JPH075181Y2 - 蝶 番 - Google Patents
蝶 番Info
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- JPH075181Y2 JPH075181Y2 JP1988152210U JP15221088U JPH075181Y2 JP H075181 Y2 JPH075181 Y2 JP H075181Y2 JP 1988152210 U JP1988152210 U JP 1988152210U JP 15221088 U JP15221088 U JP 15221088U JP H075181 Y2 JPH075181 Y2 JP H075181Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- door
- support shaft
- door frame
- hinge
- elastic body
- Prior art date
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- Specific Sealing Or Ventilating Devices For Doors And Windows (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、地震や室内におけるガス爆発等の衝撃によ
り、例えば、扉枠等が変形した場合でも扉等を開放する
ことができる蝶番に関する。
り、例えば、扉枠等が変形した場合でも扉等を開放する
ことができる蝶番に関する。
〈従来の技術及び考案が解決しようとする課題〉 従来、地震等の災害が発生して、例えば、扉枠等が変形
した場合には、扉枠と扉が互いに干渉して避難用の通路
を閉塞している扉を開放することができなくなる事態
(扉のロック現象)が生じており、特に、室内で火災が
発生した際は非常に危険であった。このような事態は人
命救助の面で解決しなければならない重要な問題であっ
た。
した場合には、扉枠と扉が互いに干渉して避難用の通路
を閉塞している扉を開放することができなくなる事態
(扉のロック現象)が生じており、特に、室内で火災が
発生した際は非常に危険であった。このような事態は人
命救助の面で解決しなければならない重要な問題であっ
た。
上記扉のロック現象が発生する原理を以下説明する。な
お、説明を簡単にするために扉枠の厚みは無視し、扉枠
と扉との隙間は拡大して示すものとする。第7図におい
て、例えば、扉枠(C′)を含む平面内で扉枠(C′)
を平行四辺形に変形させる力が加わった場合を想定す
る。上記力は扉枠(C′)の下辺を固定した場合におい
ては、扉枠(C′)の上枠に水平力として作用する。そ
して、上記水平力を第8図および第9図に示すX方向お
よびY方向の力に区別して考える。
お、説明を簡単にするために扉枠の厚みは無視し、扉枠
と扉との隙間は拡大して示すものとする。第7図におい
て、例えば、扉枠(C′)を含む平面内で扉枠(C′)
を平行四辺形に変形させる力が加わった場合を想定す
る。上記力は扉枠(C′)の下辺を固定した場合におい
ては、扉枠(C′)の上枠に水平力として作用する。そ
して、上記水平力を第8図および第9図に示すX方向お
よびY方向の力に区別して考える。
まず、第8図に示すようにX方向の力が扉枠(C′)に
加わった場合には、扉枠(C′)は図のように変形し、
扉(B′)のうち取手(D′)を有する側の上辺が扉枠
(C′)の上枠に強く干渉し、その当接部に変形が生じ
て扉(B′)が引っ掛かったり、或いは扉(B′)を開
放する際に扉(B′)の押圧力によって大きな摩擦力が
働いて、その結果扉(B′)を開放することができなく
なる。
加わった場合には、扉枠(C′)は図のように変形し、
扉(B′)のうち取手(D′)を有する側の上辺が扉枠
(C′)の上枠に強く干渉し、その当接部に変形が生じ
て扉(B′)が引っ掛かったり、或いは扉(B′)を開
放する際に扉(B′)の押圧力によって大きな摩擦力が
働いて、その結果扉(B′)を開放することができなく
なる。
次に、第9図に示すようにY方向の力が加わった場合に
は、扉枠(C′)は図のように変形し、扉(B′)のう
