JPH0751578B2 - テトラフエニルポルフイリン誘導体、その製造法、lb膜の製造法及びベンズアルデヒド誘導体 - Google Patents

テトラフエニルポルフイリン誘導体、その製造法、lb膜の製造法及びベンズアルデヒド誘導体

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JPH0751578B2
JPH0751578B2 JP2193386A JP19338690A JPH0751578B2 JP H0751578 B2 JPH0751578 B2 JP H0751578B2 JP 2193386 A JP2193386 A JP 2193386A JP 19338690 A JP19338690 A JP 19338690A JP H0751578 B2 JPH0751578 B2 JP H0751578B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なテトラフエニルポルフイリン誘導体、
その製造法,LB膜の製造法及びベンズアルデヒド誘導体
に関する。
〔従来の技術〕
ポルフイリン化合物特にテトラフエニルポルフイリン化
合物はその熱的安定性,光触媒特性より数多くの研究が
これまでになされてきている。特に光酸化還元反応触媒
としての有用性は知られており、ポルフイリン化合物を
光誘起電子移動反応系の増感剤として利用する試みが、
光合成モデル化合物の観点から盛んに研究がなされてい
る。光合成システムではポルフイリン化合物が植物細胞
の膜中に並んでいることからポルフイリン化合物を薄膜
として並べる技術は特に関心が高く、その中でもラング
ミユア・ブロジエツト膜(LB膜)は植物系の実際の配列
に近い構造の膜を制御された手段で実験的に作製が可能
なことから特に関心が高い。ポルフイリン化合物のLB膜
を作製するためにはポルフイリン化合物に疎水相互作用
を持たすために長鎖アルキルのような疎水基をつけるこ
とが一般的である。しかしポルフイリン化合物は溶液中
や固体中で二量体等の会合をおこし易いことが知られて
いる。例えば第196回アメリカ化学会年会無機化学部門
講演番号201(1988年)においてテトラ(4−オクタデ
シロキシフエニル)ポリフイリンを用いてラングミユア
・ブロジエツト膜の作製が報告されているが得られたLB
膜の分子占有面積からポルフイリン分子はポルフイリン
環同士が対面し水面(基板)に対しポルフイリン環が垂
直または斜めに配列した構造の膜と推定されている。
一方ポルフイリン分子がLB膜で水平となるような例も知
られており、たとえばアンドレ・バーロー(Ander Barr
aud)らはシン・ソリツド・フイルムズ(Thin Solid Fi
lms)第99巻33頁(1988年)で長鎖アルキルテトラピリ
ジニウムポルフイリンのLB膜を報告し、ポルフイリン環
が水平となることを示している。この場合荷電を有した
ピリジニウム基がサブフエーズに使用した水と強く相互
作用していると考えられるがピリジニウム基の荷電は主
に疎水基である長鎖アルキル基の根元の窒素原子にあつ
てLB膜中では疎水基側(サブフエーズの上方)に向いて
いると考えられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記したようなテトラ(4−オクタデシロキ
シフエニル)ポルフイリン,長鎖アルキルテトラピリジ
ニウムポルフイリンとは異なつたテトラフエニルポルフ
イリン誘導体であつて、ニツケルビス(ジチオマレオニ
トリル)錯体等の電子供与性化合物,ニツケルジチオス
チリベン錯体,白金ジチオスチリベン錯体等の電子受容
性化合物などと共にLB膜としたときに、これらが良好な
積層構造をとることができ、四級アンモニウムイオンを
有するテトラフエニルポルフイリン誘導体、これらの原
料となるジアルキルアミノ基を有するポルフイリン誘導
体及びその製造法を提供するものであり、さらに、上記
LB膜の製造法、上記テトラフエニルポルフイリン誘導体
の原料となるベンズアルデヒド誘導体を提供するもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明におけるテトラフエニルポルフイリン誘導体の一
つは、一般式(I) (ただし、式中、Mは金属,金属ハロゲン化物,金属酸
化物,金属水酸化物又は2個の水素を示し、R1,R2
R3,R4,R5,R6,R7及びR8はそれぞれ独立にアルキル基
を示す)で表わされる。
また、優れたLB膜性能を示すテトラフエニルポルフイリ
ン誘導体は、一般式(II) 〔ただし、式中、Mは金属,金属ハロゲン化物,金属酸
化物,金属水酸化物又は2個の水素を示し、P1,P2,P3
及びP4はそれぞれ独立に、一般式(a) (ただし、式中、R9及びR10はそれぞれ独立にアルキル
基を示す)で表わされるジアルキルアミノ基又は一般式
(b) (ただし、式中、R9,R10及びR11はそれぞれ独立にアル
キル基を示す)で表わされるトリアルキルアンモニウム
基を示し、P1,P2,P3及びP4のうち少なくとも一つは一
般式(b)で表わされるトリアルキルアンモニウム基で
あり、Aは該トリアルキルアンモニウム基のカチオンを
中和するに必要な電荷を有する1個以上のアニオンを示
す〕で表わされる。
一般式(II)で表わされるテトラフエニルポルフイリン
誘導体において、P1,P2,P3及びP4のうち3個又は4
個、特に4個が一般式(b)で表わされる基であるの
が、良好なLB膜形成能の点で好ましく、さらに、P1
P2,P3及びP4のうち少なくとも一つは、炭素数8以上の
アルキル基を含むのが好ましく、特に、P1,P2,P3及び
P4のそれぞれに炭素数8以上のアルキル基が含まれるの
が好ましい。また、一般式(II)において、Aとしては
P1,P2,P3及びP4のうち一般式(b)で表わされるもの
の個数に対応したハロゲンイオン、SO4 --,NO3 -等のア
ニオンがある。
一般式(I)及び一般式(II)において、Mが金属のと
き、該金属としては、周期律表Ib族,IIa族,IIb族,IIIa
族,IVa族,IVb族,Vb族,VIb族,VIIb族,VIII族の金属があ
り、例えば、Cu,Zn,Mg,Al,Ge,Ti,Sn,Pb,Cr,Mo,Mn,Fe,C
o,Ni,In,Pt,Pd等がある。
上記Mが金属ハロゲン化物のとき該金属ハロゲン化物と
