JPH07503974A - pH感受性の可逆的にゲル化する浸蝕性ドラッグデリバリーシステム - Google Patents

pH感受性の可逆的にゲル化する浸蝕性ドラッグデリバリーシステム

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JPH07503974A JP5515050A JP51505093A JPH07503974A JP H07503974 A JPH07503974 A JP H07503974A JP 5515050 A JP5515050 A JP 5515050A JP 51505093 A JP51505093 A JP 51505093A JP H07503974 A JPH07503974 A JP H07503974A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 pH感受性の可逆的にゲル化する浸蝕性ドラッグデリバリーシステム発明の分野 本発明は全般に、徐放性のゲル状ドラッグデリバリ−システムに関する。本発明 はとりわけ、眼の疾患、および同様の生理的環境における疾患の処置および診断 に使用することを意図したポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の液体混 合物に関する。本発明の浸蝕性ドラッグデリバリーシステムは、pH変化に応答 して可逆的にゲル化し、粘膜に付着するので、薬剤化合物を徐放するための滴下 または注射可能なドラッグデリバリ−システムとして使用することが特に適当で ある。
発明の背景 多(の薬剤化合物および診断用化合物の投与に関する一つの問題は、そのような 化合物の充分量と、標的組織との接触を、処置または診断目的の達成に充分な時 間維持する必要があることであった。この問題は、眼に投与する化合物に関して 特に深刻である。眼環境においては、眼に直接投与した化合物は、涙液の代謝回 転および族系からの排出により大部分が急速に除去され、元の用量の小部分しか 長時開眼にとどまらない。薬剤化合物を医療レベルに保つためには、涙液の代謝 回転および排出による損失を補うために比較的大用量で反復投与する必要がある 。同様の問題は、鼻粘膜、口腔および同様の生理的環境においても起こる。
眼用ドラッグデリバリ−システムに関する問題解決のための初期の試みは、薬剤 を眼表面上に保持するために、薬剤を含有する半固体軟膏またはゲルを眼の結膜 または円蓋に直接適用することであった。充分量の薬物と眼表面との接触を維持 するには相当有効であるが、軟膏およびゲルは、投与量の調節が困難であるとい う大きな欠点を有する。多くの患者が、軟膏またはゲルの適量を眼に適用するの に困難を感じる。その上、軟膏およびゲルの多くは、視界の曇りや、眼周囲およ び眼瞼上の塊形成のような不快な副作用を起こす。
半固体ゲルおよび軟膏の使用に伴うもう一つの問題は、そのようなデリバリ−シ ステムの多くに当てはまることで、円蓋内で移動するか、または眼から完全に脱 落してしまうということである。粘膜に付着し、それ故保持性の優れたゲルから 成るデリバリ−システムも存在するが、他の多くのゲルシステムは、移動に伴う 不快感の故に患者に歓迎されない。
多くの従来のゲルおよび軟膏ドラッグデリバリ−システムに伴う更に別の問題は 、ゲルまたは軟膏の眼環境内にとどまる時間が長過ぎるということである。利用 可能な薬剤化合物のデリバリ−後も、ゲルまたは軟膏が長時開眼にとどまって、 多くの不快な副作用(塊形成および視界の曇りを包含する)をもたらし続は得る 。
この問題は、生理的デリバリ一部位で徐々に溶解または反応して可溶性生成物を 形成する浸蝕性ゲルから成るゲルドラッグデリバリ−システムによって軽減され る。しかし、そのようなゲルを患者が正確に指示された用量で適用することは、 依然として困難である。そのようなゲルを滴下により適用しようとすれば、患者 が適用するゲルの量はしばしば、少な過ぎるか、多過ぎることになってしまう。
調節的なドラッグデリバリ−のための他の試みは、薬物を含ませたマトリックス 材料製の固体インサートであって、生理的環境中で浸蝕を受け、それと同時に薬 物を放出するインサートを使用することである。そのような固体インサートの一 例は、アルキルビニルエーテル/マレイン酸モノエステルコポリマーのようなカ ルボン酸コポリマーから製造したインサートである。そのようなコポリマー中の 酸官能基と炭素原子数との比によって、浸蝕速度および薬物放出性が異なる。
そのような固体インサートは、徐放のための適用において良好に機能する。しか し、数週間または数日間にわたる薬物放出期間を必要としない適用の場合、固体 インサートは、それを自分で投与することを患者が受容し難いという大きな欠点 を有する。この問題は、インサートを眼環境中に挿入する場合に特に顕著である 。
