JPH0751917B2 - エンジンの気筒別失火判別方法 - Google Patents

エンジンの気筒別失火判別方法

Info

Publication number
JPH0751917B2
JPH0751917B2 JP29866290A JP29866290A JPH0751917B2 JP H0751917 B2 JPH0751917 B2 JP H0751917B2 JP 29866290 A JP29866290 A JP 29866290A JP 29866290 A JP29866290 A JP 29866290A JP H0751917 B2 JPH0751917 B2 JP H0751917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
combustion
engine
misfire
combustion stroke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29866290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04171250A (ja
Inventor
龍一郎 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP29866290A priority Critical patent/JPH0751917B2/ja
Priority to US07/779,190 priority patent/US5307670A/en
Priority to GB9122769A priority patent/GB2249839B/en
Priority to DE4143595A priority patent/DE4143595B4/de
Priority to DE4135797A priority patent/DE4135797C2/de
Publication of JPH04171250A publication Critical patent/JPH04171250A/ja
Priority to US08/162,963 priority patent/US5426587A/en
Publication of JPH0751917B2 publication Critical patent/JPH0751917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気筒間の運動変化量から各気筒の失火状態を
判別するエンジンの気筒別失火判別方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 一般に、多気筒エンジンにおける燃焼は毎サイクル同一
過程を経て行われることが、安定した出力を得る上で理
想であるが、多気筒エンジンにおいては、 空気管形状の複雑化、気筒間の吸気干渉などによる吸
気分配率の不均一化、 冷却順路によって生じる各気筒間の若干の燃焼温度の
相違、 各気筒の燃焼室容積、ピストン形状などの製造上のば
らつき、 インクジェクタの製造誤差などによる燃焼噴射量の違
いから生じる各気筒の空燃比のわずかなばらつき、 などの相乗的作用から燃焼にばらつきが生じ易い。
従来、この気筒間の燃焼変動は、気筒別の空燃比制御、
点火時期制御で最小限に抑制されているが、最近の高出
力、低燃費化の傾向にある高性能エンジンでは、インジ
ェクタ、点火プラグなどに劣化、あるいは、故障が生じ
た場合、断続的な失火を起因し出力の低下を招き易い。
多気筒エンジンにおいて、ひとつの気筒に断続的な失火
が発生しても気付かずに運転されることが多く、また、
失火の原因が単に一時的に発生したものなのか、あるい
は、インジェクタ、点火プラグなどの劣化などによって
生じたものなのか判断を運転中に判断することは困難で
ある。
そのため、例えば、特開昭61−258955号公報では、1燃
焼行程前気筒のエンジン回転速度の最小値と最大値との
差と、現燃焼行程気筒のエンジン回転速度の最小値と最
大値との差を比較し、この比較値が予め設定した基準値
内に収まっているかどうかで、現燃焼行程気筒の燃焼状
態を判別し、燃焼異常が所定回数以上発生した場合、失
火と判断して警告するようにしている。
しかし、この先行技術では、各気筒の燃焼変動を、燃焼
行程気筒の最小エンジン回転速度と最大エンジン回転速
度との差から求めているが、燃焼中のエンジン回転速度
は急激に上昇し、また、エンジンに対し負荷が相対的に
大きくかかるため、加速度の変動が大きくなり、したが
って、エンジン回転数の最大値を特定することは困難で
あり、失火判定時の精度誤差が大きくなってしまう。
ところで、エンジンの燃焼特性は気筒間のみならず、部
品の製造誤差などによりエンジンごとにばらつきがあ
る。
上記先行技術の如く、回転変動を比較する基準値が絶対
値として設定されていると、エンジンごとの燃焼特性の
ばらつきにより上記基準値がエンジンごとに相対変動す
ることになり、あるエンジンにおいては燃焼異常を正確
に把握することが困難になってしまう。
気筒数の少ないエンジンでは、気筒間の燃焼間隔が比較
的長いため回転変動差が大きく、基準値を絶対値として
設定しても、エンジンごとの燃焼特性のばらつきが失火
判定に大きな影響を及ぼすことはないが、気筒数の多い
エンジンでは気筒間の燃焼間隔が短くなり、その分、回
転変動差が小さくなるため判定レベル(基準値)を絶対
値として予め設定すると、エンジンごとの燃焼特性のば
らつきが失火判定精度に大きな影響を及ぼすことにな
る。
とくに、高回転域においては変動差が少なくなるため、
判定レベルがエンジンごとに相対変動すると正確な失火
判定を行うことが極めて困難になる。
例えば、特開昭59−82534号公報では、各気筒#i(4
気筒であれば、i=1〜4)の燃焼行程前の瞬時のエン
ジン回転数NL#iと、燃焼行程後の瞬時のエンジン回転
数NH#iとの差である差回転△N#i(△N#i=NH#i
−NL#i)を気筒ごとに求め、次いで、この各気筒#i
の差回転△N#iの全気筒平均値△NAと上記各気筒#i
の差回転△N#iとを比較して、各気筒#iの燃焼状態
を把握するようにしている。
しかし、この先行技術では、基準値が全気筒平均差回転