しては、AlCl,GeCl2,SiCl2,FeCl,SnCl2,InCl2等があ
り、上記Mが金属酸化物のとき該金属酸化物としてはTi
o,VO等があり、上記Mが金属水酸化物のとき該金属水酸
化物としてはAl(OH),Si(OH)2,Ge(OH)2,Sn(OH)2
がある。
一般式(I)において、Mが2個の水素であるポルフイ
リン誘導体は、一般式(III) (ただし、式中、R及びR′はそれぞれ独立にアルキル
基を示す)で表わされるベンズアルデヒド誘導体とピロ
ールを反応させることにより得ることができる。上記ベ
ンズアルデヒド誘導体としては、一般式(III)におい
てRおよびR′のうち少なくとも一方が炭素数8以上の
アルキル基であるものを25モル%以上含むものを使用す
るのが好ましく、上記ベンズアルデヒド誘導体としてR
及びR′のうち少なくとも一方が炭素数8以上のアルキ
ル基であるものを使用するのが特に好ましい。
上記反応において、酢酸,プロピオン酸等のアルカン
酸,p−トルエンスルホン酸などの酸触媒を一般式(II
I)で表わされるベンズアルデヒド誘導体に対して0.05
当量以上用いるのが好ましい。反応溶媒としてはトルエ
ン,キシレン,ベンゼン等が使用でき、また、上記アル
カン酸を溶媒として用いてもよい。反応温度は還流温度
以下でよく、好ましく100℃以上である。
以上の反応を金属塩の存在下に行なうことにより、一般
式(I)において、Mが金属、金属ハロゲン化物又は金
属酸化物であるポルフイリン誘導体を製造することがで
きる。上記金属塩については後述する。
一般式(III)で表わされるベンズアルデヒド誘導体
は、次の一連の反応により製造することができる。
(1) まず、p−キシレングリコールと四臭化炭素,
四塩化炭素等の四ハロゲン化炭素をテトラヒドロフラ
ン,ヘキサン,ペンタン,ベンゼン,トルエン,キシレ
ン等の有機溶媒中、トリフエニルホスフイン等の脱酸素
剤をp−キシレングリコールに対してほぼ1/2当量存在
させて50℃以下の温度で反応させてp−ハロゲン化メチ
ルベンジルアルコールを得る。四ハロゲン化炭素は過剰
に使用するものが好ましい。p−ハロゲン化メチルベン
ジルアルコールは反応液をシリカゲル等の充填剤を用い
るクロマトグラフイーにより展開することにより精製で
きる。また、四ハロゲン化炭素の代わりに五臭化リン,
五塩化リンを用い、有機溶剤としてアルコールを用いる
ことによつても製造することができる。
(2) ついで、p−ハロゲン化メチルベンジルアルコ
ールを常法により酸化することによりp−ハロゲン化メ
チルベンズアルデヒドを得る。例えば、p−ハロゲン化
メチルベンジルアルコールと二酸化マンガンをヘキサ
ン,ジエチルエーテル等の有機溶媒中で反応させる。二
酸化マンガンはp−ハロゲン化メチルベンジルアルコー
ルに対して大過剰に用いるのが好ましい。反応液をシリ
カゲル等の充填剤を用いる液体カラムクロマトグラフイ
ーにより展開することにより精製p−ハロゲン化メチル
ベンズアルデヒドを得ることができる。
(3) さらに、p−ハロゲン化メチルベンズアルデヒ
ドと一般式(IV) (ただし、式中、R及びR′は一般式(III)に同じで
ある)で表わされるジアルキルアミンを反応させること
により、一般式(III)で表わされるベンズアルデヒド
誘導体を得ることができる。反応は、ジメチルホルムア
ミド,ジメチルスルホキシド,ジメチルアセトアミド,
ヘキサメチルホスホリツクアミド等の非プロトン性極性
溶媒,ヘキサン,アセトン,酢酸エチル等の有機溶媒中
で、室温乃至還流温度の温度範囲内で行なうのが好まし
い。反応液から未反応の上記ジアルキルアミンを除去し
たのち、含水シリカゲルカラムクロマトグラフイー、イ
オン交換樹脂による処理、再結晶等により、精製された
ベンズアルデヒド誘導体を得ることができる。
上記ジアルキルアミンとしては、ジメチルアミン,ジエ
チルアミン,メチルオクチルアミン,メチルラウリルア
ミン,メチルオクタデシルアミン等がある。
前記一般式(III)で表わされるベンズアルデヒド誘導
体中、一般式(III)のR及びR′のうち少なくとも一
方が炭素数8以上のアルキル基であるものが特に好まし
い。このようなベンズアルデヒド誘導体を使用すること
により、一般式(I)で表わされるテトラフエニルポル
フイリン誘導体に長鎖アルキル基を容易に導入すること
ができ、従つて、一般式(II)で表わされるテトラフエ
ニルポルフイリン誘導体に長鎖アルキル基を導入するこ
とができるため該誘導体のLB膜形性能を強化することが
できる。
一般式(I)においてMが金属,金属ハロゲン化物,金
属酸化物又は金属水酸化物であるテトラフエニルポルフ
イリン誘導体は、一般式(I)においてMが2個の水素
であるテトラフエニルポルフイリン誘導体と金属塩を反
応させることにより製造することができる。金属塩とし
ては、金属のハロゲン化物,硝酸塩,硫酸塩,酢酸塩等
がある。反応溶媒としてはトルエン、キシレン、ベンゼ
ン、キノリン、ピロリン等の炭化水素系溶剤が使用で
き、酸の存在下に反応を行なうのが好ましい。酸として
はプロピオン酸、酢酸等のアルカン酸、パラトルエンス
ホルン酸等があり、該アルカン酸は反応溶媒として用い
てもよい。反応温度は溶媒の還流温度付近が好ましい。
なお、上記金属のハロゲン化物としてはSiCl4,SiBr4
SiI4,Gecl4,GeBr4,SnCl2,SnI2,FeCl3,InCl3等が
あり、これらを使用すると上記Mが金属ハロゲン化物で
あるテトラフエニルポルフイリン誘導体が得られる。こ
れを加熱下に加水分解することにより、Mが金属の水酸
化物であるテトラフエニルポルフイリンとすることがで
きる。また、上記金属のハロゲン化物としてCuCl2,NiC
l2,PdCl2,ZnCl2等を使用することができ、この場合は
上記Mが金属であるテトラフエニルポルフイリン誘導体
が得られる。さらに、上記金属のハロゲン化物として
は、VCl3,TiCl4等を使用することができ、上記Mが金
属ハロゲン化物であるテトラフエニルポルフイリン誘導
体が得られるが、これは、容易に加水分解し、上記Mが
金属の酸化物であるテトラフエニルポルフイリン誘導体
となる。その他の金属塩も同様に使用して、上記Mが金
属,金属の酸化物、金属の水酸化物であるテトラフエニ
ルポルフイリン誘導体とすることができる。なお、上記
