーからの信号をその内容に応じてセ
ンター側に通信することができるとともに、表示部にも
表示することができ、 （ハ）また、設定手段の設定状態が通信回線を接続して
いない状態であれば、通信禁止手段によりセンター側へ
通信されることなく、前記信号を表示部のみに表示する
ことができ、 （ニ）将来、通信回線に加入する場合には、通信回線を
接続するとともに、設定手段を、通信回線を接続した状
態に設定することにより、即座にセンターへの通信を可
能にすることができ、 （ホ）設定手段は中央処理装置に内蔵されているから、
使用者側が任意に設定することができず、従って使用者
側の設定ミスにより、例えば通信回線を接続しているに
もかかわらず、ガス漏れ等の信号がセンター側へ送信さ
れず、大事故に発展するというような不具合を未然に防
ぐことがでる。

この結果、通信回線を接続した場合でも、接続しない場
合でも使用することができると共に、将来通信回線に加
入したい場合には即座に通信回線に接続することができ
るから、使用条件の幅を大いに広げることができる。し
かも、設定手段を中央処理装置に内蔵しているから、使
用者側の設定ミスによる事故を未然に防ぐことができる
という顕著な作用効果を奏する。

したがって、この考案にあっては、通信回線に加入して
いない場合であってもこの種のシステムはいわゆる自己
完結形のガスセキュリティシステムとして十分に使用で
き、将来加入する場合にはシステムをそのまま使用で
き、互換性に富む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による宅内表示盤兼用通信コントロー
ラのシステム構成を示す説明図、第２図は同コントロー
ラの異常状態発生時における処理を示すフローチャー
ト、第３図は従来の宅内表示盤兼用通信コントローラを
含むガスセキュリティイステムを示す説明図、第４図は
同システムにおける異常状態発生時における処理を示す
フローチャートである。 20……CPU（中央処理装置） 20b……NCU用インターフェース（通信手段） 20c……ガスメータ用インターフェース 20d……無電圧／有電圧判別回路 20e……接点入力判別回路 20f……表示回路 L₁〜L₄……LED（表示部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中央処理装置を有し、ガスメータ等のセン
   サーからの信号をその内容に応じて表示する表示部を有
   し、前記信号をその内容に応じて通信回線を介してセン
   ター側に通信する通信手段を有する宅内表示盤兼用通信
   コントローラにおいて、 前記中央処理装置は、前記通信回線を接続するか否かを
   設定する設定手段を内蔵していると共に、この設定手段
   の設定状態が通信回線を接続していない状態であればセ
   ンター側への通信を禁止する通信禁止手段を内蔵してい
   ることを特徴とする宅内表示盤兼用通信コントローラ。