△NAであるため、燃焼状態により、この全気筒平均差
回転△NA自体が常に変動し易く、この全気筒平均差回
転△NAが変動すると、この全気筒平均差回転△NAを基
準として推定する各気筒の燃焼状態中に、上記全気筒平
均差回転△NAを設定する際の他の気筒の燃焼状態因子
が含まれてしまい、各気筒の失火を正確に把握すること
が困難になる。
[発明の目的] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、失火状態
を他の気筒の燃焼状態因子を含むことなく、気筒間の燃
焼のばらつきはもちろん、エンジンごとの製造上のばら
つきの影響を受けることなく、正確に検出することので
きるエンジンの気筒別失火判別方法を提供することを目
的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明による第一のエンジン
の気筒別失火判別方法は、2燃焼行程前気筒の燃焼によ
る仕事をしていない区間のエンジン回転状態量と現燃焼
行程気筒の燃焼による仕事をしていない区間のエンジン
回転状態量との平均値と、1燃焼行程前気筒の燃焼によ
る仕事をしていない区間のエンジン回転状態量との差を
求め、この差と1燃焼行程前気筒のエンジン運転状態パ
ラメータに基づいて設定した失火判定レベルとを比較し
て、失火状態を気筒別に判別するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明による第二のエ
ンジンの気筒別失火判別方法は、1燃焼行程前気筒の燃
焼による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量と
1燃焼行程後気筒のサイクル前の燃焼による仕事をして
いない区間のエンジン回転状態量との平均値と、現燃焼
行程前気筒の燃焼による仕事をしていない区間のエンジ
ン回転状態量との差を求め、この差と現燃焼行程気筒の
エンジン運転状態パラメータに基づいて設定した失火判
定レベルとを比較して、失火状態を気筒別に判別するも
のである。
[作用] 上記第一のエンジンの気筒別失火判別方法によれば、1
燃焼行程前気筒の燃焼状態がその前後の燃焼行程気筒の
燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量
の平均値を基準として判断され、この比較値が上記1燃
焼行程前気筒のエンジン状態に対応して設定した失火判
定レベルと比較された、上記1燃焼行程前気筒の失火状
態を判別するようにしたため、失火状態を気筒間の燃焼
のばらつき、エンジンごとの製造上のばらつきなどの影
響を受けることなく正確に検出できる。
上記第二のエンジンの気筒別失火判別方法によれば、現
燃焼行程気筒の燃焼状態がその前後の燃焼行程気筒の燃
焼による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量と
1燃焼行程後気筒の1サイクル前の燃焼による仕事をし
ていない区間のエンジン回転状態量との平均値を基準と
して判断され、この比較値が上記現燃焼行程気筒のエン
ジン運転状態に対応して設定した失火判定レベルと比較
されて、上記現燃焼行程気筒の失火状態を判別するよう
にしたため、失火状態を気筒間の燃焼ばらつき、エンジ
ンごとの製造上のばらつきなどの影響を受けることなく
正確に検出できる。
[発明の実施例] 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図〜第8図は本発明の第一実施例を示し、第1図は
気筒別失火判別手順を示すフローチャート、第2図、第
3図は基本的な気筒別失火判別方法を示す概念図、第4
図はエンジン制御系の概略図、第5図はクランクロータ
とクランク角センサの正面図、第6図はカムロータとカ
ム角センサの正面図、第7図は失火判定レベルマップの
概念図、第8図は気筒内圧力変動、クランクパルス、カ
ムパルス、および、エンジン回転変動を示すタイムチャ
ートである。
(構 成) 第4図の符号1はエンジンで、図においては4気筒水平
対向エンジンを示す。このエンジン1のシリンダヘッド
2に形成した吸気ポート2aにインテークマニホルド3が
連通され、このインテークマニホルド3の上流にエアチ
ャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、こ
のスロットルチャンバ5の上流側に吸気管6を介してエ
アークリーナ7が取付けられている。
また、上記吸気管6の上記エアクリーナ7の直下流に吸
入空気量センサ(図においては、ホットワイヤ式エアフ
ローメータ)8が介装され、さらに、上記スロットルチ
ャンバ5に設けられたスロットルバルブ5aにスロットル
開度センサ9aとスロットルバルブ全開を検出するアイド
ルスイッチ9bとが連設されている。
また、上記インテークマニホルド3の各気筒の各吸気ポ
ート2aの直上流側に、マルチポイントインジェクタ(以
下「MPI」と略称)10が配設されている。また、符号11
は燃料タンク、12は上記MPI10に燃料を供給する燃料ポ
ンプである。
また、上記エンジン1のクランクシャフト13にクランク
ロータ15が軸着され、このクランクロータ15の外周に、
所定クランク角に対応する突起(スリットでもよい)を
検出するための電磁ピックアップなどからなるクランク
角センサ16が対設され、さらに、上記クランクシャフト
13に対して1/2回転するカムシャフト14にカムロータ17
が連設され、このカムロータ17の外周にカム角センサ18
が対設されている。
第5図に示すように、上記クランクロータ15の外周に突
起(スリットでもよい)15a,15b,15cが形成されてい
る。この各突起15a,15b,15cが各気筒の圧縮上死点前(B
TDC)θ1,θ2,θ3の位置に形成されており、突起15a,1
5b間の通過時間から周期f1.2(ここにおいて、f=1/ω
ω:角速度)を算出し、また、突起15b,15c間の通過
時間から周期f2.3を算出する。さらに、上記突起15bが
点火時期を設定する際の基準クランク角を示す。
一般に、アイドル運転時の点火時期はBTDC20℃A付近で
あり、このクランク角で着火しても、その後約10℃Aま
では、また燃焼圧が急激に上昇することはない。
また、第8図に示すように、実施例においては、各気筒