金属塩は、前記ベンズアルデヒド誘導体とピロールの反
応時に存在させてもよい。
一般式(II)で表わされるテトラフエニルポルフイリン
誘導体は、一般式(I)で表わさるテトラフエニルポル
フイリン誘導体とアルキル化試剤を反応させることによ
り、四級アンモニウム塩とすることにより製造すること
ができる。
アルキル化試剤としては種々のものを用いることが可能
であり、例えばヨー化メチル,ヨー化エチル,ヨー化オ
クチル,ヨー化ラウリル,ヨードオクタデカン,臭化エ
チル,臭化オクチル,臭化ラウリル,臭化オクタデシル
のようなハロゲン化アルキル化合物,ジメチル硫酸等の
ジアルキル硫酸,メチルトリフレート等のアルキルトリ
フレト等がある。
反応は、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド,ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒中
で行なう。反応温度は室温乃至還流温度が好ましい。一
般式(I)で表わされるテトラフエニルポルフイリン誘
導体中の四個のアミノ基をすべて四級アンモニウム化す
るためには、上記アルキル化剤を大過剰に用い、反応時
間を長くすることが好ましい。
以上において、各工程の生成物は、シリカゲルカラムク
ロマトグラフイー,再結晶等により精製することができ
る。
前記四級アンモニウム塩(一般式(II)で表わされるテ
トラフエニルポルフイリン誘導体)は、構造として、ポ
ルフイリン環のまわりに四つのフエニレン基を有してお
り、さらにメチレン基を介して、両親媒性の四級アンモ
ニウム基が結合している。この四級アンモニウム基は、
さらに詳しくは窒素カチオンにアルキル基が結合してお
り、特にこのアルキル基のうち少なくとも一個が長鎖ア
ルキル基であるとすぐれたLB膜形成能を有する。すなわ
ち、ポルフイリン環平面に対してその上下に窒素カチオ
ンとアルキル基が位置しやすくなり、このような配置を
LB膜中で取らせることによつてLB膜中で疎水部分と親水
部分との領域を明確に分けることができ、ポルフイリン
環の上部は疎水領域、そして下部は極性領域となる。こ
の結果、LB膜中でポルフイリン環が水平な構造を安定に
取ることが可能となる。
このような配置をとることによつて第二の効果が生まれ
る。即ち、上部の疎水領域には大きな疎水性の空間が生
じ、この空間に疎水性の別の物質、特に機能性物質を取
り込ませることができる。この分子はその大きさが上記
疎水空間にとりこまれる範囲(通常同程度の大きさまた
はそれ以下)でさえあれば種々のものが使用可能であ
る。またポルフイリン環下部は極性領域であり、ポルフ
イリン分子の有する極性基と強く相互作用する別の極性
分子を配置した場合、この分子は前記四級アンモニウム
塩の極性基に引かれ、従つてポルフイリン環の下側に配
置する。このようにしてLB膜中において上部に疎水性物
質、下部に極性分子を選択的に配置させ、ポルフイリン
環によつてこれらの分子同士を明確に分離させることが
可能となる。即ちLB膜中で疎水性物質,ポルフイリン環
及び極性物質が順に積層された異方的な構造を有するLB
膜を一度に得ることができる。
本発明においてLB膜は、次のような方法で作製すること
ができる。すなわち、一般式(II)で表わされるような
四級アンモニウム塩又はこれから誘導される他の四級ア
ンモニウム塩をサブフエーズ以上に展開し、表面圧を制
御しつつ基板上に移し得ることを特徴とする方法であ
る。この方法において、前記したような疎水性機能物
質,極性機能物質,LB膜形成助剤を上記四級アンモニウ
ム塩と同時に使用することができる。
サブフエーズ上に展開させる化合物は、蒸発しやすい有
機溶媒に溶解され、サブフエーズ上に滴下して展開され
る。有機溶媒が蒸散した後、可動性のバリヤによつて展
開した分子を凝集し(圧縮し)、サブフエーズ上に単分
子の凝集膜を形成した後これを基板に写し取ることによ
つてLB膜が作製される。
本発明においては先に述べた考え方により疎水性機能物
質及び/又は極性機能物質を更にLB膜中に取り込ませる
ことができる。その方法としては、第1の方法としては
前記アンモニウム塩と共に極性機能物質及び/又は疎水
性機能物質並びに必要に応じてLB膜形成助剤をサブフエ
ーズ上に展開し、上記した方法でLB膜を形成する方法が
ある。第2の方法としては、特に極性機能物質が機能ア
ニオンとその対イオンの塩である場合において、予め、
前記四級アンモニウム塩と該極性機能物質と反応(イオ
ン交換)させて、新たに生成した塩(前記四級アンモニ
ウム塩を構成するポルフイリン環を含むカチオンと上記
機能性アニオンの塩)を単離精製し、この新たに生成し
た塩と必要に応じて疏水性機能物質及びLB膜形成助剤を
サブフエーズ上に展開し、前記した方法でLB膜を作製す
る方法がある。第3の方法として、極性機能物質がサブ
フエーズに溶解するものである場合において、極性機能
物質を予めサブフエーズに溶解しておき、前記アンモニ
ウム塩と共に必要に応じて疏水性機能物質及びLB膜形成
助剤をサブフエーズ上に展開し、前記した方法でLB膜を
作製する方法があるが、この方法において極性機能物質
が第2の方法におけるものと同様のものであるとき、該
物質と四級アンモニウム塩の間でイオン交換反応をサブ
フエーズ上で行なわせることにより極性機能物質をLB膜
に取り込むことができる。また、同様に第1の方法にお
いても同じようなイオン交換反応をサブフエーズ上で行
なわせてもよい。
以上の方法において、サブフエーズ上に展開すべき物質
は、有機溶媒に混合溶解して又は別個に溶解して用いら
れる。
前記四級アンモニウム塩と他の機能物質との混合割合は
任意であり、目的に応じて選定可能であるが、0.1当量
〜10当量が好ましく、特に当量付近がLB膜の構造がより
明確であり特に望ましい。
使用する有機溶媒は用いる材料が共通に溶解するもので
あればよく、混合溶媒を用いてもよい。
用いる溶媒としては非水溶性で蒸発しやすいものが特に
好ましい。例としてはクロロホルム,塩化メチレン,ト
リクロロエタン,トリクレン,ベンゼン,トルエン,キ
シレン,ヘキサン,ペンタン,ヘプタン,オクタン,ク
ロロベンゼン,酢酸エチル,酢酸メチル,酢酸プロピル
等が挙げられる。用いる材料によつては溶解性を挙げる
ために極性溶媒を一部加えてもよい。その例としてはエ
