JPH0751760Y2 - 粒子加速器用真空ダクト - Google Patents

粒子加速器用真空ダクト

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JPH0751760Y2
JPH0751760Y2 JP8565790U JP8565790U JPH0751760Y2 JP H0751760 Y2 JPH0751760 Y2 JP H0751760Y2 JP 8565790 U JP8565790 U JP 8565790U JP 8565790 U JP8565790 U JP 8565790U JP H0751760 Y2 JPH0751760 Y2 JP H0751760Y2
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JP
Japan
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duct
duct body
vacuum
reinforcing plate
particle accelerator
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JP8565790U
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勝治 米山
康一 片山
日出雄 角井
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、シンクロトロン等の粒子加速器に利用される
真空ダクトに係り、特に補強板を備えてなる超薄肉タイ
プの粒子加速器用真空ダクトに関するものである。
[従来の技術] 粒子ビームを真空ダクト内で周回させて加速する粒子加
速器が知られている。
この種粒子加速器においては、真空ダクトの偏向部に付
与される磁場の変動により、ダクト壁面にうず電流が生
じる。そして、このうず電流の大きさに応じて新たな磁
場が生じ、予め付与された本来の磁場が乱されてしま
う。通常、うず電流の大きさは真空ダクトの肉厚に起因
するため、それによる影響を極力低減するには、ダクト
の薄肉化を図る必要がある。
ところで、このような粒子加速器により粒子ビームを加
速する際に、真空ダクト内の真空度が悪いとビーム寿命
が短くなる。そのため、真空ダクト内は超高真空状態に
保持されている。しかし、これにより真空ダクト内が高
真空圧に保たれる一方、ダクト外が大気圧であることか
ら、上述の如くダクトを薄く製作するのみでは、これら
内外圧力差によって真空ダクトが潰れてしまう。
そこで、従来より第1図に本考案の一実施例と併用して
示すように、ダクト本体3の長手方向に沿って補強板4
を一定ピッチで取り付けることにより、上記圧力差に起
因した変形を防止するようにしている。
[考案が解決しようとする課題] しかし、従来の真空ダクトは、単にリング状の補強板4
をダクト本体3外周に嵌合させ、これらの接合部を固着
してなるものである。そのため、補強板4とダクト本体
3とをTIG等の溶接により固着すると、超薄肉のダクト
本体では穴があいてしまい、健全な固着を行うことがで
きない。
そこで、肉厚が極めて薄いダクト本体に補強板を固着す
る方法として、レーザ溶接あるいはろう付け等を採用す
ることが考えられている。しかし、これらの方法で固着
するには、補強板およびダクト本体間の隙間を厳密に且
つ微小に確保する必要がある。そのため、従来は、これ
らを高精度に加工して、上述のような隙間の確保を図っ
ている。しかし、実際上、加工精度を向上させるのみで
は、上記隙間の確保が非常に困難であり、そのため、固
着不能であったり固着強度に劣るなどの問題を生じてい
た。したがって、このような方法により固着する場合で
も、健全な固着を行うことができなかった。
本考案は、このような従来技術の欠点を解消すべくなさ
れたものであり、その目的は、ダクト本体を超薄肉に形
成したときにも、補強板を健全にレーザ溶接あるいはろ
う付けしうる構成の粒子加速器用真空ダクトを提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本考案は、上記目的を達成するために、断面が上下に狭
く左右に広い略レーストラック状あるいは楕円形状のダ
クト本体の長手方向に沿って所定間隔を隔ててリング状
の補強板を備えてなる粒子加速器用真空ダクトにおい
て、上記ダクト本体を挿通させるべく上記補強板に挿入
孔を形成すると共に、この挿入孔の上下間隔を上記ダク
ト本体の上下径より小さくし、この挿入孔の左右間隔を
上記ダクト本体の左右径より大きくしたものである。
[作用] 上記構成によれば、ダクト本体を挿入孔に挿通すると
き、ダクト本体は上下に縮めて弾性変形することにな
る。このダクト本体は弾性変形を回復するべく径を拡げ
ようとするので、そのスプリングバックにより上下2辺
部が補強板に密着する。このようにして、補強板とダク
ト本体との隙間を厳密に且つ微小に確保することができ
るので、ダクト本体を超薄肉に形成したときにも、補強
板を健全にレーザ溶接あるいはろう付けしうる。従っ
て、確実且つ強固な固着が達成される。
[実施例] 以下に、本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第5図において、1はシンクロトロンの真空ダクトであ
り、電子ビームの周回軌道を形成するよう略リング状と
されている。2はステンレス鋼製の真空槽であり、複数
の真空槽2,2,・・が互いに傾斜結合されて、真空ダクト
1の偏向部が形成されている。
各真空槽2は第1図に示すように、直管状のダクト本体
3の外周に、その長手方向に沿って一定間隔毎に補強板
4を取り付けて構成されている。ここで、ダクト本体3
の長さは約3m、隣接する補強板4、4相互のピッチは20
mm〜30mm程度に定められている。
ダクト本体3は、磁場変動に起因するうず電流の発生を
十分に低減しうるよう、約0.3mmの肉厚で形成されてい
る。また、ダクト本体3の断面形状は第3図に示すよう
に、上下に狭く左右に広い形状となっており、互いに向
かい合う曲率の小さな2辺部を形成する中央の直線部5
と、その両端の曲率の大きな円弧部6とからなり、あた
