JPH0750119B2 - 流れの可視化情報検出方法 - Google Patents

流れの可視化情報検出方法

Info

Publication number
JPH0750119B2
JPH0750119B2 JP24945286A JP24945286A JPH0750119B2 JP H0750119 B2 JPH0750119 B2 JP H0750119B2 JP 24945286 A JP24945286 A JP 24945286A JP 24945286 A JP24945286 A JP 24945286A JP H0750119 B2 JPH0750119 B2 JP H0750119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
scattered light
flow
scattering
flow field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24945286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63103940A (ja
Inventor
俊夫 阿部
暢 久松
淳 犬丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP24945286A priority Critical patent/JPH0750119B2/ja
Publication of JPS63103940A publication Critical patent/JPS63103940A/ja
Publication of JPH0750119B2 publication Critical patent/JPH0750119B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)
  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 I.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、散乱媒体によって入射光を散乱させ流れを可
視化すると共にその散乱光の強度並びに変動から流れの
定性的、定量的情報を検出する方法の改良に関する。更
に詳述すると、本発明は、二次散乱などによる散乱光の
減衰の影響を補正して実際の散乱光強度に近似した値を
検出し得る可視化情報検出方法に関する。
(従来の技術) 流れの可視化、特に非定常な流れの可視化に効果的な手
法として、微粒子或いは微細気泡から成る散乱媒体を均
一濃度で分散させた液体で流れ場を形成し、この流れ場
に光を照射して前記散乱媒体でその入射光を散乱させ、
この散乱光の強度によって流れを定量的に可視化する方
法が提案された(特開昭59−87,369号、同59−87,340
号、同59−87,344号)。この方法によれば、散乱媒体の
粗密に伴う散乱光の強度およびその変動によって形成さ
れる画像には流れ場の濃度およびその変動並びに流速な
どの各種定性的定量的情報が含まれていることから、画
像を解析しあるいはそのままモニタテレビなどを使って
出力し可視化すれば、散乱媒体の動き即ち流れの挙動を
非接触下にリアルタイムで追跡できる。このため、一平
面内における流れの現象、流れ方向等は勿論のこと、異
なる断面の画像を同時に検出できれば三次元方向におけ
る定性的情報も正確に知ることができる。しかも、十分
微細でかつ均質な散乱媒体4によって散乱する光の強度
は単位体積中の散乱媒体個数即ち散乱媒体密度に比例す
ると考えられ、それは散乱光の強度が濃度に対応するこ
とを意味することから、散乱媒体4の粗密に伴う散乱光
の強弱によって瞬間々々の濃度及び濃度分布をも同時に
目視観察できかつ定量的に測定ないし記録できる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、検出散乱光は、任意断面において散乱し
た光の一部がカメラに到達する前に他の散乱媒体に衝突
して二次散乱を起したり、水および散乱媒体自体に吸収
されてしまうため、減衰し実際の散乱光強度と異なるも
のとなってしまう。このことは、厳密な意味では散乱光
強度と気泡数密度とが比例してないことを意味し、流れ
場の局部における変動を定量的に測定する場合には何ら
問題ないが、流れ場の全域あるいは異なるセクション間
における流れの変動を定量的に測定しようとする場合、
特に散乱媒体を多量に投入した場合には、散乱光の強度
に誤差を生じ測定密度を低下させる虞があるので無視で
きない。
そこで、本発明は、流れ場内における散乱光の減衰を補
正して実際の値に近似した散乱光強度を検出し得る流れ
の可視化情報検出方法を提供することを目的とする。