タノール、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、
最小限の使用に止めるべきである。
サブフエーズとしては通常水を用いるが、pH調整水,含
イオン水,エチレングリコール,グリセリン等の有機系
溶媒も時には用いることができる。サブフエーズ温度は
室温付近が一般であるが冷却水もよく用いられる。
LB膜製造手段として、既知の製造手段をそのまま適用す
ることができる。これらは展開水槽,固定バリア,移動
バリア,表面圧の検知及び制御手段,基板引き上げ装置
を通常含むものであるが、所定の表面圧でサブフエーズ
上に形成された単分子膜を基板に移し得る機能を備えた
ものであれば特に限定はない。その例としては例えば協
和界面科学(株)製LB膜製造装置,ラウダ社製LBフイル
ムバランス,ジヨイスレーベル社製LB膜製造装置,サン
エス計測(株)製LB膜製造装置等の市販の装置をそのま
ま用いることができる。製膜条件等は用いた材料によつ
て最適な条件を設定すべきであり、本発明では限定しな
い。
基板の引き上げ方法としては垂直浸漬法及び水平付着法
とが知られており、材料の性質によつて選択される。用
いる基板としては清浄で平滑なものであればいずれも使
用可能であり、目的に応じ選択される。基板としては石
英ガラス,ほう珪酸ガラス,パイレツクスガラス,ソー
ダガラス等のガラス基板,シリコン,CaF2等の結晶基
板,アルミニウム,プラスチツク基板、インジウムチン
オキサイド(ITO)基板等が用いられる。
なお本発明におけるLB膜の製造方法においては通常の環
境でLB膜を形成することも可能であるが不活性ガスで置
換した雰囲気で製膜を行うことが好ましい結果を与え
る。このようにすることによつて空気に対して不安定な
材料の製膜も安定に行うことが可能である。不活性ガス
としては窒素ガス,アルゴンガス,ヘリウムガス等が挙
げられる。これらのガスをLB膜製造装置に通気すること
によつて不活性ガス雰囲気を得ることができる。これに
先立つてサブフエーズにも通気を行つてサブフエーズ中
の溶存酸素を不活性ガスに置換することがより好ましい
結果を与える。
LB膜形成助剤は単独で安定なLB膜を形成しないような材
料を用いるときに使用する。この際に用いることのでき
るLB膜形成助剤としてはステアリン酸,アラキジン酸,
パルミチン酸等の長鎖脂肪族基を有する脂肪酸,ステア
リン酸アミド,アラキジン酸アミド,パルミチン酸アミ
ド等の長鎖脂肪族基を有する酸アミド化合物,オクタデ
カン,ノナデカン,エイコサン,ドコサン,ヘキサデカ
ン等の長鎖アルカン、エイコサノール,オクタデカノー
ル等の長鎖アルキルアルコール類、ステアリン酸メチ
ル,アラキジン酸メチル,パルミチン酸メタル等の長鎖
脂肪酸エステル類、ビフエニル,ターフエニル,ビスフ
エノールA等の芳香族炭化水素,ラウリルりん酸ナトリ
ウム、長鎖アルキルスルホン酸ナトリウム等が挙げられ
る。これらLB膜形成助剤は、その存在下にLB膜を形成す
ることが可能なイオンを含む材料の荷電状態,分子占有
面積,配列状態を考慮してその種類,配合量が定められ
るが、一般的には前記四級アンモニウム塩に対して0.1
当量〜10当量用いるのが好ましく、LB膜が形成可能な最
低限度にとどめることが望ましい。
機能物質としては極性を有するもの、特に荷電を有する
もの及び/または疏水性を有するものを適宜選択するこ
とでこれらの材料を前記四級アンモニウム塩の上側(疏
水領域)及び下側(極性領域)にLB膜中で配置させる。
これらの材料がまた電子受容性物質及び/又は電子供与
性物質であれば、前記四級アンモニウム塩の光触媒特性
とあいまつて電子機能性LB膜を与える観点から特に好ま
しい。このような構成において、光照射により物質間に
電荷移動反応を誘起させることができる。機能野物質で
あつて電子受容性物質又は電子供与性物質としては遷移
金属錯体が特に好ましい。
遷移金属錯体としては下記の一般式(α),(β),
(γ)又は(δ)で示される化合物が特に好ましい。
一般式(α),(β)においてZはO,S,NQ(Qは水素ま
たはアルキル基)から選ばれる原子又は原子団であり各
位置において相違してもよくX及びX′は水素,アルキ
ル基,置換アルキル基,ハロゲン,アルコシキ基,アル
キルアミノ基,ニトロ基またはシアノ基から選ばれ、X
及びX′は同一でも異なつていてもよく、n及びn′は
それぞれ1〜4の整数、mは+2〜−2の整数、A′は
mによつて規定される電荷を中和するのに必要な電荷数
を有するアニオン,カチオンまたはその群及びMtは遷移
金属イオンを表す(ただし、mがOの場合にはA′は存
在しない)。
一般式(γ)においてZ′はS及びNQ(Qは水素または
アルキル基)から選ばれる各位置において相違してもよ
く、Yは水素,アルキル基,置換アルキル基,フエニル
基,置換フエニル基及びシアノ基から選ばれ、各位置に
おいて相違してもよく、mは+2〜−2の整数、A′は
mによつて規定される電荷を中和するのに必要な電荷数
を有するアニオン,カチオンまたはその群及びMtは遷移
金属イオンを表す(ただし、mが0の場合にはA′は存
在しない)。
一般式(δ)においてmは+2〜−2の整数、A′はm
によつて規定される電荷を中和するのに必要な電荷数を
有するアニオン,カチオンまたはその群及びMtは遷移金
属イオンを表す(ただし、mが0の場合にはA′は存在
しない)。
これらの化合物は例えば、マクレバテイ(J.A.Mclevert
y)ら、プログレスインオーガニツクケミストリー(Pro
g.Inorg.Chem.)10巻,49頁(1968),シユラウツアー
(G.N.Schrauzer)ら、アカウンツオブケミカルリサー
チ(Acc.Chem.Res.)2巻,72頁(1969)、インオーガニ
ツクシンセシス(Inorg.Syn.)10巻,2頁にその合成法、
特性が詳しくまとめられており、通常の状態では−2価
のアニオンから0価の状態で空気中で安定に単離でき、
その荷電状態は中心金属イオンの種類,配位子の種類に
よつて異なる。これらの化合物には2価のアニオンから
2価のカチオンの範囲の全部またはその一部につき種々
の酸化状態が確認されており、その一部については異な
る酸化状態のまま安定に単離できることが知られてい
る。例えばニツケルビス(ジチオマレオニトリル)錯体
である化合物1については次の両者の錯体1−a,1−b