かも陸上競技場等のレーストラックの如き形状を呈して
いる。
一方、補強板4は第4図に示すように、それにダクト本
体3が挿入嵌合されるよう、略リング状に形成されてい
る。ダクト本体3が挿入される補強板4の挿入孔7は、
ダクト本体3と同様に略レーストラック状に形成されて
おり、互いに対向する直線部8、8と円弧部9、9とに
より区画形成されている。
本実施例においては、挿入孔7を区画形成する各直線部
8、8間の間隔Aが、上記ダクト本体3の各直線部5,5
間の間隔B(第3図参照)よりも若干小さく設定されて
いる。そして、ダクト本体3の各直線部5,5を径方向内
方に押圧して間隔Bを縮小した状態で、ダクト本体3を
挿入孔7に挿入することによって、ダクト本体3の外周
に補強板4が嵌合されている。第2図は、これらの嵌合
状態を示したものであり、ダクト本体3のスプリングバ
ックによって、ダクト本体3および補強板4の互いに対
応する直線部5,8同士が密着した状態となっている。し
かし、このように嵌合したことに起因して、ダクト本体
3の各円弧部6は径方向外方に膨らむこととなる。その
ため、本実施例においては、また、その円弧部6の膨ら
みを許容するために、挿入孔7を区画形成する各円弧部
9を、ダクト本体3の円弧部6よりも大きく形成し、こ
れら円弧部6,9間に間隙10を形成している。
補強板4は、このようにして互いに密着する各直線部5,
8間に、ろう付けを施すことによって、ダクト本体3に
固着されている。
以上のようにして構成される真空ダクト1内で電子ビー
ムは加速される。この加速の際には、既に述べたような
真空ダクト1の偏向部である真空槽2に図示しない電磁
石により磁場が付与されるが、本実施例では、ダクト本
体3を約0.3mmという超薄肉に形成しているので、その
ダクト本体3に発生するうず電流を可及的に低減でき
る。そのため、上記電磁石(図示省略)により付与され
る磁場が乱されること無く、真空槽2内を通る電子ビー
ムに所定の磁場を付与することができ、もって、電子ビ
ームの加速エネルギーを高精度に設定することができ
る。
また、本実施例では、ダクト本体3の各直線部5,5間の
間隔Bを縮小した状態で、ダクト本体3を挿入孔7に挿
入嵌合させているので、ダクト本体3のスプリングバッ
クにより、直線部5,8相互を互いに密着させることがで
き、ダクト本体3および補強板4間の隙間を非常に小さ
い値に設定することができる。そして、この直線部5,8
間にろう付けを施してダクト本体3に補強板4を固着し
ているので、その固着作業が健全に行われ、十分な固着
強度を得ることができる。加えて、ダクト本体3の間隔
Bを縮小させた状態でダクト本体3を挿入孔7に挿入嵌
合させると、その円弧部6が径方向外方に膨らむが、本
実施例では、ダクト本体3の円弧部6よりも挿入孔7の
円弧部9を大きく形成したので、その円弧部6の膨らみ
を許容することができる。
こうして、本実施例では、ダクト本体3が確実に補強板
4により補強され、十分な機械的強度を有する真空槽2
が得られる。もって、電子ビームを加速する際には、真
空ダクト1内が10-7torr台あるいはそれ以上の超高真空
状態に保持され、真空槽2の内外には大きな圧力差を生
じるが、その内外圧力差に起因した真空槽2の変形を確
実に防止できる。
なお、上記実施例においては、ダクト本体3の断面形状
を略レーストラック状としたが、楕円形状等他の形状と
してもよい。断面形状が楕円形状の場合は、ダクト本体
の向かい合う曲率の小さな2辺部を縮径して弾性変形さ
せて、同形状の挿入孔に嵌合させる。また、複数の直線
状の真空槽2,2,・・を互いに傾斜結合して真空ダクト1
の偏向部を形成したが、曲線状のダクト本体を用いて真
空ダクトの偏向部を構成してもよい。
[考案の効果] 以上要するに本考案によれば、次のごとく優れた効果を
発揮する。
(1)ダクト本体のスプリングバックにより、ダクト本
体の曲率の小さな2辺部と補強板とを密着させ、その密
着箇所で補強板をレーザ溶接あるいはそう付けするよう
にしたので、超薄肉のダクト本体に対しても補強板を確
実且つ強固に固着した状態が得られる。
(2)よって、超薄肉の真空ダクトを実現でき、うず電
流の発生を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の真空槽を示す斜視図、第2
図は第1図のII−II矢視断面図、第3図は一実施例のダ
クト本体を示す端面図、第4図は一実施例の補強板を示
す正面図、第5図は真空ダクトの偏向部を示す図であ
る。 図中、1は真空ダクト、2は真空槽、3はダクト本体、
4は補強板、5はダクト本体の直線部、7は挿入孔、8
は挿入孔を区画する直線部である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面が上下に狭く左右に広い略レーストラ
    ック状あるいは楕円形状のダクト本体の長手方向に沿っ
    て所定間隔を隔ててリング状の補強板を備えてなる粒子
    加速器用真空ダクトにおいて、上記ダクト本体を挿通さ
    せるべく上記補強板に挿入孔を形成すると共に、この挿
    入孔の上下間隔を上記ダクト本体の上下径より小さく
    し、この挿入孔の左右間隔を上記ダクト本体の左右径よ
    り大きくしたことを特徴とする粒子加速器用真空ダク
    ト。
JP8565790U 1990-08-15 1990-08-15 粒子加速器用真空ダクト Expired - Lifetime JPH0751760Y2 (ja)

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JP8565790U JPH0751760Y2 (ja) 1990-08-15 1990-08-15 粒子加速器用真空ダクト

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Publication Number Publication Date
JPH0443900U JPH0443900U (ja) 1992-04-14
JPH0751760Y2 true JPH0751760Y2 (ja) 1995-11-22

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