pH変化に応答してゲル化する製剤をドラッグデリバリ−賦形剤として使用する ことも提案されでいる。薬物混合物のpHを注意深く調節することにより、水性 涙液との混合時に増粘する溶液を得る。そのような製剤は通例、10%程度の濃 度のポリカルボキシレートから成るので、緩衝能が高く、ゲル化時間の長いデリ バリ−システムとなる。しかし、ポリカルボキシレートはある種の薬剤化合物の 化学的安定性を損うので、そのような化合物は、そのデリバリ−・システムに使 用することができない。
従って、本発明の目的は、広範な薬剤化合物を生理的系に投与するために使用し 得る、可逆的にゲル化する安定なドラッグデリバリ−賦形剤を提供することであ る。
他の本発明の目的は、生理的系への適用後、短時間で粘度変化を示す、可逆的に ゲル化するドラッグデリバリ−賦形剤を提供することである。
更に別の本発明の目的は、薬物接触時間の延長によりバイオアベイラビリティ− を改善し、薬物を徐放する、滴下し得る可逆ゲル化ドラッグデリバリ−賦形剤を 提供することである。
本発明の目的は更に、患者の快適性のために自滑性でありながら、粘膜付着性を も示すデリバリ−賦形剤を提供することである。
発明の概要 本発明は全般に、液体のpH変化に応答して可逆的にゲル化する液体組成物を提 供することによって、前記目的を達成する。本発明はとりわけ、ポリ(メチルビ ニルエーテル/マレイン酸)コポリマーの液体溶液と、該液体溶液中に組み合わ せた薬学的に有効な量の処置用または診断用薬剤化合物とから成る、可逆的にゲ ル化するドラッグデリバリ−組成物を提供する。ポリ(メチルビニルエーテル/ マレイン酸)コポリマーは、液体溶液中に、溶液のpH変化に応答して溶液の粘 度を可逆的に変化するのに充分な濃度で存在する。
本発明の組成物は、生理的に適合性のpH範囲内でゾル−ゲル転移を示すので、 滴下し得るドラッグデリバリ−システムとして、および注射し得る徐放性ドラッ グデリバリ−システムとして使用するのに非常に適している。例えば、低いpH (約3)では流動性の粘度範囲にあり、pH7のオーダーの生理的条件に曝され ると急速に粘性ゲル状組成物に変化するドラッグデリバリ−賦形剤および注射可 能なドラッグデリバリ−組成物を、本発明の開示に従って調製することができる 。
更に、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の液体溶液は光学的に透明で 、生体付着性を示すので、眼環境中での使用に非常に適している。ボ1バメチル ビニルエーテル/マレイン酸)の液体溶液は、眼の円蓋に快適に滴下後、増粘し 、液体溶液中に組み合わせた薬剤化合物のバイオアベイラビリティ−を改善する のに充分な時間にわたって、眼の粘膜に付着する。本発明の開示に従って、例え ば、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の水溶液と、薬学的に有効な量 の処置用または診断用薬剤化合物とから組成物を形成する。混合物のpH変化に 応答して液体溶液の粘度を可逆的に変化するのに充分なポリ(メチルビニルエー テル/マレイン酸)濃度は、約1〜25w/v%である。水溶液に組み合わせる 薬剤化合物の薬学的有効量は、薬剤化合物の種類および性質によって異なる。組 成物は薬剤化合物を、例えば約0.005〜50W/V%の濃度で含有する。
本発明のポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)および薬剤化合物の液体溶 液は、従来のドラッグデリバリ−賦形剤と比較して、長期間安定性および薬剤化 合物活性が改善されている。従って、本発明は、長期間にわたって高い薬剤化合 物活性を示す、使用の容易な滴下し得るドラッグデリバリ−組成物を患者に提供 する。このような性質の故に、本発明のドラッグデリバリ−組成物は、患者が長 期にわたって使用することのできる大容量の即用形態に包装し得る。
本発明のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリ−組成物の更なる目的および利 点を示し、かつその理解を深めるために、当業者に対し、好ましい例示の態様を 以下詳細に説明する。添付の図面を参照するが、それについてまず簡単に説明す る。
図面の簡単な説明 第1図は、眼の断面図であって、本発明の滴下し得る可逆ゲル化ドラッグデリバ リ−組成物の一例の投与を示すものである。
第2図は、眼の断面図であって、ゲル化して眼の円蓋内にとどまっている本発明 のドラッグデリバリ−組成物を示すものである。