が空気中で安定に単離されており異なる物性を示す。
外観:赤色。850nmに吸収ピークなし(弱い禁制吸収あ
り、logε〜1.5、εは吸光係数を示す)。
外観:黒色。850nmに吸収ピークあり(logε〜3.8)。
これらは空気中のみならず溶媒中で安定であり、かつ両
者は酸化還元電位+0.23V(対飽和カロメル電極、以下S
CEと略す)で電気化学的にまたは化学的に可逆的酸化還
元反応を行つて相互に変換され、その際に近赤外域での
吸収係数の大幅な変化を伴う。同様の反応を種々これら
の化合物群より見いだすことができる。例えば次式が挙
げられる。
なお上記においてE1/2は半波電位である。
前記一般式(α)乃至(δ)で表される遷移金属錯体
は、混合原子価状態をとりうる。混合原子価状態とは中
性状態及び複数の荷電状態のうち二種以上の状態が単独
にあるいは共存する形で存在している状態をさす。
上記遷移金属錯体としては、コバルトビス(ジチオマレ
オニトリル)錯体、マンガンビス(ジチオマレオニトリ
ル)錯体、鉄ビス(ジチオマレオニトリル)錯体、銅ビ
ス(ジチオマレオニトリル)錯体、ニツケル(ビスジチ
オマレオニトリル)錯体、白金(ビスジチオマレオニト
リル)錯体、パラジウム(ビスジチオマレオニトリル)
錯体、ニツケルビス(トルエン−3,4−ジチオレート)
錯体、ニツケルビス(オクタデシルベンゼン−3,4−ジ
チオレート)錯体、白金ビス(トルエン−3,4−ジチオ
レート)錯体、銅ビス(トルエン−3,4−ジチオレー
ト)錯体、ニツケルビス(ベンゼン−4−ジチオメチル
アミノ−1,2,−ジチオレート)錯体、ニツケルビス(ベ
ンゼン−4−ジオクタデシルアミノ−1,2−ジチオレー
ト)錯体、ニツケルビス(ベンゼン−3,4,5,6−テトラ
ブロモ−1,2−ジチオレート)錯体、ニツケルビス(1,2
−ジチオナフタリン)錯体、白金ビス(1,2−ジチオナ
フタリン)錯体、ニツケルビス(ジチオスチリベン)錯
体、白金ビス(ジチオスチリベン)錯体、パラジウムビ
ス(ジチオスチリベン)錯体、ニツケルビス(p−クロ
ロジチオスチリベン)錯体、ニツケルビス(p−メトキ
シジチオスチリベン)錯体、ニツケルビス(p−オクタ
デシロキシジチオスチリベン)錯体、ニツケルビス(p
−ジメチルアミノジチオスチリベン)錯体、ニツケルビ
ス(p−ジオクタデシルアミノジチオスチリベン)錯
体、ニツケルビス(1,2−フエニレンジイミン)錯体、
白金ビス(1,2−フエニレンジイミン)錯体、パラキウ
ムビス(1,2−フエニレンジイミン)錯体、ニツケルビ
ス(4−クロロ−1,2−フエニレンジイミン)錯体、ニ
ツケルビス(3,4−ジクロロ−1,2−フエニレンジイミ
ン)錯体、ニツケルビス(4−アルキル−1,2−フエニ
レンジイミン)錯体、ニツケルビス(ジイミノマレオニ
トリル)錯体、白金ビス(ジイミノマレオニトリル)錯
体、パラジウムビス(ジイミノマレオニトリル)錯体、
ニツケルビス[ビス(トリフルオロメチル)エチレン−
1,2−ジチエート]錯体、白金ビス[ビス(トリフルオ
ロメチル)エチレン−1,2−ジチエート]錯体、パラジ
ウムビス[ビス(トリフルオロメチル)エチレン−1,2
−ジチエート]錯体、ニツケルビス(ジメルカプトイソ
トリチオン)錯体、白金ビス(ジメルカプトイソトリチ
オン)錯体、パラジウムビス(ジメルカプトイソトリチ
オン)錯体、鉄ビス(ジメルカプトイソトリチオン)錯
体等が挙げられる。これらは系の種類,吸収極大位置、
組み合わせるレドツクス対の酸化還元電位等を考慮して
最終的に選択されるべきであるが、種々の酸化状態のう
ちの第一酸化還元反応を考慮して選択することが化合物
の安定性上望ましい。
先に挙げた遷移金属錯体は特に好ましい結果を与える
が、この遷移金属錯体と併用して或いは電子供与性物質
または電子受容性物質の一方として他の混合原子価状態
をとりうる物質の使用も考えられる。他の例としてはプ
ルーシアンブルー,鉄−イオウクラスター化合物,メチ
ルビオロゲン,アルキルビオロゲン,ニツケルビス(デ
ユロキノン)錯体,テトラチチアフルバレン,テトラシ
アノキノジメタン、テトラシアノエチレン,ポリピロー
ル,ポリチオフエン,ポリアルキルピロール,ポリアル
キルチオフエン,ポリイソチアナフテン等が挙げられ
る。また、これら混合原子価状態をとりうる物質と併用
して他の通常の電子供与性物質,電子受容性物質を用い
てもよい。電子供与性物質としてはトリエタノールアミ
ン,エチレンジアミン四酢酸及びその塩、N−アルキル
カルバゾール,アルコール,水等が挙げられ、電子受容
性物質としては各種キノン類等が挙げられる。これらの
電子供与性物質,電子受容性物質は一般に高活性であ
り、組み合せすべき混合原子価状態をとりうる物質との
酸化還元状態の差が大きすぎる場合には、さきに述べた
理由によりその差に応じ速やかな逆反応或いは正反応が
起こるために慎重に選択すべきである。
本発明におけるLB膜の製造法では前記四級アンモニウム
塩を中心として複数の機能物質が非対称に配置した特異
的な構造を有しているLB膜の製造が可能である。このよ
うな構造上の特徴を利用することで種々の機能素子への
応用が考えられる。機能素子としては光起電力素子,光
電変換素子,光スイツチ素子,非線形光学素子等が考え
られる。
〔実施例1〕 次に本発明の実施例を示す。
合成例1(p−ブロモメチルベンジルアルコールの合
成) 攪拌機,冷却管,温度計,滴下装置を備えた反応フラス
コにp−キシレングリコール24.0g,トリフエニルフオス
フイン50.12g,テトラヒドロフラン250mlを入れ、氷冷し
た。四臭化炭素63.37gを徐々に添加した。反応温度は次
第に上昇するが氷浴を適宜調整して反応温度が50℃を越
えないようにした。反応物を濃縮し、析出するトリフエ
ニルフオスフインオキシドをできるだけ除去した。約5
時間反応後反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイーで精製した。展開液はヘキサン/ベンゼン/酢酸
エチル混合溶媒系を用い、最初ヘキサン,ベンゼンを多
めにして、未反応トリフエニルフオスフイン,四臭化炭
素を溶出後、ヘキサン/ベンゼン/酢酸エチルの等容混
合溶媒で精製物を溶出し、濃縮してp−ブロモメチルベ
ンジルアルコールを得た。収量は15.1gであつた。
合成例2(p−ブロモメチルベンズアルデヒドの合成) p−ブロモメチルベンジルアルコール10.0g、二酸化マ