ち取手(D′)を有する側の下辺が扉枠(C′)の下枠
に干渉する。一般に、第7図に示すように、扉枠
(C′)に対して扉(B′)は、扉(B′)の下辺と扉
枠(C′)の下枠との隙間b(例えば、6mm)が、扉
(B′)の上辺と扉枠(C′)の上枠との隙間a(例え
ば、3mm)よりも広くなるように取付けられている。こ
のため、上記Y方向の力が加わった場合における扉枠
(C′)の水平方向の許容歪み量αが、X方向の力が加
わった場合における水平方向の許容歪み量βよりも大き
くなる。
は、扉枠(C′)は図のように変形し、扉(B′)のう
ち取手(D′)を有する側の下辺が扉枠(C′)の下枠
に干渉する。一般に、第7図に示すように、扉枠
(C′)に対して扉(B′)は、扉(B′)の下辺と扉
枠(C′)の下枠との隙間b(例えば、6mm)が、扉
(B′)の上辺と扉枠(C′)の上枠との隙間a(例え
ば、3mm)よりも広くなるように取付けられている。こ
のため、上記Y方向の力が加わった場合における扉枠
(C′)の水平方向の許容歪み量αが、X方向の力が加
わった場合における水平方向の許容歪み量βよりも大き
くなる。
ここで、一般的な蝶番(A′)として、例えば、一対の
羽根板の一方に一体に突設した支軸に、他方の羽根板に
一体に結合した筒体を上方に抜き取り可能に嵌挿させ
て、扉枠(C′)に対して扉(B′)を回動可能に取付
けた構成のものについて考えるる。そして、第9図に示
すY方向の力が加わった場合には、隙間bが隙間aより
も広いので、扉枠(C′)の歪み量の増加に伴って隙間
aが拡大し、扉(B′)を上方に移動させて扉(B′)
を開放することができる。しかし、第8図に示すよう
に、X方向の力が加わった場合には、隙間aが隙間bよ
りも狭いので、扉枠(C′)のわずかな変形に伴い扉
(B′)の上辺が扉枠(C′)の上枠に強く干渉する。
そして、扉枠(C′)と扉(B′)との連結部である蝶
番(A′)において、上記X方向の力は、支軸と筒体を
径方向に離間させる力として作用し、前記扉のロック現
象が発生する。このため、地震等の衝撃によって扉枠
(C′)が変形した場合に、上記構成の蝶番(A′)で
は、扉(B′)を開放することができないという問題が
あった。
羽根板の一方に一体に突設した支軸に、他方の羽根板に
一体に結合した筒体を上方に抜き取り可能に嵌挿させ
て、扉枠(C′)に対して扉(B′)を回動可能に取付
けた構成のものについて考えるる。そして、第9図に示
すY方向の力が加わった場合には、隙間bが隙間aより
も広いので、扉枠(C′)の歪み量の増加に伴って隙間
aが拡大し、扉(B′)を上方に移動させて扉(B′)
を開放することができる。しかし、第8図に示すよう
に、X方向の力が加わった場合には、隙間aが隙間bよ
りも狭いので、扉枠(C′)のわずかな変形に伴い扉
(B′)の上辺が扉枠(C′)の上枠に強く干渉する。
そして、扉枠(C′)と扉(B′)との連結部である蝶
番(A′)において、上記X方向の力は、支軸と筒体を
径方向に離間させる力として作用し、前記扉のロック現
象が発生する。このため、地震等の衝撃によって扉枠
(C′)が変形した場合に、上記構成の蝶番(A′)で
は、扉(B′)を開放することができないという問題が
あった。
この考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、
地震等の衝撃によって扉枠が変形した場合でも、扉を開
放することができる蝶番を提供することを目的とする。
地震等の衝撃によって扉枠が変形した場合でも、扉を開
放することができる蝶番を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するためのこの考案の蝶番は、一対の羽
根板の一方側に一体に設けた支軸に、他方側の羽根板に
一体に設けた筒体を嵌挿し、支軸と筒体を回動可能に連
結する蝶番において、筒体内径を支軸外径よりも大きく
形成して上記支軸と筒体の間に、支軸または筒体が移動
できる空間を設け、この空間内に支軸または筒体の径方
向の移動を許容する少なくとも一対の板ばねからなる弾
性体を支軸を挟持した状態で設け、さらに上記空間内に
は弾性体の位置ずれ防止用の充填体を設けていることを
特徴としている。
根板の一方側に一体に設けた支軸に、他方側の羽根板に
