JPH07520Y2

JPH07520Y2 - 吹付け装置

Info

Publication number: JPH07520Y2
Application number: JP2524591U
Authority: JP
Inventors: 美津男谷口; 幸一田中
Original assignee: Nisshoku Corp
Current assignee: Nisshoku Corp
Priority date: 1991-03-22
Filing date: 1991-03-22
Publication date: 1995-01-11
Anticipated expiration: 2005-01-11
Also published as: JPH0581334U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば法面などを緑化
する工法において用いられる吹付け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、法面などを緑化するのに、厚層有
機客土吹付け工法が用いられることが多いが、この場
合、吹付け基材を法面に吹付ける方法としては、次の２
通りの湿式吹付け方法があった。すなわち、タンク内で
種子と植生基材と水とを混練して吹付け基材とし、これ
をポンプによって吹付けノズルまで送り、この吹付けノ
ズルの吐出口においてコンプレッサーからのエヤーによ
って前記吹付け基材を散らせて施工対象面に吹付けると
ころのスクイズ式ポンプによる有機客土吹付け方法と、
前記吹付け基材をコンプレッサーのエヤー圧によって施
工対象面に吹付けるところのモルタル吹付け機による厚
層客土吹付け方法である。

【０００３】このような湿式吹付け方法に対し、ミキサ
ーで混練された種子と植生基材とを吹付け基材としてコ
ンプレッサーのエヤー圧によって吹付けノズルに送り、
吹付けノズルの吐出口において水を噴射して施工対象面
に吹付けるところの、所謂乾式吹付け方法もあったが、
施工時にホコリが生ずると共に、吹付け基材が施工対象
面に十分接着しないなどの欠点があり、そのため、従来
においては、前記湿式吹付け方法が主として用いられて
いた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記湿
式吹付け方法のうち、スクイズ式ポンプによるものは、
タンク内を一度空にして吹付け基材を混練して吹つける
ため、連続的に吹付けることが不可能で、極めて非能率
的であった。

【０００５】また、モルタル吹付け機によるものは、例
えば図７に示すように、モルタル吹付け機81の撹拌槽82
に対して、ベルトコンベヤ83を介して植生材料84を、ま
た、揚水ポンプ85によって水を供給し、前記撹拌槽82に
おいて植生材料84と水とを混合撹拌した後、水と混合さ
れた植生材料84を、コンプレッサー86からの圧力空気に
よって、吹付けノズル（図外）に送り出すようにしたも
のである。なお、図７において、87は計量機、88は水量
計、89は発電機である。

【０００６】しかしながら、前記モルタル吹付け機81
は、その重量が大きく、嵩高い大掛かりな機械であり、
また、コンプレッサー86を必要とするなど、装置全体が
大掛かりになる。さらに、これに伴って、常に熟練者に
よる機械操作が必要となるなどの問題点がある。

【０００７】これに対して、本願出願人の一人（日本植
生株式会社）は、平成２年11月30日付けにて、「緑化工
法における吹付け基材の吹付け方法」を特許出願（特願
平２−339486号）しているところである。すなわち、こ
の吹付け方法は、種子と植生材料と粉体状の浸食防止剤
とを混合してなる吹付け基材をブロアーによって吐出口
がやや絞り込まれた吹付けノズルまで供給すると共に、
この吹付けノズルに対して水を供給して、この水を前記
吐出口の上流側において吹付け基材に混入し、吹付け基
材を水と共に施工対象面に吹付けるようにしたものであ
る。

【０００８】前記吹付け方法によれば、コンプレッサー
や攪拌機などが不要であるので、装置全体がコンパクト
になると共に、吹付け機が材料を落下させるのみで切換
え操作を必要とせず、連続吹付けが可能になるため、機
械操作を行う作業者を配置する必要がなく、さらに、吹
付けノズルには吹付け基材供給用のホースと水供給用の
ホースのみが接続されるだけであるので、吹付けノズル
の操作が行いやすく、吹付けを効率よく行うことができ
る。

【０００９】本考案は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、上記吹付け方法な
ど、乾式吹付け方法などに用いて有用な吹付け装置を提
供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案においては、内部に撹拌機を備え、底部に開
閉蓋を備えた材料撹拌タンクと、この材料撹拌タンクの
下方に設けられ、材料撹拌タンクから落下する材料を撹
拌かつ搬送する搬送部材を横設した材料ストック用タン
クと、前記搬送部材の一端側において前記材料ストック
用タンクと連通するように設けられた材料供給予備室
と、この材料供給予備室の下方において材料供給予備室
と連通するように設けられ、内部にエヤーにより前記材
料を吐出させる回転式の材料供給装置を備えた材料供給
室とを、一つのフレームに一体的に配設している。