の排気弁の開弁時期を、次の燃焼気筒の点火基準クラン
ク角BTDCθ2よりやや遅角側に設定されているが、一般
に、排気弁開弁直後の燃焼圧は急激に低下しているた
め、クランク角BTDCθ3では、燃焼圧の影響はほとんど
ない。
したがって、上記突起15cのクランク角θ3をBTDC10℃
Aより進角側に設定すれば、上記突起15b,15cのクラン
ク角BTDCθ2,θ3の間の区間が、各気筒間の燃焼による
影響をほとんど受けない、すなわち、当該燃焼行程気筒
の燃焼による仕事をしていない区間になる。
また、第6図に示すように、上記カムロータ17の外周
に、気筒判別用突起(スリットでもよい)17a,17b,17c
が形成されている。突起17aが#3,#4気筒の圧縮上死
点後(ATDC)θ4の位置に形成され、また、突起17bが
3ヶの突起で構成され、その最初の突起が#1気筒の圧
縮死点後(ATDC)θ5の位置に形成され、さらに、突起
17cが2ヶの突起で構成され、その最初の突起が#2気
筒の圧縮上死点後(ATDC)θ6の位置に形成されてい
る。
なお、図の実施例ではθ1=97℃A、θ2=65℃A、θ
3=10℃A、θ4=20℃A、θ5=5℃A、θ6=20℃
A、θ(2−3)=55℃Aであり、この配列により、第
8図に示すように、例えば、上記カム角センサ18がθ5
(突起17b)のカムパルスを検出した場合、その後にク
ランク角センサ16で検出するクランクパルスが#3気筒
のクランク角を示す信号であることが判別できる。
また、上記θ5のカムパルスの後にθ4(突起17a)の
カムパルスを検出した場合、その後のクランク角センサ
16で検出するクランクパルスが#2気筒のクランク角を
示すものであることが判別できる。同様にθ6(突起17
c)のカムパルスを検出した後のクランクパルスが#4
気筒のクランク角を示すものであり、また、上記θ6の
カムパルスの後にθ4(突起17a)のカムパルスを検出
した場合、その後に検出するクランクパルスが#1気筒
のクランク角を示すものであることが判別できる。
さらに、上記カム角センサ18でカムパルスを検出した後
に、上記クランク角センサ16で検出するクランクパルス
が該当気筒の基準クランク角(θ1)を示すものである
ことが判別できる。
なお、上記クランク角センサ16、カム角センサ18はクラ
ンク角検出手段を構成しており、カムパルスパターンを
変えることにより、カム角センサ18のみでクランク角検
出手段を構成するようにしてもよい。
一方、上記エンジンの上記インテークマニホルド3に形
成したライザをなす冷却水通路(図示せず)に冷却水温
センサ20が臨まされ、また、上記シリンダヘッド2の排
気ポート2bに連通する排気管21にO2センサ22が臨まされ
ている。なお、符号23は触媒コンバータで、24は車速セ
ンサである。
(制御装置の回路構成) 一方、符号31はマイクロコンピュータなどからなる制御
装置で、この制御装置31のCPU(中央演算処理装置)3
2、ROM33、RAM34、バックアップRAM(不揮発性RAM)3
5、および、I/Oインターフェイス36がバスライン37を介
して互いに接続されて、定電圧回路38から所定の安定化
電圧が供給される。
上記定電圧回路38は、制御リレー39を介してバッテリ41
に接続され、キースイッチ40がONされた上記制御リレー
39のリレー接点が閉となったとき各部に制御用電源を供
給するとともに、上記バッテリ41に直接接続され、上記
バックアップRAM35に、キースイッチ40がOFFされたとき
でもバックアップ電源を供給する。
また、上記I/Oインターフェイス36の入力ポートに、各
センサ8,9a,16,18,20,22,24、および、アイドルスイッ
チ9bが接続されるとともに、上記バッテリ41のプラス端
子が接続され、その端子電圧がモニタされ、また、上記
I/Oインターフェイス36の出力ポートに、駆動回路42を
介してMPI10と、図示しないインストルメントパネルな
どに配設したインジケータランプなどの警告手段43とが
接続されている。
上記ROM33には制御プログラム、固定データなどが記憶
されている。固定データとしては、後述する失火判定レ
ベルマップMP△N LEVELなどがある。
また、上記RAM34には上記各センサ類の出力信号を処理
した後のデータ、CPU32で演算処理したデータなどが格
納されている。さらに、バックアップRAM35は、キース
イッチ40に関係なく常時電源が通電され、キースイッチ
40をOFFにしてエンジンの運転を停止しても記憶内容が
消失せず、後述する気筒別の気筒別失火データなどのト
ラブルデータなどが記憶される。
このトラブルデータは上記I/Oインターフェイス36の出
力ポートに接続した故障診断用コネクタ44に、故障診断
用シリアルモニタ45を接続することで、読出すことがで
きる。
さらに、上記CPU32では上記ROM33に記憶されている制御
プログラムに従い、上記RAM34、バックアップRAM35に格
納した各種データに基づき、MPI10に対する燃料噴射パ
ルス幅Tiなどを気筒別に演算する。
上記制御装置31においては、一般的な燃料噴射制御に加
え、各気筒#i(i=1〜4)の失火を個別的に判断し
ている。
この気筒別失火判別方法の基本概念を第2図,第3図に
従って説明する。
第3図はエンジンの回転変動を示すもので、例えば4気
筒エンジンの場合、燃焼行程気筒#iが点火順(例えば
#1→#3→#2→#4)に従って180℃Aごとに切換
るため、燃焼行程どうしがその前後において重複するこ
とはなく、燃焼行程気筒#iの燃焼終了後と、次の燃焼
行程気筒#i+1の燃焼前との間に各気筒の燃焼による
影響を受けない、いわゆる燃焼による仕事をしていない
区間が存在する。
例えば、第3図に示すように、気筒#1〜#4の燃焼に
よる仕事をしていない区間の瞬時の運動量であるエンジ
ン回転数をそれぞれN#1〜N#4とした場合、ある気筒
#iにおいて失火が発生した場合、燃焼後のエンジン出
力が急激に落込む。
この実施例では、各気筒#iの燃焼状態と上記エンジン
回転数N#iとの間に非常に強い相関関係があることに
着目し、燃焼状態を気筒別に判別し、この判別値と失火
判定レベル△N LEVELとを比較して、当該気筒#iの失
火状態を判別しようとするものである。