一体に設けた筒体を嵌挿し、支軸と筒体を回動可能に連
結する蝶番において、筒体内径を支軸外径よりも大きく
形成して上記支軸と筒体の間に、支軸または筒体が移動
できる空間を設け、この空間内に支軸または筒体の径方
向の移動を許容する少なくとも一対の板ばねからなる弾
性体を支軸を挟持した状態で設け、さらに上記空間内に
は弾性体の位置ずれ防止用の充填体を設けていることを
特徴としている。
〈作用〉 上記の構成の蝶番において、例えば、支軸を設けた羽根
板を扉枠に、筒体を設けた羽根板を扉に取付けたものを
想定すれば、地震等の衝撃が作用していない場合は、支
軸と筒体の間に形成した空間に設けた少なくとも一対の
板ばねからなる弾性体が支軸と筒体を所定位置で支持
し、ひいては扉を回動可能に支持する。
板を扉枠に、筒体を設けた羽根板を扉に取付けたものを
想定すれば、地震等の衝撃が作用していない場合は、支
軸と筒体の間に形成した空間に設けた少なくとも一対の
板ばねからなる弾性体が支軸と筒体を所定位置で支持
し、ひいては扉を回動可能に支持する。
一方、地震等が発生して、その衝撃により支軸と筒体を
径方向に離間させる力が加わった場合には、支軸または
筒体が弾性体を圧縮して移動し、扉枠に対する扉の押圧
力を減少させる。
径方向に離間させる力が加わった場合には、支軸または
筒体が弾性体を圧縮して移動し、扉枠に対する扉の押圧
力を減少させる。
また、支軸を挟持した状態で設けてある少なくとも一対
の板ばねによる弾性体に対して位置ずれを防止する充填
体を支軸と筒体との間の空間に設けてあるので、弾性体
は支軸または筒体の径方向への移動を許容できる状態を
安定よく維持できることになる。
の板ばねによる弾性体に対して位置ずれを防止する充填
体を支軸と筒体との間の空間に設けてあるので、弾性体
は支軸または筒体の径方向への移動を許容できる状態を
安定よく維持できることになる。
〈実施例〉 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第1図および第2図はこの考案に係る蝶番(A)の一実
施例を示す正面および側面断面図である。上記蝶番
(A)は一対の羽根板(1)(2)を有していると共
に、一方側の羽根板(1)の側端縁に支軸(10)が一体
に設けられており、他方側の羽根板(2)に上記支軸
(10)に嵌挿するための筒体(20)が一体に設けられて
いる。また、上記筒体(20)は支軸(10)に対して回動
可能に支持されている。さらに、第3図に示すように、
蝶番(A)は、その羽根板(1)を扉枠(C)に取付
け、羽根板(2)を扉(B)に取付けてあり、扉(B)
を閉めた状態において、両羽根板(1)(2)が扉
(B)と扉枠(C)との端面間で相互に重なり合うよう
に取付けられている。そして、上記支軸(10)と筒体
(20)との側面間には、両者の径方向の移動を許容する
一対の板ばねからなる弾性体(3)を介在させている。
施例を示す正面および側面断面図である。上記蝶番
(A)は一対の羽根板(1)(2)を有していると共
に、一方側の羽根板(1)の側端縁に支軸(10)が一体
に設けられており、他方側の羽根板(2)に上記支軸
(10)に嵌挿するための筒体(20)が一体に設けられて
いる。また、上記筒体(20)は支軸(10)に対して回動
可能に支持されている。さらに、第3図に示すように、
蝶番(A)は、その羽根板(1)を扉枠(C)に取付
け、羽根板(2)を扉(B)に取付けてあり、扉(B)
を閉めた状態において、両羽根板(1)(2)が扉
(B)と扉枠(C)との端面間で相互に重なり合うよう
に取付けられている。そして、上記支軸(10)と筒体
(20)との側面間には、両者の径方向の移動を許容する
一対の板ばねからなる弾性体(3)を介在させている。
さらに詳述すれば、第4図に示すように、上記羽根板
(1)(2)は、金属製の矩形上の板材からなり、扉
(B)または扉枠(C)に取付けるための取付部材の挿
通孔(1a)(2a)が所定位置に穿孔されている。
(1)(2)は、金属製の矩形上の板材からなり、扉
(B)または扉枠(C)に取付けるための取付部材の挿
通孔(1a)(2a)が所定位置に穿孔されている。
上記支軸(10)は金属製の丸鋼からなり、その一端(10
b)が扉(B)を支承可能な強度を有する支軸保持筒(1