好ましい態様の詳細な説明 本発明のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリ−組成物は、滴下、経口および 注射用ドラッグデリバリ−賦形剤として使用することを主に意図する。本発明の 好ましい例示態様は、酸性pHでは流動性で、pHが7よりもやや高い生理的p Hでは急速に増粘してゲル状コンンステンンーを示すという粘性および流動性を 有する。本発明の可逆ゲル化ドラッグデリバリ−組成物は生体付着性を有するの で、組織粘膜に付着して薬物保持時間を延長し、組成物の移動を少なくするので 有利である。従って、本発明のドラッグデリバリ−組成物は、薬剤化合物を眼環 境に投与するのに特に適当である。眼環境中で組成物は、付着性の故に、渡糸を 経て早期に排出されるということがない。本発明の範囲を制限することなく、説 明の目的で、薬剤化合物を眼環境中に投与するための滴下可能な組成物に関して 、以下例示態様を説明する。しかし、生理的系全般への薬剤組成物投与のためp H変化に応答して可逆的粘度変化を示す本発明のドラッグデリバリ−組成物の例 示態様は、最も広い意味では、溶液のpH変化に応答して溶液の粘度を可逆的に 変化するのに充分な濃度のポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の液体溶 液から成り、該液体溶液中には、薬学的に有効な量の処置用または診断用薬剤化 合物が組み込まれている。
ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)は、式:で示される一般構造を有す る高度に組織的な構造を有するコポリマーである。このコポリマーは、メチルビ ニルエーテルおよびマレイン酸の反復単位を交互に有するポリカルボン酸である が、通例、式:に従ってポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)を加水 分解することによって調製する。ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸 )は、GAFからガントレズ(GANTREZ)の商品名で市販されている。こ のポリマーは、ポリサイエンノーズ(Polysciences)およびアメリ カン・サイエンティフィック・ポリマーズ(American 5cienti fic Polymers)などからも市販されている。本明細書中の例示態様 のいずれにおいても、塩基触媒による加水分解法(前記の通り;より詳細に後述 )によって好都合に得たポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)の二酸 加水分解生成物を使用する。所望の放出性を達成するために無水マレイン酸コポ リマーまたはポリアクリル酸のハーフェステルから調製した従来のデリバリ−製 剤および組成物とは異なり、本発明におけるマレイン酸コポリマーは、調節的に 行うハーフェステル形成法(加水分解が不充分または過剰になりがちである)を 行う必要なく、容易に完全に加水分解したものである。
ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)は、分子120000〜100 000のものが入手可能である。ポリ(メチルビニルエーテル/無水カルボン酸 )を二酸に加水分解しても重合度は変わらないので、元のポリ無水化合物と同様 の分子量を有するポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)を調製することが できる。当業者は認識するであろうが、ポlバメチルビニルエーテル/マレイン 酸)の液体溶液は通例、コポリマー濃度、温度またはpHが同じなら、コポリマ ーの分子量が大きいほど、粘度も大きい。広範な平均分子量のコポリマーが本発 明の実施に有用であり、特定の平均分子量を有するポリ(メチルビニルエーテル /マレイン酸)に関する本明細書中の記載は例示的なものであり、本発明を制限 するものではない。
