JPH0752241B2 - 可変焦点光学素子 - Google Patents

可変焦点光学素子

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JPH0752241B2
JPH0752241B2 JP61088483A JP8848386A JPH0752241B2 JP H0752241 B2 JPH0752241 B2 JP H0752241B2 JP 61088483 A JP61088483 A JP 61088483A JP 8848386 A JP8848386 A JP 8848386A JP H0752241 B2 JPH0752241 B2 JP H0752241B2
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shape
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健 馬場
哲志 野瀬
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敏之 中島
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、焦点距離を可変とした可変焦点光学素子に関
する。
〔背景技術〕
従来、可変焦点レンズとしては、特開昭55−36857に見
られる様な弾性体の容器に液体をつめ、その液圧でその
形状を変化せしめるものや、特開昭56−110403あるいは
特開昭58−85415のように圧電体を使用したものが知ら
れている。しかし、前者のいわゆる液体レンズは、液溜
めや加圧装置が必要で小型化が難しく、また重力や振動
による面変形が大きい欠点があった。また、後者におい
ては焦点距離の可変量が小さいという欠点があった。
これらの欠点を解決したものとして、本発明者は先に第
8図に示すような可変焦点レンズを提案した。第8図に
示す例において、21は透明な弾性体、22はガラス板、23
は側壁、24は開口部24aを有する開口板、21aは開口板4
の開口部24aの内の弾性体21の表面である。
第8図(a)は変形前の初期状態を示し、開口部24a内
の弾性体表面21aはあらかじめ成形された平面あるいは
球面等の所定形状を有する。第8図(a)の状態より第
8図(b)のごとく開口板4を図の矢印Aの向きに移動
させて弾性体21を加圧すると、開口部24a内より弾性体2
2が突出し、開口部24a内の弾性体表面21aは第8図
(a)の状態より曲率の強い面形状に変化する。従って
開口部24a内の弾性体表面21aをレンズ面として用いるこ
とにより可変焦点レンズとして使用できる。この例にお
いては、小型で、小さな外力で大きな焦点距離の可変量
が得られる点で有用である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この第8図に示した素子を実際の光学系内に用いるに
は、第8図(a)に示した素子径aに対し、開口径bを
できるだけ近くとり、レンズ面以外の光学的に不用な部
分を少なくして光学系全体の小型化をはかる必要があ
る。
しかし、開口径bが素子径aに比して充分小さいときに
は弾性体表面21aは球面状に変形するが、開口径bが素
子径aに近くなると弾性体表面21aが周辺部で曲率の強
い、著しい非球面形状に変形する。またこの場合、変形
時の面形状に寄与する弾性体21の物性値は、ポアソン比
のみであり、弾性率は変形時の面形状に寄与しない。従
って弾性体21の材質を変えても変形時の面形状は同様の
傾向をもつ。
本発明の目的は、上記の実情に鑑みてなされたもので、
面形状が常に球面、あるいは所望の非球面形状に保つこ
とが可能な可変焦点光学素子を提供することにある。
〔問題点を解決する手段〕
本発明の可変焦点光学素子は、光軸方向に積層された複
数の弾性体と、開口部を有する変形部材とを有し、前記
変形部材で前記弾性体を変形させることにより前記弾性
体を前記開口部から突出又は沈降させて焦点可変とした
光学素子で、前記弾性体のうち突出側の弾性体の弾性率
を、前記突出側の弾性体に隣り合う弾性体の弾性率より
も大きくしたことを特徴とするものである。
以下に図面を用いて本発明を詳述する。
第1図は本発明の一例を示す断面図である。第8図に示
す例と異なる点は弾性体1が、弾性率の違う2つの弾性
体1−1,1−2より構成されている点である。すなわ
ち、ガラス等で形成された底板2と側壁3とで構成され