1)に一体的に埋設されていると共に、他端(10a)が支
軸保持筒(11)から所定長さ突出して形成されている。
また、支軸(10)先端部には鋼球(12)が回動可能に嵌
め込まれている。なお、上記支軸(10)は、その軸芯が
羽根板(1)の側面と並行になるように支軸保持筒(1
1)に固定されている。
b)が扉(B)を支承可能な強度を有する支軸保持筒(1
1)に一体的に埋設されていると共に、他端(10a)が支
軸保持筒(11)から所定長さ突出して形成されている。
また、支軸(10)先端部には鋼球(12)が回動可能に嵌
め込まれている。なお、上記支軸(10)は、その軸芯が
羽根板(1)の側面と並行になるように支軸保持筒(1
1)に固定されている。
上記筒体(20)は、内部に空洞を有する金属製の筒状体
からなり、その一端が開放されていると共に他端が閉塞
されている。また、筒体(20)の内径は、その内部で支
軸(10)が所定距離だけ径方向に移動できるように支軸
(10)の外径よりも大きく形成され、支軸(10)と筒体
(20)との間に支軸(10)または筒体(20)が移動でき
る空間を設けている。さらに、筒体(20)の内壁には、
後述する弾性体(3)を筒体(20)内の所定位置に介在
させておくための溝(20a)が設けられている。そし
て、筒体(20)を支軸(10)に嵌挿した際に、支軸(1
0)の鋼球(12)が筒体(20)の内底面と当接して、扉
(B)の荷重が担持されるようになっている。
からなり、その一端が開放されていると共に他端が閉塞
されている。また、筒体(20)の内径は、その内部で支
軸(10)が所定距離だけ径方向に移動できるように支軸
(10)の外径よりも大きく形成され、支軸(10)と筒体
(20)との間に支軸(10)または筒体(20)が移動でき
る空間を設けている。さらに、筒体(20)の内壁には、
後述する弾性体(3)を筒体(20)内の所定位置に介在
させておくための溝(20a)が設けられている。そし
て、筒体(20)を支軸(10)に嵌挿した際に、支軸(1
0)の鋼球(12)が筒体(20)の内底面と当接して、扉
(B)の荷重が担持されるようになっている。
上記上記一対の板ばねからなる弾性体(3)は、第3図
に示すように、扉(B)を閉めた状態で、扉枠(C)お
よび扉(B)と並行に、且つ支軸(10)を挾持した状態
で筒体(20)内に配設されている。また、弾性体(3)
の内側には、弾性体(3)が支軸(10)に直接接触して
支軸(10)が傷付くのを防止するために保護パイプ
(4)が設けられている。さらに、上記弾性体(3)
は、通常の使用状態での扉(B)の開閉操作を行なう場
合には、扉(B)をガタ付くことなく支持可能な弾性を
有し、一方、扉枠(C)を変形させる力が加わった場合
には、筒体(20)または支軸(10)が移動可能な弾性を
有している。なお、(5)は弾性体(3)の位置ずれを
防止するための充填体であり、当該充填体(5)は、上
記板ばね(3)の挙動を阻止しないように、且つ支軸
(10)または筒体(20)の移動を妨げないように十分な
弾性を有する、例えば、ウレタンゴム等の弾性部材で構
成されている。
に示すように、扉(B)を閉めた状態で、扉枠(C)お
よび扉(B)と並行に、且つ支軸(10)を挾持した状態
で筒体(20)内に配設されている。また、弾性体(3)
の内側には、弾性体(3)が支軸(10)に直接接触して
支軸(10)が傷付くのを防止するために保護パイプ
(4)が設けられている。さらに、上記弾性体(3)
は、通常の使用状態での扉(B)の開閉操作を行なう場
合には、扉(B)をガタ付くことなく支持可能な弾性を
有し、一方、扉枠(C)を変形させる力が加わった場合
には、筒体(20)または支軸(10)が移動可能な弾性を
有している。なお、(5)は弾性体(3)の位置ずれを
防止するための充填体であり、当該充填体(5)は、上
記板ばね(3)の挙動を阻止しないように、且つ支軸
(10)または筒体(20)の移動を妨げないように十分な
弾性を有する、例えば、ウレタンゴム等の弾性部材で構
成されている。
上記の構成の蝶番(A)によれば、通常の扉(B)の開
閉操作を行なう場合には、弾性体(3)によって支軸
(10)と筒体(20)を所定位置に保持して扉(B)を回