薬剤化合物を組み合わせたポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の液体溶 液は、溶液のpHの上昇に応答して、溶液粘度の上昇を示す。通例、溶液pHの 変化は、4未満のpHから5を越えるpHの間である。例えば、pH約3で調製 したポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の約2W/v%の水溶液は、そ のpHが約7に上昇すると、粘度が約220cpsから約3680cpsに上昇 し得る。本発明の組成物は、生理的環境中での適用に有用であるように、比較的 低いpHで調製し、その後、組織部位に投与することができる。組織部位におい ては、溶液はより高い生理的pHに曝される結果、1〜2分間以内の短時間で増 粘して、ゲル状コンシスチンシーを示す。高いpHに曝されると、ポリ(メチル ビニルエーテル/マレイン酸)は脱プロトン化を起こし、それと同時にポリマー 鎖が緩み、流動抵抗が高まる(ポリマー体積の増大によると考えられる)。当業 者は認識するであろうが、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)液体溶液 中に組み合わせた適合性薬剤化合物は粘性組成物中に取り込まれ、粘度上昇は更 に、組織環境中での体液代謝回転による組成物の損失および移動を減少する。し かも、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)溶液は非刺激性および組織付 着性であるので、本発明の組成物は、ボ1バメチルビニルエーテル/マレイン酸 )液体溶液に組み合わせた薬剤化合物を長時間にわたって放出し、そのバイオア ベイラビリティ−を高める賦形剤として機能する。
ゲル状デリバリ−賦形剤を形成する液滴を自己投与するのに適した粘度範囲を示 す組成物においては、粘度変化に有効なボ1バメチルビニルエーテル/マレイン 酸)濃度は、約1〜25重量%である。ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン 酸)濃度を変化することにより、粘度および粘度変化の程度を広範に変化するこ とができる。好ましい例示態様は、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸) 約2〜101/V%の水溶液から成る。pH3で調製した21/V%ポリ(メチ ルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液は、剪断速度0.28 1/sで220 cpsの粘度を有する。この水溶液のpHを7.1に高めると、粘度は約370 0cpsに上昇する。
同様にpH3で調節した8v/v%ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸) 水溶液の粘度は3100cpsであり、この溶液のpHを5に上げるだけで、粘 度は34200cpsに上昇する。
ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)液体溶液中に、薬学的に有効な濃度 で組み合わせるのに適した薬剤化合物は、抗菌剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、 縮瞳剤、抗コ1ル剤(anticoloneurgics)、散瞳剤、抗緑内症 化合物、駆虫化合物、抗ウィルス剤、炭酸脱水酵素阻害剤、抗真菌剤、麻酔剤、 ペプチド、タンノくり質、診断剤、潤滑剤および免疫抑制剤のような広範な適合 性薬剤を包含する。
当業者は認識するであろうが、上記のような種類の薬剤化合物は例示に過ぎない 。本発明のドラッグデリバリ−組成物は、薬剤化合物の、眼、経口、経鼻、直腸 または皮下投与を包含する広範な生理学的適用のために特に適しているので、広 範な薬剤をポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)液体溶液に組み合わせる ことができる。
本発明の好ましい例示態様は水溶性薬剤化合物を含んで成るが、粒子形態で組み 合わせた不溶性薬剤も、本発明の範囲に含むことを意図する。すなわち、可溶ま たは分散した薬剤化合物約0.005〜50重量%を組み合わせた1〜25重量 %ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)液体溶液は、組織標的部位に投与 後1時間以内ないし数時間にわたって薬学的に有効な量の薬剤をデリノ(−する ドラッグデリバリ−賦形剤となる。
ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液に組み合わせる好ましい薬剤 化合物は、ジピバリルエピネフリン・ヒドロクロリド(D P E)である。眼 環境へのDPEの長時間投与に非常に有効な手段を提供することに加えて、DP Eの水溶液は驚くべきことに、従来のデリバリ−賦形剤よりもDPEの長期間貯 蔵安定性および化学的安定性を高める。安定性向上の理由は完全にはわかってい ないが、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の組織的な構造に関連があ ると考えられる。すなわち、メチルビニルエーテル単位とマレイン酸単位とが予 め決定されたABABABパターンで反復しており、2個のカルボン酸官能基が 近接していてDPEを錯化および/またはキレート化すると考えられる。このこ とは、予め構造を決定し難いランダムポリマーおよびコポリマーを形成するよう 製造したポリアクリル酸ポリマーおよびコポリマーとは対照的である。