すなわち、この失火判別方法では、まず、現燃焼行程気
筒#iのエンジン回転数N#iと2燃焼行程前気筒#i
−2のエンジン回転数N#i−2との平均値(N#i−2
+N#i)/2と、1燃焼行程前気筒#i−1のエンジン
回転数N#i−1とを比較し、この比較値 と、当該気筒#i−1の運転状態に応じて設定した失火
判定レベル△N LEVELとを比較し、上記比較値△N#i−
1が失火判定レベル△N LEVELより低い場合、失火と判
定するものである。
ところで、失火判別する際の比較値を点火順で相隣接す
る気筒のエンジン回転数の平均値に基づいて設定してい
るため、定速走行はもちろんのこと加速途中においても
ほぼ一定した値(正常時は0に近い値)を得ることがで
きる。
なお、以下に、各1燃焼行程前気筒#i−1の比較値△
N#i−1の算出方法を具体的に示す。
また、以下に、燃焼による仕事をしていない区間のエン
ジン回転数Nと、気筒の燃焼状態、すなわち、図示平均
有効圧力Piと相関式を示す。
まず、エンジンが回転している状態を式で表すと、 I:慣性モーメント N:エンジン回転速度 Ti:指示トルク Tf:フリクショントルク となり、この(1)式を簡略化して、 とおき、さらに圧力に置換えて表すと、 Pi:図示平均有効圧力 Pf:摩擦損失有効圧力 となる。
実験によれば、各気筒#iの燃焼後のエンジン回転数N
#iと、このエンジン回転数N#iを検出する区間の時間
的変化△T(例えば第6図の区間(θ2−θ3)相当)
とを基に上記(3)式のdN/dtを求めた結果、非常に強
い相関が得られた。
したがって、各気筒の燃焼後のエンジン回転数を求める
ことで、図示平均有効圧Pi、すなわち燃焼状態を推定す
ることができ、相隣接する燃焼行程気筒のエンジン回転
数と比較することで、当該燃焼行程気筒の失火の有無を
判断する比較値を設定することができる。
(作 用) 次に、上記制御装置31にて実行する具体的な気筒別失火
判別手順を第1図のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップ(以下「S」と略称)S101で、クランク
角センサ16およびカム角センサ18からそれぞれ出力され
るクランクパルスおよびカムパルスに基づき燃焼行程気
筒#i(i=1,3,2,4)を判別し、S102で当該燃焼行程
気筒#iの演算サイクル数C#i1をカウントアップする
(C#i1←C#i1+1)。
次いで、S103で、クランク角センサ16から出力されるBT
DCθ2,θ3を検出するクランクパルスを上記カムパルス
の割込みにより判別し、S104で、上記BTDCθ2,θ3を検
出するクランクパルス間の経過時間と、θ2,θ3の挟み
角(θ2−θ3)から周期f2,3を算出する(f2,3←dt2,
3/d(θ2−θ3))。
その後、S105で、上記周期f2,3から現燃焼行程気筒#i
の燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回転数N
#iを算出する(N#i←60/f2,3)。
そしてS106で、前回および前々回のルーチンで設定し、
RAM34の所定アドレスに格納した1燃焼行程前気筒#i
−1の燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回転
数N#i−1と2燃焼行程前気筒#i−2の燃焼による
仕事をしていない区間のエンジン回転数N#i−2とを
読込む。第8図に示すように点火順を#1→#3→#2
→#4とした場合、現燃焼行程気筒#iを#3とする
と、1燃焼行程前気筒#i−1が#1で、2燃焼行程前
気筒#i−2が#4となる。
また、初回ルーチンにおける上記エンジン回転数N#i
−1,N#i−2はN#i−1=N#i−2=N#iにセット
される。
次いで、S107で、現燃焼行程気筒#iの燃焼による仕事
をしていない区間のエンジン回転数N#iと2燃焼行程
前気筒#i−2の燃焼による仕事のしていない区間のエ
ンジン回転数N#i−2との平均値N#i+N#i−2)/
2と上記1燃焼行程前気筒#i−1の燃焼による仕事を
していない区間のエンジン回転数N#i−1との差から
1燃焼行程前気筒#i−1の燃焼状態比較値△N#i−
1を求める。
△N#i−1←N#i−1−{(N#i+N#i−2)/2} その後、S108で、今回のルーチンにて求めたエンジン回
転数N#i−1と吸入空気量Qに基づき算出したエンジ
ン負荷データ(=基本燃焼噴射パルス幅)TPとエンジ
ン回転数N#i−1とをパラメータとして失火判定レベ
ルマップMP△N LEVELから失火判定レベル△N LEVELを設
定する。
第7図に示すように、上記失火判定レベルマップMP△N
LEVELは、エンジン回転数N#i−1とエンジン負荷デー
タTPをパラメータとする三次元マップで、格子で囲ま
れた各領域には予め実験などから求めた失火判定レベル
△N LEVELが格納されている。
第3図に示すように、燃焼状態比較値△N#i−1は、
加速時に比較的大きな変動量を示すが、この変動量はエ
ンジンの運転条件によって相違する。そのため、予め実
験などから、その変動量を運転条件ごとに求め、その変
動量に応じた失火判定レベル△N LEVELを設定し、マッ
プ化することで高い失火判定精度を得ることができる。
なお、減速時には燃料カットされるため実質的に失火判
定は行われない。
そして、S109で、上記失火判定レベル△N LEVELと、上
記1燃焼行程前気筒#i−1の燃焼状態比較値△N#i
−1とを比較し、燃焼状態比較値△N#i−1が失火判
定レベル△N LEVELより低い(△N#i−1<△N LEVE
L)と判断した場合(第3図参照)、失火と判定してS11
0へ進み、また、△N#i−1≧△N LEVELの場合、正常
燃焼と判断してS111へ進む。失火と判定されてS110へ進
むと1燃焼行程前気筒#i−1の気筒別失火回数C(#
i−1)2をカウントアップし(C(#i−1)2←C
(#i−1)2+1)、S111へ進む。
そして、S111で、現燃焼行程気筒#iの演算サイクル数
C#i1と予め設定したサンプリングサイクル数C#iSET
(例えば、100cycle)とを比較し、演算サイクル数C#i
1がサンプリングサイクル数C#iSETに達していない場
合、(C#i1<C#iSET)、ルーチンを外れ、また、演算