動することができるので、ガタつきを生じることなく扉
(B)を開閉することができる。
閉操作を行なう場合には、弾性体(3)によって支軸
(10)と筒体(20)を所定位置に保持して扉(B)を回
動することができるので、ガタつきを生じることなく扉
(B)を開閉することができる。
一方、地震等が発生し、第8図に示すX方向の水平力が
加わった場合には、蝶番(A)において、扉枠(C)側
の羽根板(1)に扉(B)側の羽根板(2)から離間す
る方向に力が働く。ところが、扉(B)は扉枠(C)の
上枠に強く当接しているので、上記羽根板(1)に追従
して移動することができない。しかし、筒体(20)内に
は、支軸(10)の移動を許容する弾性体(3)を介在さ
せているので、第5図に示すように、羽根板(1)と羽
根板(2)とを連結している支軸(10)と筒体(20)と
の間では、支軸(10)が、上記力に応じて筒体(20)内
で一方の弾性体(3)を圧縮して径方向(図中において
扉枠(C)の方向)に移動する。このため、扉(B)に
作用する力が減少し、扉枠(C)に対する扉(B)の上
辺の押圧力が小さくなる。したがって、扉(B)を回動
する際に働く摩擦力を著しく減少させることができるの
で、扉(B)を大きな力を必要とせず、用意に開放する
ことができる。
加わった場合には、蝶番(A)において、扉枠(C)側
の羽根板(1)に扉(B)側の羽根板(2)から離間す
る方向に力が働く。ところが、扉(B)は扉枠(C)の
上枠に強く当接しているので、上記羽根板(1)に追従
して移動することができない。しかし、筒体(20)内に
は、支軸(10)の移動を許容する弾性体(3)を介在さ
せているので、第5図に示すように、羽根板(1)と羽
根板(2)とを連結している支軸(10)と筒体(20)と
の間では、支軸(10)が、上記力に応じて筒体(20)内
で一方の弾性体(3)を圧縮して径方向(図中において
扉枠(C)の方向)に移動する。このため、扉(B)に
作用する力が減少し、扉枠(C)に対する扉(B)の上
辺の押圧力が小さくなる。したがって、扉(B)を回動
する際に働く摩擦力を著しく減少させることができるの
で、扉(B)を大きな力を必要とせず、用意に開放する
ことができる。
なお、上記実施例では、扉(B)の下辺と扉枠(C)の
下枠との隙間bが、扉(B)の上辺と扉枠(C)の上枠
との隙間aよりも広くなるように扉枠(C)に対して扉
(B)を取付け、この状態でX方向の力が作用した場合
について説明したが、上記隙間bが隙間aよりも狭い場
合において、この状態で第9図に示すように、Y方向の
力が作用した場合には、扉枠(C)の下枠側から上方へ
作用する押圧力によって扉(B)が上方へ移動するだけ
でなく、蝶番(A)の支軸(10)と筒体(20)との間に
は、支軸(10)を挾持して一対の弾性体(3)を介在さ
せているので、扉枠(C)が、第5図にて示したX方向
とは反対の方向(第9図において略Y方向)に移動す
る。このため、支軸(10)が扉枠(C)の動きに追従
し、一方の弾性体(3)を圧縮して移動するので(第5
図において右側)、扉枠(C)と扉(B)との押圧力を
減少させることができ、扉(B)を容易に開放すること
ができる。
下枠との隙間bが、扉(B)の上辺と扉枠(C)の上枠
との隙間aよりも広くなるように扉枠(C)に対して扉
(B)を取付け、この状態でX方向の力が作用した場合
について説明したが、上記隙間bが隙間aよりも狭い場
合において、この状態で第9図に示すように、Y方向の
力が作用した場合には、扉枠(C)の下枠側から上方へ
作用する押圧力によって扉(B)が上方へ移動するだけ
でなく、蝶番(A)の支軸(10)と筒体(20)との間に
は、支軸(10)を挾持して一対の弾性体(3)を介在さ
せているので、扉枠(C)が、第5図にて示したX方向
とは反対の方向(第9図において略Y方向)に移動す
る。このため、支軸(10)が扉枠(C)の動きに追従
し、一方の弾性体(3)を圧縮して移動するので(第5
図において右側)、扉枠(C)と扉(B)との押圧力を
減少させることができ、扉(B)を容易に開放すること
ができる。
また、弾性体(3)としては、第6図に示すように、板
ばね(3)同士の一部を重ね合わせて弾性を有する重ね
合わせ部(30)を形成したものでも良い。この場合に