本発明の組成物は長期間安定であるので、患者が更に手を加える必要なく調製、 貯蔵、および組織部位への投与を行うことができる。そこで、そのようなドラ・ ラグデリバリ−賦形剤の調製および種々の投与経路からの投与(例えば注射用も しくは滴下可能な液体またはスプレーとして)に際して、即用大容量包装を効果 的に採用することができる。薬剤化合物をpH少なくとも5の生理的部位にデリ ノく−する方法は、少なくとも1種の薬剤化合物と組み合わせたポ1バメチルビ ニルエーテル/マレイン酸)液体溶液を提供し、次いで該液体溶液を生理的部位 に導入することを含んで成る。液体溶液はpH約1〜4で調製し、少なくとも5 のI)Hに曝されると急速に増粘する。
本発明のドラッグデリバリ−組成物は、薬物を種々の組織部位に投与するのに有 用であるが、眼環境への投与に特に適当である。その方法を第1図および第2図 によって説明する。とりわけ第1図には、結膜20と下眼瞼22とによって形成 された下円蓋16を有する眼10の縦断面図を示す。第1図の眼10は、点眼容 器型器具14から本発明のドラッグデリバリ−組成物の低粘度液滴12の投与を 受けているところである。眼環境部位への投与後、ポリ(メチルビニルエーテル /マレイン酸)の液滴12は直ちに約7のオーダーの生理的pHに曝される。こ のpH変化により、液滴は急速にゲル化して、第2図(眼10の縦断面図;液滴 12を示す)に示すように粘性の生体付着性形態となる。ゲル化後、液滴12は 、患者にあまり不快感を与えることなく眼10の下円蓋16内のデリノくり一部 位にとどまる。液滴12の大きさは、好ましくは約20〜50μ11特に好まし くは25μlである。溶液約25μlから成る1滴の液体組成物から、被投与体 は約0゜0025〜12.5uの薬剤化合物を受ける。
本発明の組成物は、滅菌充填法を用いて、選択した量の滅菌水に適量のポリ(メ チルビニルエーテル/マレイン酸)および薬剤化合物を単に溶解することによっ て調製および滅菌し得る。可溶性薬剤化合物を組み合わせたポリ(メチルビニル エーテル/マレイン酸)溶液は、調製pHで比較的低粘度であるので、有効孔サ イズ0.4ura未鵬のフィルターを用いて好都合に滅菌濾過し得る(高圧流動 システムを用いて組成物の濾過を促進する必要がない)。滅菌フィルター孔サイ ズよりも粒子の大きい不溶性薬剤化合物を使用する場合は、標準的な滅菌充填方 法を容易に行い得る。
本発明の組成物は、所望の低pHで調製時に200〜500■O8の生理的範囲 の浸透圧を有するが、組成物の浸透圧調整のために無機または有機添加剤を加え てもよい。すなわち、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのような無機塩、また は種々の糖のような有機化合物を、所望により本発明の組成物に加えてよし)。
以下の実施例は、本発明の例示組成物の特性を説明するものであって、本発明を 制限するものではない。以下の実施例において、濃度は重量/体積%(w/v% )で表し、粘度測定値は25℃のものである。
寒轡男1 ポリ(メチルビニルエ・−チル/無水マレイン酸)を加水分解して、ポリ(メチ ルビニルエーテル/マレイン酸)を次のような方法で調製した。GAFから入手 した平均分子量5ooooのポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)の サンプル10gを、90℃の水125■lに攪拌しながらゆっくり加えた。ポリ マーと水の混合物を30分間攪拌する間に、ポリマーはゆっくりと水に溶解した 。次いで、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)の水溶液を約25℃ に冷却し、0、lN−NaOHの添加1:よりpHを約9に調整した。ラジオメ ーター(Radiometer)pH滴定メーターを用いてpHを9に保ち、穏 やかに攪拌しながら、ポリマーを24時間にわたって加水分解した。