サイクル数C#i1がサンプリングサイクル数C#iSETに達
した場合(C#i1≧C#iSET)、S112へ進み、上記演算サ
イクル数C#i1をクリアする(C#i1←0)。
次いで、S113でRAM34の所定アドレスにストアされてい
る前回のサンプリング周期において算出した1燃焼行程
前気筒#i−1の気筒別平均失火回数 を読出し、S114で、この気筒別平均失火回数 と、今回のサンプリングサイクル数C#iSETにおいてカ
ウントした1燃焼行程前気筒#i−1の気筒別失火回数
C(#i−1)2に基づき、今回の気筒別平均失火回数 を、次式に示す重みrの加重平均から求める。
気筒別平均失火回数 を加重平均により求めることで、1燃焼行程前気筒#i
−1の失火判別誤差、および急激な燃焼変動による一時
的な失火誤判定を修正することができる。
その後、S115で、上記気筒別失火回数C(#i−1)2
をクリアし(C(#i−1)2←0)、また、S116でRAM
34の所定アドレスにストアされている前回のサンプリン
グ周期において算出した気筒別平均失火回数 を今回算出した気筒別平均失火回数 で更新する そして、S117で、今回の気筒別平均失火回数 と、予め設定した失火異常判定基準回数 とを比較し、 すなわち、気筒別平均失火回数 が失火異常判定基準回数 を越えている場合、1燃焼行程前気筒#i−1が失火異
常であると判断し、S118へ進み、バックアップRAM35の
所定アドレスに1燃焼行程前気筒#i−1の失火異常デ
ータを格納し、インジケータランプなどの警告手段43を
点灯させて運転者に失火異常を警告し、ルーチンを外れ
る。一方、 と判断した場合、1燃焼行程前気筒#i−1に失火異常
がまだ発生していないと判断し、そのままルーチンを外
れる。
なお、上記バックアップRAM(記憶手段)35に格納した
1燃焼行程前気筒#i−1の失火異常データは、ディー
ラーのサービスステーションなどにおいて、制御装置31
にシリアルモニタ45を接続して読出すことで、どの気筒
が失火しているのか判断することができ、また所定に修
理後、このシリアルモニタ45を介して上記バックアップ
RAM35に記憶されている失火異常データをクリアするこ
とができる。
(第二実施例) 第9図は本発明の第二実施例による気筒別失火判定手段
を示すフローチャートである。
なお、第一実施例と同様の機能を有するステップは、第
一実施例と同一の符号を付して説明を省略する。
この実施例では、1燃焼行程前気筒#i−1の燃焼終了
後の燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回転数
N#i−1と、1燃焼行程後気筒#i+1の燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転数の推定値として採
用する当該気筒#i+1の1サイクル前の燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転数N#i+1(−
1)との平均値と、現燃焼行程気筒#iの燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転数N#iとを比較し
て、現燃焼行程気筒#iの失火の有無を判断する燃焼状
態比較値を設定するものである。
まず、S101〜S105まで第一実施例(第1図)と同様の手
順で進み、S201でRAM34に格納されている1燃焼行程前
気筒#i−1の燃焼による仕事をしていない区間のエン
ジン回転数N#i−1と、1燃焼行程後気筒#i+1の燃
焼による仕事をしていない区間の推定エンジン回転数と
して採用する当該気筒#i+1の1サイクル前の燃焼に
よる仕事をしていない区間のエンジン回転数N#i+1
(−1)とを読出し、S202で、上記S105で求めた当該燃
焼行程気筒#iのエンジン回転数N#iと、上記S201で
読出したエンジン回転数N#i−1,N#i+1(−1)の
平均値との差から、当該燃焼行程気筒#iの燃焼状態比
較値△N#iを求める。
△N#i←N#i−{(N#i−1+N#i+1(−1))
/2} その後、S203で、今回のルーチンにて求めたエンジン回
転数N#iと吸入空気量Qに基づき算出したエンジン負
荷データ(=基本燃料噴射パルス幅)TPと、エンジン
回転数N#iとをパラメータとして失火判定レベル△N L
EVELを設定する。
なお、この失火判定レベルマップMP△N LEVELは、第一
実施例(第7図)と同様のものである。
そして、S204で、上記失火判定レベル△N LEVELと当該
燃焼行程気筒#iの燃焼状態比較値△N#iとを比較
し、当該燃焼状態比較値△N#iが失火判定レベル△N L
EVELより低い(△N#i<△N LEVEL)と判断した場合、
失火と判定してS205へ進み、また、△N#i≧△N LEVEL
の場合、正常燃焼と判断してS111へ進む。
失火と判定されたS205へ進むと現燃焼行程気筒#iと気
筒別失火回数C#i2をカウントアップし(C#i2←C#i2
+1)、S111へ進む。
そして、S111で、現燃焼行程気筒#iの演算サイクルC
#i1と予め設定したサンプリングサイクルC#iSET(例え
ば、100cycle)とを比較し、演算サイクル数C#i1がサ
ンプリングサイクル数C#iSETに達していない場合(C#
i1<C#iSET)、ルーチンを外れ、また、演算サイクル
数C#i1がサンプリングサイクル数C#iSETに達した場合
(C#i11≧C#i1SET)、S112へ進み、上記演算サイクル
数C#i1をクリアする(C#i1←0)。
次いで、S206で、RAM34の所定アドレスにストアされて
いる前回のサンプリング周期において算出した現燃焼行
程気筒#iの気筒別平均失火回数 を読出し、S207で、この気筒別平均失火回数 と、今回のサンプリングサイクル数C#iSETにおいてカ
ウントした現燃焼行程気筒#iの気筒別失火回数C#i2
に基づき、今回の気筒別平均失火回数 を、次式に示す重みrの加重平均から求める。
その後S208で、上記気筒別失火回数C#i2をクリアし
(C#i2←0)、また、S209でRAM34の所定アドレスにス
トアされている前回のサンプリング周期において算出し