た容器内に透明な弾性体1が収納され、弾性体1は光軸
h方向に積層された第1弾性体1−1と第2弾性体1−
2より構成されている。弾性体1の上方には、弾性体1
を変形させる変形部材として開口板4が側壁3に可動自
在に設けられている。開口板4には開口部4aが形成され
ており、開口板4の移動により開口部4a内の弾性体1が
突出あるいは沈降する。第1図は、圧力を加えていない
状態であるが、開口板4を通じて弾性体1に圧力を加え
ると、加えた圧力の大きさにしたがって、弾性体1の一
部が開口部4aより凸レンズ状に突出する。逆に開口板4
を通じて弾性体1に負圧を加えると弾性体1は開口部4a
において凹レンズ状になる。
本発明においては、複数の弾性体からなる弾性体1のう
ち、突出側の第1弾性体1−1の弾性率E1が第1弾性体
1−1と隣り合う第2弾性体1−2の弾性率E2よりも大
きくなるように構成されている。ここで、「突出側」と
は変形部材により弾性体1を加圧していくに従って、弾
性体1の表面が光軸hに沿って突出していく側をいう。
本発明においてはE1>E2であるから、第1図において開
口板4を下方に移動させたとき、弾性体1−2のほうが
大きく変形しようとする。前述した通り、この変形は弾
性体1−2と弾性体1−1の界面を周辺で曲率の強い非
球面形状にしようとする。これに伴って弾性体1−1に
は、弾性体1−2の中央部が盛り上がることによって弾
性体1−1を曲げようとする力と、弾性体1−1の弾性
体1−2との界面の面積を増そうとする力が働くことに
なる。弾性体1−1が薄いときにはその主たる剛性は膜
の伸び剛性である。従ってこのときには弾性体1−1は
できるだけ表面積を小さくしようとし、おおよそ放物面
状に変形しようとする。また弾性体1−1が比較的厚い
ときには、その曲げ剛性によって急激な曲率変化を妨げ
ようとする。
このため弾性体1−1はいずれの場合にも弾性体1−2
とは逆に、周辺部で曲率の弱い非球面形状に変形しよう
とする。従って、弾性体1−1を周辺部で曲率の強い非
球面にしようとする効果と、周辺部で曲率の弱い非球面
にしようとする効果がつりあえば、弾性体1−1の開口
部4a内の表面1aは球面に近い形状を保ったまま変形す
る。
また、弾性体1−1の弾性率を大きくするか、あるいは
厚くしていけば変形時に周辺で曲率の弱い非球面が得ら
れるし、逆に弾性率を小さくするか、あるいは薄くして
いけば周辺で曲率の強い非球面が得られることになる。
従って、弾性体1−1と弾性体1−2の初期形状と弾性
率を適当に選択すれば常に球面あるいは所望の非球面形
状を保ったまま変形する可変焦点光学素子が得られる。
このような初期形状と弾性率の選択は例えば有限要素法
による構造解析プログラムを用いて容易に見出すことが
できる。
突出側の第1弾性体1−1の開口部4a内の表面1aの変形
時の形状は、第1弾性体1−1及び第2弾性体1−2各
々の初期形状とポアソン比、それに第1弾性体1−1及
び第2弾性体1−2の弾性率の比E1/E2により定まる。
第1弾性体1−1、第2弾性体1−2のポアソン比をと
もに通常のゴム弾性体のポアソン比0.45〜0.49程度とし
た場合、開口部4a内の表面1aの変形時の形状を球面に保
つためには、 5<E1t1/E2t2<100 (1) であることが望ましい。ここで、t1,t2はそれぞれ第1
弾性体1−1及び第2弾性体1−2の光軸h上の肉厚で
ある。ただし第1弾性体1−1の厚さが均一でなく、周
辺部で厚い場合には、E1t1/E2t2の望ましい範囲は
(1)式に示す範囲よりもやや狭く、逆に周辺部で薄く
中央部で厚い場合にあはE1t1/E2t2の望ましい範囲は
(1)式に示す範囲よりもやや広くする。
t1,t2の値は、t1≦t2であることが望ましい。t1>t2
あると弾性体1−1の変形に要する力が増大する。ま
た、本発明の可変焦点光学素子を通常のレンズに使用す
る場合、2mm≦t1+t2≦30mm程度である。t1の下限値は
特にないが、あまり突出側の第1弾性体1−1がうすい
と強度が不足したり、成形時にシワ等が生じる場合があ
る。
弾性体1−1,1−2の弾性率E1,E2の絶対値は、変形に要
する力の大きさと、重力や振動による加速度の影響を考
慮して定められる。即ち弾性率E1,E2が大きいと重力な
どの影響はうけにくいが、変形に要する力が増大する。
逆に弾性率E1,E2が小さいと変形に要する力は小さい
が、重力などの影響による変形が大きくなり、また柔ら
かいため成形時に初期形状を精度よく出すことが困難に
なる。