実施例2 8w/v%ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液の粘性を、次のよ うにして調べた。実施例1で調製した8w/v%水溶液のpHを1.0N−NC Iで1゜7に調整し、キャリー−メト(Carri−Med)C,S、円錐平板 粘度計を用いて剪断速度0.28 1./sで溶液粘度を測定した。次いで、ポ リ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)溶液のpHを、1.0NaOHの添加 により順次3.05.3.95および5.0に高めた。そのような各pHにおけ る溶液粘度も、前記と同様の条件下に同じ装置を用いて測定した。8w/v%ポ リ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液の粘度上昇を第1表に示す。
第1表 0.28 1/sおよび25℃における、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイ ン酸(分子量80000)の8v/v%水溶液の粘度pH粘度(cps) 1.7 1500 3.05 3100 3.95 18300 5.0 34200 GAFから入手した分子量67000のポリ(メチルビニルエーテル/無水マレ イン酸)を実施例1に記載のように加水分解して、ポリ(メチルビニルエーテル /マレイン酸)の2v/v%水溶液を調製した。前記のように1.0N−H(J ’または1.0N−NaQHを適当に加えることにより、pHを変化した。酸ま たは塩基をそれぞれ添加後、キャリー−メト円錐平板粘度計を用いて剪断速度0 .281/sで溶液粘度を測定した。第■表に示すように、ポリ(メチルビニル エーテル/マレイン酸)の濃度がより低く、平均分子量もやや小さい場合は、水 溶液の粘度は幾分小さく、pH変化に伴う粘度変化の程度も小さい。
第■表 0、28 1/sおよび25℃における、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイ ン酸)(分子量67000)の2v/v%水溶液の粘度pH粘度(cps) 2.0 167 3、0 219 4.1 2200 5.0 3600 6.0 3720 7.1 3680 実施例4 実施例3において調製したポリマー10gを水200m1に溶解することによっ て、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の5v/v%水溶液を調製した 。次いで、レボーブノロール・ヒドロクロリド領4gを溶液に加えて、薬物濃度 0゜21/v%とした。薬物およびコポリマーの溶液のpHを適量の1.0N− NaOHまたは1.0N−NCIで調整し、キャリー−メト円錐平板粘度計を用 いて剪断速度0.28 1/sで溶液粘度を測定することによって、種々のpH における溶液の粘性を調べた。測定結果を第■表に示す。pHを2.3から7. 4に上昇すると、粘度が約30倍になることがわかる。
第■表 0.28 1/Sおよび25℃における、レボーブノロール・ヒドロクロリド0 ゜211/V%を組み合わせたポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)(分 子量67000)の5マ/V%水溶液の粘度 pH粘度(cps) 2.3 260 3.1 330 3.5 2540 4、6 6700 6.0 7100 7.4 6750 実施例5 ポIバメチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液の組織適合性および毒性を調 べるために、まず67000ポリ(メチルビニルエーテル%溶液を調製し,た。
次いで、ポリマー溶液の35μlの液滴を、雌ニューシーラント白ウサギ24匹 の左眼に滴下した。対照として、各ウサギの右眼には生理食塩液の35μl液滴 を投与した。ウサギの眼の角膜の曇りおよび着色を細隙灯で、刺激の徴候は目視 により検査した。この試験においては、1時間間隔で投与を3回繰り返した。ポ リ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液は、ウサギの角膜に対して刺激 性も、毒性または細胞毒性も示さないことがわかった。
実施例6 ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液の組織適合性および毒性を調 べるために、まずsooooポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の10 w/v%溶液を調製した。次いで、ポリマー溶液の35μlの液滴を、雌ニュー シーラント白ウサギ24匹の左眼に滴下した。対照として、各ウサギの右眼には 生理食塩液の35μl液滴を投与した。ウサギの眼の角膜の曇りおよび着色を細 隙灯で、刺激の徴候は目視により検査した。この試験においては、1時間間隔で 投与を3回繰り返した。ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の101/ V%水溶液は、ウサギの角膜に対して刺激性も、毒性または細胞毒性も示さない ことがジピバリルエピネフリン・ヒドロクロリド(DPE)を組み合わせたポリ (メチルビニルエーテル/マレイン酸)の水溶液の安定性を調べるために、次の ような試験を行った。ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)(分子量70 000)2w/v%およびDPEo.1w/v%の水溶液(サンプルA)を、4 5℃で28日間貯蔵した。対照サンプルであるDPEo.IW/V%の水溶液( サンプルB)も45℃で28日間貯蔵した。いずれのサンプルも、0.IN−H Cl!でpH3.5に調整した。
サンプルAおよびサンプルBのDPE濃度を、高性能液体クロマトグラフィーに より定期的に分析した。その結果を第■表に示す。
第■表 時間(日) サンプル中のDPE残存率(%)サンプルA サンプルB 0 100% 100% 第■表に示すDPE濃度分析結果から、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン 酸)の存在によりDPEの貯蔵安定性が向上することがわかる。サンプルAは無 色のままであるのに対し、サンプルBは変色するという知見も、上記結論を支持 する。この変色は、有色であることが知られているDPE分解物アドレノクロム によると考えられる。
実施例8 ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)水溶液が、一定の分子量および粘性 を長期間にわたって維持する能力を調べるために、次のような試験を行った。分 子量67000のポ1バメチルビニルエーテル/マレイン酸)10gを水200 mJに溶解することによって、ポリマーの51/ν%水溶液を調製した。0.l N−HClを加えることにより、溶液のpHを3.5に調整した。次いで、ポリ マー溶液を周囲温度で3箇月間貯蔵した。貯蔵期間の終了後、静止光散乱法およ びFTIR分析法を用いて、ポリマーの分子量および化学的性質を調べた。分子 量にも化学的性能にも、変化は見られなかった。
貯蔵期間の終了時に、O,lN−HClまたは0.lN−NaOHを適当に加え て、ポリマー溶液のpHを変化した。種々のpHにおけるポリマー溶液の粘度を 、キャリー−メト円錐平板粘度計を用いて剪断速度0.28 1/sで測定した 。第7表に、各pHにおける粘度測定値を示す。実施例4の測定値と比較して、 各pHにおける粘度が安定に保たれることが明らかである。
第7表 周囲温度で3箇月間貯蔵後のポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)(分子 量67000)51/V%水溶液の、0.28 1/Sおよび25℃における粘 度pH粘度(cps) 3.9 4240 4.6 5800 6.0 6900 7゜4 6450 本発明の好ましい例示態様を記載したが、当業者は、本明細書中の開示は例示に 過ぎず、本発明の範囲内で変更、調整および改良を行い得ることに注意すべきで ある。すなわち、本発明は、本明細書中で説明した特定の態様に制限されるもの ではない。
国際v4査報告 、。、T/IIC0yrngtc1□−Ns PCT/US  93101635フロントページの続き (81)指定国 EP(AT、BE、CH,DE。
DK、ES、FR,GB、GR,IE、IT、LU、MC,NL、PT、SE) 、0A(BF、BJ、CF、CG、CI、CM、GA、GN、ML、MR,SN 、TD。
TG)、AT、AU、BB、BG、BR,CA、CH。
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、NZ、PL、PT、RO,RU、SD、SE、SK。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.pH変化に応答して粘度変化を示す可逆ゲル化ドラッグデリバリー組成物で あって: 溶液pHの変化に応答して可逆的に粘度を変化するのに充分な濃度のポリ(メチ ルビニルエーテル/マレイン酸)の液体溶液;およびその中に組み合わせた薬学 的に有効な量の処置または診断用薬剤化合物から成る組成物。
  2. 2.液体溶液は水溶液である請求項1記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリ バリー組成物。
  3. 3.溶液pHの変化は、pH1〜4と5〜8との間である請求項1記載のpH感 受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー組成物。