た現燃焼行程気筒#iの気筒別平均失火回数 を今回算出した気筒別平均失火回数 更新する そして、S210で、今回の気筒別平均失火回数 と、予め設定した失火異常判定基準回数 とを比較し、 すなわち、気筒別平均失火回数 が失火異常判定基準回数 を越えている場合、現燃焼行程気筒#iが失火異常であ
ると判断し、S211へ進み、バックアップRAM35の所定ア
ドレスに現燃焼行程気筒#iの失火異常データを格納
し、インジケータランプなどの警告手段43(第4図参
照)を点灯させて運転者に失火異常を警告し、ルーチン
を外れる。一方、 と判断した場合、現燃焼行程気筒#iに失火異常がまだ
発生していないと判断し、そのままルーチンを外れる。
この実施例によれば、燃焼行程気筒#iを判別した後、
当該気筒#iの燃焼状態比較値△N#i1が直ちに設定さ
れるため、その後の演算が容易になる。
(第三実施例) 第10図は本発明の第三実施例による気筒別失火判定手順
を示すフローチャートである。
この実施例では、失火回数を気筒別に順次記憶し、か
つ、この失火回数が最大カウント数に達した場合、この
最大失火回数を固定して記憶する。
まず、S101で、燃焼行程気筒#iを判別した後、S301で
1燃焼行程前気筒#i−1の失火最大カウント数フラグ
FLAG#i−1がセット状態(FLAG#i−1=1)か、リセ
ット状態(FLAG#i−1=0)かを判別する。そして、
セット状態(FLAG#i−1=1)の場合、S302へ進み、
警告手段43(第4図参照)としてのインジケータランプ
などを点灯状態にして運転者に失火異常を警告し、ルー
チンを外れる。
一方、上記失火最大カウント数フラグFLAG#i−1がセ
ット状態(FLAG#i−1=0)と判断されると、S103〜S
109まで、前述した第一実施例(第1図)と同じ手順を
実行する。
そして、上記S109で、1燃焼行程前気筒#i−1が失火
(△N#i−1<△N LEVEL)と判定されるとS303へ進
む。また、正常燃焼(△N#i−1≧△N LEVEL)と判定
されるとS306へ進み、1燃焼行程前気筒#i−1の失火
最大カウント数フラグFLAG#i−1をリセット(FLAG#i
−1=0)した後、ルーチンを外れる。
一方、上記S109からS303へ進むと、インジケータランプ
などを微小時間点灯させて運転者に失火が発生したこと
を警告する。
運転者はインジケータランプなどの点灯する頻度を認識
することで、エンジンの失火状況、すなわち、いかなる
エンジンの運転条件下で失火が発生しやすいかを把握す
ることができる。
そして、S110で、1燃焼行程前気筒#i−1の失火回数
C(#i−1)2をカウントアップ(C(#i−1)2←
C(#i−1)2+1)した後、このカウントアップし
た値C(#i−1)2をバックアップRAM35の所定アドレ
スに格納する。
ディーラーのサービスステーションなどでは、制御装置
31に故障診断用コネクタ44を介してシリアルモニタ45を
接続して上記バックアップRAM35に格納されている気筒
別の失火回数C(#i−1)2データを読出し、マニア
ルを参照するなどして失火状況を判断する。
その後、S304で、1燃焼行程前気筒#i−1の失火回数
C(#i−1)2と予め設定した最大カウント数FFH(但
しマイクロコンピュータの容量に応じ任意に設定可能)
を比較し、C(#i−1)2=FFHの場合S305へ進み、ま
た、C(#i−1)2<FFHの場合S306へ進む。
上記失火回数C(#i−1)2が、最大カウント数FFHに
達している(C(#i−1)2=FFH)と判断されてステ
ップS305へ進むと、上記バックアップRAM35の所定アド
レスに記憶した失火回数C(#i−1)2を、上記最大
カウント数FFHでホールドし、S307で、1燃焼行程前気
筒#i−1の失火最大カウント数フラグFLAG#i−1を
セットして(FLAG#i−1←1)、ルーチンを外れる。
なお、この実施例において、失火判別対象気筒を第二実
施例に示すように現燃焼行程気筒#iとしてもよい。
(第四実施例) 第11図、第12図は本発明の第四実施例を示し、第11図は
気筒別失火判定手順を示すフローチャート、第12図は燃
焼状態学習値マップの概念図である。
この実施例では、燃焼状態を気筒別に学習し、この燃焼
状態学習値と当該気筒の燃焼による仕事をしていない区
間のエンジン回転数に基づいて求めた燃焼状態比較値と
の差から当該気筒の失火状態を判別するものである。
以下、フローチャートとに従って説明する。
まず、S101〜S107まで第一実施例(第1図)と同様の手
順を実行し、S401で上記S106で読出した1燃焼行程前気
筒#i−1の燃焼による仕事をしていない区間のエンジ
ン回転数N#i−1と、このエンジン回転数N#i−1と
吸入空気量Qに基づいて算出したエンジン負荷データ
(=基本燃料噴射パルス幅)TPとをパラメータとし
て、上記1燃焼行程前気筒#i−1の燃焼状態学習値△
Nlを燃焼状態学習値マップMP△Nlに基づき設定する。
第12図に示すように、上記燃焼状態学習値マップMP△Nl
は、エンジン回転数N#i−1とエンジン負荷データTP
をパラメータとする三次元マップで気筒に対応した数だ
け設けられており、格子で囲まれた各領域には後述する
S403で設定した気筒ごとの燃焼状態学習値△Nlが格納さ
れている。
そして、S108で、上記エンジン負荷データTPとエンジ
ン回転数N#i−1をパラメータとして失火判定レベル
マップMP△N LEVELから1燃焼行程前気筒#i−1の失
火判定レベル△N LEVELを設定し、S402で、上記燃焼状
態比較値△N#i−1と上記燃焼状態学習値△Nlとの差
(比較値)と、上記失火判定レベル△N LEVELとを比較
する。
そして、△N#i−1−△Nl<△N LEVELの場合、失火と
判定してS110へ進み、また、△N#i−1−△Nl≧△N L
EVELの場合、正常燃焼と判断してS403へ進む。
S403では、上記燃焼状態学習値△Nlと上記燃焼状態比較
値△N#i−1に基づき1燃焼行程前気筒#i−1の燃
焼状態学習値△Nlを次式の加重平均から求める。
△Nl←{(2r−1)×△Nl+△N#i−1}/2r r:加重平均の重み そして、この新たに求めた燃焼状態学習値△Nlで、1燃
焼行程前気筒#i−1に対応する上記燃焼状態学習値マ
ップMP△Nlの該当アドレスに格納されているデータを更
新し、S111へ進む。なお、この燃焼状態学習値マップMP