ンガン43.24g、ヘキサン60ml及びジエチルエーテル180m
lを三角フラスコに取り、室温で攪拌した。薄層クロマ
トグラフイーで反応を追跡し、適時二酸化マンガンを追
加した(追加量合計30g)。反応物はクロロホルム/酢
酸エチル=10/1の混合溶媒でシリカゲルクロマトグラフ
イーにより精製し、目的物のp−ブロモメチルベンズア
ルデヒド5.7gを得た。
実施例1(N−メチル−N−n−オクタデシルアミノメ
チルベンズアルデヒドの合成) p−ブロモメチルベンズアルデヒド1.99g、N−メチル
−N−n−オクタデシルアミン5.66g、ジメチルホルム
アミド70mlを反応フラスコに入れ、120℃,4時間反応さ
せた。反応物を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル=3/1
(容量比)の混合溶媒を小量加えた。析出した過剰量の
N−メチル−N−n−オクタデシルアミンをろ過して除
き、母液と同じ混合溶媒を展開液とする含水シリカゲル
カラムクロマトグラフイーで精製した。最初の流出物を
集め、目的物であるN−メチル−N−オクタデシルアミ
ノメチルベンズアルデヒド3.74gを得た。
これの構造式は、 で表わされる。
上記精製物のNMRスペクトルを第1図に示す。第1図で
9.97ppmの一重ピークはアルデヒド基プロトン、7.83〜
7.46ppmにある四重ピークはp−二置換芳香族基(ベン
ゼン環)プロトン、3.52ppmの一重ピークはベンジル位
のメチレン基プロトン,、2.37〜2.31ppmの三重ピーク
はN−n−オクタデシル基のα位のメチレン基プロト
ン、2.17ppmの一重ピークはN−メチル基プロトン、1.5
1〜1.14のほぼ一重ピークはN−n−オクタデシル基
(両末端部分は除く)プロトンそして0.88〜0.82ppmの
三重ピークはN−n−オクタデシル基の末端メチル基プ
ロトンに基づくものであり、目的物のN−メチル−N−
オクタデシルアミノメチルベンズアルデヒドであること
を確認した。
実施例2〔テトラキス(p−(N−メチル−N−n−オ
クタデシルアミノメチル)フエニルポルフイン(C18AmH
2TPP)の合成〕 N−メチル−N−n−オクタデシルアミノメチルベンズ
アルデヒド1.82g、蒸留精製ピロール0.34g及びプロピオ
ン酸60mlを反応フラスコに入れ、120℃5時間、次いで1
40℃2時間反応させた。反応混合物を濃縮してプロピオ
ン酸を留去し、残渣をクロロホルムを展開液とするシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーにより精製して赤紫色
粉状結晶のC18AmH2TPPを得た。収量は0.554gであつた。
C18AmH2TPPの構造式は、 である。
上記精製物のNMRスペクトルを第2図に示す。第2図で
8.85ppmの一重ピークはポルフイリン環のピロールプロ
トン、8.17〜7.67ppmにある四重ピークはp−二置換芳
香族基(ベンゼン環〕プロトン、3.82ppmの一重ピーク
はベンジル位のメチレン基プロトン、2.63〜2.57ppmの
三重ピークはN−n−オクタデシル基のα位のメチレン
基プロトン、2.44ppmの一重ピークはN−メチル基プロ
トン、1.69〜1.22にわたるピークはN−n−オクタデシ
ル基(両末端部分は除く)プロトン、0.89〜0.83ppmの
三重ピークはN−オクタデシル基の末端メチル基プロト
ンそして−2.74ppmの一重ピークはポルフイリン環内に
あるピロール基のアミン性プロトンに基づくものであ
り、目的物のC18AmH2TPPであることを確認した。第2図
においてピロールのアミン性プロトンは極めて高磁場位
に遮断されており、ポルフイリン環の生成を示すととも
に、このものが無金量ポルフイリンであることを明確に
示している。
実施例3〔テトラキス(p−(N−メチル−N−オクタ
デシルアミノメチル)フエニルポルフイリン亜鉛錯体
(C18AmZnTPP)の合成〕 C18AmH2TPPとこれに対して大過剰の酢酸亜鉛を酢酸中
で、還流下に4時間反応させた。反応液を減圧濃縮し、
残渣をクロロホルムを展開液とするシリカゲルクロマト
グラフイーにより精製して赤紫色粉状結晶のC18AmZnTPP
を得た。
これの構造式は、 である。
上記精製物のNMRスペクトルを第3図に示す。
第3図で8.92ppmの一重ピークはポルフイリン環のピロ
ールピロトン、8.17〜7.63ppmにある四重ピークはp−
二置換芳香族基プロトン、3.76ppmの一重ピークはベン
ジル位のメチレン基プロトン、2.6ppm付近の三重ピーク
はN−n−オクタデシル基のα位のメチレン基プロト
ン、2.39ppmの一重ピークはN−メチル基プロトン、1.7
〜1.1にわたるピークはN−n−オクタデシル基(両末
端部分は除く)プロトンそして0.88〜0.83ppmの三重ピ
ークはN−n−オクタデシル基の末端メチル基プロトン
に基づくものであり、目的物のC18AmZmTPP/であること
を確認した。第3図において第2図に見られた高磁場位
に遮蔽されたプロトンが消失しており、金属ポルフイリ
ンが生成したことを明確に示している。このものはシリ
カゲル薄層クロマトグラフイー(展開液:クロロホルム
/メタノール=3/1;容量比)でRf値0.7の単一スポツト
を示し、紫外光(365nm)照射で赤橙色の蛍光を示し
た。
実施例4〔テトラキス(p−(N,N−ジメチル−N−オ
クタデシルアンモニウムメチル)フエニルポルフイリン
亜鉛錯体テトラアイオダイド(C18AmZnTPP)4+・4I-
合成〕 C18AmZnTPP約100mg、ジメチルホルムアミド5ml及びヨウ
化メチル2gを褐色の反応フラスコに加え40℃で5日間反
応させた。この反応途中でヨウ化メチルを適宜追加して
蒸散分を調整した。反応液を減圧濃縮した後、クロロホ
ルムに溶解し、エタノールを加えて沈殿を析出させ、生
じた沈殿をろ別した。この沈殿をもう一度クロロホルム
に溶解し、エタノールを加えて生じた沈殿をろ別して赤
紫色粉状結晶の(C18AmZnTPP)4+・4I-を得た。これの
構造式は、 である。(C18AmZnTPP)4+は、上記構造式において、4I
-を除いた残りのカチオンを示す。
上記生成物のNMRスペクトルを測定したところ、ポルフ
イリン環のピロールプロトンに基づく8.86ppmの一重線