は、支軸(10)を上記重ね合わせ部(30)に当接して支
持することによって、支軸(10)の軸方向への移動をも
許容することができる。
ばね(3)同士の一部を重ね合わせて弾性を有する重ね
合わせ部(30)を形成したものでも良い。この場合に
は、支軸(10)を上記重ね合わせ部(30)に当接して支
持することによって、支軸(10)の軸方向への移動をも
許容することができる。
なお、この考案は上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、支軸(10)と筒体(20)との間に保護パイ
プ(4)を設けず、弾性体(3)を直接介在させても良
い。また、弾性体として板ばね(3)を複数枚設けても
よい。さらに、上記実施例では、扉(B)を閉めた状態
において、羽根板(1)(2)が扉(B)と扉枠(C)
との端面間で相互に重なり合うように取付けたものを示
したが、両羽根板(1)(2)を拡開した状態で扉枠
(C)および扉(B)の側面に取付けても良い。そし
て、羽根板(1)(2)の挿通孔(1a)(2a)の位置
を、既設の羽根板の挿通孔と同一位置に設けることによ
り、既設の蝶番との交換を行なうこともできる。また、
羽根板(1)(2)を左右略対称な互換性を有する形状
にて形成することにより、扉(B)および扉枠(C)に
対してそれぞれ逆に取付けた場合でも実施できる。この
ほか、この考案の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
く、例えば、支軸(10)と筒体(20)との間に保護パイ
プ(4)を設けず、弾性体(3)を直接介在させても良
い。また、弾性体として板ばね(3)を複数枚設けても
よい。さらに、上記実施例では、扉(B)を閉めた状態
において、羽根板(1)(2)が扉(B)と扉枠(C)
との端面間で相互に重なり合うように取付けたものを示
したが、両羽根板(1)(2)を拡開した状態で扉枠
(C)および扉(B)の側面に取付けても良い。そし
て、羽根板(1)(2)の挿通孔(1a)(2a)の位置
を、既設の羽根板の挿通孔と同一位置に設けることによ
り、既設の蝶番との交換を行なうこともできる。また、
羽根板(1)(2)を左右略対称な互換性を有する形状
にて形成することにより、扉(B)および扉枠(C)に
対してそれぞれ逆に取付けた場合でも実施できる。この
ほか、この考案の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
〈考案の効果〉 以上のように本考案に係る蝶番は、支軸と筒体の空間に
支軸を挟持した状態で少なくとも一対の板ばねからなる
弾性体を設けているので、両者を径方向に離間させる力
が加わった場合でも、支軸または筒体を移動させること
ができ、上記蝶番を、扉および扉枠に取付けた場合に
は、扉枠に対する扉の押圧力を減少させることができ、
摩擦抵抗を少なく容易に扉を開放することができ、しか
も支軸または筒体の径方向の移動を許容する弾性体に対
してその位置ずれを防止するための充填体を、支軸と筒
体間の空間に設けているので、弾性体の径方向への移動
を許容できる状態を安定よく維持できる。したがって、
地震等が発生した場合でも、室内に閉じこめられること
なく、迅速且つ確実に室外に緊急避難できる安全性に優
れた蝶番を提供することができるという特有の効果を奏
する。
支軸を挟持した状態で少なくとも一対の板ばねからなる
弾性体を設けているので、両者を径方向に離間させる力
が加わった場合でも、支軸または筒体を移動させること
ができ、上記蝶番を、扉および扉枠に取付けた場合に
は、扉枠に対する扉の押圧力を減少させることができ、
摩擦抵抗を少なく容易に扉を開放することができ、しか
も支軸または筒体の径方向の移動を許容する弾性体に対
してその位置ずれを防止するための充填体を、支軸と筒
体間の空間に設けているので、弾性体の径方向への移動
を許容できる状態を安定よく維持できる。したがって、
地震等が発生した場合でも、室内に閉じこめられること
なく、迅速且つ確実に室外に緊急避難できる安全性に優
れた蝶番を提供することができるという特有の効果を奏
する。
第1図はこの考案に係る蝶番を扉および扉枠に取付けた
