JPH0752010Y2 - 売薬配置箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、多種類の薬を収納する
売薬配置箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】売薬で使用される個々の薬の包装形態に
は、大きく分けて箱詰めの物と、袋詰めの物があり、箱
詰めの物はそのまま配置箱内に整然と整頓して収納さ
れ、袋物の場合は複数袋を透明袋に入れて配置箱内に収
納されるのが一般的である。しかも売薬配置箱には種々
形態のものが使用されているが、その多くは引出し式の
ものか、蝶番で蓋を開閉するもので、また箱内に区分け
して入れられるように仕切り板を嵌め込んだものもあ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前述の配置箱
の箱本体内に納められた透明袋は、縦にあるいは横に重
ねて入れられるため、箱を開けた際に、上の袋内に納ま
っている薬の種類は見分けることができるが、重なった
下の物まで見えず、袋を一々手で繰りながら必要とする
薬を選び出す手間が掛かるものであった。また袋一杯に
詰めてあると取り出し難いと共に、薬の入れ替え時にも
詰め込み難いものであり、しかも薬の入れ替え時には使
用して減った分を新規に入れるが、その入れ替え時期は
年に１度から多くて４度ほどであり、その間消費者は無
意識に新たに入れた薬を使用し、古いものが何時までも
残ってしまうこともあり、配置員は適当な期間後にはそ
の古い物を選び出して取り下げる必要があるが、その選
びに時間が掛かる煩わしさがあった。更に、消費者ごと
に例えばかぜひき薬、づつう薬など特定の薬のみ多く使
用される場合、あるいは特定されることなく種々の薬が
使用される場合があり、配置箱内に薬ごとに区分けして
収納する形態が各家によってまちまちに異なるものであ
る。

【０００４】本考案は以上の問題点を解決し、一見して
即座に袋物の薬の種類を見分けることができ、取り出し
は勿論、詰め込む作業も容易になること、及び配置箱内
の薬の区分けを簡単に変更することができるようにす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案による解決手段
は、売薬配置箱の薬を直接収納する箱本体内に、折り畳
み可能の筒体に同じく折り畳み可能の中板を嵌装して形
成する仕切り部が収納してあって、筒体の上面が前側よ
り後方へ高くなるように傾斜してあり、中板に、起立板
を介して前側より後方へ階段状に順次高くなるように設
けてあると共に、各段において前側より後側へ低くなる
ように傾斜する複数の底板と、筒体内で起立保持する脚
片とを設けていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】以上のように箱本体内に複数の底板が起立板を
介して階段状に順次高くして設けたものであるから、各
段の底板上に袋物の薬を起立して収納して、売薬配置箱
の奥部に設置してあっても、各底板上に載置した各段の
袋物の薬種を即座に見分けることができ、しかも必要な
袋を取り出し易く、また一般には見えている手前の袋か
ら取り出されるものであるから、古いものが何時までも
残る確率が少なくなるものである。更に、仕切り部は筒
体と中板の組み合わせで形成するものであり、また双方
共に折り畳みできるものであるから、携帯して各家の薬
の消費状況に応じて、配置箱内の区分けを変更すること
ができるようになる。

【０００７】

【実施例】本考案を具体的に説明すると、図４に引出し
形式の売薬配置箱による例を示しており、その薬を直接
収納する箱本体１内の前側には箱物の薬Ｂを納め、奥の
方に袋物の薬Ｐを収納する仕切り部２を設けたもので、
仕切り部２は箱本体１と別体に形成し、箱本体１内に嵌
脱自在に嵌め込むものである。

【０００８】仕切り部２は、図１と図２に示しているよ
うに、筒体６と中板７よりなり、筒体６と中板７を別体
に形成して使用時に互いに組み立てるものである。筒体
６は四角形をなし、底面は水平であるが、上面は前側よ
り奥部へ順次高くなるように傾斜してある。中板７は筒
体６内に納まるもので、前記例と同様に、前側より奥部
へ順次階段状に高くした２段乃至３段の底板３…をそれ
ぞれ起立板４…を介して設けると共に、各段の底板３…
を前側より奥部に向かって順次低くなるように傾斜して
設けたものである。この中板７を筒体６内に支持する手
段として、最前列の底板３と最後列の底板３に脚片８，
９を設けている。尚、脚片８，９は箱本体１の底面に起
立するものであるが、中板７の後方の脚片９を筒体６の
後壁６ａの内面に、例えば接着剤あるいはホッチキスな
どによって一体的に止着してあっても良い。

【０００９】また上記筒体６と中板７とを、図５のよう
に畳み折りできるように、合成樹脂板またはボール紙で
形成しても良い。尚、合成樹脂板の場合は角の内面を薄
くすることによって折り畳むことができる。

【００１０】以上の構造であるから、仕切り部２の各段
の底板３…に薬の種類別ごとに複数の袋物の薬Ｐを起立
するように差し込んでおけば、図３のように、種類別の
薬が重なることなく上下に区分けして納められ、そのま
ま売薬配置箱内に納めてあっても、その箱を開けると同
時に箱本体１に納めた各薬の種類を見分けることができ
るものである。

【００１１】また、底板３が傾斜して設けたものである
から、その段の手前の袋が最も高くなり、取り出す操作
が容易になると共に、取り出される順序がほぼ規制され
ることから、売薬配置員による取り替え時の操作も容易
になるものである。

【００１２】更に、筒体６及び中板７が折り畳みできる
ように形成してあるから、売薬配置員による携帯が便利
で、多数枚のものを所持することができ、しかも、各家
の薬の消費量に応じて段数の多寡を選択して仕切り部２
を設置することができようになる。

【００１３】

【考案の効果】本考案による売薬配置箱であれば、起立
板を介して複数の底板を階段状に設けると共に、底板が
傾斜しているものであるから、各底板上に薬を包装した
袋物を起立して納めることができ、前後の底板上の袋物
が重なることなく後段の薬も見分けられ、所望する薬を
即座に選択して取り出すことができるようになる。

【００１４】しかも、底板が傾斜しているから、これに
納めたその段の袋物の手前のものが一番高いので、取り
出し易くなり、その取り出される袋の順番が殆ど手前の
ものから取られることになり、売薬配置員による管理も
容易になるなどの優れた効果をもたらすものである。

【００１５】更に、仕切り部を別体をなす筒体と中板と
で形成したものであるから、底板の段数を増減すること
ができ、薬の使用状況に応じて取り替えることも容易に
行うことができるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による売薬配置箱の箱本体内に設ける仕
切り部を示す断面図である。

【図２】同じく仕切り部の類例を示す断面図である。

【図３】仕切り部に薬を入れた状態を示す斜視図であ
る。

【図４】売薬配置箱を開けた時の内部の状態を示す斜視
図である。

【図５】仕切り部の筒体と中板を偏平に折り畳んだ状態
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 箱本体 ２ 仕切り部 ３ 底板 ４ 起立板 ５ 仕切り板 ６ 筒体 ７ 中板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 売薬配置箱の薬を直接収納する箱本体
   （１）内に、折り畳み可能の筒体（６）に同じく折り畳
   み可能の中板（７）を嵌装して形成する仕切り部（２）
   が収納してあって、筒体（６）の上面が前側より後方へ
   高くなるように傾斜してあり、中板（７）に、起立板
   （４）を介して前側より後方へ階段状に順次高くなるよ
   うに設けてあると共に、各段において前側より後側へ低
   くなるように傾斜する複数の底板（３）と、筒体（６）
   内で起立保持する脚片（８，９）とを設けていることを
   特徴とする売薬配置箱。