ピーク,ベンゼン環プロトンに基づく8.33〜7.97ppmの
四重線ピーク、ベンジル位のメチル基プロトンに基づく
4.94ppmの一重線ピーク、N−n−オクタデシル基のα
位メチレン基のプロトンに基づく3.56ppmの三重線ピー
ク、N−メチル基のプロトンに基づく3.2ppmの一重線ピ
ーク、N−n−オクタデシル基のβ位メチレン基のプロ
トンに基づく2.00ppmの多重線ピーク、N−n−オクタ
デシル基のメチレン基(α位及びβ位のメチレン基並び
に末端メチル基を除く)のプロトンに基づく1.45〜1.20
ppmの多重線ピーク、さらにN−n−オクタデシル基の
末端のメチル基のプロトンに基づく0.87〜0.82ppmの多
重線ピークが認められ、特に、窒素周辺のプロトンに基
づく吸収ピークが、C18AmZnTPPのそれに比べて約1ppm低
磁場側に大きくシフトしており、三級アミン性のプロト
ンに基づく吸収ピークは認められなかつた。
さらに、上記生成物について、実施例2と同様にして、
シリカゲル薄層クロマトグラフイーを行つたところ、試
料は原点にとどまつていることを観察した。
以上によつて、上記生成物は上記構造式の(C18AmZnTP
P)4+・4I-であることを確認した。
実施例5(LB膜の作製) 実施例3で得られた(C18AmZnTPP)4+・4I-をアセトン
に溶解し、これにニツケルビス(ジチオマレオニトリ
ル)ジアニオン〔以下、Ni(MNT)2 2-と略す〕のテトラブ
チルアンモニウム塩をアセトンに溶解したものを該アン
モニウム塩が過剰になるように混合した。この溶液を注
意深く濃縮した後ろ過し、アセトンで洗浄した。つい
で、得られた残渣をアセトンと混合してろ過し、残渣を
アセトンで洗浄することにより、塩(C18AmZnTPP)4+
2Ni(MNT)2 2-を得た。
(C18AmZnTPP)4+・2Ni(MNT)2 2-を1×10-4mM溶解させ
たクロロホルム−メタノール(クロロホルム:メタノー
ル=4:1,容積比)溶液(以下、溶液Aという)を調製し
た。
溶液Aと電子受容性物質ぶあるニツケルジチオスチリベ
ン錯体〔以下、Ni(DTSB)2と略す〕1×10-4mMベンゼン
溶液を同容積混合して、溶液Bを調製した。
溶液Aをサンエス計測(株)製ヘテロLB膜製造装置を用
い、石英2段蒸留塔で精製した純水をサブフエーズとし
て15℃で展開し、その表面圧−面積(分子占有面積)曲
線を測定した。この結果を第4図にグラフ1として示
す。同様に溶液Bについて同様に表面圧−面積曲線を測
定した。得られた結果を第4図にグラフ2として示す。
第4図で表面圧の立ち上がり点は約5nm2であり、ポル
フイリン化合物が環をサブフエーズに水平に配置してお
り、極性基,長鎖アルキル基がともにポルフイリン環外
に出ている構造として妥当な値である。またグラフ1と
グラフ2とでは立ち上がり点はほぼ同一であり、グラフ
2の方がやや表面圧が高めであり、再立ち上がり点も早
くなつている。この実験結果は第三成分として加えた疎
水性のNi(DTSB)2分子がポルフイリン分子の上にあつて
ポルフイリン環上部の疎水空間に取り込まれていること
を意味している。なお、この実験条件では表面圧18mN/m
付近に表面圧が圧縮に対してほぼ一定となる領域が存在
しており、相変化領域が存在している。
実施例6(LB膜の作製) 試験例1において溶液Bの作製時Ni(DTSB)2分子をポル
フイリン化合物に対して1.2当量及び1.5当量に増加した
こと以外は同様にして実験を行つた。結果を第5図にNi
(DTSB)2を1.2当量を用いた場合はグラフ3として、1.5
当量を用いた場合はグラフ4として示した。
第5図でNi(DTSB)2を1.2当量から1.5当量の範囲で混合
量を変えた場合に、1.2当量(グラフ3)では相変化領
域も見られず、途中いくつかの膜の崩壊点はあるものの
全体としては非常に大きな壊点(約60mN/m)を示してい
る。一方1.5当量混合した系(グラフ4)では膜の崩壊
は表面圧の低い点から始まつており、最終表面圧も低い
ままである。このことからNi(DTSB)2混合量が1.2当量付
近に特に良好なLB膜形成性を示すことが判明した。
実施例7(XPS角度可変スペクトルによる分子配列の確
認) 実施例3で得られた溶液Aと電子受容性物質である白金
ジチオスチリベン錯体〔以下、Pt(DTSB)2と略す〕1×1
0-4mMベンゼン溶液を同容積混合して、溶液Cを調製し
た。
協和界面科学(株)製密閉型LB膜作製装置内の減圧と該
装置内へのアルゴンガスの導入とを繰り返し、該装置内
をアルゴンガス雰囲気とした後、予めアルゴンガスを吹
き込んでおいた純水を、アルゴンガス気流下に上記装置
内のトラフに導入し、サブフエーズとした。水温を15℃
に保ち、前記混合液Cを純水上に展開し、バリヤ移動速
度20cm2で圧縮し、表面圧を25mN/mとし、この表面圧を
保つように圧縮しながら、ヘキサメチルジシラザン蒸気
圧下で一晩放置して疎水処理を行つたシリコン単結晶基
板を10cm/分の速度でサブフエーズに垂直に浸漬し引き
上げた。以上の操作を10回繰り返えした。この結果、上
記シリコン単結晶基板に(C18AmZnTPP)4+・2Ni(MNT)2
2-とPt(DTSB)2を含むLB膜が累積できた。累積比はほぼ
1つであつた。
得られたLB膜について、VGサイエンテイフイツク社製ES
CALABを用いてXPS角度変化スペクトルを測定した結果を
第6図に示す。
第6図中、基板の法線と検出方法のなす角(θ)が0
°,60°及び85°の場合のXPS角度変化スペクトルを下か
ら順にベースラインを上げて示す。該スペクトルのピー
クは、左から順にNiの3p軌道に基づくもの(小さなピー
ク、Ni3p)、Ptの4f軌道に基づくもの(高い二重線、Pt
4f)及びZnの3p軌道に基づくもの(中位のピーク、Z
n3p)であり、右端のものは、Siの2p軌道に基づくピー
ク(Si2p)である。なお、各スペクトルは、Pt4fのピー
クの大きさがほぼ同じになるように記載されているた
め、強度(Intensity)のスケールは異なる。各ピーク
の面積(斜線部)を表2に示す。
原子Aの層と原子Bの層が、原子Aの層を表層に近くし
て整然と配列しているとき、(A/B)θとして次の式a
で与えられる数値は1より大であることが知られてい
る。