一実施例を示す正面断面図、 第2図は第1図の側面断面図、 第3図は第1図のIII-III線断面図、 第4図は蝶番を分解した状態を示す分解斜視図、 第5図は支軸が移動した状態を示す正面断面図、 第6図は弾性体の変更例、 第7図は扉と扉枠を示す線図、 第8図および第9図は扉枠の変形による扉と扉枠との干
渉を説明するための線図。 (1)(2)……羽根板、(10)……支軸、(20)……
筒体、(3)……弾性体、(A)……蝶番。
一実施例を示す正面断面図、 第2図は第1図の側面断面図、 第3図は第1図のIII-III線断面図、 第4図は蝶番を分解した状態を示す分解斜視図、 第5図は支軸が移動した状態を示す正面断面図、 第6図は弾性体の変更例、 第7図は扉と扉枠を示す線図、 第8図および第9図は扉枠の変形による扉と扉枠との干
渉を説明するための線図。 (1)(2)……羽根板、(10)……支軸、(20)……
筒体、(3)……弾性体、(A)……蝶番。
Claims (1)
- 【請求項1】一対の羽根板の一方側に一体に設けた支軸
に、他方側の羽根板に一体に設けた筒体を嵌挿し、支軸
と筒体を回動可能に連結する蝶番において、筒体内径を
支軸外径よりも大きく形成して上記支軸と筒体の間に、
支軸または筒体が移動できる空間を設け、この空間内に
支軸または筒体の径方向の移動を許容する少なくとも一
対の板ばねからなる弾性体を支軸を挟持した状態で設
け、さらに上記空間内には弾性体の位置ずれ防止用の充
填材を設けていることを特徴とする蝶番。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988152210U JPH075181Y2 (ja) | 1988-11-22 | 1988-11-22 | 蝶 番 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988152210U JPH075181Y2 (ja) | 1988-11-22 | 1988-11-22 | 蝶 番 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0272772U JPH0272772U (ja) | 1990-06-04 |
JPH075181Y2 true JPH075181Y2 (ja) | 1995-02-08 |
Family
ID=31426935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988152210U Expired - Lifetime JPH075181Y2 (ja) | 1988-11-22 | 1988-11-22 | 蝶 番 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075181Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036304A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-21 | Nakanishi Sangyo Kk | 対震ピボットヒンジ装置及びそれを用いた扉装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51149451A (en) * | 1975-06-16 | 1976-12-22 | Kamenosuke Fukui | Hinge |
-
1988
- 1988-11-22 JP JP1988152210U patent/JPH075181Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036304A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-21 | Nakanishi Sangyo Kk | 対震ピボットヒンジ装置及びそれを用いた扉装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0272772U (ja) | 1990-06-04 |
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