これらの点からE2の値は102〜107(N/m2)であることが
望ましく、さらに望ましくは103〜106(N/m2)である。
弾性率E1の値は、弾性率E2の値と表面1aの変形時の所望
形状より定まる。従って所望形状が球面であるならば弾
性率E1の値は(1)式より定まる。
数値の1例を示す。弾性体は第2図(a)のような形に
あらかじめ形成されており、弾性体6−1,6−2の光軸
h上厚さは各々1mm,4mm、弾性体6−1の開口部4a内の
表面6a及び弾性体6−1と6−2の界面はいずれも無加
圧状態で曲率半径50mmの球面である。素子径aは25mm、
開口径bは20mmで、弾性体6−1,6−2のポアソン比は
いずれも0.47である。
この状態より開口板4と底板2間の距離を△Zだけちぢ
めて第2図(b)の状態にしたとき、弾性体6−1の開
口部4a内の表面6aの形状がどのように変形するかを有限
要素法による構造解析プログラムを用いて調べた。その
結果、弾性体6−1と6−2の弾性率の比をE1/E2=60
(E1=6×105(N/m3),E2=104(N/m2))とした場
合、△Z=0〜0.4mmの範囲で球面からのずれ量は常に1
0μm以下であった。△Z=0.4mmのときの表面6aの曲率
半径は約30.2mmであり、△Zを0〜0.4mmの間で変化さ
せると、弾性体表面6aは曲率半径50〜30.2mmの間でほぼ
球面形状を保ったまま変形することになる。従って弾性
体表面6aを蒸着等により反射面として使用すれば、開口
板4と底板2との間の距離を0.4mm変化させるだけで26
デイオプターの屈折力変化が得られる。また弾性体表面
6aを屈折面として使用すれば、弾性体6−1,6−2の屈
折率を1.5とすると6.6デイオプターの屈折力変化が得ら
れる。
なおこの数値例においては、第2図(b)のように第1
図の側壁3がなく、弾性体6−1,6−2の側面が拘束さ
れない場合を示したが、第1図のように側壁3により弾
性体6−1,6−2の側面が拘束される場合には弾性率の
比E1/E2をやや大きくし、E1/E2=100程度とすることに
より同様に球面形状を保ったまま変形させることができ
る。
次に本発明の他の実施例について説明する。
第3図は2つの弾性体表面7a,7bを共に形状可能とした
場合の例で、7−1,7−2,7−3は各々透明な弾性体であ
り、その弾性率は突出側の弾性体7−1,7−3に隣り合
う弾性体7−2が最も小さい。弾性体7−1の弾性率と
弾性体7−3の弾性率は同じでもよいし、違えてもかま
わない。4−1,4−2は変形部材である開口板であり、
図示例においては、開口板4−1は側壁3に固定されて
おり、開口板4−2は側壁3の内面に沿って光軸h方向
に移動することにより2つの表面7a,7bの形状を同時に
変化させる。開口板4−1及び4−2は両方とも移動可
能に設けてもかまわない。
第4図は、変形部材として開口板を弾性体8内に設けた
場合の例であり、弾性体8−1,8−2の弾性率は、突出
側の弾性体8−1のほうが大きい。開口板9は弾性体8
−1,8−2各々と接着されており、ガラス等の底板2と
開口板9の間隔を変えることにより第2図に示した実施
例と同様にレンズ面を変形できる。
第5図は弾性体10の外周より外力を与える場合の例であ
り、12は円筒形の圧電体素子よりなる側壁であり、印加
される電圧に従って側壁12の内容を伸縮させることによ
り弾性体10の表面10a,10bを変形させる。この実施例で
は、側壁12が変形部材となる。また、突出側の弾性体10
−1,10−3の弾性率は、隣り合う弾性体10−2の弾性率
よりも大きい。
本発明において用いる弾性体としては、天然ゴムや合成
ゴムが使用できるが、大きい弾性変形を容易に得るため
の低弾性率のものが望ましい。また、本発明の光学素子
をレンズとして使用する場合は透明度の良いものが望ま
しい。このような弾性体としてはシリコーンゴムやエチ
レンプロピレンゴムなどが好適である。異なる弾性率を
もつ複数の弾性体を得るにはその架橋度を変化させるの
が有用である。
本発明に用いることのできる弾性体としては、ジエン化
合物、ジエンとその他のビニル化合物との共重合によっ
て合成されたゴム、あるいはこれらをイオウ加硫、パー
オキサイド等によって架橋したものがあげられる。
また弾性体としてエチレンに、α−オレフイン、ジエ
ン、極性基モノ置換ビニル化合物(例えばアクリル酸
類、メタアクリル酸類、スチレン、塩化ビニル、ビニル
エーテル等)及びジ置換ビニル化合物(例えばマレイン
酸類)のうちから1種ないしは数種の化合物を共重合
し、エチレンの結晶化度を著しく減少、もしくは消失さ
せたポリマーがあげられる。
更には弾性体としてポリイソブテン、アタクチツクポリ
プロピレン、可塑剤を著しく混合したポリ塩化ビニル、
2種以上のアクリル酸もしくはアクリル酸エステルの共
重合体、2種以上のアクリル酸誘導体類の共重合体であ
って水あるいは高沸点溶媒を含むものの、シリコンポリ
マー(例えばジメチルシリコン、ジフエニルシリコン
等)、ホスフアゼンポリマー等が挙げられる。
ポリマー以外の弾性体としては、炭化水素をラウリル酸
アルミニウムの様なアルミニウム石けんに溶解させて得
られる弾性液体も好適に用いることができる。弾性体の
弾性率は、分子量、架橋度によって色々と調整すること
ができる。
本発明において用いる弾性体について、更に詳しく説明
する。
弾性機能を有する物質の弾性率を、複素弾性率G、貯蔵
弾性率G′と損失弾性率G″とすると、G=G′+iG″
であらわされる。G′は加えられたエネルギーが内部エ
ネルギーとして系内に貯えられる事に依る項、G″はそ
の時に熱エネルギーとして散逸されることに依る項であ
る。変形回復からすると、G′>G″であることが好ま
しく、G′≫G″0であるものが更に好ましい。
本発明の可変焦点光学素子に使用する弾性体は、例えば
ゴム高分子、高分子溶融体、高分子溶液、高分子ゲルか
らなるグループから選ばれたものが好ましい。本発明の
可変焦点光学素子では、これらの弾性体のうちの同種、
又は異種の弾性体を組合せて使用する。
弾性体の弾性率は、上記の物質の架橋度、架橋点間分子
量、分子量、高分子の溶液濃度等で変えられる。弾性力
の発現は分子鎖と分子鎖を化学的結合させて架橋する。
若しくは、一般に良く知られているように高分子化合物
は分子量がある一定値以上では高分子鎖のからみ合いと
呼ばれる現象によりあたかも架橋と同様な効果がもたら
されることによって生じる。からみ合い現象は、高分子
の種類によって異なるが分子量2000以上で生じ、高分子
溶融体、高分子溶液では広く認められる。
本発明に用いられる弾性体としては、先に揚げたものの
他以下のものを挙げることができる。
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
ポリノルボルナジエン等のジエン化合物の単独重合体、
及びブタジエン−スチレン、イソプレン−イソブテン、
ブタジエン−アクリロニトリル、ブタジエン−アクリル
酸又はそのエステル等のジエンモノマーと、1種又は複
数のビニルモノマーを共重合して得られるジエン共重合
体等のゴム物質、エチレンにプロピレン等のα−オレフ
インを共重合して得られる高分子であって少量のジエン
化合物を共重合してあってもさしつかえない。又、エチ
レンに極性ビニルモノマーを多量に共重合してポリエチ
レンの結晶性を著しく減少、又は消失させたポリエチレ
ン共重合体等が挙げられる。
炭化水素系以外のポリシロキサン、ポリフオスフアゼン
等も好適に用いられる。
高分子溶融体とは熱可塑性樹脂をその融点以上の温度で
液体化したものであり、ポリオレフイン、ポリイミド、
ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等が用いら
れる。上記高分子溶融体は必ずしも単独重合体である必
要な無く、主たる構成モノマー以外の1種以上のモノマ
ーを共重合してあってもよい。
上述の高分子は過酸化化合物、イオウ等の化学的手法、
光、放射線等の物理的手法により架橋することにより弾
性力は調節され、熱可塑性樹脂においては、予め架橋反
応しうる官能基を有するモノマーを共重合しておき、化
学的手法、物理的手法により架橋反応を施すことができ
る。
高分子の種類、分子量によって異なるが、分子分散しな
い濃度以上に高分子化合物を溶解させて得られる高分子
溶液も用いられる。また、架橋した高分子に適当な溶媒
を含浸させ、いわゆる高分子ゲルを生成させて用いるこ
ともできる。典型的にはアクリル酸エステル、アクリル
酸エステル等で構成されるいわゆるアクリルゲルを水で
膨潤させたものが挙げられる。
本発明の素子は、弾性率の異なる二つの弾性体が積層さ
れた構造を取っている。例えば、架橋に用いた硫黄の添
加量の異なる加硫されたゴムの組合せ、加硫されたゴム
と溶媒で膨潤された加硫ゴムの組合せ、分子量の異なる
二つの溶融高分子の組合せ、ポリエステルとポリエステ
ルエラストマーの組合等が挙げられる。
ゴム系高分子から構成された素子、膨潤高分子ゲルから
構成された素子等は比較的低温で作動される素子に好適
に用いられ、溶融高分子から構成された素子は、高温で
作動される素子に好適に用いられる。低温域から高温域
まで広く作動しうる素子としては、ポリシロキサンが最
も好適に用いられる。
次に第6図及び第7図を参照して本発明における光学素
子の好適な製法について説明する。
本発明における光学素子は、光学素子としても性能上、
弾性体表面の形状を精度よく製造する必要がある。この
ため、例えば第1図における弾性体1−1を金型等で精
度よく成形し、その後弾性体1−2を成形することが望
ましい。第2図に示した素子の製法の1例を挙げれば、
まず第6図(a)のごとく、上型13、下型14、側壁15の
間で、第2図に示す弾性体6−1を成形する。成形法は
キヤステイングやインジエクシヨン等種々の手段が可能
である。上型13、下型14の型面には適当な離型処理がな
されることが望ましく、特に上型13の型面はテフロンコ
ーテイング等により下型14の型面よりも離型性を良くし
ておく。弾性体6−1を硬化させた後、第6図(b)の
ごとく上型13を取り去る。次に第6図(c)のごとくガ
ラス等の底板2を置き、底板2と既に成形されている弾
性体6−1の間で第2図の弾性体6−2を成形する。弾
性体6−2の原料は、側型15やあるいは底板2の光線の
通らない部分に設けた注入口より注入する。弾性体6−
2を硬化させた後、下型14と側板15を取り去り、第6図
(d)のようにあらかじめ作成された側壁16に入れる。
第6図(d)に示す可変焦点光学素子の場合、底板2を
移動させることによって焦点距離を変化させることがで
きる。第6図(d)の場合、側壁16が変形部材となる。
また第6図(a),(b)における弾性体6−1の成形
にはいわゆるスピン・キヤステイング法を用いることも
可能で、その場合は回転する型上で、液状の弾性体6−
1の原料を硬化させた後、第6図(c)の工程に移る。
なお、本発明に用いる突出側の弾性体の厚さは均一であ
る必要はなく、適当な厚さ分布を与えて変形時の面形状
を制御することもできる。
また突出側の弾性体に隣り合う弾性体は非常に柔い材料
を使用することが望ましく、そのため粘着性が生じて第
6図に示す側型15より離型できない場合がある。そのよ
うな場合には第7図のように硬いほうの弾性体6−1が
側型15と接するように、上型13の形状を変えるのが有効
である。
次に本発明の実施例について更に具体的に説明する。
実施例1 シリコーンゴム(商品名:KE106,信越化学工業製)に触
媒(商品名:Catalyst RG,信越化学工業製)を10重量%
添加後、撹拌、真空脱泡した混合液を、第6図(a)に
示す上型13、下型14、側型15の間に収納し、65℃で4時
間放置し、硬化させて透明な弾性体6−1とした。側型
15の内径は25nm、上型13、下型14の曲率のついている部
分の径cはともに20mmであり、ともに曲率半径50mmの球
面である。弾性体6−1の光軸h上の肉厚は1mmであり
上型13の型面にはテフロンコーテイングをほどこし離型
性を良くしてある。
次に第6図(b)のごとく上型13を取り去り、シリコー
ン(商品名:KE106,信越化学工業製)、触媒(商品名:Ca
talyst RG,信越化学工業製)、シリコーンゴム(商品
名:KE104 Gel,信越化学工業製)触媒(商品名:Catalys
t 104,信越化学工業製)を重量比10:1:100:10で混合
し、真空脱泡した溶液を第6図(c)のようにガラス板
2、弾性体6−1及び側型15の間に収容し、40℃で72時
間放置し、硬化させて透明な弾性体6−2とした。弾性
体6−2の光軸h上肉厚は4mmである。
次に下型14、側型15を取り去り、第6図(d)のように
側壁16に収容した。ガラス板2を光軸h方向に移動させ
て弾性体6−1の表面6a形状の変化を測定したところ、
ガラス板2を弾性体6に圧力を加える方向に移動量0.4m
mまで移動させたとき、弾性体6−1の表面6aはほぼ球
面形状を保ったまま変形し、その曲率半径が50〜35mmの
間で変化した。
実施例2〜7 第1表に示すポリマーを用い、第2図(a)に示す光学
素子を作成した。実施例2〜7のいずれの光学素子も弾
性体6−1の光軸h上の肉厚は1mmであり、弾性体6−
2の光軸上の肉厚は4mmであった。また、いずれも素子
径aは25mm、開口径bは20mmであった。
各実施例の弾性体は、次のようにして成形した。即ち、
実施例2のポリエステル及び実施例3のポリアミドは温
度270℃のプレス成形、実施例4のポリエチレンは温度1
90℃のプレス成形、実施例5のポリ酢酸ビニルは、N2
流中において90℃で型に流し込み硬化して、また実施例
6及び実施例7のシリコンゴムはPTV熱硬化型樹脂を型
に流し込み硫化して、それぞれ成形した。
また、実施例2,3,4,5及び7では、1種類の弾性体を、
弾性率を変えて弾性体6−1及び弾性体6−2とした。
また、実施例6では、ポリイソブチレン及びシリコンゴ
ムの2種類の弾性体を、互いに弾性率を違えることによ
り弾性体6−1及び弾性体6−2とした。
さて、こうしてガラス板2を光軸h方向に移動量0.4mm
まで移動させて弾性体6−1の表面6aの形状の変化を調
べたところ、いずれもほぼ球面形状の保ったまま変形し
た。
また、表面6aの曲率半径が50mm及び30mmとなる2点で、
各実施例について焦点距離を測定した。その結果を第1
表に示した。
〔発明の効果〕 上述のように本発明によれば、積層した弾性体の初期形
状と弾性率を選択することにより、球面あるいは所望の
非球面形状を保ったまま変形する可変焦点光学素子が得
られる。また本発明の可変焦点光学素子はいわゆる液体
レンズに比して、精度よく製造でき、重力や振動等の影
響に対しても、突出側の弾性体がこれらを支えることが
できるので、大きな面変形は生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における可変焦点光学素子の一例を示す
断面図、第2図(a)及び第2図(b)は本発明におけ
る可変焦点光学素子の他の例を示す断面図、第3図は本
発明における可変焦点光学素子の他の例を示すもので、
一対の開口板が設けられた例の断面図、第4図は本発明
における可変焦点光学素子の他の例を示すもので、弾性
体の中に開口板が設けられた例の断面図、第5図は本発
明における可変焦点光学素子の他の例を示すもので、変
形部材として円筒形の圧電素子を使用した例の断面図、
第6図(a),(b),(c)及び(d)は本発明にお
ける可変焦点光学素子の製造工程の一例を示す断面図、
第6図(a)は突出側の弾性体を成形する工程を示す
図、第6図(b)は第6図(a)の上型をとった図、第
6図(c)は積層された弾性体を成形する工程を示す
図、第6図(d)は第6図(a)〜(c)に示す工程に
より製造された本発明の可変焦点光学素子の一例を示す
断面図、第7図は他の上型を使って突出側の弾性体を成
形する工程を示す断面図、第8図(a)及び第8図
(b)は先に提案された光学素子の例を示す断面図であ
る。 1,6,7,8,10……弾性体 2……底板 3,12……側壁 4,9……開口板 13……上型 14……下型 15……側型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 敏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 櫛引 信男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−36857(JP,A) 特開 昭56−72402(JP,A) 実開 昭55−141101(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光軸方向に積層された複数の弾性体と、開
    口部を有する変形部材とを有し、前記変形部材で前記弾
    性体を変形させることにより前記弾性体を前記開口部か
    ら突出又は沈降させて焦点可変とした光学素子で、前記
    弾性体のうち突出側の弾性体の弾性率を、前記突出側の
    弾性体に隣り合う弾性体の弾性率よりも大きくしたこと
    を特徴とする可変焦点光学素子。
  2. 【請求項2】前記弾性体がゴム高分子、高分子溶融体、
    高分子溶液、高分子ゲルからなるグループから選ばれた
    ものである特許請求の範囲第1項記載の可変焦点光学素
    子。
JP61088483A 1985-04-16 1986-04-16 可変焦点光学素子 Expired - Lifetime JPH0752241B2 (ja)

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JP8086385 1985-04-16
JP60-80863 1985-04-16

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