  4. 4.溶液の粘度は、25℃で約200〜34000である請求項1記載のpH感 受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  5. 5.ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の濃度は、約1〜25w/v% である請求項1記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  6. 6.薬剤化合物の薬学的有効量は、約0.005〜50w/v%である請求項1 記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  7. 7.薬剤化合物は、抗菌剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、縮瞳剤、抗コリン剤、 散瞳剤、抗緑内症化合物、駆虫化合物、抗ウイルス剤、炭酸脱水酵素阻害剤、抗 真菌剤、麻酔剤、ペプチド、タンパク質、診断剤および免疫抑制剤から成る群が ら選択する請求項1記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  8. 8.薬剤化合物は、ジピバリルエピネフリン、レボーブノロールから成る群がら 選択する請求項1記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  9. 9.pH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤であって:ポリ(メチルビ ニルエーテル/マレイン酸)約1〜25w/v%の水溶液;および約0.005 〜50w/v%の濃度の薬剤化合物から成る賦形剤。
  10. 10.薬剤化合物の濃度は約0.05〜0.5w/v%である請求項9記載のp H感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  11. 11.薬剤化合物の濃度は約0.1〜0.2w/v%である請求項9記載のpH 感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  12. 12.ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)は、約2〜10w/v%の濃 度で存在する請求項9記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  13. 13.薬剤化合物は、抗菌剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、縮瞳剤、抗コリン剤 、散瞳剤、抗緑内症化合物、駆虫化合物、抗ウイルス剤、炭酸脱水酵素阻害剤、 抗真菌剤、麻酔剤、ペプチド、タンパク質、診断剤および免疫抑制剤から成る群 がら選択する請求項8記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  14. 14.薬剤化合物はジピバリルエピネフリンおよびレボーブノロールから成る群 から選択する請求項8記載のpH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤。
  15. 15.pH感受性可逆ゲル化ドラッグデリバリー賦形剤であって:ポリ(メチル ビニルエーテル/マレイン酸)コポリマー約2〜10w/v%の水溶液;および 約0.05〜0.5w/v%のジピベフリンから成る賦形剤。
  16. 16.pH少なくとも6の生理的部位に薬剤化合物を長時間にわたってデリバー する方法であって: pHが約1〜4、溶液粘度が25℃で約200〜4500cpsである、ポリ( メチルビニルエーテル/マレイン酸)および薬学的有効量の薬剤化合物の液体溶 液を提供し;および 該液体溶液を生理的部位に導入する ことを含んで成る方法。
  17. 17.薬剤化合物の薬学的有効量は、約0、005〜50w/v%である請求項 16記載の方法。
  18. 18.薬剤化合物は、ジピバリルエピネフリンおよびレボーブノロールから成る 群から選択する請求項16記載の方法。
  19. 19.ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)コポリマーは、約2〜10w /v%の濃度で液体溶液中に存在する請求項16記載の方法。
  20. 20.生理的部位への液体溶液の導入は、液滴大の液体溶液を生理的部位に適用 することによって行う請求項16記載の方法。
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