〔ただし、式中、IA及びIBは原子Aのある軌道に基づく
ピークの面積及び原子Bのある軌道に基づくピークの面
積であり、(IA/IB)は、角度θのときのIA/IBの値で
あり、(IA/IBθ=0°は、角度0°のときのIA/IB
の値である〕 上記の式から表2に示す面積を利用すると次の結果が得
られる。
(Pt/Zn)60゜=1.12>1 (式b) (Pt/Zn)85゜=1.62>1 (式c) (Ni/Zn)60゜=0.82<1 (式d) (Ni/Zn)85゜=0.95<1 (式e) 式b乃至式eから明らかなように、三つの原子Pt,Zn及
びNiに明瞭な積層関係があり、Zn原子を中心に、Pt原子
はLB膜の表層側に、Ni層はZn原子の下側(基板側)にあ
ることがわかる。
以上から、前記で得られたLB膜は、表層側から、電子受
容性物質であるPt(DTSB)2、増感剤である(C18AmZnTPP)
4+及び電子供与性物質であるNi(MNT)2 2-が順次に積層し
ていることが明らかである。なお、(C18AmZnTPP)4+とN
i(MNT)2 2-は、塩を形成している。
〔発明の効果〕
請求項1におけるテトラフエニルポルフイリン誘導体及
び請求項2におけるテトラフエニルポルフイリン誘導体
は新規であり、後者は優れたLB膜形成能を有し、前者は
後者の中間体として有用である。請求項1におけるテト
ラフエニルポルフイリン誘導体は請求項3又は請求項4
における方法により容易に製造でき、請求項2における
テトラフエニルポルフイリン誘導体は請求項5における
方法により容易に製造することができる。また、請求項
6における方法により上記請求項2におけるテトラフエ
ニルポルフイリン誘導体を利用して特別な構造を有する
LB膜を作成することができる。また、請求項7における
ベンズアルデヒド誘導体は請求項1におけるテトラフエ
ニルポルフイリン誘導体の原料として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたN−メチル−N−オクタデ
シルアミノメチルベンズアルデヒドのNMRスペクトル、
第2図は実施例2で得られたテトラキス(p−(N−メ
チル−N−n−オクタデシルアミノメチル)フエニルポ
ルフインのNMRスペクトル、第3図は実施例3で得られ
たテトラキス(p−(N−メチル−N−オクタデシルア
ミノメチル)フエニルポルフイン亜鉛錯体のNMRスペク
トル、第4図は実施例5で測定した表面圧−面積曲線、
第5図は実施例6で測定した表面圧−面積曲線、第6図
は実施例7で測定したXPS角度変化スペクトルを示す。 1……溶液Aの表面圧−面積曲線、2……溶液Bの表面
圧−面積曲線、3……溶液B(ただし、Ni(DTSB)2を1.2
当量使用)の表面圧−面積曲線、4……溶液B(ただ
し、Ni(DTSB)2を1.5当量使用)の表面圧−面積曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07C 223/02 7457−4H (72)発明者 竹内 一雅 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内 (72)発明者 小畑 立子 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−58618(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (ただし、式中、Mは金属、金属ハロゲン化物、金属酸
    化物、金属水酸化物又は2個の水素を示し、R1、R2
    R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立にアルキル基
    を示す)で表されるテトラフェニルポルフィリン誘導
    体。
  2. 【請求項2】一般式(II) (ただし、式中、Mは金属、金属ハロゲン化物、金属酸
    化物、金属水酸化物又は2個の水素を示し、P1、P2、P3
    及びP4はそれぞれ独立に、一般式(a) (ただし、式中、R9及びR10はそれぞれ独立にアルキル
    基を示す)で表されるジアルキルアミノ基又は一般式
    (b) (ただし、式中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立にアル
    キル基を示す)で表されるトリアルキルアンモニウム基
    を示し、P1、P2、P3及びP4のうち少なくとも一つは一般
    式(b)で表されるトリアルキルアンモニウム基であ
    り、Aは該トリアルキルアンモニウム基のカチオンを中
    和するに必要な電荷を有する1個以上のアニオンを示
    す)で表されるテトラフェニルポルフィリン誘導体。
  3. 【請求項3】一般式(III) (ただし、式中、R及びR′はそれぞれ独立にアルキル
    基を示す)で表されるベンズアルデヒド誘導体とピロー
    ルを反応させることを特徴とする請求項1に記載の一般
    式(I)において、Mが2個の水素であるテトラフェニ
    ルポルフィリン誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の一般式(I)においてM
    が2個の水素であるテトラフェニルポルフィリン誘導体
    と金属塩を反応させるか、請求項3に記載の一般式(II
    I)で表されるベンズアルデヒド誘導体とピロールを金
    属塩の存在下に反応させることを特徴とする請求項1に
    記載の一般式(I)においてMが金属、金属ハロゲン化
    物、金属酸化物であるテトラフェニルポルフィリン誘導
    体の製造法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    テトラフェニルポルフィリン誘導体とアルキル化試剤を
    反応させることを特徴とする請求項2に記載の一般式
    (II)で表されるテトラフェニルポルフィリン誘導体。
  6. 【請求項6】請求項2に記載のテトラフェニルポルフィ
    リン誘導体又はこれから誘導されるアンモニウム塩をサ
    ブフエーズ上に展開し、表面圧を制御しつつ基板上に移
    し取ることを特徴とするLB膜の製造法。
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