△Nlに格納されている気筒別の燃焼状態学習値△Nlのイ
ニシャルセット値は“0"である。すなわち、理想的な上
記燃焼状態判別値△N#i−1は“0"(全気筒均一燃
焼)であり、正常燃焼であれば加重平均により求めた上
記燃焼状態学習値△Nlも結果的には“0"に近付くと考え
られるからである。
各運転条件下における正常運転時の燃焼状態学習値△Nl
を気筒ごとに学習することで、各気筒の燃焼特性を個別
的に把握することができ、上記S402で実行する失火判定
に際し、燃焼状態判別値△N#i−1に含まれている1
燃焼行程前気筒の特性変動因子を修正して(△N#i−
1−△Nl)上記失火判定レベル△ LEVELと相対的に比較
することができる。
従って、判定精度が向上し、たとえば回転変動差が比較
的小さくなる高回転域、或いは、6気筒以上の多気筒エ
ンジンであってもエンジンごとの特性上のばらつきによ
る影響を受けることなく失火状態を個別的に正確に判断
することができる。
一方、上記S402で、失火と判定されてS110へ進むと1燃
焼行程前気筒#i−1の気筒別失火回数C(#i−1)
2をカウントアップし(C(#i−1)2←C(#i−
1)2+1)、S111へ進む。
そして、S111〜S118まで第一実施例(第1図)と同様の
プログラムを実行した後、ルーチンを外れる。
なお、この実施例において失火判別対象気筒を第二実施
例に示すように現燃焼行程気筒#iとしてもよい。
(第五実施例) 第13図は本発明の第五実施例による気筒別失火判定手順
を示すフローチャートである。
この実施例は、第三実施例と第四実施例とを組合わせた
もので、燃焼状態を気筒別に学習し、この燃焼状態学習
値と当該気筒の燃焼による仕事をしていない区間のエン
ジン回転数に基づいて求めた燃焼状態判別値との差から
失火状態を判別し、判別した失火回数を気筒別に順次記
憶し、かつ、この失火回数が最大カウント数に達した場
合、この最大失火回数を固定して記憶するようにしたも
のである。
このフローチャートにおいては、第三実施例(第10図)
に示すフローチャートに、第四実施例(第11図)のフロ
ーチャートに示す燃焼状態学習値設定(S401)、失火判
定(S402)、燃焼状態学習値更新(S403)の各ステップ
を取入れて気筒別失火判断を行うもので、フローチャー
トの説明は省略する。
なお、本発明は上記各実施例に限るものではなく、例え
ば、燃焼状態比較値は、各気筒の燃焼による仕事をして
いない区間の運動量として角加速度、周期、角速度など
を用いて求めるようにしてもよい。
[発明の効果] 以上、説明したように本発明によれば、失火状態を、他
の気筒の燃焼状態因子を含むことなく、気筒間の燃焼の
ばらつきはもちろん、エンジンごとの製造状のばらつき
の影響を受けることなく、正確に検出することができる
など優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明の第一実施例を示し、第1図は
気筒別失火判別手順を示すフローチャート、第2図、第
3図は基本的な気筒別失火判別方法を示す概念図、第4
図はエンジン制御系の概略図、第5図はクランクロータ
とクランク角センサの正面図、第6図はカムロータとカ
ム角センサの正面図、第7図は失火判定レベルマップの
概念図、第8図は気筒内圧力変動、クランクパルス、カ
ムパルス、および、エンジン回転変動を示すタイムチャ
ート、第9図は本発明の第二実施例による気筒別失火判
定手順を示すフローチャート、第10図は本発明の第三実
施例による気筒別失火判定手順を示すフローチャート、
第11図、第12図は本発明の第四実施例を示し、第11図は
気筒別失火判定手順を示すフローチャート、第12図は燃
焼状態学習値マップの概念図、第13図は本発明の第五実
施例による気筒別失火判定手順を示すフローチャートで
ある。 #i−1……1燃焼行程前気筒、N#i+1……推定運
動量、#i−2……2燃焼行程前気筒、N#i,N#i−1,N
#i−2……燃焼による仕事をしていない区間の運動
量、△N LEVEL……失火判定レベル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2燃焼行程前気筒の燃焼による仕事をして
    いない区間のエンジン回転状態量と現燃焼行程気筒の燃
    焼による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量と
    の平均値と、1燃焼行程前気筒の燃焼による仕事をして
    いない区間のエンジン回転状態量との差を求め、この差
    と1燃焼行程前気筒のエンジン運転状態パラメータに基
    づいて設定した失火判定レベルとを比較して、失火状態
    を気筒別に判別することを特徴とするエンジンの気筒別
    失火判別方法。
  2. 【請求項2】1燃焼行程前気筒の燃焼による仕事をして
    いない区間のエンジン回転状態量と1燃焼行程後気筒の
    1サイクル前の燃焼による仕事をしていない区間のエン
    ジン回転状態量との平均値と、現燃焼行程前気筒の燃焼
    による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量との
    差を求め、この差と現燃焼行程気筒のエンジン運転状態
    パラメータに基づいて設定した失火判定レベルとを比較
    して、失火状態を気筒別に判別することを特徴とするエ
    ンジンの気筒別失火判別方法。
  3. 【請求項3】上記エンジン回転状態量は、エンジン回転
    数、角加速度、周期、及び、角速度のうちのいずれか1
    つを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載のエンジンの気筒別失火判別方法。
JP29866290A 1990-11-01 1990-11-01 エンジンの気筒別失火判別方法 Expired - Fee Related JPH0751917B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29866290A JPH0751917B2 (ja) 1990-11-01 1990-11-01 エンジンの気筒別失火判別方法