【００１１】

【作用】上記特徴的構成によれば、材料撹拌タンク，材
料ストック用タンク，材料供給予備室および材料供給室
を一体的にセットしてあるので、装置全体がコンパクト
になり、運搬，設置が容易になる。そして、複数の材料
を均一に混合することができ、一定量ずつ吹付けること
が可能である。また、材料の混合・吹付けが一連の工程
で連続的に行なえるので、効率よく吹付けを行うことが
できる。運転操作としては、開閉蓋の開閉のみでよく、
専任の運転者が不要となり、省力化が行なえる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１３】図１〜図６は、本考案に係る吹付け装置Ａ
の一例を示し、図１および図２に示すように、前記吹付
け装置Ａは、アングル鋼材やチャンネル鋼材などを溶接
やボルト締めなどにより組み立ててなるフレーム１に、
材料撹拌タンク２と、材料ストック用タンク３と、材料
供給予備室４と、材料供給室５とを一体的に配設してな
ると共に、操作ボックス６を備えている。

【００１４】前記材料撹拌タンク２は、図３に示すよう
に、平面視が例えば円形の上部が開口した有底の筒状体
で、フレーム１の上部に突出するように設けられてお
り、その内部には、図４に示すように、モータ７の出力
軸に連結された垂直な回転軸８と、この回転軸８に固着
された複数の撹拌部材９とからなる撹拌機10が設けられ
ている。

【００１５】そして、材料撹拌タンク２の底部の例えば
周端部には、図３に示すように、開口11が開設してあっ
て、この開口11は、フレーム１に取り付けられたパワー
シリンダ12の作用によって垂直な軸13を中心に回動する
開閉蓋14によって開閉されるようにしてある。

【００１６】このように構成された材料撹拌タンク２に
おいては、上部開口から投入された種子や植生基材など
を撹拌混合し、必要に応じて開閉蓋14を開くことによ
り、後述する材料ストック用タンク３に対して、撹拌さ
れた材料（吹付け材料）を落下供給することができる。

【００１７】前記材料ストック用タンク３は、前記材料
撹拌タンク２の下方に設けられ、前記開口11を介して材
料撹拌タンク２と連通するように構成されている。そし
て、この材料ストック用タンク３の内部には、図４に示
すように、その長手方向に、軸15, 16の表面にそれぞれ
複数のピン17, 18を立設してなり、吹付け材料を撹拌す
るための櫛歯状の撹拌部材19, 20が水平な状態で回転可
能に並設してあると共に、これらの撹拌部材19, 20の下
方に、軸21の表面に螺旋羽根22を備え、吹付け材料を撹
拌しこれを後述する材料供給予備室４方向に搬送する搬
送部材23が水平な状態で回転可能に横設されており、こ
の搬送部材23の送り方向終端側の軸部分は、図５に示す
ように、後述する材料供給予備室４内に延設されてい
る。

【００１８】また、材料ストック用タンク３の材料供給
予備室４側の側面には、図４に示すように、材料ストッ
ク用タンク３および材料供給予備室４と連通した材料リ
ターン室24が設けられ、この材料リターン室24内には、
軸25の表面に螺旋羽根26を備え、前記搬送部材23と反対
方向に吹付け材料を搬送する材料戻し用部材27が水平な
状態で回転可能に横設されている。

【００１９】前記材料供給予備室４は、前記搬送部材23
の搬送方向下流側において前記材料ストック用タンク３
および材料リターン室24と連通するように設けられてお
り、その内部には、図５に示すように、前記搬送部材23
の軸21を内部に遊嵌させる軸28の表面に複数のピン29を
立設してなる櫛歯状の撹拌部材30が水平な状態で回転可
能に横設されている。

【００２０】前記材料供給室５は、前記材料供給予備室
４下方に位置し、この材料供給予備室４と開口（図外）
を介して連通するように設けられ、図５に示すように、
内部に、軸31に複数の仕切り羽根32を適宜の角度をおい
て立設して複数の空間33を形成してなる回転式の材料供
給装置34を備えている。そして、この材料供給室５の一
側面には、前記の空間33の一つ（例えば最も下位の空
間）に対応する位置に、ブロア35に接続されたエヤーホ
ース36が接続されるエヤー導入口37が開設してあると共
に、前記材料供給室５の他側面には、前記エヤー導入口
37に対応する位置に、材料吐出口38が開設してある。な
お、39は材料吐出口38に接続される材料搬送用ホース、
40はこのホース39の端部に接続される吹付けノズルであ
る。

【００２１】ここで、前記材料ストック用タンク３内の
撹拌部材19, 20および搬送部材23、材料リターン室24内
の材料戻し用部材27、材料供給予備室４内の撹拌部材3
0、および、材料供給室５内の材料供給装置34をそれぞ
れ所定方向に回転させる機構について説明する。

【００２２】図４において、41はモータで、このモータ
41の出力軸42の一端側にはプーリー（図示してない掛
張）が設けてあり、このプーリーと、変速機43の回転軸
44の一端側に設けたプーリー45との間にはベルト46が掛
張されている。また、前記回転軸44の他端側にはスプロ
ケット47が設けてあり、このスプロケット47と、材料供
給室５の一端側に突出した材料供給装置34の軸31に設け
たスプロケット48との間にはチェーン49が掛張されてい
る。

【００２３】そして、前記軸31には、図４および図５に
示すように、スプロケット48と同方向に同時に回転する
スプロケット50が設けてあり、このスプロケット50と、
撹拌部材30内を遊嵌し、材料供給予備室４の一端側に突
出した搬送部材23の軸21に設けたスプロケット51との間
にはチェーン52が掛張されている。53はテンション調節
用スプロケットである。

【００２４】また、前記軸21の他端側には、図４および
図５に示すように、スプロケット54が設けてあり、この
スプロケット54と、撹拌部材19, 20のそれぞれ端部に設
けたスプロケット55, 56との間にチェーン57が掛張され
ていると共に、このチェーン57は、材料戻し用部材27の
軸25の端部に設けたスプロケット58と咬合するようにし
てある。59はテンション調節用スプロケットである。

【００２５】さらに、図４に示すように、前記モータ41
の出力軸42の他端側にはプーリー60が設けてあり、この
プーリー60と、撹拌部材30の軸28の端部に設けたプーリ
ー61（図５参照）との間にはベルト62が掛張されてい
る。

【００２６】前記制御ボックス６は、前記吹付け装置Ａ
に設けられたモータ７，38、パワーシリンダ12などの制
御を司るものである。

【００２７】而して、前記モータ41の出力軸42を、図４
において矢印ａ方向に回転させることにより、材料スト
ック用タンク３内の搬送部材23および撹拌部材19, 20が
同方向に回転し、吹付け材料が材料供給予備室４方向に
送られる。そして、前記吹付け材料は、材料供給予備室
４に設けられた撹拌部材30によって撹拌されながら、材
料供給予備室４に開設された開口を経て、材料供給室５
に設けられた材料供給装置34の一つの空間33内に落下す
る。このとき、材料リターン室24内の材料戻し用部材27
は前記搬送部材23などとは逆方向に回転しており、搬送
部材23によって搬送されてきた吹付け材料の一部は、前
記材料戻し用部材27によって材料ストック用タンク３方
向に送られ、従って、吹付け材料の一つの空間33内への
落下・供給量は常に一定に保持される。

【００２８】そして、前記空間33が所定の位置（空間の
一方がエヤー導入口37に、他方が材料吐出口38に臨む位
置）にくると、ブロア35からのエヤーにより、空間33内
の吹付け材料は材料搬送用ホース39に吹き出され、吹付
けノズル40に至る。

【００２９】ところで、前記吹付けノズル40には、図６
に示すように、その先端よりやや手前において水供給ホ
ース63が接続されているので、吹付けノズル40に至った
吹付け材料は、水供給ホース63によって吹付けノズル40
内に導入される水と適宜混合され、この水と混合された
吹付け材料は吹付けノズル40から勢いよく施工対象面64
に吹き付けられる。なお、図６において、65は吹付け装
置Ａを載置した台車、66は発電機、67は水タンク、68は
水ポンプ、69はコンベヤ、70は植生材料である。

【００３０】

【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る吹付
け装置においては、材料撹拌タンク，材料ストック用タ
ンク，材料供給予備室および材料供給室を一体的にセッ
トしてあるので、装置全体がコンパクトになり、運搬，
設置が容易になる。そして、複数の材料を均一に混合す
ることができ、一定量ずつ吹付けることが可能である。
また、材料の混合・吹付けが一連の工程で連続的に行な
えるので、効率よく吹付けを行うことができる。運転操
作としては、開閉蓋の開閉のみでよく、専任の運転者が
不要となり、省力化が行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る吹付け装置の正面図である。

【図２】前記装置の側面図である。

【図３】前記装置の一部を破断して示す平面図である。

【図４】材料撹拌タンクと材料ストック用タンクの構成
を示す分解斜視図である。

【図５】材料供給予備室と材料供給室の要部を示す分解
斜視図である。

【図６】前記装置を用いた吹付け作業の状態を示す図で
ある。

【図７】従来の装置を示す図である。

【符号の説明】

Ａ…吹付け装置、１…フレーム、２…材料撹拌タンク、
３…材料ストック用タンク、４…材料供給予備室、５…
材料供給室、10…撹拌機、14…開閉蓋、23…搬送部材、
34…材料供給装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】内部に撹拌機を備え、底部に開閉蓋を備
えた材料撹拌タンクと、この材料撹拌タンクの下方に設
けられ、材料撹拌タンクから落下する材料を撹拌かつ搬
送する搬送部材を横設した材料ストック用タンクと、前
記搬送部材の一端側において前記材料ストック用タンク
と連通するように設けられた材料供給予備室と、この材
料供給予備室の下方において材料供給予備室と連通する
ように設けられ、内部にエヤーにより前記材料を吐出さ
せる回転式の材料供給装置を備えた材料供給室とを、一
つのフレームに一体的に配設したことを特徴とする吹付
け装置。