II.発明の構成 (問題点を解決するための手段) 斯かる目的を達成するためには、本発明の流れの可視化
情報検出方法は、微細粒子あるいは微細気泡から成る散
乱媒体を散乱光の集まりを形成できる程度に均一な濃度
で大量に分散させた流体で流れ場を再現すると共にこの
流れ場を相互に異なる波長帯域の複数種のスリット光を
照射して測定対象域の他に幾つかの断面を照明光のトレ
ーサに因る散乱に起因する散乱光の集まりから成る光の
明暗として同時に可視化し、各セクションの流れを波長
帯域毎に撮像して各流れ場の散乱光強度を検出する一
方、測定対象域を除く他の流れ場の散乱光強度から各セ
クションにおける近似的な単位体積当りの散乱・吸収断
面積を求め、これから各セクションを通過する際の散乱
光の減衰量を求めて測定対象域の測定散乱光強度を補正
し、実際の値に近似した散乱光強度を検出し得るように
している。
(実施例) まず、本発明を実施するための可視化原理を図面に基づ
いて詳細に説明する。
第2図に流れ場を再現する可視化原理を示す。可視化装
置は、流れ場を再現するモデル槽1と、このモデル槽1
に散乱媒体4を散乱光の集まりを形成できる程度に均一
な濃度で大量に分散させた流体を供給する流体供給ユニ
ット2及びモデル槽1内の流れ場に収束された平面的な
光所謂スリット光5を照射するスリット光源3とから主
に構成されている。この可視化装置において、モデル槽
1の底面から流入した流体は、モデル槽1内において流
れ場を再現したのちモデル槽1の上方の排出口6から図
示しない排出管を通じて排出される。流体は、通常その
ままの状態であるいは必要な処理を施した後槽外に排出
される。尚、流体をモデル槽1の上方から導入し底面か
ら排出することも、また側面から導入して他の面から排
出することも可能である。
前記モデル槽1は、特定の周波数帯域の光特に可視領域
の光に対して吸収性を示すことがない材質であることが
必要であり、例えばアクリル樹脂やガラス等の透光性材
料によって所定形状に形成されている。このモデル槽1
は、内部にモデルを設置する場合には、有限の流れ場を
形成するための容器に過ぎないが、管内の流体の流れを
可視化する場合等にはそれ自体がモデルとして使用され
る。また、無限空間における流れ場を再現する場合に
は、モデル槽1に代えて実験室全体を流れ場とし静止空
間を得る。尚、モデル槽1は、その上方に排出口6を、
また底面に噴射口7を有し、更に底面の噴射口7には観
察しようとする流れ場を再現するモデル8が一般に取付
けられる。もっとも、モデルを噴射口7から離してモデ
ル槽1内に設置し、噴射口7においては何ら流体の流れ
に変化を与えない場合もある。本実施例のモデル槽1は
周壁全面を可視光線を透過させる材料で形成している
が、全周壁面を透過性材料で形成する必要はなく、少な
くとも散乱光を観察する面とスリット光が入射する面が
透光性を有すれば足りる。例えばスリット光5の入射方
向と90〜145度の角度θの位置で最適の乱反射が得られ
ることからその範囲に観察窓と入射窓とを位置させてお
けば良く、角型モデル槽1を使用する場合には、少なく
とも隣り合う2面を透光性材料で形成すれば足りる。
尚、この場合、観察窓と入射窓を除く他の周壁面を光吸
収体で形成すれば、散乱光の検出が極めて容易となる。
更に、流れ場を輪切りにして観察する場合には、流れ場
を横切るスリット光5を観察するため、モデル槽1の上
方に観察者ないし観察機器を配置する。
前述のモデル槽1に流体を供給する流体供給ユニット2
は、流体供給源(図示省略)とモデル槽1とを結ぶ管路
9の途中に散乱媒体注入部10を設け、圧送途中の流体に
散乱媒体4を定量的に強制注入することによってあるい
は発生させることによって一定濃度の流体として供給す
るものである。勿論、供給ユニット2は前述のものに限
定されない。例えば、あらかじめ可視化に最適な濃度に
調整された流体をタンクに貯留し、これを定量ポンプで
取り出しモデル槽1に圧送するようにしても良い。
流れ場を形成する流体は、気体ないし液体に、微細粒子
あるいは微細気泡から成る散乱媒体4を均一な濃度で分
散させたものであって、流れ場の形成に影響を及ぼさな
い範囲において可能な限り散乱媒体4が密にかつ均一に
存在する濃度に保たれている。
分散媒としては気体を使用する場合には空気を、また液
体を使用する場合には水を採用するのが最も一般的であ
るが、これに限定されるものではなく、必要に応じて他
の気体を採用することもある。
また、分散相即ち散乱媒体4としては、コロイド粒子に
代表される微細粒子か、微細気泡の採用が好ましい。分
散媒に気体を使用する場合の散乱媒体4としては、直径
1μm程度の微粒子が容易に入手できるMgO,SiO,Al2O3
等の所謂ファインセラミックスの球状物が好適である。
このファインセラミックスから成る微粒子は取扱易く一
定濃度の気体コロイドが得易いからである。勿論、霧や
煙を散乱媒体とした気体コロイドも充分均一化すれば使
用できる。
また、分散媒に液体を使用する場合の散乱媒体4として
は、上述のファインセラミックスの他、極めて微細な乳
脂肪球を含む牛乳等の採用が好適である。殊に、牛乳
は、容易に入手できかつ安価で取扱いが容易であると共
に高輝度の散乱光が得られることから最も好ましい散乱
媒体の微粒子の一つである。中でも加工乳は、一般に乳
脂肪球が直径2μm以下(1μm未満41.8%,1〜2μm4
7.7%)に調整されているため、液体中においてコロイ
ドを形成するに好適である。そこで、本実施例の場合、
水に対して0.2%重量部の加工乳を含ませて親水コロイ
ドを形成させている。
尚、ファインセラミックスの微粒子を採用する場合、牛
乳と違って流れの中に直接注ぎ込むだけでは直ちにコロ
イド状態を形成できない。そこで、ファインセラミック
スをあらかじめ少量の水に浸した高濃縮コロイド溶液と
も言うべきものを用意する。この高濃縮コロイド溶液
は、例えば、一定比率の水とファインセラミックスの微
粒子とを減圧下のタンク内において撹拌混合し、微粒子
表面に付着している気泡を完全に脱泡させることによっ
て作られる。この高濃縮コロイド溶液は、定量スラリポ
ンプを使って流体供給ユニット2に定量的に供給され、
流体供給源から供給される水と混合されて一定濃度のコ
ロイド溶液を形成する。
また、分散媒として液体を使用する場合には、0.06〜0.
2mmの範囲の微細気泡、更に好ましくは0.1〜0.2mmの微
細気泡を均一濃度で分散させ得れば使用可能である。こ
の微細な気泡は、流体供給ユニット2の管路9の途中に
直径3mm以下好ましくは0.8〜0.5mmの小孔を少なくとも
1つ穿孔したオリフィス(図示省略)を設置することに
より、0.2mm以下の気泡が70%程度を占める平均0.1mmの
微細気泡が局所的減圧によって脱気され、連続的に大量
的に安定供給できる。
尚、前述の気体コロイドの場合、散乱媒体4を定量噴射
装置を使って流体供給ユニット2に定量的に供給し、流
体供給源から供給される空気と混合させて一定濃度に形
成するか、或いはあらかじめ空気と散乱媒体4を混合撹
拌して一定濃度としてからモデル槽1に供給する。
前述の散乱媒体を均一かつ密に含む流体によって再現さ
れる流れ場は、スリット光5に代表される平面的な照明
によって、流れの任意の位置を照射し可視化し得るよう
に設けられている。スリット光5は公知のスリット光源
3によってあるいは二次元光学系を使用して可視域のレ
ーザビームを拡げることによって簡単に得られる。ま
た、レーザービームをそのままの状態で高速にオシレー
トさせることにより、実質的なスリット光として使用す
ることも可能である。
このスリット光5としては、照射断面毎に互いに波長帯
域の異なる複数の光が採用される。波長帯域の異なる光
とは、他の光と主たる波長帯域を異にするものであっ
て、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の単一色光の中から適
宜選択することが好ましいが、これらの組み合せから成
る色の光であっても他の光と波長帯域上での区別ができ
るものであれば実施可能である。尚、スリット光には可
視領域の光の使用が観測や画像処理上好ましいが、これ
に限定されるものでなく、赤外線領域や紫外線領域の光
の使用も撮像装置側を対応させることにより可能であ
る。
照明光としての単一色光の使用は好ましく、中でも光の
三原色たる赤、緑、青の光の使用は、その後の画像処理
を容易にする上で最も好適である。帯域分離の容易な単
一色光を使用する場合、撮像手段として入手容易な公知
のITVカメラやカラーTVカメラ等が使用可能だからであ
る。したがって、使用波長帯域の選択は、光の三原色を
基本とし、これに可視断面数に対応させて他の単一色な
いし複合色を加えたり、一色除けば良い。尚、この特定
波長帯域のスリット光5は、例えば、白色光から容易に
得られるスリット光を任意の色の特定波長帯域の光を主
に透過させるバンドパスフィルター11B,11G,11Rを通す
ことによって容易に得られる。また、プリズムなどを使
って白色光を分光させてから任意の波長帯域の光・色を
抽出したり、可視領域のレーザ光を光源とすることによ
り得られる。
一方、上述のスリット照明光5の散乱によって可視化さ
れた複数の流れ場を同時に撮像する手段としては、前記
照明光の各波長帯域に夫々対応する特定波長帯域の光を
透過する複数のバンドパスフィルター12B,12G,12R…と
該フィルター12B,12G,12R…を透過する波長帯域ごとの
画像情報を夫々入力する複数の画像入力装置13B,13G,13
R…とから成る。画像入力側のバンドパスフィルター12
B,12G,12R…は、照明光として使用される特定の波長帯
域の光を主に透過させるものであって、波長帯域を異に
する複数の照明光に対応させて複数種用意されている。
他方、画像入力装置は、画像処理方式に応じて公知の装
置の中から適宜選択使用される。例えば、TVカメラ、ビ
デオカメラのような光学式のものあるいは高感度高速度
カメラのようなものの採用が好ましく、中でもRGB撮像
管とバンドパスフィルターを内蔵するカラーTVカメラの
使用は一光軸上の複数の画像情報を同時に得ることがで
きることから好適である。ここで、カラーTVカメラの場
合、照明光に、赤、緑、青の波長帯域の光を使用すれ
ば、被写界深度を深くして可視断面を撮像するだけで各
断面ごとの可視流れ場が1台のカメラで撮像され、かつ
夫々RGB信号に分けられて画像情報として入力される。
そこで、このRGBカラー信号を夫々別個に取出して、そ
のまま画像信号としてあるいは高速A−D変換を経てデ
ジタル電気信号として出力し、可視化に供しあるいは測
定ないし記録のために供し若しくは録画し、画像に含ま
れている流れの定性的、定量的情報を検出する。例え
ば、市販のモニタテレビに直接表示する場合、流れ場
は、散乱光の輝度に対応した階調の白黒画像としてある
いは単一カラー画像として表示される。勿論、散乱光の
輝度に置換された流れの挙動に関する定性的、定量的情
報は、画像情報のまま利用されるばかりでなく、適宜ア
ナログ画像処理若しくはデジタル画像処理を施して他の
形態によって利用されることもある。例えば、TV輝度信
号をコンピュータ処理等によって輝度に対応する明度と
色合いのカラー表示に変換することも可能である。
尚、本明細書におけるバンドパスフィルターとは、単一
のフィルターで特定波長帯域の光を主に透過させるもの
の他、短波長カットフィルターと長波長カットフィルタ
ーとを組合せて特定の波長帯域の光だけを透過させるも
の等のフィルターも含む。
以上のように構成された可視化装置を使って本発明の流
れの可視化情報検出方法は次のように実施される。
まず、モデル槽1あるいは無限空間に向けて均質な散乱
媒体4を密に分散させた流体を必要なだけ槽内に安定供
給し所望の流れ場を作り出す。散乱媒体4を含む流体は
流れ場を形成しかつ可視化に好適な濃度にあらかじめ全
量調整されたものか、あるいは流体供給ユニット2にお
いて圧送中に混合調整されたものが使用される。次い
で、この流れ場に相互に異なる波長帯域のスリット光5
B、5G、5Rを、第1図に示す如く測定対象域J3,1〜J
3,m列とその手前のJ2,1〜J2,m及びJ1,1〜J1,m列に
同時に夫々照射し、各スリット光5B、5G、5Rを散乱媒体
4に乱反射させることにより任意断面における流れを抽
出して可視化する。
複数のスリット照明光5B、5G、5Rの散乱によって可視化
された流れ場J1〜J3は、観察者の目には重複して渾然と
なり判別不能であるが、バンドパスフィルター12B,12G,
12R…を通して撮像された流れ場は、各波長帯域毎に分
離され、即ち各断面ごとの画像情報として分離入力され
る。
この散乱媒体4の粗密に伴う散乱光の強度およびその変
動によって形成される画像(散乱光の集まりから成る光
の明暗)には流れ場の濃度およびその変動並びに流速な
どの各種定性的定量的情報を含んでいる。そこで、各画
像入力をそのままモニタテレビなどを使って出力し可視
化すれば、同一流れ場の異なる断面における散乱媒体4
の動き即ち流れの挙動を画像で同時に追跡できる。この
ため、一平面内における流れの現象,流れ方向等は勿論
のこと、三次元方向における定性的情報も正確に知るこ
とができる。しかも、十分微細でかつ均質な散乱媒体4
によって散乱する光の強度は単位体積中の散乱媒体個数
即ち散乱媒体密度に比例すると考えられ、それは散乱光
の強度が濃度に対応することを意味することから、散乱
媒体4の粗密に伴う散乱光の強弱によって濃度及び濃度
分布をも同時に目視観察できる。また、濃度は、散乱光
の明るさと相似関係にあり、混合状態にある二流体にお
いて散乱媒体4を含まない流体の割合が高くなるにつれ
て単位体積中の散乱媒体量が減少して明るさを失うこと
から、噴射口7付近の明るさを基準明るさ(濃度100%
相当)として他の点における濃度が定量的に求められ
る。更に、各セクションにおける散乱媒体4群の移動,
拡散及び集合現象即ち濃度変動が散乱光の集合から成る
画像の変化例えば明るさの変動を通して容易に比較し知
ることができる。しかも、この濃度変動は極めて近い点
において極めて類似する波形の濃度変化として表われる
ことから、同一セクション内における極めて近い二点間
あるいは極めて近い二つのセクションの三次元方向の二
点間において極めて類似する波形の濃度変化が認められ
るまでの変動の時間的ずれを検出することによって、二
次元方向あるいは三次元方向における流れの速度を測定
できることとなる。
ところで、前述のような定量的測定方法はフォトセンサ
によって一度に検出できる比較的狭い領域だけでの測定
及び分析には何ら問題はないが、流れ場の全域或いは比
較的広範なエリアについて測定および分析を行う場合に
は入射光の減衰及び散乱光の減衰による影響を補正する
ことが必要となる。
即ち、流れ場に入射された光は、水自体の吸収、散
乱媒体による吸収、散乱媒体による散乱によって減衰
し、 I(x)=I0 -ax …(1′) で表される。ここで吸収係数aは、媒体の吸収係数に粒
子(散乱媒体)の吸収断面積σa及び散乱断面積σsを
加えたもので、単位体積当りの散乱媒体数(N)による
全断面積は、 σa・N=Σa(吸収全断面積)cm σs・N=Σs(散乱全断面積)cm となり、a=(μ+Σa+Σs)で表わされる。このた
め、(1′)式は、 I(x)=I0e-(μ+Σa+Σa+Σs)x =I0e-(μ+Σt)x (1) となる。尚、Σtは(Σa+Σs)である。
ここで、流れ場を第1図に示すように、 (m×n)に分割し夫々の微小要素にアドレスを与える
と、あるアドレスに入射される光量は、 で表わされ、 i,j点から次のアドレスへ向けての出力は で表わされ、 また、i,j点からの散乱強度は となる。
但し、 Σt:単位体積当りの全吸収・散乱断面積(cm) μ:単位体積当りの媒体の吸収係数(cm) α:Σs/Σt β:カメラの感度 である。
そこで、流れ場の外のカメラで検出されるのはバージン
コリージョン(一次散乱光)のみと仮定し、二次散乱を
無視すれば、カメラで検出される(i,j)点における散
乱強度は、 となる。依って、各アドレスの単位体積当りの散乱・吸
収断面積即ち全断面積Σtを求めれば、測定対象域から
の真の散乱強度が求められる。
ここで、J1,1点の散乱光強度を考えると、J1,1=1−
exp{−Δx(μ+Σt1,1)}・α・β・I0と成り、二
次散乱等により減衰がないため検出光量からJ1,1点に
おける全断面積Σtが変わる。次いでJ1,2点の全断面
積も、二次散乱等による減衰がなくかつJ1,1からの入
力光も計算できるので、検出光量から容易に求められ
る。かくして、J1,1〜J1,mまでの全断面積が求められ
る。次いでJ2,1〜J2,mの全断面積は、検出光量にJ
1,1〜J1,mの列での減衰量を加えたものが実際の散乱光
強度に近似した値であり、J2への入力光量がわかってい
るのでJ2,1〜J2,mの列での減衰量を加えたものが実際
の散乱光強度に近似した値であり、J2への入力光量がわ
かっているのでJ2,1〜J2,mの列の全断面積Σtが次々
に算出される。斯様にして、所望列の単位体積当りの散
乱・吸収断面積の分布は演算部28において求められ、補
正制御部29を駆動して測定対象の測定値を補正する。
そこで、例えば、J3,1〜J3,mのセクションを測定対象
とする場合、カメラによって検出される散乱強度は、J
2,1〜J2,mの列とJ1,1〜J1,mの列を通過する間に他の
散乱媒体に衝突して起こる二次散乱等によって減衰され
たものであることから、検出光量にJ2,1〜J2,m列とJ
1,1〜J1,mでの減衰量を夫々加えたものが実際の散乱光
強度に近似したものとなる。
具体的には測定対象を除く他の各セクションの可視画像
から得られるのは減衰量そのものではなく、単位体積当
りの散乱媒体の数Nに比例する単位体積当り全散乱・吸
収断面積Σtであり、これを(4)式に導入することに
より、各アドレスの実際の散乱光強度に近似した値を求
めることができる。また、三次元流の定量的情報を検出
するには、J2,1〜J2,mの列の可視画像からは散乱光強
度の分布と散乱面積Σtとの分布とが同時に検出され、
所定の処理がなされる。
上述の測定対象セクションでの散乱光強度の検出及び他
のセクションでの全散乱断面積の検出は同時に行われ
る。即ち、相互に異なる波長帯域のスリット光たとえば
5B,5G,5Rを使って各セクションを照射する一方、バンド
パスフィルター12B,12G,12Rを通して各波長帯域毎に撮
像しているので各セクションの流れ場が同時に画像情報
としてITVカメラ13B,13G,13Rに入力される。したがっ
て、瞬時に流れの状況が変化する非定常流の瞬間々々の
補正値が検出し得る。
この補正後の画像情報は適宜画像処理の後、そのままモ
ニタテレビ等で映し出されたり、あるいはコンピュータ
処理などで合成画像を得たり、数値化ないし図形化して
記録若しくは表示することができる。
例えば、各セクションの流れ場をモニターテレビに夫々
映し出し、噴射口付近と任意の測定点に該当するブラウ
ン管上に設置したフォトセンサによって光の強弱即ち濃
度の粗密を電気的信号に変換して検出し、この電気信号
をフィルターに通して画面スキャン信号を除去した後に
トランジェントレコーダを経てオシロスコープまたはXY
レコーダヘ出力し、測定ないし記録することができる。
しかも、この測定は流れ場の異なるセクションにおける
流体の濃度を同時に可視化して画像処理するため流れ場
全域における瞬間的な濃度分布が立体的かつ定量的に解
析できる。
また、一つの散乱媒体4を特定してその散乱媒体4が所
定距離△Lを移動する時間を測定することは事実上不可
能であるが、一定濃度の散乱媒体群が移動する時間は接
近する二点間の濃度変化の時間的ずれとして把握するこ
とができる。また、微細かつ均質な散乱媒体4が密に含
まれた流体が作り出す流れ場において、一定濃度の散乱
媒体群が移動する現象は一つの測定点において濃度変化
として表われる。そして、この散乱媒体群の移動現象
は、極めて近い他の点においては極めて類似する波形の
濃度変化として表われる。このことから、散乱媒体群の
近接する二点間における移動時間△tは、両点における
濃度変化の時間的ずれとして把握できるのである。した
がって、近接する平行な二平面の流れ場において、極め
て類似する波形の濃度変化が認められる場合、これらの
間における濃度変化の時間的ずれから三次元方向の流れ
の速度を測定できる。尚、濃度変動は、散乱媒体4を含
む流体と含まない流体との混合状態において、散乱媒体
4を含まない流体の割合が高くなるにつれてあるいは流
体の拡散による希薄化につれて単位体積中の散乱媒体量
が減少し、単位体積当りの散乱光の輝度が低くなるとい
う現象で表われる。この現象は画像信号のまま利用する
場合、テレビ画面上での明るさの変動として現われる。
そこで、例えば第5図に示すように、各画像信号を出力
する各モニタテレビ21B,21Gのブラウン管上のほぼ同一
あるいは三次元流動を想定した場合に相関関係が求めら
れると思われる位置にフォトセンサ22B,22Gを設置し、
各点における濃度変動を測定する。同時にTVカメラ13の
RGB画像情報を適宜画像処理して演算部28に入力して補
正値を求め、各補正値を対応濃度測定値に加算して補正
する。そして、コンピュータ24において、夫々の測定点
で起こる濃度変化の時間的ずれ・遅れ時間△tが相互の
相関関係に基づいて算出される。前述したように、接近
した二つの測定点P1,P2においては類似の濃度変化が起
こる。そこで、各測定点における濃度変化を統計的に処
理して特徴的なピークを各々求め、このピークを基準に
して遅れ時間△tを求める。ある点における遅れ時間即
ち散乱媒体群の例えばフォトセンサ22B,22G間の移動時
間△tが求められれば、フォトセンサ22B,22G間の微小
距離△Lがあらかじめ定められていることから、v=△
L/△tより流速は簡単に求められる。尚、第5図におい
て、符号25はディスプレイ、26はXYレコーダ、27はプリ
ンタである。
尚、本実施例においては、画像上で測定箇所を確認する
便宜のため散乱光の測定をディスプレイとフォトセンサ
(光電素子)を使用して行なっているが、ディスプレイ
への出力を省いて画像信号そのものを処理して上述の散
乱光の変動を検出するようにしても良い。
III.発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の流れの可視化
情報検出方法は、微細粒子あるいは微細気泡から成る散
乱媒体を散乱光の集まりを形成できる程度に均一な濃度
で大量に分散された流体で流れ場を再現すると共にこの
流れ場を相互に異なる波長帯域の複数種のスリット光を
照射して測定対象域の他に幾つかの断面を照射光の散乱
媒体に因る散乱に起因する散乱光の集まりから成る光の
明暗として同時に可視化し、各セクションの流れを波長
帯域毎に撮像して各流れ場の散乱光強度を検出する一
方、測定対象域を除く他の流れ場の散乱光強度から各セ
クションにおける近似的な単位体積当りの散乱・吸収断
面積を求め、これから各セクションを通過する際の散乱
光の減衰量を求めて測定対象域の測定散乱光強度を補正
するようにしたので、実際の値に近似した散乱光強度を
検出し得る。
したがって、散乱媒体数密度と比例する散乱光強度に基
づいて流れの挙動を解析し定量的に測定しようとする場
合、測定精度を低下させることがない。
例えば、散乱光の強弱から正確な濃度分布及び変動が一
目で観察できるし、各波長帯域の光によって形成される
画像を分析しかつ三次元方向の可視断面間の相関関係を
求めることによって流れ場の立体的な定性的観察は勿論
のこと流れ場の全域における瞬間的な濃度分布やその変
動並びに流速等の定量的測定が非接触下にリアルタイム
で正確に実施可能である。即ち、従来では不可能であっ
た非定常流れの挙動に関する精密な三次元解析を非接触
下にリアタイムで実現したのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の可視化情報の補正原理図、第2図は本
発明を実施する可視化原理図、第3図は流れの多断面同
時可視化原理図、第4図は可視化された流れ場を示す説
明図、第5図は本発明の流れの可視化情報検出方法によ
って得られた画像情報を処理する装置の一例を示す説明
図である。 3……スリット光源、4……散乱媒体、 5B,5G,5R……相互に異なる波長帯域のスリット光、 11B,11G,11R……バンドパスフィルター、 12B,12G,12R……バンドパスフィルター、 13B,13G,13R……撮像手段、 28……演算部、29……補正制御部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細粒子あるいは微細気泡から成る散乱媒
    体を散乱光の集まりを形成できる程度に均一な濃度で大
    量に分散させた流体で流れ場を再現すると共にこの流れ
    場を相互に異なる波長帯域の複数種のスリット光を照射
    して測定対象域の他に幾つかの断面を照明光の散乱媒体
    に因る散乱に起因する散乱光の集まりから成る光の明暗
    として同時に可視化し、各セクションの流れを波長帯域
    毎に撮像して各流れ場の散乱光強度を検出する一方、測
    定対象域を除く他の流れ場の散乱光強度から各セクショ
    ンにおける近似的な単位体積当りの散乱・吸収断面積を
    求め、これから各セクションを通過する際の散乱光の減
    衰量を求めて測定対象域の測定散乱光強度を補正し、実
    際の値に近似した散乱光強度を検出し得るようにしたこ
    とを特徴とする流れの可視化情報検出方法。
JP24945286A 1986-10-22 1986-10-22 流れの可視化情報検出方法 Expired - Lifetime JPH0750119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24945286A JPH0750119B2 (ja) 1986-10-22 1986-10-22 流れの可視化情報検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24945286A JPH0750119B2 (ja) 1986-10-22 1986-10-22 流れの可視化情報検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63103940A JPS63103940A (ja) 1988-05-09
JPH0750119B2 true JPH0750119B2 (ja) 1995-05-31

Family

ID=17193173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24945286A Expired - Lifetime JPH0750119B2 (ja) 1986-10-22 1986-10-22 流れの可視化情報検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0750119B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018169163A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 倉敷紡績株式会社 半導体処理装置及び半導体処理流動体の計測方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5216051B2 (ja) * 2010-06-23 2013-06-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置および自動分析方法
US8910890B2 (en) 2010-11-24 2014-12-16 Honda Motor Co., Ltd. Seeding device
JP5631174B2 (ja) * 2010-11-24 2014-11-26 本田技研工業株式会社 シーディング装置
JP5502708B2 (ja) * 2010-11-24 2014-05-28 本田技研工業株式会社 シーディング装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018169163A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 倉敷紡績株式会社 半導体処理装置及び半導体処理流動体の計測方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63103940A (ja) 1988-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE19651485C2 (de) Verfahren zur optischen Messung von Gasblasen in der Kühlfüssigkeit einer Brennkraftmaschine sowie eine Einrichtung zur Durchführung des Verfahrens
Schleicher et al. Design of an optical tomograph for the investigation of single-and two-phase pipe flows
US20080045848A1 (en) Method and System for Measuring the Speed of Blood Flow
US4543834A (en) Measurement of velocity in water flow model
DE2106945A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur optischen Inspektion von Flüssigkeiten
US4266874A (en) Apparatus and method for measuring the size of fibers
DE10018305A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Analyse von Strömungen
JPH0750119B2 (ja) 流れの可視化情報検出方法
DE102008019756B4 (de) Verfahren zur simultanen Messung von Geschwindigkeits- und Zustandsparameterfeldern in einer Fluidströmung
JPH0654279B2 (ja) 流れの三次元観察方法
JP2010271159A (ja) 粒度分布測定装置
Usmanova et al. The study of vortexes based on the multi colored particle image velocimetry technique
Economikos et al. Toward full-field measurements of instantaneous visualizations of coherent structures in turbulent shear flows
Petrosky et al. Particle image velocimetry applications using fluorescent dye-doped particles
JPH0750120B2 (ja) 流れの回転運動検出方法
JP2000046723A (ja) 血小板機能検査方法
Christensen et al. Experimental Determination of Bubble Size Distribution in a Water Column by Interferometric Particle Imaging and Telecentric Direct Image Method
EP1434982B1 (de) Verfahren und vorrichtung zur bestimmung der quantitativen verschmutzung von oberflächen
DE3130747C1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung der Koordinaten des fiktiven Auftreffpunktes von ungebrochenen Lichtstrahlen
JPH0338537B2 (ja)
DE19525847C2 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung des Durchmessers von Teilchen
SU857813A1 (ru) Устройство дл определени состава и качества смеси
JP5353626B2 (ja) 粒度分布測定装置
JPH0260976B2 (ja)
Lourenēo IT IS POSSIBLE TO OBTAIN A GAS CONCENTRATION FIELD USING DIGITAL PROCESSING OF IMAGES ACQUIRED BY MEANS OF A LASER SHEET TECHNIQUE