US07/779,190 US5307670A (en) 1990-11-01 1991-10-22 Misfire discriminating method for an engine
GB9122769A GB2249839B (en) 1990-11-01 1991-10-28 Misfire discriminating method for an engine
DE4143595A DE4143595B4 (de) 1990-11-01 1991-10-30 Fehlzündungserkennungsverfahren für eine Brennkraftmaschine
DE4135797A DE4135797C2 (de) 1990-11-01 1991-10-30 Fehlzündungserkennungsverfahren für eine Brennkraftmaschine
US08/162,963 US5426587A (en) 1990-11-01 1993-12-08 Misfire discriminating method for an engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29866290A JPH0751917B2 (ja) 1990-11-01 1990-11-01 エンジンの気筒別失火判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04171250A JPH04171250A (ja) 1992-06-18
JPH0751917B2 true JPH0751917B2 (ja) 1995-06-05

Family

ID=17862643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29866290A Expired - Fee Related JPH0751917B2 (ja) 1990-11-01 1990-11-01 エンジンの気筒別失火判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0751917B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3357091B2 (ja) * 1992-07-21 2002-12-16 富士重工業株式会社 エンジンの失火検出方法
JP3937761B2 (ja) * 2001-06-29 2007-06-27 日産自動車株式会社 ディーゼルエンジンの異常検出装置
JP4484772B2 (ja) * 2005-06-23 2010-06-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の失火検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04171250A (ja) 1992-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5426587A (en) Misfire discriminating method for an engine
US5287282A (en) Misfire diagnosis apparatus for an internal combustion engine
US5862505A (en) Misfire discriminating method and apparatus for an engine
US6968268B2 (en) Misfire detector for an internal combustion engine
KR100959214B1 (ko) 내연 기관의 실화 검출 장치
US5808186A (en) Method for detecting misfire by fluctuation in crankshaft rotation
JP2784069B2 (ja) エンジンの失火判定装置
JPH0436047A (ja) エンジンの失火診断装置
US5447061A (en) Misfire detection method for engine
US4982712A (en) Ignition timing control system for an engine
JP4120276B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JPH04265475A (ja) エンジンの気筒別失火判別方法
JPH0436044A (ja) エンジンの失火診断装置
JPH0751917B2 (ja) エンジンの気筒別失火判別方法
JP3922468B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP3859789B2 (ja) エンジンの失火診断装置
JP3963984B2 (ja) エンジン回転数算出装置及びエンジンの気筒別失火検出装置
JP2010150953A (ja) 内燃機関の失火診断装置
JP3357092B2 (ja) エンジンの失火検出方法
JPH10148153A (ja) エンジンの失火診断装置
JP2001073861A (ja) 排気温度センサの診断装置
JP3324795B2 (ja) エンジンの失火検出方法
JPH09324693A (ja) 燃料性状検出装置
JP4186350B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JPH1077899A (ja) エンジンの失火診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090605

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090605

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 15

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100605

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees